JP2916038B2 - 炭素系集電摺動材料の製造方法 - Google Patents

炭素系集電摺動材料の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主として電気車の高低
速用パンタグラフ集電摺板として使用される炭素系集電
摺動材料の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】本発明者の一人は、さきに低速用旧国鉄
在来線ならびに私鉄パンタグラフ摺板として焼結合金T
C103(特許第419107号,特公昭38−180
58号公報参照)、および高速用新幹線パンタグラフ摺
板として焼結合金TCK16(特許第509195号,
特公昭42−14286号公報参照)、ならびに寒冷地
用パンタグラフ摺板としてTCCR2(特許第1053
072号,特公昭55−44143号公報参照)などを
発明し、従来から実用に供している。
【0003】しかしながら、従来から実用化されている
前記の如き電気車用焼結合金製摺板では約94〜98重
量%の金属を含有しているので、硬銅トロリー線から離
線する際、両者とも主成分が金属であるため大きなアー
クを発生しやすく、これにより双方ともアーク損傷を受
けやすく、トロリー線の張替回数が多くなったり、摺板
の取替頻度が増加するなどのおそれがある。また、従来
の焼結合金製摺板は、前記の如くその殆どが金属である
ので、相手方硬銅トロリー線と摺動する際、金属同士の
摺動に起因する摺動音が高く、このような騒音公害を極
力少なくすることが要望されている。
【0004】そこで本発明者らは特開昭60−2384
02において天然黒鉛,人造黒鉛を除く炭素粉と良導電
性の金属粉から成る焼結体、並びにこの焼結体に防水処
理を施した集電摺動材料を提案し、従来の焼結合金製摺
板にくらべて耐摩耗性の向上,トロリー線の摩耗低減,
騒音防止等で大きな成果を示すことが出来た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年の
車両の高速度化並びに冷房設備の普及等に伴う集電電流
の増大により、摺板に加わる負荷条件は増々苛酷とな
り、特開昭60−238402の摺板材料では集電容量
および耐摩耗性の点において現状並びに今後の使用に十
分な対応を期し難い。
【0006】そこで本発明は、集電電流が増大しても良
好な特性を保持するために電気抵抗率を下げて集電容量
を増やし、かつ、潤滑性能を更に向上させてより効果的
な騒音の低減及びトロリー線の摩耗抑制を図り、しか
も、均質,高強度の炭素系集電摺動材料を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の如き課
題を解決するため、重量比にて、良導電性の金属粉35
〜70%、窒化ほう素0.2〜8%、残部黒鉛を含まな
炭素粉よりなる粉末材料を混合、加圧成形し、その成
形体を非酸化性雰囲気中において成形体から金属が溶出
しない範囲の高温で焼結し、かくして得られた焼結体の
見掛密度が2.2〜4.0g/cm3、電気抵抗率が1,7
00μΩcm以下となるように加圧成形条件を設定したこ
とを特徴とする。
【0008】なお、前記の如き均質且つ高強度の材料と
するための成形方法には、冷間等方圧加圧法と金型によ
る多段階加圧法とがある。
【0009】
【作用】本発明者らは、種々実験の結果、目的とする摺
板に適合する炭素粉としては、粉砕したコークス並びに
造粒したカーボンブラック等の骨材とコールタールピッ
チ等のバインダーを混練した後粉砕した粉末、またはコ
ールタールピッチを熱処理することによって生成した球
晶を抽出し、濾過,乾燥,仮焼、分級処理をして得られ
た微小粉末が有効に作用することを見出した。
【0010】これらの炭素粉単体の焼結体は、トロリー
線に対して自己潤滑性,耐アーク性に富み、かつ、摺動
の際低騒音であり、その上、摺動面は鏡面を呈し、か
つ、相手方トロリー線の摺面も鏡面を呈することを知っ
た。しかし、炭素粉単体の焼結体は見掛密度1.65g/c
m3以下、曲げ強さ400kgf/cm2以下、電気抵抗率50
00〜9000μΩcmと高いため、集電容量が小さく、
熱伝導度が低くてこのままでは電気車用摺板として不適
当である。ちなみに、従来から実用化されている銅系,
鉄系の焼結合金は、密度7.0〜8.0g/cm3、電気抵抗
率15〜50μΩcm、曲げ強さ4200kgf/cm2以上
で、大集電容量を持ち、熱伝導度も高い。
【0011】そこで本発明者らは、前記炭素単体の焼結
体と従来から実用化されている焼結合金製摺板のもつ夫
々の特徴を組み合わせるため、炭素粉と良導電性の金属
粉の混合物により焼結体をつくることを想到し、さらに
潤滑性能を向上させるために種々実験研究の結果、重量
比にて、良導電性の金属粉35〜70%、窒化ほう素
0.2〜8%、残部黒鉛を含まない炭素粉よりなる粉末
材料を混合、加圧成形し、その成形体を非酸化性雰囲気
中において成形体中から金属が溶出しない範囲の高温で
焼結し、かくして得られた焼結体の見掛密度が2.2〜
4.0g/cm3、電気抵抗率が1,700μΩcm以下とな
るように加圧成形条件を設定すると、電気車摺板として
極めて優秀な成績を示すことを確認した。なお、前記の
加圧成形方法には、冷間等方圧加圧法と、金型による多
段階加圧法とがある。
【0012】本発明により窒化ほう素を混入して得られ
た焼結体は、窒化ほう素を含まない炭素−金属系焼結体
にくらべて比摩耗量が1/3乃至は1/5に減少するこ
とが確認された。このことは、潤滑成分である窒化ほう
素の酸化雰囲気中での耐熱温度が900℃と炭素の45
0℃にくらべて高いため、高温摺動下においても低い摩
擦係数を維持することが出来、更に走行中の摺板とトロ
リー線の離線の際に生じるアークに対しても酸化消耗度
が炭素より少ないことと、均質・高密度成形方法の活用
に起因する。
【0013】本発明により得た集電摺動材料である炭素
−窒化ほう素−金属系焼結体は、前述の如く見掛密度
2.2〜4.0g/cm3が必要であり、4.0以上になると従
来の焼結合金製摺板の特性に次第に近付き、機械的強度
は大と成るが、重さが過大と成って炭素使用の摺板とし
ての特性を失い、トロリー線に対するパンタグラフの追
随性が悪くなり、離線によるアークの発生が多くなる。
また見掛密度が2.2未満になると電気抵抗率が200
0μΩcm以上になって、金属の特徴を次第に失って集電
容量が低下し、かつ熱伝導度が低くなるための摺板の局
部的発熱の原因となる。また本発明により得た見掛密度
2.2〜4.0g/cm3の炭素−窒化ほう素−金属系焼結体
は、ショア硬度70〜110、曲げ強さ750〜130
0kgf/cm2であって、摺板として必要とする硬度および
機械的強度を保持することができる。なお、窒化ほう素
の含有重量%が0.2%未満では該焼結体の潤滑性の向
上に効果が小さく。8%を越えると曲げ強さが低下して
機械的強度を保持することが出来ない。
【0014】機械的強度を更に補強したい場合には、ト
ロリー線との摺動面の反対側底部をアルミ板より機械的
強度が大きい例えば鉄板,銅板などの良導電性金属板で
包み込むことによって極めて簡単かつ容易に達成するこ
とが出来る。
【0015】また本発明による炭素−窒化ほう素−金属
系焼結体は、気孔率を少なくして見掛密度を2.2〜4.
0g/cm3にするため、2T/cm2以上の高圧で加圧成形し
ているが、降雨が長時間続くと含水が進み、晴天時に比
べると摺板の比摩耗量およびトロリー線の摩耗率の悪化
が想定される。このような雨天時にも耐摩耗性を向上せ
しめるためには、前記の如くして得られた焼結体中に、
該焼結体の電気抵抗率がなるべく増加しないレジンなど
を含浸させ、防水処理をすればよい。
【0016】本発明により得た炭素−窒化ほう素−金属
系焼結体は、前述の如く、炭素,窒化ほう素,金属を粉
末の状態で混合,加圧成形し、その成形体を焼結したも
のであるから、炭素基材に金属を溶融含浸したものにく
らべると成分のムラがなく、かつ前述の如き用途に適合
する製品を任意に製造することができる。
【0017】
【実施例】以下本発明の具体的実施例を説明する。
【0018】実施例1(1の1〜1の6) 200メッシュ以下に粉砕した石油コークスに軟化点8
5℃の中ピッチを40重量%配合した後、混練機で20
0℃に加熱しながら2.5時間混練した。この混練物を
放冷後粉砕し、100メッシュを通過する炭素粉を得
た。
【0019】次にこの炭素粉と80メッシュ以下の銅粉
及び銅合金粉並びに100メッシュ以下の窒化ほう素を
表1の左欄に示す割合で配合して混合した後、この混合
粉を金型に詰めて1T/cm2の加圧力で25×43×34
0mmの大きさに仮成形し、その後その仮成形体をナイロ
ンシートで真空包装して圧力容器内に入れ、冷間等方圧
加圧法を用いて4T/cm2の等方圧力を加え、24×40
×328mmの成形体とした。更にその成形体を非酸化性
の雰囲気中にて970℃で焼結し、炭素,窒化ほう素,
良導電性の金属からなる焼結体を得た。なお、実施例の
1の3は、得られた焼結体をレジンの重量パーセント濃
度が45%のアルコール溶液中に浸漬し、減圧下で含浸
後、レジンを熱硬化する処理をした。
【0020】
【表1】
【0021】実施例2(2の1〜2の6) コールタールピッチを熱処理することによって生成した
球晶を抽出し、濾過,乾燥,仮焼,分級処理をして得ら
れた平均粒径13〜17μmの炭素粉(商品名KMFC
川崎製鉄製)と80メッシュ以下の銅粉及び銅合金粉並
びに100メッシュ以下の窒化ほう素を表2の左欄に示
す割合で配合し、混合した後、この混合粉をゴム型に密
封して圧力容器内に入れ、冷間等方圧加圧法により4T
/cm2の等方圧力を加え24×40×328mmの成形体と
した。更にその成形体を非酸化性の雰囲気中にて970
℃で焼結し、炭素,窒化ほう素,良導電性の金属からな
る焼結体を得た。なお、実施例の2の3は、焼結体をレ
ジンの重量パーセント濃度が45%のアルコール溶液中
に浸漬し、減圧下で含浸後、レジンを熱硬化する処理を
した。
【0022】
【表2】
【0023】実施例3(3の1〜3の6) 実施例2に使用した炭素粉(商品名KMFC)と80メ
ッシュ以下の銅粉と鉄粉並びに100メッシュ以下の窒
化ほう素を表3の左欄に示す割合で配合し、混合した
後、この混合粉を金型に詰めて1T/cm2の加圧力で25
×43×340mmの大きさに仮成形した後、その仮成
形体をナイロンシートで真空包装して圧力容器内に入
れ、冷間等方圧加圧法を用いて4T/cmの等方圧力
を加え、24×40×328mmの成形体とした。更にそ
の成形体を非酸化性の雰囲気中にて1050℃で焼結
し、炭素,窒化ほう素,良導電性の金属からなる焼結体
を得た。なお、実施例の3の3は、焼結体をレジンの重
量パーセント濃度が45%のアルコール溶液中に浸漬
し、減圧下で含浸後、レジンを熱硬化する処理をした。
また、この実施例において電気抵抗率が1,700μΩc
mを越えない範囲で鉄粉を配合したのは、軽量化とコス
ト低減を図るためである。
【0024】
【表3】
【0025】実施例4(4の1〜4の6) 実施例2に使用した炭素粉(商品名KMFC)と80メ
ッシュ以下の銅粉並びに100メッシュ以下の窒化ほう
素を表4の左欄に示す割合で配合し、混合した後、この
混合粉を金型に詰めて1T/cm2で1次加圧し、30秒間
その1T/cm2の加圧状態を金型内にて保持する。30秒
間経過後、2次加圧として2.5T/cm2を加え、25×
40×340mmの成形体とした。更にその成形体を非酸
化性の雰囲気中にて970℃で焼結し、炭素,窒化ほう
素,良導電性の金属からなる焼結体を得た。なお、実施
例の4の3は、焼結体をレジンの重量パーセント濃度が
45%のアルコール溶液中に浸漬し、減圧下で含浸後、
レジンを熱硬化する処理をした。なお、この実施例は2
段階成形の例を示したが、3段階成形などさらに多段の
成形を行なうことが出来る。
【0026】
【表4】
【0027】比較例 比較例として、先に示した焼結合金製TC103(成分
重量%、錫9、クローム5、燐0.5、黒鉛2.5、残部
銅)および実施例2の焼結体成分から窒化ほう素を除い
た炭素−金属焼結体2種類、並びに特開昭62−238
402の実施例5の1を用いた。その成分を示すと下記
表5の左欄に示すとおりである。なお、特開昭62−2
38402の実施例5の1の成分比は容積%であるの
で、これを重量%に換算すると、Cu約65%、残Cで
ある。
【0028】
【表5】
【0029】上記実施例および比較例により得た集電摺
動材料より試験片10×10×60mm各10本を切り出
し、その物理特性を測定した。その結果を示すと表1な
いし表5の各欄に記載のとおりである。
【0030】次に、前記各実施例および比較例により得
た集電摺動材料より試験片10×25×90mmを切り出
し、その各試験片を回転式摺動試験機にとりつけ、押付
力5kgf、通電電流AC100A、摺動速度65km/H、
542r・p・mで60分間無潤滑でトロリー線に摺動さ
せた。摺動させたときの試験片の比摩耗量(摺板をトロ
リー線に対して荷重1kgfで押付け、距離1mm摺動した
ときの摩耗体積mm3)と相手方トロリー線の摩耗厚みを
測定し、トロリー線の摩耗率(トロリー線の摩耗厚みmm
をパンタ通過万単位回数で除したもの)と架線と摺板に
起因する摺動騒音(ホーン)を示すと表6ないし表10
に示すとおりである。
【0031】なお、回転式摺動試験機の構造は、JRが
実用している溝付硬銅トロリー線(断面110mm2)を
円周200cmの真円に配置し、そのトロリー線に試験片
を5kgfの力で押付けながら左右振幅70mmで摺動させ
るようになっている。従って、542r・p・mで60分
間回転させると、試験片は32,520回トロリー線の
同一個所を通過することになる。また、トロリー線摩耗
測定は200cmの真円の所定8個所の厚さ摩耗をマイク
ロメーターで測定した。
【0032】騒音計は回転式摺動試験機に取付けた試験
摺板より1mの位置に据えた。なお、トロリー線と摺板
に起因する騒音ホーン値は、摺板を回転式試験機に取付
けて回転させた時の発生音ホーン値より、摺板を取付け
ないで試験機を回転させた時の発生音ホーン値を差引い
て計算した。
【0033】
【表6】
【0034】
【表7】
【0035】
【表8】
【0036】
【表9】
【0037】
【表10】
【0038】表1ないし表4により明らかな如く、本発
明により得た集電摺動材料は、電気車パンタグラフ摺板
として必要とする物理特性を具備している。なお、本発
明により得た集電摺動材料は従来の焼結合金性すり板に
比較すると強度がやや劣るが実用上必要とする強度を具
備しており、かつ必要に応じ、図1および図2に示す如
く、摺板1の底部両側に底面にいくに従って幅広となる
傾斜面1aを形成しておき、底面からその両側の傾斜面
にかけて良導電性の耐錆メッキを施した鉄板あるいは銅
板2で包み込むことにより簡単かつ容易に補強すること
が出来る。
【0039】また、本発明により得た集電摺動材料は、
表6ないし表9により明らかな如く、摺板比摩耗量は実
施例1の1〜1の6,2の1〜2の6,3の1〜3の
6,4の1〜4の6の平均値で夫々0.024×10
~6、0.022×10~6、0.028×10~6、0.03
5×10~6mm3/kgf.mmであり、従来の焼結合金製摺板T
C103(比較例1)の2.70×10~6mm3/kgf.mmに
くらべると格段に耐摩耗性が向上しており、また窒化ほ
う素を含まない炭素−金属系焼結体(比較例2,3)並
びに特開昭60−238402(比較例4)に比較して
も3倍以上の耐摩耗性を示すことが確認された。同様
に、トロリー線の摩耗についても平均で0.0003
5、0.00036、0.00050、0.00038mm/
万パンタで、従来の焼結合金製摺板TC103の0.0
24mm/万パンタにくらべて格段に小さく、また窒化ほ
う素を含まない炭素−金属系焼結体並びに特開昭60−
238402に比較しても大巾に低減にすることが明ら
かとなった。更に特筆すべきことは、摺板およびトロリ
ー線の双方とも摺面が鏡面を呈しており、摺板およびト
ロリー線の寿命を格段に延長することが出来た。さらに
また、摺動騒音も従来のものと比較し全く問題とならな
い程度まで低くすることが確かめられ、同様に窒化ほう
素を含まない炭素−金属系焼結体並びに特開昭60−2
38402とくらべても1/2以上低下することが明確
となった。
【0040】なお、各実施例の表1ないし表4および表
6ないし表9により明らかなように、良導電性の金属と
して単一金属粉,混合粉並びに合金粉を用いても焼結体
の耐摩耗性は殆ど変わらない。従って本発明に適用され
る金属粉は単一粉,混合粉を含めたものであり、更に降
雨時の吸水防止対策として焼結体に電気抵抗率が増加し
ない程度のレジンを含浸させ、それを硬化して防水処理
をすることがあるが、このことも本発明に包含される。
【0041】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によればトロ
リー線に体する追随性が良好であって、自己潤滑性,耐
アーク性,耐摩耗性に富み、しかも大集電容量をもち、
さらにトロリー線との摺動音を低くすることが出来るの
で、電気車用集電摺動材料として誠に有益である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により得た集電摺動材料の補強例を示す
平面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【符号の説明】
1…摺板、1a…傾斜面、2…補強用金属板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C22C 1/05 B22F 3/00 - 7/08 B60L 5/08

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量比にて、良導電性の金属粉35〜7
    0%、窒化ほう素0.2〜8%、残部黒鉛を含まない
    素粉よりなる粉末材料を混合、加圧成形し、その成形体
    を非酸化性雰囲気中において成形体中から金属が溶出し
    ない範囲の高温で焼結し、かくして得られた焼結体の見
    掛密度が2.2〜4.0g/cm3、電気抵抗率が1,70
    0μΩcm以下となるように加圧成形条件を設定したこと
    を特徴とする炭素系集電摺動材料の製造方法。
  2. 【請求項2】 重量比にて、良導電性の金属粉35〜7
    0%、窒化ほう素0.2〜8%、残部黒鉛を含まない
    素粉よりなる粉末材料を混合し、その混合粉を1〜2T
    /cm2の加圧力で仮成形し、その仮成形体をナイロン類
    で真空包装し、その真空包装仮成形体を圧力容器に入
    れ、冷間等方圧加圧法により圧力媒体を介して2〜6T
    /cm2の等方圧力を仮成形体に加えて成形し、その成形
    体を非酸化性雰囲気中において成形体から金属が溶出し
    ない範囲の高温で焼結して、焼結体の見掛密度2.2〜
    4.0g/cm3、電気抵抗率が1,700μΩcm以下と
    したことを特徴とする炭素系集電摺動材料の製造方法。
  3. 【請求項3】 重量比にて、良導電性の金属粉35〜7
    0%、窒化ほう素0.2〜8%、残部黒鉛を含まない
    素粉よりなる粉末材料を混合し、その混合粉をゴム型に
    詰めて密封し、その混合粉ゴム型密封体を圧力容器に入
    れ、冷間等方圧加圧法により圧力媒体を介して2〜6T
    /cm2の等方圧力を混合粉ゴム型密封体に加えて成形
    し、その成形体を非酸化性雰囲気中において成形体から
    金属が溶出しない範囲の高温で焼結して、焼結体の見掛
    密度2.2〜4.0g/cm3、電気抵抗率が1,700
    μΩcm以下としたことを特徴とする炭素系集電摺動材料
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 重量比にて、良導電性の金属粉35〜7
    0%、窒化ほう素0.2〜8%、残部黒鉛を含まない
    素粉よりなる粉末材料を混合し、その混合粉を金型に詰
    めて0.5〜1.5T/cm2の加圧力で1次加圧し、次
    いでその金型内の加圧状態を数十秒から数分間保持した
    後、更に2〜6T/cm2の少なくとも2次加圧を加えて
    成形し、その成形体を非酸化性雰囲気中において成形体
    から金属が溶出しない範囲の高温で焼結して、焼結体の
    見掛密度2.2〜4.0g/cm3、電気抵抗率が1,7
    00μΩcm以下としたことを特徴とする炭素系集電摺動
    材料の製造方法。
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