JP2567960B2 - 集電摺動用鉄系耐摩焼結合金の製造法 - Google Patents

集電摺動用鉄系耐摩焼結合金の製造法

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JP2567960B2 JP1306568A JP30656889A JP2567960B2 JP 2567960 B2 JP2567960 B2 JP 2567960B2 JP 1306568 A JP1306568 A JP 1306568A JP 30656889 A JP30656889 A JP 30656889A JP 2567960 B2 JP2567960 B2 JP 2567960B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は潤滑油を用いないで集電摺動部分に使用され
る耐摩性に秀れた鉄系焼結合金、特に、速度270〜300km
/Hで走行する高速電気車のパンタグラフ用摺板として好
適な鉛を含まない集電摺動用鉄系耐摩焼結合金の製造法
に関するものである。
〔従来の技術〕 現在速度220〜240km/Hの新幹線用摺板として使用して
いる改良形鉄系耐摩焼結合金は、全銘柄が鉄粉が主体で
潤滑性に欠けるため鉛を2〜27%含有した焼結合金が使
用されている。鉛は低融点金属であるため、架線と摺板
とが離線する際の火花放電により、架線と接触する摺動
板の摺動表面より鉛が溶出して表面に多数のピンホール
を生じ、これが原因で摺動表面が荒損し、そのため集電
摺動の際に摺板の寿命が短くなるという問題がある。ま
た鉛粉が鉄道沿線に飛散して公害をおよぼす心配があ
る。
本発明者は、前記の如き問題点を改善するため、鉄粉
に二硫化モリブデン、二硫化タングステンなどの金属硫
化物を配合してその金属硫化物により潤滑性能を発揮さ
せ、かつ焼結合金中に80〜150メッシュの粒粉状の単体
クロームをしっかりと抱き込んだ鉄系耐摩焼結合金の製
造法を先に発明した。(特許第1009420号,特公昭54−4
2332号公報参照) 〔発明が解決しようとする課題〕 この先発明によれば220〜250km/H程度であれば良好な
耐摩性能と潤滑性能を発揮出来るが、それ以上270〜300
km/Hにアップさせた場合には耐摩性能及び潤滑性能がや
や不十分である。本発明は前記の如き従来技術の問題点
に鑑み、速度270〜300km/Hにおいても優秀な耐摩性能を
発揮すると共に、摺板及び架線の耐久力を著しく向上さ
せることができ、また一編成の電車パンタグラフ数を減
少することも可能で、電車の走行中、架線とパンタ摺板
の摺動に起因する摺動騒音公害を低下させることもで
き、しかも鉛公害を皆無に出来る集電摺動用鉄系耐摩焼
結合金を提供せんとするものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、前記の如き問題点を解決するため、耐摩耗
成分として重量比にて単体クローム粒粉8〜22%、潤滑
成分として金属硫化物6〜12%、強度増加のため燐1%
以下、残部鉄粉よりなる粉末を混合し、これを8t/cm2
上の圧力で圧縮成形した後、1180℃以上の還元雰囲気中
で焼結することを特徴とする。
〔作用〕
本発明は、前記の如く、鉄粉を主体とし、これに270
〜300km/Hの高速度における耐摩性能を発揮させる目的
のため先発明より更に多量のクロームを添加し、かつ潤
滑性能を増加させるため先発明より更に多量の二硫化モ
リブデン、二硫化タングステン、硫化鉄、硫化銅などの
金属硫化物を添加した。また、前記の如く、先発明より
多量の金属硫化物を添加すると機械的強度が低下すると
いう問題があるが、成形時の圧力を8t/cm2以上の高圧に
すると共に、還元雰囲気における焼結温度を1180℃以上
にすることにより、摺板として必要とする機械的強度を
具備させることができる。
本発明に使用する金属硫化物は6〜12%が適正で、微
細なためこれが電解鉄粉と極めて均斉に混合され、60〜
150メッシュの粒粉状単体クロームを抱き込んだ状態に
なって焼結合金母体に均斉に分布されている。
後述の実験結果により明らかなように、適量な粒粉状
クロームの耐摩性能と、適量な二硫化モリブデン、二硫
化タングステン等の金属硫化物の潤滑性能とが両々相ま
って、摺板のみならず架線の耐久力をも顕著に向上させ
ることができる。
燐は、前記鉄,クローム,金属硫化物の混合成形物を
焼結する際、その強い脱酸作用によって清浄化すると共
に、焼結の際形成されるFe3P−Fe共晶組成の液相量を増
して、焼結体中に耐摩耗の目的で混入しているクロー
ム、および潤滑の目的で混入している金属硫化物を焼結
合金母体の中にしっかりと抱き込んだ状態で収縮し、ち
密化し強度を促進させるものである。ただし1%を超え
る配合をするとかえって脆弱となる。
クロームは、60〜150メッシュのものを使用し、これ
が、燐の配合と、成形圧を8t/cm2以上に増加させたこと
と、還元雰囲気における焼結温度を1180℃以上にあげた
ことが相まって、焼結合金母体中に強く抱き込まれた状
態で点在し、クローム特有の耐摩性を発揮する。その含
有量は8%未満では270〜300km/Hの場合耐摩性の向上に
不十分であり、22%以上では機械的強度が低下する。
なお、上記の鉄−クローム−金属硫化物−燐の焼結合
金のうち、鉄の小量をモリブデン、タングステン、ニッ
ケル、コバルト、チタン、銅、炭素、クロームなどの単
体またはそれらの合金とおき換えても、摺板および架線
の耐摩性には大きな影響がない。従って、鉄の小量を前
記の如き金属または合金におき換えても本発明に包含さ
れる。
〔実施例〕
実施例1 重量比にて60〜150メッシュの粒粉クローム8%、二
硫化モリブデン6%、燐0.3%、残部鉄粉の割合で各原
料を配合混和した後、8t/cm2で圧縮成形し、還元雰囲気
中で1180℃で焼結し、焼結合金を得た。
実施例2 重量比にて粒粉クローム10%、二硫化モリブデン3
%、二硫化タングステン4%、燐0.4%、残部鉄粉の割
合で配合し、上記実施例1と同様にして焼結合金を得
た。
実施例3 重量比にて粒粉クローム15%、二硫化モリブデン8
%、燐0.2%、残部鉄粉の割合で各原料を配合混和した
後、9t/cm2で圧縮成形し、還元雰囲気中で1200℃で焼結
し、焼結合金を得た。
実施例4 重量比にて粒粉クローム19%、二硫化モリブデン5
%、二硫化タングステン4%、燐0.1%、残部鉄粉の割
合で配合し、上記実施例3と同様にして焼結合金を得
た。
実施例5 重量比にて粒粉クローム22%、二硫化モリブデン12
%、燐0.7%、残部鉄粉を配合し、上記実施例3と同様
にして焼結合金を得た。
上記各実施例により得た焼結合金の物理特性を示すと
第1表の通りである。
また、上記実施例1ないし5により得た焼結合金より
各試験片、及び現在JR新幹線で使用している改良形鉄系
パンタグラフスリ板よりなる試験片10×25×90mmを回転
式摺動試験機に取付け、押付力6kg、通電電流AC130A、
摺動速度180km/H、60分間無潤滑でトロリー線に摺動さ
せ、そのときの各試験片の比摩耗率、相手方トロリー線
の摩耗厚mmを測定した。その結果を第2表に示す。
前記第1表により明らかな如く、本発明により得られ
た実施例1〜5の焼結合金は高速電気車のパンタグラフ
用摺板として必要な物理特性を具備し、かつ、第2表に
より明らかな如く、現在220〜240km/Hで使用されている
改良形摺板と比較すると、その耐摩性能を顕著に向上せ
しめると共に、相手方の架線の損耗を少なくすることが
実証された。また、各実施例の第1表および第2表によ
り明らかなように、クローム8〜22%、金属硫化物6〜
12%、燐1%以下、残部鉄粉よりなる配合資料のうち、
鉄の少量をモリブデン、タングステン、ニッケル、コバ
ルト、チタン、銅、炭素、クロームまたはそれらの化合
物におきかえても、潤滑材として金属硫化物の配合量が
上記の範囲内にあれば焼結合金の耐摩性能はほとんど変
わらない。また成形体の型離れを良くするため鉄の一部
を少量の鉛におきかえても当然上記資料と共に本発明に
包含される。
〔発明の効果〕
以上述べたように、本発明によれば、摺板の耐摩性能
を顕著に向上させると共にその摺面が黒褐色の平滑で光
沢があり、相手方架線の摺動表面も滑らかで、黒褐色の
光沢があり、架線の損傷と摩耗を顕著に減少せしめるこ
とができる効果があり、270〜300km/H高速電気車のパン
タグラフ用摺板としてきわめて有益である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量比にて、単体クローム8〜22%、金属
    硫化物6〜12%、燐1%以下、残部鉄粉よりなる粉末材
    料を混合し、これを8t/cm2以上の圧力で圧縮成形した
    後、1180℃以上の還元雰囲気中で焼結することを特徴と
    する鉛を含まない集電摺動用鉄系耐摩焼結合金の製造
    法。
JP1306568A 1989-11-28 1989-11-28 集電摺動用鉄系耐摩焼結合金の製造法 Expired - Lifetime JP2567960B2 (ja)

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