JPH0649510A - 集電摺動用耐摩焼結合金の製造法 - Google Patents

集電摺動用耐摩焼結合金の製造法

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JPH0649510A
JPH0649510A JP20352992A JP20352992A JPH0649510A JP H0649510 A JPH0649510 A JP H0649510A JP 20352992 A JP20352992 A JP 20352992A JP 20352992 A JP20352992 A JP 20352992A JP H0649510 A JPH0649510 A JP H0649510A
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JP
Japan
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wear
powder
sintered
sintered alloy
sliding
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JP20352992A
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English (en)
Inventor
Tsuneki Azetsu
常喜 畔津
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TEIKOKU CARBON IND
TEIKOKU CARBON KOGYO KK
Original Assignee
TEIKOKU CARBON IND
TEIKOKU CARBON KOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 JR在来線や私鉄において、100〜200
km/H前後で走行する電気車のパンタグラフ用すり板
として好適な集電摺動用耐摩焼結合金を得る。 【構成】 重量比にて、単体Cr3〜20%、BN0.
2〜4%、Sn3〜7%、Fe20〜60%、P1%以
下と潤滑剤として金属硫化物3〜8%、Pb2〜7%の
一種ないし複数種と残部Cuよりなる各原料粉を均一に
混合し、その混合粉を圧縮成形後非酸化雰囲気中あるい
は還元雰囲気中で焼結して焼結体を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、潤滑油を用いないで集
電摺動部分に使用される耐摩性と潤滑性に秀れた焼結合
金、特にJR在来線、私鉄において100〜200km
/H前後で走行する電気車パンタグラフ用として好適な
集電摺動用耐摩焼結合金に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在JRにおいて電気車用焼結合金製パ
ンタグラフ用すり板は、在来線においてJRS1512
1−1G−15AR9E、改正昭和54年4月28日登
録と、JRS15121−7A−15AR2E、制定昭
和57年8月31日登録の銘柄が使用されている。前記
登録銘柄の焼結合金製パンタグラフ用すり板には潤滑剤
として黒鉛2〜7%、硫化銅,硫化鉄3〜5%、MoS
2 3〜5%の範囲で含有されている。
【0003】また本発明者は、過去銅系パンタグラフ用
すり板として特許第419107号(特公昭38−18
058号)と、特許第509195号(特公昭42−1
4286号)と、特許第1053072号(特公昭55
−44143号)を得ており、現在もJR、私鉄で使用
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、JR在来線
や私鉄においては、速度をアップさせることが実行され
ており、これにともなって速度100〜200km/H
の走行に好適なパンタグラフ用焼結合金製すり板が要望
されている。しかし乍ら、前記の先発明などによるすり
板は、60〜100km/Hより更に高速100〜20
0km/Hにアップさせた場合には、なお改善の余地が
あることを知った。すなわち、すり板中に潤滑剤として
含有する黒鉛や金属硫化物 MoS2,WS2 は、すり板
と架線との摺動集電に起因する摺動面の温度が400℃
以下ならば摩擦係数は前者が約0.5、後者は約0.2
で潤滑効果は大である。しかし電気車の速度が約100
km/Hから約200km/Hに近付くとパンタグラフ
すり板の架線に対する追随性が更に悪くなって、すり板
と架線との離線回数が多くなり、すり板の摺動面はアー
クによる温度上昇とすり板の摺動速度の増加による摺動
熱の上昇が加算されて、450℃以上になるとすり板に
含有されている摺動面のCやMoS2,WS2は酸化を初
め、800℃以上になるとこれらの潤滑剤は燃焼消失す
ることが実験の結果分かった。従って電気車が高速運行
してすり板の摺動面が450℃以上になれば摺動面にお
けるすり板中に含有する潤滑剤は酸化減少し焼失を始め
るので、すり板と架線の摩耗が急増する。それ故速度1
00km/Hと200km/Hの速度で使用したときの
すり板の比摩耗率は前者の2倍以上多くなる。その結果
すり板の異常摩耗の故障をもたらすことになる。
【0005】本発明は前記の如き課題を改善し、電気車
の速度が約100km/Hから約200km/Hに加速
された際、すり板の摺動面の一部が1,000℃前後に
なった場合でもきわめて安定した潤滑性能と耐摩性能を
長期に亘り発揮し得る電気車パンタグラフ用焼結合金性
すり板を提供せんとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は前記の如き課題
を解決するため、重量比にて、単体Cr3〜20%、B
N0.2〜4%、Sn3〜7%、P1%以下、Fe20
〜60%と潤滑剤として(MoS2,WS2)3〜8%、
Pb2〜7%の一種ないし複数種と残部Cuよりなる各
原料粉を混合機で均一に混合した混合粉を圧縮成形後非
酸化雰囲気中あるいは還元雰囲気中で焼結して得ること
を特徴とする。
【0007】
【作用】本発明は、Cuのみを母材としたすり板に比し
耐熱性と強度と耐摩耗性を高めると共に、Feのみを母
材としたすり板に比し集電摺動時のトロリー線に対する
衝撃をやわらげるため、Cu−Feを母材とし、速度1
00〜200km/Hの使用に好適な焼結合金パンタグ
ラフすり板を製造するため、Fe20〜60%、単体C
r3〜20%、Sn3〜7%、BN0.2〜4%を配合
し、機械的強度を増加させるためP1%以下を添加し、
潤滑剤として金属硫化物(MoS2,WS2)3〜8%、
Pb2〜7%の一種ないし複数種と残部Cuよりなる原
料粉を均一に混合し、その混合粉を圧縮成形後非酸化雰
囲気中あるいは還元雰囲気中で焼結して本発明の焼結合
金を得た。
【0008】Crは3%未満では耐摩性、耐錆性の効果
少なく、20%以上になると機械的強度が低下する。潤
滑剤のMoS2,WS2は450℃付近から酸化減量を始
め、すり板の摺動面の摩擦係数μが上昇し始め、800
℃で殆ど燃焼しμが急上昇することが分かったので、6
00℃位まではPbとMoS2またはWS2およびBNの
潤滑性能を合算して活用し、600〜1,000℃の範
囲ではPbの一部とBNの熱安定性による潤滑性能を活
用した。すなわちBNは常温より1,000℃前後まで
μは0.2程度で良好な潤滑性能を示す。しかしながら
BN粉と金属粉とはぬれ性が悪く、金属粉とBN粉の圧
縮成形焼結は困難であると刊行書などに示されている。
これはBN粉自身は高温においても優秀な潤滑性能を示
すが、BN粉を直接または単独の状態で母材Cu−Fe
粉と混合した混合粉は圧縮成形の際ぬれ性が悪いことに
起因する。しかるに本発明おいてBN粉は0.2〜4%
が適量で、これと潤滑剤として金属硫化物とPbとの一
種ないし複数種を適量の比率でCu−Fe−Cr−Sn
粉と撹拌混合した混合粉を圧縮成形後焼結すると、目的
とする焼結合金が得られることを確認した。すなわち組
成分中の潤滑剤としてのMoS2,WS2などの金属硫化
物とPb添加の一種ないし複数種は、Cu−Fe粉との
混合粉に添加したBN粉のぬれ性の悪いのを緩和させる
役目と、組成混合粉を高圧で圧縮成形する際押型を痛め
ずに容易に圧縮成形することが出来る役目を果し、か
つ、すり板自身の潤滑性能を良好にさせることができ
る。金属硫化物MoS2,WS2の各単独または合計配合
量は3〜8%が適量で、3%以下ではBN粉と金属粉と
のぬれ性が悪いことに対する緩和性能と焼結体の潤滑性
能の効果少なく、8%以上では過剰となって機械的強度
を低下させる。Pの添加はCu−Fe−Snにおいて一
部Cu−Sn−Pの燐青銅を形成し、焼結体の機械的強
度をCu−Snの青銅に比し増加させる。又Pは前記F
e、Cr、金属硫化物の混合粉よりなる成形体を焼結す
る際、その強い脱酸作用によって鉄を清浄化すると共
に、焼結の初期に形成されるFe2 P−Fe共晶組成の
液相量を増して、焼結体中に耐摩性の目的で混合してい
るCrと潤滑性増強の目的で混合している金属硫化物と
を確りと抱き込んだ状態で収縮し、焼結体の緻密化を促
進させるものである。そしてPの配合量は1%以上にな
るとかえって詭弱となる。またPは焼結炉内の還元雰囲
気と各原料粉が清浄であれば零に近付けて良い。Snは
3〜7%が適量で、CuとPの含有の下に青銅および燐
青銅をつくる役目をするが、3%以下では効果少なく不
足で、7%以上では焼結体の耐熱温度を低下させる。F
eは、20%以下ではすり板母材の耐熱度と強度と耐摩
耗性を高めるのに不十分であり、60%以上ではCuの
配合比が低くなりすぎて集電摺動時のトロリー線に対す
る衝撃をやわらげると共に摺動音を低くする作用を果す
ことができない。Pbは2%以下では潤滑性能の効果少
なく、Pbの含有量2〜8%であればμは0.5程度で
安定するが、8%以上の過剰になるとすり板の摺動面の
膜厚みが過大となってμは0.8〜1に近付き大とな
る。なお前記配合量において、Feの一部を小量のN
i,Ti,Wなどの単体またはこれら合金の一種ないし
数種におきかえても、すり板と架線の耐摩耗性に大きな
影響がない。従ってFeの少量を前記の如き物質におき
かえることも本発明に包含される。以下実施例はPbを
含有させたもので示したが、鉛合金を含有することも当
然本発明に包含される。
【0009】
【実施例】次に、本発明のCu−Fe系焼結合金製すり
板の製造法を具体的に説明する。
【0010】耐摩剤として原料粉単体Cr80〜150
メッシュと潤滑剤BN粉を、他の潤滑剤の一種または複
数種と残りの各原料粉と共に、表1に示す配合割合で混
合機により均一に混合し、その混合粉を8T/cm2
圧縮成形し、還元雰囲気で930〜1,030℃で30
分間焼結して本発明のBN入りCu−Fe系焼結合金を
得た。
【0011】
【表1】
【0012】前記実施例1〜6より得られた焼結合金の
機械的特性を示すと表2の通りである。
【0013】
【表2】
【0014】上記各実施例1〜6により得られた焼結合
金より切出して得た各試験片10×25×90mmと現
在JR在来線で使用している銅系焼結合金製すり板より
切出して得た試験片10×25×90mmをつくり、こ
れらを回転式摺動試験機に取付け、押上力5.5Kg、
通電電流AC100A、摺動速度65km/H、60分
間無潤滑で架線に摺動させ、その時の各試験片の比摩耗
率と相手方架線に対しパンタに取付けられた各試験片が
1万回通過当りの架線の摩耗厚mmを測定した。その結
果を表3に示す。
【0015】
【表3】
【0016】前記表2により明らかな如く本発明の実施
例1〜6より得られたCu−Fe系焼結合金は、在来線
電気車のパンタグラフ用すり板として必要な機械的特性
を具備し、かつ表2,表3により明らかな如く、現在J
R在来線で使用されている銅系すり板に比較すると、耐
熱性、強度、耐摩耗性を顕著に向上せしめると共に、相
手方架線の損耗を少なくすることが実証された。さらに
上記の試験方法では明らかでないが、BNが1,000
℃前後まで安定した潤滑性能を発揮し得ることを考慮す
ると、本発明により得たCu−Fe系焼結合金性パンタ
グラフ用すり板は100〜200km/Hの高速運行時
にJR在来線で使用されている銅系すり板より格段と秀
れた耐摩耗性を発揮し得ることが明らかである。
【0017】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、在来
線の高速電気車において耐摩耗性を顕著に向上せしめる
と共に、その摺動面が平滑で光沢があり、相手方架線の
摺動面も滑らかで光沢があり、架線の損傷と摩耗とを顕
著に減少せしめ得る効果があり、100〜200km/
Hの在来線高速電気車パンタグラフ用すり板としてきわ
めて有益である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22C 1/05 U

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量比にて、単体Cr3〜20%、BN
    0.2〜4%、Sn3〜7%、P1%以下、Fe20〜
    60%と潤滑剤として金属硫化物(MoS2,WS2)3
    〜8%、Pb2〜7%の一種ないし複数種と残部Cuよ
    りなる各原料粉を均一に混合し、その混合粉を圧縮成形
    後非酸化雰囲気中あるいは還元雰囲気中で焼結して焼結
    体を得ることを特徴とする集電摺動用耐摩焼結合金の製
    造法。
JP20352992A 1992-07-30 1992-07-30 集電摺動用耐摩焼結合金の製造法 Pending JPH0649510A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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