JPH05113047A - 自動車の横移送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 移動装置以外に付属物を設けず、狭い場所へ
の車庫入れ操作も簡単で製作コストも安価な自動車の横
移送装置を提供すること。 【構成】 上面の前・後にスライド可能に固定するスト
ッパ４を設け更に連結板で連結された一対の天板１と、
前記天板の下面に装着された少なくとも４組のロ−ラ装
置であって、この内の少なくとも２組をモ−タプ−リと
アイドラロ−ラとこれらに巻装されたゴムベルトとより
成る駆動装置５とした前記ロ−ラ装置と、前記駆動装置
のモ−タプ−リの回転数を検出するセンサ６と該センサ
からの信号により前記モ−タプ−リの回転数を補正制御
する駆動制御装置７と、より成る自動車の横移送装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、自動車を例えば家の
庭或いは玄関近くの車庫用スペ−ス等に道路上からその
まま横方向に移動させて車庫入れすることの出来る自動
車の横移送装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】最近、地価は高騰する一方で自動車も年
々大型化する傾向にあり、逆に車庫スペ−スは益々狭く
なっている。その為門柱や階段を削ったり、隣家の庭の
一部を借りたりしなければならないケ−スも増えてい
る。また、自動車の保有者で自宅の庭や玄関横に車庫を
有する人は道路からこれらの車庫に入れたり、出したり
することが多いが、道路と平行した所にこれらの車庫用
スペ−スを有している場合、道路と家の周囲とのスペ−
スの関係で車庫入れに手間取ることも多い。特に道路の
幅が狭かったり、庭や玄関横のスペ−スが狭かったりす
ると車庫入れの運転操作は煩雑となる。そこでこれらの
問題を解決し車庫入れ操作を簡単にするための装置が幾
つか提案されている。例えば、特開昭６３−２６５０７
８号では、自動車の全車輪を載置するための一対のレ−
ルを設け、該レ−ルに傾斜するステップを回動自在に設
けると共に前記台車を横方向に移動可能な車輪を設け、
また前記レ−ルを横方向に引っ張る移動装置を設けた横
移動する車庫装置、が提案されている。或いは、実開昭
６４−５２８６１号では、偏平な台車本体に車輪を載置
すると共に該車輪により駆動される車輪載置用ロ−ラ
と、該車輪載置用ロ−ラを駆動するすることにより歯車
駆動機構を介して前記車輪載置用ロ−ラと直交する一対
の横移送用ロ−ラとを、それぞれ軸支してなる自動車の
横移送装置が提案されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記するように自動車
を横方向に移送する装置は種々提案されているが、移送
装置の他に台車等を引っ張る移動装置を設けるのはコス
ト高ともなる。また、台車に小径のキャスタ等を取り付
けたものではキャスタ自体が容量不足となりがちで、横
方向へ真っ直ぐ移動させるのは中々困難である。更に、
庭や道路との間は必ずしも平面とは限らず傾斜面となっ
ている場合もあり、自動車の横移送装置を用いるのは難
しい。この発明はかかる課題に鑑みてなさたものであり
その目的とする所は、移動装置以外に付属物を設けず、
狭い場所への車庫入れ操作も簡単で製作コストも安価な
自動車の横移送装置を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】即ち、この発明は上記す
る課題を解決するために、自動車の横移送装置が、上面
の前・後にスライド可能に固定するストッパを設け更に
連結板で連結された一対の天板と、前記天板の下面に装
着された少なくとも４組のロ−ラ装置であって、この内
の少なくとも２組をモ−タプ−リとアイドラロ−ラとこ
れらに巻装されたゴムベルトとより成る駆動装置とした
前記ロ−ラ装置と、前記駆動装置のモ−タプ−リの回転
数を検出するセンサと該センサからの信号により前記モ
−タプ−リの回転数を補正制御する駆動制御装置と、よ
り成ることを特徴とする。

【０００５】

【作用】この発明にかかる自動車の横移送装置を上記手
段とした場合の作用について添付図の符号により説明す
る。先ず、道路に平行にある自宅の庭や玄関横の車庫の
前の道路にこの移送装置を置く。そしてステップ板２、
２から天板１、１の上に自動車を載置する。そして電源
スイッチを入れ、自動車の横移送装置の作動スイッチを
入れる。而して、スイッチＯＮにより例えば各４個のモ
−タプ−リ５１が一斉に回転し、天板１等が横移動を開
始する。駆動制御装置７は４個のモ−タプ−リ５１の各
回転センサ６のパルス信号を取込む。４個のモ−タプ−
リ５１の内１個のモ−タプ−リ５１を基準としてこの基
準モ−タプ−リ５１のパルス信号と多の３個のモ−タプ
−リ５１の各パルス信号とを比較する。駆動制御装置７
により基準モ−タプ−リ５１のパルス信号より多いパル
ス信号を発しているモ−タプ−リ５１は回転数を落とし
基準モ−タプ−リ５１の回転数と同じになるよう補正制
御し、基準モ−タプ−リ５１のパルス信号より少ないパ
ルス信号を発しているモ−タプ−リ５１は回転数を上げ
基準モ−タプ−リ５１の回転数と同じになるように補正
制御する。こうして横移動装置全体は同一のモ−タプ−
リ回転で真っ直ぐ移動させることが出来るが、この場合
モ−タプ−リ５１やアイドラロ−ラ５２及びゴムキャタ
ピラ５３等に天板１や自動車等の全ての重量がかかって
移動する。

【０００６】

【実施例】以下、この発明の具体的実施例について図面
を参照して説明する。図１はこの発明にかかる自動車の
横移送装置の全体斜視図である。１は一対の頑丈な天板
であって連結板３、３により連結されるが、天板１の幅
Ｗはある程度広くとり自動車の車種によりある程度車幅
（車輪間隔）が異なっても載置可能なようにしてある。
また、前記天板１の上面には前、後に車輪のストッパ
４、４が固定されるが、車種により車輪間隔が異なるの
で天板上でスライド可能に固定出来るようにする。この
ストッパ４、４をスライド可能に固定する方法は種々考
えられるが、例えば図２、図３のように天板１に長溝１
ａを形成してこの長溝１ａにストッパ４、４の底部に溶
接にて固定したボルト４ａ、４ａを挿通し、ストッパ
４、４の適宜位置にてボルト４ａ、４ａを天板１を介し
てナット４ｂ、４ｂで締付け固定するのも一つの方法で
ある。該ストッパ４、４は三角アングル等の山形鋼で製
作する。前記天板１の両端部には斜面状のステップ板４
がそれぞれ取付けられているが、該ステップ板２の底面
部は地面より僅かに浮き上がるように取り付けるのが路
面が傾斜したり石等の突起物が出ている場合もあるので
好ましい。但し、このステップ板２は天板１の両端部を
曲げて形成しても良いし、別個に製作したものを置くよ
うにしても良い。前記両方の天板１の下側にはそれぞれ
２組のロ−ラ装置Ｒが装着され実施例ではこの４組のロ
−ラ装置Ｒは駆動装置とされている。尚、必要により一
方の天板１側の２組のロ−ラ装置Ｒを駆動装置とし、他
方の天板１側の２組のロ−ラ装置Ｒを単なる従動輪とし
てのロ−ラとしてもよく、その組合せは任意である。

【０００７】次に、前記駆動装置５の詳細について説明
する。図４はこの駆動装置の側面図、図５は図２のＡ−
Ａ矢視断面図の下部分でありモ−タプ−リ５１部分を示
す図である。図６は図２のＡ−Ａ矢視断面図の上部分で
ありピロ−ブロック５５部分を示す図である。即ち、前
記駆動装置５は、モ−タプ−リ５１とアイドラロ−ラ５
２とを両側のフレ−ム５４に軸５８、５９により回動自
在に架設して取付け、これらモ−タプ−リ５１とアイド
ラロ−ラ５２とにゴムベルト５３を巻装してキャタピラ
状としてある。そして前記両側のフレ−ム５４の上には
ピロ−ブロック５５を載置しシャフト５６を架設してあ
る。また、モ−タプ−リ５１とアイドラロ−ラ５２との
間隔はボルト６０により軸５８、５９をスライドさせて
ゴムベルト５３のテンションを調節可能にする。尚、該
シャフト５６は天板１に固定したＬ形材（金属製が好ま
しい）５７に通して固定してある。こうして４組の駆動
装置５には天板１、１や自動車の全重量がかかることに
なる。

【０００８】前記駆動装置５を構成するモ−タプ−リ５
１は、図３からも判るように、モ−タ軸５１ａの両端部
が軸受５１ｂで支持されて固定され図示しない固定子や
減速ギヤ等を介して地面に接する側のフレ−ム５１ｃ自
身が減速回転し、負荷と連結される構造のモ−タであ
る。従って前記モ−タプ−リ５１のフレ−ム５１ｃが回
転してゴムベルト５３やアイドラロ−ラ５２と共に回転
し、前記天板１、１や載置された自動車を横移動させる
ことになる。

【０００９】前記天板１、１に装着された４個の駆動装
置５は横移動する際等速度で移動しなければやがては斜
め方向に移動し障害物に衝突する危険性がある。そこで
常に横方向へ正確に移動するような工夫をしなければな
らない。図７は前記天板１及び自動車（図示せず）等全
体を真っ直ぐに横移動させる回路の構成を示す図であ
る。即ち、各モ−タプ−リ５１、５１等には回転センサ
６、６が装着され常に各モ−タプ−リ５１の回転数（パ
ルス信号）を検出するようにしてある。これら回転セン
サ６は駆動制御装置７に連結されている。またこの横移
動装置を作動させるモ−タプ−リ用スイッチ８と電源バ
ッテリ−９は該駆動制御装置７に接続されている。

【００１０】この発明にかかる自動車の横移送装置の構
成は以上のようであるが、次にこの装置の作動につい
て、図７に示す回路図でこの発明にかかる自動車の横移
動装置を作動させる場合のフロ−チャ−ト図である図８
により横移動装置を作動させる場合の操作を説明する。
先ず、道路に平行にある自宅の庭や玄関横の車庫の前の
道路にこの移送装置を置く。そしてステップ板２、２か
ら天板１、１の上に自動車を載置する。 電源バッテリ−９からの電源を取り入れるためスイッ
チをＯＮとする。 自動車の横移動装置作動用のスイッチ８をＯＮ或いは
ＯＦＦとする。このスイッチを入れＯＮとすると４個の
モ−タプ−リ５１が一斉に回転する。ＯＦＦとすると各
モ−タプ−リ５１は停止状態となる。 スイッチ８ＯＮにより各４個のモ−タプ−リ５１が一
斉に回転し、天板１、１が横移動を開始する。 駆動制御装置７は４個のモ−タプ−リ５１の各回転セ
ンサ６のパルス信号を取込む。 駆動制御装置７は４個のモ−タプ−リ５１の内１個の
モ−タプ−リを基準としてこの基準モ−タプ−リ５１の
パルス信号と多の３個のモ−タプ−リ５１の各パルス信
号とを比較する。 駆動制御装置７は基準モ−タプ−リ５１のパルス信号
より多いパルス信号を発しているモ−タプ−リ５１は回
転数を落とし基準モ−タプ−リ５１の回転数と同じにな
るよう補正制御し、基準モ−タプ−リ５１のパルス信号
より少ないパルス信号を発しているモ−タプ−リ５１は
回転数を上げ基準モ−タプ−リ５１の回転数と同じにな
るように補正制御する。こうして横移動装置全体は同一
のモ−タプ−リ回転で真っ直ぐ移動させることが出来る
が、この場合モ−タプ−リ５１やアイドラロ−ラ５２及
びゴムキャタピラ５３等に天板１、１や自動車等の全て
の重量がかかって移動する。

【００１１】この発明の一実施例の詳細は以上のようで
あるが、種々の変形例も可能である。例えば、前記モ−
タプ−リ５１はフレ−ム５１ｃ自体を回転させたが、モ
−タプ−リ５１の代わりに通常のモ−タを使用し駆動軸
から取り出した回転トルクをギヤやスプロケットで取出
し多くの車輪を戦車やブルド−ザのように多数の軸に車
輪を取付けて駆動するようにしても良い。また、前記駆
動制御装置７としてはは演算処理装置（ＣＰＵ）を用い
るがＣＰＵでなく電気回路により同じ作動をさせること
も可能である。更に天板１は網目状のものや一枚板のも
のでも良い。上記駆動装置５は少なくとも４組設けるが
６組或いは８組等増やしても良い。

【００１２】

【発明の効果】この発明にかかる自動車の横移送装置は
以上詳述したような構成としたので、前後は勿論、奥や
横にスペ−スのない狭い場所でも車庫入れを簡単に行う
ことが出来る。また、この発明にかかる自動車の横移送
装置は操作が極めて簡単で天板に自動車を載せ後はスイ
ッチだけで操作することが出来るので誰でも車庫入れを
行うことが出来る。更に地面が斜面状になっていても横
移動させることが出来るし、しかも製作コストも安いと
いう従来にない極めて優れた特有の効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明にかかる自動車の横移送装置の全体斜
視図である。

【図２】この発明にかかる自動車の横移送装置を構成す
る天板の上の車輪のストッパ部分の一実施例の斜視図で
ある。

【図３】図２のＡ−Ａ矢視断面図である。

【図４】この発明にかかる自動車の横移送装置に用いら
れる駆動装置の側面図である。

【図５】図４のＢ−Ｂ矢視断面図の下部分であって駆動
装置のモ−タプ−リ部分を示す図である。

【図６】図４のＢ−Ｂ矢視断面図の上部分であって駆動
装置のピロ−ブロック部分を示す図である。

【図７】この発明にかかる自動車の横移送装置全体を真
っ直ぐに横移動させる回路の構成を示す図である。

【図８】図７に示す回路図でこの発明にかかる自動車の
横移動装置を作動させる場合のフロ−チャ−ト図であ
る。

【符号の説明】

１ 天板 ２ ステップ板
３ 連結板 ４ ストッパ ５ 駆動装置
６ 回転センサ ７ 駆動制御装置 ５１ モ−タプ−リ ５２ アイドラロ−ラ ５３ ゴムベルト Ｒ─ロ−ラ装置

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 乙井 幹雄 大阪市中央区南船場三丁目５番８号 光洋 精工株式会社内 (72)発明者 植田 奨 大阪市中央区南船場三丁目５番８号 光洋 精工株式会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上面の前・後にスライド可能に固定する
   ストッパを設け更に連結板で連結された一対の天板と、
   前記天板の下面に装着された少なくとも４組のロ−ラ装
   置であって、この内の少なくとも２組をモ−タプ−リと
   アイドラロ−ラとこれらに巻装されたゴムベルトとより
   成る駆動装置とした前記ロ−ラ装置と、前記駆動装置の
   モ−タプ−リの回転数を検出するセンサと該センサから
   の信号により前記モ−タプ−リの回転数を補正制御する
   駆動制御装置と、より成る自動車の横移送装置。