JPH05295106A - ハロアリール化ポリフェニレンエーテルの製造方法 - Google Patents

ハロアリール化ポリフェニレンエーテルの製造方法

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JPH05295106A
JPH05295106A JP10447692A JP10447692A JPH05295106A JP H05295106 A JPH05295106 A JP H05295106A JP 10447692 A JP10447692 A JP 10447692A JP 10447692 A JP10447692 A JP 10447692A JP H05295106 A JPH05295106 A JP H05295106A
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chloride
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Haruo Omura
治夫 大村
Tomohiko Tanaka
智彦 田中
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ポリフェニレンエーテルに、一般式(I) 【化5】 (式中、RはX、−CO−X、−CH2 X、−CO−A
−X、−SO2 −A−X又は−SO2 Xを表す。ここで
Xはハロゲン原子を表し、Aはベンゼン環を表す)で示
されるハロアリール化合物を反応させるハロアリール化
ポリフェニレンエーテルの製造方法。 【効果】 ハロアリール化ポリフェニレンエーテルを極
めて容易に高収率で製造することができ、かつ、このも
のは、ポリフェニレンスルフィド等と相溶性が優れた樹
脂組成物を与える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリフェニレンエーテ
ル(以下、PPEという)の末端フェノール性水酸基の
官能化によるハロアリール化PPEの製造方法に関す
る。
【0002】本発明のハロアリール化PPEは、未官能
化PPEに比較して他の樹脂、例えばポリフェニレンス
ルフィド等とブレンドした場合ブレンド樹脂の官能基と
反応し、本来、非相溶の樹脂との相溶性を高め、機械的
特性の高い樹脂組成物を与える。したがって、このハロ
アリール化PPEは、PPEとその改質材又はPPEと
他の樹脂、特にポリフェニレンスルフィド、ポリスルホ
ン、ポリエーテルスルホン等との相溶性改良剤として有
用である。更に、この化合物はPPEのグラフト又はブ
ロック共重合体の前駆体として有用である。
【0003】
【従来の技術】PPEは、優れた耐熱性、機械的特性、
電気的特性、耐水性、耐酸性、耐アルカリ性、自己消火
性を備えた極めて有用な熱可塑性樹脂であり、エンジニ
アリングプラスチック材料として、多くの応用展開が図
られている。
【0004】しかしながら、この樹脂はガラス転移温度
が高いので溶融粘度が高く、成形加工性が悪く、またエ
ンジニアリングプラスチックとしては耐衝撃性が劣るな
どの欠点を有している。
【0005】これらの欠点を改良することを目的とし
て、ポリオレフィン又は他のエンジニアリングプラスチ
ック、例えば、ポリフェニレンスルフィド、ポリブチレ
ンテレフタレート、ナイロン等とのブレンドが実施され
ている。しかしながら、これらのブレンドにおいて、両
者のポリマーは本質的に相溶性に乏しく、その結果、得
られる樹脂組成物は脆く、機械的強度及び耐衝撃強度が
低下し、実用に供し得ないものとなる。
【0006】この問題を解決するために相溶化剤が用い
られている。相溶化剤の多くは両者のポリマーのグラフ
ト又はブロック共重合体である。これらの共重合体の合
成時にPPEの末端フェノール性水酸基を他のポリマー
中の官能基と反応させることが考えれる。
【0007】しかしながら、フェノール性水酸基と反応
可能な他のポリマーの官能基種は限られており、その利
用範囲は自ずと限定されている。そこで、PPEの反応
性を高める目的で多くの官能化PPEが提案されてい
る。それらの多くは、PPEに酸無水物基又は水酸基等
を導入するものである。酸クロライドを用いてPPEの
末端基を官能化する方法は、例えば、特開平2−471
55号公報に無水トリメリット酸クロライドを用いる方
法が記載されている。しかし、ハロアリール基のPPE
末端への導入はいまだ実施されていない。PPE主鎖を
ブロモベンゼンスルホニルクロライドでハロアリール化
する方法は、報告されているが(S.Percec;Journal of
Applied Polymer Science,、1987年、33巻、19
1頁)、フリーデル−クラフツ反応を用いるためPPE
のゲル化が避けられず工業的には実施困難である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、PPEと他
の樹脂、特にポリフェニレンスルフィド、ポリスルホ
ン、ポリエーテルスルホン等とのブレンド時の相溶性を
高めることのできるハロアリール化PPEの極めて容易
な製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、PPEの
末端フェノール性水酸基をジハロゲン化芳香族化合物、
ハロゲン化芳香族カルボン酸ハライド、ハロゲン化ベン
ジルハライド、ジハロゲン化ベンゾフェノン、ジハロゲ
ン化ジフェニルスルホン、ハロゲン化芳香族スルホニル
ハライド等を用いて官能化することにより、極めて容易
にハロアリール化PPEが得られることを見出し、本発
明を完成した。
【0010】本発明は、ポリフェニレンエーテルに、一
般式(I)
【0011】
【化2】
【0012】(式中、Rは−X、−CO−X、−CH2
X、−CO−A−X、−SO2 −A−X又は−SO2
を表す。ここでXはハロゲン原子を表し、Aはベンゼン
環を表す)で示されるハロアリール化合物を反応させる
ことを特徴とするハロアリール化ポリフェニレンエーテ
ルの製造方法である。
【0013】<PPE>本発明で使用するPPEは、一
般式(II)
【0014】
【化3】
【0015】で示される構造を有する単独重合体又は共
重合体である。
【0016】ここで、Q1 は各々ハロゲン原子、炭素数
1〜12の第一級又は第二級アルキル基、炭素数6〜1
2のアリール基、炭素数1〜12のアミノアルキル基、
炭素数1〜12のハロアルキル基、炭素数1〜12の炭
化水素オキシ基又は炭素数1〜12のハロ炭化水素オキ
シ基を表し、Q2 は各々水素原子、ハロゲン原子、炭素
数1〜12の第一級又は第二級アルキル基、炭素数6〜
12のアリール基、炭素数1〜12のハロアルキル基、
炭素数1〜12の炭化水素オキシ基又は炭素数1〜12
のハロ炭化水素オキシ基を表す。nは10〜500の整
数を表す。
【0017】Q1 及びQ2 の好適な第一級アルキル基の
例は、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n
−アミル、イソアミル、2−メチルブチル、n−ヘキシ
ル、2,3−ジメチルブチル、2−、3−若しくは4−
メチルペンチル又は対応するヘプチルである。同様に、
第二級アルキル基の例は、イソプロピル、sec −ブチル
又は1−メチルペンチルである。多くの場合、各Q1
アルキル基又はフェニル基、特に炭素数1〜4のアルキ
ル基であり、そして各Q2 は水素原子である。好適なP
PEの単独重合体及び共重合体としては、例えば、ポリ
(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)又
は2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテルと
2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレンエーテル
とのランダム共重合体である。多くの好適な単独重合体
及びランダム共重合体が、特許、文献に記載されてい
る。例えば、分子量、溶融粘度及び/又は耐衝撃強度等
の特性を改良する分子構成部分を含むPPEも、また好
適である。すなわち、アクリロニトリル又はスチレン等
のビニル芳香族化合物などのビニルモノマーあるいはポ
リスチレン又はエラストマーなどのポリマーをPPEに
グラフトさせて得られる樹脂等である。
【0018】PPE(II)の分子量は通常クロロホルム
中で測定した30℃の固有粘度が0.2〜0.8dl/g
程度に相当するものである。
【0019】PPEは、通常前記のモノマーの酸化カッ
プリングにより製造される。PPEの酸化カップリング
重合に関しては、数多くの触媒系が知られている。触媒
の選択に関しては特に制限はなく、公知の触媒のいずれ
も用いることができる。例えば、銅、マンガン、コバル
ト等の重金属化合物の少なくとも1種を通常は種々の他
の物質との組合せで含むもの等である。
【0020】<ハロアリール化合物>PPEの官能化剤
として用いる前記一般式(I)で示されるハロアリール
化合物は、ハロアリール基とPPEの末端基であるフェ
ノール性水酸基との反応により、共有結合の可能な官能
基とを同一分子内に併せ持つ化合物である。具体的には
ジハロゲン化芳香族化合物、ハロゲン化芳香族カルボン
酸ハライド、ハロゲン化ベンジルハライド、ハロゲン化
芳香族スルホニルハライド等である。
【0021】結合官能基としての一般式(I)中のR
は、X、−CO−X、−CH2 X、−CO−A−X、−
SO2 −A−X又は−SO2 Xを表す。ここで、Xはハ
ロゲン原子を表し、Aはベンゼン環を表す。
【0022】一般式(I)で示したハロアリール化合物
の好適な具体例としては、ジフルオロベンゼン、ジクロ
ロベンゼン、ジブロモベンゼン、ジヨードベンゼン、フ
ルオロベンゾイルクロライド、クロロベンゾイルクロラ
イド、ブロモベンゾイルクロライド、ヨードベンゾイル
クロライド、ブロモベンゾイルブロマイド、クロロベン
ゾイルブロマイド、フルオロベンジルブロマイド、クロ
ロベンジルクロライド、クロロベンジルブロマイド、ブ
ロモベンジルブロマイド、ヨードベンジルブロマイド、
4,4′−ジフルオロベンゾフェノン、4,4′−ジク
ロロベンゾフェノン、4,4′−ジフルオロジフェニル
スルホン、4,4′−ジクロロジフェニルスルホン、
4,4′−ジブロモジフェニルスルホン、フルオロベン
ゼンスルホニルフルオライド、フルオロベンゼンスルホ
ニルクロライド、クロロベンゼンスルホニルクロライ
ド、ブロモベンゼンスルホニルクロライド、ヨードベン
ゼンスルホニルクロライド又はクロロベンゼンスルホニ
ルフルオライド等あるいはそれらの構造異性体等が挙げ
られる。これらの中で、クロロベンゾイルクロライド、
クロロベンジルクロライド、4,4′−ジフルオロベン
ゾフェノン等が反応活性の面等から特に好ましい。
【0023】<ハロアリール化PPE>本発明で製造さ
れるハロアリール化PPEは、一般式(III) で示され、
【化4】 式中Q1 、Q2 及びnは前記と同意義を表し、Zは直接
結合、−CO−、−CH2 −、−A−CO−、−A−S
2 −又は−SO2 −を表す。ここでAはベンゼン環を
表す。
【0024】ハロアリール化PPE(III)は、PPE
(II)が溶解可能な有機溶媒と水溶性の無機塩基性化合
物を溶解させた水との混合溶媒中、相間移動触媒の存在
下、PPE(II)とハロアリール化合物(I)を反応さ
せることにより容易に製造できる。
【0025】ここで使用する有機溶媒は、原料であるP
PEを溶解可能であることが好ましい。これらの具体例
としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭
化水素;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲ
ン化芳香族炭化水素;クロロホルム、トリクロルエチレ
ン、四塩化炭素等のハロゲン化脂肪族炭化水素等が挙げ
られる。前記の水溶性の無機塩基性化合物としては、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸
化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属
炭酸塩等が例示される。
【0026】相間移動触媒としては、第四級アンモニウ
ム塩、第四級ホスホニウム塩、第三級スルホニウム塩等
が挙げられる。好ましくは、第四級アンモニウム塩であ
り、その具体的な例として、ベンジルトリメチルアンモ
ニウムクロライド、ベンジルトリエチルアンモニウムク
ロライド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライ
ド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラブチ
ルアンモニウムハイドロジェンサルフェート、トリオク
チルメチルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
【0027】本発明のハロアリール化PPE(III)は、
以下の方法によっても製造できる。すなわち、PPE
(II)とハロアリール化合物(I)とを非水状態で塩基
性化合物の存在下、有機溶媒中で反応させることにより
容易に製造できる。この場合に、塩基性化合物の有機溶
媒中への溶解を容易にさせるために、少量のメタノー
ル、エタノール等のアルコール類を添加してもよい。
【0028】ここで使用する有機溶媒は原料であるPP
Eを溶解可能であることが望ましい。これらの具体例と
しては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化
水素;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロル
ベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素;クロロホル
ム、トリクロルエチレン、四塩化炭素等のハロゲン化脂
肪族炭化水素;N−メチルピロリドン、1,3−ジメチ
ル−2−イミダゾリジノン等の非プロトン性の極性溶媒
等が挙げられる。前記の塩基性化合物としては、ナトリ
ウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等のアルコラー
ト;トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、トリ
ブチルアミン等の第三級アミン;水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩;水素化ナト
リウム等のアルカリ金属水素化物等が挙げられる。
【0029】本発明の反応は、PPE(II)の末端フェ
ノール性水酸基1モルに対し、ハロアリール化合物
(I)1〜30モル、好ましくは2〜20モルを用い
る。有機溶媒は、PPE(II)100重量部に対して3
00〜1000重量部を使用する。無機塩基性化合物
は、使用する官能化剤1当量あたり1〜10当量を使用
する。好ましくは1〜5当量を用いる。相間移動触媒
は、PPE(II)100重量部あたり1〜20重量部を
用いる。
【0030】本発明のハロアリール化PPE(III)の製
造条件を具体的に説明すると、PPE(II)を有機溶媒
に加熱溶解させ、そこに無機塩基性化合物の水溶液と相
間移動触媒を添加し、又は、塩基性化合物のみを添加
し、次いで、室温から、使用する有機溶媒の沸点を超え
ない温度で、ハロアリール化合物(I) を加えて同温度
で反応させ、更に反応が完結するまで加熱撹拌すること
により製造する。
【0031】
【実施例】以下に本発明を実施例により詳細に説明す
る。
【0032】実施例1 PPEとしてポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニ
レンエーテル)(日本ポリエーテル社製、30℃におい
てクロロホルム中で測定した固有粘度が0.30dl/g
、ポリスチレン換算分子量:Mn9,200,Mw31,
100)20.0g 及びトルエン200mlを反応器内に
仕込み、80℃で加熱撹拌してPPEを溶解した。次い
で、3.0g のトリエチルアミンを添加した後、反応混
合物の温度を90℃に上げ、30分撹拌を続けた。次
に、4−クロロベンゾイルクロライド3.9g を20分
かけて反応系内に加えた、更に、温度を110℃に上げ
6時間加熱撹拌した後、メタノール1.5リットルに反
応液を注ぎ生成したハロアリール化PPEを沈殿させ
た。
【0033】これをろ別した後、水1リットルで洗浄
し、更にメタノール1リットルで洗浄した。90℃で減
圧加熱乾燥してハロアリール化PPEを得た。収率は9
9%、末端基の反応率は100%であった。クロロホル
ムからのキャストフィルムの赤外線吸収スペクトルを図
1に示した。同スペクトルで1741cm-1にカルボニル
基に帰属する吸収が観測された。
【0034】なお、PPEの末端フェノール性水酸基の
反応率の確認は、ハロアリール化PPEの2.0重量%
の二硫化炭素溶液を、光路長10mmの石英セルを使用し
て、赤外線吸収スペクトルを測定することにより実施し
た。すなわち、反応率は、反応前後のPPEの末端フェ
ノール性水酸基の吸光度(3610cm-1)の値より計算
した。
【0035】実施例2 実施例1で用いたPPEと同じPPE20.0g 及びト
ルエン200mlを反応器に仕込み、80℃で加熱撹拌し
てPPEを溶解した。次いで、50重量%の水酸化ナト
リウム水溶液6.0g 及び相間移動触媒としてトリオク
チルメチルアンモニウムクロライド1.0g を添加し
た。反応液の温度を90℃に保ち、4−クロロベンゼン
スルホニルクロライド9.4g をトルエン20mlに溶解
し10分かけて添加した。更に、同温度で6時間反応を
継続した。反応液を実施例1と同様に後処理し、ハロア
リール化PPEを得た。収率は99%、末端フェノール
性水酸基の反応率は100%であった。クロロホルムか
らのキャストフィルムの赤外線吸収スペクトルには、1
090cm-1にスルホン酸エステル基に帰属する吸収が観
測された。
【0036】実施例3 実施例1で用いたPPEと同じPPE20g 及びトルエ
ン200mlを反応器に仕込み、80℃に加熱撹拌してP
PEを溶解した。次いで、50重量%の水酸化ナトリウ
ム水溶液6.0g 及び相間移動触媒としてトリオクチル
メチルアンモニウムクロライド1.0g を添加した。反
応液の温度を95℃に保ち、4−クロロベンジルクロラ
イド3.5g をトルエン20mlに溶解し10分かけて添
加した。更に、同温度で5時間反応を継続した。反応液
を実施例1と同様に後処理し、ハロアリール化PPEを
得た。収率は99%、末端フェノール性水酸基の反応率
は98%であった。
【0037】実施例4 実施例1で用いたPPEと同じPPE20g 及びトルエ
ン200mlを反応器に仕込み、80℃に加熱撹拌してP
PEを溶解した。次いで、50重量%の水酸化ナトリウ
ム水溶液6.0g 及び相間移動触媒としてトリオクチル
メチルアンモニウムクロライド1.0g を添加した。反
応液の温度を98℃に保ち、4,4′−ジフルオロベン
ゾフェノン5.0g をトルエン20mlに溶解し10分か
けて添加した。更に、同温度で5時間反応を継続した。
反応液を実施例1と同様に後処理し、ハロアリール化P
PEを得た。収率は99%、末端フェノール性水酸基の
反応率は75%であった。クロロホルムからのキャスト
フィルムの赤外線吸収スペクトルには、1660cm-1
カルボニル基に帰属する吸収が観測された。
【0038】応用例1 実施例1で得たハロアリール化PPE30重量部とポリ
フェニレンスルフィド(トープレン社製、商品名:トー
プレンT−7)70重量部を東洋精機社製のプラストミ
ルにて、310℃、回転数180rpm の条件にて、5分
間溶融混練した。得られた樹脂組成物について、日立製
作所製S−2400型走査型電子顕微鏡により、樹脂組
成物の断面を観察した。その結果、PPEが細かく球状
に均一分散しているのが観測され、その分散粒径は1.
5μm程度であった。
【0039】比較応用例1 ハロアリール化PPEの代わりに、未官能化PPEを用
いた以外は、応用例1と同様の方法により樹脂組成物を
得た。この樹脂組成物のPPEの分散粒径は、平均3μ
m程度であり、かつ分散粒径が揃っておらず、10μm
程度の大きな分散粒径も観測された。
【0040】
【発明の効果】実施例に示したように、本発明の製造方
法によれば、ハロアリール化PPEを高収率で製造でき
る。このものは更に、応用例1に示したように、ポリフ
ェニレンスルフィドと、単に溶融混練するのみで相溶性
が優れた樹脂組成物を得ることができる。これは、ポリ
フェニレンスルフィドが本発明のハロアリール化PPE
の末端ハロゲン基と置換反応して共重合体を生成し、両
樹脂間の界面張力が低下して、相溶性が改良されたもの
と思われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたハロアリール化PPE(ク
ロロホルム溶液より調製したキャストフィルム)の赤外
線吸収スペクトルである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリフェニレンエーテルに、一般式
    (I) 【化1】 (式中、RはX、−CO−X、−CH2 X、−CO−A
    −X、−SO2 −A−X又は−SO2 Xを表す。ここ
    で、Xはハロゲン原子を表し、Aはベンゼン環を表す)
    で示されるハロアリール化合物を反応させることを特徴
    とするハロアリール化ポリフェニレンエーテルの製造方
    法。
JP10447692A 1992-04-23 1992-04-23 ハロアリール化ポリフェニレンエーテルの製造方法 Pending JPH05295106A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017528546A (ja) * 2014-07-08 2017-09-28 ブローミン コンパウンズ リミテッド 臭素含有重合体の調製およびその難燃剤としての応用

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017528546A (ja) * 2014-07-08 2017-09-28 ブローミン コンパウンズ リミテッド 臭素含有重合体の調製およびその難燃剤としての応用

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