JPH05116563A - パワーシートのモータ制御方法およびモータ制御装置 - Google Patents

パワーシートのモータ制御方法およびモータ制御装置

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JPH05116563A
JPH05116563A JP18160991A JP18160991A JPH05116563A JP H05116563 A JPH05116563 A JP H05116563A JP 18160991 A JP18160991 A JP 18160991A JP 18160991 A JP18160991 A JP 18160991A JP H05116563 A JPH05116563 A JP H05116563A
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JP
Japan
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motor
switching
supply voltage
torque
switching means
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JP18160991A
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English (en)
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Hiromitsu Ogasawara
紘充 小笠原
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Tachi S Co Ltd
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Tachi S Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 パワーシートのモータ制御装置における、モ
ータの起動時、停止時のショックを抑制する。 【構成】 モータ起動時においては、制限抵抗の挿入に
よる抑制された印加電圧のもとで、モータを低速起動し
た後、トルク切換手段の制御リレーの所定の間欠動作に
よって、モータを段階的に加速する。また、モータ停止
時においては、トルク切換手段の制御リレーの所定の間
欠動作によって、制限抵抗の挿入による抑制された印加
電圧のもとで、モータを段階的に減速し、減速状態から
停止させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、モータの駆動制御に
よって、着座姿勢制御装置の可動部材のポジションを着
座者の体形、好み等に応じて任意に調整、設定可能なパ
ワーシートのモータ制御方法およびモータ制御装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】たとえば、車両等において、モータの駆
動制御により移動可能なシートスライド装置、シートリ
フター、リクライニング装置等の種々の着座姿勢制御装
置の装着された、いわゆるパワーシートと称されるシー
トが知られている。
【0003】このようなパワーシートのモータとして、
一般に、DCギヤードモータ(DCモータ)が利用され
る。そして、モータは、たとえば、モータ制御装置に接
続され、モータ制御装置のスイッチ手段のオン、オフや
モータ制御リレーのリレー接点の切換えによって駆動制
御可能に構成されている。
【0004】ここで、DCモータを利用する構成では、
一般に、モータの巻線端末間の短絡によって生じる回生
制動を利用して、モータ、つまりは可動部材を停止させ
ている。このような構成によれば、DCモータの特徴で
ある停止時の保持力が効果的に利用でき、回生制動のも
とで、モータの停止状態が確実に保持されるため、可動
部材の停止精度が向上される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、シートスラ
イド装置におけるシートのように、移動範囲の比較的広
い可動部材を持つ着座姿勢制御装置においては、可動部
材の迅速な移動が要求される。そこで、近年のパワーシ
ートにおいては、モータの回転速度の高速化をはかり、
モータの高速回転によって、可動部材の迅速な移動を確
保している。
【0006】しかしながら、公知の構成においては、ス
イッチ手段のオン、オフやリレー接点の切換えに伴うモ
ータへの供給電圧の印加または遮断によって、モータの
起動または停止が制御されているため、モータの急激な
起動、停止は避けられない。
【0007】特に、シートスライド装置におけるシート
のように、着座者の荷重を直接的に支持する可動部材に
おいては、モータの起動時、停止時のショックが可動部
材を介して着座者に伝達されやすい。モータの起動時、
停止時のショックは、着座者に不快感、不安感を与え、
着座者の快適性を損なうとともに、パワーシートの全体
的な高級感を低下させる虞れがある。
【0008】ここで、モータ起動時、停止時のショック
の抑制対策として、たとえば、トランジスタやFET
(電界効果トランジスタ)等を用いた速度制御手段によ
り、モータの速度制御を行なうことが、一般的に考えら
れる。
【0009】しかしながら、このような速度制御手段に
おいては、構成が複雑化しやすいとともに、トランジス
タ、FET等が高価であるため、速度制御手段およびモ
ータ制御装置の全体的なコストの増大を招く。
【0010】また、このような速度制御手段において
は、トランジスタ、FET等に発熱、スイッチングノイ
ズを生じやすく、付近の電子回路素子等に悪影響を及ぼ
す虞れがあり、好ましくない。
【0011】そして、このような速度制御手段は、通
常、モータの停止位置を予め認識できるモータのオート
制御時に適用可能に構成される。そのため、着座者が任
意にモータを駆動制御するモータのマニュアル制御への
適用が難しく、マニュアル制御における、モータの速度
制御、つまりはショックの抑制が容易にはかれない。
【0012】この発明は、モータの起動時、停止時のシ
ョックを抑制するパワーシートのモータ制御方法および
モータ制御装置の提供を目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、この発明のパワーシートのモータ制御方法によれ
ば、モータの駆動指令を検出、監視し、駆動指令の発生
から所定時間だけ、トルク切換手段により抑制された供
給電圧をモータに印加してモータを低速起動している。
そして、所定時間経過後における、トルク切換手段の間
欠的な動作により、定常の供給電圧、抑制された供給電
圧をモータに交互に印加して、モータの回転速度を段階
的に加速し、トルク切換手段の間欠動作停止後におけ
る、定常の供給電圧の印加により、モータを定常駆動し
ている。
【0014】また、モータの駆動指令の消滅から所定時
間だけ、トルク切換手段を間欠的に動作させている。そ
して、トルク切換手段により抑制された供給電圧の印加
によって、モータを低速駆動して減速するとともに、モ
ータの巻線端末の短絡により発生する回生制動のもと
で、モータを減速状態から停止させている。
【0015】
【実施例】以下、図面を参照しながらこの発明の実施例
について詳細に説明する。
【0016】図1に示すように、この発明に係るパワー
シートのモータ制御装置10は、操作スイッチ12と、トル
ク切換手段14と、切換制御手段16とを備え、操作スイッ
チの操作によって、モータMを駆動制御可能に構成され
ている。
【0017】モータMとして、通常、DCギヤードモー
タがそれぞれ利用でき、モータは、シート18に装着され
た着座姿勢制御装置の可動部材、たとえば、図2に示す
ように、シートスライド装置20においては、シート自体
をスライドさせるための駆動源として設けられている。
なお、シートスライド装置20は公知の構成とされ、その
構成はこの発明の趣旨でないため、詳細に説明しない。
【0018】図1、図3(A)に示すように、操作スイ
ッチ12として、たとえば、主接点12a と2ポジションの
切換接点12b,12c とを持つとともに、主接点が2ポジシ
ョンの切換接点のいずれにも接触しないニュートラルポ
ジションを有する自動復帰形のシーソー式スイッチが利
用できる。
【0019】このような操作スイッチの主接点12a は、
通常、ニュートラルポジションに位置し、任意の方向へ
の操作レバー(図示しない)等の押圧操作によって、主
接点が切換接点12b,12c のいずれかに接触される。そし
て、操作スイッチ12の操作力の解除によって、主接点12
a を操作レバー等とともにニュートラルポジションに自
動的に復帰するように、操作スイッチ12が構成されてい
る。
【0020】なお、操作スイッチ12は、たとえば、モー
タMのマニュアル制御を行なうマニュアルスイッチとし
て形成され、着座者の操作可能な位置、たとえば、図2
に示すように、シート18のシートクッション22のサイド
等に配設されている。しかし、着座者の操作可能な位置
であれば足り、シートクッション22のサイドに限定され
ず、たとえば、コンソールボックス、ドア内壁のアーム
レスト(ともに図示しない)等に操作スイッチ12を配設
してもよい。
【0021】図1、図3(A)を見るとわかるように、
操作スイッチ12の切換接点12b,12cは、たとえば、後述
する切換制御手段16の一対の第2遅延回路24を介して、
バッテリーおよびモータ制御リレーRL1,RL2 にそれぞれ
接続されている。
【0022】モータ制御リレーRL1,RL2 として、たとえ
ば、コイルに電流を流すことによって、対応するリレー
接点RL1a,RL2a の切換えを行なう電磁リレーがそれぞれ
利用でき、図3(C)に示すように、各リレー接点は、
モータMとバッテリーとの間に介在されている。
【0023】このような構成において、たとえば、操作
スイッチ12を任意の方向に操作すると、モータ制御リレ
ーRL1,RL2 のうち、対応するサイドのモータ制御リレー
が付勢される。すると、付勢されたモータ制御リレーに
対応するリレー接点RL1a,RL2a が切換えられ、モータM
に流れる電流の方向によって、モータが対応する方向に
駆動(正転、逆転)して、シート18が前後方向にスライ
ドされる。
【0024】ここで、図1、図3(C)に示すように、
この発明のパワーシートのモータ制御装置10において
は、トルク切換手段14が設けられ、トルク切換手段によ
って、モータMに印加される供給電圧の抑制および定常
の供給電圧の印加を切換え可能に構成されている。
【0025】図3(C)を見るとよくわかるように、ト
ルク切換手段14として、たとえば、モータMの巻線端
末、リレー接点RL1a間に介在された制限抵抗R0と、制限
抵抗に並列に接続された切換接点RL3aとを備えた構成が
利用できる。このようなトルク切換手段14は、たとえ
ば、切換接点RL3aによる、制限抵抗R0の端末間の短絡、
短絡解除によって、モータMの巻線端末への制限抵抗の
挿入、挿入解除を切換え可能となっている。
【0026】制限抵抗R0として、たとえば、0.5 〜 2Ω
程度の一般的な低抵抗が利用できる。また、トルク切換
手段の切換接点RL3aは、たとえば、トランジスタTr3 を
介して切換制御手段16に接続された制御リレーRL3 のリ
レー接点として形成され、制御リレーRL3 の付勢に伴う
切換えによって、制限抵抗R0の端末間を短絡解除するよ
うに接続されている。
【0027】このような構成においては、通常時、つま
り、制御リレーRL3の消勢時、切換接点RL3aによる制限
抵抗R0の端末間の短絡により、制限抵抗がモータMの巻
線端末から挿入解除されるとともに、制御リレーRL3 の
付勢に伴う切換接点RL3aの切換えによって、制限抵抗が
モータの巻線端末に挿入されて、モータのトルクが低減
される。
【0028】このようなトルク切換手段14の切換えは、
たとえば、切換制御手段16からの作動信号によって制御
されている。
【0029】図1を見るとよくわかるように、切換制御
手段16は、たとえば、第1エッジ検出回路26と、第1遅
延回路28と、第2エッジ検出手段30および一対の第2遅
延回路24とを備え、モータMの駆動指令を適当に処理し
て、モータの起動時、停止時に対応する所定の作動信号
を出力可能に構成されている。
【0030】モータMの駆動指令として、たとえば、ス
イッチオフ信号が利用でき、図1、図3(B)のa部の
波形を図4で見るとわかるように、スイッチオフ信号
は、操作スイッチ12の操作時に消滅する信号としてとら
えられている。そして、図1、図3(B)に示すよう
に、操作スイッチ12からのスイッチオフ信号は、まず、
第1エッジ検出回路26に入力される。
【0031】図1、図3(B)のa部、b部の波形を図
4において比較するとよくわかるように、第1エッジ検
出回路26は、たとえば、スイッチオフ信号のエッジ部
分、つまり、スイッチオフ信号の消滅時、発生時を検出
し、スイッチオフ信号のエッジ部分において、所定の検
出信号を出力可能に構成されている。
【0032】そして、第1エッジ検出回路26からの検出
信号は、第1遅延回路28に出力される。図3(B)に示
すように、第1遅延回路28は、たとえば、タイマー32を
有して形成され、図1、図3(B)のb部、c部の波形
を図4において比較するとわかるように、入力された検
出信号を所定時間t1に延長した遅延信号に変換して出力
可能に構成されている。遅延信号の所定時間t1は、たと
えば、100msec 程度とされる。
【0033】次に、第1遅延回路28からの遅延信号は、
第2エッジ検出回路30に出力される。図1、図3(B)
のa部、b部の波形を図4において比較するとよくわか
るように、第2エッジ検出回路30は、第1遅延回路28か
らの遅延信号のエッジを検出し、エッジ部分において、
所定時間t2の信号をそれぞれ出力可能に構成されてい
る。
【0034】そして、第2エッジ検出回路30からの出力
信号が、切換制御手段16からの作動信号としてトルク切
換手段14のトランジスタTr3 に出力され、作動信号の発
生、消滅に伴う、トランジスタTr3 のスイッチング動作
により、制御リレーRL3 の付勢、消勢、つまりは切換接
点RL3aの切換えが制御される(図4参照)。作動信号の
所定時間t2は、たとえば、所定時間t1の1/2 程度、つま
り、50msec程度とされる。
【0035】なお、図3(A)に示すように、このよう
なモータ制御装置10においては、内部回路用の安定化電
源34が設けられ、安定化電源から供給される安定した供
給電圧のもとで、切換制御手段16が作動可能となってい
る。
【0036】上記のような構成において、たとえば、操
作スイッチ12を任意の方向に操作すると、図4に示すよ
うに、対応するモータ制御リレーRL1,RL2 が付勢される
とともに、切換制御手段16からの作動信号の発生によっ
て、トルク切換手段14の切換接点RL3aが、制御リレーRL
3 の付勢に伴って、所定時間t2だけ切換えられ、端末間
の短絡解除により、制限抵抗R0がモータMの巻線端末に
挿入される。すると、制限抵抗R0の挿入によって、モー
タMへの印加電圧が抑制され、抑制された印加電圧のも
とで、モータが低速起動する。
【0037】そして、所定時間t2が経過すると、制御リ
レーRL3 の消勢に伴う、切換接点RL3aの切換えによっ
て、制限抵抗R0の端末間が短絡され、制限抵抗の挿入解
除により、所定時間t1が経過するまでの間だけ、定常の
供給電圧がモータMに印加される。すると、定常の供給
電圧の印加により、モータMが、モータ電流の上昇に伴
って徐々に加速される。
【0038】また、遅延信号の所定時間t1が経過する
と、遅延信号の消滅から、所定時間t2だけ、トルク切換
手段14が再度作動して、制限抵抗R0の端末間が短絡解除
され、制限抵抗によって抑制された供給電圧が、モータ
Mに印加される。
【0039】そして、作動信号の所定時間t2が経過し、
制御リレーRL3 が消勢されると、トルク切換手段の切換
接点RL3aの切換えによって、制限抵抗R0の端末間が再度
短絡されて挿入解除され、定常の供給電圧の印加によ
り、モータMが定常駆動されて、シート18が前後方向に
スライドされる。
【0040】このような構成によれば、制限抵抗R0によ
って抑制された印加電圧のもとで、モータMが低速起
動、いわゆるソフトスタートされるとともに、トルク切
換手段14の間欠的な動作によって、モータMが段階的に
加速し、トルク切換手段による所定の間欠動作の停止
後、モータの定常駆動のもとで、シート18が前後方向に
スライドされる。そのため、モータ起動時のショックが
十分に抑制され、ショックに起因する不快感、不安感を
着座者に与えることもなく、着座者の快適性が改善され
る。
【0041】そして、モータ起動時のショックが着座者
に伝達されにくいため、着座者の姿勢崩れが十分に抑制
できる。そのため、着座姿勢の安定化がはかられ、この
点からも、着座者の快適性が改善される。
【0042】更に、制限抵抗R0は、作動信号発生時の所
定時間t2だけ、モータMの巻線端末に挿入され、作動信
号の非発生時、つまり、モータMの起動時以外は、制限
抵抗R0の端末間が短絡されて、定常の印加電圧のもと
で、モータが駆動される。そのため、制限抵抗R0による
電圧ロスが防止され、モータMの定格特性を損なうこと
もない。従って、シート18の迅速な移動が十分に確保で
き、モータMの高速化を妨げることもない。
【0043】また、図4に示すように、たとえば、任意
のシートポジションにおいて、操作スイッチ12を操作解
除すると、スイッチオフ信号が直ちに発生し、切換制御
手段16によるスイッチオフ信号の処理により、モータM
の起動時と同様の作動信号が出力され、作動信号によっ
て、トルク切換手段14が作動制御される。
【0044】ここで、図3(A)に示すように、操作ス
イッチの切換接点12b,12c は、たとえば、一対の第2遅
延回路24を介して、モータ制御リレーRL1,RL2 にそれぞ
れ接続されている。第2遅延回路24は、たとえば、抵抗
R1,R2 、コンデンサC1,C2 、トランジスタTr1,Tr2 をそ
れぞれ有して形成され、操作スイッチ12の操作解除後
も、モータ制御リレーRL1,RL2 を所定時間t3だけ継続し
て付勢可能に構成されている。つまり、操作スイッチ12
の操作解除から所定時間t3だけ、モータ制御リレーRL1,
RL2 の消勢を遅延して、モータMの停止を遅延してい
る。所定時間t3は、たとえば、75msec程度とされる。
【0045】そのため、モータMは、図4に示すよう
に、操作スイッチ12の操作解除と同時に急激に停止せ
ず、まず、作動信号の発生された所定時間t2だけ、制限
抵抗R0の挿入によって抑制された印加電圧のもとで、モ
ータが低速駆動、つまりは減速される。
【0046】そして、第2遅延回路24の所定時間t3が経
過し、モータ制御リレーRL1,RL2 が消勢すると、バッテ
リーからの供給電圧は直ちに遮断されるとともに、リレ
ー接点RL1a,RL2a の切換えによって、モータMの巻線端
末間が短絡される。すると、遅延信号の所定時間t1の経
過まで、定常の回生制動力のもとで、モータMが更に減
速されるとともに、所定時間t1が経過して、作動信号が
再度発生されると、制限抵抗R0によって抑制された回生
制動力のもとで、緩やかに減速されて、モータが減速状
態から停止される。
【0047】つまり、停止時において、モータMは、操
作スイッチ12の操作解除に伴って急激に停止されず、制
限抵抗R0によって抑制された供給電圧の印加、および、
巻線端末の短絡に伴う回生制動によって、段階的に減速
され、減速状態から停止される。そのため、モータM
の、いわゆるソフトストップが可能となり、モータの停
止時におけるショックが十分に抑制でき、モータ停止時
のショックに起因する不快感、不安感を着座者に与える
こともない。
【0048】そして、モータ停止時のショックが着座者
に伝達されにくいため、着座者の姿勢崩れが十分に抑制
できる。そのため、着座姿勢の安定化がはかられ、この
点からも、着座者の快適性が改善される。特に、ドライ
バーシートにおいては、シートポジション設定直後にお
ける発進やライドポジション設定直後における降車動作
が容易に行なえるため、乗車時、降車時の動作が煩雑化
せず、乗降車の迅速化がはかられる。
【0049】更に、トルク切換手段14の間欠動作の停止
後、つまり、モータMの停止後においては、制限抵抗R0
の端末が切換手段RL3aによって短絡され、モータMに定
常の回生制動力が作用する。そのため、停止後において
は、定常の回生制動力のもとで、モータMの停止状態が
確実に保持され、シート18の停止精度が十分に確保でき
る。
【0050】そして、この発明によれば、操作スイッチ
12のスイッチオフ信号をモータMの駆動指令としてとら
え、駆動指令をもとに形成された所定の作動信号によっ
て、トルク切換手段14を作動制御している。そのため、
オート制御時だけでなく、マニュアル制御時において
も、モータMの起動時、停止時のショックが十分にはか
られる。
【0051】また、この発明によれば、切換制御手段16
によって、トルク切換手段14の切換制御を行なうため、
たとえば、モータ制御リレーによるリレー制御、マイク
ロコンピュータ(マイコン)によるマイコン制御等のモ
ータ制御形式を問わず、モータのソフトスタート、ソフ
トストップが得られる。
【0052】そして、この発明のパワーシートのモータ
制御装置10によれば、簡単な構成にも拘らず、上記のモ
ータ制御方法が適切に遂行でき、モータMの起動時、停
止時のショックを抑制するソフトスタート、ソフトスト
ップが確実に得られる。そのため、着座者の快適性が十
分に改善できるとともに、シート18の高級感の低下が防
止できる。
【0053】また、少なくとも、切換制御手段16からの
作動信号の発生時以外は、制限抵抗R0に電流が流れない
ため、小型、安価な抵抗を制限抵抗として利用しても、
制限抵抗が過熱、焼損することもない。そのため、モー
タ制御装置10の構成の複雑化、コストの増加が十分に防
止できるとともに、可動部材の移動を機械的に阻止する
構成の着座姿勢制御装置にも、この発明のモータ制御装
置が利用でき、モータ制御装置の利用範囲が十分に拡大
される。
【0054】更に、マイコン制御等を要することなく、
モータのソフトスタート、ソフトストップが実行できる
ため、モータ制御装置の高価格化、構成の複雑化が十分
に防止でき、この点においても、モータ制御装置の利用
範囲が十分に拡大される。
【0055】なお、図3(C)の参照符号36,38 は、リ
ミットスイッチを示す。このようなリミットスイッチ3
6,38 は、たとえば、シート20のスライド限度位置を検
出可能にそれぞれ設けられ、スライド限度位置へのシー
トの到達によって、バッテリーからの電流を遮断するよ
うに構成されている。
【0056】このような構成では、リミットスイッチ3
6,38 によって、シート18のスライド範囲が確実に規定
されるため、シートの過剰なスライドが十分に防止で
き、モータ、シートスライド装置20およびその他の周辺
部材等の安全性が確保される。
【0057】ここで、上記の実施例においては、モータ
Mの巻線端末に直列に接続された制限抵抗R0と、制限抵
抗の端末間を短絡、短絡解除可能な切換接点RL3aとを備
えた構成として、トルク切換手段14が具体化されてい
る。しかし、トルク切換手段14は、これに限定されず、
たとえば、図5に示す別実施例のように、たとえば、ス
イッチング回路40によって、制限抵抗R0の挿入、挿入解
除を制御する構成としてもよい。
【0058】図5を見るとわかるように、トルク切換手
段のスイッチング回路40は、たとえば、トランジスタTr
4 を有して形成され、トランジスタTr4 のオン、オフ動
作により、モータMの巻線端末とアースとの間に制限抵
抗R0を挿入、挿入解除可能となっている。
【0059】たとえば、トルク切換手段のスイッチング
回路40は、通常時、つまり、切換制御手段16からの作動
信号の非発生時においてオンとされている。スイッチン
グ回路40のオン時においては、モータMのモータ電流
が、制限抵抗R0に流れることなくスイッチング回路を介
してアースに流れるため、モータMは、定常の印加電圧
のもとで定常駆動される。
【0060】また、切換制御手段16からの作動信号の発
生により、スイッチング回路40がオフとなると、モータ
電流が制限抵抗R0を流れるため、制限抵抗によって抑制
された供給電圧がモータMに印加され、抑制された印加
電圧のもとでモータが低速起動および低速駆動される。
【0061】そのため、図6を見るとわかるように、こ
のような構成のトルク切換手段14のもとでも、前記実施
例と同様に、切換制御手段16からの作動信号によるモー
タトルクの切換えが行なえ、モータMのソフトスタート
およびソフトストップがそれぞれ実行できる。
【0062】そして、スイッチング回路40を有する構成
では、作動音を伴うことなく、スイッチング回路のオ
ン、オフ動作、つまり、制限抵抗R0の挿入、挿入解除が
行なわれる。そのため、モータMの起動時、停止時のシ
ョックの抑制に加えて、リレー接点等の作動音の抑制が
十分にはかられ、この点においても、着座者の快適性が
改善されるとともに、シート18の全体的な高級感が十分
に確保できる。
【0063】なお、実施例においては、パワーシートの
着座姿勢制御装置として、可動部材をシート18とするシ
ートスライド装置20を例示しているが、これに限定され
ず、他の着座姿勢制御装置、たとえば、リクライニング
装置、シートリフター等に、この発明が応用できること
はいうまでもない。
【0064】また、実施例においては、自動車のパワー
シートのモータ制御装置として具体化されている。しか
し、モータの駆動制御により、着座姿勢制御装置の可動
部材の位置を調整可能なシートであれば足り、自動車の
パワーシートに限定されず、たとえば、電車、飛行機、
船舶等のシートやあんま、理髪等のためのシートにも応
用できる。
【0065】上述した実施例は、この発明を説明するた
めのものであり、この発明を何等限定するものでなく、
この発明の技術範囲内で変形、改造等の施されたものも
全てこの発明に包含されることはいうまでもない。
【0066】
【発明の効果】上記のように、この発明に係るパワーシ
ートのモータ制御方法によれば、モータ起動時におけ
る、トルク切換手段の所定の間欠動作によって、モータ
が低速起動から段階的に加速されるとともに、モータ停
止時における、トルク切換手段の間欠動作によって、モ
ータが段階的に減速され、減速状態から停止される。
【0067】そのため、モータの起動時、停止時のショ
ックが十分に抑制され、ショックに起因する不快感、不
安感を着座者に与えることもなく、着座者の快適性が改
善されるとともに、パワーシートの高級感の低下が十分
に防止できる。
【0068】また、この発明のパワーシートのモータ制
御装置によれば、簡単な構成にも拘らず、上記のモータ
制御方法が適切に遂行でき、モータの起動時、停止時の
ショックを抑制するソフトスタート、ソフトストップが
確実に得られる。そのため、着座者の快適性が十分に改
善される。
【0069】そして、モータの巻線端末に制限抵抗を設
け、リレー接点からなる切換接点の切換えによって制限
抵抗の挿入、挿入解除を制御する構成では、切換制御手
段からの作動信号のもとで確実に作動し、モータトルク
の切換えが的確に行なえる。
【0070】また、トランジスタを有するスイッチング
回路によって、モータのトルクを切換える構成では、ス
イッチング動作時における作動音の抑制が十分にはから
れるため、この点からも、着座者の快適性が改善され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るパワーシートのモータ制御装置
の概略ブロック図である。
【図2】シートスライド装置の装着されたシートの概略
側面図である。
【図3】パワーシートのモータ制御装置の概略回路図で
ある。
【図4】この発明のパワーシートのモータ制御方法によ
るタイムチャートである。
【図5】この発明の別実施例における、パワーシートの
モータ制御装置の部分回路図である。
【図6】この発明の別実施例における、パワーシートの
モータ制御装置によるタイムチャートである。
【符号の説明】
10 パワーシートのモータ制御装置 12 操作スイッチ 14 トルク切換手段 16 切換制御手段 24 第2遅延回路 26 第1エッジ検出回路 28 第1遅延回路 30 第2エッジ検出回路 40 スイッチング回路 M モータ R0 制限抵抗 RL3 制御リレー RL3a 切換接点 Tr4 トランジスタ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年9月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るパワーシートのモータ制御装置
の概略ブロック図である。
【図2】シートスライド装置の装着されたシートの概略
側面図である。
【図3】パワーシートのモータ制御装置の概略回路図で
ある。
【図4】パワーシートのモータ制御装置の概略回路図で
ある。
【図5】パワーシートのモータ制御装置の概略回路図で
ある。
【図6】この発明のパワーシートのモータ制御方法によ
るタイムチャートである。
【図7】この発明の別実施例における、パワーシートの
モータ制御装置の部分回路図である。
【図8】この発明の別実施例における、パワーシートの
モータ制御装置によるタイムチャートである。
【符号の説明】 10 パワーシートのモータ制御装置 12 操作スイッチ 14 トルク切換手段 16 切換制御手段 24 第2遅延回路 26 第1エッジ検出回路 28 第1遅延回路 30 第2エッジ検出回路 40 スイッチング回路 M モータ R0 制限抵抗 RL3 制御リレー RL3a 切換接点 Tr4 トランジスタ
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図4】
【図3】
【図5】
【図7】
【図6】
【図8】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータの駆動指令を検出、監視し、駆動
    指令の発生から所定時間だけ、トルク切換手段により抑
    制された供給電圧をモータに印加してモータを低速起動
    し、所定時間経過後における、トルク切換手段の間欠的
    な動作により、定常の供給電圧、抑制された供給電圧を
    モータに交互に印加して、モータの回転速度を段階的に
    加速し、トルク切換手段の間欠動作停止後における、定
    常の供給電圧の印加により、モータを定常駆動するとと
    もに、 モータの駆動指令の消滅から所定時間だけ、トルク切換
    手段を間欠的に動作させ、トルク切換手段により抑制さ
    れた供給電圧の印加によって、モータを低速駆動して減
    速するとともに、モータの巻線端末の短絡により発生す
    る回生制動のもとでモータを減速状態から停止させるパ
    ワーシートのモータ制御方法。
  2. 【請求項2】 可動部材を移動させるためのモータと、 モータの駆動制御を行なう操作スイッチと、 モータへの印加電圧を抑制して、モータの回転速度を制
    限可能な制限抵抗を有し、制限抵抗の挿入、挿入解除に
    より、モータのトルクを切換えるトルク切換手段と、 操作スイッチからの信号を適当に処理して所定の作動信
    号を出力し、作動信号のもとで、トルク切換手段の切換
    え動作を制御する切換制御手段と、 を具備し、モータの起動時、停止時における、トルク切
    換手段の間欠動作によって、モータの段階的な加減速を
    行なうパワーシートのモータ制御装置。
  3. 【請求項3】 トルク切換手段が、制限抵抗の端末間の
    短絡、短絡解除を切換える切換接点を有し、切換接点
    が、切換制御手段に接続された制御リレーのリレー接点
    から形成され、切換接点による制限抵抗の端末間の短絡
    によって、モータに定常の供給電圧を印加するととも
    に、制限抵抗の端末間の短絡解除に伴う制限抵抗の挿入
    により、供給電圧を抑制してモータに印加する請求項2
    記載のパワーシートのモータ制御装置。
  4. 【請求項4】 トルク切換手段が、トランジスタを有す
    るスイッチング回路を備え、スイッチング回路のオフ時
    において、定常の供給電圧をモータに印加するととも
    に、スイッチング回路のオン時においてのみ、制限抵抗
    によって抑制された供給電圧をモータに印加可能に構成
    された請求項2記載のパワーシートのモータ制御装置。
  5. 【請求項5】 切換制御手段が、 モータの駆動指令をパルスに整形し、対応するパルスの
    エッジ部分を検出して、所定の検出信号を出力する第1
    エッジ検出回路と、 第1エッジ検出回路からの検出信号を所定時間だけ延長
    した遅延信号に変換して出力する第1遅延回路と、 第1遅延回路からの遅延信号のエッジ部分を検出し、検
    出信号を所定の作動信号として出力する第2エッジ検出
    回路と、 操作スイッチの操作解除から所定時間だけ、モータの駆
    動指令を継続して出力して、駆動指令の消滅を遅延させ
    る第2遅延回路と、 を備えて構成された請求項2ないし4のいずれか記載の
    パワーシートのモータ制御装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005299275A (ja) * 2004-04-14 2005-10-27 Aisin Seiki Co Ltd シャッター装置
JP2006002532A (ja) * 2004-06-21 2006-01-05 Bunka Shutter Co Ltd 開閉装置
JP2007156238A (ja) * 2005-12-07 2007-06-21 Kyocera Mita Corp モータ制御装置及び画像形成装置
EP1859525A4 (en) * 2005-03-08 2015-08-12 Dura Global Tech Inc ELECTRONIC CONTROL SYSTEM WITH TORQUE AND / OR SPEED INCREASE FOR SEATS OF MOTOR VEHICLE

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JP4671850B2 (ja) * 2005-12-07 2011-04-20 京セラミタ株式会社 画像形成装置

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