JPH05104255A - 直流抵抗溶接機の溶接電流制御方法および装置 - Google Patents
直流抵抗溶接機の溶接電流制御方法および装置Info
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- JPH05104255A JPH05104255A JP3266555A JP26655591A JPH05104255A JP H05104255 A JPH05104255 A JP H05104255A JP 3266555 A JP3266555 A JP 3266555A JP 26655591 A JP26655591 A JP 26655591A JP H05104255 A JPH05104255 A JP H05104255A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】目標溶接電流値と実測溶接電流値との差に応じ
て積分制御と比例制御とのゲイン比率を変えることによ
り、実測溶接電流の波形を予め設定された目標溶接電流
波形に適正な速度で追従するように制御し、高品質な溶
接を行うことのできる直流抵抗溶接機の溶接電流制御方
法および装置を提供する。 【構成】インバータ式直流抵抗溶接装置20は制御回路
30と電流検出器34とを備え、制御回路30はスロー
アップ制御期間において、電流検出器34が検出した溶
接電流値が予め設定された設定溶接電流値を越えたと
き、通電時間を読み取り、該通電時間に基づいて溶接電
流を制御するゲインの値を溶接電流波形記憶回路92か
ら読み出す。次いで、これらの値から直後の溶接電流を
制御するためのパルス幅の演算を行うことにより、適正
なスローアップ特性曲線に則った溶接電流の制御を行う
ことが可能となる。
て積分制御と比例制御とのゲイン比率を変えることによ
り、実測溶接電流の波形を予め設定された目標溶接電流
波形に適正な速度で追従するように制御し、高品質な溶
接を行うことのできる直流抵抗溶接機の溶接電流制御方
法および装置を提供する。 【構成】インバータ式直流抵抗溶接装置20は制御回路
30と電流検出器34とを備え、制御回路30はスロー
アップ制御期間において、電流検出器34が検出した溶
接電流値が予め設定された設定溶接電流値を越えたと
き、通電時間を読み取り、該通電時間に基づいて溶接電
流を制御するゲインの値を溶接電流波形記憶回路92か
ら読み出す。次いで、これらの値から直後の溶接電流を
制御するためのパルス幅の演算を行うことにより、適正
なスローアップ特性曲線に則った溶接電流の制御を行う
ことが可能となる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は溶接電流を予め記憶され
た溶接電流波形と一致するように制御することにより高
品質の溶接を行うことのできる直流抵抗溶接機の溶接電
流制御方法および装置に関する。
た溶接電流波形と一致するように制御することにより高
品質の溶接を行うことのできる直流抵抗溶接機の溶接電
流制御方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】産業界においては、種々のワークを溶接
するために、インバータ式直流抵抗溶接装置が広範に用
いられているが、この種のインバータ式直流抵抗溶接装
置でワークに溶接を行うとき、予め設定された基準溶接
電流を予め設定された通電時間だけ通電するという定電
流制御を行っている。
するために、インバータ式直流抵抗溶接装置が広範に用
いられているが、この種のインバータ式直流抵抗溶接装
置でワークに溶接を行うとき、予め設定された基準溶接
電流を予め設定された通電時間だけ通電するという定電
流制御を行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来技術におけるインバータ式直流抵抗溶接装置では、
溶接トランスが一次遅れ系であり、さらに、溶接電流の
制御方式が積分動作によるサーボ制御方式であるため
に、目標溶接電流値に到達するための時間を多く必要と
し、また実測溶接電流波形を予め設定された目標溶接電
流波形に追従させる制御が困難であるという問題があっ
た。
従来技術におけるインバータ式直流抵抗溶接装置では、
溶接トランスが一次遅れ系であり、さらに、溶接電流の
制御方式が積分動作によるサーボ制御方式であるため
に、目標溶接電流値に到達するための時間を多く必要と
し、また実測溶接電流波形を予め設定された目標溶接電
流波形に追従させる制御が困難であるという問題があっ
た。
【0004】本発明はこのような従来の問題を解決する
ためになされたものであって、目標溶接電流値と実測溶
接電流値との差に応じて積分制御と比例制御とのゲイン
比率を変えることにより、実測溶接電流の波形を予め設
定された目標溶接電流波形に短時間で適正に追従するよ
うに制御し、高品質な溶接を行うことのできる直流抵抗
溶接機の溶接電流制御方法および装置を提供することを
目的とする。
ためになされたものであって、目標溶接電流値と実測溶
接電流値との差に応じて積分制御と比例制御とのゲイン
比率を変えることにより、実測溶接電流の波形を予め設
定された目標溶接電流波形に短時間で適正に追従するよ
うに制御し、高品質な溶接を行うことのできる直流抵抗
溶接機の溶接電流制御方法および装置を提供することを
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、第1の発明は、インバータ式直流抵抗溶接機にお
ける溶接電流制御方法であって、予め設定された溶接時
間毎に溶接電流値を読み取る第1のステップと、前記読
み取った溶接電流値と予め設定された溶接時間毎の目標
溶接電流値との電流差を演算する第2のステップと、前
記第2のステップによって演算された電流差に基づいて
比例ゲインと積分ゲインとを演算する第3のステップ
と、前記比例ゲインと積分ゲインとにより溶接電流を制
御するパルス幅を演算する第4のステップと、からなる
ことを特徴とする。
めに、第1の発明は、インバータ式直流抵抗溶接機にお
ける溶接電流制御方法であって、予め設定された溶接時
間毎に溶接電流値を読み取る第1のステップと、前記読
み取った溶接電流値と予め設定された溶接時間毎の目標
溶接電流値との電流差を演算する第2のステップと、前
記第2のステップによって演算された電流差に基づいて
比例ゲインと積分ゲインとを演算する第3のステップ
と、前記比例ゲインと積分ゲインとにより溶接電流を制
御するパルス幅を演算する第4のステップと、からなる
ことを特徴とする。
【0006】さらに、第2の発明は、インバータ式直流
抵抗溶接機における溶接電流制御装置であって、予め設
定された溶接時間毎に溶接電流値を読み取る溶接電流検
出手段と、予め設定された溶接時間毎の目標溶接電流値
を記憶する溶接電流記憶手段と、前記読み取った溶接電
流値と前記目標溶接電流値との電流差を演算し、この電
流差に基づいて比例ゲインと積分ゲインとを演算するゲ
イン演算手段と、前記比例ゲインと積分ゲインとにより
溶接電流を制御するパルス幅を演算するパルス幅演算手
段と、を備えることを特徴とする。
抵抗溶接機における溶接電流制御装置であって、予め設
定された溶接時間毎に溶接電流値を読み取る溶接電流検
出手段と、予め設定された溶接時間毎の目標溶接電流値
を記憶する溶接電流記憶手段と、前記読み取った溶接電
流値と前記目標溶接電流値との電流差を演算し、この電
流差に基づいて比例ゲインと積分ゲインとを演算するゲ
イン演算手段と、前記比例ゲインと積分ゲインとにより
溶接電流を制御するパルス幅を演算するパルス幅演算手
段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
【作用】本発明に係る直流抵抗溶接機の溶接電流制御方
法および装置では、ゲイン演算手段は溶接時間毎に設定
された目標溶接電流値と、前記溶接時間毎に読み取った
溶接電流値との差を求め、この電流差に基づいて比例ゲ
インと積分ゲインとを演算する。
法および装置では、ゲイン演算手段は溶接時間毎に設定
された目標溶接電流値と、前記溶接時間毎に読み取った
溶接電流値との差を求め、この電流差に基づいて比例ゲ
インと積分ゲインとを演算する。
【0008】次いで、前記比例ゲインと積分ゲインとに
よりパルス幅演算手段が溶接電流を制御するパルス幅を
演算する。
よりパルス幅演算手段が溶接電流を制御するパルス幅を
演算する。
【0009】従って、比例ゲインと積分ゲインとによっ
て溶接電流を制御するパルス幅が演算されるため、溶接
電流は予め設定された溶接電流値に対して適正な追従を
することができる。
て溶接電流を制御するパルス幅が演算されるため、溶接
電流は予め設定された溶接電流値に対して適正な追従を
することができる。
【0010】
【実施例】次に、本発明に係る直流抵抗溶接機の溶接電
流制御方法および装置について好適な実施例を挙げ、添
付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
流制御方法および装置について好適な実施例を挙げ、添
付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
【0011】図1は本発明の一実施例の全体構成を示す
ブロック図であり、図中、参照符号20はインバータ式
直流抵抗溶接装置を示す。
ブロック図であり、図中、参照符号20はインバータ式
直流抵抗溶接装置を示す。
【0012】インバータ式直流抵抗溶接装置20は三相
交流電源21から出力される三相交流を全波整流するコ
ンバータ回路22と、全波整流された直流を高周波交流
に変換するインバータ回路24と、高周波交流を整流す
る溶接トランス回路26と、被溶接物であるワークWに
通電することにより溶接を行う溶接ガン部28と、イン
バータ回路24を制御することにより溶接電流の制御を
する制御回路30とを備える。
交流電源21から出力される三相交流を全波整流するコ
ンバータ回路22と、全波整流された直流を高周波交流
に変換するインバータ回路24と、高周波交流を整流す
る溶接トランス回路26と、被溶接物であるワークWに
通電することにより溶接を行う溶接ガン部28と、イン
バータ回路24を制御することにより溶接電流の制御を
する制御回路30とを備える。
【0013】さらに、インバータ式直流抵抗溶接装置2
0は、コンバータ回路22の出力電流である1次側の電
流を検出するトロイダルコイル等からなる電流検出器3
2と、溶接トランス回路26と溶接ガン部28とに接続
されて2次側の電流を検出する電流検出器34と、制御
回路30に溶接条件等を入力するためのキーボード36
と、入力された溶接条件等を表示するためのディスプレ
イ装置であるCRT38とを備える。
0は、コンバータ回路22の出力電流である1次側の電
流を検出するトロイダルコイル等からなる電流検出器3
2と、溶接トランス回路26と溶接ガン部28とに接続
されて2次側の電流を検出する電流検出器34と、制御
回路30に溶接条件等を入力するためのキーボード36
と、入力された溶接条件等を表示するためのディスプレ
イ装置であるCRT38とを備える。
【0014】溶接ガン部28はワークWを挟持する可動
ガンアーム40、42と、この可動ガンアーム40、4
2を駆動するシリンダ44とからなり、該シリンダ44
には電磁切替弁46を介して空圧源48が接続される。
ガンアーム40、42と、この可動ガンアーム40、4
2を駆動するシリンダ44とからなり、該シリンダ44
には電磁切替弁46を介して空圧源48が接続される。
【0015】コンバータ回路22の入力端子は三相交流
電源21に接続され、コンバータ回路22の出力端子は
制御回路30に接続されるとともに、電流検出器32を
介してインバータ回路24の一方の入力端子に接続され
る。溶接トランス回路26の入力端子はインバータ回路
24の出力端子に接続され、溶接トランス回路26の出
力端子は電流検出器34を経由して溶接ガン部28に接
続される。
電源21に接続され、コンバータ回路22の出力端子は
制御回路30に接続されるとともに、電流検出器32を
介してインバータ回路24の一方の入力端子に接続され
る。溶接トランス回路26の入力端子はインバータ回路
24の出力端子に接続され、溶接トランス回路26の出
力端子は電流検出器34を経由して溶接ガン部28に接
続される。
【0016】制御回路30は電磁切替弁46と、インバ
ータ回路24の他方の入力端子とに接続されるととも
に、ロボットコントローラ50と接続される。
ータ回路24の他方の入力端子とに接続されるととも
に、ロボットコントローラ50と接続される。
【0017】図2は制御回路30の構成を示すブロック
図である。
図である。
【0018】制御回路30は電流検出器32から出力さ
れるアナログ値である1次側の電流値をデジタル値に変
換するA/D変換回路52と、電流検出器32の出力と
過電流設定器54との出力を比較する比較回路56と、
この比較回路56から出力される比較結果を一時的に記
憶するラッチ回路58とを備える。
れるアナログ値である1次側の電流値をデジタル値に変
換するA/D変換回路52と、電流検出器32の出力と
過電流設定器54との出力を比較する比較回路56と、
この比較回路56から出力される比較結果を一時的に記
憶するラッチ回路58とを備える。
【0019】制御回路30は2次側の電流を検出する電
流検出器34の出力を積分する積分回路60と、この積
分回路60のアナログ出力をデジタル値に変換するA/
D変換回路62と、A/D変換回路52、62の入出力
端子およびラッチ回路58の入力端子が接続されるCP
U64とを備える。
流検出器34の出力を積分する積分回路60と、この積
分回路60のアナログ出力をデジタル値に変換するA/
D変換回路62と、A/D変換回路52、62の入出力
端子およびラッチ回路58の入力端子が接続されるCP
U64とを備える。
【0020】さらに、制御回路30は前記CPU64の
出力端子に接続されるデジタル/アナログ(以下、D/
Aという)変換回路66と、このD/A変換回路66の
出力とパルス発生回路68から三角波発生回路70を介
して入力される三角波とを比較する比較回路72と、前
記比較回路72と前記ラッチ回路58との論理和演算を
行うANDゲート74と、パルス発生回路68から出力
される同期パルスに同期してANDゲート74から出力
されるパルス列を振り分けるパルス制御回路76とを含
む。
出力端子に接続されるデジタル/アナログ(以下、D/
Aという)変換回路66と、このD/A変換回路66の
出力とパルス発生回路68から三角波発生回路70を介
して入力される三角波とを比較する比較回路72と、前
記比較回路72と前記ラッチ回路58との論理和演算を
行うANDゲート74と、パルス発生回路68から出力
される同期パルスに同期してANDゲート74から出力
されるパルス列を振り分けるパルス制御回路76とを含
む。
【0021】前記パルス制御回路76から出力されるパ
ルス信号によってドライブ回路78、80、82および
84は、インバータ回路24を構成する図示しないトラ
ンジスタのベースを付勢する。
ルス信号によってドライブ回路78、80、82および
84は、インバータ回路24を構成する図示しないトラ
ンジスタのベースを付勢する。
【0022】CPU64は予備通電制御、本通電遅延制
御、スローアップ制御、本通電制御並びに擬似溶接中止
制御等を行うためのプログラムを格納するROM86
と、基準となる溶接電流の値を記憶するRAM88と、
キーボード36、CRT38、電磁切替弁46およびロ
ボットコントローラ50のインタフェース(以下、I/
Fという)90とが接続される。
御、スローアップ制御、本通電制御並びに擬似溶接中止
制御等を行うためのプログラムを格納するROM86
と、基準となる溶接電流の値を記憶するRAM88と、
キーボード36、CRT38、電磁切替弁46およびロ
ボットコントローラ50のインタフェース(以下、I/
Fという)90とが接続される。
【0023】さらに、CPU64は溶接工程の経過時間
に対する目標溶接電流値、いわゆる、溶接電流波形をル
ックアップテーブルとして記憶する溶接電流波形記憶回
路92と、積分制御および比例制御のゲインを演算する
ゲイン演算回路94と、溶接電流の通電時間を計数する
タイマ96とが接続される。
に対する目標溶接電流値、いわゆる、溶接電流波形をル
ックアップテーブルとして記憶する溶接電流波形記憶回
路92と、積分制御および比例制御のゲインを演算する
ゲイン演算回路94と、溶接電流の通電時間を計数する
タイマ96とが接続される。
【0024】この場合、電流検出器34は溶接電流読取
手段を構成し、溶接電流波形記憶回路92は溶接電流記
憶手段を構成し、CPU64はパルス幅演算手段を構成
する。
手段を構成し、溶接電流波形記憶回路92は溶接電流記
憶手段を構成し、CPU64はパルス幅演算手段を構成
する。
【0025】上記のように構成されるインバータ式直流
抵抗溶接装置20において、溶接電流の制御を行う方法
について、図1乃至図6を参照しながら説明する。
抵抗溶接装置20において、溶接電流の制御を行う方法
について、図1乃至図6を参照しながら説明する。
【0026】溶接電流波形記憶回路92には通電時間T
に対する目標溶接電流値IT の値が記憶されており、図
3はその一実施例を示す図である。
に対する目標溶接電流値IT の値が記憶されており、図
3はその一実施例を示す図である。
【0027】図3に示すように、目標溶接電流値IT が
予め溶接電流波形記憶回路92に記憶されているとき、
前記目標溶接電流値IT に一致するように実測溶接電流
値I C を制御する方法について説明する。
予め溶接電流波形記憶回路92に記憶されているとき、
前記目標溶接電流値IT に一致するように実測溶接電流
値I C を制御する方法について説明する。
【0028】溶接工程が開始されると、予めROM86
に格納されるプログラムに従って制御回路30のCPU
64は、予備通電制御、本通電遅延制御およびスローア
ップ通電制御等のプログラムを実行した後、本通電制御
のプログラムを実行するが、前記スローアップ通電制御
および本通電制御の工程において、溶接電流の通電を開
始するとともに、通電時間の計数を行うタイマ96を付
勢する。
に格納されるプログラムに従って制御回路30のCPU
64は、予備通電制御、本通電遅延制御およびスローア
ップ通電制御等のプログラムを実行した後、本通電制御
のプログラムを実行するが、前記スローアップ通電制御
および本通電制御の工程において、溶接電流の通電を開
始するとともに、通電時間の計数を行うタイマ96を付
勢する。
【0029】CPU64はタイマ96から出力される通
電時間T毎に電流検出器34からA/D変換回路62を
介して2次側の実測溶接電流値IC を読み取り(ステッ
プS1)、この通電時間Tにおける目標溶接電流値IT
を溶接電流波形記憶回路92から読み出し(ステップS
2)、通電時間Tにおける目標溶接電流値IT と実測溶
接電流値IC との差ΔIを求める(ΔI=IT −IC )
(ステップS3)。
電時間T毎に電流検出器34からA/D変換回路62を
介して2次側の実測溶接電流値IC を読み取り(ステッ
プS1)、この通電時間Tにおける目標溶接電流値IT
を溶接電流波形記憶回路92から読み出し(ステップS
2)、通電時間Tにおける目標溶接電流値IT と実測溶
接電流値IC との差ΔIを求める(ΔI=IT −IC )
(ステップS3)。
【0030】前記目標溶接電流値IT と実測溶接電流値
IC との差ΔIから比例ゲインLおよび積分ゲインKを
下式によって求める(ステップS4)。
IC との差ΔIから比例ゲインLおよび積分ゲインKを
下式によって求める(ステップS4)。
【0031】 L=A×ΔI …(1) K=B×ΔI …(2) ここで、前記(1)式のAおよび(2)式のBは係数で
あり、この係数Aおよび係数Bは、例えば、図5に示す
グラフの傾きとして予め設定される。
あり、この係数Aおよび係数Bは、例えば、図5に示す
グラフの傾きとして予め設定される。
【0032】すなわち、目標溶接電流値IT と実測溶接
電流値IC との差ΔIが増加すると比例ゲインLは小と
なり、積分ゲインKは大となるように設定される。
電流値IC との差ΔIが増加すると比例ゲインLは小と
なり、積分ゲインKは大となるように設定される。
【0033】次いで、ステップS4で演算された比例ゲ
インLによってパルス幅の比例制御値PWLを求める演算
を行うとともに、積分ゲインKからパルス幅の積分制御
値P WKの演算を行う(ステップS5)。
インLによってパルス幅の比例制御値PWLを求める演算
を行うとともに、積分ゲインKからパルス幅の積分制御
値P WKの演算を行う(ステップS5)。
【0034】 PWL=ΔI×L …(3) PWK=PWBK +(ΔI×K) …(4) この場合、(4)式におけるPWBK は直前のパルス幅を
示す。
示す。
【0035】前記比例制御値PWLと積分制御値PWKとか
ら下式に従って、パルス幅PW を演算する(ステップS
6)。
ら下式に従って、パルス幅PW を演算する(ステップS
6)。
【0036】PW =PWL+PWK …(5) この演算によって求められたパルス幅PW によって直後
の溶接電流の値が制御される。さらに、パルス幅PW は
CPU64の制御下に直前のパルス幅PWBK としてRA
M88に記憶され、次回の演算に用いられる。
の溶接電流の値が制御される。さらに、パルス幅PW は
CPU64の制御下に直前のパルス幅PWBK としてRA
M88に記憶され、次回の演算に用いられる。
【0037】このようにして、目標溶接電流値IT と実
測溶接電流値IC との差ΔIの変化に応じて比例ゲイン
Lと積分ゲインKとの比率を変化させることにより、適
正なパルス幅の制御を行うことができる。
測溶接電流値IC との差ΔIの変化に応じて比例ゲイン
Lと積分ゲインKとの比率を変化させることにより、適
正なパルス幅の制御を行うことができる。
【0038】この場合、比例ゲインLを大幅に変化させ
ると、制御される直後の実測溶接電流値IC1は目標溶接
電流値IT1を大幅に超過する。そこで、実測溶接電流値
IC1が目標溶接電流値IT1から著しく逸脱した場合は比
例ゲインLを抑止し、積分ゲインKの割合を増加させて
緩やかに、且つ、最短時間で目標溶接電流値IT1に到達
するようなパルス幅を演算によって導き出し、実測溶接
電流値IC1が目標溶接電流値IT1の近傍に制御されてい
る場合は積分ゲインKを抑止して比例ゲインLを増加さ
せて、直後の実測溶接電流値IC1が目標溶接電流値IT1
に追従する応答性を向上させる。
ると、制御される直後の実測溶接電流値IC1は目標溶接
電流値IT1を大幅に超過する。そこで、実測溶接電流値
IC1が目標溶接電流値IT1から著しく逸脱した場合は比
例ゲインLを抑止し、積分ゲインKの割合を増加させて
緩やかに、且つ、最短時間で目標溶接電流値IT1に到達
するようなパルス幅を演算によって導き出し、実測溶接
電流値IC1が目標溶接電流値IT1の近傍に制御されてい
る場合は積分ゲインKを抑止して比例ゲインLを増加さ
せて、直後の実測溶接電流値IC1が目標溶接電流値IT1
に追従する応答性を向上させる。
【0039】以上のようなパルス幅PW の制御によっ
て、スローアップ制御期間においては溶接電流のオーバ
シュートの発生を抑止し、さらに本通電制御期間におい
ては安定した溶接電流の通電を行うことができる。
て、スローアップ制御期間においては溶接電流のオーバ
シュートの発生を抑止し、さらに本通電制御期間におい
ては安定した溶接電流の通電を行うことができる。
【0040】前記ステップS6でCPU64からD/A
変換回路66に出力された溶接電流を制御するパルス幅
PW は、このD/A変換回路66によってアナログ電圧
に変換されて比較回路72の一方の入力端子に入力され
る(図6参照)。
変換回路66に出力された溶接電流を制御するパルス幅
PW は、このD/A変換回路66によってアナログ電圧
に変換されて比較回路72の一方の入力端子に入力され
る(図6参照)。
【0041】一方、パルス発生回路68から出力される
パルスに同期して三角波発生回路70が生成する三角波
は比較回路72の他方の入力端子に入力され(図6参
照)、この三角波の電圧と、前記D/A変換回路66か
ら出力されるアナログ電圧とを比較回路72は比較し
(図6参照)、三角波の電圧よりもD/A変換回路6
6から出力される電圧が大であるとき、出力端子にHI
GH(H)レベルの信号を出力する(図6参照)。
パルスに同期して三角波発生回路70が生成する三角波
は比較回路72の他方の入力端子に入力され(図6参
照)、この三角波の電圧と、前記D/A変換回路66か
ら出力されるアナログ電圧とを比較回路72は比較し
(図6参照)、三角波の電圧よりもD/A変換回路6
6から出力される電圧が大であるとき、出力端子にHI
GH(H)レベルの信号を出力する(図6参照)。
【0042】この場合、比較回路72から出力されるパ
ルス幅はD/A変換回路66から出力されるアナログ電
圧の大きさに依存することが図6(d)から了解されよ
う。すなわち、D/A変換回路66の出力電圧がそれぞ
れ異なる電圧値X1、Y1、Z1のとき、比較回路72
から出力されるパルス幅は、それぞれD/A変換回路6
6の出力電圧に応じた値X、Y、Zとなる。
ルス幅はD/A変換回路66から出力されるアナログ電
圧の大きさに依存することが図6(d)から了解されよ
う。すなわち、D/A変換回路66の出力電圧がそれぞ
れ異なる電圧値X1、Y1、Z1のとき、比較回路72
から出力されるパルス幅は、それぞれD/A変換回路6
6の出力電圧に応じた値X、Y、Zとなる。
【0043】この比較回路72から出力された値X、
Y、Zのパルス幅を有するパルス列は、パルス制御回路
76によって分配されて、ドライブ回路78、80、8
2、84に出力され、これらのドライブ回路78、8
0、82、84がインバータ回路24のスイッチング素
子であるトランジスタのべースを駆動することにより、
インバータ回路24から出力される溶接電流の値を補正
し、補正された溶接電流は溶接トランス回路26、溶接
ガン部28の可動ガンアーム40、42を介してワーク
Wに通電されて溶接を行う。
Y、Zのパルス幅を有するパルス列は、パルス制御回路
76によって分配されて、ドライブ回路78、80、8
2、84に出力され、これらのドライブ回路78、8
0、82、84がインバータ回路24のスイッチング素
子であるトランジスタのべースを駆動することにより、
インバータ回路24から出力される溶接電流の値を補正
し、補正された溶接電流は溶接トランス回路26、溶接
ガン部28の可動ガンアーム40、42を介してワーク
Wに通電されて溶接を行う。
【0044】以上説明したように本実施例によれば、ス
ローアップ制御期間および本通電期間において、予め設
定された通電時間Tにおける目標溶接電流値IT と通電
時間T毎に読み取った実測溶接電流値IC との差ΔIを
演算によって求め、この差ΔIによって直後の比例ゲイ
ンLと積分ゲインKとを求め、これらの値からパルス幅
PW を求めるため、図3に示したような波形に設定され
た目標溶接電流値IT に追従した適正な溶接電流を得る
ことができる。
ローアップ制御期間および本通電期間において、予め設
定された通電時間Tにおける目標溶接電流値IT と通電
時間T毎に読み取った実測溶接電流値IC との差ΔIを
演算によって求め、この差ΔIによって直後の比例ゲイ
ンLと積分ゲインKとを求め、これらの値からパルス幅
PW を求めるため、図3に示したような波形に設定され
た目標溶接電流値IT に追従した適正な溶接電流を得る
ことができる。
【0045】従って、スローアップ制御期間においては
過大なハンチングを抑止し、溶接電流のオーバシュート
による過電流が原因で発生する溶接のチリを防止できる
とともに、本通電制御期間においては安定した溶接電流
が得られ、溶接品質の向上を図ることが可能となる。
過大なハンチングを抑止し、溶接電流のオーバシュート
による過電流が原因で発生する溶接のチリを防止できる
とともに、本通電制御期間においては安定した溶接電流
が得られ、溶接品質の向上を図ることが可能となる。
【0046】さらに、上記実施例において、溶接電流の
制御を、2次側の電流検出器34が検出する実測溶接電
流値IC に基づいて行ったが、電流検出器32が検出す
る1次側の電流値の情報に基づいて行うことも可能であ
る。
制御を、2次側の電流検出器34が検出する実測溶接電
流値IC に基づいて行ったが、電流検出器32が検出す
る1次側の電流値の情報に基づいて行うことも可能であ
る。
【0047】
【発明の効果】本発明に係る直流抵抗溶接機の溶接電流
制御方法および装置では、比例ゲインおよび積分ゲイン
を適正に組み合わせて得られたパルス幅によって溶接電
流を制御するため、スローアップ制御期間および本通電
制御期間に拘らず、予め設定された溶接電流波形に対し
て良好に追従した溶接電流波形を得ることができ、高品
質の溶接を行うことが可能になるという効果を奏する。
制御方法および装置では、比例ゲインおよび積分ゲイン
を適正に組み合わせて得られたパルス幅によって溶接電
流を制御するため、スローアップ制御期間および本通電
制御期間に拘らず、予め設定された溶接電流波形に対し
て良好に追従した溶接電流波形を得ることができ、高品
質の溶接を行うことが可能になるという効果を奏する。
【図1】本発明の直流抵抗溶接機の溶接電流制御方法お
よび装置に係る一実施例の全体構成を示すブロック図で
ある。
よび装置に係る一実施例の全体構成を示すブロック図で
ある。
【図2】図1における制御回路の構成を示すブロック図
である。
である。
【図3】図1に示す実施例の設定された目標溶接電流波
形を説明する図である。
形を説明する図である。
【図4】図1に示す実施例の動作を説明するフローチャ
トである。
トである。
【図5】図1に示す実施例の目標溶接電流値と実測溶接
電流値との差に対する比例ゲインと積分ゲインとの関係
を示す図である
電流値との差に対する比例ゲインと積分ゲインとの関係
を示す図である
【図6】図1に示す実施例のパルス幅を生成する動作を
説明するタイミングチャートである。
説明するタイミングチャートである。
20…インバータ式直流抵抗溶接装置 22…コンバータ回路 24…インバータ回路 26…溶接トランス回路 28…溶接ガン部 30…制御回路 32、34…電流検出器 52、62…A/D変換回路 64…CPU 66…D/A変換回路 70…三角波発生回路 72…比較回路 76…パルス制御回路 78、80、82、84…ドライブ回路 92…溶接電流波形記憶回路 94…ゲイン演算回路 96…タイマ
Claims (2)
- 【請求項1】インバータ式直流抵抗溶接機における溶接
電流制御方法であって、 予め設定された溶接時間毎に溶接電流値を読み取る第1
のステップと、 前記読み取った溶接電流値と予め設定された溶接時間毎
の目標溶接電流値との電流差を演算する第2のステップ
と、 前記第2のステップによって演算された電流差に基づい
て比例ゲインと積分ゲインとを演算する第3のステップ
と、 前記比例ゲインと積分ゲインとにより溶接電流を制御す
るパルス幅を演算する第4のステップと、 からなることを特徴とする直流抵抗溶接機の溶接電流制
御方法。 - 【請求項2】インバータ式直流抵抗溶接機における溶接
電流制御装置であって、 予め設定された溶接時間毎に溶接電流値を読み取る溶接
電流検出手段と、 予め設定された溶接時間毎の目標溶接電流値を記憶する
溶接電流記憶手段と、 前記読み取った溶接電流値と前記目標溶接電流値との電
流差を演算し、この電流差に基づいて比例ゲインと積分
ゲインとを演算するゲイン演算手段と、 前記比例ゲインと積分ゲインとにより溶接電流を制御す
るパルス幅を演算するパルス幅演算手段と、 を備えることを特徴とする直流抵抗溶接機の溶接電流制
御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26655591A JP2845648B2 (ja) | 1991-10-15 | 1991-10-15 | 直流抵抗溶接機の溶接電流制御方法および装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26655591A JP2845648B2 (ja) | 1991-10-15 | 1991-10-15 | 直流抵抗溶接機の溶接電流制御方法および装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05104255A true JPH05104255A (ja) | 1993-04-27 |
JP2845648B2 JP2845648B2 (ja) | 1999-01-13 |
Family
ID=17432470
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26655591A Expired - Fee Related JP2845648B2 (ja) | 1991-10-15 | 1991-10-15 | 直流抵抗溶接機の溶接電流制御方法および装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2845648B2 (ja) |
-
1991
- 1991-10-15 JP JP26655591A patent/JP2845648B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2845648B2 (ja) | 1999-01-13 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |