JPH05105995A - 高速電気車両用パンタグラフすり板 - Google Patents

高速電気車両用パンタグラフすり板

Info

Publication number
JPH05105995A
JPH05105995A JP29502591A JP29502591A JPH05105995A JP H05105995 A JPH05105995 A JP H05105995A JP 29502591 A JP29502591 A JP 29502591A JP 29502591 A JP29502591 A JP 29502591A JP H05105995 A JPH05105995 A JP H05105995A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
alloy
speed electric
dispersed
sintered
high speed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP29502591A
Other languages
English (en)
Inventor
Sumihisa Aoki
純久 青木
Kunio Fukuhara
邦夫 福原
Yoshitaka Tomiyama
嘉孝 冨山
Kojiro Saito
浩次郎 斎藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NIPPON FUNMATSU GOKIN KK
Railway Technical Research Institute
Original Assignee
NIPPON FUNMATSU GOKIN KK
Railway Technical Research Institute
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NIPPON FUNMATSU GOKIN KK, Railway Technical Research Institute filed Critical NIPPON FUNMATSU GOKIN KK
Priority to JP29502591A priority Critical patent/JPH05105995A/ja
Publication of JPH05105995A publication Critical patent/JPH05105995A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Current-Collector Devices For Electrically Propelled Vehicles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 [目的] トロリ線を損耗させずにその耐摩耗性を向上
させることができる高速電気車両用パンタグラフの提
供。 [構成] Feを基地とする焼結すり板内にFe−Ti
合金、Fe−V合金、Fe−W合金、Fe−Mo合金の
1種若しくは2種以上をそれぞれ単味若しくは合計で1
5〜50重量%を分散析出した組織を有する焼結体にP
bを1〜10重量%含浸したもの、或いはこれにMoS
2及び/又はWS2を1〜5重量%分散析出した組織を有
する焼結体にPbを1〜10重量%含浸してなるものか
らなる高速電気車両用パンタグラフ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高速電気車両用パンタグ
ラフすり板に係り、詳しくは、高速電気車両における集
電用すり板であって、これを集電材として用いると、ト
ロリ線を損耗させずにその耐摩耗性を向上させることが
できる高速電気車両用パンタグラフすり板に係る。
【0002】
【従来の技術】従来から、電気車両に電気を集電するた
めに金属焼結体あるいは複合焼結体からなるパンタグラ
フ集電用すり板が使用されている。これらのすり板は振
動の激しい所で使用されるため、次のような性能が要求
されている。 (1)接点としての耐ア−ク性のよいこと、(2)断線
事故のおこらないように摩擦係数が小さいこと、(3)
車両の高速化に伴う振動に耐えるよう軽比重であるこ
と、(4)急熱急冷に耐えること、等である。
【0003】このような要求に対し、従来はCu系のす
り板などを用いていたが、Cu系のすり板は車両の高速
化による離線の増大によりすり板の摩耗が大であるた
め、Fe系の焼結合金からなるすり板が用いられるよう
になった。
【0004】これはCu系は材質の安定性および熱伝導
と電気伝導という点ではすぐれているが、融点、摩擦係
数、比重の点でFe系がすぐれているからである。
【0005】ところで近年、走行距離の延長化、高速度
化および走行頻度の増加に伴って、パンタグラフの集電
用すり板の摩耗が著しく、更に耐摩耗性の高いものが要
求されるようになった。
【0006】例えば、新幹線用すり板として用いられて
いるFe系焼結合金はFe粉末を主体とするもので潤滑
性に劣るため、所定の気孔率を有するFe系焼結合金母
体をつくり、この焼結合金母体中に鉛を17〜27%程
度含浸させたものである。
【0007】このような鉛を多量に含む焼結合金はスケ
ルトンが多孔質になりすぎるため、高速集電時にア−ク
による高熱に耐えられなくなり、摩耗が多くなる。
【0008】これを改良する方法として、例えば、特開
昭62−10238号公報記載の如く、粒粉状クロム2
〜14%、金属硫化物2〜7%、燐1%以下を含み残部
がFe粉末からなる粉状素材を混合圧縮成形後、焼結合
金母体とし、これに鉛若しくは鉛合金を2〜8%含浸さ
せる方法がある。
【0009】また、特開昭62−50451号公報に記
載の如く、分散相形成成分としてMo:0.1〜8%、
Fe−Cr合金及び/又はFe−Mo合金1〜15%、
WS2、Pb、BNの内1種以上の潤滑剤0.2〜10
%を含み、素地形成成分としてNi 0.1〜5%、C
0.02〜0.5%を含有し、残部がFeと不可避成
分とから成る焼結合金材料がある。これらの方法は耐摩
耗性ならびに潤滑性については一応の効果が認められる
が、これらは高速用パンタグラフすり板に要求される物
性、特に耐摩耗性については更に向上が求められてい
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこれら問題の
解決を目的とし、具体的には、トロリ線を損耗させずに
その耐摩耗性を向上させた高速電気車両用パンタグラフ
すり板を提案することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、F
eを基地とする焼結すり板内にFe−Ti合金、Fe−
V合金、Fe−W合金、Fe−Mo合金のうち1種若し
くは2種以上をそれぞれ単味若しくは合計で15〜50
重量%を分散析出した組織を有する焼結体にPbを1〜
10重量%含浸してなることを特徴とし、Feを基地と
する焼結すり板内に、Fe−Ti合金、Fe−V合金、
Fe−W合金、Fe−Mo合金のうち1種若しくは2種
以上をそれぞれ単味若しくは合計で15〜50重量%と
MoS2及び/又はWS2を1〜5重量%を分散析出した
組織を有する焼結体にPbを1〜10重量%含浸してな
ることを特徴とする。
【0012】以下、本発明の手段たる構成ならびにその
作用について詳しく説明すると、次の通りである。
【0013】まず、本発明の請求項1記載の発明につい
て説明する。
【0014】本発明のFeを基地とする焼結すり板内に
Fe−Ti合金、Fe−V合金、Fe−W合金、Fe−
Mo合金(以下、地金分散材という。)を分散析出した
組織を有する焼結体にPbを1〜10重量%含浸したも
のである。これら地金分散材を上記のように限定したの
は各成分が耐摩耗性が大であり、しかも、摺動時には敷
石効果による耐摩耗成分として働くからである。また、
鉛(Pb)はトロリ線とすり板との間に介在して潤滑剤
の役目を持たせるもので、例えば、焼結体のスケルトン
の空隙に溶浸法によって含浸させるものである。
【0015】地金分散材の分散析出量はFe地金内に1
5〜50%、好ましくは20〜50%、更に好ましくは
30〜50%である。15%未満ではその添加効果は少
なく、また、50%をこえると、すり板全体の強度が低
下すると共に焼結時の各粒子の結合が不十分となり、そ
の摩耗が増大する。
【0016】また、含有させる鉛は金属鉛若しくは鉛を
主体とする鉛合金であってもよいが、金属鉛として1〜
10%が好ましい。その含有量は1%未満では潤滑効果
は少なく、また、10%をこえる含有量とするには焼結
体スケルトンの密度を低下させ、気孔を増やす必要があ
り、そのため強度が低下する。
【0017】また、すり板の使用条件等によりすり板全
体の強度を更に必要とする場合には溶製法等による鋼板
又は鉄板をロ−付け等の裏打により補強して使用でき
る。
【0018】次に、その製造法について説明する。
【0019】例えば、粒度150μm以下の鉄粉85〜
40部と粒度450μm以下の地金分散材粉15〜50
部と公知の潤滑剤、例えば、ステアリン酸鉛0.5部を
V型混合機に入れ、これらを十分に混合する。この混合
物を所定の形状の金型内に充填し、約7t/cm2の圧
力でプレスして成型する。次いで、この成型体をこれら
の混合物の溶融点以下の温度で還元ガス又は中性ガス雰
囲気下焼結した後、この焼結体を還元又は中性ガス雰囲
気下鉛の融点(327.4℃)以上沸点(1750℃)
以下の温度に保持し、焼結体スケルトン内に含浸させれ
ばよい。
【0020】次に、請求項2記載の発明ならびにその製
造法について説明する。
【0021】請求項2記載の発明は請求項1記載の発明
において潤滑性を付与するため、更にMoS2及び/又
はWS2を分散し析出するようにしたものである。
【0022】MoS2及び/又はWS2は一般的に固体潤
滑剤として広く用いられているものであるが、これら微
粉、例えば、50μm以下の粒度のものを製造時に鉄
粉、Fe−Ti合金、Fe−V合金、Fe−W合金、F
e−Mo合金の1種若しくは2種以上とともに添加混
合、焼結して、このFe系焼結すり板内に分散析出する
組織を有する焼結体としたものである。MoS2及び/
又はWS2の微粉の分散析出量としては1〜5%であ
る。
【0023】このように特定したのは1%未満では潤滑
効果は少なく、また5%をこえると焼結時に分解した
り、またその他の化学反応によって基地強度を弱め摩耗
が増大するからである。また、鉛については前述の通り
である。なお、明細書記載の部ならびに%はいずれも重
量基準で示した。
【0024】
【実施例】以下、実施例について述べる。
【0025】表1に示す組成の原料粉末を用いて、粉末
冶金法により焼結体とした後、加工してすり板本体を製
造した。
【0026】なお、焼結体製造用原料のFe粉末は15
0μm以下の粒度のもの、地金分散材のものはそれぞれ
450μm以下のものを用いた。また、MoS2、WS2
からなる固体潤滑剤の粉末はそれぞれ50μm以下のも
のを用いた。
【0027】これら原料粉末に潤滑剤としてステアリン
酸亜鉛を0.5%添加し、V型混合機により30分間撹
拌して均一な混合物とした。
【0028】次いで、これを所定形状の型に入れ、圧力
7ton/cm2の圧力を加えて加圧成形した。
【0029】この成形体を焼結炉で還元雰囲気下120
分、1150℃の温度に加熱し焼結体とし、更に、この
焼結物を還元雰囲気下1080℃に60分間保持しPb
を含浸させた。この焼結体の物性試験を行なった結果を
表1に示した。なお、比摩耗量試験装置は図1に示す装
置を用い、その試験条件を表2に示した。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【発明の効果】以上詳しく説明したように、本発明は、
Feを基地とする焼結すり板内にFe−Ti合金、Fe
−V合金、Fe−W合金、Fe−Mo合金のうち1種若
しくは2種以上をそれぞれ単味若しくは合計で15〜5
0重量%を分散析出した組織を有する焼結体にPbを1
〜10重量%含浸してなることを特徴とし、Feを基地
とする焼結すり板内に、Fe−Ti合金、Fe−V合
金、Fe−W合金、Fe−Mo合金のうち1種若しくは
2種以上をそれぞれ単味若しくは合計で15〜50重量
%とMoS2及び/又はWS2を1〜5重量%を分散析出
した組織を有する焼結体にPbを1〜10重量%含浸し
てなることを特徴とする。
【0033】従って、本発明品は高速電気車両用パンタ
グラフ用すり板であって、これをすり板として用いる
と、地金分散材を多量に分散させるようにしたため、ト
ロリ線を損耗させずに耐摩耗性を向上させることができ
る。
【0034】また、Fe地金中に地金分散材以外にMo
2及び/又はWS2を1〜5重量%分散させたため、よ
り潤滑性が向上する効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に用いた比摩耗量試験装置の説
明図である。
【符号の説明】
1 擬似トロリ線 2 テストピ−ス 3 エアシリンダ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福原 邦夫 東京都国分寺市光町二丁目8番地38 財団 法人 鉄道総合技術研究所内 (72)発明者 冨山 嘉孝 京都府京都市山科区栗栖野狐塚5−1 日 本粉末合金株式会社山科事業所内 (72)発明者 斎藤 浩次郎 京都府京都市山科区栗栖野狐塚5−1 日 本粉末合金株式会社山科事業所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Feを基地とする焼結すり板内にFe−
    Ti合金、Fe−V合金、Fe−W合金、Fe−Mo合
    金のうち1種若しくは2種以上をそれぞれ単味若しくは
    合計で15〜50重量%を分散析出した組織を有する焼
    結体にPbを1〜10重量%含浸してなることを特徴と
    する高速電気車両用パンタグラフすり板。
  2. 【請求項2】 Feを基地とする焼結すり板内に、Fe
    −Ti合金、Fe−V合金、Fe−W合金、Fe−Mo
    合金のうち1種若しくは2種以上をそれぞれ単味若しく
    は合計で15〜50重量%とMoS2及び/又はWS2
    1〜5重量%を分散析出した組織を有する焼結体にPb
    を1〜10重量%含浸してなることを特徴とする高速電
    気車両用パンタグラフすり板。
JP29502591A 1991-10-15 1991-10-15 高速電気車両用パンタグラフすり板 Pending JPH05105995A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29502591A JPH05105995A (ja) 1991-10-15 1991-10-15 高速電気車両用パンタグラフすり板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29502591A JPH05105995A (ja) 1991-10-15 1991-10-15 高速電気車両用パンタグラフすり板

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05105995A true JPH05105995A (ja) 1993-04-27

Family

ID=17815357

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29502591A Pending JPH05105995A (ja) 1991-10-15 1991-10-15 高速電気車両用パンタグラフすり板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05105995A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0718351A (ja) * 1993-07-07 1995-01-20 Railway Technical Res Inst 焼結集電摺動材料
CN109158611A (zh) * 2018-10-18 2019-01-08 大同新成新材料股份有限公司 一种基于粉末冶金的铜基受电弓滑板制备工艺

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6210238A (ja) * 1985-07-05 1987-01-19 Teikoku Carbon Kogyo Kk 集電摺動用鉄系耐磨焼結合金の製造法
JPS6250445A (ja) * 1985-08-29 1987-03-05 Japanese National Railways<Jnr> Fe基焼結材料製電気車のパンタグラフすり板材
JPS63171858A (ja) * 1987-01-12 1988-07-15 Toyota Motor Corp バルブシ−ト用鉄系焼結合金

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6210238A (ja) * 1985-07-05 1987-01-19 Teikoku Carbon Kogyo Kk 集電摺動用鉄系耐磨焼結合金の製造法
JPS6250445A (ja) * 1985-08-29 1987-03-05 Japanese National Railways<Jnr> Fe基焼結材料製電気車のパンタグラフすり板材
JPS63171858A (ja) * 1987-01-12 1988-07-15 Toyota Motor Corp バルブシ−ト用鉄系焼結合金

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0718351A (ja) * 1993-07-07 1995-01-20 Railway Technical Res Inst 焼結集電摺動材料
CN109158611A (zh) * 2018-10-18 2019-01-08 大同新成新材料股份有限公司 一种基于粉末冶金的铜基受电弓滑板制备工艺

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN111360243A (zh) 一种高性能的自润滑铜基受电弓滑板材料及其制备方法
EP1850990A2 (en) Copper-based alloys and their use for infiltration of powder metal parts
GB2030598A (en) Method of manufacture of sintered parts
JPH05105995A (ja) 高速電気車両用パンタグラフすり板
JPH05105994A (ja) 高速電気車両用パンタグラフすり板
JPH0885854A (ja) 高速電気車両用パンタグラフすり板
JP2567960B2 (ja) 集電摺動用鉄系耐摩焼結合金の製造法
JPS62284036A (ja) 集電摺動用鉄系耐摩焼結合金の製造法
JP2511225B2 (ja) 集電摺動用耐摩焼結合金の製造法
JPH0649510A (ja) 集電摺動用耐摩焼結合金の製造法
JPH0718351A (ja) 焼結集電摺動材料
JP3111740B2 (ja) 高速電気車用鉛含浸Fe基焼結合金製パンタグラフすり板材
JP3225642B2 (ja) 耐摩耗性のすぐれた鉛含浸Fe基焼結合金製電気車のパンタグラフすり板材
JP2916038B2 (ja) 炭素系集電摺動材料の製造方法
JPS6210238A (ja) 集電摺動用鉄系耐磨焼結合金の製造法
JPH06264170A (ja) 高強度耐摩耗性アルミニウム合金
JPS6138252B2 (ja)
JP2617836B2 (ja) 通電時に耐摩耗性を示すパンタグラフすり板用材料組成物及びパンタグラフすり板
JPS5942065B2 (ja) 耐摩耗性にすぐれた摺動体
JP2004269933A (ja) 集電摺動材料
JP3111739B2 (ja) 高速電気車用鉛含浸Fe基焼結合金製パンタグラフすり板材
Aufmuth The practice of powder metallurgy
JPH06158219A (ja) 鉄銅系集電摺動用耐摩焼結合金の製造法
JPH1132402A (ja) 集電装置用摺板及びその製造方法
JPH08246110A (ja) 耐摩耗性に優れた亜鉛含浸Fe−Cu系焼結合金製の集電用パンタグラフすり板材