JPH05105777A - ポリイソイミドフイルム及びこれを用いたフレキシブル印刷回路用基板の製造方法 - Google Patents

ポリイソイミドフイルム及びこれを用いたフレキシブル印刷回路用基板の製造方法

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JPH05105777A
JPH05105777A JP26568791A JP26568791A JPH05105777A JP H05105777 A JPH05105777 A JP H05105777A JP 26568791 A JP26568791 A JP 26568791A JP 26568791 A JP26568791 A JP 26568791A JP H05105777 A JPH05105777 A JP H05105777A
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JP
Japan
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polyisoimide
film
printed circuit
flexible printed
dianhydride
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Application number
JP26568791A
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English (en)
Inventor
Takuya Tochimoto
卓哉 栃本
Toshio Nakao
俊夫 中尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Publication date
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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 芳香族カルボン酸二無水物成分と、芳香族ジ
アミン成分とを、該ジアミン成分が両末端を形成し、該
両末端がジカルボン酸無水物及び/又はその誘導体で封
止されたポリアミック酸をイソイミド化したポリイソイ
ミドが離型材上に形成された、必要により所定の開孔部
を設けたポリイソイミドフィルム及びこのフィルムを導
体箔に貼着しイミド化したフレキシブル印刷回路用基板
の製造方法。 【効果】 接着剤層のない2層および多層フレキシブル
印刷回路板の本来持っている耐アルカリ性、耐溶剤性、
耐熱性、電気特性を低下させることなく、寸法変化率の
低下及びカール発生の低減等の効果を得ることができ、
2層フレキシブル印刷回路用基板及びカバーレイ付きフ
レキシブル回路基板を容易にかつ安価に、生産性・収率
よく得ることが出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリイソイミド及びこ
れを用いた、必要により開孔部を設けたフィルム、この
フィルムより得られる接着剤層を持たないフレキシブル
印刷回路用基板に関するものである。さらに本発明は接
着剤層を持たない多層板やカバーレイフィルムへの応用
も可能である。
【0002】
【従来の技術】近年、電子・電気工業の発展に伴い、通
信用、民生用機器の実装方式の簡略化、小型化、高信頼
性が要求され、プリント回路基板の使用が望まれてい
る。特に軽量で立体的に実装できるフレキシブルプリン
ト回路板の使用が有利であり、注目されている。
【0003】従来、ポリイミド樹脂を用いた2層フレキ
シブルプリント回路基板を製造するには、銅箔上にポリ
アミック酸のワニスを塗布し、これを乾燥、硬化させる
方法が一般的に用いられている。しかし、このポリアミ
ック酸の溶液は室温では不安定であり、保存には低温を
要し、長期の保存には適していない。さらに、最近では
多層構造を有するフレキシブルプリント回路基板の使用
が強く望まれている。しかしながら、これらのポリアミ
ック酸を両面フレキシブルプリント回路基板に用いた場
合、乾燥条件が穏やかな場合、銅箔同志を貼り合わせた
ときに、イミド化の際に生成する水などにより、銅箔上
に、膨れ、しわなどを生じ、反対に、乾燥条件が強すぎ
ると十分な接着力が得られないという欠点があった。ま
た、熱可塑性のポリイミドを用いた例もいくつか報告さ
れているが、接着力、耐熱性の面でまだ十分とは言えな
い。
【0004】接着剤層を持たない2層フレキシブル印刷
回路用基板は、電子機器の小型・軽量化が進むにつれ、
ますます用途が拡大し、同様に接着剤層を持たないフィ
ルムカバーレイ開発、さらに最近では従来の様な配線基
板としてだけでなく、TAB用キャリアテープの様な支
持フィルムに穴のあいた基板の利用も増大してきてい
る。
【0005】2層フレキシブル印刷回路基板用の接着剤
層を持たないカバーレイの製造方法としては、2層フレ
キシブル印刷回路基板上にポリイミド前駆体インクをス
クリーン印刷法等で直接塗布・乾燥させる方法等が試み
られているが、ポリイミド前駆体ワニスをインクとして
使用するには、チキソ性を上げるためにフィラー等を混
入させる必要があり、基材であるフィラーを持たないポ
リイミドフィルム層とフィラーの入ったポリイミドカバ
ーレイ層間でバランスを取ることが難しく、このため得
られたカバーレイ付きフレキシブル印刷回路基板は耐折
性の充分なものが得られなかった。
【0006】一方、TAB等に用いられる支持フィルム
層に孔加工がされ、かつ導体配線を有するフレキシブル
印刷回路用基板の製造方法としては、予め支持フィルム
層にパンチング等で孔加工を行い、接着剤を用いて導体
層を貼り合わせた後、配線回路を形成する方法や、導体
層にポリアミック酸溶液を直接塗布し、乾燥・イミド化
を行うか、支持フィルム層に蒸着法やスパッタリング法
によって導体層を形成した後、レーザーあるいは強アル
カリ性溶液によって支持フィルム層に孔加工を行い、そ
の後配線回路を形成する方法が用いられている。
【0007】しかし、従来用いられているこれらの方法
においては、それぞれに耐熱性、密着力、加工性、耐薬
品性に欠点を有している。先ず、接着剤層を持つ3層フ
レキシブル印刷回路用基板では、接着剤層の耐熱性が低
いため、支持フィルムにポリイミドを用いても、フレキ
シブル印刷回路用基板としての耐熱性は接着剤層の耐熱
性によって決定されるという欠点を有している。導体層
を蒸着やスパッタリング法で形成した場合、支持フィル
ム層と導体層の密着力が低いという欠点、あるいは樹脂
層を厚くしていった場合たとえば直接ポリアミック酸を
塗布・乾燥させ、厚膜を形成させるとイミド化に伴う収
縮による応力が導体層の支持力を上回り、乾燥中に大き
なカールを生じる。一方、導体層にポリアミック酸溶液
を直接何度か繰り返し塗布・乾燥し、さらにイミド化す
ると工程中のカールは軽減されるが、導体層に近い部分
と導体層の反対側の部分では熱履歴が異なるためフィル
ム中のイミド化率及び溶剤残留量に差が生じ、銅箔エッ
チング後のフィルムのカール・寸法変化率等が大きくな
る。またレーザーを用いる場合、特にエキシマレーザー
を用いると微細加工性に優れ銅箔へのダメージも少ない
が、強固なイミド結合を切断しなければならず、加工に
時間を要し生産性が低いため、ランニングコストが高い
という問題点を有している。あるいはイミド化後にアル
カリエッチング可能な分子構造をもつポリイミドは、耐
溶剤性が若干落ち、かつエッチング液として強アルカリ
性溶液を用いるために危険性が高く、また安易に廃液処
理ができないという欠点を有している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的とすると
ころは、上述の欠点を克服したポリイソイミドフィルム
であって、これを用いて接着剤層のない2層および多層
フレキシブル印刷回路板の本来持っている耐アルカリ
性、耐溶剤性、耐熱性、電気特性を低下させることな
く、所定の厚みを有し、また必要により孔加工されたポ
リイソイミドフィルム、さらにそのフィルムから作成し
たフレキシブル印刷回路用基板を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、芳香族カルボ
ン酸二無水物成分と、芳香族ジアミン成分とを、該ジア
ミン成分が両末端を形成し、該両末端がジカルボン酸無
水物及び/又はその誘導体で封止されたポリアミック酸
をイソイミド化したポリイソイミドが離型材上に形成さ
れた、必要により所定の開孔部を設けたポリイソイミド
フィルム及びこのフィルムを導体箔に貼着しイミド化し
たフレキシブル印刷回路用基板の製造方法である。
【0010】本発明において用いられる酸二無水物の例
を挙げると、ピロメリット酸二無水物、3,3',4,4'-ベン
ゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'-ベン
ゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'-ベン
ゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ナフタレン-2,
3,6,7-テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン-1,2,5,6
-テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン-1,2,4,5-テト
ラカルボン酸二無水物、ナフタレン-1,4,5,8-テトラカ
ルボン酸二無水物、ナフタレン-1,2,6,7-テトラカルボ
ン酸二無水物、4,8-ジメチル-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒド
ロナフタレン-1,2,5,6-テトラカルボン酸二無水物、4,8
-ジメチル-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロナフタレン-2,3,
6,7-テトラカルボン酸二無水物、2,6-ジクロロナフタレ
ン-1,4,5,8-テトラカルボン酸二無水物、2,7-ジクロロ
ナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸二無水物、2,3,
6,7-テトラクロロナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン
酸二無水物、1,4,5,8-テトラクロロナフタレン-2,3,6,7
-テトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'-ジフェニルテ
トラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'-ジフェニルテトラ
カルボン酸二無水物、2,3,3',4'-ジフェニルテトラカル
ボン酸二無水物、3,3",4,4"-p-テルフェニルテトラカル
ボン酸二無水物、2,2",3,3"-p-テルフェニルテトラカル
ボン酸二無水物、2,3,3",4"-p-テルフェニルテトラカル
ボン酸二無水物、2,2-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)
-プロパン二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニ
ル)-プロパン二無水物、ビス(2,3-ジカルボキシフェニ
ル)エーテル二無水物、ビス(2,3-ジカルボキシフェニ
ル)メタン二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)
メタン二無水物、ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)スル
ホン二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)スルホ
ン二無水物、1,1-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)エタ
ン二無水物、1,1-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エタ
ン二無水物、ペリレン-2,3,8,9-テトラカルボン酸二無
水物、ペリレン-3,4,9,10-テトラカルボン酸二無水物、
ペリレン-4,5,10,11-テトラカルボン酸二無水物、ペリ
レン-5,6,11,12-テトラカルボン酸二無水物、フェナン
スレン-1,2,7,8-テトラカルボン酸二無水物、フェナン
スレン-1,2,6,7-テトラカルボン酸二無水物、フェナン
スレン-1,2,9,10-テトラカルボン酸二無水物、シクロペ
ンタン-1,2,3,4-テトラカルボン酸二無水物、ピラジン-
2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物、ピロリジン-2,3,
4,5-テトラカルボン酸二無水物、チオフェン-2,3,4,5-
テトラカルボン酸二無水物、4,4'-オキシジフタル酸二
無水物などがあげられるが、これらに限定されるもので
はない。
【0011】本発明において用いられるジアミン成分の
例を具体的に挙げると、3,3'-ジメチル-4,4'-ジアミノ
ビフェニル、4,6-ジメチル-m-フェニレンジアミン、2,5
-ジメチル-p-フェニレンジアミン、2,4-ジアミノメシチ
レン、4,4'-メチレンジ-o-トルイジン、4,4'-メチレン
ジ-2,6-キシリジン、4,4'-メチレン-2,6-ジエチルアニ
リン、2,4-トルエンジアミン、m-フェニレン-ジアミ
ン、p-フェニレン-ジアミン、4,4'-ジアミノ-ジフェニ
ルプロパン、3,3'-ジアミノ-ジフェニルプロパン、4,4'
-ジアミノ-ジフェニルエタン、3,3'-ジアミノ-ジフェニ
ルエタン、4,4'-ジアミノ-ジフェニルメタン、3,3'-ジ
アミノ-ジフェニルメタン、4,4'-ジアミノ-ジフェニル
スルフィド、3,3'-ジアミノ-ジフェニルスルフィド、4,
4'-ジアミノ-ジフェニルスルホン、3,3'-ジアミノ-ジフェニルスル
ホン、4,4'-ジアミノ-ジフェニルエーテル、3,3'-ジア
ミノ-ジフェニルエーテル、ベンジジン、3,3'-ジアミノ
-ビフェニル、3,3'-ジメチル-4,4'-ジアミノ-ビフェニ
ル、3,3'-ジメトキシ-ベンジジン、4,4"-ジアミノ-p-テ
ルフェニル、3,3"-ジアミノ-p-テルフェニル、ビス(p-
アミノ-シクロヘキシル)メタン、ビス(p-β-アミノ-t-
ブチルフェニル)エーテル、ビス(p-β-メチル-δ-アミ
ノペンチル)ベンゼン、p-ビス(2-メチル-4-アミノ-ペン
チル)ベンゼン、p-ビス(1,1-ジメチル-5-アミノ-ペンチ
ル)ベンゼン、1,5-ジアミノ-ナフタレン、2,6-ジアミノ
-ナフタレン、2,4-ビス(β-アミノ-t-ブチル)トルエ
ン、2,4-ジアミノ-トルエン、m-キシレン-2,5-ジアミ
ン、p-キシレン-2,5-ジアミン、m-キシリレン-ジアミ
ン、p-キシリレン-ジアミン、2,6-ジアミノ-ピリジン、
2,5-ジアミノ-ピリジン、2,5-ジアミノ-1,3,4-オキサジ
アゾール、1,4-ジアミノ-シクロヘキサン、ピペラジ
ン、メチレン-ジアミン、エチレン-ジアミン、プロピレ
ン-ジアミン、2,2-ジメチル-プロピレン-ジアミン、テ
トラメチレン-ジアミン、ペンタメチレン-ジアミン、ヘ
キサメチレン-ジアミン、2,5-ジメチル-ヘキサメチレン
-ジアミン、3-メトキシ-ヘキサメチレン-ジアミン、ヘ
プタメチレン-ジアミン、2,5-ジメチル-ヘプタメチレン
-ジアミン、3-メチル-ヘプタメチレン-ジアミン、4,4-
ジメチル-ヘプタメチレン-ジアミン、オクタメチレン-
ジアミン、ノナメチレン-ジアミン、5-メチル-ノナメチ
レン-ジアミン、2,5-ジメチル-ノナメチレン-ジアミ
ン、デカメチレン-ジアミン、1,10-ジアミノ-1,10-ジメ
チル-デカン、2,11-ジアミノ-ドデカン、1,12-ジアミノ
-オクタデカン、2,12-ジアミノ-オクタデカン、2,17-ジ
アミノ-アイコサン、1,3'-ビス(3-アミノフェノキシ)ベ
ンゼンなどが挙げられる。
【0012】ジカルボン酸無水物としては、無水マレイ
ン酸、無水フタル酸、ナフタリンジカルボン酸無水物な
どが普通には用いられる。
【0013】本発明において、用いられるBPDAとP
MDAのモル比は、90:10〜50:50が好ましく、さらに
好ましくは、80:20〜60:40である。酸成分としてPM
DAを用いた場合、50モル%以上の添加ではフィルムの
接着性は低下する。また10モル%以下では寸法変化率の
値が悪くなる。
【0014】一方、芳香族ジアミンとして用いるPPD
と4,4'-DDEまたは3,4'-DDEのモル比は、90:10〜
50:50が好ましく、さらに好ましくは、80:20〜60:40
である。4,4'-DDEまたは3,4'-DDEの添加量が50モ
ル%を超えると耐熱性、寸法安定性が低下する。一方、
10モル%以下では充分な接着力が得られない。
【0015】テトラカルボン酸二無水物成分、ジアミン
成分、ジカルボン酸無水物成分の反応は、酸二無水物成
分/ジアミン成分/酸無水物成分(モル比)=0.9/1.0
/0.2〜0.99/1.0/0.02で行うのが好ましい。酸二無水
物成分が0.90より低いと重合度が上がらず、硬化後の皮
膜特性が悪い。1.00より大きいと、硬化時にガスを発生
し、平滑な皮膜を得ることが出来ない。
【0016】反応は通常、テトラカルボン酸二無水物ま
たはジアミン類と反応しない有機極性溶媒中で行われ
る。この有機極性溶媒は、反応系に対して不活性であ
り、かつ生成物に対して溶媒であること以外に、反応成
分の少なくとも一方、好ましくは両者に対して良溶媒で
なければならない。この種の溶媒として代表的なもの
は、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトア
ミド、ジメチルスルホン、ジメチルスルホキシド、N-メ
チル-2-ピロリドン等があり、これらの溶媒は単独また
は組み合わせて使用される。この他にも溶媒として組み
合わせて用いられるものとしてベンゼン、ジオキサン、
キシレン、トルエン、シクロヘキサン等の非極性溶媒
が、原料の分散媒、反応調節剤あるいは生成物からの揮
散調節剤、皮膜平滑剤等として使用される。
【0017】反応は一般的に無水の条件下で行うことが
好ましい。これはテトラカルボン酸二無水物が水により
開環し、不活性化し、反応を停止させる恐れがあるため
である。このため仕込原料中の水分も溶媒中の水分も除
去する必要がある。しかし一方、反応の進行を調節し、
樹脂重合度をコントロールするためにあえて水を添加す
ることも行われる。また反応は不活性ガス雰囲気中で行
われることが好ましい。これはジアミン類の酸化を防止
するためである。不活性ガスとしては一般的に乾燥窒素
ガスが使用される。
【0018】ジカルボン酸無水物は、酸二無水物成分及
びジアミン成分と共に同時に反応系中に添加して反応さ
せてもよいし、酸二無水物成分とジアミン成分とを予め
反応させた後で、添加して反応させてもよい。反応によ
って得られたポリアミック酸は、ジシクロヘキシルカル
ボジイミドなどの触媒でイソイミド化される。
【0019】離型材として用いることのできる材料とし
ては、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエーテルサ
ルフォン、ポリイミド、ポリエチレン等のプラスチック
フィルムや導体箔があげられる。
【0020】導体箔として用いることのできる材料とし
ては、銅、アルミニウム、コンスタンタン、ニッケル等
の金属箔が挙げられる。
【0021】本発明において、離型材上にポリイソイミ
ドフィルムを形成する方法は、離型材上にロータリーコ
ーター、ナイフコーター、ドクターブレード、フローコ
ーター等の公知の塗布手段で離型材上端から1〜100μm
の均一な厚さに流延塗布した後、加熱乾燥することによ
り得ることが出来る。次いで、導体箔上のポリイソイミ
ド面を合わせて又は他の導体箔を合わせて圧着し、イミ
ド化して両面フレキシブル印刷回路用基板とする。ま
た、導体箔上に半硬化させたポリイソイミドフィルムを
形成させ、さらに同一組成または異なる組成の他の離型
材上に形成されたポリイソイミドフィルムをイソイミド
フィルム面を合わせて、必要によりこの間にイソイミド
フィルムを所定の枚数挿入し、2枚以上同時に加熱・圧
着し、厚みの厚いポリイソイミドフィルムを形成させる
ことも出来る。
【0022】即ち、離型材上にポリイソイミド溶液を塗
布し、タックフリー状態になるまで乾燥し、ポリイソイ
ミドフィルムを形成する。その後、ポリイソイミドフィ
ルム面を重ね合わせ、ポリイソイミドフィルム同士を加
熱・圧着し、最初に塗布・乾燥した厚みの整数倍のポリ
イソイミドフィルムを作製する。このとき、必要に応じ
てポリイソイミドの面同士を重ねられるように、離型材
を剥離したポリイソイミドフィルムを所定の枚数間に挿
入してより厚いポリイソイミドフィルムを得ることも出
来る。また圧着後片側の離型材を剥し、同様のことを繰
り返して更に厚いものを得ることも出来る。このとき、
所要の厚みとなるところで上下両側に導体箔の付いたも
のを用いれば、両面フレキシブル印刷回路用基板とする
ことができる。
【0023】次に、その離型材のついたポリイソイミド
フィルムを通常の方法、例えば、打ち抜き、切断、アル
カリエッチング、レーザー等によって離型材と共に或は
ポリイソイミドフィルムのみを開孔させて孔加工を行
う。孔加工が終了した後、導体箔もしくはフレキシブル
印刷回路基板にポリイソイミドフィルムを加熱・圧着
後、離型材を剥離し、充分にイミド化を行う。
【0024】本発明において、ポリイソイミド溶液を乾
燥させ、ポリイソイミドフィルムを形成させる条件とし
ては、100〜180℃、30〜200分が適当である。これより
温度が低く時間が短い場合、導体箔と加熱・圧着する
際、流動性が大きく、開孔部でのにじみ、しみ出しが大
きく、フィルム厚のバラツキも大きくなり、イミド化後
の寸法変化が大きくなる。また、多層板として使用する
際に残存溶媒による膨れが生じる。反対に、これより温
度が高く時間が長い場合、イソイミドのイミド化が進行
し、導体箔と加熱・圧着する際、流動性が小さすぎ、導
体箔もしくはフレキシブル印刷回路基板とのピール強度
が低下する。
【0025】イソイミド1枚の塗布厚みとしては、イミ
ド化後の厚み50μm以下が適当である。これより厚い場
合は、溶剤の蒸発速度が遅く、生産性が著しく低下す
る。ポリイソイミドフィルムを導体箔に加熱・圧着する
条件としては、プレス形式の場合は70〜200℃、5〜100k
g/cm2、5〜30分、ロール式ラミネータの場合は70〜200
℃、1〜50kg/cm、0.1〜10m/分の条件が適当である。
またポリイソイミドフィルム面同士を合わせて加熱・圧
着する条件としては、プレス形式の場合は200〜380℃、
5〜150kg/cm2、5〜30分、ロール式ラミネータの場合は
200〜380℃、1〜50kg/cm、0.1〜10m/分の条件が適当
である。
【0026】さらに、本発明のフィルムは、加熱硬化時
の縮合水の生成がないことから、多層板としても応用が
可能であり、また接着剤層を持たず導体箔とポリイミド
から構成された基板を2層フレキシブル印刷回路基板と
して用いることが出来る。
【0027】
【作用】本発明は、離型材上に形成された必要により開
孔部を有する特定のポリイソイミドフィルムを用い、導
体箔もしくはフレキシブル印刷回路基板と加熱・圧着
し、イミド化を完結させることにより、容易にかつ安価
に、生産性・収率よく必要により支持フィルム層に孔を
有する2層フレキシブル印刷回路用基板及びカバーレイ
付きフレキシブル回路基板を得ることが出来る。
【0028】
【実施例】
(実施例1)撹拌機、温度計、窒素導入管を備えた4ッ
口フラスコへ、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン
(以下APBと略す)292.34g(1.0モル)と、N-メチ
ル-2-ピロリドン(以下NMPと略す)を3000g加え、
窒素気流下、室温で撹拌し、溶解した。この溶液を15℃
以下まで冷却し、精製した3,3',4,4'-ビフェニルテトラ
カルボン酸二無水物(以下BPDAと略す)285.39g
(0.97モル)及び無水フタル酸 8.89g(0.06モル)
を、15℃を越えないように徐々に添加し、15℃で6時間
撹拌し、ポリアミック酸の溶液を得た。
【0029】このポリアミック酸の溶液に、N,N'-ジシ
クロヘキシルカルボジイミド(以下DDCと略す)288.
86g(1.4モル)を300gのNMPに溶解して、8時間か
けてゆっくりと滴下した。室温でさらに12時間撹拌し、
アミック酸部分を一部含有するポリイソイミドの溶液を
得た。イソイミド化の際に生成したジシクロヘキシル尿
素を濾別し、NMPで数回洗浄を行なった。濾液を大過
剰のメタノール中へ再沈し、ポリイソイミドの粉末を得
た。この粉末をジメチルホルムアミドに樹脂含量が20重
量%になるように溶解し、ポリイソイミド溶液とした。
【0030】得られたポリイソイミド溶液を市販のポリ
エステルフィルム上に、乾燥後の厚みが25μmになるよ
うに塗布し、150℃、1時間、乾燥を行い、離型フィル
ムのついたポリイソイミドフィルムを得た。このフィル
ムに、金型を用いて孔加工を行ない、市販の銅箔粗化面
上にポリイソイミド側を重ね合わせた。次いで、90℃、
40kg/cm2、15分加熱・圧着を行った。その後、離型フィ
ルムを剥し、350℃で1時間加熱を行い、イソイミド骨
格のイミド化を完結した。得られた2層フレキシブル印
刷回路用基板の特性は、通常の方法でポリアミック酸を
銅箔上へ直接塗布、乾燥、イミド化を行ない、作製した
ものと同等の以上の特性を有していた。
【0031】(実施例2)撹拌機、温度計、窒素導入管
を備えた4ッ口フラスコへ、APB 292.34g(1.0モ
ル)と、NMP 3000gを加え、窒素気流下、室温で撹
拌し、溶解した。この溶液を15℃以下まで冷却し、精製
したBPDA 285.39g(0.97モル)を、15℃を越えな
いように徐々に添加し、15℃で5時間撹拌した。次い
で、無水フタル酸 8.89g(0.06モル)を加え、15℃で
さらに2時間撹拌を行い、ポリアミック酸の溶液を得
た。
【0032】このポリアミック酸の溶液に、DCC412.
33g(2.0モル)を300gのNMPに溶解して、8時間か
けてゆっくりと滴下した。室温でさらに12時間撹拌し、
ポリイソイミドの溶液を得た。イソイミド化の際に生成
したジシクロヘキシル尿素を濾別し、NMPで数回洗浄
を行なった。濾液を大過剰のメタノール中へ再沈し、ポ
リイソイミドの粉末を得た。この粉末をジメチルホルム
アミドに樹脂含量が20重量%になるように溶解し、ポリ
イソイミド溶液とした。
【0033】得られたポリイソイミド溶液を市販の銅箔
の粗化面上に、乾燥後の厚みが12.5μmになるように塗
布し、80℃、1時間、さらに、150℃、1時間乾燥を行
い、ポリイソイミド側を内側にこれらを2枚貼り合わ
せ、ロール式ラミネーターを用い、350℃、15kg/cmで、
0.2m/分で加熱・圧着を行い、両面フレキシブルプリ
ント回路基板を得た。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、ポリイソイミドを用い
ることによりイミド化完結後も他の特性を損なうことな
く、寸法変化率の低下及びカール発生の低減等の効果を
得ることができ、さらに本発明のフィルムを用いて支持
フィルムに必要により孔を有する2層フレキシブル印刷
回路用基板及びカバーレイ付き2層フレキシブル印刷回
路基板および多層フレキシブル印刷回路用基板を得るこ
とができる。本発明は、連続シートを用いたフレキシブ
ル印刷回路基板の連続工程にも容易に適用できるなど、
工業的な孔加工されたフレキシブル印刷回路用基板の製
造方法として好適なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C08L 79:00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族カルボン酸二無水物成分と、芳香
    族ジアミン成分とを、該ジアミン成分が両末端を形成
    し、該両末端がジカルボン酸無水物及び/又はその誘導
    体で封止されたポリアミック酸をイソイミド化したポリ
    イソイミドが離型材上に形成されたポリイソイミドフィ
    ルム。
  2. 【請求項2】 所定の開孔部を設けた請求項1のポリイ
    ソイミドフィルム。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2のフィルムを導体
    箔に貼着しイミド化したフレキシブル印刷回路用基板の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 離型材が導体箔である請求項1のフィル
    ム。
  5. 【請求項5】 請求項4のフィルムのポリイソイミド面
    同士を合わせて又はポリイソイミド面に導体箔を合わせ
    て貼着し、イミド化した両面フレキシブル印刷回路用基
    板の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項4のフィルムをそのままイミド化
    したフレキシブル印刷回路用基板の製造方法。
JP26568791A 1991-10-15 1991-10-15 ポリイソイミドフイルム及びこれを用いたフレキシブル印刷回路用基板の製造方法 Pending JPH05105777A (ja)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019070074A (ja) * 2017-10-10 2019-05-09 Jnc株式会社 イソイミド結合を有する重合体およびその製造方法、ならびにイミド結合を有する重合体

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