JPH08104958A - 導電性にすぐれた耐摩耗性Fe基焼結合金製集電用パンタグラフすり板材 - Google Patents

導電性にすぐれた耐摩耗性Fe基焼結合金製集電用パンタグラフすり板材

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JPH08104958A
JPH08104958A JP26468894A JP26468894A JPH08104958A JP H08104958 A JPH08104958 A JP H08104958A JP 26468894 A JP26468894 A JP 26468894A JP 26468894 A JP26468894 A JP 26468894A JP H08104958 A JPH08104958 A JP H08104958A
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JP
Japan
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forming component
sintered alloy
dispersed phase
current collecting
carbide
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JP26468894A
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Inventor
Masashi Koike
正志 小池
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 導電性にすぐれた耐摩耗性Fe基焼結合金製
集電用パンタグラフすり板材を提供する。 【構成】 集電用パンタグラフすり板材が、分散相形成
成分としてTiB2 および/またはZrB2 :5〜20
%、同じく分散相形成成分としてZrN,MoSi2
TaC、およびWCのうちの1種以上:5〜20%、以
下いずれも素地形成成分として、Ni,Cu、およびM
nのうちの1種以上:0.1〜7%を含有し、さらに必
要に応じてCrおよび/またはMo:0.05〜3%、
並びにC:0.05〜0.5%のいずれか、または両方
を含有し、残りがFeと不可避不純物からなる組成(以
上重量%)を有するFe基焼結合金からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、すぐれた導電性を有
し、かつ耐摩耗性にもすぐれ、さらに低い相手攻撃性を
有し、したがって高集電能力を可能とした状態で、長期
に亘ってすぐれた性能を発揮するFe基焼結合金製集電
用パンタグラフすり板材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、一般に電気車の集電用パンタグラ
フすり板材として、Fe基合金素地に硬質粒子が分散分
布した組織を有するFe基焼結合金製のものが各種提案
され、実用に供されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年の電気車の
大型化および多連結化、さらに高速化はめざましく、こ
れに伴ない、集電用パンタグラフすり板材には、できる
だけ多くの電流を取り入れることのできる特性、すなわ
ち高い導電性と、一段の耐摩耗性向上が要求されるが、
現在提案され、実用に供されているFe基焼結合金製集
電用パンタグラフすり板材(以下、単に集電すり板材と
いう)においては、耐摩耗性にすぐれるものは導電性が
低く、反対に導電性の良好なものは耐摩耗性が劣り、導
電性と耐摩耗性の両特性を兼ね備えたものでないため
に、これらの要求に満足に対応することができないのが
現状である。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上述のような観点から、導電性および耐摩耗性のすぐれ
た集電すり板材を開発すべく研究を行なった結果、集電
すり板材を、重量%で(以下、%は重量%を示す)、分
散相形成成分として、TiおよびZrのほう化物(以
下、それぞれTiB2およびZrB2 で示す)のうちの
1種または2種:5〜20%、同じく分散相形成成分と
して、Zr窒化物、Moけい化物、Ta炭化物、および
W炭化物(以下、それぞれZrN,MoSi2 ,Ta
C、およびWCで示す)のうちの1種または2種以上:
5〜20%、以下いずれも素地形成成分として、Ni,
Cu、およびMnのうちの1種または2種以上:0.1
〜7%、を含有し、さらに必要に応じて、(a) Cr
および/またはMo:0.05〜3%、(b) C:
0.05〜0.5%、以上(a)および/または(b)
を含有し、残りがFeと不可避不純物からなる組成を有
するFe基焼結合金で構成すると、上記分散相を構成す
るTiB2 およびZrB2 は、表1に示される通り、素
地の主要成分であるFeとほぼ同等の比抵抗を有し、か
つ著しく高い硬さを有し、さらにFe基合金素地との密
着性にもすぐれ、また同じく分散相を構成するZrN,
MoSi2 ,TaC、およびWCは、素地との密着性に
すぐれ、TiB2 やZrB2 、およびFe成分よりは高
いが、相対的に低い比抵抗を有し、この程度の比抵抗で
はTiB2 およびZrB2と素地によってもたらされる
高導電性が阻害されるものではなく、かつ上記TiB2
およびZrB2 と素地との中間の硬さを有し、この中間
硬さが硬質のTiB2 およびZrB2 による相手攻撃を
緩和することから、この結果の集電すり板材は、きわめ
て導電性にすぐれたものとなるばかりでなく、低い相手
攻撃性で、すぐれた耐摩耗性を発揮するという研究結果
を得たのである。
【0005】
【表1】
【0006】この発明は、上記の研究結果にもとづいて
なされたものであって、分散相形成成分として、TiB
2 および/またはZrB2 :5〜20%、同じく分散相
形成成分として、ZrN,MoSi2 ,TaC、および
WCのうちの1種または2種以上:5〜20%、以下い
ずれも素地形成成分として、Ni,Cu、およびMnの
うちの1種または2種以上:0.1〜7%、を含有し、
さらに必要に応じて、(a) Crおよび/またはM
o:0.05〜3%、(b) C:0.05〜0.5
%、以上(a)および/または(b)を含有し、残りが
Feと不可避不純物からなる組成を有するFe基焼結合
金で構成してなる、導電性にすぐれた耐摩耗性集電すり
板材に特徴を有するものである。
【0007】つぎに、この発明の集電すり板材におい
て、これを構成するFe基焼結合金の成分組成を上記の
通りに限定した理由を説明する。 (a) TiB2 およびZrB2 これらの成分は、Fe成分とほぼ同等の比抵抗を有する
ので、これの含有によってすり板材の導電性が低下する
ことなく、著しく高い状態に保持され、かつ相対的に硬
質なものなので、耐摩耗性の向上効果も著しく、したが
ってこれらの成分の含有によってすり板材は高い導電性
とすぐれた耐摩耗性をもつようになるが、その含有量が
5%未満では所望の耐摩耗性を確保することができず、
一方その含有量が20%を越えると、すり板材の強度が
低下するようになることから、その含有量を5〜20%
と定めた。なお、望ましくは7〜15%の含有がよい。
【0008】(b) ZrN,MoSi2 ,TaC、お
よびWC これらの成分は、上記の通り相対的に比抵抗が低く、か
つTiB2 およびZrB2 と素地の中間的硬さを有し、
もって集電すり板材の導電性を高い状態に保ったままで
相手攻撃性を抑制する作用をもつが、その含有量が5%
未満では前記作用に所望の効果が得られず、一方その含
有量が20%を越えると強度が低下するようになること
から、その含有量を5〜20%と定めた。なお、望まし
くは7〜15%の含有がよい。
【0009】(c) Ni,Cu、およびMn これらの成分には、素地に固溶して、これを強化すると
共に、分散粒子の素地に対する密着性を向上させる作用
があるが、その含有量が0.1%未満では前記作用に所
望の効果が得られず、一方その含有量が7%を越えとる
靭性が低下するようになることから、その含有量を0.
1〜7%と定めた。望ましくは1.5〜4%の含有がよ
い。
【0010】(d) CrおよびMo これらの成分には、素地に固溶して、これの強度を一段
と向上させると共に、耐熱性を向上させ、もってすり板
材の耐摩耗性向上に寄与する作用があるので、必要に応
じて含有されるが、その含有量が0.05%未満では前
記作用に所望の効果が得られず、一方その含有量が3%
を越えると、分散粒子の素地に対する密着性が低下し、
この結果として耐摩耗性の低下をもたらすようになるこ
とから、その含有量を0.05〜3%と定めた。望まし
くは0.3〜1.5%の含有がよい。
【0011】(e) C C成分には、素地に固溶して、これを強化し、かつ焼結
性を向上させる作用があるので、必要に応じて含有され
るが、その含有量が0.05%未満では前記作用に所望
の効果が得られず、一方その含有量が0.5%を越える
と靭性が低下するようになることから、その含有量を
0.05〜0.5%と定めた。望ましくは0.1〜0.
3%の含有がよい。
【0012】
【実施例】つぎに、この発明の集電すり板材を実施例に
より具体的に説明する。原料粉末として、いずれも1〜
150μmの範囲内の所定の平均粒径を有するTiB2
粉末、ZrB2 粉末、ZrN粉末、MoSi2 粉末、T
aC粉末、WC粉末、Ni粉末、Cu粉末、およびMn
粉末、さらにいずれも80メッシュ以下の所定の粒度を
有するアトマイズ鉄粉、Fe−Cr合金(Cr:65%
含有)粉末、Fe−Mo合金(Mo:65%含有)粉
末、および325メッシュ以下の粒度を有する黒鉛粉末
を用意し、これら原料粉末を表2,3に示される配合組
成に配合し、混合した後、6ton /cm2 の圧力で圧粉体
にプレス成形し、この圧粉体を、アンモニア分解ガス雰
囲気中、1130〜1200℃の範囲内の所定温度に1
時間保持の条件で焼結することにより、上記配合組成と
実質的に同じ成分組成を有し、かつ幅:25mm×長さ:
80mm×厚さ:10mmの寸法をもった本発明集電すり板
材1〜17および比較集電すり板材1〜3をそれぞれ製
造した。なお、比較集電すり板材1〜3は、分散相を構
成するTiB2 およびZrB2の含有量がこの発明の範
囲から低い方に外れた組成をもつものである。
【0013】
【表2】
【0014】
【表3】
【0015】
【表4】
【0016】この結果得られた各種集電すり板材につい
て加速摩耗試験を行なった。加速摩耗試験は、モータの
水平回転軸に中心を固定することにより直立支持された
外径:2.2mの円板の前記固定側とは反対側面に、模
擬トロリ線として外径:2m×幅:5mm×厚さ:15mm
の硬銅リング(JIS・C1100・BB−H)を50
mm偏心して取付けた装置を用い、上記硬銅リングの直径
線上の両側にそれぞれ集電すり板材を4kgの押付力で長
さ:80mm×幅:25mmの寸法面を面接触させ、上記模
擬トロリ線と集電すり板材間に100Aの電流を流しな
がら、上記円板の回転を5分で250km/hrの回転速度
に上げ、この速度に4分間保持した後、5分かけて停止
を1サイクルとし、これを4回繰り返すことにより行な
い、集電すり板材の比摩耗量と相手材である模擬トロリ
線の摩耗深さを測定した。この測定結果を表4に示し
た。また表4には導電性を評価する目的で集電すり板材
の比抵抗の測定結果も示した。
【0017】
【発明の効果】表2〜4に示される結果から、本発明集
電すり板材1〜17は、硬質のTiB2 およびZrB2
の含有にもかかわらず低い相手攻撃性を示し、かつ高い
導電性を保持した状態ですぐれた耐摩耗性を示すのに対
して、比較集電すり板材1〜3に見られるように、Ti
2 および/またはZrB2 がこの発明の範囲から外れ
た低い含有量であると所望のすぐれた耐摩耗性を確保す
ることができないことが明らかである。上述のように、
この発明の集電すり板材は、すぐれた導電性と耐摩耗性
を有し、かつ相手攻撃性も低いので、電気車の高速化お
よび高出力化(大型化)に十分満足に対応することがで
きるものである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、 分散相形成成分として、TiおよびZrのほう化物のう
    ちの1種または2種:5〜20%、 同じく分散相形成成分として、Zr窒化物、Moけい化
    物、Ta炭化物、およびW炭化物のうちの1種または2
    種以上:5〜20%、 素地形成成分として、Ni,Cu、およびMnのうちの
    1種または2種以上:0.1〜7%、を含有し、残りが
    同じく素地形成成分としてのFeと不可避不純物からな
    る組成を有するFe基焼結合金で構成したことを特徴と
    する導電性にすぐれた耐摩耗性Fe基焼結合金製集電用
    パンタグラフすり板材。
  2. 【請求項2】 重量%で、 分散相形成成分として、TiおよびZrのほう化物のう
    ちの1種または2種:5〜20%、 同じく分散相形成成分として、Zr窒化物、Moけい化
    物、Ta炭化物、およびW炭化物のうちの1種または2
    種以上:5〜20%、 以下いずれも素地形成成分として、 Ni,Cu、およびMnのうちの1種または2種以上:
    0.1〜7%、 Crおよび/またはMo:0.05〜3%、を含有し、
    残りがFeと不可避不純物からなる組成を有するFe基
    焼結合金で構成したことを特徴とする導電性にすぐれた
    耐摩耗性Fe基焼結合金製集電用パンタグラフすり板
    材。
  3. 【請求項3】 重量%で、 分散相形成成分として、TiおよびZrのほう化物のう
    ちの1種または2種:5〜20%、 同じく分散相形成成分として、Zr窒化物、Moけい化
    物、Ta炭化物、およびW炭化物のうちの1種または2
    種以上:5〜20%、 以下いずれも素地形成成分として、 Ni,Cu、およびMnのうちの1種または2種以上:
    0.1〜7%、 C:0.05〜0.5%、を含有し、残りがFeと不可
    避不純物からなる組成を有するFe基焼結合金で構成し
    たことを特徴とする導電性にすぐれた耐摩耗性Fe基焼
    結合金製集電用パンタグラフすり板材。
  4. 【請求項4】 重量%で、 分散相形成成分として、TiおよびZrのほう化物のう
    ちの1種または2種:5〜20%、 同じく分散相形成成分として、Zr窒化物、Moけい化
    物、Ta炭化物、およびW炭化物のうちの1種または2
    種以上:5〜20%、 以下いずれも素地形成成分として、 Ni,Cu、およびMnのうちの1種または2種以上:
    0.1〜7%、 Crおよび/またはMo:0.05〜3%、 C:0.05〜0.5%、を含有し、残りがFeと不可
    避不純物からなる組成を有するFe基焼結合金で構成し
    たことを特徴とする導電性にすぐれた耐摩耗性Fe基焼
    結合金製集電用パンタグラフすり板材。
JP26468894A 1994-10-04 1994-10-04 導電性にすぐれた耐摩耗性Fe基焼結合金製集電用パンタグラフすり板材 Withdrawn JPH08104958A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016102262A (ja) * 2014-11-14 2016-06-02 株式会社豊田中央研究所 高剛性鉄基焼結合金およびその製造方法

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Effective date: 20020115