JP2001011479A - 炭素系集電摺動材料の製造方法 - Google Patents
炭素系集電摺動材料の製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 従来の炭素系すり板は、機械的強度が不足し
ているため、焼結合金製すり板のようにパンタグラフ舟
体に直接ネジで締結することが不可能であった。本発明
は、このような従来技術の問題点を改善し、炭素系すり
板の特徴であるトロリー線の磨耗抑制、騒音低減という
長所を維持しつつ、締付トルクに耐え得る強度を有する
ネジ穴を炭素系すり板に直接穿設し得るようにすること
を目的とする。 【解決手段】 炭素粉と金属粉との焼結体よりなる炭素
系すり板において、金属粉の配合割合を重量比にて50
〜70%に設定すると共に、得られた焼結体の見掛比重
が3.0g/cm3 以上、衝撃値が3.3kgf・cm
/cm2 以上とするように加圧成形条件を設定するこ
と。
ているため、焼結合金製すり板のようにパンタグラフ舟
体に直接ネジで締結することが不可能であった。本発明
は、このような従来技術の問題点を改善し、炭素系すり
板の特徴であるトロリー線の磨耗抑制、騒音低減という
長所を維持しつつ、締付トルクに耐え得る強度を有する
ネジ穴を炭素系すり板に直接穿設し得るようにすること
を目的とする。 【解決手段】 炭素粉と金属粉との焼結体よりなる炭素
系すり板において、金属粉の配合割合を重量比にて50
〜70%に設定すると共に、得られた焼結体の見掛比重
が3.0g/cm3 以上、衝撃値が3.3kgf・cm
/cm2 以上とするように加圧成形条件を設定するこ
と。
Description
【0001】
【発明の属する技術】本発明は、主として電気車の高低
速用パンタグラフすり板として使用される炭素系集電摺
動材料の製造方法に関するものである。
速用パンタグラフすり板として使用される炭素系集電摺
動材料の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】昨今のパンタグラフすり板は、トロリー
線の磨耗抑制、騒音低減等を目的として、従来の金属含
有率約95重量%の焼結合金系から金属含有率約40〜
70重量%の金属−炭素系(以下炭素系という)へと移
行中である。
線の磨耗抑制、騒音低減等を目的として、従来の金属含
有率約95重量%の焼結合金系から金属含有率約40〜
70重量%の金属−炭素系(以下炭素系という)へと移
行中である。
【0003】しかしながら、焼結合金にくらべて炭素系
は機械的強度の不足により、パンタグラフ舟体とボルト
を締結するための、図1に示すようなねじ穴2をすり板
本体に直接設けることが出来ない。そこでパンタグラフ
舟体に炭素系すり板を結合する場合には、図6ないし図
9に示すようにすり板底部を鋼板製のサヤ3で挟み、そ
のサヤ3を介してボルトにて締結する方式が現在とられ
ている。
は機械的強度の不足により、パンタグラフ舟体とボルト
を締結するための、図1に示すようなねじ穴2をすり板
本体に直接設けることが出来ない。そこでパンタグラフ
舟体に炭素系すり板を結合する場合には、図6ないし図
9に示すようにすり板底部を鋼板製のサヤ3で挟み、そ
のサヤ3を介してボルトにて締結する方式が現在とられ
ている。
【0004】しかしながら、サヤ付の炭素系すり板は焼
結合金製すり板にくらべて次の欠点がある。
結合金製すり板にくらべて次の欠点がある。
【0005】(1) 直方体形状の焼結体にサヤ取付の
ための切削加工やボルト組込み用の角溝加工の施工が必
要となり、加工に難渋する。(図6)。
ための切削加工やボルト組込み用の角溝加工の施工が必
要となり、加工に難渋する。(図6)。
【0006】(2) サヤを本体に取付けるには、使用
中にゆるまないための措置である加締作業またはハンダ
づけ作業等が必要となり、手間がかかる。
中にゆるまないための措置である加締作業またはハンダ
づけ作業等が必要となり、手間がかかる。
【0007】(3) 鋼板製のサヤは腐食しやすいの
で、防錆のため、亜鉛メッキ、銅メッキ等の処置が必要
となり、コストがかかる。
で、防錆のため、亜鉛メッキ、銅メッキ等の処置が必要
となり、コストがかかる。
【0008】(4) すり板1本の完成品の姿は、図8
に示すように、すり板本体1のほか、サヤ3、ボルト
4、ナット5、平ワッシャ7、スプリングワッシャ6の
5部材で構成されるため、取扱いが面倒な上、部材の在
庫管理が煩瑣である。
に示すように、すり板本体1のほか、サヤ3、ボルト
4、ナット5、平ワッシャ7、スプリングワッシャ6の
5部材で構成されるため、取扱いが面倒な上、部材の在
庫管理が煩瑣である。
【0009】以上の欠点は、加工工数の増加に部材費が
附加されることによりすり板価格の大巾な上昇をもたら
し、加えてパンタグラフ舟体とすり板を締結する際に、
既にすり板の仮止めしてあるナット5、平ワッシャ7、
スプリングワッシャ6をすり板1から一旦取外し、舟体
の取付穴にすり板のボルトを通した上で、再び平ワッシ
ャ、スプリングワッシャをはめてナットを締めつけると
いう作業形態となるため、装着作業も繁雑となる。
附加されることによりすり板価格の大巾な上昇をもたら
し、加えてパンタグラフ舟体とすり板を締結する際に、
既にすり板の仮止めしてあるナット5、平ワッシャ7、
スプリングワッシャ6をすり板1から一旦取外し、舟体
の取付穴にすり板のボルトを通した上で、再び平ワッシ
ャ、スプリングワッシャをはめてナットを締めつけると
いう作業形態となるため、装着作業も繁雑となる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記の如き
従来技術の問題点を改善し、サヤ、ボルト等の部材を一
切不要とし、すり板の切削加工並びにすり板と舟体との
固定作業を簡単に行うためにすり板本体に直接ねじ穴を
設け、ボルトにて舟体との締結が可能な炭素系集電摺動
材料を提供することを目的とする。
従来技術の問題点を改善し、サヤ、ボルト等の部材を一
切不要とし、すり板の切削加工並びにすり板と舟体との
固定作業を簡単に行うためにすり板本体に直接ねじ穴を
設け、ボルトにて舟体との締結が可能な炭素系集電摺動
材料を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来から
実用化されている焼結合金製すり板が、すり板本体10
にねじ穴を設けて舟体9との結合をボルト4にて締結し
ている構造(図10)に鑑み、炭素系すり板にてそのよ
うな形態の適用の可否を検討した。
実用化されている焼結合金製すり板が、すり板本体10
にねじ穴を設けて舟体9との結合をボルト4にて締結し
ている構造(図10)に鑑み、炭素系すり板にてそのよ
うな形態の適用の可否を検討した。
【0012】その結果、重量比にて、良導電性の金属粉
50〜70%、残部を天然黒鉛、人造黒鉛を除く炭素粉
とで構成し、その見掛密度が3.0g/cm3 以上、衝
撃値が3.3kgf・cm/cm2 以上である焼結体で
あれば、炭素系すり板としての特徴であるトロリー線の
磨耗抑制、騒音低減という長所を維持しつつ、焼結合金
製すり板に施工されている締付トルクに耐え得るねじ山
の強度を保持し得ることを確認した。すなわち、本発明
は、実験の結果、ねじ山の強度を確保するための炭素系
集電摺動材料の製法として、良導電性の金属粉50〜7
0%と残部を天然黒鉛、人造黒鉛を除く炭素粉を用いて
これらを混合、高圧成形し、その成形体を非酸化雰囲気
中において成形体から金属が溶出しない範囲の高温で焼
結し、かくして得られた焼結体の見掛密度が3.0g/
cm3 以上、衝撃値が3.3kgf・cm/cm2 以上
であることが前提条件であることを見出した。
50〜70%、残部を天然黒鉛、人造黒鉛を除く炭素粉
とで構成し、その見掛密度が3.0g/cm3 以上、衝
撃値が3.3kgf・cm/cm2 以上である焼結体で
あれば、炭素系すり板としての特徴であるトロリー線の
磨耗抑制、騒音低減という長所を維持しつつ、焼結合金
製すり板に施工されている締付トルクに耐え得るねじ山
の強度を保持し得ることを確認した。すなわち、本発明
は、実験の結果、ねじ山の強度を確保するための炭素系
集電摺動材料の製法として、良導電性の金属粉50〜7
0%と残部を天然黒鉛、人造黒鉛を除く炭素粉を用いて
これらを混合、高圧成形し、その成形体を非酸化雰囲気
中において成形体から金属が溶出しない範囲の高温で焼
結し、かくして得られた焼結体の見掛密度が3.0g/
cm3 以上、衝撃値が3.3kgf・cm/cm2 以上
であることが前提条件であることを見出した。
【0013】
【発明の実施の形態】コールタールピッチを熱処理する
ことによって生成した球晶を抽出し、濾過、乾燥、仮
焼、分級処理をして得られた平均粒径13〜17μmの
炭素粉と80メッシュ以下の銅粉を表1の左欄に示す割
合で配合し、混合した後、この混合粉を金型に詰めて1
t/cm2 の加圧力で25×43×340mmの大きさ
に仮成形した。その仮成形体をナイロンシートで真空包
装して圧力容器に入れ、冷間等方圧加圧法を用いて4t
/cm2 の等方圧力を加え、24×40×328mmの
成形体とした。更にその成形体を非酸化性の雰囲気中に
て1050℃で焼結し、炭素と良導電性の金属からなる
焼結体を得た。
ことによって生成した球晶を抽出し、濾過、乾燥、仮
焼、分級処理をして得られた平均粒径13〜17μmの
炭素粉と80メッシュ以下の銅粉を表1の左欄に示す割
合で配合し、混合した後、この混合粉を金型に詰めて1
t/cm2 の加圧力で25×43×340mmの大きさ
に仮成形した。その仮成形体をナイロンシートで真空包
装して圧力容器に入れ、冷間等方圧加圧法を用いて4t
/cm2 の等方圧力を加え、24×40×328mmの
成形体とした。更にその成形体を非酸化性の雰囲気中に
て1050℃で焼結し、炭素と良導電性の金属からなる
焼結体を得た。
【0014】
【表1】
【0015】比較例として、焼結合金製TC103(成
分重量%、錫9、クローム5、燐0.5、黒鉛2.5、
残部銅)、並びにアルミニウム合金A5052P(JI
SH4000)を用いた。
分重量%、錫9、クローム5、燐0.5、黒鉛2.5、
残部銅)、並びにアルミニウム合金A5052P(JI
SH4000)を用いた。
【0016】上記の実施例は、良導電性の金属粉として
銅を使用した例を示したが、単一銅粉以外に、銅合金粉
並びに電気抵抗率が過大にならない範囲の銅粉を主体と
した混合粉(銅−鉄、銅−クローム、銅−錫、銅−ニッ
ケル)等を使用することができる。
銅を使用した例を示したが、単一銅粉以外に、銅合金粉
並びに電気抵抗率が過大にならない範囲の銅粉を主体と
した混合粉(銅−鉄、銅−クローム、銅−錫、銅−ニッ
ケル)等を使用することができる。
【0017】上記実施例及び比較例より得た試験片に現
在、JR各社で使用中の焼結合金製すり板と同一寸法で
あるM8のめねじ加工を施し、おねじによる締付トルク
試験を行った。なお、おねじ側としてJR各社で採用さ
れているBsBM製(快削黄銅)のボルトを使用した。
在、JR各社で使用中の焼結合金製すり板と同一寸法で
あるM8のめねじ加工を施し、おねじによる締付トルク
試験を行った。なお、おねじ側としてJR各社で採用さ
れているBsBM製(快削黄銅)のボルトを使用した。
【0018】試験方法はトルクメーターにて六角ボルト
頭の締付を行ない、ボルト頭がねじりにより切断される
直前、またはめねじのねじ山が崩れる直前のトルクを最
大値として読み取ることとし、銅−炭素の各配合比にお
いて5回づつ繰り返した。その試験結果を示すと表2の
通りである。
頭の締付を行ない、ボルト頭がねじりにより切断される
直前、またはめねじのねじ山が崩れる直前のトルクを最
大値として読み取ることとし、銅−炭素の各配合比にお
いて5回づつ繰り返した。その試験結果を示すと表2の
通りである。
【0019】
【表2】
【0020】表2に示すように、銅−炭素の配合比が4
5%−55%を除くすべての材料でボルトの頭切れを生
じ、めねじ側のねじ山の崩れはなかった。また最大トル
ク値は各材料とも205〜260kgf・cm範囲にあ
った。銅−炭素の配合比45%−55%の材料において
は、5本の試料中1本に締付トルク215kgf・cm
にてめねじ側のねじ山の崩れが見られた。従って、銅の
配合比は、ねじ山崩れのなかった銅粉50%以上まで引
き上げればねじ山の崩れは防止出来る。
5%−55%を除くすべての材料でボルトの頭切れを生
じ、めねじ側のねじ山の崩れはなかった。また最大トル
ク値は各材料とも205〜260kgf・cm範囲にあ
った。銅−炭素の配合比45%−55%の材料において
は、5本の試料中1本に締付トルク215kgf・cm
にてめねじ側のねじ山の崩れが見られた。従って、銅の
配合比は、ねじ山崩れのなかった銅粉50%以上まで引
き上げればねじ山の崩れは防止出来る。
【0021】現在、炭素系すり板の固定はサヤを介して
鉄ボルトにてパンタグラフ舟体に締結する方法がとられ
ているが、その締付トルクの規定値は100kgf・c
mである。表2の結果ではボルト頭切れの直前の本材料
の締付トルクはいづれも200kgf・cmを超えてお
り、また銅粉配合量50%以上ではめねじ側のねじ山の
崩れがないことから安全な強度が確保されている。
鉄ボルトにてパンタグラフ舟体に締結する方法がとられ
ているが、その締付トルクの規定値は100kgf・c
mである。表2の結果ではボルト頭切れの直前の本材料
の締付トルクはいづれも200kgf・cmを超えてお
り、また銅粉配合量50%以上ではめねじ側のねじ山の
崩れがないことから安全な強度が確保されている。
【0022】これらの結果から、パンタグラフ舟体への
炭素系すり板の固定方法は図2、図3、図4に示すよう
に現用の焼結合金製すり板と同様、すり板下部よりボル
トによる直接締結が可能となった。
炭素系すり板の固定方法は図2、図3、図4に示すよう
に現用の焼結合金製すり板と同様、すり板下部よりボル
トによる直接締結が可能となった。
【0023】次に、前記各実施例、比較例により得た集
電摺動材料から試験片10×25×90mmを切り出
し、その各試験片を回転式摺動試験機に取り付け、押付
力5kgf、通電電流DC100A、摺動速度65km
/H、542r・p・mで60分間無潤滑でトロリー線
に摺動させたときの試験片の比摩耗量(すり板をトロリ
ー線に対して荷重1kgfで押付け、距離1mm摺動し
たときの摩耗体積mm3)と相手方トロリー線の摩耗厚
みを測定し、トロリー線の摩耗率(トロリー線の摩耗厚
みmmをパンタ通過万単位回数で除したもの)とトロリ
ー線とすり板に起因する摺動騒音(ホーン)を示すと表
3の通である。
電摺動材料から試験片10×25×90mmを切り出
し、その各試験片を回転式摺動試験機に取り付け、押付
力5kgf、通電電流DC100A、摺動速度65km
/H、542r・p・mで60分間無潤滑でトロリー線
に摺動させたときの試験片の比摩耗量(すり板をトロリ
ー線に対して荷重1kgfで押付け、距離1mm摺動し
たときの摩耗体積mm3)と相手方トロリー線の摩耗厚
みを測定し、トロリー線の摩耗率(トロリー線の摩耗厚
みmmをパンタ通過万単位回数で除したもの)とトロリ
ー線とすり板に起因する摺動騒音(ホーン)を示すと表
3の通である。
【0024】
【表3】
【0025】回転式摺動試験機の構造は、JRが実用し
ている溝付硬銅トロリー線(断面110mm2)を円周
200cmの真円に配置し、そのトロリー線に試験片を
5kgfの力で押付けながら左右振幅50mmで摺動さ
せるようになっている。従って、542r・p・mで6
0分間回転させると、試験片は32,520回トロリー
線の同一個所を通過することになる。また、トロリー線
摩耗測定は200cmの真円の所定8個所の厚さ摩耗を
マイクロメーターで測定した。
ている溝付硬銅トロリー線(断面110mm2)を円周
200cmの真円に配置し、そのトロリー線に試験片を
5kgfの力で押付けながら左右振幅50mmで摺動さ
せるようになっている。従って、542r・p・mで6
0分間回転させると、試験片は32,520回トロリー
線の同一個所を通過することになる。また、トロリー線
摩耗測定は200cmの真円の所定8個所の厚さ摩耗を
マイクロメーターで測定した。
【0026】騒音計は回転式摺動試験機に取付けた試験
すり板より1mの位置に据えた。なお、トロリー線とす
り板に起因する騒音ホーン値はすり板を回転式試験機に
取付けて回転させた時の発生ホーン値より、すり板を取
付けないで試験機を回転させた時の発生ホーン値を差引
いて計算した。
すり板より1mの位置に据えた。なお、トロリー線とす
り板に起因する騒音ホーン値はすり板を回転式試験機に
取付けて回転させた時の発生ホーン値より、すり板を取
付けないで試験機を回転させた時の発生ホーン値を差引
いて計算した。
【0027】表3に示すように、本発明は集電摺動試験
の結果においても現用の焼結合金製すり板TC103に
対して、耐摩耗性の向上、トロリー線の摩耗抑制並びに
騒音低減の面で格段の優位性を示しており、炭素系すり
板としての本来の性能はいささかも損なわれてはいな
い。
の結果においても現用の焼結合金製すり板TC103に
対して、耐摩耗性の向上、トロリー線の摩耗抑制並びに
騒音低減の面で格段の優位性を示しており、炭素系すり
板としての本来の性能はいささかも損なわれてはいな
い。
【0028】なお、本発明において、ねじ穴の深さをす
り板の磨耗限界寸法と同一にすれば、すり板摺動面にね
じ穴が出現した時にすり板の取替時期を知ることができ
る、という視覚による磨耗管理の利点も得られる。
り板の磨耗限界寸法と同一にすれば、すり板摺動面にね
じ穴が出現した時にすり板の取替時期を知ることができ
る、という視覚による磨耗管理の利点も得られる。
【0029】なお、炭素系すり板の耐衝撃強度は、基本
的に焼結合金すり板にくらべると小さいため、万一の折
損に備えて図5に示すようにU字型の金属製または耐熱
材製保護ケース11を装着することもあるが、このこと
も本発明に包含される。また、降雨時の吸水防止対策と
して、焼結体に電気抵抗率が増加しない程度のレジンを
含浸させ、それを硬化して防水処理をすることもある
が、このことも本発明に包含される。
的に焼結合金すり板にくらべると小さいため、万一の折
損に備えて図5に示すようにU字型の金属製または耐熱
材製保護ケース11を装着することもあるが、このこと
も本発明に包含される。また、降雨時の吸水防止対策と
して、焼結体に電気抵抗率が増加しない程度のレジンを
含浸させ、それを硬化して防水処理をすることもある
が、このことも本発明に包含される。
【0030】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、炭
素系すり板の特徴であるトロリー線の磨耗抑制や騒音低
減の性能を維持しつつ、パンタグラフ舟体への固定方法
を焼結合金製すり板と同様にボルトによる直接締結方式
にすることができるため、すり板の取付け、取外し作業
は現行方法にくらべて飛躍的に簡素化されるとともに、
すり板そのもののコストも大巾な節減が見込まれ、パン
タグラフ用炭素系集電摺動材料として誠に有益である。
素系すり板の特徴であるトロリー線の磨耗抑制や騒音低
減の性能を維持しつつ、パンタグラフ舟体への固定方法
を焼結合金製すり板と同様にボルトによる直接締結方式
にすることができるため、すり板の取付け、取外し作業
は現行方法にくらべて飛躍的に簡素化されるとともに、
すり板そのもののコストも大巾な節減が見込まれ、パン
タグラフ用炭素系集電摺動材料として誠に有益である。
【図1】本発明にかかる炭素系すり板の一例を示す斜視
図である。
図である。
【図2】本発明にかかる炭素系すり板をパンタグラフ舟
体に結合した状態を示す断面図である。
体に結合した状態を示す断面図である。
【図3】本発明にかかる炭素系すり板をパンタグラフ舟
体に取付けた状態を示す平面図である。
体に取付けた状態を示す平面図である。
【図4】図3の正面図である。
【図5】本発明にかかる炭素系すり板をパンタグラフ舟
体に結合した部分の他の実施例を示す断面図である。
体に結合した部分の他の実施例を示す断面図である。
【図6】現用の炭素系すり板本体の斜視図である。
【図7】現用サヤ付炭素系すり板の斜視図である。
【図8】現用サヤ付炭素系すり板の裏側の斜視図であ
る。
る。
【図9】現用サヤ付炭素系すり板をパンタグラフ舟体に
取付けた状態を示す断面図である。
取付けた状態を示す断面図である。
【図10】焼結合金すり板をパンタグラフ舟体に結合し
た状態を示す断面図である。
た状態を示す断面図である。
1…炭素系すり板、2…ねじ穴、3…サヤ、4…ボル
ト、5…ナット、6…スプリングワッシャ、7…平ワッ
シャ、8…角溝、9…パンタグラフ舟体、10…焼結合
金すり板、11…U字型保護ケース。
ト、5…ナット、6…スプリングワッシャ、7…平ワッ
シャ、8…角溝、9…パンタグラフ舟体、10…焼結合
金すり板、11…U字型保護ケース。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 土屋 広志 東京都国分寺市光町二丁目8番地38 財団 法人鉄道総合技術研究所内 (72)発明者 池内 実治 東京都国分寺市光町二丁目8番地38 財団 法人鉄道総合技術研究所内 (72)発明者 畔津 巌 大分県大分市永興829番地 (72)発明者 畔津 常喜 大分県別府市上人ケ浜町9番9号 (72)発明者 畔津 秀明 大分県大分市岡3組 Fターム(参考) 4H104 AA04A AA08A EA08A JA01 LA03 LA20 PA01 PA14 5H105 AA08 AA14 AA18 BA02 BB01 CC02 CC12 DD04 DD28 EE02 EE13
Claims (2)
- 【請求項1】 炭素粉と良導電性の金属粉とを混合して
加圧成形し、その成形体を金属が溶出しない範囲の高温
で焼結した炭素系集電摺動材料の製造方法において、金
属粉の配合割合を重量比にて50〜70%に設定すると
共に、得られた焼結体の見掛比重が3.0g/cm3 以
上、衝撃値が3.3kgf・cm/cm2 以上となるよ
うに加圧成形条件を設定することにより、パンタグラフ
舟体との結合を金属ボルトで締結し得るネジ穴を焼結体
に直接穿設することを可能ならしめたことを特徴とする
炭素系集電摺動材料の製造方法。 - 【請求項2】 炭素粉と良導電性の金属粉とを混合して
加圧成形し、その成形体を金属が溶出しない範囲の高温
で焼結した炭素系集電摺動材料において、金属粉の配合
割合を重量比にて50〜70%に設定すると共に、得ら
れた焼結体の見掛比重が3.0g/cm3 以上、衝撃値
が3.3kgf・cm/cm2 以上よりなるものとし、
その焼結体にパンタグラフ舟体との締結用ネジ穴を直接
穿設したことを特徴とする炭素系集電摺動材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18954299A JP2001011479A (ja) | 1999-07-02 | 1999-07-02 | 炭素系集電摺動材料の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18954299A JP2001011479A (ja) | 1999-07-02 | 1999-07-02 | 炭素系集電摺動材料の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001011479A true JP2001011479A (ja) | 2001-01-16 |
Family
ID=16243063
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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CN110683854A (zh) * | 2019-11-21 | 2020-01-14 | 常思荣 | 一种受电弓碳滑板及其制备方法 |
-
1999
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