JPH1169897A - 誘導電動機の制御装置 - Google Patents
誘導電動機の制御装置Info
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- JPH1169897A JPH1169897A JP9216678A JP21667897A JPH1169897A JP H1169897 A JPH1169897 A JP H1169897A JP 9216678 A JP9216678 A JP 9216678A JP 21667897 A JP21667897 A JP 21667897A JP H1169897 A JPH1169897 A JP H1169897A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 巻線切替を行った直後から励磁インダクタン
スMの変動および電動機の二次抵抗r2の変動の影響を
受けず、所望の出力トルクを得る。 【解決手段】 トルク指令値T*が所定値Trf以下の場
合に、トルク電流指令i1q*とトルク電流i1qとに基づき
算出されるトルク同相電圧指令Gq・Δi1qに基づき、励
磁インダクタンスMを補正し、またG・Δi1qに基づき、
二次抵抗値r2を補正する。この二次抵抗値r2と磁束密
度指令φ*とトルク電流指令i1q*とに基づきすべり角周
波数ωsを算出し、更に角周波数指令ωを算出する。補
正されたMおよび角周波数指令ωなどに基づき、磁束密
度指令φ*、トルク指令T*を電動機に印加する励磁電流
同相電圧指令e1d*及びトルク電流同相電圧指令e1q*に
変換する。補正した励磁インダクタンスMと二次抵抗値
r2を補正値保持手段(31)により保持し、巻線切替
指令に基づき保持してある補正値を取り出し使用する。
スMの変動および電動機の二次抵抗r2の変動の影響を
受けず、所望の出力トルクを得る。 【解決手段】 トルク指令値T*が所定値Trf以下の場
合に、トルク電流指令i1q*とトルク電流i1qとに基づき
算出されるトルク同相電圧指令Gq・Δi1qに基づき、励
磁インダクタンスMを補正し、またG・Δi1qに基づき、
二次抵抗値r2を補正する。この二次抵抗値r2と磁束密
度指令φ*とトルク電流指令i1q*とに基づきすべり角周
波数ωsを算出し、更に角周波数指令ωを算出する。補
正されたMおよび角周波数指令ωなどに基づき、磁束密
度指令φ*、トルク指令T*を電動機に印加する励磁電流
同相電圧指令e1d*及びトルク電流同相電圧指令e1q*に
変換する。補正した励磁インダクタンスMと二次抵抗値
r2を補正値保持手段(31)により保持し、巻線切替
指令に基づき保持してある補正値を取り出し使用する。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は工作機械の主軸駆動
などに利用され、誘導電動機の出力トルクを任意に制御
する誘導電動機の制御装置に関するものである。
などに利用され、誘導電動機の出力トルクを任意に制御
する誘導電動機の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】工作機械の主軸駆動などの用途には、す
べり周波数型ベクトル制御によって駆動される誘導電動
機が多く用いられている。このすべり周波数型ベクトル
制御において、出力トルクを任意に制御するためには、
誘導電動機の二次抵抗r2、励磁インダクタンスMおよ
びトルク電流i1qに応じて正確なすべり周波数を誘導電
動機に与える必要がある。しかしながら、二次抵抗r2
は、誘導電動機の温度変化等によって2倍程度に大きく
変動するにも拘わらず、制御装置内においては、二次抵
抗r2の値は変動が考慮されていない。その結果、誘導
電動機に与えられるすべり周波数が不正確となり、出力
トルクを正確に制御することができない。この問題を解
決するべく、本出願人等は既に特願平7−92165号
において、誘導電動機の励磁インダクタンスMおよび二
次抵抗r2の値が正確に把握できない場合や、これらの
値が変動する場合においても常に出力トルクを精度良く
制御できる誘導電動機の制御装置を提案している。
べり周波数型ベクトル制御によって駆動される誘導電動
機が多く用いられている。このすべり周波数型ベクトル
制御において、出力トルクを任意に制御するためには、
誘導電動機の二次抵抗r2、励磁インダクタンスMおよ
びトルク電流i1qに応じて正確なすべり周波数を誘導電
動機に与える必要がある。しかしながら、二次抵抗r2
は、誘導電動機の温度変化等によって2倍程度に大きく
変動するにも拘わらず、制御装置内においては、二次抵
抗r2の値は変動が考慮されていない。その結果、誘導
電動機に与えられるすべり周波数が不正確となり、出力
トルクを正確に制御することができない。この問題を解
決するべく、本出願人等は既に特願平7−92165号
において、誘導電動機の励磁インダクタンスMおよび二
次抵抗r2の値が正確に把握できない場合や、これらの
値が変動する場合においても常に出力トルクを精度良く
制御できる誘導電動機の制御装置を提案している。
【0003】図3に特願平7−92165号による誘導
電動機の制御装置のシステム構成の一例を示す。この制
御装置に対して外部からの入力指令として、トルク指令
T*および磁束密度指令φ*が入力される。変換器1は、
磁束密度指令φ*に応じて必要な励磁電流指令値i1d*を
算出発生する励磁電流指令発生器(手段)であり、磁束
密度と励磁電流の関係は後述するように励磁インダクタ
ンスMを意味している。この変換器1では、Mの逆数を
乗算することによって励磁電流指令値i1d*が出力され
る。除算器2はトルク電流指令発生手段を構成し、入力
されたトルク指令T*を入力された磁束密度指令φ*で除
算する。誘導電動機の出力トルクは磁束密度とトルク電
流値との積に比例することから、除算器2の出力がトル
ク電流指令値i1q*として出力される。
電動機の制御装置のシステム構成の一例を示す。この制
御装置に対して外部からの入力指令として、トルク指令
T*および磁束密度指令φ*が入力される。変換器1は、
磁束密度指令φ*に応じて必要な励磁電流指令値i1d*を
算出発生する励磁電流指令発生器(手段)であり、磁束
密度と励磁電流の関係は後述するように励磁インダクタ
ンスMを意味している。この変換器1では、Mの逆数を
乗算することによって励磁電流指令値i1d*が出力され
る。除算器2はトルク電流指令発生手段を構成し、入力
されたトルク指令T*を入力された磁束密度指令φ*で除
算する。誘導電動機の出力トルクは磁束密度とトルク電
流値との積に比例することから、除算器2の出力がトル
ク電流指令値i1q*として出力される。
【0004】この特願平7−92165号による誘導電
動機の制御装置の動作を図4の誘導電動機の等価回路を
もとに説明する。誘導電動機の一次電流I1,励磁電流I
o,一次電圧E1は磁束の回転角周波数ωに同期して回転
するdq軸座標上の一次電流i1d,i1q,励磁電流iod,io
q、一次電圧e1d,e1qを用いて次のように表される。
動機の制御装置の動作を図4の誘導電動機の等価回路を
もとに説明する。誘導電動機の一次電流I1,励磁電流I
o,一次電圧E1は磁束の回転角周波数ωに同期して回転
するdq軸座標上の一次電流i1d,i1q,励磁電流iod,io
q、一次電圧e1d,e1qを用いて次のように表される。
【0005】
【数1】 I1=i1d・sinωt+i1q・cosωt ・・・(1)
【数2】 Io=iod・sinωt+ioq・cosωt ・・・(2)
【数3】 E1=e1d・sinωt+e1q・cosωt ・・・(3) このとき誘導電動機の一次回路について電圧方程式は次
のように表される。
のように表される。
【0006】
【数4】 e1d=(r1+pLσ)i1d−ωLσ・i1q +pM・iod−ωM・ioq ・・・(4)
【数5】 e1q=ωLσ・i1d+(r1+pLσ)i1q +ωM・iod+pM・ioq ・・・(5) ここでpは微分演算子d/dt、r1は一次巻線抵抗、Lσ
は漏れインダクタンス、Mは励磁インダクタンスであ
る。
は漏れインダクタンス、Mは励磁インダクタンスであ
る。
【0007】次に二次回路についても同様に電圧方程式
は次のように表される。
は次のように表される。
【0008】
【数6】 −r2・i1d+(r2+pM)iod−ωs・M・ioq=0 ・・・(6)
【数7】 −r2・i1q+ωs・M・iod+(r2+pM)ioq=0 ・・・(7) ここでr2は二次抵抗、ωsはすべり角周波数である。こ
のωsは誘導電動機の回転角周波数ωmを用いて次のよう
に表される。
のωsは誘導電動機の回転角周波数ωmを用いて次のよう
に表される。
【0009】
【数8】 ωs=ω−ωm ・・・(8) 磁束方向がd軸に一致していると仮定すると、誘導電動
機内部の励磁電流ioは次のように表される。
機内部の励磁電流ioは次のように表される。
【0010】
【数9】 io=φ/M=iod,ioq=0 ・・・(9) (9)式と(6)式よりioとi1dとの関係を求めると次
式を得る。
式を得る。
【0011】
【数10】 io/i1d=1/(1+pM/r2) ・・・(10) すなわち、励磁電流ioはi1dに対して一次遅れで応答
し、その時定数はM/r2である。この時定数は一般的
な誘導電動機において数100msであり、ioの変化は十分
に緩慢であると近似できる。
し、その時定数はM/r2である。この時定数は一般的
な誘導電動機において数100msであり、ioの変化は十分
に緩慢であると近似できる。
【0012】一方、(9)式と(7)式より、次式を得
る。
る。
【0013】
【数11】 ωs=r2・i1q/(M・io) ・・・(11) これがいわゆるベクトル制御条件と呼ばれるもので、こ
の式を満たすすべり角周波数ωsを誘導電動機に与える
とき、磁束方向がd軸に一致する。このときi1qが磁束
に直交することから誘導電動機の発生トルクTは、以下
のようになる。
の式を満たすすべり角周波数ωsを誘導電動機に与える
とき、磁束方向がd軸に一致する。このときi1qが磁束
に直交することから誘導電動機の発生トルクTは、以下
のようになる。
【0014】
【数12】 T=φ・i1q=M・io・i1q ・・・(12) 従って、i1qを制御することによって任意にトルクを制
御することができる。
御することができる。
【0015】前記のようにioの変化は十分に緩慢である
と近似するとき、(4),(5)式は次のように書き直
すことができる。
と近似するとき、(4),(5)式は次のように書き直
すことができる。
【0016】
【数13】 e1d=(r1+pLσ)i1d−ωLσ・i1q ・・・(13)
【数14】 e1q=ωLσ・i1d+(r1+pLσ)i1q+ωM・io ・・・(14) これらの式より、i1d,i1qを任意に制御しようとすると
き、誘導電動機に印加する電圧(励磁電流同相電圧指令
及びトルク電流同相電圧指令)をそれぞれ次のように制
御すればよい。
き、誘導電動機に印加する電圧(励磁電流同相電圧指令
及びトルク電流同相電圧指令)をそれぞれ次のように制
御すればよい。
【0017】
【数15】 e1d*=Gd・Δi1d−ωLσ・i1q* ・・・(15)
【数16】 e1q*=ωLσ・i1d*+Gq・Δi1q+ωMc・io* ・・・(16) ここで添え字*は指令値であることを意味しており、ま
たΔi1d,Δi1qは次式で表される電流誤差である。
たΔi1d,Δi1qは次式で表される電流誤差である。
【0018】
【数17】 Δi1d=i1d*−i1d,Δi1q=i1q*−i1q ・・・(17) Mcはコントローラ内で想定した励磁インダクタンスで
あり、実際の励磁インダクタンスMとは異なるものであ
る。また、Gd,Gqは十分に大きなゲインであり、pi演
算増幅器などを用いて実現する。この(15),(1
6)式は図3のdq軸電圧指令算出部4で演算されd軸
電圧指令算出手段及びq軸電圧指令算出手段が構成され
ており、その内部ブロック図は図5に表される。また、
(11)式を満たすようにすべり角周波数算出手段を構
成する除算器7、乗算器8によってすべり角周波数ωs
が出力される。
あり、実際の励磁インダクタンスMとは異なるものであ
る。また、Gd,Gqは十分に大きなゲインであり、pi演
算増幅器などを用いて実現する。この(15),(1
6)式は図3のdq軸電圧指令算出部4で演算されd軸
電圧指令算出手段及びq軸電圧指令算出手段が構成され
ており、その内部ブロック図は図5に表される。また、
(11)式を満たすようにすべり角周波数算出手段を構
成する除算器7、乗算器8によってすべり角周波数ωs
が出力される。
【0019】(12)式で表される出力トルクTを正確
に制御しようとするとき、実際の励磁インダクタンスM
がコントローラ内のMcと等しいこと、および(11)
式のベクトル制御条件が成立し、磁束位置がd軸に一致
していることが必要である。しかしながら先に述べたよ
うに、励磁インダクタンスおよび(11)式中の二次抵
抗r2を正確に把握することは困難であり、その結果、
出力トルク精度が悪化する。そこで特願平7−9216
5号においては、まず励磁インダクタンスについて次式
に基づいて同定を行なっている。
に制御しようとするとき、実際の励磁インダクタンスM
がコントローラ内のMcと等しいこと、および(11)
式のベクトル制御条件が成立し、磁束位置がd軸に一致
していることが必要である。しかしながら先に述べたよ
うに、励磁インダクタンスおよび(11)式中の二次抵
抗r2を正確に把握することは困難であり、その結果、
出力トルク精度が悪化する。そこで特願平7−9216
5号においては、まず励磁インダクタンスについて次式
に基づいて同定を行なっている。
【0020】
【数18】 Gq・Δi1q=ω(M−Mc)io= ω・ΔM・io ・・・(18) ここでΔMはコントローラ側で想定した励磁インダクタ
ンスMcと実際の電動機内部の真値Mとの間の設定誤差
である。なお、(18)式は次のように導出されてい
る。誘導電動機が無負荷でi1q=i1q*=0であるとする
と、(14),(16)式は次のように変形できる。
ンスMcと実際の電動機内部の真値Mとの間の設定誤差
である。なお、(18)式は次のように導出されてい
る。誘導電動機が無負荷でi1q=i1q*=0であるとする
と、(14),(16)式は次のように変形できる。
【0021】
【数19】 e1q=ωLσ・i1d+ωM・io ・・・(19)
【数20】 e1q*=ωLσ・i1d*+Gq・Δi1q+ωMc・io* ・・・(20) 電流制御系の働きにより、i1d*=i1d,io*=io,e1q=
e1q*として(19),(20)式の差より、(18)
式が導出される。上記のように、i1q=i1q*=0の状態
において励磁インダクタンスの同定がおこなわれる。す
なわち、i1q=i1q*=0の状態のとき図3のコンパレー
タ22によってトルク指令T*が小さいことが検出さ
れ、無負荷状態の時のみ、スイッチ23が閉となり、増
幅器21によってGq・Δi1qが増幅されて同定が行なわ
れる。この増幅器21の出力は、磁束密度指令φ*の値
をアドレスとするデータテーブル24に各磁束密度ごと
に積分して保持される。この積分値は励磁インダクタン
スMの設定誤差ΔMであり励磁インダクタンス補正値を
示し、トルク指令が0でない場合においても、磁束密度
指令φ*に応じて保持されている設定誤差ΔMを取り出
して、変換器1の係数1/Mを補償しているので、常に
補正された励磁インダクタンスMの真値を用いて制御す
ること可能である。
e1q*として(19),(20)式の差より、(18)
式が導出される。上記のように、i1q=i1q*=0の状態
において励磁インダクタンスの同定がおこなわれる。す
なわち、i1q=i1q*=0の状態のとき図3のコンパレー
タ22によってトルク指令T*が小さいことが検出さ
れ、無負荷状態の時のみ、スイッチ23が閉となり、増
幅器21によってGq・Δi1qが増幅されて同定が行なわ
れる。この増幅器21の出力は、磁束密度指令φ*の値
をアドレスとするデータテーブル24に各磁束密度ごと
に積分して保持される。この積分値は励磁インダクタン
スMの設定誤差ΔMであり励磁インダクタンス補正値を
示し、トルク指令が0でない場合においても、磁束密度
指令φ*に応じて保持されている設定誤差ΔMを取り出
して、変換器1の係数1/Mを補償しているので、常に
補正された励磁インダクタンスMの真値を用いて制御す
ること可能である。
【0022】次に二次抵抗r2については次式に基づい
て同定が行なわれる。
て同定が行なわれる。
【0023】
【数21】 Gq・Δi1q=Δr2(ω/ωs)i1q ・・・(21) ここでΔr2はコントローラ側で想定した値r2cと実際
の値r2との間の設定誤差である。この(21)式は以
下のように導出される。まず(11)式を変形して(2
2)式を得る。
の値r2との間の設定誤差である。この(21)式は以
下のように導出される。まず(11)式を変形して(2
2)式を得る。
【0024】
【数22】 ωM・io=(ω/ωs)r2・i1q ・・・(22) この(22)式を(14)式に代入することによって、
実際に誘導電動機に発生するq軸電圧は次のように表す
ことができる。
実際に誘導電動機に発生するq軸電圧は次のように表す
ことができる。
【0025】
【数23】 e1q=ωLσ・i1d+(r1+pLσ)i1q+(ω/ωs)r2・i1q ・・・(23) 一方、コントローラの出力する電圧e1q*は、(2
2),(16)式から次のように表すことができる。
2),(16)式から次のように表すことができる。
【0026】
【数24】 e1q*=Gq・Δi1q+ωLσ・i1d*+(ω/ωs)r2c・i1q* ・・・(24) 電流制御系の働きにより、i1d*=i1d,i1q*=i1q,e1q
=e1q*として(23),(24)式の差を求めると、
次式を得る。
=e1q*として(23),(24)式の差を求めると、
次式を得る。
【0027】
【数25】 e1q−e1q*=(r1+pLσ)i1q−Gq・Δi1q +(ω/ωs)・(r2−r2c)・i1q=0・・・(25) 第1項は他の項に比べて比較的小さいので無視すると
(21)式が、導き出される。
(21)式が、導き出される。
【0028】すなわち(21)式よりGq・Δi1qは二次
抵抗r2の設定誤差Δr2を表しており、この誤差はGq・
Δi1qを用いて補正することが可能である。図3におい
て、Gq・Δi1qをΔeqと表しており、dq軸電圧指令算
出部4の出力ΔeqすなわちGq・Δi1qに増幅器25で同
定ゲインGrを乗算し、その出力に応じて二次抵抗補正
手段34内の前記二次抵抗r2c(33)を補償してい
る。
抵抗r2の設定誤差Δr2を表しており、この誤差はGq・
Δi1qを用いて補正することが可能である。図3におい
て、Gq・Δi1qをΔeqと表しており、dq軸電圧指令算
出部4の出力ΔeqすなわちGq・Δi1qに増幅器25で同
定ゲインGrを乗算し、その出力に応じて二次抵抗補正
手段34内の前記二次抵抗r2c(33)を補償してい
る。
【0029】以上のように、特願平7−92165号の
発明では、制御に用いられるパラメータの励磁インダク
タンスM、二次抵抗r2について、実際の誘導電動機に
おける真値を同定し、自動的に制御パラメータを適性に
追従させているので、鉄心の磁気飽和の影響や誘導電動
機の製造上の寸法精度などによる励磁インダクタンスM
の変動および誘導電動機の温度変化等による二次抵抗r
2の変動の影響を受けず、精度良く所望の出力トルクを
得ることができる。
発明では、制御に用いられるパラメータの励磁インダク
タンスM、二次抵抗r2について、実際の誘導電動機に
おける真値を同定し、自動的に制御パラメータを適性に
追従させているので、鉄心の磁気飽和の影響や誘導電動
機の製造上の寸法精度などによる励磁インダクタンスM
の変動および誘導電動機の温度変化等による二次抵抗r
2の変動の影響を受けず、精度良く所望の出力トルクを
得ることができる。
【0030】特願平7−92165号の発明における他
の構成要素の動作を以下に簡単に説明する。dq軸電圧
指令算出部4は(15),(16)式の演算を行なって
おり、その内部構成を図5に示す。図中の減算器11が
励磁電流指令値i1d*から励磁電流検出値i1dを減算して
励磁電流誤差Δi1dが出力され、増幅器12はΔi1dを増
幅してGd・Δi1dが出力される。変換器13、乗算器1
4ではトルク電流指令値i1q*と回転周波数ω、漏れイン
ダクタンスLσから(15)式の第2項が算出され、こ
れがGd・Δi1dと加算されて、d軸電圧指令e1d*が出力
される。同様に減算器15はトルク電流指令値i1q*から
トルク電流検出値i1qを減算して、トルク電流誤差Δi1q
が求められ、これが増幅器16で増幅されて(16)式
の第2項Gq・Δi1qが得られている。変換器18は励磁
電流指令i1d*に漏れインダクタンスLσを乗算し、さら
に乗算器19で回転角周波数ωが乗算されることによっ
て(16)式の第1項ωLσ・i1d*が得られている。
(16)式の第3項ωMc・io*は、図5の図中において
はem*=Mc・io*と置き換えて乗算器19によって出力
されており、前記の第1項、第2項と加算されて、トル
ク電流同相電圧指令e1q*が出力される。なお、図5に
おいて一次抵抗r1は符号20で示されており、em*は
図3の変換器17によって磁束密度指令φ*に誘起電圧
係数Kemを掛けることによって求められている。dq軸
電圧指令算出部4の出力した励磁電流同相電圧指令e1d
*,トルク電流同相電圧指令e1q*は、三相電圧指令発生
手段を構成する図3の二相三相変換器3によって三相の
交流電圧指令eu*,ev*,ew*に変換され、インバータ
26に入力される。インバータ26は直流電源27をエ
ネルギー源として、この三相の交流電圧指令eu*,ev
*,ew*に応じた電圧を誘導電動機28に印加すること
によって三相交流電流iu,iv,iwが流れる。この三相交
流電流iu,iv,iwは電流検出器6a,6b,6cによって
検出され、三相二相変換器9によって励磁電流検出値i1
dおよびトルク電流検出値i1qに変換される。なお、二相
三相変換器3と三相二相変換器9とが座標変換に使用す
る信号sinωt,cosωtは、角周波数指令ωを基に二相
正弦波発生器10によって出力される。この角周波数指
令ωは、位置検出器29によって検出された誘導電動機
28の回転位置を微分器30で微分することによって得
た回転速度ωmに、すべり角周波数ωsを加算する角周波
数指令算出手段によって得られている。
の構成要素の動作を以下に簡単に説明する。dq軸電圧
指令算出部4は(15),(16)式の演算を行なって
おり、その内部構成を図5に示す。図中の減算器11が
励磁電流指令値i1d*から励磁電流検出値i1dを減算して
励磁電流誤差Δi1dが出力され、増幅器12はΔi1dを増
幅してGd・Δi1dが出力される。変換器13、乗算器1
4ではトルク電流指令値i1q*と回転周波数ω、漏れイン
ダクタンスLσから(15)式の第2項が算出され、こ
れがGd・Δi1dと加算されて、d軸電圧指令e1d*が出力
される。同様に減算器15はトルク電流指令値i1q*から
トルク電流検出値i1qを減算して、トルク電流誤差Δi1q
が求められ、これが増幅器16で増幅されて(16)式
の第2項Gq・Δi1qが得られている。変換器18は励磁
電流指令i1d*に漏れインダクタンスLσを乗算し、さら
に乗算器19で回転角周波数ωが乗算されることによっ
て(16)式の第1項ωLσ・i1d*が得られている。
(16)式の第3項ωMc・io*は、図5の図中において
はem*=Mc・io*と置き換えて乗算器19によって出力
されており、前記の第1項、第2項と加算されて、トル
ク電流同相電圧指令e1q*が出力される。なお、図5に
おいて一次抵抗r1は符号20で示されており、em*は
図3の変換器17によって磁束密度指令φ*に誘起電圧
係数Kemを掛けることによって求められている。dq軸
電圧指令算出部4の出力した励磁電流同相電圧指令e1d
*,トルク電流同相電圧指令e1q*は、三相電圧指令発生
手段を構成する図3の二相三相変換器3によって三相の
交流電圧指令eu*,ev*,ew*に変換され、インバータ
26に入力される。インバータ26は直流電源27をエ
ネルギー源として、この三相の交流電圧指令eu*,ev
*,ew*に応じた電圧を誘導電動機28に印加すること
によって三相交流電流iu,iv,iwが流れる。この三相交
流電流iu,iv,iwは電流検出器6a,6b,6cによって
検出され、三相二相変換器9によって励磁電流検出値i1
dおよびトルク電流検出値i1qに変換される。なお、二相
三相変換器3と三相二相変換器9とが座標変換に使用す
る信号sinωt,cosωtは、角周波数指令ωを基に二相
正弦波発生器10によって出力される。この角周波数指
令ωは、位置検出器29によって検出された誘導電動機
28の回転位置を微分器30で微分することによって得
た回転速度ωmに、すべり角周波数ωsを加算する角周波
数指令算出手段によって得られている。
【0031】工作機械の主軸等に使用する誘導電動機
は、マグネットスイッチ等によりΔ結線およびY結線に
切り替え可能な巻線切替用誘導電動機がしばしば使用さ
れる。前記Δ結線およびY結線は、巻線切替指令により
結線を切替える。前記巻線切替用誘導電動機のΔ結線お
よびY結線では前記巻線切替指令が入力されると前記励
磁インダクタンスM及び前記2次抵抗r2、前記漏れイ
ンダクタンス等の電気的定数(以降パラメータと記す)
が異なるため、あらかじめメモリーに設定してある前記
Δ結線および前記Y結線のパラメータのノミナル値を前
記メモリーより取り出し制御用パラメータとして使用し
ている。図6に従来のパラメータの切替えシーケンスの
フローを示す。ステップ(S1)で前記巻線切替指令が入力
されたかどうか判断し、入力されない場合、ステップ(S
3)に進み制御用パラメータの変更をしない。ステップ(S
1)で巻線切替指令が入力された場合、ステップ(S2)に進
みΔ結線指令であるか判断する。ステップ(S2)でΔ結線
指令の場合、ステップ(S6)に進みΔ結線用パラメータを
メモリーよりリードし前記制御パラメータをリードした
前記Δ結線用パラメータに変更する。ステップ(S2)でY
結線指令の場合、ステップ7(S7)に進みY結線用パラメ
ータをメモリーよりリードし前記制御パラメータをリー
ドした前記Y結線用パラメータに変更する。
は、マグネットスイッチ等によりΔ結線およびY結線に
切り替え可能な巻線切替用誘導電動機がしばしば使用さ
れる。前記Δ結線およびY結線は、巻線切替指令により
結線を切替える。前記巻線切替用誘導電動機のΔ結線お
よびY結線では前記巻線切替指令が入力されると前記励
磁インダクタンスM及び前記2次抵抗r2、前記漏れイ
ンダクタンス等の電気的定数(以降パラメータと記す)
が異なるため、あらかじめメモリーに設定してある前記
Δ結線および前記Y結線のパラメータのノミナル値を前
記メモリーより取り出し制御用パラメータとして使用し
ている。図6に従来のパラメータの切替えシーケンスの
フローを示す。ステップ(S1)で前記巻線切替指令が入力
されたかどうか判断し、入力されない場合、ステップ(S
3)に進み制御用パラメータの変更をしない。ステップ(S
1)で巻線切替指令が入力された場合、ステップ(S2)に進
みΔ結線指令であるか判断する。ステップ(S2)でΔ結線
指令の場合、ステップ(S6)に進みΔ結線用パラメータを
メモリーよりリードし前記制御パラメータをリードした
前記Δ結線用パラメータに変更する。ステップ(S2)でY
結線指令の場合、ステップ7(S7)に進みY結線用パラメ
ータをメモリーよりリードし前記制御パラメータをリー
ドした前記Y結線用パラメータに変更する。
【0032】
【発明が解決しようとする課題】工作機械の主軸等に巻
線切替用誘導電動機を使用する場合、頻繁に巻き線を切
替え使用する。前記巻線切替用誘導電動機のΔ結線およ
びY結線では前記励磁インダクタンスM及び前記2次抵
抗r2等の電気的定数が異なる。そのため従来の技術で
は、巻線切替を行う度に前記励磁インダクタンスMおよ
び二次抵抗のr2等の電気的定数の初期値を前記メモリ
ーに設定してあるノミナル値に切り替え、図3の様に励
磁インダクタンスMと二次抵抗のr2(以降同定パラメ
ータと記す)を同定していた。しかし従来の技術では、
同定パラメータを同定するのに数100msecかかるため、
工作機械の主軸等巻線切替を頻繁に行う用途において
は、巻線切替後同定パラメータの同定が完了するまでの
数100msecの間出力特性が悪化した。
線切替用誘導電動機を使用する場合、頻繁に巻き線を切
替え使用する。前記巻線切替用誘導電動機のΔ結線およ
びY結線では前記励磁インダクタンスM及び前記2次抵
抗r2等の電気的定数が異なる。そのため従来の技術で
は、巻線切替を行う度に前記励磁インダクタンスMおよ
び二次抵抗のr2等の電気的定数の初期値を前記メモリ
ーに設定してあるノミナル値に切り替え、図3の様に励
磁インダクタンスMと二次抵抗のr2(以降同定パラメ
ータと記す)を同定していた。しかし従来の技術では、
同定パラメータを同定するのに数100msecかかるため、
工作機械の主軸等巻線切替を頻繁に行う用途において
は、巻線切替後同定パラメータの同定が完了するまでの
数100msecの間出力特性が悪化した。
【0033】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために本発明にかかる誘導電動機の制御装置は、直流電
流から変換された三相交流電流によって駆動される誘導
電動機の制御装置であって、トルク指令と磁束密度指令
の二相指令を前記誘導電動機の1次電流を制御するため
の三相電圧指令に変換し、前記誘導電動機三相の1次電
流検出値をトルク電流検出値と励磁電流検出値の二相の
検出値に変換し、フィードバック制御を行う巻線切替用
誘導電動機の制御装置において、前記磁束密度指令と、
励磁インダクタンス補正値とによって補正された補正励
磁インダクタンスとに基づき励磁電流指令値を算出する
励磁電流指令発生手段と、前記励磁電流指令と前記励磁
電流検出値に基づき励磁電流誤差を算出し、該励磁電流
誤差に基づき、励磁電流と同相の励磁電流同相電圧指令
を算出するd軸電圧指令算出手段と、前記トルク指令と
前記磁束密度指令に基づきトルク電流指令を算出するト
ルク電流指令発生手段と、前記トルク電流指令と前記ト
ルク電流検出値に基づきトルク電流誤差を算出し、該ト
ルク電流誤差に基づき、トルク電流と同相のトルク電流
同相電圧指令を算出するq軸電圧指令算出手段と、二次
抵抗の補正値によって補正された補正二次抵抗値と、前
記トルク電流指令および前記磁束密度指令とに基づきす
べり角周波数を算出するすべり角周波数算出手段と、前
記すべり角周波数と実際の誘導電動機の回転角周波数に
基づき角周波数指令を算出する角周波数指令算出手段
と、前記トルク指令が、予め定められたしきい値以下で
ある場合には前記トルク電流同相電圧指令に基づいて前
記励磁インダクタンス補正値を算出し、該励磁インダク
タンス補正値によって補正された補正励磁インダクタン
スを前記磁束密度指令の値をアドレスとするデータテー
ブルに複数個のデータとして保持する補正励磁インダク
タンス算出手段と、前記誘導電動機の巻線指令に基づき
前記補正励磁インダクタンスと、前記補正二次抵抗値を
保持する保持手段と、前記巻線指令に基づき前記保持手
段によって保持された前記補正励磁インダクタンスと前
記補正二次抵抗を切替る同定パラメータ切替手段と、前
記励磁電流同相電圧指令および前記トルク電流同相電圧
指令と、前記角周波数指令とに基づき誘導電動機に印加
する三相電圧指令を算出する三相電圧指令発生手段とを
有することを特徴とする。
ために本発明にかかる誘導電動機の制御装置は、直流電
流から変換された三相交流電流によって駆動される誘導
電動機の制御装置であって、トルク指令と磁束密度指令
の二相指令を前記誘導電動機の1次電流を制御するため
の三相電圧指令に変換し、前記誘導電動機三相の1次電
流検出値をトルク電流検出値と励磁電流検出値の二相の
検出値に変換し、フィードバック制御を行う巻線切替用
誘導電動機の制御装置において、前記磁束密度指令と、
励磁インダクタンス補正値とによって補正された補正励
磁インダクタンスとに基づき励磁電流指令値を算出する
励磁電流指令発生手段と、前記励磁電流指令と前記励磁
電流検出値に基づき励磁電流誤差を算出し、該励磁電流
誤差に基づき、励磁電流と同相の励磁電流同相電圧指令
を算出するd軸電圧指令算出手段と、前記トルク指令と
前記磁束密度指令に基づきトルク電流指令を算出するト
ルク電流指令発生手段と、前記トルク電流指令と前記ト
ルク電流検出値に基づきトルク電流誤差を算出し、該ト
ルク電流誤差に基づき、トルク電流と同相のトルク電流
同相電圧指令を算出するq軸電圧指令算出手段と、二次
抵抗の補正値によって補正された補正二次抵抗値と、前
記トルク電流指令および前記磁束密度指令とに基づきす
べり角周波数を算出するすべり角周波数算出手段と、前
記すべり角周波数と実際の誘導電動機の回転角周波数に
基づき角周波数指令を算出する角周波数指令算出手段
と、前記トルク指令が、予め定められたしきい値以下で
ある場合には前記トルク電流同相電圧指令に基づいて前
記励磁インダクタンス補正値を算出し、該励磁インダク
タンス補正値によって補正された補正励磁インダクタン
スを前記磁束密度指令の値をアドレスとするデータテー
ブルに複数個のデータとして保持する補正励磁インダク
タンス算出手段と、前記誘導電動機の巻線指令に基づき
前記補正励磁インダクタンスと、前記補正二次抵抗値を
保持する保持手段と、前記巻線指令に基づき前記保持手
段によって保持された前記補正励磁インダクタンスと前
記補正二次抵抗を切替る同定パラメータ切替手段と、前
記励磁電流同相電圧指令および前記トルク電流同相電圧
指令と、前記角周波数指令とに基づき誘導電動機に印加
する三相電圧指令を算出する三相電圧指令発生手段とを
有することを特徴とする。
【0034】本発明による誘導電動機の制御装置によれ
ば、誘導電動機の三相の1次電流検出値をトルク電流検
出値と励磁電流検出値の二相の検出値に変換する三相二
相変換手段によって、電動機電流の3つの瞬時値(例え
ばiu、iv、iw)から誘導電動機内部の励磁電流(例えば
i1d)およびトルク電流(例えばi1q)を直流量として検
出し、これらを磁束密度指令から変換した励磁電流指令
(例えばi1d*)およびトルク指令を変換したトルク電流
指令(例えばi1q*)のそれぞれに対して独立にフィード
バック制御を行い、更に、トルク指令が小さな無負荷状
態においては、磁束密度指令に対する励磁インダクタン
ス(M)をトルク電流の誤差アンプ出力(Gq・Δi1q)
を用いて同定する。二次抵抗r2についてもトルク電流
の誤差アンプ出力(Gq・Δi1q)を用いて同定する。さ
らに前記巻線切替用誘導電動機を制御する場合は、前記
巻線指令に基づき保持してある補正二次抵抗値と補正励
磁インダクタンスの同定値を切替えるため、結線が切替
わった直後も同定した値を使用することができる。
ば、誘導電動機の三相の1次電流検出値をトルク電流検
出値と励磁電流検出値の二相の検出値に変換する三相二
相変換手段によって、電動機電流の3つの瞬時値(例え
ばiu、iv、iw)から誘導電動機内部の励磁電流(例えば
i1d)およびトルク電流(例えばi1q)を直流量として検
出し、これらを磁束密度指令から変換した励磁電流指令
(例えばi1d*)およびトルク指令を変換したトルク電流
指令(例えばi1q*)のそれぞれに対して独立にフィード
バック制御を行い、更に、トルク指令が小さな無負荷状
態においては、磁束密度指令に対する励磁インダクタン
ス(M)をトルク電流の誤差アンプ出力(Gq・Δi1q)
を用いて同定する。二次抵抗r2についてもトルク電流
の誤差アンプ出力(Gq・Δi1q)を用いて同定する。さ
らに前記巻線切替用誘導電動機を制御する場合は、前記
巻線指令に基づき保持してある補正二次抵抗値と補正励
磁インダクタンスの同定値を切替えるため、結線が切替
わった直後も同定した値を使用することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係る誘導電動機の
制御装置の一実施形態のブロック図である。図3に示す
従来の誘導電動機の制御装置と同じ構成要素は同一符号
で示してあり、その説明は重複するので省略する。
制御装置の一実施形態のブロック図である。図3に示す
従来の誘導電動機の制御装置と同じ構成要素は同一符号
で示してあり、その説明は重複するので省略する。
【0036】図1中の31は、補正値保持器であり、Δ
結線用データ保持部とY結線用データ保持部から成る。
制御中の結線がΔ結線の場合でY結線の巻線指令が入力
された場合、制御中に同定した補正励磁インダクタンス
および補正二次抵抗値(以降同定パラメータと記す)を
Δ結線用データ保持部に同定パラメータを保存する。
(図中の太線の矢印は複数のデータであることを示
す。)補正値切替器32は、Y結線用の同定パラメータ
を前記Y結線データ保持部より取り出す。次に、前記Y
結線データ保持部より取り出した補正二次抵抗値をコン
トローラ内で想定した二次抵抗値33と置き換える。さ
らに前記Y結線データ保持部より取り出した前記補正励
磁インダクタンスを前記磁束密度指令φ*の値をアドレ
スとするデータテーブル24の初期データとして書き換
える。同様に制御中の結線がY結線の場合にΔ結線の巻
線切替指令が入力されると、同定パラメータをY結線用
データ保持部に同定パラメータを保存し、補正値切替器
32が、Δ結線用の同定パラメータを前記Δ結線データ
保持部より取り出す。前記Δ結線データ保持部より取り
出した補正二次抵抗値をコントローラ内で想定した二次
抵抗値33と置き換え、前記Y結線データ保持部より取
り出した前記補正励磁インダクタンスを前記磁束密度指
令φ*の値をアドレスとするデータテーブル24の初期
データとして書き換える。
結線用データ保持部とY結線用データ保持部から成る。
制御中の結線がΔ結線の場合でY結線の巻線指令が入力
された場合、制御中に同定した補正励磁インダクタンス
および補正二次抵抗値(以降同定パラメータと記す)を
Δ結線用データ保持部に同定パラメータを保存する。
(図中の太線の矢印は複数のデータであることを示
す。)補正値切替器32は、Y結線用の同定パラメータ
を前記Y結線データ保持部より取り出す。次に、前記Y
結線データ保持部より取り出した補正二次抵抗値をコン
トローラ内で想定した二次抵抗値33と置き換える。さ
らに前記Y結線データ保持部より取り出した前記補正励
磁インダクタンスを前記磁束密度指令φ*の値をアドレ
スとするデータテーブル24の初期データとして書き換
える。同様に制御中の結線がY結線の場合にΔ結線の巻
線切替指令が入力されると、同定パラメータをY結線用
データ保持部に同定パラメータを保存し、補正値切替器
32が、Δ結線用の同定パラメータを前記Δ結線データ
保持部より取り出す。前記Δ結線データ保持部より取り
出した補正二次抵抗値をコントローラ内で想定した二次
抵抗値33と置き換え、前記Y結線データ保持部より取
り出した前記補正励磁インダクタンスを前記磁束密度指
令φ*の値をアドレスとするデータテーブル24の初期
データとして書き換える。
【0037】図2に本発明に係わるシーケンスのフロー
を示す。ステップ(S1)で前記巻線切替指令が入力された
かどうか判断し、入力されない場合ステップ(S3)に進み
制御用パラメータの変更をしない。ステップ(S1)で巻線
切替指令が入力された場合ステップ(2)に進みΔ結線指
令であるか判断する。ステップ(S2)でΔ結線指令の場
合、ステップ(S4)に進みY結線用同定パラメータを前記
Y結線用データ保持部に書き込む。次にステップ(S6)に
進みΔ結線用パラメータをメモリーよりリードし前記制
御パラメータをリードした前記Δ結線用パラメータに変
更する。次にステップ(S8)に進み前記Δ結線用データ保
持部より前記同定パラメータをリードし制御用パラメー
タを変更する。ステップ(S2)でY結線指令の場合、ステ
ップ(S5)に進みΔ結線用同定パラメータを前記Δ結線用
データ保持部に書き込む。次にステップ(S7)に進みY結
線用パラメータをメモリーよりリードし前記制御パラメ
ータをリードした前記Y結線用パラメータに変更する。
次にステップ(S9)に進み前記Y結線用データ保持部より
前記同定パラメータをリードし制御用パラメータを変更
する。
を示す。ステップ(S1)で前記巻線切替指令が入力された
かどうか判断し、入力されない場合ステップ(S3)に進み
制御用パラメータの変更をしない。ステップ(S1)で巻線
切替指令が入力された場合ステップ(2)に進みΔ結線指
令であるか判断する。ステップ(S2)でΔ結線指令の場
合、ステップ(S4)に進みY結線用同定パラメータを前記
Y結線用データ保持部に書き込む。次にステップ(S6)に
進みΔ結線用パラメータをメモリーよりリードし前記制
御パラメータをリードした前記Δ結線用パラメータに変
更する。次にステップ(S8)に進み前記Δ結線用データ保
持部より前記同定パラメータをリードし制御用パラメー
タを変更する。ステップ(S2)でY結線指令の場合、ステ
ップ(S5)に進みΔ結線用同定パラメータを前記Δ結線用
データ保持部に書き込む。次にステップ(S7)に進みY結
線用パラメータをメモリーよりリードし前記制御パラメ
ータをリードした前記Y結線用パラメータに変更する。
次にステップ(S9)に進み前記Y結線用データ保持部より
前記同定パラメータをリードし制御用パラメータを変更
する。
【0038】
【発明の効果】以上、説明したように本発明において誘
導電動機内部の励磁電流およびトルク電流は、それぞれ
独立にフィードバック制御されており、その制御に用い
られるパラメータの励磁インダクタンスM、二次抵抗r
2は正確な値を制御に用いることができる。特に巻線切
替用誘導電動機において、結線を切替えた直後でも正確
な補正二次抵抗値および補正励磁インダクタンスを用い
ることができる。
導電動機内部の励磁電流およびトルク電流は、それぞれ
独立にフィードバック制御されており、その制御に用い
られるパラメータの励磁インダクタンスM、二次抵抗r
2は正確な値を制御に用いることができる。特に巻線切
替用誘導電動機において、結線を切替えた直後でも正確
な補正二次抵抗値および補正励磁インダクタンスを用い
ることができる。
【0039】その結果、結線が切替わった直後でも、常
に精度良く所望の出力トルクを得ることができる。
に精度良く所望の出力トルクを得ることができる。
【図1】 本発明による誘導電動機の制御装置の一実施
形態のブロック図である。
形態のブロック図である。
【図2】 本発明による誘導電動機の制御装置の電気的
定数入れ替えシーケンスのフローチャートである。
定数入れ替えシーケンスのフローチャートである。
【図3】 従来の誘導電動機の制御装置のブロック図で
ある。
ある。
【図4】 誘導電動機の等価回路図である。
【図5】 dq軸電圧指令算出部の内部ブロック図であ
る。
る。
【図6】 従来の誘導電動機の制御装置の電気的定数入
れ替えシーケンスのフローチャートである。
れ替えシーケンスのフローチャートである。
1、13、17、18、20 変換器、2,7 除算
器、3 二相三相変換器、4 dq軸電圧指令算出部、
6 電流検出器、8,14,19乗算器、9 三相二相
変換器、10 二相正弦波発生器、11,15 減算
器、12,16,21,25 増幅器、22 コンパレ
ータ、23 スイッチ、24 データテーブル、26
インバータ、27 直流電源、28 誘導電動機、29
位置検出器、30 微分器、31 補正値保持器、3
2 補正値切替器、33 コントローラ内で想定した二
次抵抗値、34 二次抵抗補正手段。
器、3 二相三相変換器、4 dq軸電圧指令算出部、
6 電流検出器、8,14,19乗算器、9 三相二相
変換器、10 二相正弦波発生器、11,15 減算
器、12,16,21,25 増幅器、22 コンパレ
ータ、23 スイッチ、24 データテーブル、26
インバータ、27 直流電源、28 誘導電動機、29
位置検出器、30 微分器、31 補正値保持器、3
2 補正値切替器、33 コントローラ内で想定した二
次抵抗値、34 二次抵抗補正手段。
Claims (2)
- 【請求項1】 直流電流から変換された三相交流電流に
よって駆動される誘導電動機の制御装置であって、トル
ク指令と磁束密度指令の二相指令を前記誘導電動機の1
次電流を制御するための三相電圧指令に変換し、前記誘
導電動機の三相の1次電流検出値をトルク電流検出値と
励磁電流検出値の二相の検出値に変換し、フィードバッ
ク制御を行う巻線切替可能な誘導電動機の制御装置にお
いて、 前記磁束密度指令と、励磁インダクタンス補正値によっ
て補正された補正励磁インダクタンスとに基づき励磁電
流指令値を算出する励磁電流指令発生手段と、 前記励磁電流指令と前記励磁電流検出値に基づき励磁電
流誤差を算出し、該励磁電流誤差に基づき、励磁電流と
同相の励磁電流同相電圧指令を算出するd軸電圧指令算
出手段と、 前記トルク指令と前記磁束密度指令に基づきトルク電流
指令を算出するトルク電流指令発生手段と、 前記トルク電流指令と前記トルク電流検出値に基づきト
ルク電流誤差を算出し、該トルク電流誤差に基づき、ト
ルク電流と同相のトルク電流同相電圧指令を算出するq
軸電圧指令算出手段と、 二次抵抗補正値によって補正された補正二次抵抗値と前
記トルク電流指令および前記磁束密度指令とに基づきす
べり角周波数を算出するすべり角周波数算出手段と、 前記すべり角周波数と実際の誘導電動機の回転角周波数
に基づき角周波数指令を算出する角周波数指令算出手段
と、 前記励磁電流同相電圧指令および前記トルク電流同相電
圧指令と、前記角周波数指令とに基づき誘導電動機に印
加する三相電圧指令を算出する三相電圧指令発生手段
と、 前記誘導電動機の巻線指令に基づき前記補正励磁インダ
クタンスと、前記補正二次抵抗値を保持する補正値保持
手段と、 前記巻線指令に基づき前記保持手段によって保持された
前記補正励磁インダクタンスと、前記補正二次抵抗値を
切り替える補正値切替手段と、を有することを特徴とす
る誘導電動機の制御装置。 - 【請求項2】 請求項1に記載の誘導電動機の制御装置
であって、前記補正値保持手段は、本制御装置に速度指
令等を指令してくる関数発生装置内部にあり、前記補正
値を前記関数発生装置に転送することを特徴とする誘導
電動機の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21667897A JP3655060B2 (ja) | 1997-08-11 | 1997-08-11 | 誘導電動機の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21667897A JP3655060B2 (ja) | 1997-08-11 | 1997-08-11 | 誘導電動機の制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1169897A true JPH1169897A (ja) | 1999-03-09 |
JP3655060B2 JP3655060B2 (ja) | 2005-06-02 |
Family
ID=16692217
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21667897A Expired - Fee Related JP3655060B2 (ja) | 1997-08-11 | 1997-08-11 | 誘導電動機の制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3655060B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008228513A (ja) * | 2007-03-15 | 2008-09-25 | Mitsubishi Electric Corp | 電動機駆動装置および電動機駆動方法並びに冷凍空調装置 |
JP2010022165A (ja) * | 2008-07-14 | 2010-01-28 | Yaskawa Electric Corp | 交流電動機の巻線切換装置およびインバータ装置 |
JP2012254017A (ja) * | 2012-08-24 | 2012-12-20 | Yaskawa Electric Corp | 交流電動機の巻線切換装置およびインバータ装置 |
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1997
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