JPH0511371U - 高周波用同軸コネクタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】フランジ無し同軸コネクタを用いた高周波要素
部品の接続から同軸コネクタを用いない接続方法へ容易
に変更できるようにする。 【構成】 高周波要素部品を収納するためのケースに基
板を挿入して保持する機能を有する溝と、整合調整用ネ
ジ及び挿入した基板を固定するネジを設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、フランジなしの高周波用同軸コネクタに関するもので、同軸コネク タを用いた高周波要素部品間の接続状態から、同軸コネクタを用いずに接続する 方法へ容易に変更できる、高周波用同軸コネクタに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来のフランジなしの高周波用同軸コネクタは図４に示す。１はオス型コネク タのシールド部分と接続するための外部導体、２はオス型コネクタの内部導体と 接続するための内部導体、１８は内部導体を保持するスペーサ、３は特性インピ −ダンス５０Ωに調整されたガラス・ビーズ（ガラス・ビーズの中心部には中心 導体１１を有し、その周囲にシールド用導体１９を有する）、４はコネクタを取 り付ける高周波要素部品を収納するためのケース、５はケース４に外部導体１を 取り付けるための取り付け穴で内部にネジ山を設けて外部導体１をねじこんで保 持する。６はガラス・ビーズ３のシールド用導体１９をケース４にハンダで固定 するためのハンダ導入穴である。 図４のフランジなしの高周波用同軸コネクタはケースに取り付ける場合、フラ ンジがないだけ小さくなるので高周波要素部品の小型化が可能である。しかしそ の反面、ガラス・ビーズ３が取り付け穴５の内部の奥に位置するため、外部導体 １及び内部導体２の代わりに基板（アルミナセラミック基板等）上に形成した導 体（導体の形成形式としては、図５の（ａ）マイクロストリップライン（ＭＳ） 、（ｂ）コプレーナウェーブガイド（ＣＰＷ）、（ｃ）グランデッドコプレーナ ウェーブガイド（ＣＰＷＧ）等）を用いて高周波要素部品間を接続する場合、ガ ラス・ビーズ３を表面に露出するようにケース４及び取り付け穴５の形状を変更 する必要があった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

一般に高周波要素部品は、各要素部品の組替えを頻繁に行う実験時や要素部品 単体の特性調整時では、各要素部品間を同軸コネクタを用いて接続するのが便利 である。

【０００４】 しかし、製品等のように各要素部品の組替えを頻繁に行う必要のない場合は、 同軸コネクタを用いずに、基板上に形成した導体を用いて高周波要素部品間を接 続する方が低価格化、小型化の面から有利である。ところが、従来のフランジな しの高周波用同軸コネクタは、同軸コネクタ接続から同軸コネクタを用いない接 続方法に変更するのが困難で、かつ設計変更をしなければならないという問題点 を有していた。

【０００５】 従って本考案の目的は、フランジ無しの高周波同軸コネクタに関する考案で、 同軸コネクタを用いた高周波要素部品の接続から同軸コネクタを用いない接続方 法へ容易に変更できるようにするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

このような目的を達成するために、本考案では、 高周波要素部品を収納するためのケースに基板を挿入して保持する機能を有す る溝と、整合調整用ネジ及び挿入した基板を固定するネジを設ける。

【０００７】

【作用】

各高周波要素部品を収納するためのケースに基板を挿入し、その基板の導体部 （線路部）と各々のガラス・ビーズの中心導体をハンダ付けすることによって同 軸コネクタを用いない接続ができる。また基板は各々の収納ケースの固定ネジに よって固定される。

【０００８】

【実施例】

以下本考案を図面を用いて詳細に説明する。図１は本考案に係る高周波用同軸 コネクタの第１の実施例を示す構成図で、（ａ）は斜視図、（ｂ）は（ａ）のＡ −Ａ’断面図、（ｃ）は（ａ）のＢ−Ｂ’断面図である。図１（ａ）において１ ００は本考案の実施例である高周波用同軸コネクタ、１０１及び１０２はコネク タ１００とそれぞれ接続するメス型コネクタ及び基板である。コネクタ１００の 取りつけ穴にメス型コネクタ１０１を接続、あるいはコネクタ１００の溝に基板 １０２を挿入して使用する。 １はオス型コネクタのシールド部分と接続するための外部導体、２はオス型コ ネクタの内部導体と接続するための内部導体、３は特性インピ−ダンス５０Ωに 調整されその中心部には中心導体を有し、その周囲にシールド用導体を有するガ ラス・ビーズ、１１はガラス・ビーズ３の中心導体、１９はガラス・ビーズ３の シールド用導体、４はコネクタを取り付ける高周波要素部品を収納するためのケ ース、５はケース４に外部導体１を取り付けるための取り付け穴で内側にネジ山 を設けて外部導体１をねじこんで保持する。６はガラス・ビーズ３のシールド用 導体１９をケース４にハンダで固定するためのハンダ導入穴である。７は同軸コ ネクタの代わりに高周波要素部品間を接続するための導体を表面に形成した基板 、８は７を挿入して保持する機能を有する溝、９は溝８に挿入した基板７を固定 するためのネジ、１２は基板７上に形成されたマイクロストリップラインの線路 部である。１０は以下に示す３つの機能を有するネジである。 外部導体１及び内部導体２によって同軸コネクタとして使用する場合は、オ ス型コネクタ着脱時の外部導体１の回転止め機能。 基板７を挿入する場合は、ネジ穴によりガラス・ビーズ３の中心導体１１と 基板７の線路をハンダ付けする時の器具、例えばハンダゴテ等の導入口の機 能。 基板７とガラス・ビーズ３の中心導体１１を固定した場合、固定後のハンダ の盛り上がり等によって不整合が生じると損失が増加するが、その際ネジ １０を回してその出し入れにより中心導体１１と金属外壁の間の容量を変え 特性インピーダンスを調整する整合用の徴調整ネジの機能。 溝８は取り付け穴５と同じ深さであり、基板固定ネジ９及び整合調整ネジ１０は それぞれ溝８もしくは取り付け穴５まで貫通している。また、溝８の幅Ｗ（図１ （ｂ））はフランジ付き同軸コネクタのフランジの幅より十分小さくすることが 可能である。

【０００９】 図２は図１で示した収納ケース４にマイクロストリップライン（ＭＳ）が形成 された基板７を挿入した時の状態を示している。１３は基板７の裏面に形成され たマイクロストリップラインの接地部である。中心導体１１は線路部１２とハン ダ付け等によって、接地部１３は収納ケース４と固定ネジ９によって電気的に接 続される。また、接地部１３と収納ケース４との電気的接続を向上させるために １４の部分に半円柱状の金属片を挿入したり、ハンダ、導電性接着材などを充填 することができる。

【００１０】 図３は上記の高周波用同軸コネクタを用いて２つの高周波要素部品を接続した 状態を示す説明図である。１５及び１６は高周波要素部品、３はガラス・ビーズ 、４ａ、４ｂは高周波要素部品収納ケース、７は基板（マイクロストリップライ ン（ＭＳ））、１７はメス型コネクタである。高周波要素部品１５及び１６は基 板７によって接続されており、基板７の周囲は収納ケース４によって遮蔽されて いるので電磁波の漏れを防ぐ機能を有する。ここで高周波要素部品１６は、コネ クタ接続をするためにメス型コネクタを使用している例である。

【００１１】 なお、上記の実装例において基板７の上にはＭＭＩＣ(Monolithic Microwave IC）やハイブリッドＩＣ等超小型の回路を実装することもできる。 一方、従来のように同軸コネクタ接続をする場合には図１の外部導体１及び内 部導体２をねじ込むことによって容易に実現できる。 また、図１に示した構造の他に、加工の効率や挿入する基板によって図６から 図９に示す構造もある。 図６（ａ）、（ｂ）は溝８の加工を容易にするため溝８を高周波要素部品の実 装空間まで貫通させた第２の実施例を示すＡ−Ａ’断面図、Ｂ−Ｂ’断面図であ る。 図７は溝８の加工を容易にするため高周波要素部品の実装部Ａ、ガラス・ビー ズ固定部Ｂ、コネクタ部Ｃの３部品に分割した第３の実施例を示す断面図である 。 図８は溝８を溝方向に延長させて突き抜けさせた第４の実施例を示す、それぞ れＡ−Ａ’断面図及びＢ−Ｂ’断面図である。 図９はコプレーナウェーブガイド（ＣＰＷ）を実装する場合の第５の実施例を 示す。コプレーナウェーブガイド（ＣＰＷ）は接地部が線路部と同一面にあるた め基板固定ネジ９の位置が図１または図２の場合と逆になる。

【００１２】

【考案の効果】

以上説明したことから明らかなように、本考案によれば次のような効果がある 。フランジ無しの高周波同軸コネクタにおいて、基板を溝に挿入したときに、そ の基板の線路部が高周波用同軸コネクタのガラス・ビーズの中心導体の直下にガ ラス・ビーズを横切る位置関係になるように形成した溝を設けることによって、 同軸コネクタを用いた高周波要素部品の接続から同軸コネクタを用いない接続方 法へ容易に変更できる。このことにより実験、単体要素部品の調整などから製品 化の移行の際の効率を向上させることができ、また、製品化の際には同軸コネク タを使用せずに接続できるので低価格化、小型化が可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る高周波同軸コネクタの第１の実施
例を示す図である。

【図２】図１の高周波同軸コネクタに対する基板の挿入
状態を説明するための図である。

【図３】２つの高周波要素部品間接続の具体例を示す図
である。

【図４】従来のフランジ無しの同軸コネクタの実装方法
を示す図である。

【図５】各種基板の導体形成状態を示す図である。

【図６】高周波同軸コネクタの第２の実施例の構造を示
す断面図である。

【図７】高周波同軸コネクタの第３の実施例の構造を示
す断面図である。

【図８】高周波同軸コネクタの第４の実施例の構造を示
す断面図である。

【図９】高周波同軸コネクタの第５の実施例の構造を示
す断面図である。

【符号の説明】

１ 外部導体 ２ 内部導体 ３ ガラス・ビーズ ４ 収納ケース ５ 取り付け穴 ６ ハンダ導入穴 ７ 基板 ８ 溝 ９ 基板固定用ネジ １０ 整合調整機能等を有するネジ １１ ガラス・ビーズの中心導体 １２ 基板の線路部 １３ 基板の接地部 １４ ハンダ等を充填する部分 １５、１６ 高周波要素部品 １７ メス型コネクタ １８ 内部導体保持用スペーサ １９ ガラス・ビーズのシールド用導体

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】基板を挿入したときに、前記基板の線路部
   がガラス・ビーズの中心導体の直下を横切る位置関係に
   なるようにケース上に形成した溝と、 この溝と垂直方向で前記ガラス・ビーズの中心導体の真
   上に前記ケースを貫通するネジを設けたことを特徴とす
   る非フランジ形高周波用同軸コネクタ。