JP2016505089A - トリブロックコポリマー、その形成方法およびそれを含む相溶化組成物 - Google Patents

トリブロックコポリマー、その形成方法およびそれを含む相溶化組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2016505089A
JP2016505089A JP2015556082A JP2015556082A JP2016505089A JP 2016505089 A JP2016505089 A JP 2016505089A JP 2015556082 A JP2015556082 A JP 2015556082A JP 2015556082 A JP2015556082 A JP 2015556082A JP 2016505089 A JP2016505089 A JP 2016505089A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
poly
phenylene ether
ether
hydroxy
triblock copolymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015556082A
Other languages
English (en)
Inventor
ノーマン ピーターズ、エドワード
ノーマン ピーターズ、エドワード
Original Assignee
サビック グローバル テクノロジーズ ベスローテン フェンノートシャップ
サビック グローバル テクノロジーズ ベスローテン フェンノートシャップ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by サビック グローバル テクノロジーズ ベスローテン フェンノートシャップ, サビック グローバル テクノロジーズ ベスローテン フェンノートシャップ filed Critical サビック グローバル テクノロジーズ ベスローテン フェンノートシャップ
Publication of JP2016505089A publication Critical patent/JP2016505089A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G81/00Macromolecular compounds obtained by interreacting polymers in the absence of monomers, e.g. block polymers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G65/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming an ether link in the main chain of the macromolecule
    • C08G65/34Macromolecular compounds obtained by reactions forming an ether link in the main chain of the macromolecule from hydroxy compounds or their metallic derivatives
    • C08G65/48Polymers modified by chemical after-treatment
    • C08G65/485Polyphenylene oxides
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L53/00Compositions of block copolymers containing at least one sequence of a polymer obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds; Compositions of derivatives of such polymers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L71/00Compositions of polyethers obtained by reactions forming an ether link in the main chain; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L71/08Polyethers derived from hydroxy compounds or from their metallic derivatives
    • C08L71/10Polyethers derived from hydroxy compounds or from their metallic derivatives from phenols
    • C08L71/12Polyphenylene oxides
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G2261/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a carbon-to-carbon link in the main chain of the macromolecule
    • C08G2261/10Definition of the polymer structure
    • C08G2261/12Copolymers
    • C08G2261/126Copolymers block
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G2650/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming an ether link in the main chain of the macromolecule
    • C08G2650/28Macromolecular compounds obtained by reactions forming an ether link in the main chain of the macromolecule characterised by the polymer type
    • C08G2650/56Polyhydroxyethers, e.g. phenoxy resins

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Polyethers (AREA)

Abstract

ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)(PPE−PHE−PPE)トリブロックコポリマーは、塩基の存在下、モノヒドロキシ末端ポリ(フェニレンエーテル)とジエポキシ末端ポリ(ヒドロキシエーテル)との反応で形成される。該PPE−PHE−PPEトリブロックコポリマーは、極性ポリマーと非極性ポリマーとのブレンドにおける相溶化剤として有用である。また、該PPE−PHE−PPEトリブロックコポリマーは、非極性ポリマーと極性充填剤に対する相溶化剤としても有用である。【選択図】図9

Description

フェノキシ樹脂としても既知のポリ(ヒドロキシエーテル)は、典型的に、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)と2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン−エピクロロヒドリンポリマー(エポキシ樹脂)との共重合で調製される線状ポリマーである。フェノキシ樹脂は、約6質量%の第二アルコール基を含む。
フェノキシ樹脂は、コーティング剤、接着剤、インク、複合材、繊維およびプラスチック組成物の特性向上に用いられる。懸垂ヒドロキシ基および骨格エーテル結合によって、極性基材、顔料および充填剤に対するぬれと結合が促進される。熱可塑性プラスチックにフェノキシ樹脂を添加することによって、押出、型成形およびフィルム形成作業におけるプロセスレオロジーの制御に役立ち得る。フェノキシ樹脂の非晶質性は、結晶性および半結晶性熱可塑性材料の結晶化動力学の制御に有用であり得る。
フェノキシ樹脂は、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミドおよびポリウレタンなどの極性ポリマーとの相溶性が優れている。しかしながら、フェノキシ樹脂は、ポリスチレン、ポリ(フェニレンエーテル)、ポリオレフィン、(メタ)アクリルおよび他の非極性ポリマーとの相溶性が低い。フェノキシ樹脂の非極性ポリマーとの相溶性が低いために、非極性ポリマーに対する添加剤としての有用性、極性ポリマーと非極性ポリマーのブレンドに対する相溶化剤としての有用性、および非極性ポリマーと極性充填剤とのブレンドに対する相溶化剤としての有用性が制限されている。
一実施形態は、ポリ(フェニレンエーテル)ブロックがそれぞれ独立に下式の構造
Figure 2016505089
[式中、mは5〜50であり;Zは、それぞれ独立にハロゲン、ヒドロカルビル基が第三級ヒドロカルビルでない未置換または置換C−C12ヒドロカルビル、C−C12ヒドロカルビルチオ、C−C12ヒドロカルビルオキシ、あるいは少なくとも2つの炭素原子がハロゲン原子と酸素原子とを分離しているC−C12ハロヒドロカルビルオキシであり;Zは、それぞれ独立に水素、ハロゲン、ヒドロカルビル基が第三級ヒドロカルビルでない未置換または置換C−C12ヒドロカルビル、C−C12ヒドロカルビルチオ、C−C12ヒドロカルビルオキシ、あるいは少なくとも2つの炭素原子がハロゲン原子と酸素原子とを分離しているC−C12ハロヒドロカルビルオキシである]を有し;ポリ(ヒドロキシエーテル)ブロックが下式の構造
Figure 2016505089
{式中、Aは、構造:
Figure 2016505089
[式中、Gは、それぞれ独立にC−C20芳香族ラジカルであり;Eは、それぞれ独立に直接結合または下式の構造
Figure 2016505089
(式中、R〜Rは、それぞれ独立に水素またはC−C12ヒドロカルビル)から構成される群から選択された構造であり;sは0または1であり;tとuは、それぞれ独立に1〜10である]を有する残基であり;Bは下式の構造
Figure 2016505089
(式中、R〜Rは、それぞれ独立に水素またはC−C12ヒドロカルビル)を有する残基であり;nは2〜60である}を有するポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーである。
別の実施形態は、塩基の存在下、モノヒドロキシ末端ポリ(フェニレンエーテル)をジエポキシ末端ポリ(ヒドロキシエーテル)と反応させるステップを含むポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーの形成方法である。
別の実施形態は、組成物の合計質量に対して、セルロースエステル、ポリ(アルキル(メタ)アクリレート)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリ(エチレン−エチルアクリレート)、ポリ(エチレン−ビニルアセテート)、ポリウレタン、ポリ(ビニルアセテート)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(スチレン−アクリロニトリル)、ポリ(スチレン−無水マレイン酸)、ポリ(ビニルブチラール)およびこれらの組み合わせから構成される群から選択された極性ポリマーを30〜93質量%と;アルケニル芳香族化合物と共役ジエンとの未水素化ブロックコポリマー、これらの水素化ブロックコポリマー、ポリ(アルケニル芳香族)、ポリ(フェニレンエーテル)およびこれらの組み合わせから構成される群から選択された非極性ポリマーを5〜68質量%と;ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーを2〜20質量%と、を含む組成物である。
別の実施形態は、組成物の合計質量に対して、アルケニル芳香族化合物と共役ジエンとの未水素化ブロックコポリマー、これらの水素化ブロックコポリマー、ポリ(アルケニル芳香族)、ポリ(フェニレンエーテル)およびこれらの組み合わせから構成される群から選択された非極性ポリマーを30〜93質量%と;ガラス繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、粘土、タルク、雲母、シリカ、アルミナ、二酸化チタン、珪灰石、炭酸カルシウム、 硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ドロマイト、加工鉱物繊維、金属酸化物、金属水酸化物、セラミック繊維およびこれらの組み合わせから構成される群から選択された極性充填剤を5〜50質量%と;ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーを2〜20質量%と、を含む組成物である。
これらおよびその他の実施形態について以下詳細に説明する。
ポリ(ブチレンテレフタレート)、ポリ(フェニレンエーテル)、ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレンおよび5質量%のポリ(ヒドロキシエーテル)を含む比較実施例3の組成物の走査透過型電子顕微鏡写真(25,000倍)である。組成物の相の異なる成分が標識化されている。「1」は、ポリ(フェニレンエーテル)/ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレン分散相領域内のポリ(フェニレンエーテル)である。「2」は、ポリ(フェニレンエーテル)/ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレン分散相領域内のポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレンである。「3」は、ポリ(ブチレンテレフタレート)連続相である。
ポリ(ブチレンテレフタレート)、ポリ(フェニレンエーテル)、ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレンおよび5質量%のポリ(ヒドロキシエーテル)を含む比較実施例3の組成物の別の走査透過型電子顕微鏡写真(5,000倍)である。
ポリ(ブチレンテレフタレート)、ポリ(フェニレンエーテル)、ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレンおよびポリ(フェニレンエーテル)(PPE)含有量が57%のポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)(PPE−PHE−PPE)トリブロックコポリマー5質量%を含む実施例8の組成物の走査透過型電子顕微鏡写真(5,000倍)である。
ポリ(ブチレンテレフタレート)、ポリ(フェニレンエーテル)、ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレンおよびPPE含有量が45%のPPE−PHE−PPEトリブロックコポリマー5質量%を含む実施例11の組成物の走査透過型電子顕微鏡写真である。
ポリスチレンと表面処理ガラス繊維を含み、相溶化剤を含まない比較実施例10の組成物の走査型電子顕微鏡写真である。
ポリスチレン、表面処理ガラス繊維および2.5質量%のポリ(ヒドロキシエーテル)を含む比較実施例11の組成物の走査型電子顕微鏡写真である。
ポリスチレン、表面処理ガラス繊維および5質量%のポリ(ヒドロキシエーテル)を含む比較実施例12の組成物の走査型電子顕微鏡写真である。
ポリスチレン、表面処理ガラス繊維およびPPE含有量が45%のPPE−PHE−PPEトリブロックコポリマー2.5質量%を含む実施例28の走査型電子顕微鏡写真である。
ポリスチレン、表面処理ガラス繊維およびPPE含有量が45%のPPE−PHE−PPEトリブロックコポリマー5質量%を含む実施例29の組成物の走査型電子顕微鏡写真である。
ポリスチレン、表面処理ガラス繊維およびPPE含有量が45%のPPE−PHE−PPEトリブロックコポリマー10質量%を含む実施例30の組成物の走査型電子顕微鏡写真である。
ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマー
一実施形態は、ポリ(フェニレンエーテル)ブロックがそれぞれ独立に下式の構造
Figure 2016505089
[式中、mは5〜50であり;Zは、それぞれ独立にハロゲン、ヒドロカルビル基が第三級ヒドロカルビルでない未置換または置換C−C12ヒドロカルビル、C−C12ヒドロカルビルチオ、C−C12ヒドロカルビルオキシ、あるいは少なくとも2つの炭素原子がハロゲン原子と酸素原子とを分離しているC−C12ハロヒドロカルビルオキシであり;Zは、それぞれ独立に水素、ハロゲン、ヒドロカルビル基が第三級ヒドロカルビルでない未置換または置換C−C12ヒドロカルビル、C−C12ヒドロカルビルチオ、C−C12ヒドロカルビルオキシ、あるいは少なくとも2つの炭素原子がハロゲン原子と酸素原子とを分離しているC−C12ハロヒドロカルビルオキシである]を有し;ポリ(ヒドロキシエーテル)ブロックが下式の構造
Figure 2016505089
{式中、Aは、構造:
Figure 2016505089
[式中、Gは、それぞれ独立にC−C20芳香族ラジカルであり;Eは、それぞれ独立に直接結合または下式の構造
Figure 2016505089
(式中、R〜Rは、それぞれ独立に水素またはC−C12ヒドロカルビル)から構成される群から選択された構造であり;sは0または1であり;tとuは、それぞれ独立に1〜10である]を有する残基であり;Bは下式の構造
Figure 2016505089
(式中、R〜Rは、それぞれ独立に水素またはC−C12ヒドロカルビル)を有する残基であり;nは2〜60である}を有するポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーである。
本明細書での「ヒドロカルビル」は、単独であるいは別の用語の接頭辞、接尾辞またはフラグメントとして使用されたとしても、炭素と水素だけを含む残基を指す。該残基は、脂肪族または芳香族、直鎖、環式、二環式、分枝鎖、飽和あるいは不飽和であってもよい。それはまた、脂肪族、芳香族、直鎖、環式、二環式、分枝鎖、飽和および不飽和の炭化水素部分の組み合わせを含んでいてもよい。しかしながら、該ヒドロカルビル残基が置換であると記載された場合、それは任意に、置換残基の炭素と水素員上にヘテロ原子を含んでいてもよい。従って、置換であると特定的に記載された場合、ヒドロカルビル残基は、1つまたは複数のカルボニル基、アミノ基、ヒドロキシ基などを含んでいてもよく、あるいはヒドロカルビル残基の骨格内にヘテロ原子を含んでいてもよい。一実施例として、Zは、末端3,5−ジメチル−1,4−フェニル基と、酸化重合触媒のジ−n−ブチルアミン成分と、の反応で形成されたジ−n−ブチルアミノメチル基であってもよい。
ポリ(フェニレンエーテル)ブロック中のフェニレンエーテル繰り返し単位の数mは、5〜50の範囲内で、それぞれ独立に10〜40であってもよく、具体的には10〜30であってもよい。
一部の実施形態では、ポリ(フェニレンエーテル)ブロックは、それぞれ独立に1000〜5000原子質量単位の、具体的には1500〜4000原子質量単位の数平均分子量を有する。
一部の実施形態では、ポリ(フェニレンエーテル)ブロックは、それぞれ独立に2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル単位、2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレンエーテル単位またはこれらの組み合わせを含む。これらの実施形態では、ポリ(フェニレンエーテル)ブロックは、Zがそれぞれ独立にメチルであり、Zの少なくとも1つが水素であり、他の1つが水素またはメチルであるフェニレンエーテル単位を含む。
一部の実施形態では、ポリ(フェニレンエーテル)ブロックは、それぞれ独立に下式の構造を有する:
Figure 2016505089
式中、mは10〜40であり、Zは、それぞれ独立に水素またはメチルである。
ポリ(ヒドロキシエーテル)ブロックは、下式の構造を有する:
Figure 2016505089
式中、Aは、構造:
Figure 2016505089
[式中、Gは、それぞれ独立にC−C20芳香族ラジカルであり;Eは、それぞれ独立に直接結合または下式の構造
Figure 2016505089
(式中、R〜Rは、それぞれ独立に水素またはC−C12ヒドロカルビル)から構成される群から選択された構造であり;sは0または1であり;tとuは、それぞれ独立に1〜10である]を有する残基であり;Bは下式の構造
Figure 2016505089
(式中、R〜Rは、それぞれ独立に水素またはC−C12ヒドロカルビル)を有する残基であり;nは2〜60である。ポリ(ヒドロキシエーテル)ブロック中のヒドロキシエーテル繰り返し単位の数nは、2〜60の範囲内で5〜50であってもよく、具体的には10〜30であってもよい。
一部の実施形態では、ポリ(ヒドロキシエーテル)ブロックの数平均分子量は、2,000〜10,000原子質量単位であり、具体的には3000〜7000原子質量単位である。
一部の実施形態では、ポリ(ヒドロキシエーテル)ブロックは下式の構造を有する:
Figure 2016505089
式中、Rは、それぞれ独立に水素またはメチルであり;kは、それぞれ独立に0、1、2、3または4であり;Xは、それぞれ独立にクロロ、フルオロ、ブロモ、さらに任意にカルボキシ、カルボキサミド、ケトン、アルデヒド、アルコール、ハロゲンおよびニトリルから選択された1つまたは複数のメンバーを含むC−C18ヒドロカルビルであり;Bは、それぞれ独立に炭素−炭素単結合、C−C18ヒドロカルビレン、カルボニル、スルフィド、スルホニル、スルフィニル、ホスホリルおよびシランであり;pは独立に2〜約20である。
一部の実施形態では、ポリ(ヒドロキシエーテル)ブロックは、下式の構造を有する:
Figure 2016505089
式中、R、X、kおよびpは、上記に定義したものである。
一部の実施形態では、ポリ(ヒドロキシエーテル)ブロックは、下式の構造を有する:
Figure 2016505089
式中、nは、2〜60であり、具体的には5〜50であり、より具体的には10〜30である。
ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーの一部の実施形態では、ポリ(フェニレンエーテル)ブロックは、それぞれ独立に2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル単位、2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレンエーテル単位またはこれらの組み合わせを含み;ポリ(ヒドロキシエーテル)ブロックは、下式の構造
Figure 2016505089
(式中、nは5〜50)を有する。
PPE−PHE−PPEトリブロックコポリマーのポリ(フェニレンエーテル)ブロックとポリ(ヒドロキシエーテル)ブロックとのモル比は、必ず2:1であることは理解されるであろう。しかしながら、各ブロック種の質量含有量は、ブロック構造とブロック長に応じて相当に変わり得る。例えば、一部の実施形態では、PPE−PHE−PPEトリブロックコポリマーは、その合計質量に対して、20〜80質量%のポリ(フェニレンエーテル)ブロックと、20〜80質量%のポリ(ヒドロキシエーテル)ブロックと、を含む。この範囲内で、ポリ(フェニレンエーテル)ブロックの質量%は、30〜70質量%であってもよく、具体的には40〜60質量%であってもよく、ポリ(ヒドロキシエーテル)ブロックの質量%は、それに応じて変わるであろう。
本ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーは、2つのガラス転移温度を有する。これによって、本トリブロックコポリマーは、Peterの米国特許出願公報第2012/0329939A1号に記載されているような単一のガラス転移温度を有するポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)マルチブロックコポリマーとは区別される。一部の実施形態では、該ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーは、ポリ(ヒドロキシエーテル)相に対応した95〜115℃の第1のガラス転移温度と、ポリ(フェニレンエーテル)相に対応した170〜220℃の第2のガラス転移温度と、を有する。
ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーの非常に特定的な実施形態では、ポリ(フェニレンエーテル)ブロックは、それぞれ独立に2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル単位、2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレンエーテル単位またはこれらの組み合わせを含み;ポリ(フェニレンエーテル)ブロックは、それぞれ独立に1000〜5000原子質量単位の数平均分子量を有し;ポリ(ヒドロキシエーテル)ブロックは、下式の構造
Figure 2016505089
(式中、nは5〜50)を有し;ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーは、95〜115℃の第1のガラス転移温度と、170〜200℃の第2のガラス転移温度と、を有する。この実施形態では、ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーは、任意に、その質量に対して、30〜70質量%の、具体的には40〜60質量%のポリ(フェニレンエーテル)を含んでいてもよい。
トリブロックコポリマーの形成方法
一実施形態は、塩基の存在下、モノヒドロキシ末端ポリ(フェニレンエーテル)をジエポキシ末端ポリ(ヒドロキシエーテル)と反応させるステップを含むポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーの形成方法である。
モノヒドロキシ末端ポリ(フェニレンエーテル)は、下式の構造を有する:
Figure 2016505089
式中、mは5〜50であり;Zは、それぞれ独立にハロゲン、ヒドロカルビル基が第三級ヒドロカルビルでない未置換または置換C−C12ヒドロカルビル、C−C12ヒドロカルビルチオ、C−C12ヒドロカルビルオキシ、あるいは少なくとも2つの炭素原子がハロゲン原子と酸素原子とを分離しているC−C12ハロヒドロカルビルオキシであり;Zは、それぞれ独立に水素、ハロゲン、ヒドロカルビル基が第三級ヒドロカルビルでない未置換または置換C−C12ヒドロカルビル、C−C12ヒドロカルビルチオ、C−C12ヒドロカルビルオキシ、あるいは少なくとも2つの炭素原子がハロゲン原子と酸素原子とを分離しているC−C12ハロヒドロカルビルオキシである。
上記のポリ(フェニレンエーテル)ブロックの構造に関する変形はすべて、ポリ(フェニレンエーテル)ブロックの前駆体であるモノヒドロキシ末端ポリ(フェニレンエーテル)にも同様に当てはまる。例えば、一部の実施形態では、モノヒドロキシ末端ポリ(フェニレンエーテル)中のフェニレンエーテル繰り返し単位の数mは、10〜40であり、具体的には10〜30である。
一部の実施形態では、モノヒドロキシ末端ポリ(フェニレンエーテル)の数平均分子量は、1000〜5000原子質量単位である。
一部の実施形態では、モノヒドロキシ末端ポリ(フェニレンエーテル)は、2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル単位、2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレンエーテル単位またはこれらの組み合わせを含む。これらの実施形態では、モノヒドロキシ末端ポリ(フェニレンエーテル)は、Zがそれぞれ独立にメチルであり、Zの1つが水素であり、他の1つが水素またはメチルであるフェニレンエーテル単位を含む。
一部の実施形態では、モノヒドロキシ末端ポリ(フェニレンエーテル)は、下式の構造を有する:
Figure 2016505089
式中、mは10〜40であり、Zは、それぞれ独立に水素またはメチルである。
モノヒドロキシ末端ポリ(フェニレンエーテル)は、ジエポキシ末端ポリ(ヒドロキシエーテル)と反応する。ジエポキシ末端ポリ(ヒドロキシエーテル)は、下式の構造を有する:
Figure 2016505089
式中、Aは、構造:
Figure 2016505089
[式中、Gは、それぞれ独立にC−C20芳香族ラジカルであり;Eは、それぞれ独立に直接結合または下式の構造
Figure 2016505089
(式中、R〜Rは、それぞれ独立に水素またはC−C12ヒドロカルビル)から構成される群から選択された構造であり;sは0または1であり;tとuは、それぞれ独立に1〜10である]を有する残基であり;Bは下式の構造
Figure 2016505089
(式中、R〜Rは、それぞれ独立に水素またはC−C12ヒドロカルビル)を有する残基であり;nは2〜60である。ポリ(ヒドロキシエーテル)ブロック中のヒドロキシエーテル繰り返し単位の数nは、2〜60の範囲内で5〜50であってもよく、具体的には10〜30であってもよい。
一部の実施形態では、ジエポキシ末端ポリ(ヒドロキシエーテル)の数平均分子量は、2,000〜10,000原子質量単位であり、具体的には3000〜7000原子質量単位である。
一部の実施形態では、ジエポキシ末端ポリ(ヒドロキシエーテル)は、下式の構造を有する:
Figure 2016505089
式中、Rは、それぞれ独立に水素またはメチルであり;kは、それぞれ独立に0、1、2、3または4であり;Xは、それぞれ独立にクロロ、フルオロ、ブロモ、さらに任意にカルボキシ、カルボキサミド、ケトン、アルデヒド、アルコール、ハロゲンおよびニトリルから選択された1つまたは複数のメンバーを含むC−C18ヒドロカルビルであり;Bは、それぞれ独立に炭素−炭素単結合、C−C18ヒドロカルビル、カルボニル、スルフィド、スルホニル、スルフィニル、ホスホリルおよびシランであり;pは独立に2〜20である。
一部の実施形態では、ジエポキシ末端ポリ(ヒドロキシエーテル)は、下式の構造を有する:
Figure 2016505089
式中、R、X、kおよびpは、上記に定義したものである。
一部の実施形態では、ジエポキシ末端ポリ(ヒドロキシエーテル)は、下式の構造を有する:
Figure 2016505089
式中、nは、2〜60であり、具体的には5〜50であり、より具体的には10〜30である。
モノヒドロキシ末端ポリ(フェニレンエーテル)とジエポキシ末端ポリ(ヒドロキシエーテル)との反応は、塩基の存在下で行なわれる。好適な塩基としては、第三級アミン、例えばトリエチルアミン、トリ−n‐プロピルアミン、トリ−n‐ブチルアミン、ジメチルアニリン、ジエチルアニリン、α−メチルベンジルジメチルアミン、N,N−ジメチルアミノエタノール、N,N−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、アルキルイミダゾールおよびこれらの混合物が挙げられる。特定の第三級アミン触媒は、N,N−ジメチルアミノピリジン(DMAP)である。
該反応は、芳香族炭化水素、塩素化炭化水素および極性非プロトン性溶媒から構成される群から選択された溶媒の存在下で行ってもよい。好適な極性非プロトン性溶媒は、ケトン、エステル、エーテル、アミド、ニトリル、スルホキシド、スルホンおよびこれらの混合物である。一部の実施形態では、該溶媒はシクロヘキサノンである。
一部の実施形態では、ジエポキシ末端ポリ(ヒドロキシエーテル)は、15〜300分かけて、具体的には80〜180分かけて、小分けしてモノヒドロキシ末端ポリ(フェニレンエーテル)に添加される。エポキシ樹脂のポリ(フェニレンエーテル)への添加終了後、混合物を反応温度で、1〜12時間、具体的には4〜10時間撹拌してもよい。該反応は、100〜200℃の温度で、具体的には120〜180℃の温度で、より具体的には120〜160℃の温度で行ってもよい。
反応が終了すると、反応混合物を冷却し、芳香族炭化水素、塩素化炭化水素および極性非プロトン性溶媒から構成される群から選択された共溶媒で希釈する。一部の実施形態では、共溶媒は2−ブタノンである。反応混合物を共溶媒で希釈後、貧溶媒を添加してポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーを沈殿させる。共溶媒はアルコールであってもよい。好適なアルコールとしては、メタノールとイソプロパノールが挙げられる。沈殿後、生成物をろ過・貧溶媒で洗浄し減圧下で乾燥して、ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーを得た。
該反応の特定の実施形態では、モノヒドロキシ末端ポリ(フェニレンエーテル)は、下式の構造
Figure 2016505089
(式中、mは10〜40;Zは、それぞれ独立に水素またはメチル)を有し;ジエポキシ末端ポリ(ヒドロキシエーテル)は、下式の構造
Figure 2016505089
(式中、nは5〜50)を有し;塩基は、N,N−ジメチルアミノピリジンである。
極性ポリマーと非極性ポリマーを含む相溶化組成物
一実施形態は、ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーによって、極性ポリマーと非極性ポリマーが相溶化している組成物である。具体的には、該組成物は、その合計質量に対して、セルロースエステル、ポリ(アルキル(メタ)アクリレート)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリ(エチレン−エチルアクリレート)、ポリ(エチレン−ビニルアセテート)、ポリウレタン、ポリ(ビニルアセテート)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(スチレン−アクリロニトリル)、ポリ(スチレン−無水マレイン酸)、ポリ(ビニルブチラール)およびこれらの組み合わせから構成される群から選択された極性ポリマーを30〜93質量%と;アルケニル芳香族化合物と共役ジエンとの未水素化ブロックコポリマー、これらの水素化ブロックコポリマー、ポリ(アルケニル芳香族)、ポリ(フェニレンエーテル)およびこれらの組み合わせから構成される群から選択された非極性ポリマーを5〜68質量%と;ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーを2〜20質量%と、を含む。
該極性ポリマーは、セルロースエステルであってもよい。セルロースエステルとしては、例えば、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、三酢酸セルロースおよびこれらの組み合わせが挙げられる。一部の実施形態では、セルロースエステルは、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロースまたはこれらの組み合わせを含む。セルロースエステルは、硫酸の存在下、セルロースと対応する無水物との反応で調製できる(例えば、セルロースと無水酢酸との反応による酢酸セルロース)。市販のセルロースエステルとしては、Celanese and Eastman Chemical社の酢酸セルロースと、Eastman Chemical社の酢酸酪酸セルロースと、が挙げられる。
極性ポリマーは、ポリ(アルキル(メタ)アクリレート)であってもよい。本明細書での「(メタ)アクリレート」は、アクリレートとメタクリレートの両方を包含する。ポリ(アルキル(メタ)アクリレート)としては、例えば、ポリ(メチルアクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(エチルアクリレート)、ポリ(エチルメタクリレート)、ポリ(n−プロピルアクリレート)、ポリ(n−プロピルメタクリレート)、ポリ(イソプロピルアクリレート)、ポリ(イソプロピルメタクリレート)、ポリ(n−ブチルアクリレート)、ポリ(n−ブチルメタクリレート)、ポリ(イソブチルアクリレート)、ポリ(イソブチルメタクリレート)およびこれらの組み合わせが挙げられる。一部の実施形態では、ポリ(アルキル(メタ)アクリレート)は、ポリ(メチルメタクリレート)を含む。ポリ(アルキル(メタ)アクリレート)は、対応するアルキル(メタ)アクリレートのラジカル重合によって形成できる。市販のポリ(アルキル(メタ)アクリレート)としては、Lucite International社から商品名LUCITE(登録商標)およびPERSPEX(登録商標)として販売されているポリ(メチルメタクリレート)、およびAltuglas International社から商品名PLEXIGLAS(登録商標)として販売されているポリ(メチルメタクリレート)が挙げられる。
極性ポリマーはポリアミドであってもよい。ポリアミドとしては、例えば、ポリアミド−6、ポリアミド−6,6、ポリアミド−4、ポリアミド−4,6、ポリアミド−12、ポリアミド−6,10、ポリアミド−6,9、ポリアミド−6,12、非晶質ポリアミド、ポリアミド−6/6T、ポリアミド−6,6/6T、ポリアミド−9Tおよびこれらの組合せが挙げられる。一部の実施形態では、ポリアミドはポリアミド−6を含む。一部の実施形態では、ポリアミドはポリアミド−6,6を含む。一部の実施形態では、ポリアミドはポリアミド−6とポリアミド−6,6を含む。ポリアミドは、アミノ酸の重縮合またはラクタムの開環重合によって形成できる。市販のポリアミドとしては、SABIC Innovative Plastics社から商品名AVPおよびESPREEとして販売されているポリアミド−6およびポリアミド−6,6、Asahi Kasei Plastics North America社から商品名THERYLONで販売されているポリアミド−6およびポリアミド−6,6、およびBASF社から商品名ULTRAMIDで販売されているポリアミド−6およびポリアミド−6,6が挙げられる。
極性ポリマーはポリカーボネートであってもよい。ポリカーボネートは、下式の繰り返し構造カーボネート単位を有する:
Figure 2016505089
ここで、R基の総数の少なくとも60%は芳香族部分を含んでおり、残りは、脂肪族、脂環式または芳香族である。一部の実施形態では、RはそれぞれC6−30芳香族基であり、すなわち、少なくとも1つの芳香族部分を含む。Rは、ジヒドロキシ化合物(例えば、4,4’−ジヒドロキシビフェニール、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−ナフチルメタン、1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(3−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、1,1−ビス(ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)イソブテン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロドデカン、trans−2,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−ブテン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)トルエン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)アセトニトリル、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−エチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−n−プロピル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−イソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−sec−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,1−ジクロロ−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチレン、1,1−ジブロモ−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチレン、1,1−ジクロロ−2,2−ビス(5−フェノキシ−4−ヒドロキシフェニル)エチレン、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−ブタノン、1,6−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,6−ヘキサンジオン、エチレングリコールビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フッ素、2,7−ジヒドロキシピレン、6,6’−ジヒドロキシ−3,3,3’,3’−テトラメチルスピロ(ビス)インダン(「スピロビインダンビスフェノール」)、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フタルイミド、2,6−ジヒドロキシジベンゾ−p−ジオキシン、2,6−ジヒドロキシチアントレン、2,7−ジヒドロキシフェノキサチン、2,7−ジヒドロキシ−9,10−ジメチルフェナジン、3,6−ジヒドロキシジベンゾフラン、3,6−ジヒドロキシジベンゾチオフェンおよび2,7−ジヒドロキシカルバゾールなど)、レゾルシノール、5−メチルレゾルシノール、5−エチルレゾルシノール、5−プロピルレゾルシノール、5−ブチルレゾルシノール、5−t−ブチルレゾルシノール、5−フェニルレゾルシノール、5−クミルレゾルシノール、2,4,5,6−テトラフルオロレゾルシノール、2,4,5,6−テトラブロモレゾルシノール、カテコール、ヒドロキノン、2−メチルヒドロキノン、2−エチルヒドロキノン、2−プロピルヒドロキノン、2−ブチルヒドロキノン、2−t−ブチルヒドロキノン、2−フェニルヒドロキノン、2−クミルヒドロキノン、2,3,5,6−テトラメチルヒドロキノン、2,3,5,6−テトラ−t−ブチルヒドロキノン、2,3,5,6−テトラフルオロヒドロキノン、2,3,5,6−テトラブロモヒドロキノンおよびこれらの組み合わせから誘導され得る。一部の実施形態では、ジヒドロキシ化合物は、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを含む。ポリカーボネートは、該ジヒドロキシ化合物と、ホスゲンまたはジアリールカーボネート(例えばジフェニルカーボネート)などのカーボネート前駆体との反応で形成できる。市販のポリカーボネートとしては、SABIC Innovative Plastics社から商品名LEXAN(登録商標)樹脂として販売されているもの、Bayer MaterialScience社から商品名APEC(登録商標)で販売されているもの、およびChemtura社から商品名BLENDEX(登録商標)で販売されているものが挙げられる。
極性ポリマーはポリエステルであってもよい。ポリエステルとしては、例えば、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(プロピレンテレフタレート)、ポリ(ブチレンテレフタレート)、ポリ(シクロヘキサンジメチレンテレフタレート)、ポリ(エチレンナフタレート)、ポリ(プロピレンナフタレート)、ポリ(ブチレンナフタレート)、ポリ(エチレンイソフタレート/テレフタレート)、ポリ(プロピレンイソフタレート/テレフタレート)、ポリ(ブチレンイソフタレート/テレフタレート)、ポリ(エチレンテレフタレート/ナフタレート)、ポリ(プロピレンテレフタレート/ナフタレート)、ポリ(ブチレンテレフタレート/ナフタレート)、ポリカプロラクトン、ポリ乳酸およびこれらの組み合わせが挙げられる。一部の実施形態では、ポリエステルはポリ(エチレンテレフタレート)を含む。一部の実施形態では、ポリエステルはポリ(ブチレンテレフタレート)を含む。一部の実施形態では、ポリエステルはポリカプロラクトンを含む。一部の実施形態では、ポリエステルはポリ(乳酸)を含む。ポリエステルは、ジアルコールと二酸の共重合、ヒドロキシ酸の重縮合あるいはラクトンの開環重合によって形成できる。市販のポリエステルとしては、SABIC Innovative Plastics社から商品名VALOX(登録商標)樹脂で販売されているポリ(ブチレンテレフタレート)、DuPont Performance Polymers社から商品名CRASTIN(登録商標)で販売されているポリ(ブチレンテレフタレート)、DuPont Packaging & Industrial Polymers社から商品名MYLAR(登録商標)で販売されているポリ(エチレンテレフタレート)、DURECT社から商品名LACTEL(登録商標)で販売されているポリカプロラクトン、およびNatureWorks社から商品名INGEO(登録商標)で販売されているポリ(乳酸)が挙げられる。
一部の実施形態では、極性ポリマーは、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(トリメチレンテレフタレート)、ポリ(ブチレンテレフタレート)、ポリカプロラクトン、ポリ(乳酸)、ポリ(ブチレンアジペート)、ポリ(ブチレンサクシネート)、ポリ(ブチレンセバケート)およびこれらの組み合わせから構成される群から選択されたポリエステルを含む。
極性ポリマーはポリエーテルイミドであってもよい。ポリエーテルイミドは、少なくとも1つのエーテル基と少なくとも1つのイミド基を含む繰り返し単位を有するポリマーである。ポリエーテルイミドは、二無水物とジアミンとの重縮合反応で形成できる。例えば、二無水物が2,2−ビス(4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル)プロパン二無水物であり、ジアミンがm−フェニレンジアミンの場合、ポリエーテルイミド形成反応は、以下のように表される。
Figure 2016505089
好適な二無水物としては、例えば、3,3−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルエーテル二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゾフェノン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、2,2−ビス[4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、4,4’−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルエーテル二無水物、4,4’−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4’−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ベンゾフェノン二無水物、4,4’−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)−4’−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニル−2,2−プロパン二無水物、4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)−4’−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルエーテル二無水物、(4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)−4’−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)−4’−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゾフェノン二無水物、4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)−4’−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物およびこれらの組み合わせが挙げられる。好適なジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、1,18−オクタデカンジアミン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、4,4−ジメチルヘプタメチレンジアミン、4−メチルノナメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘプタメチレンジアミン、2,2−ジメチルプロピレンジアミン、N−メチル−ビス(3−アミノプロピル)アミン、3−メトキシヘキサメチレンジアミン、1,2−ビス(3−アミノプロポキシ)エタン、ビス(3−アミノプロピル)スルフィド、1,4−シクロヘキサンジアミン、ビス−(4−アミノシクロヘキシル)メタン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、2−メチル−4,6−ジエチル−1,3−フェニレン−ジアミン、5−メチル−4,6−ジエチル−1,3−フェニレン−ジアミン、ベンジジン、3,3’−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、1,5−ジアミノナフタレン、ビス(4−アミノフェニル)メタン、ビス(2−クロロ−4−アミノ−3,5−ジエチルフェニル)メタン、ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,4−ビス(p−アミノ−t−ブチル)トルエン、ビス(p−アミノ−t−ブチルフェニル)エーテル、ビス(p−メチル−o−アミノフェニル)ベンゼン、ビス(p−メチル−o−アミノペンチル)ベンゼン、1,3−ジアミノ−4−イソプロピルベンゼン、ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス−(4−アミノフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェニル)エーテルおよびこれらの組み合わせが挙げられる。一部の実施形態では、二無水物は、2,2−ビス(4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル)プロパン二無水物を含み、ジアミンは、m−フェニレンジアミンを含む。一部の実施形態では、ポリエーテルイミドは、ポリ(2,2’−ビス(4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニルプロパン)−1,3−フェニレンビスイミド)(CAS登録番号第61128−46−9号)を含む。市販のポリエーテルイミドとしては、例えば、SABIC Innovative Plastics社から商品名EXTEM(登録商標)樹脂およびULTEM(登録商標)樹脂で販売されているもの、Saint Gobain Performance Plastics社から商品名MELDIN(登録商標)で販売されているもの、およびPolyOne社から商品名EDGETEK(登録商標)で販売されているものが挙げられる。
極性ポリマーはポリスルホンであってもよい。ポリスルホンは、塩基の存在下、ジヒドロキシ化合物とビス(ハロフェニル)スルホンとの反応で形成できる。例えば、ジヒドロキシ化合物がビスフェノールA(2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンであり、ビス(ハロフェニル)スルホンが4,4’−ジクロロジフェニルスルホンであり、塩基が炭酸ナトリウムの場合、ポリスルホン形成反応は、以下のように表される。
Figure 2016505089
好適なジヒドロキシ化合物としては、上記のポリカーボネートの文脈で記載したもの、および1,4−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジヒドロキシベンゼン、4,4’−ビフェノール、3,3’−ビフェノール、3,4’−ビフェノールおよびこれらの組み合わせが挙げられる。好適なビス(ハロフェニル)スルホンとしては、4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン、4,4’−ジクロロジフェニルスルホン、4,4’−ジブロモジフェニルスルホン、3,4’−ジフルオロジフェニルスルホン、3,4’−ジクロロジフェニルスルホン、3,4’−ジブロモジフェニルスルホン、3,3’−ジフルオロジフェニルスルホン、3,3’−ジクロロジフェニルスルホン、3,3’−ジブロモジフェニルスルホンおよびこれらの組み合わせが挙げられる。一部の実施形態では、ジヒドロキシ化合物は、ビスフェノールA(2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンであり、ビス(ハロフェニル)スルホンは、4,4’−ジクロロジフェニルスルホンである。一部の実施形態では、ジヒドロキシ化合物は、4,4’−スルホニルジフェノールであり、ビス(ハロフェニル)スルホンは、4,4’−ジクロロジフェニルスルホンである。市販のポリスルホンとしては、例えば、SABIC Innovative Plastics社から商品名LNP THERMOCOMP(登録商標)化合物として販売されているもの、BASF社から商品名ULTRASON(登録商標)で販売されているもの、および住友化学(株)から商品名SUMIKAEXCEL(登録商標)およびSUMIPLOY(登録商標)で販売されているものが挙げられる。
極性ポリマーはポリエーテルスルホンであってもよい。ポリエーテルスルホンは、下式の構造の繰り返し単位を有するポリマーである:
Figure 2016505089
式中、fとgは、それぞれ独立に0〜4であり;RとR10は、それぞれ独立にハロゲンまたはC−Cアルキルである。一部の実施形態では、ポリエーテルスルホンは、下式の構造の繰り返し単位を含む。
Figure 2016505089
ポリエーテルスルホンは、塩基の存在下、ビス(ヒドロキシフェニル)スルホンとビス(ハロフェニル)スルホンとの反応で調製できる。市販のポリエーテルスルホンとしては、例えば、Port Plastics社から商品名UDEL(登録商標)で販売されているものが挙げられる。
極性ポリマーは、ポリ(エチレン−エチルアクリレート)であってもよい。ポリ(エチレン−エチルアクリレート)(CAS登録番号第9010−86−0号)は、エチレンとエチルアクリレートのランダムコポリマーである。一部の実施形態では、ポリ(エチレン−エチルアクリレート)のエチレン含有量は、70〜98質量%であり、具体的には80〜95質量%であり、残りは、エチルアクリレート含有量である。ポリ(エチレン−エチルアクリレート)は、エチレンとエチルアクリレートとのラジカル共重合で調製できる。市販のポリ(エチレン−エチルアクリレート)としては、Dow社から商品名AMPLIFY(登録商標)で販売されているもの、Arkema社から商品名LOTADER(登録商標)で販売されているもの、およびDuPont社から商品名ELVALOY(登録商標)で販売されているものが挙げられる。
極性ポリマーは、ポリ(エチレン−ビニルアセテート)であってもよい。ポリ(エチレン−ビニルアセテート)(CAS登録番号第24937−78−8号)は、エチレンとビニルアセテートとのランダムコポリマーである。一部の実施形態では、ポリ(エチレン−ビニルアセテート)のビニルアセテート含有量は、8〜60質量%であり、具体的には10〜50質量%であり、より具体的には15〜40質量%であり、さらにより具体的には、20〜30質量%であり、残りは、エチレン含有量である。ポリ(エチレン−ビニルアセテート)は、エチレンとビニルアセテートとのラジカル共重合で調製できる。市販のポリ(エチレン−ビニルアセテート)としては、DuPont社から商品名ELVAX(登録商標)で販売されているもの、Arkema社から商品名EVATANE(登録商標)で販売されているもの、およびLyondellBasell社から商品名ULTRATHENE(登録商標)で販売されているものが挙げられる。
極性ポリマーは、熱可塑性ポリウレタンとしても既知のポリウレタンであってもよい。ポリウレタンは、ジイソシアネートと長鎖ジオール(「ポリオール」とも呼ばれる)との反応で形成される。例えば、ジイソシアネートがジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネートであり、長鎖ジオールがポリエチレングリコールの場合、ポリウレタン形成反応は、以下のように表される。
Figure 2016505089
好適なジイソシアネートとしては、例えば、1,2−フェニレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、1,4−ナフタレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートおよびこれらの組み合わせが挙げられる。長鎖ジオールは、最も一般には、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオールおよびポリブタジエンジオールの3種類に分類される。ポリエーテルジオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、エチレンオキシドキャップ化ポリ(オキシプロピレン)ジオールおよびポリオール、アルコキシ化ビスフェノール(エトキシ化ビスフェノールAおよびプロポキシ化ビスフェノールAなど)およびこれらの組み合わせが挙げられる。ラクトンのジオール開始重合で調製できるポリエステルジオールとしては、例えば、ポリカプロラクトンジオール、ポリ(エチレンアジペート)ジオール、ポリ(プロピレンアジペート)ジオール、ポリ(ブチレンアジペート)ジオール、オルトフタル酸ポリエステルポリオール、テレフタル酸ポリエステルポリオールおよびこれらの組み合わせが挙げられる。ポリブタジエンジオールは、各末端にヒドロキシ基を有する線状ポリブタジエンである。一部の実施形態では、長鎖ジオールの数平均分子量は、500〜10,000原子質量単位であり、具体的には1,000〜5,000原子質量単位である。ポリウレタンの形成に用いられる反応物質は、ジイソシアネートと長鎖ジオールに加えて、鎖延長剤とも呼ばれる短鎖ジオールをさらに含んでいてもよい。好適な短鎖ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオールおよびこれらの組み合わせが挙げられる。市販のポリウレタンとしては、Huntsman社から商品名IROGRAN(登録商標)で販売されているもの、Bayer Material Science社から商品名DESMOPAN(登録商標)およびTEXIN(登録商標)で販売されているもの、Lubrizol社から商品名PELLETHANE(登録商標)で販売されているもの、Great Eastern Resins Industrial社から商品名ISOTHANE(登録商標)で販売されているもの、およびBASF社から商品名ELASTOLLAN(登録商標)で販売されているものが挙げられる。
極性ポリマーは、ポリ(ビニルアセテート)であってもよい。ポリ(ビニルアセテート)(CAS登録番号第9003−20−7号)は、ビニルアセテートのホモポリマーである。ポリ(エチレン−ビニルアセテート)は、ビニルアセテートのラジカル重合で調製できる。市販のポリ(ビニルアセテート)としては、ACHEMA社から販売されているもの、Wacker社から商品名VINNAPAS(登録商標)で販売されているもの、およびSolutia社から商品名GELVA(登録商標)で販売されているものが挙げられる。
極性ポリマーは、ポリ(ビニルアルコール)であってもよい。ポリ(ビニルアルコール)(CAS登録番号第9002−89−5号)は、ビニルアルコールのホモポリマーである。ポリ(ビニルアルコール)は、概してその互変異性体であるアセトアルデヒドで存在するビニルアルコールのラジカル重合で調製できる。市販のポリ(ビニルアルコール)としては、電気化学工業(株)から商品名POVAL(登録商標)で販売されているもの、MonoSol社から商品名MONOSOL(登録商標)で販売されているもの、および積水化学工業(株)から商品名CELVOL(登録商標)で販売されているものが挙げられる。
極性ポリマーは、ポリ(スチレン−アクリロニトリル)であってもよい。ポリ(スチレン−アクリロニトリル)(CAS登録番号第9003−54−7号)は、スチレンとアクリロニトリルとのランダムコポリマーである。一部の実施形態では、ポリ(スチレン−アクリロニトリル)のスチレン含有量は、60〜90質量%であり、具体的には70〜80質量%であり、残りは、アクリロニトリル含有量である。ポリ(スチレン−アクリロニトリル)は、スチレンとアクリロニトリルとのラジカル共重合で調製できる。市販のポリ(スチレン−アクリロニトリル)としては、Chemtura社から商品名BLENDEX(登録商標)で販売されているもの、Ferro社から商品名STYVEX(登録商標)で販売されているもの、SABIC Innovative Plastics社から商品名ESPREE(登録商標)樹脂、商品名LNP LUBRICOMP(登録商標)化合物および商品名LNP THERMOCOMP(登録商標)化合物で販売されているものが挙げられる。
極性ポリマーは、ポリ(スチレン−無水マレイン酸)であってもよい。ポリ(スチレン−無水マレイン酸)(CAS登録番号第9011−13−6号)は、スチレンと無水マレイン酸とのランダムコポリマーである。一部の実施形態では、ポリ(スチレン−無水マレイン酸)のスチレン含有量は、3〜25質量%であり、具体的には5〜15質量%であり、残りは無水マレイン酸含有量である。ポリ(スチレン−無水マレイン酸)は、スチレンと無水マレイン酸とのラジカル共重合で調製できる。市販のポリ(スチレン−無水マレイン酸)としては、INEOS ABS社から商品名LUSTRAN(登録商標)で販売されているもの、およびPolyscope Polymers社から商品名XIRAN(登録商標)で販売されているものが挙げられる。
極性ポリマーは、ポリ(ビニルブチラール)であってもよい。ポリ(ビニルブチラール)(CAS登録番号第9001−13−6号)は、ポリ(ビニルアルコール)とブチルアルデヒドとの反応で調製される。市販のポリ(ビニルブチラール)としては、DuPont社から商品名BUTACITE(登録商標)で販売されているもの、Solutia社から商品名SAFLEX(登録商標)で販売されているもの、および(株)クラレから商品名TROSIFOL(登録商標)で販売されているものが挙げられる。
極性ポリマーの分子量または溶融粘度は特に限定されない。当業者であれば、所望の使用(例えば成形条件)および極性ポリマー自身の分子間相互作用を含む要因に基づいて、極性ポリマーの分子量あるいは溶融粘度を選択できる。
一部の実施形態では、極性ポリマーは、セルロースエステル、ポリ(アルキル(メタ)アクリレート)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリ(エチレン−エチルアクリレート)、ポリ(エチレン−ビニルアセテート)、ポリウレタン、ポリ(ビニルアセテート)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(スチレン−アクリロニトリル)、ポリ(スチレン−無水マレイン酸)およびポリ(ビニルブチラール)の1つまたは複数と任意に組み合わせられたポリエステルである。
一部の実施形態では、極性ポリマーは、セルロースエステル、ポリ(アルキル(メタ)アクリレート)、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリ(エチレン−エチルアクリレート)、ポリ(エチレン−ビニルアセテート)、ポリウレタン、ポリ(ビニルアセテート)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(スチレン−アクリロニトリル)、ポリ(スチレン−無水マレイン酸)およびポリ(ビニルブチラール)の1つまたは複数と任意に組み合わせられたポリアミドである。
極性ポリマーは、組成物の質量に対して、30〜93質量%の量で使用できる。この範囲内で、極性ポリマーの量は、40〜86質量%であってもよく、具体的には45〜74質量%であってもよく、より具体的には50〜64質量%であってもよく、さらにより具体的には50〜54質量%であってもよい。
該組成物は、極性ポリマーに加えて、アルケニル芳香族化合物と共役ジエンとの未水素化ブロックコポリマー、これらの水素化ブロックコポリマー、ポリ(アルケニル芳香族)、ポリ(フェニレンエーテル)およびこれらの組み合わせから構成される群から選択された非極性ポリマーを含む。
非極性ポリマーは、アルケニル芳香族化合物と共役ジエンとの未水素化ブロックコポリマーであってもよい。簡略化のために、この成分を「未水素化ブロックコポリマー」と呼ぶ。未水素化ブロックコポリマーは、その質量に対して、10〜90質量%のポリ(アルケニル芳香族)と、10〜90質量%のポリ(共役ジエン)と、を含んでいてもよい。一部の実施形態では、未水素化ブロックコポリマーは、低ポリ(アルケニル芳香族)含有量未水素化ブロックコポリマーであり、その中でのポリ(アルケニル芳香族)含有量は、該低ポリ(アルケニル芳香族)含有量未水素化ブロックコポリマーの質量に対して、10〜40質量%未満であり、具体的には20〜35質量%であり、より具体的には25〜35質量%であり、さらにより具体的には30〜35質量%である。他の実施形態では、未水素化ブロックコポリマーは、高ポリ(アルケニル芳香族)含有量未水素化ブロックコポリマーであり、その中でのポリ(アルケニル芳香族)含有量は、該高ポリ(アルケニル芳香族)含有量未水素化ブロックコポリマーの質量に対して、40〜90質量%であり、具体的には50〜80質量%であり、より具体的には60〜70質量%である。
一部の実施形態では、未水素化ブロックコポリマーの質量平均分子量は、40,000〜400,000原子質量単位である。数平均分子量と質量平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフィによって、およびポリスチレン標準との比較に基づいて求められる。一部の実施形態では、未水素化ブロックコポリマーの質量平均分子量は、200,000〜400,000原子質量単位であり、具体的には220,000〜350,000原子質量単位である。他の実施形態では、未水素化ブロックコポリマーの質量平均分子量は、40,000〜200,000原子質量単位あり、具体的には40,000〜180,000原子質量単位であり、より具体的には40,000〜150,000原子質量単位である。
未水素化ブロックコポリマーの調製に用いられるアルケニル芳香族モノマーは、下式の構造を有していてもよい:
Figure 2016505089
式中、R11とR12は、それぞれ独立に水素原子、C−Cアルキル基またはC−Cアルケニル基を表し;R13とR17は、それぞれ独立に水素原子、C−Cアルキル基、塩素原子または臭素原子を表し;R14、R15およびR16は、それぞれ独立に水素原子、C−Cアルキル基またはC−Cアルケニル基を表し;あるいはR14とR15は、中央の芳香環と共にナフチル基を形成し、あるいはR15とR16は、中央の芳香環と共にナフチル基を形成する。具体的なアルケニル芳香族モノマーとしては、例えば、スチレン、p−クロロスチレンなどのクロロスチレン、α−メチルスチレンおよびp−メチルスチレンなどのメチルスチレン、および3−t−ブチルスチレンおよび4−t−ブチルスチレンなどのt−ブチルスチレンが挙げられる。一部の実施形態では、アルケニル芳香族モノマーはスチレンである。
未水素化ブロックコポリマーの調製に用いられる共役ジエンは、C−C20共役ジエンであってもよい。好適な共役ジエンとしては、例えば、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンおよびこれらの組み合わせが挙げられる。一部の実施形態では、共役ジエンは、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエンまたはこれらの組み合わせである。一部の実施形態では、共役ジエンは1,3−ブタジエンで構成される。
未水素化ブロックコポリマーは、(A)アルケニル芳香族化合物から誘導された少なくとも1つのブロックと、(B)共役ジエンから誘導された少なくとも1つのブロックと、を含むコポリマーである。ブロック(A)と(B)の配置としては、リニア構造、グラフト構造、および分枝鎖の有無に拘わらないラジアルテレブロック構造がある。リニアブロックコポリマーには、傾斜型リニア構造および非傾斜型リニア構造がある。一部の実施形態では、未水素化ブロックコポリマーは傾斜型リニア構造を有する。一部の実施形態では、未水素化ブロックコポリマーは非傾斜型リニア構造を有する。一部の実施形態では、未水素化ブロックコポリマーは、アルケニル芳香族モノマーがランダムに取り込まれた(B)ブロックを含む。リニアブロックコポリマー構造には、ジブロック(A−Bブロック)構造、トリブロック(A−B−AブロックまたはB−A−Bブロック)構造、テトラブロック(A−B−A−Bブロック)構造、ペンタブロック(A−B−A−B−AブロックあるいはB−A−B−A−Bブロック)構造、および(A)および(B)を合計で6個以上含むリニア構造などがあり、ここで、各(A)ブロックの分子量は、他の(A)ブロックのそれと同じであっても異なっていてもよく、各(B)ブロックの分子量は、他の(B)ブロックのそれと同じであっても異なっていてもよい。一部の実施形態では、未水素化ブロックコポリマーは、ジブロックコポリマー、トリブロックコポリマーまたはこれらの組み合わせである。
一部の実施形態では、未水素化ブロックコポリマーは、アルケニル芳香族化合物と共役ジエン以外のモノマーの残基を含まない。一部の実施形態では、未水素化ブロックコポリマーは、アルケニル芳香族化合物と共役ジエンとから誘導されたブロックで構成される。未水素化ブロックコポリマーは、これらで形成されたグラフトあるいは他の任意のモノマーで形成されたグラフトを含まない。また、トリブロックコポリマーは炭素原子と水素原子から構成され、従ってヘテロ原子を含まない。
一部の実施形態では、未水素化ブロックコポリマーは、無水マレイン酸などの酸官能化剤の1つまたは複数の残基を含む。
一部の実施形態では、未水素化ブロックコポリマーは,ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレントリブロックコポリマーを含む。一部の実施形態では、未水素化ブロックコポリマーは,ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレントリブロックコポリマーを含む。
未水素化ブロックコポリマーの調製方法は当分野で既知であり、また、未水素化ブロックコポリマーは市販されている。市販の未水素化ブロックコポリマーの具体的なものとしては、Kraton Performance Polymers社から商品名D1101(登録商標)およびD1102(登録商標)で販売されているポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレントリブロックコポリマー;およびChevron Phillips Chemical社から商品名K−RESIN KR01(登録商標)、KR03(登録商標)およびKR−05(登録商標)で販売されているスチレン−ブタジエンラジアルテレブロックコポリマーが挙げられる。
非極性ポリマーは、アルケニル芳香族化合物と共役ジエンとの水素化ブロックコポリマーであってもよい。簡略化のために、この成分を「水素化ブロックコポリマー」と呼ぶ。水素化ブロックコポリマーは、共役ジエンから誘導されたブロック(B)中の脂肪族不飽和基含有量が、水素化によって少なくとも部分的に低減されている点を除いて、未水素化ブロックコポリマーと同じである。一部の実施形態では、(B)ブロック中の脂肪族不飽和は、少なくとも50%、具体的には少なくとも70%、より具体的には少なくとも90%低減されている。
市販の水素化ブロックコポリマーの具体的なものとしては、Kraton Performance Polymers社からKRATON G1701(登録商標)およびG1702(登録商標)として販売されているポリスチレン−ポリ(エチレン−プロピレン)ジブロックコポリマー;Kraton Performance Polymers社からKRATON G1641(登録商標)、G1650(登録商標)、G1651(登録商標)、G1654(登録商標)、G1657(登録商標)、G1726(登録商標)、G4609(登録商標)、G4610(登録商標)、GRP−6598(登録商標)、MD−6932M(登録商標)、MD−6933(登録商標)およびMD−6939(登録商標)として販売されているポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレントリブロックコポリマー;Kraton Performance Polymers社からKRATON G1730(登録商標)として販売されているポリスチレン−ポリ(エチレン−プロピレン)−ポリスチレントリブロックコポリマー;Kraton Performance Polymers社からKRATON G1901(登録商標)、G1924(登録商標)およびMD−6684(登録商標)として販売されている無水マレイン酸グラフト化ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレントリブロックコポリマー;Kraton Performance Polymers社からKRATON MD−6670(登録商標)として販売されている無水マレイン酸グラフト化ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン−スチレン)−ポリスチレントリブロックコポリマー;旭化成ケミカルズ(株)からTUFTEC H1043(登録商標)として販売されている、ポリスチレン含有量が67質量%のポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレントリブロックコポリマー;旭化成ケミカルズ(株)からTUFTEC H1051(登録商標)として販売されている、ポリスチレン含有量が42質量%のポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレントリブロックコポリマー;旭化成ケミカルズ(株)からTUFTEC P1000(登録商標)およびP2000(登録商標)として販売されているポリスチレン−ポリ(ブタジエン−ブチレン)−ポリスチレントリブロックコポリマー;(株)クラレからSEPTON S8104(登録商標)として販売されている、ポリスチレン含有量が60質量%のポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレントリブロックコポリマー;(株)クラレからSEPTON S4044(登録商標)、S4055(登録商標)、S4077(登録商標)およびS4099(登録商標)として販売されているポリスチレン−ポリ(エチレン−エチレン/プロピレン)−ポリスチレントリブロックコポリマー;および(株)クラレからSEPTON S2104(登録商標)として販売されている、ポリスチレン含有量が65質量%のポリスチレン−ポリ(エチレン−プロピレン)−ポリスチレントリブロックコポリマーが挙げられる。
非極性ポリマーは、ポリ(アルケニル芳香族)であってもよい。本明細書での「ポリ(アルケニル芳香族)」は、アルケニル芳香族モノマーのホモポリマー、2つ以上のアルケニル芳香族モノマーのコポリマー、これらのポリマーのいずれかのゴム変性誘導体、あるいはこれらの組み合わせを指す。アルケニル芳香族モノマーは、上記の未水素化ブロックコポリマーの文脈に記載されている。代表的なポリ(アルケニル芳香族)としては、アタクチックポリスチレン、シンジオタクチックポリスチレン、アイソタクチックポリスチレンおよびゴム変性ポリスチレンが挙げられる。一部の実施形態では、ポリ(アルケニル芳香族)は、アタクチックポリスチレンを含む。一部の実施形態では、ポリ(アルケニル芳香族)は、ゴム変性ポリスチレンの質量に対して、80〜96質量%の、具体的には88〜94質量%のポリスチレンと、4〜20質量%の、具体的には6〜12質量%のポリブタジエンと、を含むゴム変性ポリスチレンを含む。一部の実施形態では、ポリ(アルケニル芳香族)は、アタクチックポリスチレンとゴム変性ポリスチレンとを含む。市販のポリ(アルケニル芳香族)としては、Americas Styrenics社からEA3130−AMST(登録商標)として販売されているアタクチックポリスチレンおよびSABIC Innovative Plastics社からESPREE(登録商標)CPS15GP樹脂として販売されているアタクチックポリスチレン;PolyOne社からEDTEK QT−30GF/000(登録商標)Naturalとして販売されているシンジオタクチックポリスチレン;および、Americas Styrenics社からEB6400−AMST(登録商標)として販売されているゴム変性ポリスチレンおよびSABIC Innovative Plastics社からのHIPS3190として販売されているゴム変性ポリスチレンが挙げられる。
非極性ポリマーは、ポリ(フェニレンエーテル)であってもよい。好適なポリ(フェニレンエーテル)としては、下式の構造を有する繰り返し構造単位を含むものが挙げられる:
Figure 2016505089
式中、Zは、それぞれ独立にハロゲン、ヒドロカルビル基が第三級ヒドロカルビルでない未置換または置換C−C12ヒドロカルビル、C−C12ヒドロカルビルチオ、C−C12ヒドロカルビルオキシ、あるいは少なくとも2つの炭素原子がハロゲン原子と酸素原子とを分離しているC−C12ハロヒドロカルビルオキシであり;Zは、それぞれ独立に水素、ハロゲン、ヒドロカルビル基が第三級ヒドロカルビルでない未置換または置換C−C12ヒドロカルビル、C−C12ヒドロカルビルチオ、C−C12ヒドロカルビルオキシ、あるいは少なくとも2つの炭素原子がハロゲン原子と酸素原子とを分離しているC−C12ハロヒドロカルビルオキシである。本明細書での「ヒドロカルビル」は、単独であるいは別の用語の接頭辞、接尾辞またはフラグメントとして使用されたとしても、炭素と水素だけを含む残基を指す。該残基は、脂肪族または芳香族、直鎖、環式、二環式、分枝鎖、飽和あるいは不飽和であってもよい。それはまた、脂肪族、芳香族、直鎖、環式、二環式、分枝鎖、飽和および不飽和の炭化水素部分の組み合わせを含んでいてもよい。しかしながら、該ヒドロカルビル残基が置換であると記載された場合、それは任意に、置換残基の炭素と水素員上にヘテロ原子を含んでいてもよい。従って、置換であると特定的に記載された場合、ヒドロカルビル残基は、1つまたは複数のカルボニル基、アミノ基、ヒドロキシ基などを含んでいてもよく、あるいはヒドロカルビル残基の骨格内にヘテロ原子を含んでいてもよい。一実施例として、Zは、末端3,5−ジメチル−1,4−フェニル基と、酸化重合触媒のジ−n−ブチルアミン成分と、の反応で形成されたジ−n−ブチルアミノメチル基であってもよい。
一部の実施形態では、ポリ(フェニレンエーテル)の固有粘度は、温度25℃のクロロホルム中で測定して、0.25〜1dL/gである。この範囲内で、ポリ(フェニレンエーテル)の固有粘度は、0.3〜0.65dL/gであってもよく、より具体的には0.35〜0.5dL/gであってもよく、さらにより具体的には0.4〜0.5dL/gであってもよい。
一部の実施形態では、ポリ(フェニレンエーテル)は、組み込まれたジフェノキノン残基を本質的に含まない。この文脈において、「本質的に含まない」とは、ジフェノキノンの残基を含むポリ(フェニレンエーテル)分子が1質量%未満であることを意味する。Hayの米国特許第3,306,874号に記載されているように、一価フェノールの酸化重合によるポリ(フェニレンエーテル)の合成では、所望のポリ(フェニレンエーテル)だけでなく、ジフェノキノンも副生成物として生成される。例えば、一価フェノールが2,6−ジメチルフェノールの場合、3,3’,5,5’−テトラメチルジフェノキノンが生成される。該ジフェノキノンは典型的には、該重合反応混合物を加熱して末端または内部ジフェノキノン残基を含むポリ(フェニレンエーテル)を生成することによって、ポリ(フェニレンエーテル)内に「再平衡される」(すなわち、ジフェノキノンがポリ(フェニレンエーテル)構造内に取り込まれる)。例えば、ポリ(フェニレンエーテル)を2,6−ジメチルフェノールの酸化重合で調製してポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)と3,3’,5,5’−テトラメチルジフェノキノンを生成する場合、反応混合物の再平衡によって、取り込まれたジフェノキノンの末端および内部残基を有するポリ(フェニレンエーテル)が生成され得る。しかしながら、こうした再平衡によって、ポリ(フェニレンエーテル)の分子量が低減する。従って、より高分子量のポリ(フェニレンエーテル)が望ましい場合、ジフェノキノンをポリ(フェニレンエーテル)鎖内に再平衡させずに、ポリ(フェニレンエーテル)から分離することが有用であり得る。こうした分離は、例えば、ポリ(フェニレンエーテル)は不溶だがジフェノキノンは可溶の溶媒または溶媒混合物に、ポリ(フェニレンエーテル)を沈殿させることによって実現される。例えば、トルエン中の2,6−ジメチルフェノールの酸化重合によってポリ(フェニレンエーテル)を調製して、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)と3,3’,5,5’−テトラメチルジフェノキノンとを含むトルエン溶液を生成する場合、ジフェノキノンを本質的に含まないポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)は、該トルエン溶液1容積とメタノールまたはメタノール/水混合物1〜4容積とを混合することによって得られる。あるいは、酸化重合中に生成されるジフェノキノン副生成物の量は、(例えば、10質量%未満の一価フェノールの存在下で酸化重合を開始し、少なくとも50分の間に少なくとも95質量%の一価フェノールを添加することによって)最小化でき、およびまたは、ポリ(フェニレンエーテル)鎖内へのジフェノキノンの再平衡は、(例えば、酸化重合終了後200分以内にポリ(フェニレンエーテル)を単離することによって)最小化できる。これらの方法は、Delsmanらの米国特許出願公報第2009/104107A1号に記載されている。トルエン中のジフェノキノンの温度依存性溶解度を利用する代替方法では、ジフェノキノンとポリ(フェニレンエーテル)とを含むトルエン溶液の温度を、ジフェノキノンはほとんど不溶だがポリ(フェニレンエーテル)は可溶である約25℃に調整して、不溶のジフェノキノンを固液分離(例えばろ過)によって除去できる。
一部の実施形態では、ポリ(フェニレンエーテル)は、2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル単位、2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレンエーテル単位またはこれらの組み合わせを含む。一部の実施形態では、ポリ(フェニレンエーテル)は、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)である。一部の実施形態では、ポリ(フェニレンエーテル)は、25℃のクロロホルム中で測定した固有粘度が0.35〜0.5dL/gの、具体的には0.35〜0.46dL/gのポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)を含む。
ポリ(フェニレンエーテル)は、ヒドロキシ基に対して典型的にはオルト位置に存在するアミノアルキル含有末端基(類)を有する分子を含んでいてもよい。また、テトラメチルジフェノキノン(TMDQ)副生成物が存在する2,6−ジメチルフェノール含有反応混合物から典型的に得られるTMDQ末端基類が存在することも多い。ポリ(フェニエンエーテル)は、ホモポリマー、コポリマー、グラフトコポリマー、イオノマーまたはブロックコポリマーの形態であってもよい。
ポリ(フェニレンエーテル)は、1つまたは複数の一価フェノールの酸化重合によって調製できる。市販のポリ(フェニレンエーテル)としては、旭化成ケミカルズ(株)から商品名XYRON(登録商標)として販売されているもの、およびSABIC Innovative Plastics社から商品名PPO(登録商標)樹脂として販売されているものが挙げられる。
一部の実施形態では、非極性ポリマーは、アルケニル芳香族化合物と共役ジエンとの未水素化ブロックコポリマー、これらの水素化ブロックコポリマーおよびポリ(アルケニル芳香族)の1つまたは複数と任意に組み合わせられたポリ(フェニレンエーテル)である。
一部の実施形態では、非極性ポリマーは、ポリ(フェニレンエーテル)および、ポリスチレン、ゴム変性ポリスチレンおよびこれらの組み合わせから構成される群から選択されたポリ(アルケニル芳香族)である。
一部の実施形態では、非極性ポリマーは、アルケニル芳香族化合物と共役ジエンとの未水素化ブロックコポリマーおよびこれらの水素化ブロックコポリマーの1つまたは複数とさらに任意に組み合わせられた、ポリ(フェニレンエーテル)とポリ(アルケニル芳香族)との組み合わせである。
一部の実施形態では、非極性ポリマーは、アルケニル芳香族化合物と共役ジエンとの未水素化ブロックコポリマーおよびポリ(アルケニル芳香族)の1つまたは複数とさらに任意に組み合わせられた、ポリ(フェニレンエーテル)と、アルケニル芳香族化合物と共役ジエンとの水素化ブロックコポリマーと、の組み合わせである。
一部の実施形態では、非極性ポリマーは、アルケニル芳香族化合物と共役ジエンとの未水素化ブロックコポリマー、これらの水素化ブロックコポリマーおよびポリ(フェニレンエーテル)の1つまたは複数と任意に組み合わせられたポリ(アルケニル芳香族)である。
一部の実施形態では、極性ポリマーは、ポリ(ブチレンテレフタレート)を含有するポリエステルを含み;非極性ポリマーは、ポリ(フェニレンエーテル)と水素化ブロックコポリマーとを含む。
一部の実施形態では、極性ポリマーは、ポリ(乳酸)を含有するポリエステルを含み;非極性ポリマーは、ポリ(フェニレンエーテル)と水素化ブロックコポリマーとを含む。
一部の実施形態では、極性ポリマーはポリ(エチレン−ビニルアセテート)を含み;非極性ポリマーは、(a)ポリ(フェニレンエーテル)と、(b)未水素化ブロックコポリマー、水素化ブロックコポリマーまたはこれらの組み合わせと、を含む。
該組成物は、その質量に対して、5〜68質量%の量の非極性ポリマーを含む。非極性ポリマーの量は、この範囲内で、10〜65質量%であってもよく、具体的には20〜60質量%であってもよく、より具体的には30〜55質量%であってもよく、さらにより具体的には40〜50質量%であってもよい。
該組成物は、極性ポリマーおよび非極性ポリマーに加えて、ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーを含む。ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーに関する上記の変形はいずれも使用できる。例えば、一部の実施形態では、ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーのポリ(フェニレンエーテル)ブロックは、それぞれ独立に2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル単位、2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレンエーテル単位またはこれらの組み合わせを含み;ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーのポリ(フェニレンエーテル)ブロックは、それぞれ独立に1000〜5000原子質量単位の数平均分子量を有し;ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーのポリ(ヒドロキシエーテル)ブロックは、下式の構造
Figure 2016505089
(式中、nは5〜50)を有し;ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーは、95〜115℃の第1のガラス転移温度と、170〜220℃の第2のガラス転移温度と、を有する。
該組成物は、その質量に対して、2〜20質量%の量のポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーを含む。この範囲内で、トリブロックコポリマーの量は、4〜15質量%であってもよく、具体的には5〜12質量%であってもよい。
該組成物は、さらに任意に極性充填剤を含んでいてもよい。本明細書での「極性充填剤」は、ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーのポリ(ヒドロキシエーテル)ブロックとエネルギー的に好ましい相互作用が可能な表面を備えた充填剤を指す。エネルギー的に好ましい相互作用としては、例えば、水素結合、双極子−双極子相互作用およびロンドン分散力の1つまたは複数が挙げられ得る。以下に詳述するように、ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーによって、非極性ポリマーと極性充填剤は相溶化する。好適な極性充填剤としては、ガラス繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ(中空ガラスビーズを含む)、粘土、タルク、雲母、シリカ、アルミナ、二酸化チタン、珪灰石、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ドロマイト(炭酸カルシウムマグネシウム)、加工鉱物繊維(すなわち、炉スラグおよび他の鉱物の溶融紡糸によって形成された人工のガラス状シリケート繊維)、金属酸化物(酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化ニッケル、ブロンズ酸化物および酸化銅を含む)、金属水酸化物(水酸化アルミニウムを含む)、セラミック繊維(3M社からNEXTEL(登録商標)セラミック繊維として販売されているもの、およびUnifrax社からFIBERFRAX(登録商標)耐火性セラミック繊維として販売されているものを含む)およびこれらの組み合わせが挙げられる。
該組成物の非常に特定的な実施形態では、ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーのポリ(フェニレンエーテル)ブロックは、それぞれ2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル単位を含み;ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーのポリ(フェニレンエーテル)ブロックは、それぞれ独立に1500〜3500原子質量単位の数平均分子量を有し;ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーのポリ(ヒドロキシエーテル)ブロックは、下式の構造
Figure 2016505089
(式中、nは5〜50)を有し;ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーは、95〜115℃の第1のガラス転移温度と、170〜220℃の第2のガラス転移温度と、を有し;極性ポリマーは、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(ブチレンテレフタレート)またはこれらの組み合わせを含み;非極性ポリマーは、ポリ(フェニレンエーテル)、ポリ(アルケニル芳香族)またはこれらの組み合わせを含む。この実施形態では、ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーは、任意に、その質量に対して、30〜70質量%の、具体的には40〜60質量%のポリ(フェニレンエーテル)を含んでいてもよい。
極性充填剤および非極性ポリマーを含む相溶化組成物
別の特定の実施形態は、組成物の合計質量に対して、アルケニル芳香族化合物と共役ジエンとの未水素化ブロックコポリマー、これらの水素化ブロックコポリマー、ポリ(アルケニル芳香族)、ポリ(フェニレンエーテル)およびこれらの組み合わせから構成される群から選択された非極性ポリマーを30〜93質量%と;ガラス繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、粘土、タルク、雲母、シリカ、アルミナ、二酸化チタン、珪灰石、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ドロマイト、加工鉱物繊維、金属酸化物、金属水酸化物、セラミック繊維およびこれらの組み合わせから構成される群から選択された極性充填剤を5〜50質量%と;ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーを2〜20質量%と、を含む組成物である。この実施形態では、ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーは、任意に、その質量に対して、30〜70質量%の、具体的には40〜60質量%のポリ(フェニレンエーテル)を含んでいてもよい。
非極性ポリマーは、上記の極性および非極性ポリマーの相溶化ブレンドの文脈で記載したもののいずれであってもよい。
一部の実施形態では、非極性ポリマーは、アルケニル芳香族化合物と共役ジエンとの未水素化ブロックコポリマー、これらの水素化ブロックコポリマーおよびポリ(アルケニル芳香族)の1つまたは複数と任意に組み合わせられたポリ(フェニレンエーテル)である。
一部の実施形態では、非極性ポリマーは、アルケニル芳香族化合物と共役ジエンとの未水素化ブロックコポリマーおよびこれらの水素化ブロックコポリマーの1つまたは複数とさらに任意に組み合わせられた、ポリ(フェニレンエーテル)とポリ(アルケニル芳香族)との組み合わせである。
一部の実施形態では、非極性ポリマーは、アルケニル芳香族化合物と共役ジエンとの未水素化ブロックコポリマー、これらの水素化ブロックコポリマーおよびポリ(フェニレンエーテル)の1つまたは複数と任意に組み合わせられたポリ(アルケニル芳香族)である。
該組成物は、その合計質量に対して、30〜93質量%の量の非極性ポリマーを含む。この範囲内で、非極性ポリマーの量は、40〜86質量%であってもよく、具体的には45〜74質量%であってもよく、より具体的には50〜64質量%であってもよい。
好適な極性充填剤としては、上記の極性および非極性ポリマーの相溶化ブレンドの文脈で記載したものが挙げられる。一部の実施形態では、極性充填剤は、ガラス繊維と、ガラスフレーク、ガラスビーズ、粘土、タルク、雲母、シリカ、アルミナ、二酸化チタン、珪灰石、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ドロマイト、加工鉱物繊維、金属酸化物、金属水酸化物およびセラミック繊維の1つまたは複数とガラス繊維との組み合わせと、から構成される群から選択される。
一部の実施形態では、極性充填剤は、ガラス繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、シリカ、アルミナ、二酸化チタン、珪灰石、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ドロマイト、加工鉱物繊維、金属酸化物、金属水酸化物およびセラミック繊維の1つまたは複数とさらに任意に組み合わせられた、粘土、タルク、雲母およびこれらの組み合わせから構成される群から選択される。
極性充填剤と非極性ポリマーを相溶化するトリブロックコポリマーを使用する1つの利点は、極性充填剤にこの相溶化を有効とするための表面処理を施す必要がないことである。しかしながら、一部の実施形態では、極性充填剤と非極性ポリマーとの相溶性をさらに向上させるために、表面処理極性充填剤を使用することが望ましい。表面処理極性充填剤は、極性充填剤を(非ポリマー性)表面処理剤で処理して非極性ポリマーとの相溶性を向上させるステップを備えたプロセスの生成物である。表面処理剤としては、例えば、γ−アミノプロピルトリアルコキシシラン(γ−アミノプロピルトリメトキシシランおよびγ−アミノプロピルトリエトキシシランを含む)、γ−(メタ)アクリルオキシプロピルトリアルコキシシラン(γ−アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリルオキシプロピルトリエトキシシランおよびγ−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシランを含む)、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリアルコキシシラン(β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシロキサンおよびβ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシランを含む)およびこれらの組み合わせが挙げられる。極性充填剤に対する表面処理剤の量は極性充填剤のタイプに応じて変わるが、一般に、極性充填剤の質量に対して0.05〜5質量%である。同様に、得られる表面処理極性充填剤は、一般に0.05〜5質量%の表面処理剤残基を含むであろう。
該組成物は、その合計質量に対して、5〜50質量%の量の極性充填剤を含む。この範囲内で、極性充填剤の量は、10〜40質量%であってもよく、具体的には15〜30質量%であってもよい。
該組成物は、非極性ポリマーと極性充填剤に加えて、ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーを含む。ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーに関する上記の変形のいずれも使用できる。例えば、一部の実施形態では、ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーのポリ(フェニレンエーテル)ブロックは、それぞれ独立に2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル単位、2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレンエーテル単位またはこれらの組み合わせを含み;ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーのポリ(フェニレンエーテル)ブロックは、それぞれ独立に1000〜5000原子質量単位の数平均分子量を有し;ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーのポリ(ヒドロキシエーテル)ブロックは、下式の構造
Figure 2016505089
(式中、nは5〜50)を有し;ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーは、95〜115℃の第1のガラス転移温度と、170〜220℃の第2のガラス転移温度と、を有する。
該組成物は、その合計質量に対して、2〜20質量%の量のポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーを含む。この範囲内で、トリブロックコポリマーの量は、4〜15質量%であってもよく、具体的には5〜12質量%であってもよい。
該組成物の非常に特定的な実施形態では、非極性ポリマーはポリスチレンを含み;極性充填剤はガラス繊維を含み;ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーのポリ(フェニレンエーテル)ブロックは、それぞれ2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル単位を含み;ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーのポリ(フェニレンエーテル)ブロックは、それぞれ独立に1500〜3500原子質量単位の数平均分子量を有し;ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーのポリ(ヒドロキシエーテル)ブロックは、下式の構造
Figure 2016505089
(式中、nは5〜50)を有し;ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーは、95〜115℃の第1のガラス転移温度と、170〜220℃の第2のガラス転移温度と、を有する。この実施形態では、ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーは、任意に、その質量に対して、30〜70質量%の、具体的には40〜60質量%のポリ(フェニレンエーテル)を含んでいてもよい。
本発明は少なくとも以下の実施形態を含む。
実施形態1:ポリ(フェニレンエーテル)ブロックがそれぞれ独立に下式の構造
Figure 2016505089
[式中、mは5〜50であり;Zは、それぞれ独立にハロゲン、ヒドロカルビル基が第三級ヒドロカルビルでない未置換または置換C−C12ヒドロカルビル、C−C12ヒドロカルビルチオ、C−C12ヒドロカルビルオキシ、あるいは少なくとも2つの炭素原子がハロゲン原子と酸素原子とを分離しているC−C12ハロヒドロカルビルオキシであり;Zは、それぞれ独立に水素、ハロゲン、ヒドロカルビル基が第三級ヒドロカルビルでない未置換または置換C−C12ヒドロカルビル、C−C12ヒドロカルビルチオ、C−C12ヒドロカルビルオキシ、あるいは少なくとも2つの炭素原子がハロゲン原子と酸素原子とを分離しているC−C12ハロヒドロカルビルオキシである]を有し;ポリ(ヒドロキシエーテル)ブロックが下式の構造
Figure 2016505089
{式中、Aは、構造:
Figure 2016505089
[式中、Gは、それぞれ独立にC−C20芳香族ラジカルであり;Eは、それぞれ独立に直接結合または下式の構造
Figure 2016505089
(式中、R〜Rは、それぞれ独立に水素またはC−C12ヒドロカルビル)から構成される群から選択された構造であり;sは0または1であり;tとuは、それぞれ独立に1〜10である]を有する残基であり;Bは下式の構造
Figure 2016505089
(式中、R〜Rは、それぞれ独立に水素またはC−C12ヒドロカルビル)を有する残基であり;nは2〜60である}を有するポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマー。
実施形態2:95〜115℃の第1のガラス転移温度と、170〜220℃の第2のガラス転移温度と、を有する実施形態1に記載のポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマー。
実施形態3:前記ポリ(フェニレンエーテル)ブロックが、それぞれ独立に2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル単位、2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレンエーテル単位またはこれらの組み合わせを含み;mが10〜40であり;前記ポリ(ヒドロキシエーテル)ブロックが、下式の構造
Figure 2016505089
(式中、nは5〜50)を有する実施形態1または実施形態2に記載のポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマー。
実施形態4:前記ポリ(フェニレンエーテル)ブロックは、それぞれ独立に1000〜5000原子質量単位の数平均分子量を有する実施形態1乃至実施形態3のいずれかに記載のポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマー。
実施形態5:30〜70質量%のポリ(フェニレンエーテル)ブロックを含む実施形態1乃至実施形態4のいずれかに記載のポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマー。
実施形態6:前記ポリ(ヒドロキシエーテル)ブロックの数平均分子量は、2,000〜10,000原子質量単位である実施形態1乃至実施形態5のいずれかに記載のポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマー。
実施形態7:前記ポリ(フェニレンエーテル)ブロックは、それぞれ独立に2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル単位、2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレンエーテル単位またはこれらの組み合わせを含み;前記ポリ(フェニレンエーテル)ブロックは、それぞれ独立に1000〜5000原子質量単位の数平均分子量を有し;前記ポリ(ヒドロキシエーテル)ブロックは、下式の構造
Figure 2016505089
(式中、nは5〜50)を有するポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーであって、95〜115℃の第1のガラス転移温度と、170〜220℃の第2のガラス転移温度と、を有する実施形態1乃至実施形態6のいずれかに記載のポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマー。
実施形態7a:前記ポリ(フェニレンエーテル)ブロックが、それぞれ独立に下式の構造
Figure 2016505089
(式中、mは10〜40;Zは、それぞれ独立に水素またはメチル)を有し;前記ポリ(ヒドロキシエーテル)ブロックが下式の構造
Figure 2016505089
(式中、nは5〜50)を有するポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーであって、95〜115℃の第1のガラス転移温度と、170〜220℃の第2のガラス転移温度と、を有するポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマー。
実施形態8:塩基の存在下、モノヒドロキシ末端ポリ(フェニレンエーテル)をジエポキシ末端ポリ(ヒドロキシエーテル)と反応させるステップを含むポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーの形成方法。
実施形態9:組成物の合計質量に対して、セルロースエステル、ポリ(アルキル(メタ)アクリレート)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリ(エチレン−エチルアクリレート)、ポリ(エチレン−ビニルアセテート)、ポリウレタン、ポリ(ビニルアセテート)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(スチレン−アクリロニトリル)、ポリ(スチレン−無水マレイン酸)、ポリ(ビニルブチラール)およびこれらの組み合わせから構成される群から選択された極性ポリマーを30〜93質量%と;アルケニル芳香族化合物と共役ジエンとの未水素化ブロックコポリマー、アルケニル芳香族化合物と共役ジエンとの水素化ブロックコポリマー、ポリ(アルケニル芳香族)、ポリ(フェニレンエーテル)およびこれらの組み合わせから構成される群から選択された非極性ポリマーを5〜68質量%と;ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーを2〜20質量%と、を含む組成物。
実施形態10:前記非極性ポリマーは、アルケニル芳香族化合物と共役ジエンとの未水素化ブロックコポリマー、アルケニル芳香族化合物と共役ジエンとの水素化ブロックコポリマーおよびポリ(アルケニル芳香族)の1つまたは複数と任意に組み合わせられたポリ(フェニレンエーテル)である実施形態9に記載の組成物。
実施形態10a:前記非極性ポリマーは、アルケニル芳香族化合物と共役ジエンとの未水素化ブロックコポリマーおよびアルケニル芳香族化合物と共役ジエンとの水素化ブロックコポリマーの1つまたは複数とさらに任意に組み合わせられた、ポリ(フェニレンエーテル)とポリ(アルケニル芳香族)との組み合わせである実施形態9に記載の組成物。
実施形態10b:前記非極性ポリマーは、ポリ(アルケニル芳香族)、およびアルケニル芳香族化合物と共役ジエンとの未水素化ブロックコポリマーの1つまたは複数とさらに任意に組み合わせられた、ポリ(フェニレンエーテル)およびアルケニル芳香族化合物と共役ジエンとの水素化ブロックコポリマーの組み合わせである実施形態9に記載の組成物。
実施形態11:前記極性ポリマーは、セルロースエステル、ポリ(アルキル(メタ)アクリレート)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリ(エチレン−エチルアクリレート)、ポリ(エチレン−ビニルアセテート)、ポリウレタン、ポリ(ビニルアセテート)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(スチレン−アクリロニトリル)、ポリ(スチレン−無水マレイン酸)およびポリ(ビニルブチラール)の1つまたは複数と任意に組み合わせられたポリエステルである実施形態9,10,10aのいずれかに記載の組成物。
実施形態12:前記極性ポリマーは、セルロースエステル、ポリ(アルキル(メタ)アクリレート)、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリ(エチレン−エチルアクリレート)、ポリ(エチレン−ビニルアセテート)、ポリウレタン、ポリ(ビニルアセテート)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(スチレン−アクリロニトリル)、ポリ(スチレン−無水マレイン酸)およびポリ(ビニルブチラール)の1つまたは複数と任意に組み合わせられたポリアミドである実施形態9,10,10aのいずれかに記載の組成物。
実施形態13:前記ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーの前記ポリ(フェニレンエーテル)ブロックは、それぞれ独立に2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル単位、2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレンエーテル単位またはこれらの組み合わせを含み;前記ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーの前記ポリ(フェニレンエーテル)ブロックは、それぞれ独立に1000〜5000原子質量単位の数平均分子量を有し;前記ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーの前記ポリ(ヒドロキシエーテル)ブロックは、下式の構造
Figure 2016505089
(式中、nは5〜50)を有し;前記ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーは、95〜115℃の第1のガラス転移温度と、170〜220℃の第2のガラス転移温度と、を有する実施形態9乃至実施形態12のいずれかに記載の組成物。
実施形態14:前記ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーの前記ポリ(フェニレンエーテル)ブロックは、それぞれ2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル単位を含み;前記ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーの前記ポリ(フェニレンエーテル)ブロックは、それぞれ独立に1500〜3500原子質量単位の数平均分子量を有し;前記ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーの前記ポリ(ヒドロキシエーテル)ブロックは、下式の構造
Figure 2016505089
(式中、nは5〜50)を有し;前記ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーは、95〜115℃の第1のガラス転移温度と、170〜220℃の第2のガラス転移温度と、を有し;前記極性ポリマーは、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(ブチレンテレフタレート)またはこれらの組み合わせであり;前記非極性ポリマーは、アルケニル芳香族化合物と共役ジエンとの未水素化ブロックコポリマーおよびポリ(アルケニル芳香族)の1つまたは複数とさらに任意に組み合わせられた、ポリ(フェニレンエーテル)、およびアルケニル芳香族化合物と共役ジエンとの水素化ブロックコポリマーの組み合わせである実施形態9に記載の組成物。
実施形態15:組成物の合計質量に対して、アルケニル芳香族化合物と共役ジエンとの未水素化ブロックコポリマー、アルケニル芳香族化合物と共役ジエンとの水素化ブロックコポリマー、ポリ(アルケニル芳香族)、ポリ(フェニレンエーテル)およびこれらの組み合わせから構成される群から選択された非極性ポリマーを30〜93質量%と;ガラス繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、粘土、タルク、雲母、シリカ、アルミナ、二酸化チタン、珪灰石、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ドロマイト、加工鉱物繊維、金属酸化物、金属水酸化物、セラミック繊維およびこれらの組み合わせから構成される群から選択された極性充填剤を5〜50質量%と;ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーを2〜20質量%と、を含む組成物。
実施形態16:前記非極性ポリマーは、アルケニル芳香族化合物と共役ジエンとの未水素化ブロックコポリマー、アルケニル芳香族化合物と共役ジエンとの水素化ブロックコポリマーおよびポリ(フェニレンエーテル)の1つまたは複数と任意に組み合わせられたポリ(アルケニル芳香族)である実施形態15に記載の組成物。
実施形態16a:前記ポリ(アルケニル芳香族)は、アタクチックホモポリスチレン、シンジオタクチックホモポリスチレン、ゴム変性ポリスチレンおよびこれらの組み合わせから構成される群から選択される実施形態16に記載の組成物。
実施形態17:前記非極性ポリマーは、アルケニル芳香族化合物と共役ジエンとの未水素化ブロックコポリマー、アルケニル芳香族化合物と共役ジエンとの水素化ブロックコポリマーおよびポリ(アルケニル芳香族)の1つまたは複数と任意に組み合わせられたポリ(フェニレンエーテル)である実施形態15に記載の組成物。
実施形態17a:前記非極性ポリマーは、アルケニル芳香族化合物と共役ジエンとの未水素化ブロックコポリマーおよびアルケニル芳香族化合物と共役ジエンとの水素化ブロックコポリマーの1つまたは複数とさらに任意に組み合わせられた、ポリ(フェニレンエーテル)とポリ(アルケニル芳香族)との組み合わせである実施形態15に記載の組成物。
実施形態18:前記極性充填剤は、ガラスフレーク、ガラスビーズ、粘土、タルク、雲母、シリカ、アルミナ、二酸化チタン、珪灰石、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ドロマイト、加工鉱物繊維、金属酸化物、金属水酸化物およびセラミック繊維の1つまたは複数と任意に組み合わせられたガラス繊維である実施形態15,16,16a,17,17aのいずれかに記載の組成物。
実施形態18a:前記極性充填剤は、ガラス繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、シリカ、アルミナ、二酸化チタン、珪灰石、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ドロマイト、加工鉱物繊維、金属酸化物、金属水酸化物およびセラミック繊維の1つまたは複数とさらに任意に組み合わせられた粘土、タルク、雲母およびこれらの組み合わせから構成される群から選択される実施形態15,16,16a,17,17aのいずれかに記載の組成物。
実施形態18b:前記極性充填剤は、γ−アミノプロピルトリアルコキシシラン、γ−(メタ)アクリルオキシプロピルトリアルコキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリアルコキシシランおよびこれらの組み合わせから構成される群から選択された表面処理剤で極性充填剤を処理するステップを含むプロセスの生成物である表面処理極性充填剤である実施形態15,16,16a,17,17a,18,18aのいずれかに記載の組成物。
実施形態19:前記ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーの前記ポリ(フェニレンエーテル)ブロックは、それぞれ独立に2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル単位、2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレンエーテル単位またはこれらの組み合わせを含み;前記ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーの前記ポリ(フェニレンエーテル)ブロックは、それぞれ独立に1000〜5000原子質量単位の数平均分子量を有し;前記ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーの前記ポリ(ヒドロキシエーテル)ブロックは、下式の構造
Figure 2016505089
(式中、nは5〜50)を有し;前記ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーは、95〜115℃の第1のガラス転移温度と、170〜220℃の第2のガラス転移温度と、を有する実施形態15,16,16a,17,17a,18,18a,18bのいずれかに記載の組成物。
実施形態20:前記非極性ポリマーは、アルケニル芳香族化合物と共役ジエンとの未水素化ブロックコポリマー、アルケニル芳香族化合物と共役ジエンとの水素化ブロックコポリマーおよびポリ(フェニレンエーテル)の1つまたは複数と任意に組み合わせられたポリスチレンであり;前記極性充填剤は、ガラスフレーク、ガラスビーズ、粘土、タルク、雲母、シリカ、アルミナ、二酸化チタン、珪灰石、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ドロマイト、加工鉱物繊維、金属酸化物、金属水酸化物およびセラミック繊維の1つまたは複数と任意に組み合わせられたガラス繊維であり;前記ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーの前記ポリ(フェニレンエーテル)ブロックは、それぞれ2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル単位を含み;前記ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーの前記ポリ(フェニレンエーテル)ブロックは、それぞれ独立に1500〜3500原子質量単位の数平均分子量を有し;前記ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーの前記ポリ(ヒドロキシエーテル)ブロックは、下式の構造
Figure 2016505089
(式中、nは5〜50)を有し;前記ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーは、95〜115℃の第1のガラス転移温度と、170〜220℃の第2のガラス転移温度と、を有する実施形態15に記載の組成物。
本明細書で開示された範囲はすべて終点を含むものであり、該終点は互いに独立に組み合わせできる。本明細書で開示した範囲はそれぞれ、この開示範囲内の任意の点またはサブ範囲の開示を構成する。
以下の非限定的実施例によって、本発明をさらに例証する。
材料
実施例で使用した材料を表1に示す。
Figure 2016505089
Figure 2016505089
調製実施例1
ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)8kg、ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレントリブロックコポリマー2kg、TBPP50g、およびPHBPP50gを混合して、79.2質量%のポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル(表1の「PPE0.40」)、19.8質量%のポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレントリブロックコポリマー(表1の「SEBS」)、0.5質量%のトリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト(表1の「TBPP」)および0.5質量%のペンタエリスリトールテトラキス(3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)(表1の「PHBPP」)を含むマスターバッチを調製した。スクリュー径30mmの二軸Werner & Pfleiderer押出機を、スクリュー回転数325rpm、スループット48ポンド/h(21.8kg/h)、トルク83%、ゾーン温度が供給口からダイまで240℃、285℃、285℃、280℃、280℃および285℃で操作して該混合物を押し出した。
調製実施例2
Coperion ZSK18二軸実験室押出機(スクリュー径18mm)をスクリュー回転数300rpm、トルク40%、ゾーン温度が供給口からダイまで180℃、230℃、260℃、260℃、260℃、255℃および240℃で操作し、ポリ(ブチレンテレフタレート)(表1の「PBT」)2991gと無水リン酸一ナトリウム(表1のNaHPO)9g(0.3質量%)を混合して、安定したポリ(ブチレンテレフタレート)マスターバッチを調製した。
調製実施例3
Coperion ZSK18二軸実験室押出機(スクリュー径18mm)をスクリュー回転数300rpm、トルク75〜100%、ゾーン温度が供給口からダイまで180℃、220℃、250℃、260℃、260℃、260℃および260℃で操作し、ポリ(エチレンテレフタレート)(表1の「未使用PET」)2991gと無水リン酸一ナトリウム9g(0.3質量%)を混合して、安定したポリ(エチレンテレフタレート)を調製した。
調製実施例4
Coperion ZSK18二軸実験室押出機(スクリュー径18mm)をスクリュー回転数300rpm、トルク55〜70%、ゾーン温度が供給口からダイまで180℃、230℃、250℃、260℃、260℃、260℃および260℃で操作し、ポリ(エチレンテレフタレート)(表1の「再利用PET」)2991gと無水リン酸一ナトリウム9g(0.3質量%)を混合して、安定したポリ(エチレンテレフタレート)を調製した。
実施例1
この実施例では、ポリ(フェニレンエーテル)を45.1質量%含むPPE−PHE−PPEトリブロックコポリマーの調製を例証する。反応物質の特性と量を表2に示す。「HEW」は、「ヒドロキシ当量」の略であり、ヒドロキシ基の当量(モル)当たりのポリ(フェニレンエーテル)の質量(g)を指し、「EEW」は、「エポキシ当量」の略であり、エポキシ基の当量(モル)当たりのビスフェノールA−エピクロロヒドリンコポリマー(「エポキシ樹脂」)の質量(g)を指す。
Figure 2016505089
トリブロックコポリマーを以下のように調製した。シクロヘキサノン500mLを、機械的撹拌機、熱電対プローブ、パウダー漏斗および加熱マントルを装備した2Lの三口丸底フラスコに添加して140℃に加熱した。ポリ(フェニレンエーテル)を添加し溶解させた。その後、DMAP5.0g(0.0409モル)を添加し溶解させた。120分かけて、ほぼ表3に示すように小分けしてエポキシ樹脂を添加した。
Figure 2016505089
この溶液を140℃×7時間撹拌した。反応混合物を80℃未満に冷却し、2−ブタノン400mLで希釈した。反応生成物をメタノール中に沈殿させて分離・ろ過し、メタノールで洗浄して、真空オーブン内にて100℃で乾燥させた。生成物の重量は462g(収率92.4%)であった。
実施例2
この実施例では、ポリ(フェニレンエーテル)を57.0質量%含むPPE−PHE−PPEトリブロックコポリマーの調製を例証する。反応物質の特性および量を表4に示す。
Figure 2016505089
トリブロックコポリマーを以下のように調製した。シクロヘキサノン500mLを、機械的撹拌機、熱電対プローブ、パウダー漏斗および加熱マントルを装備した2Lの三口丸底フラスコに添加して140℃に加熱した。ポリ(フェニレンエーテル)を添加し溶解させた。その後、DMAP5.0g(0.0409モル)を添加し溶解させた。90分かけて、ほぼ表5に示すように小分けしてエポキシ樹脂を添加した。
Figure 2016505089
この溶液を140℃×7時間撹拌した。反応混合物を80℃未満に冷却し、2−ブタノン400mLで希釈した。反応生成物をメタノール中に沈殿させて分離・ろ過し、メタノールで洗浄して、真空オーブン内にて100℃で乾燥させた。生成物の重量は462g(収率92.4%)であった。
実施例3
この実施例では、ポリ(フェニレンエーテル)を63.8質量%含むPPE−PHE−PPEトリブロックコポリマーの調製を例証する。反応物質の特性および量を表6に示す。
Figure 2016505089
トリブロックコポリマーを以下のように調製した。シクロヘキサノン100mLを、機械的撹拌機、熱電対プローブ、パウダー漏斗および加熱マントルを装備した300mLの三口丸底フラスコに添加して140℃に加熱した。ポリ(フェニレンエーテル)を添加し溶解させた。その後、DMAP1.0g(0.0082モル)を添加し溶解させた。90分かけて、ほぼ表7に示すように小分けしてエポキシ樹脂を添加した。
Figure 2016505089
この溶液を140℃×7時間撹拌した。反応混合物を80℃未満に冷却し、2−ブタノン100mLで希釈した。反応生成物をメタノール中に沈殿させて分離・ろ過し、メタノールで洗浄して、真空オーブン内にて100℃で乾燥させた。生成物の重量は87g(収率87%)であった。
実施例4
この実施例では、ポリ(フェニレンエーテル)を48.9質量%含むPPE−PHE−PPEトリブロックコポリマーの調製を例証する。反応物質の特性および量を表8に示す。
Figure 2016505089
トリブロックコポリマーを以下のように調製した。シクロヘキサノン100mLを、機械的撹拌機、熱電対プローブ、パウダー漏斗および加熱マントルを装備した300mLの三口丸底フラスコに添加して140℃に加熱した。ポリ(フェニレンエーテル)を添加し溶解させた。その後、DMAP1.0g(0.0082モル)を添加し溶解させた。90分かけて、ほぼ表9に示すように小分けしてエポキシ樹脂を添加した。
Figure 2016505089
この溶液を140℃×7時間撹拌した。反応混合物を80℃未満に冷却し、2−ブタノン100mLで希釈した。反応生成物をメタノール中に沈殿させて分離・ろ過し、メタノールで洗浄して、真空オーブン内にて100℃で乾燥させた。生成物の重量は91g(収率91%)であった。
実施例5
この実施例では、ポリ(フェニレンエーテル)を41.7質量%含むPPE−PHE−PPEトリブロックコポリマーの調製を例証する。反応物質の特性および量を表10に示す。
Figure 2016505089
トリブロックコポリマーを以下のように調製した。シクロヘキサノン100mLを、機械的撹拌機、熱電対プローブ、パウダー漏斗および加熱マントルを装備した300mLの三口丸底フラスコに添加して140℃に加熱した。ポリ(フェニレンエーテル)を添加し溶解させた。その後、DMAP1.0g(0.0082モル)を添加し溶解させた。90分かけて、ほぼ表11に示すように小分けしてエポキシ樹脂を添加した。
Figure 2016505089
この溶液を140℃×7時間撹拌した。反応混合物を80℃未満に冷却し、2−ブタノン100mLで希釈した。反応生成物をメタノール中に沈殿させて分離・ろ過し、メタノールで洗浄して、真空オーブン内にて100℃で乾燥させた。生成物の重量は82g(収率82%)であった。
実施例6
この実施例では、ポリ(フェニレンエーテル)を34.9質量%含むPPE−PHE−PPEトリブロックコポリマーの調製を例証する。反応物質の特性および量を表12に示す。
Figure 2016505089
トリブロックコポリマーを以下のように調製した。シクロヘキサノン100mLを、機械的撹拌機、熱電対プローブ、パウダー漏斗および加熱マントルを装備した300mLの三口丸底フラスコに添加して140℃に加熱した。ポリ(フェニレンエーテル)を添加し溶解させた。その後、DMAP1.0g(0.0082モル)を添加し溶解させた。120分かけて、ほぼ表13に示すように小分けしてエポキシ樹脂を添加した。
Figure 2016505089
この溶液を140℃×7時間撹拌した。反応混合物を80℃未満に冷却し、2−ブタノン100mLで希釈した。反応生成物をメタノール中に沈殿させて分離・ろ過し、メタノールで洗浄して、真空オーブン内にて100℃で乾燥させた。生成物の重量は84g(収率84%)であった。
トリブロックコポリマーのキャラクタリゼーション
ASTM D3418−08に準拠し、温度範囲30〜250℃、加熱速度20℃/minとしたTA Instruments社製2920M−DSを用いた示差走査熱量測定法(DSC)により、これらのPPE−PHE−PPEトリブロックコポリマーのキャラクタリゼーションを行った。トリブロックコポリマーはすべて、検討した温度範囲に亘って、2つのガラス転移温度を有していた。低い方のガラス転移温度(Tg1)は、ポリ(ヒドロキシエーテル)相に対応して約105〜106℃であった。高い方のガラス転移温度(Tg2)は、ポリ(フェニレンエーテル)相に対応して約179〜183℃であった。結果を表14に示す。
Figure 2016505089
サンプルを圧縮成形して厚みが約2.5mmの部品を成形した.この試験部品を80℃の脱イオン水に浸漬し、0、24、48、72、96、168、216および240時間経過後に秤量して吸湿量を求めた。その後、各時間における質量%上昇を算出した。結果(質量%上昇)を表15に示す。ここでの比較実施例Aは、表1の「PKHH」で示すフェノキシ樹脂である。この結果から、トリブロックコポリマー中のPPEの濃度の上昇に伴って、吸湿量が低下することがわかる。
Figure 2016505089
実施例7〜12、比較実施例1〜3
これらの実施例では、非極性ポリマー(ポリ(フェニレンエーテル)およびポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレン)と極性ポリマー(ポリ(ブチレンテレフタレート)(PBT))とのブレンドを相溶化させるためのPPE−PHE−PPEトリブロックコポリマーの使用について例証する。
これらのブレンドでは、表1に記載のPPE/SEBSマスターバッチを使用した。比較実施例1は、PBTとPPE/SEBS(ポリ(ヒドロキシエーテル)またはPPE−PHE−PPEトリブロックコポリマーは含まない)とのブレンドである。比較実施例2と3は、PBTと、PPE/SEBSと、表1のPKHHで示すポリ(ヒドロキシエーテル)それぞれ2.5質量%および5質量%と、のブレンドである。
Coperion ZSK18二軸実験室押出機(スクリュー径18mm)をスクリュー回転数300rpm、トルク60〜75%、ゾーン温度が供給口からダイまで180℃、230℃、250℃、270℃、270℃、270℃および270℃で操作して、組成物を混合した。Demag Plastic Group社のモデル40−80射出成形機をバレル温度271℃、ノズル温度271℃、金型温度54℃、射出圧9.77〜10.47MPa、背圧0.35MPaで操作して、物性試験用の物品を射出成形した。
組成物と特性を表16に示す。成分量の単位は、組成物の合計質量に対する質量%である。密度(g/cm)は、ASTM D792−08に準拠し温度23℃で求めた。曲げ弾性率(MPa)と5%ひずみ曲げ応力(MPa)は、ASTM D790−10方法Bに準拠し、温度23℃、厚み3.2mm×幅12.7mmのサンプル、支点間距離10cm、(3.937インチ)、クロスヘッド速度1.35mm/分(0.053インチ/分)の条件で測定した。熱変形温度(℃)は、ASTM D648−07に準拠し、試験方向エッジワイズ、横断面寸法3.2mm×12.5mm、負荷1.82MPa、および試験前のアニーリングなしの条件で測定した。引張弾性率(MPa)、引張降伏点応力(MPa)、引張破断応力(MPa)、引張降伏点伸び率(%)および引張破断伸び率(%)は、ASTM D638−08に準拠し、温度23℃、I形棒、ゲージ長50mm、試験速度50mm/minの条件で求めた。ノッチ付アイゾッド衝撃強度(J/m)は、ASTM D256−08方法Aに準拠し、温度23℃、ハンマーエネルギー2フィート−ポンド(2.711J)、棒寸法3.2mm×12.7mm×0.2mmの条件で求めた。
表16の結果から、比較実施例1(ポリ(ヒドロキシエーテル)またはPPE−PHE−PPEトリブロックコポリマーを含まない)および比較実施例2と3(ポリ(ヒドロキシエーテル)を含む)に比べて、PPE−PHE−PPEトリブロックコポリマーを含む実施例7〜12の引張降伏点伸び率、引張破断伸び率およびノッチ付アイゾッド衝撃強度は向上していることがわかる。また、実施例8、9、11および12の曲げ弾性率は向上しており;実施例8〜12の5%ひずみ曲応力は向上しており;実施例8〜10の熱変形温度は向上しており;実施例7〜9、11および12の引張降伏点応力と引張破断応力は向上している。
Figure 2016505089
Figure 2016505089
比較実施例3、実施例8および実施例11の形態を走査透過型電子顕微鏡法で調査した。ミクロトームで薄片化した表面を、四酸化オスミウムで15分間、四酸化ルテニウムで45秒間染色し、走査透過型電子顕微鏡モジュールを装備したZeiss EVO40XVP走査電子顕微鏡で観察した。比較実施例3に対応する図1(25,000倍)では、顕微鏡写真の異なる相が示されている。分散相は、実質的にポリ(フェニレンエーテル)(標識「1」)とポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレン(標識「2」)とで構成されており、連続相は、実質的にポリ(ブチレンテレフタレート)(標識「3」)で構成されている。比較実施例3、実施例8および実施例11の代表的な顕微鏡写真(5,000倍)をそれぞれ図2、3および4に示す。ポリ(ヒドロキシエーテル)5質量%を含む比較実施例3に対応する図2では、非常に大きなポリ(フェニレンエーテル)/ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレン分散相領域が示されている。対照的に、PPE−PHE−PPEトリブロックコポリマー5質量%とPPE57質量%を含む実施例8と、PPE−PHE−PPEトリブロックコポリマー5質量%とPPE45質量%を含む実施例11と、にそれぞれ対応する図3と4では、著しく小さなポリ(フェニレンエーテル)/ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレン分散相領域が示されている。
実施例13〜18、比較実施例4〜6
これらの実施例では、非極性ポリマー(ポリ(フェニレンエーテル)およびポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレン)と極性ポリマー(ポリ(エチレンテレフタレート)(PET))とのブレンドを相溶化させるためのPPE−PHE−PPEトリブロックコポリマーの使用について例証する。このPETは未使用樹脂として得た。
Coperion ZSK18二軸実験室押出機(スクリュー径18mm)をスクリュー回転数300rpm、トルク60〜75%、ゾーン温度が供給口からダイまで180℃、230℃、250℃、270℃、270℃、270℃および270℃で操作して、組成物を混合した。Demag Plastic Group社のモデル40−80射出成形機をバレル温度254〜304℃、ノズル温度271〜304℃、金型温度54〜77℃、射出圧9.07〜11.17MPa、背圧0.35MPaで操作して、物性試験用の物品を射出成形した。
組成物と特性を表17に示す。この結果から、比較実施例4(相溶化剤を含まない)および比較実施例5と6(ポリ(ヒドロキシエーテル)を含む)に比べて、PPE−PHE−PPEトリブロックコポリマーを含む実施例13〜18の曲げ弾性率、熱変形温度、引張弾性率、引張降伏点応力、引張破断応力、引張破断伸び率およびノッチ付アイゾッド衝撃強度は向上していることがわかる。また、実施例13〜15、17および18の5%ひずみ曲げ応力と引張降伏点伸び率は向上している。
Figure 2016505089
Figure 2016505089
実施例19〜24、比較実施例7〜9
これらの実施例では、非極性ポリマー(ポリ(フェニレンエーテル)およびポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレン)と極性ポリマー(ポリ(エチレンテレフタレート)(PET))とのブレンドを相溶化させるためのPPE−PHE−PPEトリブロックコポリマーの使用についてさらに例証する。このPETは再利用樹脂として得た。
組成物と特性を表18に示す。この結果から、比較実施例7(相溶化剤を含まない)および比較実施例8と9(ポリ(ヒドロキシエーテル)を含む)に比べて、PPE−PHE−PPEトリブロックコポリマーを含む実施例19〜24の熱変形温度、引張弾性率、引張降伏点応力、引張破断応力、引張降伏点伸び率、引張破断伸び率およびノッチ付アイゾッド衝撃強度は向上していることがわかる。また、実施例12〜21、23および24の曲げ弾性率と5%ひずみ曲げ応力は向上している。
Figure 2016505089
Figure 2016505089
実施例25〜30、比較実施例10〜12
これらの実施例では、非極性ポリマー(ポリスチレン)と極性充填剤(ガラス繊維)とのブレンドを相溶化させるためのPPE−PHE−PPEトリブロックコポリマーの使用について例証する。
Coperion ZSK18二軸実験室押出機(スクリュー径18mm)をスクリュー回転数300rpm、トルク60〜70%、ゾーン温度が供給口からダイまで180℃、230℃、250℃、270℃、270℃、270℃および280℃で操作して、組成物を混合した。Demag Plastic Group社のモデル40−80射出成形機をバレル温度288℃、ノズル温度288℃、金型温度60℃、射出圧10.47MPa、背圧0.14MPaで操作して、物性試験用の物品を射出成形した。
組成物と特性を表19に示す。曲げ弾性率(MPa)、曲げ降伏点応力(MPa)および曲げ破断応力(MPa)は、ASTM D790−07e1手順Aに準拠し、温度23℃、棒横断面寸法3.2mm×12.7mm、支点間距離50.8mm、試験速度1.27mm/分(0.05インチ/分)の条件で求めた。引張降伏点応力は、ASTM D638−08に準拠し、温度23℃、I形棒、ゲージ長50mm、試験速度5mm/minの条件で求めた。他の特性は、上記の実施例1〜6に記載の方法で求めた。
表19の結果から、比較実施例10(相溶化剤を含まない)および比較実施例11と12(ポリ(ヒドロキシエーテル)を含む)に対して、PPE−PHE−PPEトリブロックコポリマーを含む実施例25〜30の曲げ弾性率、曲げ降伏点応力、曲げ破断応力、熱変形温度、ノッチ付アイゾッド衝撃強度、引張破断応力および引張破断伸び率は向上していることがわかる。
Figure 2016505089
Figure 2016505089
PPE−PHE−PPEトリブロックコポリマーを含む実施例25〜30の物性が向上していることから、PPE−PHE−PPEトリブロックコポリマーは、ポリスチレン相とガラス繊維間の界面接着の向上に有効であることが示唆される。従って、ポリスチレン−ガラス繊維界面を走査電子顕微鏡法(SEM)で調査した。
走査電子顕微鏡法(SEM)用のサンプルは液体窒素中で凍結切片化し、SEMスタブ上に載せた。その後、サンプルを金でコーティングした。Carl Zeiss AG−EVO(登録商標)40シリーズ走査電子顕微鏡を用いてサンプル観察を行った。観察条件は、SEMモード、プローブ電流40pA、HV(高真空)および加速電圧20kVとした。
図5は比較実施例10に対応している。ポリスチレンとガラス繊維との相互作用の兆候はない。ガラス繊維は露出しているように見え、ガラス繊維に付着したポリスチレンの兆候はない。ガラス繊維とポリスチレンとは分離している。
図6は比較実施例11に対応している。樹脂とガラス繊維との強い相互作用の兆候はない。ガラス繊維は、ポリスチレン/ポリ(ヒドロキシエーテル)樹脂には接着していない。恐らくはポリ(ヒドロキシエーテル)と思われる低レベルの樹脂がガラス繊維に付着しているように見える。
図7は比較実施例12に対応している。樹脂とガラス繊維との強い相互作用の兆候はない。ガラス繊維は、ポリスチレン/ポリ(ヒドロキシエーテル)樹脂には接着していない。恐らくはポリ(ヒドロキシエーテル)と思われる低レベルの樹脂がガラス繊維に付着しているように見える。
図8は、PPE含有量が45%のPPE−PHE−PPEトリブロックコポリマー2.5質量%を含む実施例28に対応している。ポリスチレン/ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマー樹脂とガラス繊維間は、良好に接着している。樹脂とガラス繊維間の分離の兆候はない。
図9は、PPE含有量が45%のPPE−PHE−PPEトリブロックコポリマー5質量%を含む実施例29に対応している。ポリスチレン/ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマー樹脂とガラス繊維間は、良好に接着している。樹脂とガラス繊維間の分離の兆候はない。
図10は、PPE含有量が45%のPPE−PHE−PPEトリブロックコポリマー10質量%を含む実施例30に対応している。ポリスチレン/ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマー樹脂とガラス繊維間は、良好に接着している。樹脂とガラス繊維間の分離の兆候はない。

Claims (20)

  1. ポリ(フェニレンエーテル)ブロックがそれぞれ独立に下式の構造
    Figure 2016505089
    [式中、mは5〜50であり;Zは、それぞれ独立にハロゲン、ヒドロカルビル基が第三級ヒドロカルビルでない未置換または置換C−C12ヒドロカルビル、C−C12ヒドロカルビルチオ、C−C12ヒドロカルビルオキシ、あるいは少なくとも2つの炭素原子がハロゲン原子と酸素原子とを分離しているC−C12ハロヒドロカルビルオキシであり;Zは、それぞれ独立に水素、ハロゲン、ヒドロカルビル基が第三級ヒドロカルビルでない未置換または置換C−C12ヒドロカルビル、C−C12ヒドロカルビルチオ、
    −C12ヒドロカルビルオキシ、あるいは少なくとも2つの炭素原子がハロゲン原子と酸素原子とを分離しているC−C12ハロヒドロカルビルオキシである]を有し;
    ポリ(ヒドロキシエーテル)ブロックが下式の構造
    Figure 2016505089
    {式中、Aは、構造:
    Figure 2016505089
    [式中、Gは、それぞれ独立にC−C20芳香族ラジカルであり;Eは、それぞれ独立に直接結合または下式の構造
    Figure 2016505089
    (式中、R〜Rは、それぞれ独立に水素またはC−C12ヒドロカルビル)から構成される群から選択された構造であり;sは0または1であり;tとuは、それぞれ独立に1〜10である]を有する残基であり;Bは下式の構造
    Figure 2016505089
    (式中、R〜Rは、それぞれ独立に水素またはC−C12ヒドロカルビル)を有する残基であり;nは2〜60である}を有することを特徴とするポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマー。
  2. 95〜115℃の第1のガラス転移温度と、170〜220℃の第2のガラス転移温度と、を有する請求項1に記載のポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマー。
  3. 前記ポリ(フェニレンエーテル)ブロックが、それぞれ独立に2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル単位、2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレンエーテル単位またはこれらの組み合わせを含み;
    mが10〜40であり;
    前記ポリ(ヒドロキシエーテル)ブロックが、下式の構造
    Figure 2016505089
    (式中、nは5〜50)を有する請求項1に記載のポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマー。
  4. 前記ポリ(フェニレンエーテル)ブロックは、それぞれ独立に1000〜5000原子質量単位の数平均分子量を有する請求項1乃至3のいずれか1項に記載のポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマー。
  5. 30〜70質量%のポリ(フェニレンエーテル)ブロックを含む請求項1乃至3のいずれか1項に記載のポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマー。
  6. 前記ポリ(ヒドロキシエーテル)ブロックの数平均分子量は、2,000〜10,000原子質量単位である請求項1乃至3のいずれか1項に記載のポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマー。
  7. 前記ポリ(フェニレンエーテル)ブロックは、それぞれ独立に2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル単位、2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレンエーテル単位またはこれらの組み合わせを含み;
    前記ポリ(フェニレンエーテル)ブロックは、それぞれ独立に1000〜5000原子質量単位の数平均分子量を有し;
    前記ポリ(ヒドロキシエーテル)ブロックは、下式の構造
    Figure 2016505089
    (式中、nは5〜50)を有し、
    95〜115℃の第1のガラス転移温度と、170〜220℃の第2のガラス転移温度と、を有する請求項1に記載のポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマー。
  8. 塩基の存在下、モノヒドロキシ末端ポリ(フェニレンエーテル)をジエポキシ末端ポリ(ヒドロキシエーテル)と反応させるステップを含むことを特徴とするポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーの形成方法。
  9. 組成物の合計質量に対して、
    セルロースエステル、ポリ(アルキル(メタ)アクリレート)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリ(エチレン−エチルアクリレート)、ポリ(エチレン−ビニルアセテート)、ポリウレタン、ポリ(ビニルアセテート)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(スチレン−アクリロニトリル)、
    ポリ(スチレン−無水マレイン酸)、ポリ(ビニルブチラール)およびこれらの組み合わせから構成される群から選択された極性ポリマーを30〜93質量%と;
    アルケニル芳香族化合物と共役ジエンとの未水素化ブロックコポリマー、アルケニル芳香族化合物と共役ジエンとの水素化ブロックコポリマー、ポリ(アルケニル芳香族)、ポリ(フェニレンエーテル)およびこれらの組み合わせから構成される群から選択された非極性ポリマーを5〜68質量%と;
    ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーを2〜20質量%と、を含むことを特徴とする組成物。
  10. 前記非極性ポリマーは、アルケニル芳香族化合物と共役ジエンとの未水素化ブロックコポリマー、アルケニル芳香族化合物と共役ジエンとの水素化ブロックコポリマーおよびポリ(アルケニル芳香族)の1つまたは複数と任意に組み合わせられたポリ(フェニレンエーテル)である請求項9に記載の組成物。
  11. 前記極性ポリマーは、セルロースエステル、ポリ(アルキル(メタ)アクリレート)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリ(エチレン−エチルアクリレート)、ポリ(エチレン−ビニルアセテート)、ポリウレタン、ポリ(ビニルアセテート)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(スチレン−アクリロニトリル)、ポリ(スチレン−無水マレイン酸)およびポリ(ビニルブチラール)の1つまたは複数と任意に組み合わせられたポリエステルである請求項9に記載の組成物。
  12. 前記極性ポリマーは、セルロースエステル、ポリ(アルキル(メタ)アクリレート)、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリ(エチレン−エチルアクリレート)、ポリ(エチレン−ビニルアセテート)、ポリウレタン、ポリ(ビニルアセテート)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(スチレン−アクリロニトリル)、ポリ(スチレン−無水マレイン酸)およびポリ(ビニルブチラール)の1つまたは複数と任意に組み合わせられたポリアミドである請求項9に記載の組成物。
  13. 前記ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーの前記ポリ(フェニレンエーテル)ブロックは、それぞれ独立に2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル単位、2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレンエーテル単位またはこれらの組み合わせを含み;
    前記ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーの前記ポリ(フェニレンエーテル)ブロックは、それぞれ独立に1000〜5000原子質量単位の数平均分子量を有し;
    前記ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーの前記ポリ(ヒドロキシエーテル)ブロックは、下式の構造
    Figure 2016505089
    (式中、nは5〜50)を有し;
    前記ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーは、95〜115℃の第1のガラス転移温度と、170〜220℃の第2のガラス転移温度と、を有する請求項9乃至12のいずれか1項に記載の組成物。
  14. 前記ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーの前記ポリ(フェニレンエーテル)ブロックは、それぞれ2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル単位を含み;
    前記ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーの前記ポリ(フェニレンエーテル)ブロックは、それぞれ独立に1500〜3500原子質量単位の数平均分子量を有し;
    前記ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーの前記ポリ(ヒドロキシエーテル)ブロックは、下式の構造
    Figure 2016505089
    (式中、nは5〜50)を有し;
    前記ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーは、95〜115℃の第1のガラス転移温度と、170〜220℃の第2のガラス転移温度と、を有し;
    前記極性ポリマーは、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(ブチレンテレフタレート)またはこれらの組み合わせであり;
    前記非極性ポリマーは、アルケニル芳香族化合物と共役ジエンとの未水素化ブロックコポリマー、およびポリ(アルケニル芳香族)の1つまたは複数とさらに任意に組み合わせられた、ポリ(フェニレンエーテル)、およびアルケニル芳香族化合物と共役ジエンとの水素化ブロックコポリマーの組み合わせである請求項9に記載の組成物。
  15. 組成物の合計質量に対して、
    アルケニル芳香族化合物と共役ジエンとの未水素化ブロックコポリマー、アルケニル芳香族化合物と共役ジエンとの水素化ブロックコポリマー、ポリ(アルケニル芳香族)、ポリ(フェニレンエーテル)およびこれらの組み合わせから構成される群から選択された非極性ポリマーを30〜93質量%と;
    ガラス繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、粘土、タルク、雲母、シリカ、アルミナ、二酸化チタン、珪灰石、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ドロマイト、加工鉱物繊維、金属酸化物、金属水酸化物、セラミック繊維およびこれらの組み合わせから構成される群から選択された極性充填剤を5〜50質量%と;
    ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーを2〜20質量%と、を含むことを特徴とする組成物。
  16. 前記非極性ポリマーは、アルケニル芳香族化合物と共役ジエンとの未水素化ブロックコポリマー、アルケニル芳香族化合物と共役ジエンとの水素化ブロックコポリマーおよびポリ(フェニレンエーテル)の1つまたは複数と任意に組み合わせられたポリ(アルケニル芳香族)である請求項15に記載の組成物。
  17. 前記非極性ポリマーは、アルケニル芳香族化合物と共役ジエンとの未水素化ブロックコポリマー、アルケニル芳香族化合物と共役ジエンとの水素化ブロックコポリマーおよびポリ(アルケニル芳香族)の1つまたは複数と任意に組み合わせられたポリ(フェニレンエーテル)である請求項15に記載の組成物。
  18. 前記極性充填剤は、ガラスフレーク、ガラスビーズ、粘土、タルク、雲母、シリカ、アルミナ、二酸化チタン、珪灰石、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ドロマイト、加工鉱物繊維、金属酸化物、金属水酸化物およびセラミック繊維の1つまたは複数と任意に組み合わせられたガラス繊維である請求項15に記載の組成物。
  19. 前記ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーの前記ポリ(フェニレンエーテル)ブロックは、それぞれ独立に2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル単位、2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレンエーテル単位またはこれらの組み合わせを含み;
    前記ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーの前記ポリ(フェニレンエーテル)ブロックは、それぞれ独立に1000〜5000原子質量単位の数平均分子量を有し;
    前記ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーの前記ポリ(ヒドロキシエーテル)ブロックは、下式の構造
    Figure 2016505089
    (式中、nは5〜50)を有し;
    前記ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーは、95〜115℃の第1のガラス転移温度と、170〜220℃の第2のガラス転移温度と、を有する請求項15乃至18のいずれか1項に記載の組成物。
  20. 前記非極性ポリマーは、アルケニル芳香族化合物と共役ジエンとの未水素化ブロックコポリマー、アルケニル芳香族化合物と共役ジエンとの水素化ブロックコポリマーおよびポリ(フェニレンエーテル)の1つまたは複数と任意に組み合わせられたポリスチレンであり;
    前記極性充填剤は、ガラスフレーク、ガラスビーズ、粘土、タルク、雲母、シリカ、アルミナ、二酸化チタン、珪灰石、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ドロマイト、加工鉱物繊維、金属酸化物、金属水酸化物およびセラミック繊維の1つまたは複数と任意に組み合わせられたガラス繊維であり;
    前記ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーの前記ポリ(フェニレンエーテル)ブロックは、それぞれ2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル単位を含み;
    前記ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーの前記ポリ(フェニレンエーテル)ブロックは、それぞれ独立に1500〜3500原子質量単位の数平均分子量を有し;
    前記ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーの前記ポリ(ヒドロキシエーテル)ブロックは、下式の構造
    Figure 2016505089
    (式中、nは5〜50)を有し;
    前記ポリ(フェニレンエーテル)−ポリ(ヒドロキシエーテル)−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーは、95〜115℃の第1のガラス転移温度と、170〜220℃の第2のガラス転移温度と、を有する請求項15に記載の組成物。
JP2015556082A 2013-02-01 2014-01-28 トリブロックコポリマー、その形成方法およびそれを含む相溶化組成物 Pending JP2016505089A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US13/756,692 US8865823B2 (en) 2013-02-01 2013-02-01 Triblock copolymer, method for its formation, and compatibilized compositions comprising it
US13/756,692 2013-02-01
PCT/US2014/013313 WO2014120650A1 (en) 2013-02-01 2014-01-28 Triblock copolymer, method for its formation, and compatibilized compositions comprising it

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016505089A true JP2016505089A (ja) 2016-02-18

Family

ID=51259757

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015556082A Pending JP2016505089A (ja) 2013-02-01 2014-01-28 トリブロックコポリマー、その形成方法およびそれを含む相溶化組成物

Country Status (6)

Country Link
US (1) US8865823B2 (ja)
EP (1) EP2951226A4 (ja)
JP (1) JP2016505089A (ja)
KR (1) KR20150115863A (ja)
CN (1) CN104955873B (ja)
WO (1) WO2014120650A1 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101649432B1 (ko) * 2012-02-06 2016-08-18 헥시온 인코포레이티드 복합재 이용분야에서 직물, 매트 및 다른 섬유성 강화재를 위한 에폭시 수지 포뮬레이션
WO2019182978A1 (en) * 2018-03-19 2019-09-26 Virginia Polytechnic Institute And State University Copolymer compatibilizers and uses thereof
CN114163602A (zh) * 2021-12-26 2022-03-11 大连中沐化工有限公司 一种聚苯醚-聚醚嵌段共聚物
TWI808754B (zh) * 2022-05-11 2023-07-11 聯茂電子股份有限公司 經增韌之樹脂組合物

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05117387A (ja) * 1991-10-25 1993-05-14 Mitsubishi Petrochem Co Ltd ヒドロキシル化ポリフエニレンエーテルの製造方法
JPH09202851A (ja) * 1995-11-20 1997-08-05 Matsushita Electric Works Ltd 封止用エポキシ樹脂組成物、それを用いた半導体装置、及びその封止用エポキシ樹脂組成物の製造方法
JP2011074124A (ja) * 2009-09-29 2011-04-14 Panasonic Electric Works Co Ltd 樹脂組成物、樹脂組成物の製造方法、樹脂ワニス、プリプレグ、金属張積層板、及びプリント配線板
JP2012051966A (ja) * 2010-08-31 2012-03-15 Sumitomo Electric Wintec Inc エポキシ変性ポリフェニレンエーテル及びそれを用いた絶縁電線、電機コイル、モータ
US20120329939A1 (en) * 2011-06-27 2012-12-27 Edward Norman Peters Poly(arylene ether)-poly(hydroxy ether) block copolymer and method of making

Family Cites Families (25)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
BE635349A (ja) 1962-07-24
US3409581A (en) 1964-06-29 1968-11-05 Union Carbide Corp Polyhydroxyether modified resole phenolic resins
US3631126A (en) 1970-08-10 1971-12-28 Uniroyal Inc Polyphenylene oxide resins modified with polyhydroxy ethers
US4226951A (en) * 1978-06-19 1980-10-07 General Electric Company Block polymers of polyphenylene oxide and polystyrene
US4912172A (en) 1987-09-03 1990-03-27 General Electric Company Compositions comprising polyphenylene ethers, polyepoxides and aluminum or zinc diketone salt
US4853423A (en) 1988-07-14 1989-08-01 General Electric Company Curable polyphenylene ether-polyepoxide compositions useful in printed circuit board production
US5141791A (en) 1988-10-11 1992-08-25 General Electric Company Curable polyphenylene ether-polyepoxide compositions from melt processed polyphenylene ethers, and laminates prepared therefrom
US5108842A (en) 1988-12-22 1992-04-28 General Electric Company Curable dielectric polyphenylene ether-polyepoxide compositions useful in printed circuit board production
PL164813B1 (pl) 1990-12-21 1994-10-31 Inst Chemii Przemyslowej Sposób wytwarzania blokowych żywic epoksydowych
DE69213374T2 (de) * 1991-09-03 1997-02-06 Mitsubishi Chem Corp Verfahren zur Herstellung von Hydroxyl-substitutierten Polyphenylenetherharz
EP0572919A1 (en) * 1992-06-01 1993-12-08 Mitsubishi Chemical Corporation Thermoplastic resin composition and process for preparing the same
FI101805B (fi) 1994-05-19 1998-08-31 Optatech Oy Poly-2,6-dimetyyli-1,4-fenyylieetterin seokset ja menetelmä niiden val mistamiseksi
US5865530A (en) 1996-02-15 1999-02-02 Valeo Sylvania Filled resin lamp reflector with no base coat and method of making
DE19618741A1 (de) 1996-05-09 1997-11-13 Basf Ag Flammwidrige thermoplastische Formmassen mit verbessertem Verarbeitungsverhalten
US6387990B1 (en) 1999-09-10 2002-05-14 General Electric Company Curable epoxy resin compositions with brominated triazine flame retardants
US7022777B2 (en) 2001-06-28 2006-04-04 General Electric Moldable poly(arylene ether) thermosetting compositions, methods, and articles
US7211639B2 (en) 2003-10-03 2007-05-01 General Electric Company Composition comprising functionalized poly(arylene ether) and ethylene-alkyl (meth)acrylate copolymer, method for the preparation thereof, and articles prepared therefrom
US7022765B2 (en) 2004-01-09 2006-04-04 General Electric Method for the preparation of a poly(arylene ether)-polyolefin composition, and composition prepared thereby
US20060135695A1 (en) 2004-12-17 2006-06-22 Hua Guo Flexible poly(arylene ether) composition and articles thereof
US7541421B2 (en) 2005-12-08 2009-06-02 Sabic Innovative Plastics Ip B.V. Poly(arylene ether) copolymer
US20080275185A1 (en) * 2006-03-02 2008-11-06 General Electric Company Poly(arylene ether) block copolymer compositions, methods, and articles
US20070238831A1 (en) 2006-03-30 2007-10-11 Steven Klei Poly(arylene ether) composition and method of making the same
US8025158B2 (en) 2008-02-21 2011-09-27 Sabic Innovative Plastics Ip B.V. High molecular weight poly(2,6-dimethyl-1,4-phenylene ether) and process therefor
US8304478B2 (en) 2010-07-30 2012-11-06 Sabic Innovative Plastics Ip B.V. Polyamide/poly(arylene ether) composition, article, and method
CN103980465B (zh) * 2014-06-06 2016-06-01 中国科学院长春应用化学研究所 一种磺化聚苯醚酮及其制备方法、磺化聚苯醚酮类质子交换膜

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05117387A (ja) * 1991-10-25 1993-05-14 Mitsubishi Petrochem Co Ltd ヒドロキシル化ポリフエニレンエーテルの製造方法
JPH09202851A (ja) * 1995-11-20 1997-08-05 Matsushita Electric Works Ltd 封止用エポキシ樹脂組成物、それを用いた半導体装置、及びその封止用エポキシ樹脂組成物の製造方法
JP2011074124A (ja) * 2009-09-29 2011-04-14 Panasonic Electric Works Co Ltd 樹脂組成物、樹脂組成物の製造方法、樹脂ワニス、プリプレグ、金属張積層板、及びプリント配線板
JP2012051966A (ja) * 2010-08-31 2012-03-15 Sumitomo Electric Wintec Inc エポキシ変性ポリフェニレンエーテル及びそれを用いた絶縁電線、電機コイル、モータ
US20120329939A1 (en) * 2011-06-27 2012-12-27 Edward Norman Peters Poly(arylene ether)-poly(hydroxy ether) block copolymer and method of making

Also Published As

Publication number Publication date
EP2951226A1 (en) 2015-12-09
EP2951226A4 (en) 2016-09-14
KR20150115863A (ko) 2015-10-14
US8865823B2 (en) 2014-10-21
CN104955873A (zh) 2015-09-30
CN104955873B (zh) 2016-10-19
US20140221552A1 (en) 2014-08-07
WO2014120650A1 (en) 2014-08-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8552105B2 (en) Compatibilized composition, method for the formation thereof, and article comprising same
JP5840785B2 (ja) 相溶化バイオポリアミド−ポリ(アリーレンエーテル)熱可塑性樹脂
JP2004503651A (ja) メルトフロー特性の改良された高性能熱可塑性組成物
JP2016505089A (ja) トリブロックコポリマー、その形成方法およびそれを含む相溶化組成物
US8686079B2 (en) Compatibilized composition, method for the formation thereof, and article comprising same
US20090030141A1 (en) Poly(arylene ether) composition, method, and article
EP4151687B1 (en) Metallized article and associated poly(phenylene ether) composition and injection-molded article
JP7488902B2 (ja) ポリフェニレンエーテル-ポリアミド組成物、その製造および使用方法
US20240294751A1 (en) Poly(phenylene ether) composition and article
KR20190008856A (ko) 열가소성 조성물, 이의 제조 방법 및 이로부터 제조된 물품
WO2024074917A1 (en) Thermoplastic composition, method for the manufacture thereof, and articles comprising the composition

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151002

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151002

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160913

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160927

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20170509