JP3225642B2 - 耐摩耗性のすぐれた鉛含浸Fe基焼結合金製電気車のパンタグラフすり板材 - Google Patents

耐摩耗性のすぐれた鉛含浸Fe基焼結合金製電気車のパンタグラフすり板材

Info

Publication number
JP3225642B2
JP3225642B2 JP31137992A JP31137992A JP3225642B2 JP 3225642 B2 JP3225642 B2 JP 3225642B2 JP 31137992 A JP31137992 A JP 31137992A JP 31137992 A JP31137992 A JP 31137992A JP 3225642 B2 JP3225642 B2 JP 3225642B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
based sintered
sintered alloy
wear resistance
excellent wear
alloy
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP31137992A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07166306A (ja
Inventor
守彦 佐野
仁 西野
勝 岩瀬
正美 森
利雄 寺岡
俊三 岩橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NIPPON INSTITUTE OF TECHNOLOGY
Mitsubishi Materials Corp
West Japan Railway Co
Central Japan Railway Co
Original Assignee
NIPPON INSTITUTE OF TECHNOLOGY
Mitsubishi Materials Corp
West Japan Railway Co
Central Japan Railway Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NIPPON INSTITUTE OF TECHNOLOGY, Mitsubishi Materials Corp, West Japan Railway Co, Central Japan Railway Co filed Critical NIPPON INSTITUTE OF TECHNOLOGY
Priority to JP31137992A priority Critical patent/JP3225642B2/ja
Publication of JPH07166306A publication Critical patent/JPH07166306A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3225642B2 publication Critical patent/JP3225642B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Powder Metallurgy (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、特に高速で走行する
電気車に用いた場合にすぐれた耐摩耗性を発揮する鉛含
浸Fe基焼結合金製パンタグラフすり板材に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば特開昭62−50445号
公報に記載される通り、電気車のパンタグラフすり板材
の製造に、いずれも全体に占める割合で、分散相形成成
分とて、 Mo:0.1〜8%, Fe−Mo合金:1〜15%、 を含有し、さらに必要に応じて、 Cr:1〜15%、 を含有し、素地形成成分として、 Cu:0.1〜5%, Ni:0.1〜5%, C:0.02〜0.5%、 を含有し、残りがFeと不可避不純物からなる組成[以
上重量%(質量%に同じ)、以下%は重量%(質量%)
を示す]、並びに、5〜30%の気孔率、を有するFe
基焼結合金に、PbまたはPb合金を含浸してなる鉛含
浸Fe基焼結合金をはじめ、その他多くの材料が用いら
れていることは良く知られるところである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、電気車の高速化
はめざましく、これに伴ない、パンタグラフすり板材に
もより一層の耐摩耗性が要求されるが、上記の従来鉛含
浸Fe基焼結合金製電気車のパンタグラフすり板材にお
いては、例えば電気車の速度が250km/hrを越える
と、急速に摩耗が進行し、比較的短時間で使用寿命に至
るのが現状である。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上述のような観点から、電気車の高速走行にもすぐれた
耐摩耗性を発揮するパンタグラフすり板を開発すべく研
究を行なった結果、電気車のパンタグラフすり板材を、
いずれも全体に占める割合で、硬質のFeとMoとSi
とCrの金属間化合物(以下、Fe−Mo−Si−Cr
金属間化合物で示す)、または前記Fe−Mo−Si−
Cr金属間化合物およびFeとMoとSiの金属間化合
物(以下、Fe−Mo−Si金属間化合物で示す):5
〜30%、を含有し、さらに素地形成成分として、 Cu:7〜40%と、 Sn:0.05〜4%, Ni:0.1〜5%、 のうちの1種または2種、を含有し、残りがFeと不可
避不純物からなる組成、並びに、5〜15%の気孔率、
を有するFe基焼結合金に、PbまたはPb合金を含浸
してなる鉛含浸Fe基焼結合金で構成すると、この結果
の鉛含浸Fe基焼結合金製電気車のパンタグラフすり板
材は、特に上記Fe基焼結合金を構成するFe−Mo−
Si−Cr金属間化合物、または前記Fe−Mo−Si
−Cr金属間化合物とFe−Mo−Si金属間化合物の
作用で、高速走行でも相手材であるトロリ線を損傷する
ことなく、すぐれた耐摩耗性を示すようになるという研
究結果を得たのである。
【0005】したがって、この発明は、上記研究結果に
もとづいてなされたものであって、以下にパンタグラフ
すり板材を構成するFe基焼結合金の成分組成および気
孔率を上記の通りに限定した理由を説明する。
【0006】A. 成分組成 (a) 金属間化合物 これらの成分はいずれもビッカース硬さ(Hv)で80
0〜1300(Fe−Mo−Si−Cr金属間化合物は
Hv:1000〜1300、Fe−Mo−Si金属間化
合物はHv:800〜1100)の高硬度を有し、すり
板材の摺動面直下の表面部にあっては、摺動に伴なう素
地の塑性変形を抑制し、またすり板材の摺動面に露出し
た状態では、これの結晶形が六方晶であるのに対して、
相手材であるトロリ線を構成する銅材の結晶形が立方晶
であることから、相互凝着性およびアブレイシブ性(砥
粒性)が小さく、さらに実用時に潤滑性のある酸化被膜
が形成されることと合まって、相手攻撃性の小さい状態
で、特に高速走行下でのすり板材の耐摩耗性を著しく向
上させる作用をもつが、その含有量が5%未満では前記
作用に所望の効果が得られず、一方その含有量が30%
を越えると強度が低下するようになることから、その含
有量を5〜30%と定めた。
【0007】(b) Cu Cu成分には、一部がFeに固溶して、これを強化し、
かつこのFeと共に強固な素地を形成するほか、電気伝
導性および耐アーク性を向上させる作用があるが、その
含有量が7%未満では前記作用に所望の効果が得られ
ず、一方その含有量が40%を越えると、相手材である
Cu製トロリ線との凝着性が増大し、耐摩耗性低下の原
因となることから、その含有量を7〜40%と定めた。
【0008】(c) SnおよびNi これらの成分には、素地を形成するCuに固溶し、さら
にNiは同じく素地を形成するFeに固溶して、これを
強化する作用があるが、その含有量が、それぞれSn:
0.05%未満およびNi:0.1%未満では前記作用
に所望の効果が得られず、一方その含有量がSn:4
%,Ni:5%を越えると、FeおよびCuへの固溶割
合が多くなりすぎて脆化するようになることから、その
含有量をSn:0.05〜4%,Ni:0.1〜5%と
定めた。
【0009】B. 気孔率 その割合が5%未満では、Fe基焼結合金に含浸される
PbまたはPb合金の割合が少なすぎて、このPbおよ
びPb合金によってもたらされるすぐれた潤滑性を確保
することができず、一方その割合が15%を越えると、
Fe基焼結合金の強度、すなわちすり板材の強度が低下
するばかりでなく、耐アーク性も低下するようになって
摩耗が急激に進行するようになることから、その割合を
5〜15%と定めた。
【0010】
【実施例】つぎに、この発明のパンタグラフすり板材を
実施例により具体的に説明する。原料粉末として、粒
度:−80メッシュのアトマイズ鉄粉、同−100メッ
シュの電解銅粉、Sn:10%含有の粒度:−100メ
ッシュのアトマイズ青銅粉、平均粒径:1.5μmのカ
ーボニルNi粉、粒度:−30メッシュのFe−Mo−
Si金属間化合物(Fe−40%Mo−10%Si)お
よびFe−Mo−Si−Cr金属間化合物(Fe−40
%Mo−10%Si−2%Cr)のアトマイズ粉、を用
意し、これら原料粉末を表1に示される配合組成に配合
し、混合した後、3〜6ton/cm2 (300〜600MP
a)の範囲の所定の圧力で圧粉体にプレス成形し、この
圧粉体をアンモニア分解ガス雰囲気中、900〜105
0℃の範囲内の所定の温度に60分間保持の条件で焼結
して、実質的に配合組成と同じ組成、並びに同じく表1
に示される気孔率をもったFe基焼結合金を製造し、つ
いでこれらのFe基焼結合金に純鉛(表1の気孔率の
欄:無印)またはPb−30%Snの組成をもったPb
合金(同*印)を含浸することにより幅:25mm×長
さ:80mm×厚さ:10mmの寸法をもった本発明鉛含浸
Fe基焼結合金製電気車のパンタグラフすり板材(以下
本発明すり板という)1〜8を製造した。
【0011】さらに、原料粉末として、上記のアトマイ
ズ鉄粉、電解銅粉、およびカーボニルNi粉のほかに、
粒度:−30メッシュの粉砕Fe−Mo合金粉(Mo:
60%含有)および平均粒径:3μmの還元Mo粉、さ
らに平均粒径:1μmの炭素粉末を用い、これら原料粉
末を同じく表1に示される配合組成、すなわちFe−3
%Mo−6%(Fe−Mo合金)−1.5%Ni−1%
Cu−0.1%Cに配合する以外は同一の条件で、上記
の特開昭62−50445号公報に記載される材料に相
当する組成をもった従来鉛含浸Fe基焼結材料製電気車
のパンタグラフすり板材(以下従来すり板材という)を
それぞれ製造した。
【0012】
【表1】
【0013】ついで、これらの各種すり板材に対して加
速摩耗試験を行なった。加速摩耗試験は、モータの水平
回転軸に中心を固定することにより直立支持された外
径:2.2mの円板の片側面に、模擬トロリ線として外
径:2m×高さ:15mm×幅:5mmの硬銅リング(JI
S・C1100・BB−H)を50mm偏心して取り付け
た装置を用い、上記硬銅リングに、直径線上の2個所で
すり板材を4kgの押付力で長さ:80mm×幅:25mmの
寸法面を面接触させ、上記模擬トロリ線とすり板間に1
00Aの電流を流しながら、上記円板の回転を5.5分
で260km/hrの回転速度に上げ、この速度に5.5分
間保持した後、5.5分かけて停止を1サイクルとし、
これを4回繰り返すことにより行ない、すり板材の比摩
耗量および相手材である模擬トロリ線の摩耗深さを測定
した。これらの測定結果を、模擬トロリ線5000回転
当りの値に換算し、かつ2本のすり板材の平均値として
同じく表1に示した。
【0014】
【発明の効果】表1に示される結果から、本発明すり板
材1〜8は、いずれも従来すり板材と同等の低い相手攻
撃性を示した状態で、これより一段とすぐれた耐摩耗性
を示すことが明らかである。上述のように、この発明の
パンタグラフすり板材は、通常走行は勿論のこと、特に
高速走行の電気車に用いた場合にもすぐれた耐摩耗性を
発揮し、使用寿命の一段の延命化を可能とするものであ
る。
フロントページの続き (72)発明者 佐野 守彦 愛知県名古屋市中村区名駅一丁目1番4 号 東海旅客鉄道株式会社内 (72)発明者 西野 仁 大阪府大阪市北区芝田二丁目4番24号 (72)発明者 岩瀬 勝 埼玉県南埼玉郡宮代町学園台4−1 日 本工業大学内 (72)発明者 森 正美 埼玉県南埼玉郡宮代町学園台4−1 日 本工業大学内 (72)発明者 寺岡 利雄 新潟県新潟市小金町3−1 三菱マテリ アル株式会社 新潟製作所内 (72)発明者 岩橋 俊三 新潟県新潟市小金町3−1 三菱マテリ アル株式会社 新潟製作所内 (56)参考文献 特開 平4−17646(JP,A) 特開 昭62−50445(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 - 38/60 B22F 3/26 C22C 33/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 いずれも全体に占める重量割合(質量割
    合)で、 硬質のFeとMoとSiとCrの金属間化合物、または
    前記FeとMoとSiとCrの金属間化合物およびFe
    とMoとSiの金属間化合物:5〜30%、 を含有し、さらに素地形成成分として、 Cu:7〜40%と、 Sn:0.05〜4%, Ni:0.1〜5%、 のうちの1種または2種、 を含有し、残りがFeと不可避不純物からなる組成、 並びに5〜15%の気孔率、 を有するFe基焼結合金に、PbまたはPb合金を含浸
    してなる鉛含浸Fe基焼結合金で構成したことを特徴と
    する耐摩耗性のすぐれた鉛含浸Fe基焼結合金製電気車
    のパンタグラフすり板材。
JP31137992A 1992-10-27 1992-10-27 耐摩耗性のすぐれた鉛含浸Fe基焼結合金製電気車のパンタグラフすり板材 Expired - Fee Related JP3225642B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31137992A JP3225642B2 (ja) 1992-10-27 1992-10-27 耐摩耗性のすぐれた鉛含浸Fe基焼結合金製電気車のパンタグラフすり板材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31137992A JP3225642B2 (ja) 1992-10-27 1992-10-27 耐摩耗性のすぐれた鉛含浸Fe基焼結合金製電気車のパンタグラフすり板材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07166306A JPH07166306A (ja) 1995-06-27
JP3225642B2 true JP3225642B2 (ja) 2001-11-05

Family

ID=18016472

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31137992A Expired - Fee Related JP3225642B2 (ja) 1992-10-27 1992-10-27 耐摩耗性のすぐれた鉛含浸Fe基焼結合金製電気車のパンタグラフすり板材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3225642B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110042317B (zh) * 2019-03-29 2021-07-16 湖北汽车工业学院 一种高耐磨Fe-Cu基粉末冶金复合材料及制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07166306A (ja) 1995-06-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3225642B2 (ja) 耐摩耗性のすぐれた鉛含浸Fe基焼結合金製電気車のパンタグラフすり板材
JP2853564B2 (ja) 耐摩耗性のすぐれた鉛含浸Fe基焼結合金製集電用パンタグラフすり板材
JP3111740B2 (ja) 高速電気車用鉛含浸Fe基焼結合金製パンタグラフすり板材
JP3111739B2 (ja) 高速電気車用鉛含浸Fe基焼結合金製パンタグラフすり板材
JPH07170604A (ja) 耐摩耗性のすぐれた鉛含浸Cu基焼結合金製電気車のパンタグラフすり板材
JPH07170605A (ja) 耐摩耗性のすぐれた鉛含浸Cu基焼結合金製電気車のパンタグラフすり板材
JP2853563B2 (ja) 耐摩耗性のすぐれた鉛含浸Fe基焼結合金製集電用パンタグラフすり板材
JPH06279907A (ja) 高速電気車の集電装置用w基焼結合金製すり板材
JPH06279908A (ja) 高速電気車の集電装置用w基焼結合金製すり板材
JPH07138615A (ja) 耐摩耗性のすぐれたPb含浸Fe基焼結合金製電気車のパンタグラフすり板材
JPH06212339A (ja) 高速電気車の集電装置用Mo基焼結合金製すり板材
JPH06287673A (ja) 高速電気車の集電装置用w基焼結合金製すり板材
JPH06207237A (ja) 高速電気車の集電装置用w基焼結合金製すり板材
JPH0820850A (ja) 耐摩耗性に優れた鉛含浸Fe基焼結合金製の集電用パンタグラフすり板材
JPH06279909A (ja) 高速電気車の集電装置用w基焼結合金製すり板材
JPH0874009A (ja) 耐摩耗性に優れた鉛含浸Fe基焼結合金製の集電用パンタグラフすり板材
JPH0522802A (ja) アーク発生の少ない電気車すり板材
JPH05230603A (ja) 耐摩耗性のすぐれたPb含浸Fe基焼結合金製電気車のパンタグラフすり板材
JPH0833108A (ja) 耐摩耗性および電気伝導性に優れた銅溶浸Fe基焼結合金製の集電用パンタグラフすり板材
JPH08246110A (ja) 耐摩耗性に優れた亜鉛含浸Fe−Cu系焼結合金製の集電用パンタグラフすり板材
JPH06108197A (ja) 耐摩耗性のすぐれた鉛含浸Fe基焼結合金製電気車のパンタグラフすり板材
JPH0833107A (ja) 耐摩耗性および電気伝導性に優れた銅溶浸Fe基焼結合金製の集電用パンタグラフすり板材
JPH08104958A (ja) 導電性にすぐれた耐摩耗性Fe基焼結合金製集電用パンタグラフすり板材
JPH08246111A (ja) 耐摩耗性に優れた亜鉛含浸Fe−Cu系焼結合金製の集電用パンタグラフすり板材
JPH0833110A (ja) 耐摩耗性および電気伝導性に優れた銅溶浸Fe基焼結合金製の集電用パンタグラフすり板材

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20010731

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees