JPH0511486A - フイルム塗被シート - Google Patents

フイルム塗被シート

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JPH0511486A
JPH0511486A JP3283084A JP28308491A JPH0511486A JP H0511486 A JPH0511486 A JP H0511486A JP 3283084 A JP3283084 A JP 3283084A JP 28308491 A JP28308491 A JP 28308491A JP H0511486 A JPH0511486 A JP H0511486A
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JP
Japan
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film
coated sheet
coating layer
woven fabric
pigment
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Application number
JP3283084A
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English (en)
Inventor
Seigoro Fujita
征五郎 藤田
Yoichi Fukuzawa
洋一 福澤
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Kanzaki Paper Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Kanzaki Paper Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】レーザープリンター・熱溶融転写プリンター等
の印字適性・通過適性が良く、布地の感触があり、ピン
等で留めるときに破損しない引き裂き強さを持つ、バー
コード利用のゼッケン等に使用するシートを提供する。 【構成】フィルムと不織布からなる複合シートの表面に
顔料と接着剤を主成分とする塗被層を有するフィルム塗
被シートで、(a) フィルムの厚みが30〜80μm、(b) フ
ィルム塗被シートの引裂き強さが 100g以上、(c) フィ
ルム側塗被層面の平滑度が5.5 cmHg 以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表面に塗被層を有し、
フィルムと不織布を貼り合せたフィルム塗被シートで、
レーザープリンター(電子写真等)や熱溶融転写プリン
ター等のプリンター適性と布地の感触性を付与して、ゼ
ッケン等に使用するフィルム塗被シートに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、全国各地でマラソン大会、国体、
或いは各種の陸上競技等が活発化し、その規模も年々大
きくなり、大会参加者の数も増えている。そして、マラ
ソン大会等では、1万人以上もの参加者のもとに挙行さ
れることもある。従って、このような多人数の参加競技
の場合、参加者一人、一人の完走タイム等をコンピュー
ター入力により集計し、整理、速報することが要求され
る時代となってきた。
【0003】このような事情から、例えば各ランナーの
参加No 等を各人のゼッケンにバーコードで印字し、こ
のバーコードに基づいて、各ランナーの着順及びタイム
等を判定するシステムが開発され、好評を得ている。
【0004】ところで、このゼッケンの製造方法は、一
般に布地にゼッケンNo を印刷して作成される。一方、
バーコードは粘着紙に印刷されたものをゼッケンに貼り
付けてホッチキス留めやピン留めする方法が取られてい
る。その為に、ゼッケンの作成においては競技参加者の
数が多くなるに従い、それだけ多くの時間と労力を要
し、他方、印刷でゼッケンNo を一枚一枚作成せねばな
らず多額な費用を要している。
【0005】最近、ゼッケンNo とバーコードNo をレ
ーザープリンターや熱溶融転写プリンター等で印字する
システムが開発され、ゼッケンの作成に要する時間は大
幅に短縮されているが、これまでの布地ではプリンター
で印字されたトナーが取れ易い、プリンターでの通過適
性が悪い、或いはバーコードの印字が不鮮明で読み取り
がしずらい等といった難点を有している。
【0006】ゼッケンNo やバーコードNo の印字の鮮
明さを改良する方法としては、顔料塗被したフィルムが
考えられ、特公昭50−39700号公報に一般印刷用
に使用する顔料塗被フィルムが示されている。しかし、
フィルムは引き裂き強度が弱くゼッケン用には好ましく
ない。
【0007】また、合成パルプと天然パルプの混合抄紙
したものに顔料塗被する、特公昭53−19684号公
報の方法も印字の鮮明さを改良する方法としては良いと
考えられるが、これでも布地の感触はなく、引き裂き強
度が弱くゼッケン用には使用できない。
【0008】さらに、スパンボンド法による不織布(タ
イベック、デュポン社製)等が知られているが、この表
面は粗いため顔料塗被しても印字の鮮明さを満足できる
ように改良することはできなかった。
【0009】上記の如き事情から、レーザープリンター
や熱溶融転写プリンター等に使用できる布地の改質、叉
はこれに替わる上記のプリンター適性を備えた素材の開
発が要望されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明はレーザープリ
ンターや熱溶融転写プリンター等に使用できる適性を備
えた素材を開発し、引裂き強度の強い即ちピン等で留め
るときに破損しないこと、同時に布地の肌ざわり感触が
あること、さらには、上記プリンター等で印字されたト
ナーの耐摩擦性や印字の鮮明性及びプリンター通過適性
等を兼ね備えた、ゼッケン用等の素材として適切なシー
トを提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくともフ
ィルムの表面に顔料と接着剤を主成分とする塗被層を有
し、フィルムと不織布を貼り合せてなるフィルム塗被シ
ートで、(a) フィルムの厚みが30〜80μm、(b) フィル
ム塗被シートの引裂き強さが 100g以上、(c)フィルム
側塗被層面の平滑度が5.5 cmHg 以下であることを特徴
とするフィルム塗被シートである。
【0012】
【作用】本発明は、布地の肌ざわり感触を持つ不織布と
特定の厚みを持つフィルムを貼り合わせて調製された複
合シートで、フィルムの上に特定の平滑性およびプリン
ター適性を持った塗被層を設ける。
【0013】そして、フィルムの上に顔料と接着剤を主
成分とする塗被層を設けた後にフィルムと不織布を貼り
合せるか、あるいはフィルムと不織布を貼りあわせた後
にフィルム上に顔料と接着剤を主成分とする塗被層を設
けることができる。また必要に応じて塗被層を両面に設
けてもよい。
【0014】既述した如く、本発明におけるフィルム塗
被シートに要望される品質特性としては、ピン等の使
用で破損しないこと、ある程度の耐水性を有するこ
と、レーザープリンターや熱転写プリンター等で印字
した場合に優れた印字鮮明性と印字濃度を維持し、且つ
トナーの耐摩擦性を備えていること、プリンター通過
適性を有すること、印字のときに熱が付加されるた
め、ある程度の耐熱性を有すること、及び布地の肌触
り感触性を有するものである。
【0015】先ず、本発明のフィルム塗被シートに使用
されるフィルムとしては、一般にプリンター適性、所謂
機器通過適性や耐熱性を保持する上からはフィルムの厚
みが必要であるが、余りに厚すぎると不織布で付与され
た布地の風合いが失われるおそれがある。従って、フィ
ルムの厚みが30〜80μmであることが重要である。因み
に、30μm未満の場合には機器通過適性や耐熱性に難点
を残すことになり、機器内でのシート詰まりやシートの
波打ちの原因になり易い。他方、80μmを越えると不織
布より付与された布地の風合い布感触が損なわれる。
【0016】本発明のフィルム塗被シートで用いられる
フィルムは、具体的には、例えばポリエステル、ポリプ
ロピレン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、
ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、酢酸セルロース、
ポリエチレン等の熱可塑性樹脂フィルム等が挙げられる
が、これらに限定されるものではない。また、熱可塑性
樹脂フィルムは、透明フィルムに限定されず、酸化チタ
ン、硫酸カルシウム、シリカ、クレー、タルク、酸化亜
鉛等の白色顔料を充填したり、微細な発泡を設けて白色
化した不透明フィルムであっても良い。
【0017】これらの中でも、特に好ましい樹脂フィル
ムはポリエステル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポ
リメチルメタクリレート、ポリカーボネートから選ばれ
る1種又は2種以上の熱可塑性樹脂からなるフィルム
で、耐熱性に優れるため、シートの波打ち〜ぼこつきが
なくレーザープリンターおよび熱溶融転写プリンター等
の適性に優れ、良好なゼッケンに仕上げることができ
る。
【0018】本発明に使用される不織布の目的は、シー
トの引裂き強度、及び布地の感触性を付与する為に使用
するものである。本発明の少なくともフィルムの表面に
顔料と接着剤を主成分とする塗被層を有し、フィルムと
不織布を貼り合せてなるフィルム塗被シートは、フィル
ム塗被シートの引裂き強さが 100g以上であることが重
要な要件である。そして、より好ましくは100 〜1600g
である。
【0019】即ち、引裂き強さが 100g未満では、ゼッ
ケンをピン留めした時に破れ易く、ゼッケンとして実用
できない。一方、1600g を越えるような強度を得るため
にはフィルムの厚さや不織布の目付けを大きくする等の
方法が必要となり、その結果布地の感触が得られ難くな
る。
【0020】本発明のフィルム塗被シートに用いる、よ
り好ましい不織布としては不織布の目付けが15〜60g/
2 からなるものが良く、良好な布地の感触が得られ
る。不織布は種々の製造方法で製造されるが、本発明で
使用する不織布は溶融紡糸スパンボンド法でランダムル
ープ組織に製造された、引き裂き強度を持たせたものが
好ましい。そしてその加工方法としては低曲げ剛度(ソ
フト)性を重視したエンボスカレンダーを適用したもの
が好ましい。
【0021】本発明で用いる不織布は、具体的には、例
えばポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポ
リメチルメタクリレート、酢酸セルロース、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ナイロン等の
熱可塑性樹脂不織布等が挙げられるが、これらに限定さ
れるものではない。
【0022】また、熱可塑性樹脂不織布は、透明不織布
に限られず、酸化チタン、硫酸カルシウム、シリカ、ク
レー、タルク、酸化亜鉛等の白色顔料を充填したり、微
細な発泡を設けて白色化した不透明不織布であっても良
い。また、上記不織布をコアー・シエル的に2種以上の
樹脂を組合せて不織布を作っても良い。さらに、不織布
に接着剤を含浸させたものでも良い。そして、これらの
中でも特に好ましい熱可塑性樹脂不織布は、接着剤を含
まないポリエステルからなる不織布である。このような
不織布を用いると、耐熱性に優れ、低曲げ剛度性に富み
良好なゼッケンに仕上げることができる。
【0023】本発明の塗被層はフィルムと不織布を貼り
合わせたシートの外側面に設ける。フィルム表面に塗被
層を設ける理由は、プリンター印字を行う過程でトナー
の定着性と、一旦定着したトナーに耐摩擦性を付与する
ものである。これにより摩擦や擦れにより印字の消失が
防止される。また、ゼッケン等に利用した場合、雨天の
場合もあり、印字の安定性の為に塗被層の耐水性が要望
されるものである。
【0024】鮮明な印字を得る為には塗被層のトナーの
吸着性と同時に塗被層表面の平滑性が要求される。塗被
層表面の平滑性は印字の鮮明さと関係があり、平滑性が
良い程鮮明さが良い。平滑性の測定としてはスムースタ
ー平滑度が相関が強く、塗被層表面のスムースター平滑
度が 5.5cmHg 以下であることが重要である。そして、
より好ましくは1.0 〜 5.5cmHg である。因みに、5.5
cmHg を越えて平滑性が悪く粗面になると印字の鮮明さ
が損なわれる。また1.0 cmHg 未満の極めて平滑な面に
するためには、塗被層配合や平滑化処理およびフイルム
や不織布の選択等の特別な手段が必要となり、本発明の
目的とするバランスのとれた品質特性を得ることが難し
くなる。
【0025】そして、本発明の顔料と接着剤を主成分と
する塗被組成物に使用される顔料としては、例えば沈降
性炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、焼
成カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、
酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホ
ワイト、珪酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、珪藻
土、珪酸マグネシウム、アルミナ、リトポン酸等の無機
顔料やプラスチックピグメント、マイクロカプセル等の
有機微粒子等が挙げられる。
【0026】接着剤としては、水溶性高分子接着剤であ
る、例えば、酸化澱粉、エーテル化澱粉、エステル化澱
粉、デキストリン樹脂の澱粉類、カルボキシメチルセル
ロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘
導体、カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、ポリビニルアル
コール及びその誘導体。及び熱可塑性樹脂である、例え
ばスチレン・ブタジエン共重合体、メチルメタクリレー
ト・ブタジエン共重合体等の共役ジエン系重合体ラテッ
クス。(メタ)アクリル酸エステルの重合体や共重合体
系のアクリル系重合体ラテックス、塩化ビニル重合体、
酢酸ビニル重合体、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、
エチレン・酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテ
ックス。これらの各種重合体にカルボキシル基等の官能
基を導入した官能基変性重合ラテックス。あるいは合成
樹脂系接着剤である、例えば無水マレイン酸樹脂、ポリ
ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリブチレー
ル・アルキド樹脂、エポキシ樹脂等が使用される。
【0027】これらの接着剤は固形分として、顔料100
重量部に対して8 〜50重量部、好ましくは 10 〜40重量
部が用いられるが、顔料の接着に充分な量であれば比率
は特に限定されるものではない。しかし上記接着剤の
内、耐水性の良くない澱粉類、セルロース誘導体、カゼ
イン、ゼラチン、大豆蛋白、ポリビニルアルコール及び
その誘導体等は、顔料100重量部に対して5重量部以下
の使用に留めた方が好ましい。
【0028】又、これらの接着剤の中でも熱可塑性樹脂
とエポキシ樹脂を併用することで、塗被層の耐水強度、
接着強度に優れた品質を持ち、屋外での使用にも耐え得
る好ましい塗被シートを得ることが出来る。
【0029】なお、本発明で使用されるエポキシ樹脂
は、分子内に2個以上の反応性に富んだエポキシ基を有
する化合物であるが、エピクロルヒドリンのグリシジル
化によって製造される水溶性のエポキシ化合物が好まし
く用いられる。エポキシ樹脂の使用量は固形分として顔
料100 重量部にたいして0.5 〜20重量部である。
【0030】エポキシ樹脂は、具体的にはグリコール、
脂肪族多価アルコールのジ又はポリグリシジルエーテ
ル、ジカルボン酸のジグリシジルエステル、含窒素ヘテ
ロ環を有するエポキシ化合物等が挙げられるが、これら
の具体例としては、例えばエチレングリコールジグリシ
ジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエー
テル、トリエチレングリコールジグリシジルエーテル、
ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル〔n=5,
9,13,23 等〕、プロピレングリコールジグリシジルエー
テル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、
ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル〔n=
3,7,11等〕、グリセロールジグリシジルエーテル、グリ
セロールトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロ
パントリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリ
シジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテ
ル、コハク酸ジグリシジルエステル、アジピン酸ジグリ
シジルエステル、ジグリシジルジメチルヒダントレン、
グリシジルトリメチルアンモニウムクロライド、フルフ
リルグリシジルエーテル、トリメチロールエタントリグ
リシジルエーテル、3−メチルペンタントリオールトリ
グリシジルエーテル、ポリグリセリントリグリシジルエ
ーテル、グリセリンエチレンオキサイドトリグリシジル
エーテル等が挙げられるが、勿論こられの2種以上を併
用してもよい。
【0031】エポキシ樹脂と併用される熱可塑性樹脂の
具体例としては、例えばスチレン・ブタジエン共重合
体、メチルメタクリレート・ブタジエン共重合体等の共
役ジエン系重合体ラテックス。(メタ)アクリル酸エス
テルの重合体や共重合体等のアクリル系重合体ラテック
ス。塩化ビニル重合体、酢酸ビニル重合体、塩化ビニル
・酢酸ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体
等のビニル系重合体ラテックス。およびこれらの各種重
合体にカルボキシル基等の官能基を導入した官能基変性
重合体ラテックスが挙げられる。
【0032】エポキシ樹脂と熱可塑性樹脂の使用量は、
熱可塑性樹脂や併用されるエポキシ樹脂の種類等に応じ
て適宜調節されるが、一般に塗被層を構成する顔料100
重量部に対して8 〜50重量部程度、好ましくは10〜40重
量部程度の範囲で調節される。なお、熱可塑性樹脂とエ
ポキシ樹脂の合計使用量が50重量部を越えるとトナーの
吸着性が低下する恐れがあるため、両者の併用量はこの
点も勘案して決定するのが望ましい。
【0033】塗被層を構成するエポキシ樹脂及び熱可塑
性樹脂の相互作用については明らかではないが、エポキ
シ樹脂のエポキシ基と熱可塑性樹脂の水酸基、カルボキ
シル基、カルボニル基等が塗被層の加熱乾燥時に架橋結
合を生成して優れた耐水強度や接着強度を与えるものと
推定される。
【0034】なお、塗被層を形成する塗液中には、必要
に応じて、例えば分散剤、増粘剤、流動変性剤、帯電防
止剤、耐水化剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、着色剤、発
泡剤等の各種助剤を適宜添加してもよい。
【0035】本発明の塗被層が塗工される塗工機として
は、例えばブレードコーター、エアーナイフコーター、
ロールコーター、ブラッシコーター、カーテンコータ
ー、ダイコーター、バーコーター、グラビアコーター、
スプレーコーター等の通常の塗工機が適宜使用される。
【0036】フィルム表面に設ける塗被層の塗工量は、
一般に 2〜60g/m2 好ましくは 5〜40g/m2 程度の
範囲で調節されるが、塗工量が余りに少な過ぎるとトナ
ーの吸着量が低下し、多過ぎると塗被層が割れる懸念が
ある。なお、必要に応じてフィルムと塗被層との接着性
を高めるための中間層を設けてもよい。又、必要とあれ
ば不織布側にも塗被層を設けてもよい。
【0037】塗被層の乾燥方法としては、たとえば蒸気
加熱、熱風加熱、ガスヒーター加熱、電気ヒーター加
熱、赤外線ヒーター加熱、高周波加熱、レーザー加熱、
電子線加熱等が適宜使用されるが、シートの材質に応じ
て表面温度を調節するのが望ましい。
【0038】かくして、不織布と貼り合わせ、少なくと
もフィルム上に塗被層を形成して得られるフィルム塗被
シートはそのままでも使用できるが、例えばスーパーキ
ャレンダー、グロスキャレンダー等を用いて平滑化処理
を行い、表面の平滑性を高めることはトナーの耐摩擦性
を改良することに役立ち、好ましいフィルム塗被シート
に仕上げることになる。
【0039】なお、フィルム塗被シートの不織布側面に
粘着剤加工を施し、所謂タック加工シートとして仕上げ
ることも可能である。その他、当技術分野で実施されて
いる各種の仕上処理や加工処理を施すことも勿論可能で
あり、例えばシートの不織布面に帯電防止処理や筆記適
性(印刷適性)付与処理等の表面処理を行ってもよく、
シートの任意の位置に紫外線吸収剤、酸化防止剤等の助
剤類を含有させて印字の保存性を改良する等の工夫も可
能である。
【0040】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説
明するが、これらの実施例に限定されるものではない。
なお、特に断わらない限り、実施例中の「部」及び
「%」は、それぞれ「重量部」及び「重量%」を示す。
【0041】実施例1 厚みが50μmの白色発泡ポリエステルフィルム(商品
名;ダイヤホイルW-900E # 50 、ダイヤホイル社製)と
目付けが20g/m2 のポリエステル−ポリエチレン不織
布(商品名;エルベスT0203 WDO 、ユニチカ社製)を
溶融ポリエチレンで貼り合せた。
【0042】塗被液としてカオリン(商品名;UW-90 、
EMC 社製)50部、沈降性炭酸カルシウム(商品名;TP-1
23 CS 、奥多摩工業社製)50部にポリアクリル酸0.3 部
を加え、攪拌機で分散して固形分濃度60%の顔料スラリ
ーを調整し、この顔料スラリーにそれぞれ固形分として
エポキシ樹脂(商品名;デナコール EX 810 、長瀬化成
社製)4部、スチレンブタジエン共重合体系ラテックス
(商品名;T-1242、日本ゼオン社製)21部、帯電防止剤
3部、炭酸ジルコニウムアンモニウム2部を加え、水で
固形分濃度48%となるように塗被液を調節した。
【0043】この塗被液を上記フィルムと不織布を貼り
合せたシートに、不織布面に乾燥重量が30g/m2 とな
るように、そしてフィルム面に乾燥重量が15g/m2
なるように、それぞれ片面づつバーコーターで塗被し、
それぞれ60℃の熱風乾燥機で30秒間乾燥して塗被シート
を作成した。
【0044】この塗被シートをスーパーキャレンダーで
フィルム側の面がチルドロールに接触して仕上げるよう
に平滑化処理を行いフィルム塗被シートを製造した。
【0045】実施例2 厚みが38μmの白色発泡ポリエステルフィルム(商品
名;ダイヤホイルW-900E # 38、ダイヤホイル社製)を
使用した以外は、実施例1と同様にしてフィルム塗被シ
ートを製造した。
【0046】実施例3 厚みが75μmの白色発泡ポリエステルフィルム(商品
名;ダイヤホイルW-900E # 75、ダイヤホイル社製)を
使用した以外は、実施例1と同様にしてフィルム塗被シ
ートを製造した。
【0047】比較例1 厚みが25μmの白色発泡ポリエステルフィルム(商品
名;ダイヤホイルW-900E # 25、ダイヤホイル社製)を
使用した以外は、実施例1と同様にしてフィルム塗被シ
ートを製造した。
【0048】比較例2 厚みが100 μmの白色発泡ポリエステルフィルム(商品
名;ダイヤホイルW-900 E # 100 、ダイヤホイル社製)
を使用した以外は、実施例1と同様にしてフィルム塗被
シートを製造した。
【0049】実施例4 目付けが50g/m2 のポリエステル不織布(商品名;マ
リックス 90503 WSO、ユニチカ社製)を使用した以外
は、実施例1と同様にしてフィルム塗被シートを製造し
た。
【0050】実施例5 厚みが60μmの透明ポリプロピレンフィルム(商品名;
パイレン,東洋紡社製)を使用した以外は、実施例4と
同様にしてフィルム塗被シートを製造した。
【0051】実施例6 厚みが60μmのポリプロピレン合成紙(商品名;ユポ F
PG 60 、王子油化社製)を使用した以外は、実施例4と
同様にしてフィルム塗被シートを製造した。
【0052】実施例7 厚みが50μmの透明ポリスチレンフィルム(商品名;ス
タイロフィルムGM 50μ、旭化成社製)を使用した以外
は、実施例4と同様にしてフィルム塗被シートを製造し
た。
【0053】実施例8 目付けが70g/m2 のポリエステル−ポリエチレン不織
布(商品名;エルベスT 0703 WDO 、ユニチカ社製)を
使用した以外は、実施例1と同様にしてフィルム塗被シ
ートを製造した。
【0054】実施例9 エポキシ樹脂をポリビニールアルコール(商品名;PV
A117、クラレ社製)に変えて使用した以外は、実施
例1と同様にしてフィルム塗被シートを製造した。
【0055】比較例3 塗被液としてカオリン(商品名;UW-90 、EMC 社製)20
部、重質炭酸カルシウム炭酸カルシウム(商品名;ハイ
ドロカーブ 60 、備北粉化社製)80部の顔料スラリーを
使用した以外は、実施例1と同様にして塗被シートを作
成し、スーパーカレンダー処理等の後処理をしないでフ
ィルム塗被シートを製造した。
【0056】かくして得られた12種類のフィルム塗被
シートの特性を下記の如き評価方法で評価し、その結果
を表に示した。
【0057】〔引裂き強さ〕フィルム塗被シートをJIS
P-8116(エルメンドルフ引裂度計)に準じて測定し、MD
又はCDのどちらか弱い方の数値を引裂き強さとした(単
位:g)。数値が大きい程、強い。
【0058】〔平滑度〕フィルム側の塗被層面をスムー
スター平滑度計(東英電子工業社製)で測定した(単
位:cmHg)。値が小さい程、平滑性が良い。
【0059】〔布地感触性〕塗被シートを手でさわり、
軟らかさとしなやかさを手の感触で評価した。 ○…軟らかくしなやかで布地に近い感触。 △…若干ゴワゴワした感じは残るが、実用上は問題な
い。 ×…ゴワゴワした感じがあり、実用上問題がある。
【0060】〔レーザープリンター通過適性〕Canon B-
406Sを使用し、機械の通過適性及びフィルム側の塗被層
面のボコツキを目視で評価した。 ○…通過適性OKでボコツキも見られない。 △…通過適性OK、ボコツキが若干見られるが実用上は
問題ない。 ×…通過適性はOKだが、ボコツキが発生し、実用上問
題がある。
【0061】〔トナーの耐摩擦性〕Canon B-406Sを使用
し、印字後のサンプルを印字前の白紙サンプルと擦り合
わせることによって、白紙サンプルのコスレ汚れの程度
で評価した。 ○…コスレ汚れが見られない。 ×…コスレ汚れが明らかに見られ実用上問題である。
【0062】〔耐水性〕フィルム塗被シートを24時間水
に浸漬した後、指頭法でフィルム塗被層面を10回擦り、
塗被層の脱落状況を評価した。 ○…塗被層の脱落は見られない。 △…塗被層の脱落は若干見られるが実用上は問題ない。
【0063】
【表1】
【0064】
【発明の効果】表の結果から明らかなように、本発明の
フィルム塗被シートは引裂き強さ、平滑度、布地感触
性、通過適性、耐摩擦性、耐水性の全ての評価において
バランスの取れた、優れた品質特性を備えていた。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくともフィルムの表面に顔料と接着剤
    を主成分とする塗被層を有し、フィルムと不織布を貼り
    合せてなるフィルム塗被シートで、(a) フィルムの厚み
    が30〜80μm、(b) フィルム塗被シートの引裂き強さが
    100g以上、(c) フィルム側塗被層面の平滑度が5.5 cm
    Hg 以下であることを特徴とするフィルム塗被シート。
  2. 【請求項2】フィルムがポリエステル、ポリプロピレ
    ン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリカ
    ーボネートから選ばれる1種又は2種以上の熱可塑性樹
    脂からなる請求項1記載のフィルム塗被シート。
  3. 【請求項3】不織布の目付けが15〜60g/m2 からなる
    請求項1記載のフィルム塗被シート。
  4. 【請求項4】接着剤がエポキシ樹脂と熱可塑性樹脂から
    なる請求項1記載のフィルム塗被シート。
  5. 【請求項5】接着剤の量が顔料100重量部に対して8
    〜50重量部である請求項4記載のフィルム塗被シー
    ト。
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