JP2003129150A - 集電摺動用銅系耐摩焼結合金およびその製造方法 - Google Patents
集電摺動用銅系耐摩焼結合金およびその製造方法Info
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Abstract
成分としての黒鉛および/または金属硫化物と、焼結素
地成分としてのP,Snを含有する銅系焼結合金であっ
て、潤滑強化成分として2〜6%のBiを含むものを改
良して、製造コスト低減や耐熱性向上を図る。 【解決手段】 2〜6重量%であったBi含有量を改良
して、「0.5重量%以上2重量%未満」とする。Bi
含有量を0.5〜2重量%に減らすと、高価な材料であ
るBiを節約することができ、かつ優れた耐摩耗性が損
なわれないばかりか、耐アーク性は更に向上する。
Description
で集電摺動部分に使用される耐摩耗性と潤滑性に優れた
銅系焼結合金、特にJR在来線、各私鉄において速度6
0〜160km/hで走行する電気車のパンタグラフ用
すり板として好適な集電摺動用銅系耐摩焼結合金、およ
び、その製造方法に関するものである。
用銅系焼結合金すり板は、在来線につきJRS1512
1−1G−15AR9E(特公昭38−18058
号)、昭和54年4月28日改正と、JRS15121
−7A−15AE2E(特公昭55−44143号)、
昭和57年8月31日制定が使用されている。これら銅
系焼結合金の各銘柄の潤滑剤としては黒鉛2〜4重量
%、MoS23〜5重量%の範囲で含有されている。い
ずれも各すり板についていずれか1種類の含有となって
いる。これらは各私鉄でも使用されている。
気車の速度が低速から高速まで運行が多様化しており、
これに追随出来るパンタグラフ用焼結合金すり板が求め
られている。低、中速域では従来型のすり板で対応出来
ても、速度が160km/hに近い高速度域では、1パ
ンタグラフ当りの集電電流が著しく増加することから、
すり板に新しい機能を付与することが必要となってい
る。すなわち、当該すり板の耐摩耗性を向上させ、か
つ、相手側部材である架線の摩耗をも減少せしめ得る集
電摺動用材料の開発が切望されていた。
07161号公報に係る集電摺動用銅系耐摩焼結合金が
提案されている。説明の便宜上、これを最新公知発明と
いう。この最新公知発明は、単体Cr3〜20重量%、
黒鉛または金属硫化物2〜8重量%、Bi2〜6重量
%、P1重量%以下、Sn4〜13重量%を含有し、残
部がCuである粉末原料を混合・圧縮成形・焼結したも
のであって、この構成の中で特徴的な点は、Biの2〜
6重量%を添加して潤滑性を強化したことであった。
て別途出願中の発明である。本発明者は上記最新公知発
明を出願した後、その実用化試験を行なった結果、実用
条件下において所期の効果を達成したことを確認した
が、更に改良の余地が無いかについても鋭意研究した。
本発明は前記最新公知発明の改良発明として為されたも
のであって a.耐アーク性(集電容量)の更なる向上、 b.材料コストの低減、 を図ったものである。
iを添加したのは潤滑性の強化を図ったものである。す
なわち、Biの融点は271℃であって比較的低く、融
点以上の温度では微視的に液化して潤滑性を助長する
が、550℃以上でも蒸発しない。このため、黒鉛や金
属硫化物が酸化消耗する550℃以上においても潤滑性
を保持する。この最新公知発明を完成した時点(その出
願時)においては、Bi含有量が2重量%未満では潤滑
性強化効力が不充分であると考えていたので、これらを
総合して「Biの含有量が2〜6重量%であること」を
必須の要件としていた。しかしながら、その後の研究に
より、圧縮成形や加熱焼結の工程管理を厳しくし、か
つ、他の含有成分の組成を適正ならしめることによっ
て、0.5重量%以上2重量%未満であっても実用上の
利用可能性が有ることを確認した。
て、請求項1に係る発明方法は、耐摩耗、耐アーク成分
として単体Cr3〜20重量%。潤滑成分として黒鉛あ
るいは金属硫化物(MoS2,WS2)のいずれか一種な
いし複数種2〜8重量%、潤滑強化成分としてBi0.
5重量%以上2重量%未満、焼結素地成分としてP1重
量%以下、Sn4〜13重量%、残部Cu、からなる粉
末原料を混合後、圧縮成形し、これを非酸化性雰囲気中
あるいは還元性雰囲気中で加熱して焼結体を得ることを
特徴とする。
上20重量%以下の単体Crと、2重量%以上8重量%
以下の黒鉛あるいは金属硫化物(MoS2,WS2)のい
ずれか1種類ないし複数種類と、0.5重量%以上2重
量%未満のBiと、1重量%以下のPと、4重量%以上
13重量%以下のSnと、を含有し、残部がCuである
焼結体から成ることを特徴とする。
すり板の製造方法の実施形態の8例について説明する。
実施例1ないし実施例8は請求項1の製造方法によって
請求項2の集電摺動用銅系耐摩焼結合金(すり板)を構
成したものである。すなわち、Biの含有量0.5%以
上であれば、2%未満であっても潤滑性能および耐摩性
能の改善に有効であることを実証するための実験データ
である。なお、これら実施例1〜8と併記して、現在各
JR,各私鉄で使われている「黒鉛,MoS2,WS2の
いずれかを含有しているすり板」を記載した。この実施
形態の記載において%の数値は、特に付記していなくて
も、総べて重量比である。
u、Sn、Pと耐摩耗、耐アーク成分としての単体Cr
80〜150メッシュを基質とし、これに、潤滑成分と
して黒鉛またはMoS2,WS2の1種あるいは黒鉛、
MoS2またはWS2の両種にBi−60メッシュ以下を
それぞれ加えて、次の表1に示すよう、実施例1〜8,
および比較例1〜4の、計12通りの配合原料を調整し
た。
り均一に混合し、その混合粉を600MPaで圧縮成形
し、還元雰囲気中で800℃、90分間焼結して実施例
1〜8と比較例1〜4とを得た。上記の実施例1〜8と
比較例1〜4とから得られた焼結合金の物理的・機械的
性質を示すと表2の通りである。
を切出して各試験片10×25×90mmを作成し、こ
れらを回転式集電摺動試験機に取付け、押上力54N、
通電電流DC100A、摺動速度65km/h、左右振
れ幅40mm、60分間無潤滑で架線に摺動させ、各試
験片の比摩耗量(すり板比摩耗量)と、パンタグラフに
装着された試験片が、相手部材である架線に対して1万
回通過した場合の架線の摩耗寸法(トロリー線摩耗率、
単位mm/10000回)とを測定した。その結果を次
の表3に示す。
を用い、通電電流値を2倍(DC200アンペア)に上
げて耐摩耗性を評価した。その結果を次の表4に示す。
によって明らかにされた事項の意義を総括すると次のと
おりである。当初に述べたように、本発明は最新公知発
明の改良発明である。該最新公知発明は、「潤滑強化成
分としてBiを添加する」という新規な技術を創作し
て、すり板の耐摩耗性を格段に向上させるという優れた
実用的効果を奏したのであるが、Bi添加量についての
判断を誤っていた。すなわち、該最新公知発明の段落番
号0016に、「Biは2%未満ではその効果が小さ
く、6%を越えるとすり板の機械的強度が低下する」と
記載されており、この最新公知発明の特許請求の範囲に
おいて、Biの含有量を2〜6重量%と限定している。
この最新公知発明の出願時においては、上記の知見は必
ずしも誤っていたとは言えず、当時までの試験研究の成
果によっては、Bi含有量が2%未満であっては所望の
効果(耐摩耗性向上)が得られず、6%以上であっては
すり板の機械的強度が低下して実用に耐えないと判断さ
れたものである。そして、その後の更なる研究工夫の結
果、材料粒度の調整や、圧縮成形条件、並びに加熱焼結
条件の均一化によって、Bi添加量が2%未満であって
も0.5%以上であれば実用上の効果を奏し得ることが
判明した。Biは高価な材料(本発明の出願時において
1キログラム当たり約¥3,500)であるから、その
使用量を減少させると製造コストの低減に有効である。
また、低融点金属であるBiを減ずることにより、母材
の耐熱性が増し、耐アーク性(集電容量)が向上する効
果も判明した。例えば、電車の走行速度を上げたり、パ
ンタグラフ通電量を上げたりすることに適応し得る。
発明である特開2001−107161号に係る集電摺
動用銅系耐摩焼結合金を更に改良して、高価な材料であ
るBiの使用量を節減して、しかも該最新公知発明に匹
敵する耐摩耗性および、これを上回る耐アーク性を有
し、かつ、架線の損耗を軽減させるすり板を製造するこ
とができる。請求項2の発明に係る集電摺動用銅系耐摩
焼結合金は、前記請求項1の発明方法によって低コスト
で製造され、優れた耐摩耗性を有し、かつ摺動相手部材
である架線の損耗を軽減することができるので、高速電
車用のすり板として好適である。
Claims (2)
- 【請求項1】 耐摩耗、耐アーク成分として単体Cr3
〜20重量%、 潤滑成分として黒鉛あるいは金属硫化物(MoS2,W
S2)のいずれか一種ないし複数種2〜8重量%、 潤滑強化成分としてBi0.5重量%以上2重量%未
満、 焼結素地成分としてP1重量%以下、Sn4〜13重量
%、残部Cu、 からなる粉末原料を混合後、圧縮成形し、これを非酸化
性雰囲気中あるいは還元性雰囲気中で加熱して焼結体を
得ることを特徴とする集電摺動用銅系耐摩焼結合金の製
造方法。 - 【請求項2】 3重量%以上20重量%以下の単体Cr
と、 2重量%以上8重量%以下の黒鉛あるいは金属硫化物
(MoS2,WS2)の何れか1種類ないし複数種類
と、 0.5重量%以上2重量%未満のBiと、 1重量%以下のPと、 4重量%以上13重量%以下のSnと、を含有し、残部
がCuである焼結体から成ることを特徴とする、集電摺
動用銅系耐摩焼結合金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001323381A JP2003129150A (ja) | 2001-10-22 | 2001-10-22 | 集電摺動用銅系耐摩焼結合金およびその製造方法 |
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JP2001323381A JP2003129150A (ja) | 2001-10-22 | 2001-10-22 | 集電摺動用銅系耐摩焼結合金およびその製造方法 |
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ID=19140276
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2001323381A Pending JP2003129150A (ja) | 2001-10-22 | 2001-10-22 | 集電摺動用銅系耐摩焼結合金およびその製造方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2003129150A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005179692A (ja) * | 2003-12-16 | 2005-07-07 | Taiho Kogyo Co Ltd | 銅合金焼結摺動材料 |
CN105745044A (zh) * | 2013-10-07 | 2016-07-06 | 惠而浦股份有限公司 | 通过粉末冶金法获得密实部件的方法 |
CN109437953A (zh) * | 2018-12-13 | 2019-03-08 | 上海康碳复合材料科技有限公司 | 一种制备高速列车用碳/碳复合材料受电弓滑块的工艺方法 |
-
2001
- 2001-10-22 JP JP2001323381A patent/JP2003129150A/ja active Pending
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