JPH0874009A - 耐摩耗性に優れた鉛含浸Fe基焼結合金製の集電用パンタグラフすり板材 - Google Patents
耐摩耗性に優れた鉛含浸Fe基焼結合金製の集電用パンタグラフすり板材Info
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- JPH0874009A JPH0874009A JP19252195A JP19252195A JPH0874009A JP H0874009 A JPH0874009 A JP H0874009A JP 19252195 A JP19252195 A JP 19252195A JP 19252195 A JP19252195 A JP 19252195A JP H0874009 A JPH0874009 A JP H0874009A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 特に高速で耐摩耗性を発揮する電気車のパン
タグラフすり板材を提供する。 【構成】 FeとWの金属間化合物:5〜15重量%、
並びにFeとMoの金属間化合物およびFeとMoとS
iとCrの金属間化合物の1種または2種:3〜10重
量%を含有し、さらに必要に応じて、Cr:3〜7重量
%を含有し、さらに素地形成成分としてCu:30〜5
0重量%を含有し、さらに必要に応じて、Sn:2〜5
重量%およびP:0.01〜0.5重量%、またはS
n:2〜5重量%、P:0.01〜0.5重量%および
C:0.01〜0.5重量%を含有し、残りがFeおよ
び不可避不純物からなる組成を有する気孔率:5〜15
%のFe基焼結合金に、PbまたはPb合金を含浸して
なる鉛含浸Fe基焼結合金で構成されている鉛含浸Fe
基焼結合金製の集電用パンタグラフすり板材。
タグラフすり板材を提供する。 【構成】 FeとWの金属間化合物:5〜15重量%、
並びにFeとMoの金属間化合物およびFeとMoとS
iとCrの金属間化合物の1種または2種:3〜10重
量%を含有し、さらに必要に応じて、Cr:3〜7重量
%を含有し、さらに素地形成成分としてCu:30〜5
0重量%を含有し、さらに必要に応じて、Sn:2〜5
重量%およびP:0.01〜0.5重量%、またはS
n:2〜5重量%、P:0.01〜0.5重量%および
C:0.01〜0.5重量%を含有し、残りがFeおよ
び不可避不純物からなる組成を有する気孔率:5〜15
%のFe基焼結合金に、PbまたはPb合金を含浸して
なる鉛含浸Fe基焼結合金で構成されている鉛含浸Fe
基焼結合金製の集電用パンタグラフすり板材。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、高速で走行する電気
車に用いた場合に特に優れた耐摩耗性を発揮する鉛含浸
Fe基焼結合金製の集電用パンタグラフすり板材に関す
るものである。
車に用いた場合に特に優れた耐摩耗性を発揮する鉛含浸
Fe基焼結合金製の集電用パンタグラフすり板材に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来の電気車のパンタグラフすり板材
は、例えば、分散相形成成分として、Mo:0.1〜8
重量%、Fe−Mo合金:1〜15重量%を含有し、さ
らに必要に応じて、Cr:1〜15重量%を含有し、素
地形成成分として、Cu:0.1〜5重量%、Ni:
0.1〜5重量%、C:0.02〜0.5重量%を含有
し、残りがFeおよび不可避不純物からなる組成、並び
にPb含浸重量割合で5〜30%の気孔を有するFe基
焼結合金に、PbまたはPb合金を含浸してなる鉛含浸
Fe基焼結合金で構成されていた(特開昭62−504
45号公報参照)。
は、例えば、分散相形成成分として、Mo:0.1〜8
重量%、Fe−Mo合金:1〜15重量%を含有し、さ
らに必要に応じて、Cr:1〜15重量%を含有し、素
地形成成分として、Cu:0.1〜5重量%、Ni:
0.1〜5重量%、C:0.02〜0.5重量%を含有
し、残りがFeおよび不可避不純物からなる組成、並び
にPb含浸重量割合で5〜30%の気孔を有するFe基
焼結合金に、PbまたはPb合金を含浸してなる鉛含浸
Fe基焼結合金で構成されていた(特開昭62−504
45号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、近年、電気車
の高速化はめざましく、これに伴ない、パンタグラフす
り板材にも一層の耐摩耗性が要求されるが、前記従来の
鉛含浸Fe基焼結合金製の集電用パンタグラフすり板材
で作製したすり板は、電気車の速度が250km/hを
越えると、急速に摩耗が進行し、比較的短時間で使用寿
命に至るのが現状である。
の高速化はめざましく、これに伴ない、パンタグラフす
り板材にも一層の耐摩耗性が要求されるが、前記従来の
鉛含浸Fe基焼結合金製の集電用パンタグラフすり板材
で作製したすり板は、電気車の速度が250km/hを
越えると、急速に摩耗が進行し、比較的短時間で使用寿
命に至るのが現状である。
【0004】
【課題を解決する手段】そこで、本発明者等は、電気車
の高速走行にも優れた耐摩耗性を発揮するパンタグラフ
すり板材を得るべく鋭意研究を行った結果、パンタグラ
フすり板材を、FeとWの金属間化合物:5〜15重量
%およびCr:3〜7重量%、並びにFeとMoの金属
間化合物およびFeとMoとSiとCrの金属間化合物
の1種または2種:3〜10重量%を含有し、さらに素
地形成成分として、Cu:30〜50重量%を含有し、
さらに必要に応じて、、Sn:2〜5重量%およびP:
0.01〜0.5重量%、またはSn:2〜5重量%、
P:0.01〜0.5重量%およびC:0.01〜0.
5重量%を含有し、残りがFeおよび不可避不純物から
なる組成を有する気孔率:5〜15%のFe基焼結合金
に、PbまたはPb合金を含浸してなる鉛含浸Fe基焼
結合金で構成すると、従来よりも優れた耐摩耗性を有す
る電気車のパンタグラフすり板材を得ることができると
いう知見を得たのである。
の高速走行にも優れた耐摩耗性を発揮するパンタグラフ
すり板材を得るべく鋭意研究を行った結果、パンタグラ
フすり板材を、FeとWの金属間化合物:5〜15重量
%およびCr:3〜7重量%、並びにFeとMoの金属
間化合物およびFeとMoとSiとCrの金属間化合物
の1種または2種:3〜10重量%を含有し、さらに素
地形成成分として、Cu:30〜50重量%を含有し、
さらに必要に応じて、、Sn:2〜5重量%およびP:
0.01〜0.5重量%、またはSn:2〜5重量%、
P:0.01〜0.5重量%およびC:0.01〜0.
5重量%を含有し、残りがFeおよび不可避不純物から
なる組成を有する気孔率:5〜15%のFe基焼結合金
に、PbまたはPb合金を含浸してなる鉛含浸Fe基焼
結合金で構成すると、従来よりも優れた耐摩耗性を有す
る電気車のパンタグラフすり板材を得ることができると
いう知見を得たのである。
【0005】この発明は、かかる知見に基づいてなされ
たものであって、以下にパンタグラフすり板材を構成す
るFe基焼結合金の成分組成および気孔率を上記の通り
に限定した理由を説明する。
たものであって、以下にパンタグラフすり板材を構成す
るFe基焼結合金の成分組成および気孔率を上記の通り
に限定した理由を説明する。
【0006】A.成分組成 (a) 金属間化合物 FeとWの金属間化合物はビッカース硬さ(Hv)で5
00〜800の高硬度を有し、さらにFeとMoの金属
間化合物およびFeとMoとSiとCrの金属間化合物
はビッカース硬さ(Hv)で800〜1300の高硬度
を有し、これら金属間化合物はすり板材の摺動面直下の
表面部にあっては、摺動に伴う素地の塑性変形を抑制
し、またすり板材の摺動面に露出した状態では、これら
の結晶形系が六方晶であるに対し、相手材のトロリ線を
構成する結晶形が立方晶系であることから、相互凝着性
およびアブレイシブ性(砥粒性)が小さく、さらに実用
時に潤滑性のある酸化被膜が形成されることとあいまっ
て、相手攻撃性の小さい状態で、特に高速走行下での耐
摩耗性を著しく向上させる作用を持つを有するが、Fe
とWの金属間化合物の含有量が5重量%未満では前記作
用に所望の効果が得られず、一方、その含有量が15重
量%を越えると所定の強度が得られなくなることから、
その含有量は5〜15重量%に定めた。一層好ましい範
囲は7〜10重量%である。
00〜800の高硬度を有し、さらにFeとMoの金属
間化合物およびFeとMoとSiとCrの金属間化合物
はビッカース硬さ(Hv)で800〜1300の高硬度
を有し、これら金属間化合物はすり板材の摺動面直下の
表面部にあっては、摺動に伴う素地の塑性変形を抑制
し、またすり板材の摺動面に露出した状態では、これら
の結晶形系が六方晶であるに対し、相手材のトロリ線を
構成する結晶形が立方晶系であることから、相互凝着性
およびアブレイシブ性(砥粒性)が小さく、さらに実用
時に潤滑性のある酸化被膜が形成されることとあいまっ
て、相手攻撃性の小さい状態で、特に高速走行下での耐
摩耗性を著しく向上させる作用を持つを有するが、Fe
とWの金属間化合物の含有量が5重量%未満では前記作
用に所望の効果が得られず、一方、その含有量が15重
量%を越えると所定の強度が得られなくなることから、
その含有量は5〜15重量%に定めた。一層好ましい範
囲は7〜10重量%である。
【0007】さらに、FeとMoの金属間化合物および
FeとMoとSiとCrの金属間化合物のうち1種また
は2種を3重量%未満含有しても前記作用に所望の効果
が得られず、一方、その含有量が10重量%を越えると
所定の強度が得られなくなることから、FeとMoの金
属間化合物およびFeとMoとSiとCrの金属間化合
物のうち1種または2種の含有量は3〜10重量%に定
めた。一層好ましい範囲は、5〜8重量%である。
FeとMoとSiとCrの金属間化合物のうち1種また
は2種を3重量%未満含有しても前記作用に所望の効果
が得られず、一方、その含有量が10重量%を越えると
所定の強度が得られなくなることから、FeとMoの金
属間化合物およびFeとMoとSiとCrの金属間化合
物のうち1種または2種の含有量は3〜10重量%に定
めた。一層好ましい範囲は、5〜8重量%である。
【0008】(b) Cr Crはビッカース硬さ(Hv)で160〜230を有
し、さらにFeと強固に結合し、摺動面直下にあって
は、摺動による塑性変形を抑制し、摩耗を防止する作用
を有するが、その含有量が3重量%未満では前記作用に
所望の効果が得られず、一方、その含有量が7重量%を
越えると摺動面に露出した場合は相手材によるCu製ト
ロリ線に対して高いアブレイシブ性を示すので、その含
有量を3〜7重量%に定めた。一層好ましい範囲は4〜
6重量%である。
し、さらにFeと強固に結合し、摺動面直下にあって
は、摺動による塑性変形を抑制し、摩耗を防止する作用
を有するが、その含有量が3重量%未満では前記作用に
所望の効果が得られず、一方、その含有量が7重量%を
越えると摺動面に露出した場合は相手材によるCu製ト
ロリ線に対して高いアブレイシブ性を示すので、その含
有量を3〜7重量%に定めた。一層好ましい範囲は4〜
6重量%である。
【0009】(c) Cu Cu成分には、一部がFeに固溶して、これを強化し、
かつこのFeと共に強固な素地を形成するほか、電気伝
導性および耐アーク性を向上させる作用があるが、その
含有量が30重量%未満では前記作用に所望の効果が得
られず、一方、その含有量が50重量%を越えると、相
手材であるCu製トロリ線との凝着性が増大し、耐摩耗
性低下の原因となることから、その含有量は30〜50
重量%に定めた。一層好ましい範囲は、35〜45重量
%である。
かつこのFeと共に強固な素地を形成するほか、電気伝
導性および耐アーク性を向上させる作用があるが、その
含有量が30重量%未満では前記作用に所望の効果が得
られず、一方、その含有量が50重量%を越えると、相
手材であるCu製トロリ線との凝着性が増大し、耐摩耗
性低下の原因となることから、その含有量は30〜50
重量%に定めた。一層好ましい範囲は、35〜45重量
%である。
【0010】(d) Sn Sn成分には、素地を形成するCuに固溶して、これを
強化する作用があるが、その含有量が2重量%未満では
前記作用に所望の効果が得られず、一方、その含有量が
5重量%を越えると脆化するようになることから、その
含有量は2〜5重量%に定めた。一層好ましい範囲は3
〜4重量%である。
強化する作用があるが、その含有量が2重量%未満では
前記作用に所望の効果が得られず、一方、その含有量が
5重量%を越えると脆化するようになることから、その
含有量は2〜5重量%に定めた。一層好ましい範囲は3
〜4重量%である。
【0011】(e) P Pは、素地を形成するCuに固溶してこれを強化すると
ともに耐蝕性を向上させる作用があるので添加するが、
その含有量が0.01重量%未満では前記作用に所望の
効果が得られず、一方、その含有量が0.5重量%を越
えると脆化するようになり、さらに電気伝導性を著しく
劣化させることから、その含有量は0.01〜0.5重
量%に定めた。一層好ましい範囲は0.2〜0.3重量
%である。
ともに耐蝕性を向上させる作用があるので添加するが、
その含有量が0.01重量%未満では前記作用に所望の
効果が得られず、一方、その含有量が0.5重量%を越
えると脆化するようになり、さらに電気伝導性を著しく
劣化させることから、その含有量は0.01〜0.5重
量%に定めた。一層好ましい範囲は0.2〜0.3重量
%である。
【0012】(f) C Cは、Feに固溶して、素地を強化する作用があるので
添加するが、その含有量が0.01重量%未満では前記
作用に所望の効果が得られず、一方、その含有量が0.
5重量%を越えると、パーライト相が多量に形成されて
著しく硬くなり、相手材のトロリ線の摩耗を著しく促進
させるところから、その含有量を0.01〜0.5重量
%に定めた。一層好ましい範囲は0.1〜0.4重量%
である。
添加するが、その含有量が0.01重量%未満では前記
作用に所望の効果が得られず、一方、その含有量が0.
5重量%を越えると、パーライト相が多量に形成されて
著しく硬くなり、相手材のトロリ線の摩耗を著しく促進
させるところから、その含有量を0.01〜0.5重量
%に定めた。一層好ましい範囲は0.1〜0.4重量%
である。
【0013】B. 気孔率 その割合が5%未満では、Fe基焼結合金に含浸される
PbまたはPb合金の割合が少なすぎて、PbまたはP
b合金によってもたらされる優れた潤滑性を確保するこ
とができず、一方、その割合が15%を越えると、Fe
基焼結合金の強度、すなわち、すり板材の強度が低下す
るばかりでなく、耐アーク性も低下するようになって摩
耗が急激に進行するようになることから、その割合を5
〜15%と定めた。この気孔率の一層好ましい範囲は、
7〜10%である。
PbまたはPb合金の割合が少なすぎて、PbまたはP
b合金によってもたらされる優れた潤滑性を確保するこ
とができず、一方、その割合が15%を越えると、Fe
基焼結合金の強度、すなわち、すり板材の強度が低下す
るばかりでなく、耐アーク性も低下するようになって摩
耗が急激に進行するようになることから、その割合を5
〜15%と定めた。この気孔率の一層好ましい範囲は、
7〜10%である。
【0014】
【実施例】原料粉末として、粒度:−80メッシュのア
トマイズ鉄粉、粒度:−100メッシュの電気銅粉、S
n:10重量%含有の粒度:−100メッシュのアトマ
イズ青銅粉、粒度:−60〜+200メッシュのFe−
W(Fe−75重量%W)金属間化合物粉、粒度:−3
0〜+200メッシュのFe−Mo(Fe−64重量%
Mo)金属間化合物粉、粒度:−30〜+200メッシ
ュのFe−Mo−Si−Cr(Fe−40重量%Mo−
10重量%Si−3重量%Cr)金属間化合物粉、粒
度:−60〜+200メッシュのCr粉末、粒度:−3
50メッシュのC粉末、および粒度:−100メッシュ
でP:8重量%含有の銅燐粉を用意し、これら原料粉末
を表1に示される成分組成となるように配合し、ダブル
コーンミキサーを用い、0.5時間混合した後、300
〜600MPaの範囲内の所定の圧力で圧粉体にプレス
成形し、この圧粉体をアンモニア分解ガス雰囲気中、温
度:1040〜1080℃、1時間保持の条件で焼結
し、表1に示される気孔率を持ったFe基焼結合金を製
造した。
トマイズ鉄粉、粒度:−100メッシュの電気銅粉、S
n:10重量%含有の粒度:−100メッシュのアトマ
イズ青銅粉、粒度:−60〜+200メッシュのFe−
W(Fe−75重量%W)金属間化合物粉、粒度:−3
0〜+200メッシュのFe−Mo(Fe−64重量%
Mo)金属間化合物粉、粒度:−30〜+200メッシ
ュのFe−Mo−Si−Cr(Fe−40重量%Mo−
10重量%Si−3重量%Cr)金属間化合物粉、粒
度:−60〜+200メッシュのCr粉末、粒度:−3
50メッシュのC粉末、および粒度:−100メッシュ
でP:8重量%含有の銅燐粉を用意し、これら原料粉末
を表1に示される成分組成となるように配合し、ダブル
コーンミキサーを用い、0.5時間混合した後、300
〜600MPaの範囲内の所定の圧力で圧粉体にプレス
成形し、この圧粉体をアンモニア分解ガス雰囲気中、温
度:1040〜1080℃、1時間保持の条件で焼結
し、表1に示される気孔率を持ったFe基焼結合金を製
造した。
【0015】このFe基焼結合金に純PbまたはPb−
30重量%Snの組成のPb合金を含浸させることによ
り、幅:25mm、長さ:80mm、厚さ:10mmの
寸法を持った本発明鉛含浸Fe基焼結合金製の集電用パ
ンタグラフすり板材(以下、本発明すり板材という)1
〜13、および特開昭62−50445号公報記載の組
成を持った従来鉛含浸Fe基焼結合金製の集電用パンタ
グラフすり板材(以下、従来すり板材という)をそれぞ
れ製造した。
30重量%Snの組成のPb合金を含浸させることによ
り、幅:25mm、長さ:80mm、厚さ:10mmの
寸法を持った本発明鉛含浸Fe基焼結合金製の集電用パ
ンタグラフすり板材(以下、本発明すり板材という)1
〜13、および特開昭62−50445号公報記載の組
成を持った従来鉛含浸Fe基焼結合金製の集電用パンタ
グラフすり板材(以下、従来すり板材という)をそれぞ
れ製造した。
【0016】
【表1】
【0017】次に、これらすり板材について、加速摩耗
試験を行った。加速摩耗試験は、モータの水平回転軸に
中心を固定することにより直立支持させた外径2.2m
の円板の片側面に、模擬トロリ線として外径:2m、
幅:15mm、厚さ:5mmの寸法を持った硬銅リング
(JIS C1100 BB−H)を50mm偏心して
取り付けた装置を用い、前記硬銅リングに、直径線上の
2か所ですり板材を50Nの押付け力で長さ:80mm
×幅:25mmの寸法面を面接触させながら、前記模擬
トロリ線とすり板材の間に100V、100Aの直流電
流を流し、前記円板を5.5分で260km/hの回転
速度にあげ、この速度に5.5分間保持した後、5.5
分かけて停止させ、これを1サイクルとし、このサイク
ルを4回繰り返すことにより行い、すり板材の摩耗重量
および相手材である模擬トロリ線の摩耗深さを測定し
た。これらの測定結果からすり板材の比摩耗量および模
擬トロリ線の5000回転当たりの値に算出し、表2に
示した。
試験を行った。加速摩耗試験は、モータの水平回転軸に
中心を固定することにより直立支持させた外径2.2m
の円板の片側面に、模擬トロリ線として外径:2m、
幅:15mm、厚さ:5mmの寸法を持った硬銅リング
(JIS C1100 BB−H)を50mm偏心して
取り付けた装置を用い、前記硬銅リングに、直径線上の
2か所ですり板材を50Nの押付け力で長さ:80mm
×幅:25mmの寸法面を面接触させながら、前記模擬
トロリ線とすり板材の間に100V、100Aの直流電
流を流し、前記円板を5.5分で260km/hの回転
速度にあげ、この速度に5.5分間保持した後、5.5
分かけて停止させ、これを1サイクルとし、このサイク
ルを4回繰り返すことにより行い、すり板材の摩耗重量
および相手材である模擬トロリ線の摩耗深さを測定し
た。これらの測定結果からすり板材の比摩耗量および模
擬トロリ線の5000回転当たりの値に算出し、表2に
示した。
【0018】
【表2】
【0019】
【発明の効果】表1および表2に示される結果から、本
発明すり板材1〜13は、いずれも従来すり板材と同等
の低い相手攻撃性を示した状態で、これより一段と優れ
た耐摩耗性を示すことが明らかである。上述のように、
この発明の鉛含浸Fe基焼結合金製の集電用パンタグラ
フすり板材で作製したすり板は、通常の走行は勿論のこ
と、高速走行の電気車に用いた場合にも特に優れた耐摩
耗性を発揮し、使用寿命の一段の延命化を可能とするも
のである。
発明すり板材1〜13は、いずれも従来すり板材と同等
の低い相手攻撃性を示した状態で、これより一段と優れ
た耐摩耗性を示すことが明らかである。上述のように、
この発明の鉛含浸Fe基焼結合金製の集電用パンタグラ
フすり板材で作製したすり板は、通常の走行は勿論のこ
と、高速走行の電気車に用いた場合にも特に優れた耐摩
耗性を発揮し、使用寿命の一段の延命化を可能とするも
のである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 寺岡 利雄 東京都千代田区大手町一丁目5番1号 三 菱マテリアル株式会社内 (72)発明者 伊藤 將利 愛知県名古屋市中村区名駅一丁目1番4号 東海旅客鉄道株式会社内 (72)発明者 岩瀬 勝 埼玉県南埼玉郡宮代町学園台4−1 日本 工業大学内
Claims (3)
- 【請求項1】 FeとWの金属間化合物:5〜15重量
%、並びにFeとMoの金属間化合物およびFeとMo
とSiとCrの金属間化合物の1種または2種:3〜1
0重量%を含有し、 さらに素地形成成分として、 Cu:30〜50重量%、を含有し、残りがFeおよび
不可避不純物からなる組成を有する気孔率:5〜15%
のFe基焼結合金に、PbまたはPb合金を含浸してな
る鉛含浸Fe基焼結合金で構成されていることを特徴と
する耐摩耗性に優れた鉛含浸Fe基焼結合金製の集電用
パンタグラフすり板材。 - 【請求項2】 FeとWの金属間化合物:5〜15重量
%、並びにFeとMoの金属間化合物およびFeとMo
とSiとCrの金属間化合物の1種または2種:3〜1
0重量%を含有し、 さらに素地形成成分として、 Cu:30〜50重量%、 Sn:2〜5重量%、 P:0.01〜0.5重量%、を含有し、残りがFeお
よび不可避不純物からなる組成を有する気孔率:5〜1
5%のFe基焼結合金に、PbまたはPb合金を含浸し
てなる鉛含浸Fe基焼結合金で構成されていることを特
徴とする耐摩耗性に優れた鉛含浸Fe基焼結合金製の集
電用パンタグラフすり板材。 - 【請求項3】 FeとWの金属間化合物:5〜15重量
%およびCr:3〜7重量%、並びにFeとMoの金属
間化合物およびFeとMoとSiとCrの金属間化合物
の1種または2種:3〜10重量%を含有し、 さらに素地形成成分として、 Cu:30〜50重量%、 Sn:2〜5重量%、 P:0.01〜0.5重量% C:0.01〜0.5重量%、を含有し、残りがFeお
よび不可避不純物からなる組成を有する気孔率:5〜1
5%のFe基焼結合金に、PbまたはPb合金を含浸し
てなる鉛含浸Fe基焼結合金で構成されていることを特
徴とする耐摩耗性に優れた鉛含浸Fe基焼結合金製の集
電用パンタグラフすり板材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19252195A JPH0874009A (ja) | 1994-07-08 | 1995-07-05 | 耐摩耗性に優れた鉛含浸Fe基焼結合金製の集電用パンタグラフすり板材 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18090594 | 1994-07-08 | ||
JP6-180905 | 1994-07-08 | ||
JP19252195A JPH0874009A (ja) | 1994-07-08 | 1995-07-05 | 耐摩耗性に優れた鉛含浸Fe基焼結合金製の集電用パンタグラフすり板材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0874009A true JPH0874009A (ja) | 1996-03-19 |
Family
ID=26500265
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19252195A Withdrawn JPH0874009A (ja) | 1994-07-08 | 1995-07-05 | 耐摩耗性に優れた鉛含浸Fe基焼結合金製の集電用パンタグラフすり板材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0874009A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20160104170A (ko) * | 2015-02-25 | 2016-09-05 | 승림카본금속유한회사 | 전동차 팬터그래프 집전마찰판 및 그 제조방법 |
-
1995
- 1995-07-05 JP JP19252195A patent/JPH0874009A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20160104170A (ko) * | 2015-02-25 | 2016-09-05 | 승림카본금속유한회사 | 전동차 팬터그래프 집전마찰판 및 그 제조방법 |
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