JPH08205569A - サーボアンプの入力電圧測定方法及び制御ゲイン設定方法 - Google Patents

サーボアンプの入力電圧測定方法及び制御ゲイン設定方法

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JPH08205569A
JPH08205569A JP7022337A JP2233795A JPH08205569A JP H08205569 A JPH08205569 A JP H08205569A JP 7022337 A JP7022337 A JP 7022337A JP 2233795 A JP2233795 A JP 2233795A JP H08205569 A JPH08205569 A JP H08205569A
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Heisuke Iwashita
平輔 岩下
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電源電圧の変動に対して最適な制御を行なう
ことができるサーボモータの制御を提供し、サーボアン
プへ入力される電源電圧を測定する入力電圧測定方法を
提供し、また、測定した入力電圧に基づいてサーボアン
プの制御ゲインを設定する制御ゲイン設定方法を提供す
る。 【構成】 サーボアンプによって駆動されるサーボモー
タにおいて、電流ループにステップ状の無効電流成分を
供給し、該電流ループから得られるステップ応答を求
め、該ステップ応答によりサーボアンプに入力される電
圧を測定することによって、サーボアンプに入力される
電源電圧を測定し、また、この測定した電源電圧に基づ
いてサーボアンプの制御ゲインを設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、サーボモータの電流制
御に関し、特に、サーボモータを駆動するサーボアンプ
に入力される電源電圧を測定する方法、及び該測定電圧
に応じてサーボアンプの制御ゲインを設定する方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】図7は従来行われている3相交流電動機
の電流制御部のブロック図である。図7において、1
R,1S,1TはR相,S相,及びT相のトルク指令を
求める要素であり、1R,1S,1TはR相,S相,及
びT相の電流ループ回路であり、IP(積分比例)制御
によって電流制御が行われている。3は電流ループ回路
中の積分要素でk1は積分ゲイン、4は電流ループ回路
中の比例要素でk2は比例ゲインである。また、5は電
動機の伝達関数の項であり、Rは巻線の抵抗、Lは巻線
のインダクタンスである。なお、図7において、R相,
S相,及びT相の電流ループは、共通する構成である。
【0003】速度ループ等から出力される電流指令(ト
ルク指令)Tcに対して、要素1はロータの電気角位置
θ、及び電動機の速度フィードバック値によって各相の
電流指令IR,IS,ITを求め出力する。つまり、要
素1R,1S,1Sにおいて、電流指令Tcに電気角θ
に応じてそれぞれ2π/3位相のずれた正弦波が乗じら
れて、R相,S相,及びT相の各相の電流指令が求めら
れる。(なお、図7に示す例は3相の交流電動機の場合
を示している。) この各相電流指令IR,IS,ITが各相の電流ループ
回路2R,2S,2Tに入力されて電流ループ処理が実
行される。電流ループは通常PI制御等で制御される。
R相について、この電流ループ処理を説明する。R相へ
の電流指令IRとR相の実電流を検出器で検出したR相
電流フィードバック値Irとの差の電流偏差を積分し
(要素3)、積分ゲインk1を乗じた値から、R相電流
フィードバック値Irに比例ゲインk2(要素4)を乗
じた値を減じた値をR相のPWM指令として出力する。
なお、他のS相,及びT相も同様である。電流ループの
積分ゲインK1,比例ゲインk2の値は、PWM積分を
行なうインバータの供給電圧Vcc,電動機の諸定数す
なわち巻線抵抗R及び巻線インダクタンスL,駆動アン
プの最大許容電流Imax ,その他諸定数の関数として求
められ、次式で表すことができる。
【0004】k1=α・Vcc k2=β・Vcc ただし、α=α(R,L,Imax ,等)、β=β(R,
L,Imax ,等)である。上記電動機の上記積分ゲイン
k1,比例ゲインk2は、従来、実際の電動機の使用状
態で、評価実験を行ない適宜修正しながら最適値を求め
る方法がとられ、電流ループが安定に保たれる範囲内で
最大のゲインとして、電流ループの特性を最大限にする
(周波数帯域を最大限に延ばす)ように設定される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記したように、電流
ループの積分ゲインk1,比例ゲインk2の値は、PW
M制御を行なうインバータの供給電圧Vccに比例す
る。そのため、この供給電圧が決まらなければ、最適な
積分ゲインk1,比例ゲインk2を設定することができ
ない。これに対して、一般に、工作機械の駆動軸やロボ
ットのアーム等の制御に使用されるサーボモータを駆動
するためのサーボアンプの入力許容電圧にはある程度の
幅を持たせている。例えば、200Vの入力に対して、
170V〜253Vの許容電圧範囲を設けている。
【0006】例えば、インバータの供給電圧の値は、日
本では200Vでほぼ統一されているが、米国では23
0Vと高いといったように国による差であり、また、変
電所付近では高く、僻地では低いといった地域格差もあ
る。また、アンプがトランス接続を想定して設計されて
いる場合があり、この場合には、日本においては、トラ
ンス出力として185Vが一般的である。また、電力の
使用状況に応じて電圧変動が生じる場合もある。これら
の電圧変動において、例えば、米国の場合±10%の電
圧変動があるとすると、インバータへの供給電圧の値は
185Vから230×1.1=253Vまでの約70V
の電圧幅があることになる。
【0007】そのため、供給電圧Vcc=185Vで最
適の電流ループの各ゲインk1,k2を設定すると、供
給電圧Vcc=253Vでは電流制御が不安定となって
制御不能が生じく。逆に、供給電圧Vcc=253Vで
最適の電流ループの各ゲインk1,k2を設定すると、
供給電圧Vcc=185Vでは高速回転時のトルクが不
足し、また、周波数帯域が低下して制御系に遅れが生じ
ることにもなる。このため、従来においては、高い入力
電圧に対して安定性が保たれるように制御パラメータを
設定しており、低い電圧に対しては電動機の実力よりも
低い特性となっている。
【0008】そこで、本発明は前記した従来の問題点を
解決して、電源電圧の変動に対して最適な制御を行なう
ことができるサーボモータの制御を提供することを目的
とし、より具体的には、サーボアンプへ入力される電源
電圧を測定する入力電圧測定方法を提供し、また、測定
した入力電圧に基づいてサーボアンプの制御ゲインを設
定する制御ゲイン設定方法を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本出願の第1の本発明
は、サーボアンプによって駆動されるサーボモータにお
いて、電流ループにステップ状の無効電流成分を供給
し、該電流ループから得られるステップ応答を求め、該
ステップ応答によりサーボアンプに入力される電圧を測
定することによって、サーボアンプに入力される電源電
圧を測定する入力電圧測定方法を提供し、電源電圧の変
動に対して最適な制御を行なうことができるサーボモー
タの制御を提供する目的を達成するものである。
【0010】また、前記電圧測定は、ステップ応答によ
り得られる電流値と、あらかじめ定めておいた基準入力
電圧に対するステップ応答の電流値の比を求め、その電
流値比に基づいて行なうことができ、この無効電流成分
の供給は、サーボモータの励磁中あるいは非励磁中に行
なうことができ、また、所定周期毎あるいは任意の時期
とすることができる。前記ステップ応答の電流値は、サ
ーボモータの各相電流をd−q変換して得られるd軸成
分によって求めることができる。
【0011】また、本出願の第2の本発明は、サーボア
ンプによって駆動されるサーボモータにおいて、電流ル
ープにステップ状の無効電流成分を供給し、該電流ルー
プから得られるステップ応答を求め、該ステップ応答に
よりサーボアンプに入力される電圧を測定し、該測定電
圧に対応して制御パラメータを設定することによって、
測定した入力電圧に基づいたサーボアンプの制御ゲイン
を設定する制御ゲイン設定方法を提供し、電源電圧の変
動に対して最適な制御を行なうことができるサーボモー
タの制御を提供する目的を達成するものである。
【0012】また、前記電圧測定は、ステップ応答によ
り得られる電流値と、あらかじめ定めておいた基準入力
電圧に対するステップ応答の電流値の比を求め、その電
流値比に基づいて行なうことができ、前記制御パラメー
タの設定は、サーボアンプの入力電圧に対する制御パラ
メータをあらかじめ求めておき、該制御パラメータの中
から前記測定電圧に対応した値を求めることができる。
そして、この無効電流成分の供給は、サーボモータの励
磁中あるいは非励磁中に行なうことができ、また、所定
周期毎あるいは任意の時期とすることができる。
【0013】
【作用】本出願の第1の本発明は、サーボアンプによっ
て駆動されるサーボモータにおいて、サーボモータの励
磁中あるいは非励磁中に、所定周期毎あるいは任意の時
期に、サーボモータの電流ループにステップ状の無効電
流成分を供給する。この無効電流成分はサーボモータの
励磁中であっも、サーボモータを駆動する有効電流成分
とはπ/2だけ位相がずれているため、サーボモータに
対する駆動トルクとはならない。このステップ状の無効
電流成分によるサーボアンプのステップ応答は、サーボ
アンプに供給される入力電圧に応じて変化する値とな
り、逆にこのステップ応答の値からサーボアンプに供給
される入力電圧を知ることができる。
【0014】そこで、基準とする入力電圧に対する電流
ループのステップ応答の電流値をあらかじめ求めてお
き、測定時におけるステップ応答の電流値との比較を行
なうことによって入力電圧の測定を行なう。
【0015】このステップ応答の電流値は、サーボモー
タの各相電流をd−q変換して得られるd軸成分によっ
て求めることができ、ステップ応答の電流値の比較は、
測定時におけるステップ応答の電流値と、基準入力電圧
に対するステップ応答の電流値との比を求めて行なうこ
とができ、この比から測定時における入力電圧を求める
ことができる。これによって、サーボモータの駆動に影
響を与えることなく、サーボアンプに印加される入力電
圧を測定することができる。
【0016】また、本出願の第2の本発明は、前記した
本出願の第1の本発明によって入力電圧を求め、その測
定入力電圧に基づいてサーボアンプの制御ゲインを設定
する。この第2の本発明では、電流ループにおいてサー
ボアンプに入力される電源電圧に対応した最適な制御ゲ
インをあらかじめ設定しておき、本出願の第1の本発明
によって求めた入力電圧に対応して該最適制御ゲインを
求める。これによって、サーボモータの駆動に影響を与
えることなく、電源電圧の変動に対応した制御パラメー
タを設定し、最適な制御状態を保持することができる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を図を参照しながら詳
細に説明する。 (本発明の実施例を実施例するための構成)図1は本発
明のサーボアンプの入力電圧測定方法及び制御ゲイン設
定方法を実施する3相交流電動機の電流制御部のブロッ
ク図である。図1において、1R,1S,1TはR相,
S相,及びT相のトルク指令を求める要素であり、2
R,2S,2TはR相,S相,及びT相の電流ループ回
路であり、IP(積分比例)制御によって電流制御が行
われている。3は電流ループ回路中の積分要素でk1は
積分ゲイン、4は電流ループ回路中の比例要素でk2は
比例ゲインである。また、5は電動機の伝達関数の項で
あり、Rは巻線の抵抗、Lは巻線のインダクタンスであ
る。6R,6S,6Tは、前記図7に示した従来の3相
交流電動機の電流制御部のブロック図と相違する部分で
あり、R相,S相,及びT相の無効電流成分を求める要
素である。
【0018】要素6R,6S,6Tは、無効電流指令
に、前記要素1において乗じられた電気角θに対してπ
/2の位相関係となるようにそれぞれ2π/3位相のず
れた正弦波を乗じる要素であり、この位相関係の無効電
流成分を要素1からの出力に加えて各相の電流ループに
対する指令とする。(なお、図1に示す例は3相の交流
電動機の場合を示している。) したがって、各電流ループに対する相指令は、要素1か
ら得られるサーボモータの駆動に供する電流指令と、要
素6から得られるサーボモータの駆動に供しない電流指
令との和となる。
【0019】(本発明の実施例の作用)次に、本発明の
実施例の作用について説明する。速度ループ等から出力
される電流指令(トルク指令)Tcに対して、要素1は
ロータの電気角位置θ、及び電動機の速度フィードバッ
ク値によって各相の電流指令IR,IS,ITを求め出
力する。要素1R,1S,1Sにおいて、電流指令Tc
に電気角θに応じてそれぞれ2π/3位相のずれた正弦
波が乗じられて、R相,S相,及びT相の各相の電流指
令IR,IS,ITが求められる。
【0020】この各相電流指令IR,IS,ITが各相
の電流ループ回路2R,2S,2Tに入力されて電流ル
ープ処理が実行される。電流ループは通常PI制御等で
制御される。R相について、この電流ループ処理を説明
する。R相への電流指令IRとR相の実電流を検出器で
検出したR相電流フィードバック値Irとの差の電流偏
差を積分し(要素3)、積分ゲインk1を乗じた値か
ら、R相電流フィードバック値Irに比例ゲインk2
(要素4)を乗じた値を減じた値をR相のPWM指令と
して出力する。なお、他のS相,及びT相も同様であ
る。
【0021】また、無効電流指令I0 は入力電圧を測定
するための電流指令であり、要素6(6R,6S,6
T)は、この無効電流指令I0 に対して、前記要素1に
おいて乗じられた電気角θに対してπ/2の位相関係と
なるようにそれぞれ2π/3位相のずれた正弦波を乗じ
る。これによって、要素6からは、サーボモータの駆動
に寄与しない位相関係の無効電流成分が出力され、前記
要素1からの電流指令IR,IS,ITと加算されて各
相の電流ループに入力される。
【0022】図2は、電流ループに印加される電流指令
の関係を説明する図である。図2において、サーボモー
タの駆動に供する成分を横軸にとり、サーボモータの駆
動に供しない成分を縦軸にとっている。図2の(a)
は、電流指令Tcがサーボモータに駆動に供する有効成
分と駆動に供しない無効成分との関係を破線で示してお
り、サーボモータの電気角をθとすると、該有効成分は
(Tc・sinθ)で表され、また、該無効成分は(T
c・cosθ)で表される。電流ループには、このサー
ボモータに駆動に供する有効成分(Tc・sinθ)が
入力される。
【0023】また、図2の(a)は、同時に無効電流電
流I0 がサーボモータに駆動に供する有効成分と駆動に
供しない無効成分との関係を実線で示しており、サーボ
モータの電気角をθとすると、該有効成分は(I0 ・s
inθ)で表され、また、該無効成分は(I0 ・cos
θ)で表される。電流ループには、このサーボモータに
駆動に供しない無効成分(I0 ・cosθ)が入力され
る。図2の(b)は、電流ループに入力される電流指令
の関係を表している。図2の(b)において、横軸方向
成分であるサーボモータに駆動に供する有効成分は、要
素1の出力である電流指令Tcの有効成分(Tc・si
nθ)であり、一方、縦軸方向成分であるサーボモータ
に駆動に供しない無効成分は、要素6の出力である電流
指令I0 の無効成分(I0 ・cosθ)である。
【0024】したがって、電流ループには図2の(b)
に示すように(Tc・sinθ)と(I0 ・cosθ)
の電流指令成分が供給されるが、サーボモータの駆動に
関係する電流指令成分は(Tc・sinθ)のみであ
り、(I0 ・cosθ)はサーボモータの駆動に影響を
与えない。本発明においては、この電流指令I0 の無効
成分(I0 ・cosθ)による応答を用いてサーボアン
プに対する入力電圧を求めるものである。
【0025】図3は、サーボアンプにステップ状の無効
電流成分を印加したときのステップ応答を、サーボアン
プに対する電源電圧との関係で示した図である。図3で
は、サーボアンプに対する電源電圧として170V,2
00V,及び253Vの場合におけるステップ応答を示
している。なお、図3の横軸は1目盛りが0.001秒
の時間軸を表し、縦軸は入力したステップ状の無効電流
成分に対するステップ応答の比率を表している。
【0026】図3は、サーボアンプに対する入力電圧に
応じてステップ応答の値が変化することを表しており、
この関係を基準電圧のステップ応答に対する測定時にお
けるステップ応答の比率によって表すことができる。図
4は、基準電圧を200Vとしたときに、基準電圧のス
テップ応答に対する測定時におけるステップ応答の比率
を表しており、例として170Vの場合と153Vの場
合を示している。なお、図の横軸は1目盛りが0.00
1秒の時間軸を表し、縦軸は比率を表している。
【0027】図4において、ステップ応答が開始してか
ら例えば0.003sec程度の間では、無効電流成分
の比率は、そのときの入力電圧の基準電圧に対する比率
とほぼ比例の関係にある。例えば、入力電圧が253V
の場合には、基準電圧200Vに対する電圧の比率は2
53V/200V=1.27であり、図4における比率
もほぼ1.27の近傍にある。また、入力電圧が170
Vの場合には、基準電圧200Vに対する電圧の比率は
170V/200V=0.85であり、図4における比
率もほぼ0.85の近傍にある。
【0028】したがって、ステップ応答が開始してから
例えば0.003sec程度の間のある時刻におけるス
テップ応答の電流値と、基準電圧を入力電圧としてとき
前記時刻と同じ時刻においてあらかじめ求めておいたス
テップ応答の電流値との比率を求め、その比率に基準電
圧を乗じることによって入力電圧を求めることができ
る。さらに、入力電圧に対する電流ループの制御ゲイン
をあらかじめ設定しておき、この制御ゲイン中から求め
た入力電圧に対応した値を選択し設定することによっ
て、電圧変動に応じて最適な制御ゲインを設定すること
ができる。
【0029】なお、一般に磁界の作る磁束の方向であっ
て、ロータの永久磁石の磁束の向きをd軸とすると、無
効電流成分はこのd軸方向成分によって表される。そこ
で、3相交流座標を2相交流座標に座標変換するd−q
変換を用いて、各電流ループR相,S相,及びT相の相
電流Ir,Is,Itから無効電流成分Idを求める
と、以下の式(1)によって表される。
【0030】
【数1】 したがって、各電流ループR相,S相,及びT相の相電
流Ir,Is,Itを求め、この値を前記式に代入する
ことによって無効電流成分Idを求めることができる。
【0031】図5は、本発明を適用したサーボモータ制
御系のブロック図であり、構成は従来のデジタルサーボ
モータ制御を行なう装置と同一構成であるので、概略的
に示している。図5において、20はコンピュータを内
蔵した数値制御装置(CNC)、21は共有RAM、2
2はプロセッサ(CPU),RAM,ROM等を有する
デジタルサーボ回路、23はトランジスタインバータ等
の電力増幅器、MはACサーボモータ、24はACサー
ボモータの回転と共にパルスを発生するエンコーダ、2
5はロータ位相を検出するためのロータ位置検出器であ
る。
【0032】図6は、上記デジタルサーボ回路22のプ
ロセッサが行なうサーボアンプの入力電圧の測定及び制
御ゲインの設定処理のフローチャートである。 ステップS1:測定パラメータAの値を判定する。この
測定パラメータAは、前記図1において、無効電流指令
I0 の要素6(6R,6S,6T)への入力を制御する
パラメータであり、例えば、要素6の前段にスイッチ
(図示していない)を設け、パラメータの値に応じて該
スイッチのオン,オフを制御するよう構成することがで
きる。
【0033】ステップS2:前記ステップS1の判定に
おいて、測定パラメータAの値が例えば”1”の場合に
はこのスイッチを”オン”とし、”0”の場合にはこの
スイッチを”オフ”とする。これによって、要素6への
無効電流指令I0 の入力制御を行なうことができる。要
素6に無効電流指令I0 が入力されると、各相の要素6
は、該相の電流指令Tcの電気角θからπ/2ずれた位
相を無効電流I0 に乗じる。これによって、各相の電流
ループ2R,2S,及び2Tに入力される相指令は、電
流指令Tcからの有効成分(Tc・sinθ,Tc・s
in(θ+2π/3),Tc・sin(θ−2π/
3))と、無効電流指令I0 からの無効成分(I0 ・c
osθ,I0 ・cos(θ+2π/3),I0 ・cos
(θ−2π/3))の和となる。
【0034】上記したように、この電流指令Tcからの
有効成分と無効電流指令I0 からの無効成分とは位相が
π/2ずれており、サーボモータの駆動に対しては電流
指令Tcからの有効成分のみが寄与し、無効電流指令I
0 からの無効成分はサーボモータの駆動に影響を与えな
い。そして、この無効電流指令は、ステップ応答を求め
るためにステップ状の信号とする。
【0035】ステップS3:各相の電流ループ2R,2
S,及び2Tでは、入力された相指令に応じて従来のサ
ーボモータと同様に電流ループ処理を行ない、各電流ル
ープR相,S相,及びT相毎に相電流Ir,Is,It
を出力する。相電流Ir,Is,Itの間にはIr+I
s+It=0の関係があるため、相電流Ir,Is,I
tの中から2つを求めることにより他の1つを求めるこ
とができる。例えば、相電流Ir,Isを読み取り、相
電流Itについては(−Ir−Is)により求めること
ができる。この相電流は、各相の電流ループの相電流フ
ィードバック値を読み込むことによって求めることがで
き、ステップ状の無効電流指令の入力時点から所定の時
間後の値を読み取ることにより求めることができる。こ
の読み取りを行なう所定時間は、前記図4に示すように
無効電流成分の比が電源電圧の比とほぼ一致する期間に
設定し、例えば、無効電流指令の入力から0.003s
ecの時点とすることができる。
【0036】ステップS4:次に、前記ステップS3で
読み込んだ相電流Ir,Is,Itからd−q変換によ
ってd軸方向の成分Idを求める。このd軸方向の成分
Idはロータ位相に対してπ/2の位相を持ち、ロータ
の駆動に影響を与えない無効成分である。このIdは、
前記式(1)に相電流Ir,Is,Itを代入すること
によって求めることができる。
【0037】ステップS5:次に、基準電圧がサーボア
ンプに入力されているときの無効電流成分Id0 を読み
出す。この基準電圧印加時における無効電流成分Id0
は、サーボアンプに基準電圧を印加して前記ステップS
2からステップS4の工程によってあらかじめ無効電流
成分Id0 を求めて記憶しておく。
【0038】ステップS6:前記ステップS4で求めた
無効電流成分Idと前記ステップS5で読み出した無効
電流成分Id0 の比N(=Id/Id0 )を求める。こ
の無効電流成分の比Nは、前記したようにサーボアンプ
に印加される電源電圧の比とほぼ比例関係にあり、この
無効電流成分の比Nからサーボアンプに印加される電源
電圧を推定することができる。
【0039】ステップS7:前記ステップS6で求めた
無効電流成分の比Nからその時のサーボアンプに入力さ
れている電源電圧の電圧値Vを推定する。無効電流成分
の比Nとサーボアンプに印加される電源電圧の比は、ほ
ぼ一致しているため、この無効電流成分の比Nに基準と
した電圧値V0 を乗した値V(=V0 ×N)によって、
その時のサーボアンプに入力されている電源電圧の電圧
値を推定することができ、これによって、サーボアンプ
の入力電圧Vを測定することがでる。
【0040】ステップS8:次に、前記ステップS7で
求めたサーボアンプの入力電圧Vに基づいて電流ループ
の制御ゲインk1,k2を設定し変更を行なう。この電
流ループの制御ゲインk1,k2の設定は、従来と同様
であるため説明を省略する。
【0041】前記ステップS1からステップS7によっ
て、サーボアンプの入力電圧を測定することができ、ま
た、ステップS1からステップS8によってサーボアン
プのの制御ゲインの設定を行なうことができる。
【0042】なお、前記したフローチャートでは、サー
ボアンプの入力電圧の測定及び制御ゲインの設定処理を
測定パラメータの入力毎に行なう場合を示しているが、
この測定パラメータの入力に代えて所定周期毎に前記処
理を行なうこともできる。また、前記実施例では、サー
ボモータの励磁中における測定及び設定を行なう例を示
しているが、サーボモータの非励磁中に行なうこともで
きる。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
電源電圧の変動に対して最適な制御を行なうことができ
るサーボモータの制御を提供することができ、サーボア
ンプへ入力される電源電圧を測定する入力電圧測定方法
を提供し、また、測定した入力電圧に基づいてサーボア
ンプの制御ゲインを設定する制御ゲイン設定方法を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のサーボアンプの入力電圧測定方法及び
制御ゲイン設定方法を実施する3相交流電動機の電流制
御部のブロック図である。
【図2】電流ループに印加される電流指令の関係を説明
する図である。
【図3】サーボアンプにステップ状の無効電流成分を印
加したときのステップ応答を、サーボアンプに対する電
源電圧との関係で示した図である。
【図4】基準電圧を200Vとしたときに、基準電圧の
ステップ応答に対する測定時におけるステップ応答の比
率を示した図である。
【図5】本発明を適用したサーボモータ制御系のブロッ
ク図である。
【図6】入力電圧の測定及び制御ゲインの設定処理のフ
ローチャートである。
【図7】従来行われている3相交流電動機の電流制御部
のブロック図である。
【符号の説明】
1R,1S,1T トルク指令を求める要素 2R,2S,2T 電流ループ回路 3 積分要素 4 比例要素 5 電動機の伝達関数の項 6R,6S,6T 無効電流成分を求める要素 k1 積分ゲイン k2 比例ゲイン R 巻線の抵抗 L 巻線のインダクタンス

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サーボアンプによって駆動されるサーボ
    モータにおいて、電流ループにステップ状の無効電流成
    分を供給し、該電流ループから得られるステップ応答を
    求め、該ステップ応答によりサーボアンプに入力される
    電圧を測定することを特徴とするサーボアンプの入力電
    圧測定方法。
  2. 【請求項2】 前記ステップ応答と、あらかじめ定めて
    おいた基準入力電圧に対するステップ応答との電流値の
    比に基づいて、サーボアンプに入力される電圧を測定す
    ることを特徴とする請求項1記載のサーボアンプの入力
    電圧測定方法。
  3. 【請求項3】 前記ステップ応答の電流値は、サーボモ
    ータの各相電流をd−q変換して得られるd軸成分であ
    ることを特徴とする請求項1,又は2記載のサーボアン
    プの入力電圧測定方法。
  4. 【請求項4】 前記無効電流成分の供給は、サーボモー
    タの励磁中に行なうことを特徴とする請求項1,2又は
    3記載のサーボアンプの入力電圧測定方法。
  5. 【請求項5】 前記無効電流成分の供給は、所定周期毎
    に行なうことを特徴とする請求項1,2,3,又は4記
    載のサーボアンプの入力電圧測定方法。
  6. 【請求項6】 前記無効電流成分の供給は、サーボモー
    タの非励磁中に行なうことを特徴とする請求項1,2又
    は3記載のサーボアンプの入力電圧測定方法。
  7. 【請求項7】 前記無効電流成分の供給は、任意の時期
    に行なうことを特徴とする請求項1,2,3,4又は6
    記載のサーボアンプの入力電圧測定方法。
  8. 【請求項8】 サーボアンプによって駆動されるサーボ
    モータにおいて、電流ループにステップ状の無効電流成
    分を供給し、該電流ループから得られるステップ応答を
    求め、該ステップ応答によりサーボアンプに入力される
    電圧を測定し、該測定電圧に対応して制御パラメータを
    設定することを特徴とするサーボアンプの制御ゲイン設
    定方法。
  9. 【請求項9】 前記ステップ応答と、あらかじめ定めて
    おいた基準入力電圧に対するステップ応答との電流値の
    比に基づいて、サーボアンプに入力される電圧を測定す
    ることを特徴とする請求項8記載のサーボアンプの制御
    ゲイン設定方法。
  10. 【請求項10】 前記ステップ応答の電流値は、サーボ
    モータの各相電流をd−q変換して得られるd軸成分で
    あることを特徴とする請求項8,又は9記載のサーボア
    ンプの入力電圧測定方法。
  11. 【請求項11】 サーボアンプの入力電圧に対する制御
    パラメータをあらかじめ求めておき、該制御パラメータ
    から前記測定電圧に対応した値を求めることを特徴とす
    る請求項8,9又は10記載のサーボアンプの制御ゲイ
    ン設定方法。
  12. 【請求項12】 前記無効電流成分の供給は、サーボモ
    ータの励磁中に行なうことを特徴とする請求項8,9,
    10,又は11記載のサーボアンプの制御ゲイン設定方
    法。
  13. 【請求項13】 前記無効電流成分の供給は、所定周期
    毎に行なうことを特徴とする請求項8,9,10,1
    1,又は12記載のサーボアンプの制御ゲイン設定方
    法。
  14. 【請求項14】 前記無効電流成分の供給は、サーボモ
    ータの非励磁中に行なうことを特徴とする請求項8,
    9,10,11,又は12記載のサーボアンプの制御ゲ
    イン設定方法。
  15. 【請求項15】 前記無効電流成分の供給は、任意の時
    期に行なうことを特徴とする請求項7,8,9,10,
    11,又は14記載のサーボアンプの制御ゲイン設定方
    法。
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