JPH06279908A - 高速電気車の集電装置用w基焼結合金製すり板材 - Google Patents
高速電気車の集電装置用w基焼結合金製すり板材Info
- Publication number
- JPH06279908A JPH06279908A JP9362793A JP9362793A JPH06279908A JP H06279908 A JPH06279908 A JP H06279908A JP 9362793 A JP9362793 A JP 9362793A JP 9362793 A JP9362793 A JP 9362793A JP H06279908 A JPH06279908 A JP H06279908A
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- JP
- Japan
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- based sintered
- sintered alloy
- current collector
- electric vehicle
- speed electric
- Prior art date
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- Pending
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- Current-Collector Devices For Electrically Propelled Vehicles (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 高速電気車の集電装置に用いた場合に相手材
であるトロリ線の損傷少なく、すぐれた耐摩耗性を発揮
するW基焼結合金製すり板材を提供する。 【構成】 高速電気車の集電装置用すり板材を、重量%
で、Co:3〜20%を含有し、さらに必要に応じてN
iおよびFeのいずれか、または両方:0.5〜10%
を含有し、残りがWと不可避不純物からなる組成を有す
るW基焼結合金で構成する。
であるトロリ線の損傷少なく、すぐれた耐摩耗性を発揮
するW基焼結合金製すり板材を提供する。 【構成】 高速電気車の集電装置用すり板材を、重量%
で、Co:3〜20%を含有し、さらに必要に応じてN
iおよびFeのいずれか、または両方:0.5〜10%
を含有し、残りがWと不可避不純物からなる組成を有す
るW基焼結合金で構成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、特に高速で走行する
電気車の例えばパンタグラフなどの集電装置に用いた場
合にすぐれた耐摩耗性を示すW基焼結合金製すり板材に
関するものである。
電気車の例えばパンタグラフなどの集電装置に用いた場
合にすぐれた耐摩耗性を示すW基焼結合金製すり板材に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より今日に至るまで長期に亘って、
電気車の集電装置用すり板材として、各種のFe基焼結
合金製のものが主流を占めていることは良く知られると
ころである。
電気車の集電装置用すり板材として、各種のFe基焼結
合金製のものが主流を占めていることは良く知られると
ころである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年、電気車は
増々高速化の傾向にあり、今や時速:270kmでの営業
運転は現実のものとなり、時速:300km以上の超高速
での営業運転も計画されているが、上記の従来Fe基焼
結合金製すり板材においては、これらの超高速走行に用
いた場合、いずれも摩耗進行が著しく速いのが現状であ
る。
増々高速化の傾向にあり、今や時速:270kmでの営業
運転は現実のものとなり、時速:300km以上の超高速
での営業運転も計画されているが、上記の従来Fe基焼
結合金製すり板材においては、これらの超高速走行に用
いた場合、いずれも摩耗進行が著しく速いのが現状であ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上述のような観点から、電気車の超高速走行にもすぐれ
た耐摩耗性を発揮する集電装置用すり板材を開発すべく
研究を行なった結果、集電装置用すり板材を、重量%で
(以下、%は重量%を示す)、Co:3〜20%、を含
有し、さらに必要に応じて、NiおよびFeのいずれ
か、または両方:0.5〜10%、を含有し、残りがW
と不可避不純物からなる組成を有するW基焼結合金で構
成すると、この結果のW基焼結合金製すり板材は、これ
を構成するW基焼結合金の主成分であるWによってすぐ
れた耐熱性、耐酸化性、および耐アーク性、さらに自己
潤滑性が確保され、かつ結合相を形成するCoによって
高温強度が確保され、また必要に応じて含有されるNi
およびFeによって常温強度が向上するようになること
から、通常の高速走行は勿論のこと、時速:250km以
上の超高速走行においても、すぐれた耐摩耗性を発揮す
るという研究結果を得たのである。
上述のような観点から、電気車の超高速走行にもすぐれ
た耐摩耗性を発揮する集電装置用すり板材を開発すべく
研究を行なった結果、集電装置用すり板材を、重量%で
(以下、%は重量%を示す)、Co:3〜20%、を含
有し、さらに必要に応じて、NiおよびFeのいずれ
か、または両方:0.5〜10%、を含有し、残りがW
と不可避不純物からなる組成を有するW基焼結合金で構
成すると、この結果のW基焼結合金製すり板材は、これ
を構成するW基焼結合金の主成分であるWによってすぐ
れた耐熱性、耐酸化性、および耐アーク性、さらに自己
潤滑性が確保され、かつ結合相を形成するCoによって
高温強度が確保され、また必要に応じて含有されるNi
およびFeによって常温強度が向上するようになること
から、通常の高速走行は勿論のこと、時速:250km以
上の超高速走行においても、すぐれた耐摩耗性を発揮す
るという研究結果を得たのである。
【0005】この発明は、上記の研究結果にもとづいて
なされたものであって、Co:3〜20%、を含有し、
さらに必要に応じて、NiおよびFeのいずれか、また
は両方:0.5〜10%、を含有し、残りがWと不可避
不純物からなる組成を有するW基焼結合金で構成してな
る高速電気車の集電装置用すり板材に特徴を有するもの
である。
なされたものであって、Co:3〜20%、を含有し、
さらに必要に応じて、NiおよびFeのいずれか、また
は両方:0.5〜10%、を含有し、残りがWと不可避
不純物からなる組成を有するW基焼結合金で構成してな
る高速電気車の集電装置用すり板材に特徴を有するもの
である。
【0006】つぎに、この発明の集電装置用すり板材に
おいて、これを構成するW基焼結合金の成分組成を上記
の通りに限定した理由を説明する。 (a) Co Co成分には、すり板材の高温強度を向上させる作用が
あるが、その含有量が3%未満では所望の強度を確保す
ることができず、一方その含有量が20%を越えると、
相対的にW含有量が低くなって、W成分によってもたら
される上記の特性が低下するようになることから、その
含有量を3〜20%と定めた。
おいて、これを構成するW基焼結合金の成分組成を上記
の通りに限定した理由を説明する。 (a) Co Co成分には、すり板材の高温強度を向上させる作用が
あるが、その含有量が3%未満では所望の強度を確保す
ることができず、一方その含有量が20%を越えると、
相対的にW含有量が低くなって、W成分によってもたら
される上記の特性が低下するようになることから、その
含有量を3〜20%と定めた。
【0007】(b) NiおよびFe これらの成分には、いずれも常温強度を向上させる作用
があるので、必要に応じて含有されるが、その含有量が
0.5%未満では所望の常温強度向上効果が得られず、
一方その含有量が10%を越えると、相対的にW含有量
が低くなってWによってもたらされる上記の特性が損な
われるようになることから、その含有量を0.5〜10
%と定めた。
があるので、必要に応じて含有されるが、その含有量が
0.5%未満では所望の常温強度向上効果が得られず、
一方その含有量が10%を越えると、相対的にW含有量
が低くなってWによってもたらされる上記の特性が損な
われるようになることから、その含有量を0.5〜10
%と定めた。
【0008】
【実施例】つぎに、この発明の集電装置用すり板材を実
施例により具体的に説明する。原料粉末として、いずれ
も−100メッシュ以下の粒度を有するW粉末、Co粉
末、Ni粉末およびFe粉末を用意し、これら原料粉末
を表1に示される配合組成に配合し、V型ミキサにて2
時間混合した後、2ton /cm2 の圧力で圧粉体にプレス
成形し、この圧粉体を水素雰囲気中、1460〜150
0℃の温度に2時間保持の条件で焼結することにより実
質的に配合組成と同じ成分組成を有するW基焼結合金で
構成され、かついずれも幅:25mm×長さ:80mm×厚
さ:10mmの寸法をもった本発明W基焼結合金製すり板
材1〜15をそれぞれ製造した。
施例により具体的に説明する。原料粉末として、いずれ
も−100メッシュ以下の粒度を有するW粉末、Co粉
末、Ni粉末およびFe粉末を用意し、これら原料粉末
を表1に示される配合組成に配合し、V型ミキサにて2
時間混合した後、2ton /cm2 の圧力で圧粉体にプレス
成形し、この圧粉体を水素雰囲気中、1460〜150
0℃の温度に2時間保持の条件で焼結することにより実
質的に配合組成と同じ成分組成を有するW基焼結合金で
構成され、かついずれも幅:25mm×長さ:80mm×厚
さ:10mmの寸法をもった本発明W基焼結合金製すり板
材1〜15をそれぞれ製造した。
【0009】また、比較の目的で、原料粉末として、い
ずれも−100メッシュ以下の粒度を有するFe−Mo
合金(Mo:60%含有)粉末、Ni粉末、Cu粉末、
および鉄粉、さらにカーボンブラックを用い、これら原
料粉末を、Fe−Mo合金:6%、Ni:1%、Cu:
1%、C:0.1%、Fe:残りからなる配合組成に配
合し、V型ミキサで2時間混合した後、6ton /cm2 の
圧力で圧粉体にプレス成形し、この圧粉体をアンモニア
分解ガス雰囲気中、1130℃に1時間保持の条件で焼
結することにより実質的に配合組成と同じ成分組成、並
びにFe基合金素地に硬質Fe−Mo合金粒子が均一に
分散分布した組織を有するFe基焼結合金で構成され、
かつ幅:25mm×長さ:80mm×厚さ:10mmの同じ寸
法をもった従来Fe基焼結合金製すり板材を製造した。
なお、上記従来Fe基焼結合金製すり板材は、電気車の
パンタグラフすり板材として現在広く実用に供されてい
るすり板材のうちの代表的なものである。
ずれも−100メッシュ以下の粒度を有するFe−Mo
合金(Mo:60%含有)粉末、Ni粉末、Cu粉末、
および鉄粉、さらにカーボンブラックを用い、これら原
料粉末を、Fe−Mo合金:6%、Ni:1%、Cu:
1%、C:0.1%、Fe:残りからなる配合組成に配
合し、V型ミキサで2時間混合した後、6ton /cm2 の
圧力で圧粉体にプレス成形し、この圧粉体をアンモニア
分解ガス雰囲気中、1130℃に1時間保持の条件で焼
結することにより実質的に配合組成と同じ成分組成、並
びにFe基合金素地に硬質Fe−Mo合金粒子が均一に
分散分布した組織を有するFe基焼結合金で構成され、
かつ幅:25mm×長さ:80mm×厚さ:10mmの同じ寸
法をもった従来Fe基焼結合金製すり板材を製造した。
なお、上記従来Fe基焼結合金製すり板材は、電気車の
パンタグラフすり板材として現在広く実用に供されてい
るすり板材のうちの代表的なものである。
【0010】
【表1】
【0011】ついで、これらの各種すり板材について加
速摩耗試験を行なった。加速摩耗試験は、モータの水平
回転軸に中心を固定することにより直立支持された外
径:2.2mの円板の片側面に、模擬トロリ線として外
径:2m×高さ:15mm×幅:5mmの硬銅リング(JI
S・C1100・BB−H)を50mm偏心して取り付け
た装置を用い、上記硬銅リングに、直径線上の両側です
り板材を7kgの押付力で、長さ:80mm×幅:25mmの
寸法面を面接触させ、上記模擬トロリ線とすり板材間に
100Aの電流を流しながら、上記円板の回転を5分で
300km/hrの回転速度に上げ、この速度に5分間保持
した後、5分かけて停止を1サイクルとし、これを3回
繰り返すことにより行ない、すり板材の比摩耗量および
相手材である模擬トロリ線の摩耗深さを測定した。これ
らの測定結果を、模擬トロリ線:5000回転当りの値
に換算し、かつ2本のすり板材の平均値として表1に合
せて示した。
速摩耗試験を行なった。加速摩耗試験は、モータの水平
回転軸に中心を固定することにより直立支持された外
径:2.2mの円板の片側面に、模擬トロリ線として外
径:2m×高さ:15mm×幅:5mmの硬銅リング(JI
S・C1100・BB−H)を50mm偏心して取り付け
た装置を用い、上記硬銅リングに、直径線上の両側です
り板材を7kgの押付力で、長さ:80mm×幅:25mmの
寸法面を面接触させ、上記模擬トロリ線とすり板材間に
100Aの電流を流しながら、上記円板の回転を5分で
300km/hrの回転速度に上げ、この速度に5分間保持
した後、5分かけて停止を1サイクルとし、これを3回
繰り返すことにより行ない、すり板材の比摩耗量および
相手材である模擬トロリ線の摩耗深さを測定した。これ
らの測定結果を、模擬トロリ線:5000回転当りの値
に換算し、かつ2本のすり板材の平均値として表1に合
せて示した。
【0012】
【発明の効果】表1に示される結果から、本発明W基焼
結合金製すり板材1〜15は、いずれも超高速走行で従
来Fe基焼結合金製すり板材に比して相対的に低い相手
攻撃性で、これより一段とすぐれた耐摩耗性を示すこと
が明らかである。上述のように、この発明の集電装置用
W基焼結合金製すり板材は、通常走行は勿論のこと、特
に時速:250km以上の超高速走行の電気車に用いた場
合にもすぐれた耐摩耗性を発揮し、十分満足に対応でき
るものである。
結合金製すり板材1〜15は、いずれも超高速走行で従
来Fe基焼結合金製すり板材に比して相対的に低い相手
攻撃性で、これより一段とすぐれた耐摩耗性を示すこと
が明らかである。上述のように、この発明の集電装置用
W基焼結合金製すり板材は、通常走行は勿論のこと、特
に時速:250km以上の超高速走行の電気車に用いた場
合にもすぐれた耐摩耗性を発揮し、十分満足に対応でき
るものである。
Claims (2)
- 【請求項1】 重量%で、 Co:3〜20%、を含有し、残りがWと不可避不純物
からなる組成を有するW基焼結合金で構成したことを特
徴とする高速電気車の集電装置用W基焼結合金製すり板
材。 - 【請求項2】 重量%で、 Co:3〜20%、を含有し、さらに、 NiおよびFeのいずれか、または両方:0.5〜10
%、を含有し、残りがWと不可避不純物からなる組成を
有するW基焼結合金で構成したことを特徴とする高速電
気車の集電装置用W基焼結合金製すり板材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9362793A JPH06279908A (ja) | 1993-03-29 | 1993-03-29 | 高速電気車の集電装置用w基焼結合金製すり板材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9362793A JPH06279908A (ja) | 1993-03-29 | 1993-03-29 | 高速電気車の集電装置用w基焼結合金製すり板材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06279908A true JPH06279908A (ja) | 1994-10-04 |
Family
ID=14087572
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9362793A Pending JPH06279908A (ja) | 1993-03-29 | 1993-03-29 | 高速電気車の集電装置用w基焼結合金製すり板材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06279908A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100255356B1 (ko) * | 1997-08-12 | 2000-05-01 | 최동환 | 텅스텐기 소결합금의 열처리방법 |
-
1993
- 1993-03-29 JP JP9362793A patent/JPH06279908A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100255356B1 (ko) * | 1997-08-12 | 2000-05-01 | 최동환 | 텅스텐기 소결합금의 열처리방법 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20010508 |