JP2020019184A - 積層フィルム及びそれを用いた印刷媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】可変情報を広範囲にフルカラー印刷でき、且つ耐水擦過性に優れた積層フィルム及び印刷媒体を提供する。【解決手段】本発明の積層フィルムは、画像受容層、基材層及び不織布層をこの順に積層した積層フィルムであって、前記画像受容層が、カチオン系水溶性ポリマーとシランカップリング剤の反応物を含み、且つ実質的に無機粉末を含まず、前記基材層が、可撓性を有する熱可塑性樹脂フィルムであり、前記不織布層が、合成樹脂繊維からなる不織布である。【選択図】図1

Description

本発明は、積層フィルム及び印刷媒体に関する。
従来から市民マラソンや自転車ロードレース等のような千単位から万単位の大人数の競技者が参加するスポーツイベント等が盛んに行われている。このような大規模なスポーツイベント等には、個体を識別することを目的として、ゼッケンが競技者に装着される。
ゼッケンには、個体を識別するための識別番号等を表示する必要がある。識別番号等の可変情報の印刷には、溶融熱転写方式が用いられてきた(例えば、特許文献1参照)。また、大人数の競技者が参加するスポーツイベント等においてはゼッケンが大量に必要とされるため、天然繊維から構成される布等ではなく樹脂フィルムをゼッケンとして用いることにより製造コストの削減及び印刷の高速化が図られてきた。樹脂フィルム製のゼッケンは、耐光性、耐水性及び耐引裂性に優れ、軽量で柔軟性が高いことから、装着性に優れる。
ゼッケンには、個体を識別する機能以外にも、テレビやインターネット中継等の視聴者に対する広告媒体としての機能も求められている。ゼッケンは競技者に装着されるため、ゼッケンに印刷されたスポンサー名やロゴマーク等の広告が競技者と共に長時間に亘り放映されることとなる。スポーツにおける国際大会では、広告の表示領域のサイズが規格化されているものの、このサイズも年々拡大しているため、ゼッケンにおける印刷範囲は拡大傾向にある。従って、この場合、意匠模様を多彩な色で鮮明に、且つ日光及び雨や汗に対する堅牢性の高い印刷物とすることが望ましい。
特開平5−11486号
しかしながら、特許文献1に示す溶融熱転写方式では、多色印刷する場合に絵柄の位置合わせが困難であり、また複数のインクリボンを用いる必要があるため色彩自由度が低く、フルカラー印刷が困難であった。このため、ゼッケンの可変情報は単色印刷されることが多く、フルカラー印刷と比較して広告訴求効果に劣るという課題があった。また、特許文献1に示す溶融熱転写方式では、印刷の幅がインクリボン幅に制限されるため、印刷範囲の拡大に対応するには限界があった。
さらにゼッケンには、屋外で競技が行われても印刷内容を維持できるように、耐水擦過性の更なる向上が求められている。
本発明は、可変情報を広範囲にフルカラー印刷でき、且つ耐水擦過性に優れた積層フィルム及び印刷媒体を提供することを目的とする。
本発明者らが上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、不織布が積層された熱可塑性樹脂フィルムに、カチオン性水溶性ポリマーとシランカップリング剤の反応物を含む画像受容層を設けることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の要旨は、
(1)画像受容層、基材層及び不織布層をこの順に積層した積層フィルムであって、
前記画像受容層が、カチオン性水溶性ポリマーとシランカップリング剤の反応物を含み、且つ実質的に無機粉末を含まず、
前記基材層が、可撓性を有する熱可塑性樹脂フィルムであり、
前記不織布層が、合成樹脂繊維からなる不織布である、
積層フィルムに存する。
(2)前記画像受容層が、更にポリマー型帯電防止剤を含むことが好ましい。
(3)前記基材層が、ポリオレフィン系樹脂及び無機フィラーを含む延伸フィルムであり、前記積層フィルムの不透明度が、50〜100%であることが好ましい。
(4)前記基材層の厚みが、30〜150μmであり、前記不織布層の厚みが、100〜250μmであることが好ましい。
(5)前記不織布層が、ポリエステル繊維を含む不織布であることが好ましい。
(6)前記画像受容層上に更に画像層が設けられることが好ましい。
(7)また、本発明の第二の要旨は、
上記(1)〜(6)の何れか一つに記載の積層フィルムが用いられた、広告媒体としての機能に優れた印刷媒体に存する。
本発明によれば、可変情報を広範囲にフルカラー印刷でき、且つ耐水擦過性に優れた積層フィルム及び印刷媒体を提供することができる。
本発明の一実施の形態の積層フィルムの構造を示す断面図である。
以下、本発明の積層フィルム及び印刷媒体について詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の一実施態様としての一例(代表例)であり、これらの内容に特定されるものではない。
以下の説明において、「(メタ)アクリル」の記載は、アクリルとメタアクリルの両方を示す。
本発明の積層フィルムは、可変情報を広範囲にフルカラー印刷でき、かつ耐水擦過性に優れるため、印刷媒体として好適に用いることができる。
本発明の印刷媒体は、文字、記号、数字、模様等が印刷可能な又は印刷された積層フィルムであり、例えばゼッケン、エプロン、のれん、使い捨て衣料、合成皮革、壁紙、屋外広告ポスター、立て看板、吊るし広告、荷札等を含む。
本発明の印刷媒体は、ゼッケンであることが好ましい。本発明の積層フィルムは、識別番号等の可変情報とともに、スポンサー名等の広告を広範囲でフルカラー印刷できる。このため、本発明の積層フィルムをゼッケンとして用いることにより、個体の識別機能だけでなく、広告媒体としての機能に優れたゼッケンを提供できる。
ゼッケンの形態は、特に限定されるものではなく、例えば着用された状態で人間の胸側に可変情報が位置する前掛け形態、可変情報が付された単なる方形のシート形態、安全ピンや両面テープ等で衣服の胸や背中の部位に止めるナンバープレート形態、サッカー等でビブスと称される肩幅ぐらいの幅で中心に頭を貫通するための孔の空けられた形態、Tシャツの袖を除いた形態等を含む。
(積層フィルム)
本発明の積層フィルムは、画像受容層、基材層及び不織布層がこの順に積層されている。
図1は、本発明の一実施の形態としての積層フィルムの構成例を示す。
図1に示すように、積層フィルム10は、画像受容層1と、基材層2と、不織布層3と、を備えている。本発明の積層フィルムの厚みは、通常130〜400μm、好ましくは160〜300μmであり、可撓性を有するシート状のものである。
本発明の積層フィルムは、不織布層が積層された基材層に、カチオン性水溶性ポリマーとシランカップリング剤(以下、「本発明に係るシランカップリング剤」と言う場合がある。)の反応物である樹脂を含有した画像受容層を設けたことを特徴とする。以下、各層について説明する。
(画像受容層)
本発明に係る画像受容層は、各種インキとの適性が高く、文字や画像等の印刷が可能な層である。画像受容層への印刷に使用可能な印刷方式としては、例えばオフセット印刷、レタープレス印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、紫外線硬化型インクジェット印刷及び電子写真印刷等が挙げられる。本発明に係る画像受容層は、印刷方式が限定されないため、可変情報等を広範囲にフルカラー印刷することが可能となる。特に、液体トナーを用いた湿式電子写真印刷方式を使用した場合でも、液体トナーとの高い密着性、特に耐水密着性を得ることができ、その結果、優れた耐水擦過性が得られる。また、溶融熱転写方式のように高価なインクリボンを必要としないために、印刷媒体の製造コストを低減することができる。
(画像受容層の製造方法)
本発明に係る画像受容層は、熱可塑性樹脂フィルムからなる基材層に、カチオン性水溶性ポリマーとシランカップリング剤を含有し、且つ実質的に無機粉末を含有しない水溶液(以下、「本発明に係る画像受容層形成用塗布液」と言う場合がある。)を塗布した後、乾燥固化させることにより形成することができる。ここで、カチオン性水溶性ポリマーとシランカップリング剤の反応率は100%でなくてもよい。すなわち、本発明に係る画像受容層は、反応物(反応生成物)である樹脂以外に、未反応のカチオン性水溶性ポリマーとシランカップリング剤を含有することがある。本発明に係る画像受容層形成用塗布液は、カチオン性水溶性ポリマー、シランカップリング剤及び水性溶媒を混合した後、撹拌することにより、得ることができる。本発明に係る画像受容層形成用塗布液は、カチオン性水溶性ポリマーの水溶液とシランカップリング剤の水溶液を混合することにより得てもよい。
画像受容層中のカチオン性水溶性ポリマー(未反応成分)、シランカップリング剤(未反応成分)及びカチオン性水溶性ポリマーとシランカップリング剤との反応物は、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF-SIMS:Time-of-Flight Secondary Ion Mass Spectrometry)により確認することができる。
この画像受容層によれば、一般的に他樹脂との密着性が低いホモポリプロピレン等のような熱可塑性樹脂との密着性も十分に得られることから、後述する基材層に使用する熱可塑性樹脂の種類によらず、基材層との密着性を高めることができる。また、本発明に係る画像受容層は、オフセット印刷方式やフレキソ印刷方式等の一般的な印刷方式に使用するインキだけでなく、湿式電子写真印刷方式に使用される液体トナーを使用した場合でも十分に高い密着性、特に耐水密着性を得ることができる。このように、湿式電子写真印刷方式を含めた各種印刷方式に対して印刷適性を有する画像受容層によって、可変情報等を広範囲にフルカラー印刷でき、且つ耐水擦過性に優れた積層フィルムを提供することができる。
(カチオン性水溶性ポリマー)
本発明に係る画像受容層において、カチオン性水溶性ポリマーは、シランカップリング剤との反応物である樹脂として含有される。ただし、上述のように、本発明に係る画像受容層には、未反応のカチオン性水溶性ポリマーが含まれていてもよい。
カチオン性水溶性ポリマーが有する極性基により、画像受容層はインキ又はトナーと化学的な接着(具体的には、イオン結合による接着)及び分散接着(具体的には、ファンデルワールス力による接着)することができ、本発明に係る画像受容層に対するインキ又はトナーの転移性及び密着性が向上し、耐水擦過性が向上すると推定される。
カチオン性水溶性ポリマーの水溶性としては、本発明に係る画像受容層形成用塗布液を調製する際に、カチオン性水溶性ポリマーを含有する水性媒体が溶液状態になる程度の溶解度があればよい。
使用できるカチオン性水溶性ポリマーとしては、例えばアミノ基又はアンモニウム塩構造を有する(メタ)アクリル系ポリマー又はエチレンイミン系重合体、ホスホニウム塩構造を有する水溶性ポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子を変性によりカチオン化したビニル系ポリマー等が挙げられ、これらのうちの1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。なかでも、アミノ基又はアンモニウム塩構造を有する(メタ)アクリル系ポリマー又はエチレンイミン系重合体が、本発明における画像受容層に対するインキ又はトナーの転移性及び密着性の観点から、好ましい。
アミノ基又はアンモニウム塩構造を有する(メタ)アクリル系ポリマー又はエチレンイミン系重合体は、安全性の観点からは、第1級〜第3級のアミノ基又はアンモニウム塩構造を有することが好ましく、第2級〜第3級のアミノ基又はアンモニウム塩構造を有することがより好ましく、第3級のアミノ基又はアンモニウム塩構造を有することがさらに好ましい。なお、アミノ基又はアンモニウム塩構造は、通常、(メタ)アクリル系ポリマーの側鎖に位置するものである。また、シランカップリング剤との反応により架橋度の高い樹脂が得られ、インキやトナーと画像受容層との高い密着性が得られるという観点からは、第1級〜第3級のアミノ基又はアンモニウム塩構造が好ましく、第1級〜第2級のアミノ基又はアンモニウム塩構造がより好ましく、第1級のアミノ基又はアンモニウム塩構造がさらに好ましい。
なかでも、エチレンイミン系重合体は、各種印刷方式で使用されるインキ又はトナー、特にフレキソ印刷方式で使用される紫外線硬化型インキとの親和性が高いことから、画像受容層とインキとの密着性が向上し、耐水擦過性が向上するため、好ましい。
エチレンイミン系重合体としては、ポリエチレンイミン、ポリ(エチレンイミン−尿素)、ポリアミンポリアミドのエチレンイミン付加物、これらのアルキル変性体、シクロアルキル変性体、アリール変性体、アリル変性体、アラルキル変性体、ベンジル変性体、シクロペンチル変性体、環状脂肪族炭化水素変性体、グリシドール変性体、これらの水酸化物等が挙げられる。変性体を得るための変性剤としては、例えば塩化メチル、臭化メチル、塩化n−ブチル、塩化ラウリル、ヨウ化ステアリル、塩化オレイル、塩化シクロヘキシル、塩化ベンジル、塩化アリル、塩化シクロペンチル等が挙げられる。
なかでも、下記一般式(I)で表されるエチレンイミン系重合体が、印刷に用いるインキ又はトナー、特に紫外線硬化型インキの転移性及び密着性の向上の観点から好ましい。
Figure 2020019184
〔上記式(I)中、RとRはそれぞれ独立して水素原子;炭素数1〜12の直鎖又は分岐状のアルキル基;炭素数6〜12の脂環式構造を有するアルキル基又はアリール基を表す。Rは水素原子;ヒドロキシ基を含んでいてもよい炭素数1〜18の範囲のアルキル基又はアリル基;ヒドロキシ基を含んでいてもよい炭素数6〜12の脂環式構造を有するアルキル基又はアリール基を表す。mは2〜6の整数を表し、nは20〜3000の整数を表す。〕
アミノ基又はアンモニウム塩構造を有する(メタ)アクリル系ポリマー又はエチレンイミン系重合体としては、市販品を使用することもできる。
アミノ基又はアンモニウム塩構造を有する(メタ)アクリル系ポリマーの市販品としては、ポリメント(株式会社日本触媒製)等が挙げられる。
また、エチレンイミン系重合体の市販品としては、エポミン(株式会社日本触媒製)、ポリミンSK(BASF社製)等が挙げられる。
アミノ基又はアンモニウム塩構造を有する(メタ)アクリル系ポリマー又はエチレンイミン系重合体は、基材層との密着性及びインキ等との密着性の向上の観点から、重量平均分子量の下限は、10,000であることが好ましく、20,000であることがより好ましい。一方で、同ポリマー又は重合体を水溶液の状態に調製しやすい観点から、重量平均分子量の上限は、1,000,000であることが好ましく、500,000であることがより好ましい。
樹脂の重量平均分子量及び数平均分子量は、GPC(Gel Permeation Chromatography)法により測定した値をポリスチレン換算することによって得ることができる。
なお、本発明に係る画像受容層形成用塗布液には、本発明に係る画像受容層の優れた効果の発現を大幅に損ねない範囲で、カチオン性水溶性ポリマー以外のポリマーが含まれていてもよい。
(シランカップリング剤)
本発明に係る画像受容層において、シランカップリング剤は、カチオン性水溶性ポリマーとの反応物である樹脂として含有される。ただし、上述のように、本発明に係る画像受容層には、未反応のシランカップリング剤が含まれていてもよい。
本発明に係るシランカップリング剤は、熱可塑性樹脂フィルムからなる基材層と画像受容層との密着性を高める機能の発現に寄与していると推定される。
具体的には、シランカップリング剤は、有機材料との反応性が高い官能基を有し、この官能基が基材層の熱可塑性樹脂とカチオン性水溶性ポリマーを架橋反応させて基材層との密着性を高め、基材層と画像受容層の間への水分の浸入を防いでいると推定される。これにより、画像受容層の剥離、ひいては印刷媒体からのインキ又はトナーの剥がれを抑えて耐水擦過性を高めていると推定される。また、シランカップリング剤は、カチオン性水溶性ポリマー同士を架橋反応させて網目構造を形成し、この網目構造がインキ又はトナーの転写性及び密着性を高め、印刷鮮明性を向上させていると推定される。さらに、シランカップリング剤は、カチオン性水溶性ポリマーと架橋反応し、カチオン性水溶性ポリマーの親水性成分(極性樹脂成分)をより高分子量化させることによって、耐水擦過性を向上させていると推定される。
シランカップリング剤としては、カチオン性水溶性ポリマーと反応する基、例えばシラノール基等の各種官能基を有するシランカップリング剤を用いることができる。カチオン性水溶性ポリマーと反応する基とは、カチオン性水溶性ポリマーが有する原子又は原子団と反応して結合を形成する基をいう。反応によって形成される結合は、共有結合、イオン結合、水素結合等のいずれであってもよく、特に限定されない。
シランカップリング剤としては、具体的には、分子内に、アルコキシシリル基又はアルコキシシリル基が加水分解したシラノール基ととともに、エポキシ基、ビニル基、(メタ)アクリル基、アミノ基、ウレイド基、メルカプト基、イソシアネート基等のシラノール基以外の官能基の少なくとも1種と、を有するものを用いることができる。
シランカップリング剤は、シラノール基が基材層の熱可塑性樹脂と反応する一方、シラノール基以外の官能基がアミノ基又はアンモニウム塩構造を有する(メタ)アクリル系ポリマーにおける(メタ)アクリル酸残基、無水マレイン酸残基等や、エチレンイミン系重合体におけるアミノ基等と架橋反応を行うと推定される。
または、シランカップリング剤は、シラノール基がアミノ基又はアンモニウム塩構造を有する(メタ)アクリル系ポリマーにおける(メタ)アクリル酸残基、無水マレイン酸残基等や、エチレンイミン系重合体におけるアミノ基と反応する一方、シラノール基以外の官能基が基材層の熱可塑性樹脂と高い親和性で結びつくことで、架橋反応を行うと推定される。
シランカップリング剤におけるアルコキシシリル基又はこれが加水分解したシラノール基の含有率は、基材層と画像受容層とを強固に密着させ、かつ画像受容層とインキ又はトナーとを強固に密着させる点から、25〜75モル%であることが好ましく、50〜75モル%であることがより好ましい。一方、シランカップリング剤におけるアルコキシシリル基又はこれが加水分解したシラノール基以外の反応性官能基の含有率は、25〜75モル%であることが好ましく、25〜50モル%であることがより好ましい。
使用できるシランカップリング剤の具体例としては、エポキシ系シランカップリング剤、ビニル系シランカップリング剤、(メタ)アクリル系シランカップリング剤、アミノ系シランカップリング剤、ウレイド系シランカップリング剤、メルカプト系シランカップリング剤、イソシアネート系シランカップリング剤等が挙げられる。
エポキシ系シランカップリング剤としては、例えば3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙げられる。なかでも、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが、インキ又はトナーとの密着性の観点から、好ましい。
ビニル系シランカップリング剤としては、例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等が挙げられる。
(メタ)アクリル系シランカップリング剤としては、例えば3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
アミノ系シランカップリング剤としては、例えばN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
ウレイド系シランカップリング剤としては、例えば3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
メルカプト系シランカップリング剤としては、例えば3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
イソシアネート系シランカップリング剤としては、例えば3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
これらのシランカップリング剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
シランカップリング剤の市販品としては、信越化学工業株式会社製のKBM−303、KBM−402、KBM−403、KBE−402、KBE−403、KBM−1003、KBE−1003、KBM−502、KBM−503、KBE−502、KBE−503、KBM−5103、KBM−602、KBM−603、KBM−903、KBE−903、KBE−9103、KBM−573、KBM−575、KBE−585、KBM−802、KBM−803、KBE−9007(いずれも商品名);東レ・ダウコーニング株式会社製のZ−6043、Z−6040、Z−6519、Z−6300、Z−6030、Z−6011、Z−6094、Z−6062(いずれも商品名)等を使用することができる。
なかでも、インキ又はトナーとの密着性の観点からは、エポキシ系シランカップリング剤、アミノ系シランカップリング剤、メルカプト系シランカップリング剤又はイソシアネート系シランカップリング剤が好ましく、エポキシ系シランカップリング剤又はアミノ系シランカップリング剤がより好ましく、エポキシ系シランカップリング剤がさらに好ましい。
エチレンイミン系重合体に含まれる第1級〜第3級アミノ基との架橋反応のし易さの観点からは、エポキシ系シランカップリング剤、ウレイド系シランカップリング剤又はイソシアネート系シランカップリング剤が好ましく、エポキシ系シランカップリング剤がより好ましい。
基材層である熱可塑性樹脂フィルムへの適応性の観点からは、基材層の熱可塑性樹脂としてポリオレフィン系樹脂を用いる場合には、ビニル系シランカップリング剤又は(メタ)アクリル系シランカップリング剤が好ましい。熱可塑性樹脂としてポリエステル系樹脂を用いる場合には、エポキシ系シランカップリング剤又はアミノ系シランカップリング剤を用いることが好ましい。
また、基材層表面に無機微細粉末等の金属酸化物粒子が存在する場合、当該粒子と強固に結合して基材層との密着性を高める観点から、アミノ系シランカップリング剤、ウレイド系シランカップリング剤又はメルカプト系シランカップリング剤を用いることが好ましい。
シランカップリング剤は、アルコキシシリル基の種類によって加水分解速度を制御できることが知られており、この性質を利用して、シランカップリング剤の自己縮合に基づく画像受容層形成用塗布液の劣化を抑制し、経時安定性を高めることができる。水への溶解性が高く、本発明に係る画像受容層形成用塗布液の調製が容易であり、かつ経時安定性が高いという観点からは、シランカップリング剤としてはエポキシ系シランカップリング剤が好ましく、なかでも3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。
本発明に係る画像受容層形成用塗布液において、シランカップリング剤分子内のアルコキシシラン基は、加水分解によりシラノール基に変化しており、シラノール基が表面処理を施した熱可塑性樹脂フィルム上のヒドロキシ基、カルボキシ基等の官能基と水素結合等の化学結合することにより、基材層と画像受容層との密着性が向上すると推定される。また、シラノール基同士が縮合反応することで、画像受容層自体の凝集力も向上し、画像受容層自体の物理的強度も向上すると推定される。
本発明に係る画像受容層形成用塗布液に含まれるカチオン性水溶性ポリマーとシランカップリング剤の量は、カチオン性水溶性ポリマーとシランカップリング剤とのカップリング反応が進む量であればよく、いずれかの未反応成分が少ないことが好ましい。特に、本発明に係る画像受容層がインキ又はトナーとの密着性に優れる点では、未反応シランカップリング剤が少ないことが好ましい。また、本発明に係る画像受容層が耐水擦過性に優れる点では、未反応カチオン性水溶性ポリマーが少ないことが好ましい。これらのことから、本発明に係る画像受容層形成用塗布液は、カチオン性水溶性ポリマー100質量部に対し、シランカップリング剤が15〜35質量部であることが好ましく、15〜30質量部であることがより好ましく、17〜25質量部であることがさらに好ましい。すなわち、本発明に係る画像受容層中のシランカップリング剤成分(未反応分と反応分)の含有量が、当該画像受容層中のカチオン性水溶性ポリマー成分に対して15〜35質量%であることが好ましく、15〜30質量%であることがより好ましく、17〜25質量%であることがさらに好ましい。この範囲内であれば、本発明の積層フィルムを、液体トナーを用いた湿式電子写真印刷方式に用いた場合に、トナーとの密着性が十分であり、耐水擦過性に優れるゼッケンを提供することができる。
なお、一般的にインキやトナー等との印刷適性を高める手法として、無機粉末とバインダー樹脂とを使用して、積層フィルムの表面にピグメントコート層を設ける方法があるが、本発明に係る画像受容層は、カチオン性水溶性ポリマーとシランカップリング剤との反応物によってインキやトナー等との印刷適性が高められており、実質的に無機粉末を必要とせず、含まない。実質的に無機粉末を含まないとは、カチオン性水溶性ポリマーとシランカップリング剤の反応物による効果を阻害しない範囲で、画像受容層は無機粉末を含有してもよいという意味である。例えば画像受容層中の無機粉末の含有量が5質量%以下、好ましくは3質量%以下、より好ましくは1質量%以下、さらに好ましくは0質量%である。
(熱可塑性樹脂粒子)
本発明に係る画像受容層は、上述したように無機粒子は実質的に含まないが、熱可塑性樹脂粒子を含んでもよい。熱可塑性樹脂粒子により表面に凹凸を形成することができ、顔料等を用いたインキとの印刷適性が向上しやすい。熱可塑性樹脂粒子の粒径は、例えば0.3〜20μmであり、通常、オレフィン系共重合体等の熱可塑性樹脂のエマルジョンの粒子を用いることができる。なお、国際公開2014/092142号に開示されているように、画像受容層中にオレフィン系共重合体粒子以外の熱可塑性樹脂粒子、例えばアクリル系共重合体粒子やウレタン系共重合体粒子を含有する場合よりは、オレフィン系共重合体粒子を含有する場合の方が、トナー、特に液体トナーを用いた湿式電子写真印刷方式の液体トナーとの密着性が高まりやすい。
オレフィン系共重合体エマルジョンは、国際公開2014/092142号に開示されるように、水性分散媒にオレフィン系共重合体を微粒子状に分散又は乳化させて得られるエマルジョンである。このエマルジョンには、分散剤として、非イオン性又はカチオン性の界面活性剤、非イオン性又はカチオン性の水溶性ポリマー等が使用されることがある。
エマルジョン中に分散又は乳化させるオレフィン系共重合体としては、乳化性が良好な、カルボキシ基を含む構成単位又はその塩を共重合成分として含有するオレフィン系共重合体が挙げられる。このような共重合体の代表例としては、オレフィン系単量体と、不飽和カルボン酸又はその無水物との共重合体及びその塩が例示できる。具体例としては、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体のアルカリ(土類)金属塩、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体、(メタ)アクリル酸グラフトポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、無水マレイン酸グラフトポリエチレン、無水マレイン酸グラフトエチレン−酢酸ビニル共重合体、無水マレイン酸グラフト(メタ)アクリル酸エステル−エチレン共重合体、無水マレイン酸グラフトポリプロピレン、無水マレイン酸グラフトエチレン−プロピレン共重合体、無水マレイン酸グラフトエチレン−プロピレン−ブテン共重合体、無水マレイン酸グラフトエチレン−ブテン共重合体、無水マレイン酸グラフトプロピレン−ブテン共重合体等が挙げられる。
エマルジョン中のオレフィン系共重合体粒子は、その粒径は特に限定されないが、画像受容層表面が過度に粗面とならない様、通常、体積平均粒径が0.2〜3μm程度の粒子である。体積平均粒径は、レーザー回折型粒度分布測定装置((株)島津製作所製:SALD−2200)を用いて測定される体積平均粒径のことをいう。
画像受容層がオレフィン系共重合体エマルジョンを含有して形成される場合、オレフィン系共重合体を水中に分散させやすくなる傾向があることから、オレフィン系共重合体の固形分100質量部に対して、カチオン性水溶性ポリマーの固形分あたりの質量を1質量部以上にすることが好ましく、3質量部以上にすることがより好ましく、5質量部以上にすることがさらに好ましい。一方、高温高湿環境下においてもインキ密着性の改善効果が得られやすくなる傾向があることから、オレフィン系共重合体の固形分100質量部に対して、カチオン性水溶性ポリマーの固形分あたりの質量を40質量部以下にすることが好ましく、35質量部以下にすることがより好ましく、30質量部以下にすることがさらに好ましい。
画像受容層がオレフィン系共重合体エマルジョンを含有して形成される場合、トナーとの密着性が十分であり、耐水擦過性が高くトナーが脱落しにくい積層フィルムを提供する観点から、オレフィン系共重合体の固形分100質量部に対して、シランカップリング剤が2〜14質量部であることが好ましく、2.5質量部〜12質量部であることがより好ましく、5質量部〜10質量部であることがさらに好ましい。
画像受容層の厚みは、十分な印刷適性を得る観点から、0.1μm以上であることが好ましく、0.25μm以上であることがより好ましく、0.3μm以上であることがさらに好ましい。また、画像受容層の厚みは、製造の際における熱歪等を抑制する観点から、5μm以下であることが好ましく、3μm以下であることがより好ましく、1.5μm以下であることがさらに好ましい。
本発明に係る画像受容層形成用塗布液は、必要に応じて、帯電防止剤、架橋促進剤、アンチブロッキング剤、pH調整剤、消泡剤等のその他の助剤成分を含むことができる。すなわち、本発明に係る画像受容層は、必要に応じて、帯電防止剤、架橋促進剤、アンチブロッキング剤、pH調整剤、消泡剤等のその他の助剤成分を含むことがある。
以下に、その他の助剤成分である、帯電防止剤、架橋促進剤、アンチブロッキング剤、pH調整剤及び消泡剤について説明する。
(帯電防止剤)
本発明に係る画像受容層は、帯電による埃の付着及び印刷時の搬送不良を防いで、印刷媒体としての取扱い性を向上させる観点から、帯電防止剤を含有することが好ましい。
帯電防止剤のなかでも、ブリードアウトによる表面の汚染等を減らす観点から、ポリマー型帯電防止剤が好ましい。
ポリマー型帯電防止剤としては、特に限定されるものではなく、カチオン型、アニオン型、両性型又はノニオン型の帯電防止剤を用いることができ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせることができる。
カチオン型の帯電防止剤としては、アンモニウム塩構造、ホスホニウム塩構造等を有する帯電防止剤を例示できる。アニオン型の帯電防止剤としては、スルホン酸、リン酸、カルボン酸等のアルカリ金属塩(リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等)の構造を有する帯電防止剤を例示できる。アニオン型の帯電防止剤は、分子構造中に、アクリル酸、メタクリル酸、(無水)マレイン酸等のアルカリ金属塩の構造を有する帯電防止剤であってよい。
両性型の帯電防止剤としては、同一分子中に、カチオン型の帯電防止剤及びアニオン型の帯電防止剤の両方の構造を含有する帯電防止剤を例示できる。両性型の帯電防止剤としては、ベタイン型の帯電防止剤が挙げられる。ノニオン型の帯電防止剤としては、アルキレンオキシド構造を有するエチレンオキシド重合体、エチレンオキシド重合成分を分子鎖中に有する重合体等を例示できる。その他の帯電防止剤としては、分子構造中にホウ素を有するポリマー型帯電防止剤が挙げられる。
なかでも、ポリマー型帯電防止剤としては、カチオン型の帯電防止剤が好ましく、窒素含有ポリマー型帯電防止剤がより好ましく、アンモニウム塩構造を有する帯電防止剤がさらに好ましく、3級又は4級アンモニウム塩構造を有するアクリル系樹脂が特に好ましく、4級アンモニウム塩構造を有するアクリル系樹脂が最も好ましい。
ポリマー型帯電防止剤としては、三菱化学株式会社製のサフトマーST−1000、ST−1100、ST−3200(商品名)等の市販品を使用することができる。
ポリマー型帯電防止剤としては、シランカップリング剤と反応する化合物を使用してもよいし、反応しない化合物を使用してもよい。ただし、帯電防止性能の発現しやすさの観点からは、シランカップリング剤と反応しない化合物が好ましい。
本発明に係る画像受容層形成用塗布液に含まれる帯電防止剤の量は、帯電防止の観点からは、カチオン性水溶性ポリマー100質量部に対して、0.01質量部以上にすることが好ましく、1質量部以上にすることがより好ましく、2質量部以上にすることがさらに好ましい。また、本発明に係る画像受容層の耐水擦過性の観点からは、本発明に係る画像受容層形成用塗布液に含まれる帯電防止剤の量は、カチオン性水溶性ポリマー100質量部に対して、45質量部以下にすることが好ましく、40質量部以下にすることがより好ましく、35質量部以下にすることがさらに好ましい。
(架橋促進剤)
架橋促進剤としては、例えばリン酸、硫酸、クエン酸、コハク酸等が挙げられる。
(アンチブロッキング剤)
アンチブロッキング剤としては、例えばシリカ、軽質炭酸カルシウム、アクリル酸アルキルエステル共重合物等のアクリルポリマービーズ等が挙げられる。
(基材層)
本発明に係る基材層は、可撓性を有する熱可塑性樹脂フィルムである。基材層として熱可塑性樹脂フィルムを用いることにより、積層フィルム又は積層フィルムを用いた印刷媒体に、コシ等の機械的強度、耐水性、耐薬品性、必要に応じて不透明性等を付与することができる。また、可撓性を有する熱可塑性樹脂フィルムは、ゼッケン等として装着したときの動きやすさを付与することができる。
(熱可塑性樹脂)
熱可塑性樹脂フィルムに用いられる熱可塑性樹脂としては特に限定されず、例えばポリプロピレン系樹脂、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、直鎖線状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体の金属塩(アイオノマー)、エチレン−アクリル酸アルキルエステル共重合体、エチレン−メタクリル酸アルキルエステル共重合体(アルキル基の炭素数は1〜8であることが好ましい)、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、エチレン−環状オレフィン共重合体等のポリオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンサクシネート、ポリ乳酸等のポリエステル系樹脂;ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−6,10、ナイロン−6,12等のポリアミド系樹脂;シンジオタクティックポリスチレン、アタクティックポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体等のポリスチレン系樹脂;ポリ塩化ビニル樹脂及びポリカーボネート等が挙げられる。これらの樹脂は2種以上混合して用いることもできる。
なかでも、耐水性が高く、上述した画像受容層を形成しやすいことから、熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂又はポリエステル系樹脂が好ましく、特にポリオレフィン系樹脂が好ましい。また、ポリオレフィン系樹脂としてはポリプロピレン系樹脂が好ましく、ポリエステル系樹脂としてはポリエチレンテレフタレートが好ましい。
ポリプロピレン系樹脂としては、例えばプロピレンを単独重合させたアイソタクティックホモポリプロピレン、シンジオタクティックホモポリプロピレンの他、プロピレンを主体とし、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン等を共重合させた様々な立体規則性を有するポリプロピレン系共重合体等が挙げられる。ポリプロピレン系共重合体は、2元系でも3元系以上の多元系でもよく、またランダム共重合体でもブロック共重合体でもよい。
(フィラー)
熱可塑性樹脂フィルムは、基材層の剛度、白色度及び不透明度の調整のため、フィラーを含むことができる。フィラーとしては、無機フィラー及び有機フィラーが挙げられ、これらを単独で又は組み合わせて使用することができる。フィラーを含む熱可塑性樹脂フィルムを延伸した場合、フィラーを核とした微細な空孔を熱可塑性樹脂フィルム内部に多数形成することができ、白色化、不透明化及び軽量化を図ることができる。
無機フィラーとしては、例えば重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、焼成クレイ、タルク、珪藻土、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、これらを脂肪酸、高分子界面活性剤、帯電防止剤等で表面処理した無機粒子等が挙げられる。なかでも、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、焼成クレイ又はタルクが、空孔の成形性が良く、安価なために好ましい。白色度、不透明度を向上させる観点からは、酸化チタン、酸化亜鉛又は硫酸バリウムが好ましい。
有機フィラーとしては特に限定されないが、熱可塑性樹脂とは非相溶であり、融点又はガラス転移温度が熱可塑性樹脂よりも高く、熱可塑性樹脂の溶融混練条件下で微分散する有機粒子が好ましい。例えば、熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂である場合、有機フィラーとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエチレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィド、ポリイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリメチルメタクリレート、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、環状オレフィンの単独重合体、環状オレフィンとエチレンとの共重合体等の有機粒子が挙げられる。また、メラミン樹脂のような熱硬化性樹脂の微粉末を用いてもよく、熱可塑性樹脂を架橋して不熔化することも好ましい。
なお、樹脂の融点(℃)及びガラス転移温度(℃)は、示差走査熱量測定(DSC:Differential Scanning Calorimetry)により測定できる。
無機フィラー及び有機フィラーは、上記のなかから1種を選択して単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。2種以上を組合せる場合は無機フィラーと有機フィラーの組合せであってもよい。
無機フィラーの平均粒子径及び有機フィラーの平均分散粒子径は、熱可塑性樹脂との混合の容易さの観点からは、大きいことが好ましい。また、無機フィラーの平均粒子径及び有機フィラーの平均分散粒子径は、延伸により内部に空孔を発生させて不透明性や印刷性を向上させる場合に、延伸時のシート切れや表面層の強度低下等のトラブルを発生させにくくする観点からは、小さいことが好ましい。具体的には、無機フィラーの平均粒子径及び有機フィラーの平均分散粒子径は、好ましくは0.01μm以上であり、より好ましくは0.1μm以上であり、さらに好ましくは0.5μm以上である。また、無機フィラーの平均粒子径及び有機フィラーの平均分散粒子径は、好ましくは30μm以下であり、より好ましくは20μm以下であり、さらに好ましくは15μm以下である。
無機フィラーの平均粒子径は、粒子計測装置、例えばレーザー回折式粒子計測装置(マイクロトラック、株式会社日機装製)により測定した累積で50%にあたる粒子径(累積50%粒径)により測定することができる。また、有機フィラーの平均分散粒子径は、熱可塑性樹脂フィルムの切断面を電子顕微鏡で観察し、粒子の少なくとも10個の最大径を測定したときの平均値を、溶融混練と分散により熱可塑性樹脂中に分散したときの平均分散粒子径として求めることができる。
熱可塑性樹脂フィルム中のフィラーの含有量は、熱可塑性樹脂フィルムの不透明度等を付与しやすいことから、1質量%以上が好ましく、より好ましくは3質量%以上であり、さらに好ましくは5質量%以上である。
熱可塑性樹脂フィルムに剛度を与えて積層フィルムの取扱い性を向上させる観点からは、熱可塑性樹脂フィルム中のフィラーの含有量は、70質量%以下が好ましく、より好ましくは60質量%以下であり、さらに好ましくは50質量%以下である。
(任意成分)
本発明において、熱可塑性樹脂フィルムには、必要に応じて公知の添加剤を任意に含むことができる。添加剤としては、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、結晶核剤、可塑剤、フィラーの分散剤、脂肪酸アミド等のスリップ剤、アンチブロッキング剤、染料、顔料、離型剤、難燃剤等の公知の助剤が挙げられる。特に、屋外で用いられるゼッケンのように耐久性が求められる場合には酸化防止剤、光安定剤等を含むことが好ましい。
酸化防止剤としては、立体障害フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤等が挙げられる。
光安定剤としては、立体障害アミン系光安定剤、ベンゾトリアゾール系光安定剤、ベンゾフェノン系光安定剤等が挙げられる。
酸化防止剤及び光安定剤の含有量は、基材層の質量に対して、0.001〜1質量%の範囲内で使用することが好ましい。また、含有量は、画像受容層と後述する不織布層との密着性を阻害しない範囲で調整すればよい。
熱可塑性樹脂としてポリオレフィン系樹脂を使用する場合は、結晶核剤を含有することによって基材層の柔軟性を高くすることができる。
結晶核剤としては、ソルビトール系核剤、リン酸エステル金属塩系核剤、アミド系核剤、芳香族金属塩核剤、タルク等が挙げられる。
結晶核剤の含有量は、基材層の質量に対して0.01〜1質量%が好ましく、0.05〜0.5質量%がより好ましく、0.1〜0.3質量%がさらに好ましい。
熱可塑性樹脂としてポリエステル系樹脂を使用する場合は、柔軟性を高める目的から可塑剤を用いて可塑化させることもできる。可塑剤としては、フタル酸エステル、アジピン酸エステル等のカルボン酸エステル;トリアセチン等が挙げられる。
基材層は、単層構造であってもよいが、多層構造であることが好ましく、各層に特有の性質を付与した多層構造がさらに好ましい。例えば熱可塑性樹脂フィルムを表層/基層/表層の3層構造とし、基層にてゼッケンに好適な剛度、不透明性、軽量性等を付与することができる。このとき、2つの表層は同質であっても異質であってもよい。例えば一方の表層を本発明における画像受容層に適した層とし、他方の表層は不織布層の接着に適した層とすることで、ゼッケンとして好適な積層フィルムを得ることができる。また、一方の表層と他方の表層の組成や厚み等を適宜設計することで、基材層のカールを防いだり、ゼッケンとしたときのカールをも特定範囲内に制御することが可能となる。また、表層より内側にベタ印刷層又は顔料含有層を隠蔽層として備えることにより、一方の面から見たときに他方の面の印刷が透けることがなく、両面印刷時の視認性も向上させることもでき、ゼッケンに好適な積層フィルムを得ることができる。
基材層の厚みは、ゼッケンとしての使用に十分な機械的強度が得られやすいことから、30μm以上であることが好ましく、50μm以上であることがより好ましい。また、軽量性の観点からは、150μm以下であることが好ましく、100μm以下であることがより好ましい。よって、基材層の厚みは、30〜150μmが好ましく、50〜150μmがより好ましい。
(基材層の製造方法)
基材層である熱可塑性樹脂フィルムは、通常、上述の熱可塑性樹脂と熱可塑性樹脂フィルムに含まれる他の成分を混合した後、成形することにより得ることができる。基材層である熱可塑性樹脂フィルムの成形方法は特に限定されず、公知の種々の成形方法を用いて製造することができる。
熱可塑性樹脂フィルムは、例えばスクリュー型押出機に接続された単層又は多層のTダイ、Iダイ等により溶融樹脂をシート状に押し出すキャスト成形、カレンダー成形、圧延成形、インフレーション成形等を用いて、フィルム状に成形することができる。熱可塑性樹脂と有機溶媒又はオイルとの混合物を、キャスト成形又はカレンダー成形した後、溶媒又はオイルを除去することにより、熱可塑性樹脂フィルムを成形してもよい。
熱可塑性樹脂フィルムを多層構造にする場合の成形方法としては、例えばフィードブロック、マルチマニホールドを使用した多層ダイス方式、複数のダイスを使用する押出しラミネーション方式等が挙げられ、各方法を組み合わせることもできる。
熱可塑性樹脂フィルムは、無延伸フィルムであってもよいが、不透明性を高めて可変情報の視認性を向上させる観点からは延伸フィルムであることが好ましい。本発明に係る熱可塑性樹脂フィルムは、無機フィラーを加えて延伸することによって多孔質フィルムとしたものが好ましい。熱可塑性樹脂フィルムとして多孔質フィルムを用いることにより、不透明性が高く、柔軟であり、機械的強度に優れた基材層を得ることができる。
延伸方法としては、例えばロール群の周速差を利用した縦延伸法、テンターオーブンを利用した横延伸法、これらを組み合わせた逐次二軸延伸法、圧延法、テンターオーブンとパンタグラフの組み合わせによる同時二軸延伸法、テンターオーブンとリニアモーターの組み合わせによる同時二軸延伸法等が挙げられる。また、スクリュー型押出機に接続された円形ダイを使用して溶融樹脂をチューブ状に押し出し成形した後、これに空気を吹き込む同時二軸延伸(インフレーション成形)法等も使用できる。
熱可塑性樹脂フィルムが多層構造である場合は、少なくともそのうちの一層が延伸されていることが好ましい。複数層を延伸する場合は、各層を積層する前に個別に延伸しておいてもよいし、積層した後にまとめて延伸してもよい。また、延伸した層を積層後に再び延伸してもよい。
延伸を実施するときの延伸温度は、基材層に使用する熱可塑性樹脂が、非結晶性樹脂の場合は当該熱可塑性樹脂のガラス転移点温度以上の範囲であることが好ましい。また、熱可塑性樹脂が結晶性樹脂の場合の延伸温度は、当該熱可塑性樹脂の非結晶部分のガラス転移点以上であって、かつ当該熱可塑性樹脂の結晶部分の融点以下の範囲内であることが好ましく、具体的には熱可塑性樹脂の融点よりも2〜60℃低い温度が好ましい。
熱可塑性樹脂フィルムの延伸速度は、特に限定されるものではないが、安定した延伸成形の観点から、20〜350m/分の範囲内であることが好ましい。
また、熱可塑性樹脂フィルムを延伸する場合の延伸倍率についても、使用する熱可塑性樹脂の特性等を考慮して適宜決定することができる。例えば熱可塑性樹脂フィルムを一方向に延伸する場合、その延伸倍率は、通常、下限が約1.2倍、好ましくは2倍であり、上限が12倍、好ましくは10倍である。一方、二軸延伸する場合の延伸倍率は、面積延伸倍率で通常、下限が1.5倍、好ましくは10倍であり、上限が60倍、好ましくは50倍である。
(空孔率)
本発明において熱可塑性樹脂フィルムは、上述のように熱可塑性樹脂に無機フィラーを配合し、これをシート状に製膜し、これを延伸することにより多孔質フィルムを得て、これを基材層とすることが好ましい。多孔質フィルム中の空孔の割合を表す空孔率は、不透明性を得る観点から、10%以上であることが好ましく、12%以上であることがより好ましく、15%以上であることがさらに好ましく、20%以上であることが特に好ましい。機械的強度を維持する観点からは、空孔率は、65%以下であることが好ましく、55%以下であることがより好ましく、45%以下であることがさらに好ましく、40%以下であることが特に好ましい。
空孔率の測定方法は、電子顕微鏡で観察した基材層の断面の一定領域において、空孔が占める面積率より求めることができる。具体的には、基材層の任意の一部を切り取り、エポキシ樹脂で包埋して固化させた後、ミクロトームを用いて基材層の面方向に垂直に切断し、その切断面が観察面となるように観察試料台に貼り付ける。観察面に金又は金−パラジウム等を蒸着し、電子顕微鏡にて観察しやすい任意の倍率(例えば、500倍〜3000倍の拡大倍率)において空孔を観察し、観察した領域を画像データとして取り込む。得られた画像データに対して画像解析装置にて画像処理を行い、空孔部分の面積率(%)を求めて、空孔率(%)とすることができる。この場合、任意の10箇所以上の観察における測定値を平均して、空孔率とすることができる。
(表面処理)
熱可塑性樹脂フィルムは、画像受容層との密着性を高める観点から、表面処理が施されて表面が活性化していることが好ましい。
表面処理としては、コロナ放電処理、フレーム処理、プラズマ処理、グロー放電処理、オゾン処理等が挙げられ、これら処理は組み合わせることができる。なかでも、コロナ放電処理又はフレーム処理が好ましく、コロナ処理がより好ましい。
コロナ放電処理を実施する場合の放電量は、好ましくは600J/m(10W・分/m)以上であり、より好ましくは1,200J/m(20W・分/m)以上である。また、放電量は、好ましくは12,000J/m(200W・分/m)以下であり、より好ましくは10,800J/m(180W・分/m)以下である。フレーム処理を実施する場合の放電量は、好ましくは8,000J/m以上であり、より好ましくは20,000J/m以上である。また、放電量は、好ましくは200,000J/m以下であり、より好ましくは100,000J/m以下である。
(不織布層)
本発明に係る不織布層は、耐引裂性、軽量性、柔軟性、装着性等の付与を目的として用いられる。不織布層としては、公知の種々の不織布を用いることができ、例えばポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ビニロン繊維、アラミド繊維、ポリウレタン繊維等の合成樹脂繊維から形成された不織布が挙げられる。なかでも、柔軟性に優れる観点から、ポリエステル繊維から形成された不織布を用いるのが好ましい。
不織布層の厚みは、耐引裂性の観点からは、100μm以上であることが好ましく、110μm以上であることがより好ましい。また、軽量性及び柔軟性の観点からは、不織布層の厚みは、250μm以下であることが好ましく、200μm以下であることがより好ましい。よって、不織布層の厚みは、100〜250μmが好ましく、110〜200μmがより好ましい。また、基材層の厚みに対する不織布層の厚みの比率は、1.1以上であることが好ましく、1.2以上であることがより好ましく、1.3以上であることがさらに好ましい。また、基材層の厚みに対する不織布層の厚みの比率は、8以下であることが好ましく、5以下であることがより好ましく、3以下であることがさらに好ましい。よって、基材層の厚みに対する不織布層の厚みの比率は、1.1〜8であることが好ましく、1.2〜5であることがより好ましく、1.3〜3であることがさらに好ましい。可撓性の得られる全体厚みの範囲内で、不織布層の厚みの割合が大きければ、より引き裂きづらい積層フィルムが得られる。
不織布層の目付量は、使用する材料にも依るが、通常は12〜80g/mである。目付量が12g/m以上であれば、高い耐引裂性が得られやすく、目付量が80g/m以下であれば、コストを抑えることができるとともに、軽量性及び柔軟性に優れるゼッケンが得られやすい。
(不織布層の製造方法)
不織布層は、不織布を基材層の画像受容層と反対側の面に積層することで形成することができる。不織布の形成方法としては特に限定されず、公知の種々の形成方法を用いて形成することができる。例えばケミカルボンド法、ファイバーボンド法、メルトブロー法、スパンボンド法、フラッシュ紡糸法等の公知の形成方法を採用することができる。なかでも、耐引裂性に優れるゼッケンが得られやすいため、スパンボンド法が好ましい。
例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル等の熱可塑性樹脂の開繊した短繊維(繊維太さ0.2〜15デニール、繊維長1〜20mm)を水中に分散させ、これを紙料として抄紙機を用いて抄紙した後、ロール、プレスで加熱加圧することにより、不織布を得ることができる。この抄造の際、水分散液中にパルプ状粒子を10〜90質量%の割合で配合させてもよい。パルプ状粒子の原料としては、芳香族ポリアミド、芳香族ポリエステル等が挙げられる。また、ポリビニルアルコール繊維状バインダーやポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂粉末を短繊維結合剤として5〜30質量%配合してもよい。更に、顔料、可塑剤、粘着調整剤、分散剤等を配合してもよい。
また、上記で得られた不織布に熱可塑性樹脂の粉末を散布するか、又は熱可塑性樹脂シートを積層し、次いでこれを加熱加圧一体化して不織布を製造してもよい。粉末、シートの素材となる熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン−アクリルニトリル共重合体、ポリアミド、共重合ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリメチルメタアクリレート、ポリスルフォン、ポリフェニレンオキサイド、ポリエステル、共重合ポリエステル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエステルケトン、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリエーテルエステル、ポリエーテルアミド及びポリエステルアミド等が挙げられ、これらは2種以上を混合して用いることができる。
基材層と不織布層との積層方法としては特に限定されず、公知の種々の積層方法を用いることができる。例えばドライラミネーション法、押出ラミネーション、ウエットラミネーション法等が挙げられる。なかでも接着剤の種類や塗布量の選択で耐光性等の特徴を付加することができるドライラミネーション法を用いることが好ましい。ドライラミネーション法における接着剤としては、例えばビニル系、アクリル系、エポキシ系、ゴム系、ウレタン系、ポリエステル系接着剤等を用いることができる。塗工法としては、例えばグラビアコーター、デイップコーター、キスロールコーター、スクイズロールコーター、リバースロールコーター、エアナイフコーター等を用いることができる。
(画像層)
本発明の積層フィルムは、上記の各種印刷によって、画像受容層上に設けられた画像層を備えることができる。画像層は、インキ又はトナーからなる層である。
(積層フィルムの不透明度)
本発明の積層フィルムは、印刷内容の鮮明性を高める観点から、不透明度が50〜100%であることが好ましい。積層フィルムの不透明度は、基材層の空孔率等により調整することができる。
積層フィルムの不透明度は、JIS P8149:2000(紙及び板紙−不透明度試験方法(紙の裏当て)−拡散照明法)に準拠する方法により確認することができる。
上記のようにして得られる積層フィルムは、可変情報を広範囲にフルカラー印刷でき、かつ耐水擦過性に優れるため、印刷媒体として好適に用いることができる。
以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の「部」、「%」等の記載は、断りのない限り、質量基準の記載を意味する。
(基材層)
プロピレン単独重合体(商品名:ノバテックPP FY−4、MFR(JIS K2710:1999):5.0g/10分、日本ポリプロ社製)75質量%、高密度ポリエチレン(商品名:ノバテックHD HJ580N、MFR(JIS K6922−2):12g/10分、融点(JIS K7121):134℃、日本ポリエチレン社製)10質量%、及び炭酸カルシウム(備北粉化工業社製、商品名:ソフトン2200、平均粒径1.0μm(測定方法:空気透過法))15質量%よりなる樹脂組成物(a)を調製した。
この樹脂組成物(a)を押出機を用いて260℃で溶融混練し、ダイより押し出してフィルム成形した。50℃までフィルムを冷却した後、140℃に再度加熱し、ロール群の周速差を利用して縦方向に5倍延伸して、基層となる一軸延伸フィルムを得た。
一方、プロピレン−エチレン−ブテンランダム共重合体(日本ポリプロ社製、商品名:ノバテックPP FW4B)55質量%、炭酸カルシウム(備北粉化工業社製、商品名:ソフトン 2200、平均粒径1.0μm(測定方法:空気透過法))42質量%、及び二酸化チタン(商品名:タイペーク CR−60、平均粒子径0.21μm、石原産業社製)3質量%よりなる樹脂組成物(b)を調製した。
上記の樹脂組成物(a)及び樹脂組成物(b)をそれぞれ別の押出機を用いて250℃で溶融混練して、それぞれダイより押し出してフィルム成形し、上記一軸延伸フィルムの一方の面上に樹脂組成物(b)を、もう一方の面上に樹脂組成物(a)を積層して、表面層/基層/裏面層の3層構造の積層フィルム(b/a/a)を得た。
得られた積層フィルムをテンターオーブンに導き155℃に加熱した後、テンターを用いて横方向に8倍延伸した。次いで、164℃で熱セット(アニーリング)し、55℃まで冷却した後、耳部をスリットし、厚み80μm、不透明度90%の熱可塑性樹脂フィルムを得て、これを基材層とした。
(不織布層)
ポリエチレンテレフタレート樹脂製のスパンボンド不織布(商品名:マリックス 90153WSO、ユニチカ社製、厚み120μm、目付量17g/m2)を、不織布層とした。
(画像受容層)
下記のカチオン性水溶性ポリマー(A)、シランカップリング剤(B)、ポリマー型帯電防止剤(C)、及び架橋促進剤(D)を用いて、画像受容層となる被膜形成用塗布液を調製し、これを基材層上に塗布し、乾燥固化して、画像受容層とした。
(カチオン性水溶性ポリマー(A1))
還流冷却器、窒素導入管、撹拌機、温度計、滴下ロート及び加熱用のジャケットを装備した、内容積が150Lの反応器内に、溶媒としてイソプロパノール(商品名:トクソーIPA、トクヤマ社製)40kgを導入した。
これを撹拌しながら、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート(商品名:メタクリレートDMA、三洋化成工業社製)12.6kg、ブチルメタクリレート(商品名:アクリエステルB、三菱ケミカル社製)12.6kg、及び高級アルコールメタクリル酸エステル(商品名:アクリエステルSL、ラウリルメタクリレートとトリデシルメタクリレートの混合物、三菱ケミカル社製)2.8kgを順に系内に導入した。
次いで系内の窒素置換を行い、系内の温度を80℃まで上昇させた後、重合開始剤として2,2′−アゾビスイソブチロニトリル(商品名:V−60(AIBN)、和光純薬工業社製)0.3kgを添加し、重合を開始した。
系内温度を80℃に保ち、撹拌しながら4時間重合反応を行い、得られた共重合体を、氷酢酸(和光純薬工業社製)4.3kgを用いて中和した。
次いで反応器内にイオン交換水48.3kgを添加しながらイソプロパノールを留去して、第3級アミノ基を含有するメタクリル系共重合体からなるカチオン性ポリマー(重量平均分子量40,000)の粘調な水溶液(カチオン性樹脂の固形分濃度が35質量%)を得た。得られた水溶液をカチオン性水溶性ポリマー(A1)として用いた。
(カチオン性水溶性ポリマー(A2))
還流冷却器、窒素導入管、撹拌機、及び温度計を備えた四つ口フラスコに、ポリエチレンイミン(商品名:エポミン P−1000、日本触媒社製、重合度1600)の25質量%水溶液100質量部、n−ブチルクロライド10質量部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル10質量部を加えて、窒素気流下で攪拌し、80℃の温度で20時間変性反応を行った。
次いで反応器内にイオン交換水を添加し、ブチル変性ポリエチレンイミンからなるカチオン性ポリマーの粘調な水溶液(カチオン性樹脂の固形分濃度が20質量%)を得た。得られた水溶液をカチオン性水溶性ポリマー(A2)として用いた。
(カチオン性水溶性ポリマー(A1)を含むオレフィン系共重合体エマルジョン)
二軸押出機(機器名:TEX30HSS、日本製鋼所社製)を使用して、原料樹脂の溶融混練と乳化を以下の手順で行い、カチオン性水溶性ポリマー(A1)を含むオレフィン系共重合体エマルジョンを調製した。
具体的には、オレフィン系共重合体としてペレット状のエチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体(商品名:ニュクレルN035C、三井・デュポン・ポリケミカル社製)を、ホッパーから押出機に供給し、スクリュー回転数230rpm、シリンダー温度160〜250℃の条件で、溶融混練した。
次いで、上記カチオン性水溶性ポリマー(A1)を、押出機のシリンダー中間部の注入口から、オレフィン系共重合体100質量部に対してカチオン性水溶性ポリマー(A1)5質量部となるように連続的に供給し、オレフィン系共重合体の乳化・分散処理を行った。その後、押出機出口から押し出して、乳白色の水性分散液を得た。
この水性分散液にイオン交換水を加えて、カチオン性水溶性ポリマー(A1)とオレフィン系共重合体の合計濃度が45質量%となるように調整し、オレフィン系共重合体エマルジョンを得た。
エマルジョン中のオレフィン系共重合体粒子の体積平均粒径をレーザー回析型粒度分布測定装置(機器名:SALD−2000、島津製作所社製)で測定したところ、1.0μmであった。
(シランカップリング剤(B))
市販のシランカップリング剤である3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(商品名:KBM−403、信越化学工業社製)を、シランカップリング剤(B)として用いた。
(ポリマー型帯電防止剤(C))
撹拌装置、還流冷却器、温度計及び窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコ内に、ジメチルアミノエチルメタクリレート35質量部、エチルメタアクリレート20質量部、シクロヘキシルメタアクリレート20質量部、ステアリルメタアクリレート25質量部、エチルアルコール150質量部と、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル1質量部を添加した。系内を窒素置換後、窒素気流下、80℃の温度で6時間重合反応を行った。
次いで、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルアンモニウムクロリドの60質量%エチルアルコール溶液70質量部を加え、さらに温度80℃で15時間反応させた。
次いで反応器内にイオン交換水を滴下しながらエチルアルコールを留去し、第4級アンモニウム塩基を含有するメタクリル系共重合体からなる固形分濃度が30質量%の樹脂水溶液を得て、これをポリマー型帯電防止剤(C)として用いた。
(架橋促進剤(D))
市販のリン酸(和光純薬工業社製)を架橋促進剤(D)として用いた。
(実施例1)
何れも固形分換算として、上記カチオン性水溶性ポリマー(A1)100質量部に対し、カチオン性水溶性ポリマー(A2)50質量部、シランカップリング剤(B)30質量部、ポリマー型帯電防止剤(C)25質量部、及び架橋促進剤(D)2質量部を混合した水溶液を調製し、被膜形成用塗布液として用いた。
上記基材層の両面に、30W・分/mの条件でコロナ放電処理を施した。
次いで、上記基材層の表面層(樹脂組成物(b))側の処理面上に、上記被膜形成用塗布液を乾燥後の総固形分が0.03g/mとなるようにロールコーターを用いて塗布し、これを60℃のオーブン中で塗布膜を乾燥して画像受容層を形成し、画像受容層/基材層の積層構造からなる積層フィルムを得た。
次いで、上記基材層の裏面層(樹脂組成物(a))側の処理面上に、接着剤(商品名:TM−329と商品名:CAT−18Bの等量混合物、東洋モートン社製)を乾燥後の固形分量が2.5g/mとなる様に塗工し、60℃のオーブン中で乾燥した後に、上記不織布層と圧着し、画像受容層/基材層/不織布層の厚み202μmの積層フィルムを得て、これを実施例1の積層フィルムとした。この積層フィルムの不透明度は98%であった。なお、積層フィルムの不透明度は、JIS P8149:2000(紙及び板紙−不透明度試験方法(紙の裏当て)−拡散照明法)に準拠し、測定背面に、黒色および白色標準板を当て、光の反射率の比(黒色板/白色板)を百分率で示した値として求めた。
(実施例2)
実施例1において、被膜形成用塗布液を、何れも固形分換算として、上記のカチオン性水溶性ポリマー(A1)を含むオレフィン系共重合体エマルジョン100質量部(カチオン性水溶性ポリマー(A1)としては4.8質量部)に対し、カチオン性水溶性ポリマー(A2)4質量部、シランカップリング剤(B)5質量部、ポリマー型帯電防止剤(C)5質量部、及び架橋促進剤(D)2質量部を混合した水溶液を調製し、被膜形成用塗布液として用い、画像受容層の乾燥後の総固形分が0.1g/mとなるようにした以外は、実施例1と同様にして、実施例2の積層フィルムを得た。
(比較例1)
実施例1において、被膜形成用塗布液を、何れも固形分換算として、上記のシランカップリング剤(B)30質量部、ポリマー型帯電防止剤(C)25質量部、及び架橋促進剤(D)2質量部を混合した水溶液を調製して用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例1の積層フィルムを得た。
(比較例2)
実施例1において、被膜形成用塗布液を、何れも固形分換算として、上記のカチオン性水溶性ポリマー(A1)100質量部、カチオン性水溶性ポリマー(A2)50質量部、ポリマー型帯電防止剤(C)25質量部、及び架橋促進剤(D)2質量部を混合した水溶液を調製して用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例2の積層フィルムを得た。
Figure 2020019184
(評価)
上記実施例及び比較例で得た各積層フィルムの画像受容層上に、液体トナーを用いた湿式電子写真印刷機(機器名:Indigo7800、日本ヒューレット・パッカード社製)を用いて、下記のように印刷を行い、得られた印刷媒体からトナーの転移性、トナーの密着性、及びトナーの耐水擦過性について、下記のように評価を行った。
(トナーの転移性)
上記実施例及び比較例で得た各積層フィルムを温度23℃、相対湿度50%の環境下で3時間調湿した後、同環境下で、上記印刷機を用いて、積層フィルムの画像受容層上に濃度が100%の墨ベタの画像、濃度が30%の墨ベタの画像及びフルカラーの花の画像をそれぞれ印刷した。
上記印刷機には、複数色の液体トナー(商品名:HP ElectroInk Light Cyan Q4045A、HP ElectroInk Light Magenta Q4046A、HP ElectroInk Digital Matt 4.0,3 Cartridges Q4037A、HP ElectroInk Digital Matt 4.0,9 Cartridges Q4038A、日本ヒューレット・パッカード社製)を搭載した。
印刷後の画像受容層上の3種の画像の状態をルーペで拡大して目視で観察し、トナーの転移性を次のようにして評価した。
○:画像が鮮明であり、トナーの転移性が良好
×:画像にかすれが生じており、トナーの転移性が低い
(トナーの密着性)
印刷から2分経過後、100%墨ベタ画像の印刷面上に、セロハンテープ(商品名:セロテープ(登録商標) CT−18、ニチバン社製)の粘着面を貼り付け、指で3回擦って十分に密着させた。密着させたセロハンテープを180度方向に約300m/minの速度で手剥離した後、画像解析装置(型式名:LUZEX−AP、ニレコ社製)を用いて、テープ剥離した印刷面上のトナーの残存率を算出した。具体的には、印刷面を撮影して得られた画像に2値化処理を実施し、トナーが印刷面を占める面積の割合を、残存率として算出した。算出した液体トナーの残存率から、以下の基準でトナーの密着性をランク評価した。Cランク以上を合格とし、Dランク以下を不合格とした。
A:トナーの残存率が95%以上
B:トナーの残存率が90%以上95%未満
C:トナーの残存率が70%以上90%未満
D:トナーの残存率が20%以上70%未満
E:トナーの残存率が20%未満
(トナーの耐水擦過性)
印刷から1日以上経過後、積層フィルムを70mm×110mmのサイズに断裁し、学振形染色摩擦堅ろう度試験機(機器名:摩擦試験機II形、スガ試験器社製)に取り付けた。JIS L0849:2004(摩擦に対する染色堅ろう度試験方法)に準拠し、印刷面を水に湿らせた白綿布(金巾3号)にて荷重200gで100回擦る摩擦試験を行った。摩擦試験後のトナーの残存率からトナーの耐水密着性を、上記のトナーの密着性と同様に評価した。
下記表2に、評価結果をまとめて示す。
Figure 2020019184
表2から明らかなように、実施例1及び2の積層フィルムは、液体トナーを用いた湿式電子写真印刷方式により印刷を行った場合でも、トナーの転移性、トナーの密着性及びトナーの耐水擦過性のいずれにおいても良好な結果が確認された。特に実施例1の積層フィルムは、耐水擦過性に優れるために屋外で使用されるゼッケンの用途に好適である。
一方、比較例1の積層フィルムは、印刷後の画像にかすれが確認され、トナーの転移性に劣るものであった。また比較例1の積層フィルムは、トナーの転移性及びトナーの密着性には優れるものの、水の介在下でのトナーの擦過性に劣る。したがって、ゼッケンのように屋外で使用する場合には、印刷が剥がれる可能性があり、実用性が低い。
10 積層フィルム
1 画像受容層
2 基材層
3 不織布層
本発明の積層フィルムは、フルカラー印刷及び広範囲の印刷が可能であり、かつ耐水擦過性に優れるため、ゼッケン、エプロン、のれん、使い捨て衣料、合成皮革、壁紙、屋外広告ポスター、立て看板、吊るし広告、荷札等の印刷媒体に広く利用することができる。特に、可変情報を広告とともに大量印刷することが多いゼッケンに好適に利用することができる。

Claims (7)

  1. 画像受容層、基材層及び不織布層をこの順に積層した積層フィルムであって、
    前記画像受容層が、カチオン性水溶性ポリマーとシランカップリング剤の反応物を含み、且つ実質的に無機粉末を含まず、
    前記基材層が、可撓性を有する熱可塑性樹脂フィルムであり、
    前記不織布層が、合成樹脂繊維からなる不織布である、
    積層フィルム。
  2. 前記画像受容層が、更にポリマー型帯電防止剤を含む、
    請求項1に記載の積層フィルム。
  3. 前記基材層が、ポリオレフィン系樹脂及び無機フィラーを含む延伸フィルムであり、
    前記積層フィルムの不透明度が、50〜100%である、
    請求項1又は2に記載の積層フィルム。
  4. 前記基材層の厚みが、30〜150μmであり、
    前記不織布層の厚みが、100〜250μmである、
    請求項1〜3の何れか一項に記載の積層フィルム。
  5. 前記不織布層が、ポリエステル繊維を含む不織布である、
    請求項1〜4の何れか一項に記載の積層フィルム。
  6. 前記画像受容層上に更に画像層が設けられた、
    請求項1〜5の何れか一項に記載の積層フィルム。
  7. 請求項1〜6の何れか一項に記載の積層フィルムが用いられた、
    広告媒体としての機能に優れた印刷媒体。
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