JPH05337655A - 抵抗溶接機の溶接電流制御方法および装置 - Google Patents

抵抗溶接機の溶接電流制御方法および装置

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JPH05337655A
JPH05337655A JP14727692A JP14727692A JPH05337655A JP H05337655 A JPH05337655 A JP H05337655A JP 14727692 A JP14727692 A JP 14727692A JP 14727692 A JP14727692 A JP 14727692A JP H05337655 A JPH05337655 A JP H05337655A
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JP
Japan
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welding current
welding
current value
value
scattering
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JP14727692A
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Daisuke Kiriishi
大輔 桐石
Toshiya Watanabe
寿也 渡辺
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】抵抗溶接において、安定し、且つ高い溶接強度
を得ることのできる抵抗溶接機の溶接電流制御方法およ
び装置を提供することを目的とする。 【構成】初期値記憶回路に記憶された初期データに従っ
てCPUは方形状波形の溶接電流の指令値を出力すると
ともに、2次側電流検出器等を介して電極チップ間に通
電される溶接電流を検出し、該溶接電流から散り発生限
界電流値演算回路に散り発生限界電流値を演算させる。
次いで、予め通電パターン記憶回路に記憶された複数の
階段状波形の通電パターンから、前記散り発生限界電流
値に基づいて、所定の通電パターンを選択し、この通電
パターンに則った溶接電流の指令値を出力するととも
に、散り発生の有無を検出し、該検出結果に基づいて、
前記通電パターンを再選択する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は抵抗溶接機の溶接電流制
御方法および装置に関し、一層詳細には、散りの発生状
況により、溶接電流を散り発生限界値付近に制御する抵
抗溶接機の溶接電流制御方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】産業界においては、種々のワークを溶接
するために、抵抗溶接装置が広範に用いられているが、
この種の抵抗溶接装置は溶接電流値、加圧力、および通
電時間を制御することによって溶接品質の管理が行われ
ている。
【0003】前記溶接電流値は散り発生限界電流値以内
で、且つ、散り発生限界電流値付近が最適な値であっ
て、この溶接電流値によって溶接が行われると、最高の
溶接強度(剪断引っ張り強度)となることが知られてい
る。
【0004】しかし、複数のポイントを連続的に溶接を
すると、電極チップの劣化等によって溶接条件が変化
し、散り発生限界電流値が変動するため、前記散り発生
限界溶接電流値を正確に把握することが困難である。
【0005】この場合、溶接電流の不足は著しい溶接強
度の低下を招くとともに発見しずらいが、溶接電流の過
剰な通電により散りが発生した場合は、RWMA(米国
抵抗溶接機製造者協会)規格のB級またはC級程度の溶
接強度が得られるため、溶接現場では散り発生限界電流
値に予め設定された電流値を加算して通電し、ワークに
散りを発生させていた。
【0006】さらに、連続的に溶接することによって電
極チップが劣化して、電極チップとワークとの接触抵抗
が増加し、散り発生限界電流値が上昇することによって
散りが発生しなくなった場合は、オペレータがマニュア
ル操作によって溶接電流を上昇させ、被溶接ワークに散
りを発生させていた。
【0007】ところで、前記溶接電流を制御して、安定
した溶接強度を得ようとする技術的思想が特公昭58−
43192号の「スポット溶接法」に開示されている。
【0008】上記の従来技術における「スポット溶接
法」では、散り発生限界以上の初期電流を流し、ナゲッ
ト生成後は散り発生限界以下の電流値に下げるものであ
り、この方法によって、安定した溶接強度を得るもので
ある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来技術における「スポット溶接法」では、安定した溶
接強度が得られるものの、溶接強度の値としては満足す
ることができないという問題がある。
【0010】本発明はこのような従来の問題を解決する
ためになされたものであって、抵抗溶接において、安定
し、且つ高い溶接強度を得ることのできる抵抗溶接機の
溶接電流制御方法および装置を提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、第1の発明は、所定の溶接電流を電極チップ間に
供給して複数のポイントを連続的に溶接し、前記電極チ
ップ間の電流を検出して散り発生限界溶接電流値を求め
る第1のステップと、少なくとも前記散り発生限界溶接
電流値より大なる第1の溶接電流値と、前記散り発生限
界溶接電流値より小なる第2の溶接電流値とからなる複
数種類の通電パターンを設定する第2のステップと、前
記散り発生限界溶接電流値に基づいて前記第2のステッ
プで設定された溶接電流の通電パターンを選択する第3
のステップと、前記選択された通電パターンの溶接電流
を電極チップ間に供給して、溶接時における前記電極チ
ップ間の電流を検出し、散り発生の有無を検出する第4
のステップと、前記第4のステップで検出された散り発
生の有無に基づき、前記設定された第1または第2の溶
接電流値からなる新たな通電パターンを選択する第5の
ステップと、からなることを特徴とする。
【0012】さらに、第2の発明は、所定の溶接電流を
電極チップ間に供給するための初期データを記憶する初
期データ記憶手段と、電極チップ間に通電される溶接電
流を検出する溶接電流検出手段と、前記検出された溶接
電流から散り発生限界溶接電流値を求める散り発生限界
溶接電流値演算手段と、少なくとも前記散り発生限界溶
接電流値より大なる第1の溶接電流値と前記散り発生限
界溶接電流値より小なる第2の溶接電流値とからなる複
数種類の通電パターンを記憶する通電パターン記憶手段
と、初期データに基づいて通電された電極チップ間の溶
接電流を前記溶接電流検出手段から読み取り前記散り発
生限界溶接電流値演算手段に散り発生限界溶接電流値を
演算させ、当該散り発生限界溶接電流値に基づいて前記
通電パターンを選択し、該通電パターンにより通電され
る溶接電流を前記溶接電流検出手段から読み取り散り発
生の有無を検出し、前記検出された散り発生の有無デー
タに基づいて前記通電パターン記憶回路に記憶される新
たな通電パターンを選択する制御回路と、を備えること
を特徴とする。
【0013】
【作用】本発明に係る抵抗溶接機の溶接電流制御方法お
よび装置では、制御手段は初期データに基づいて通電さ
れた電極チップ間の溶接電流を溶接電流検出手段を介し
て読み取り、散り発生限界溶接電流値演算手段に散り発
生限界溶接電流値を演算させる。
【0014】次いで、制御手段は前記散り発生限界溶接
電流値に基づいて通電パターン記憶回路から通電パター
ンを選択し、該通電パターンにより通電される溶接電流
を前記溶接電流検出手段を介して読み取ることにより散
り発生の有無を検出し、当該散り発生の有無データに基
づいて前記通電パターン記憶回路に記憶される新たな通
電パターンを選択する。
【0015】従って、散り発生の有無データに基づいて
選択された最適な通電パターンの溶接電流が電極チップ
間に通電される。
【0016】
【実施例】次に、本発明に係る抵抗溶接機の溶接電流制
御方法について、それを実施する装置との関係におい
て、好適な実施例を挙げ、添付の図面を参照しながら以
下詳細に説明する。
【0017】図1は本発明を実施するインバータ式直流
抵抗溶接装置20の全体構成を示すブロック図である。
【0018】インバータ式直流抵抗溶接装置20は交流
電源21から出力される交流を全波整流するコンバータ
回路22と、全波整流された直流を高周波交流に変換す
るインバータ回路24と、前記高周波交流を変成し整流
する溶接トランス回路26と、ワークWを挟持する溶接
ガン部28と、ワークWに通電される溶接電流を制御す
る制御回路30とを備える。
【0019】さらに、インバータ式直流抵抗溶接装置2
0は、溶接トランス回路26の1次側の溶接電流(以
下、1次側電流値という)I1 を検出するトロイダルコ
イルからなる1次側電流検出器32と、溶接トランス回
路26の2次側の溶接電流(以下、2次側電流値とい
う)I2 を検出する2次側電流検出器34と、制御回路
30に溶接条件等を入力するためのキーボード36と、
表示手段としてのディスプレイ装置であるCRT38
と、外部記憶手段であるFDD39とを備える。
【0020】前記溶接ガン部28はワークWを挟持する
可動ガンアーム40、41と、この可動ガンアーム4
0、41に固着される電極チップ42、43と、前記可
動ガンアーム40、41を開閉自在に駆動するシリンダ
44とからなり、該シリンダ44には電磁切替弁46を
介して空圧源48が接続される。前記電磁切替弁46の
切替動作は前記制御回路30によって制御される。
【0021】図2は制御回路30の構成を示すブロック
図である。
【0022】制御回路30は前記1次側電流検出器32
から出力される1次側電流値I1 をデジタル値に変換す
るアナログ/デジタル(以下、A/Dという)変換回路
50と、2次側電流検出器34から出力される2次側電
流値I2 をデジタル値に変換するA/D変換回路52
と、前記A/D変換回路50から出力される1次側電流
値I1 、または前記A/D変換回路52から出力される
2次側電流値I2 のいずれか一方を選択する検出電流選
択回路54と、溶接に係る初期値が記憶される初期値記
憶回路56とを備える。
【0023】さらに、制御回路30は前記検出電流選択
回路54、および後述するインタフェース回路(以下、
I/Fという)72等を制御するとともに、前記初期値
記憶回路56から溶接に係る初期値を読み出すCPU5
8と、このCPU58から出力される溶接電流の指令値
cmd をアナログ値に変換するデジタル/アナログ(以
下、D/Aという)変換回路60と、該D/A変換回路
60から出力される信号に基づいたデューティのパルス
を生成するパルス幅変調(以下、PWMという)回路6
2を備え、このPWM回路62は前記インバータ回路2
4を付勢する。
【0024】さらにまた、制御回路30は前記CPU5
8が前記夫々の回路を制御するための制御プログラム、
および制御に用いられる設定値を記憶するROM64
と、前記CPU58が制御中に演算結果を一次的に記憶
するRAM66と、溶接電流の通電パターンを記憶する
通電パターン記憶回路68と、通電される溶接電流の散
り発生限界電流値を演算する散り発生限界電流値演算回
路70と、キーボード36、CRT38、FDD39お
よび電磁切替弁46のI/F72とを備える。
【0025】図3にPWM回路62のブロック構成を示
す。
【0026】PWM回路62は同期パルスを生成するパ
ルス発生回路74と、この同期パルスに同期して三角波
を生成する三角波発生回路76と、前記三角波とD/A
変換回路60から出力される溶接電流の指令値Icmd
を比較して、この比較結果に応じたパルスを出力する比
較回路78と、パルス発生回路74から出力される同期
パルスに同期して前記比較回路78から出力されるパル
ス列をドライブ回路80、81、82、83に振り分け
るパルス制御回路84とを含む。
【0027】前記ドライブ回路80〜83は、前記イン
バータ回路24を構成する図示しないトランジスタのベ
ースを付勢する。
【0028】以上のように構成されるインバータ式直流
抵抗溶接装置20において、複数のポイントを連続的に
溶接する作用について、図1乃至図9を参照しながら説
明する。
【0029】先ず、ワークWに発生する散りを、例え
ば、2次側電流値I2 によって検出することを示すデー
タがオペレータによってキーボード36から入力される
と(ステップS1)、このデータはI/F72を経由し
てCPU58に入力され、CPU58は2次側電流値I
2 を検出するための制御信号を検出電流選択回路54に
出力する。
【0030】次いで、オペレータによってキーボード3
6から設定された溶接のための初期値、例えば、溶接ト
ランス回路26が供給することができる最大供給電流値
MA X 、電極チップ42および43がワークWを挟持す
る加圧力P、通電される溶接電流が方形状波形であるこ
とを示すデータ、前記方形状波形の実効電流値IN 、前
記実効電流値IN を補正する際の補正量ΔIN 、溶接電
流の通電時間t、複数のポイントを連続して溶接する場
合に散りが連続して発生したか否かを判定するための設
定値N1 、および複数のポイントを連続して溶接する場
合に散りが連続して発生しなかったか否かを判定するた
めの設定値N2 がI/F72を介してCPU58に読み
取られ、初期値記憶回路56に記憶される。
【0031】CPU58は前記初期値記憶回路56から
読み出した加圧力Pのデータに基づいて、I/F72を
介して電磁切替弁46を付勢し、電極チップ42および
43にワークWを挟持させるとともに、溶接電流の実効
電流値IN と通電時間tとを読み出し、これらのデータ
から方形状波形である溶接電流の指令値Icmd をD/A
変換回路60に出力する。D/A変換回路60は前記指
令値Icmd をアナログ指令値If に変換し、PWM回路
62に出力する。このアナログ指令値If はPWM回路
62でパルス幅変調され、インバータ回路24、溶接ト
ランス回路26を介してワークWに通電される(図7
参照)(ステップS2)。
【0032】前記アナログ指令値If がPWM回路62
でパルス幅変調される作用について、図3に示すPWM
回路62のブロック構成図、および図4のタイミングチ
ャートを参照しながら説明する。
【0033】D/A変換回路60から出力されるアナロ
グ指令値If はPWM回路62を構成する比較回路78
の一方の入力端子に入力される(図4(A)、図3参
照)。一方、PWM回路62の三角波発生回路76はパ
ルス発生回路74から出力されるパルスに同期して三角
波を生成し(図4(B))、この三角波を比較回路78
の他方の入力端子に出力する。
【0034】ここで、比較回路78は前記三角波と、前
記D/A変換回路60から出力されるアナログ指令値I
f とを比較し(図4(C))、三角波よりアナログ指令
値I f が大である期間だけ、出力端子にHIGH(H)
レベルの信号を出力する(図4(D)参照)。
【0035】前記比較回路78から出力されるパルス列
は、パルス制御回路84に入力され、パルス制御回路8
4はパルス発生回路74から出力される信号に同期して
前記パルス列をドライブ回路80〜83に分配する。こ
れらのドライブ回路80〜83がインバータ回路24の
スイッチング素子である図示しない複数のトランジスタ
のべースを夫々駆動することにより、インバータ回路2
4から溶接電流が出力され、この溶接電流は溶接トラン
ス回路26、溶接ガン部28の可動ガンアーム40、4
1および電極チップ42、43を介してワークWに通電
されて、溶接がなされる。
【0036】このとき、CPU58は2次側電流検出器
34に検出された2次側電流値I2をA/D変換回路5
2および検出電流選択回路54を介して読み取り、散り
が発生したか否かを判定し(ステップS3)、散りが発
生したと判定された場合は、散りの連続発生数が予め設
定された設定値N1 に達したか否かを判定する(ステッ
プS4)。
【0037】前記判定の結果、散りの連続発生数が設定
値N1 に達した場合は、溶接電流の実効電流値IN が高
いと判定し、この判定が初回であれば演算式(IN ←I
N −n×ΔIN )のnに1を代入して、溶接電流の実効
電流値IN から初期に設定された補正量ΔIN を減ずる
(IN ←IN −1×ΔIN )(ステップS5)。 次い
で、ステップS2に戻り、前記演算によって得られた実
効電流値IN によって、次なるポイントに溶接電流の通
電を行う(図7参照)。
【0038】一方、前記ステップS3において、散りが
発生しないと判定された場合は、連続して発生しなかっ
た数値が設定値N2 に達したか否かを判定し(ステップ
S6)、設定値N2 に達している場合は、実効電流値I
N が低いと判定する。
【0039】この判定が初回であれば演算式(IN ←I
N +n×ΔIN )のnに1を代入して、溶接電流の実効
電流値IN に初期設定された補正量ΔIN を加算し(I
N ←IN +1×ΔIN )(ステップS7)、この演算に
よって得られた実効電流値I N が、溶接トランス回路2
6の供給可能な最大供給電流値IMAX 以下か否かを判定
して(ステップS8)、IN ≦IMAX であれば、溶接ト
ランス回路26は演算された実効電流値IN を供給し得
ると判定し、この演算によって得られた実効電流値IN
を次なるポイントを溶接するための実効電流値IN
し、ステップS2において、次なるポイントの通電を行
う(図7参照)。
【0040】前記ステップS8の判定結果がIN ≦I
MAX でなければ、電極チップ42、43が劣化してワー
クWとの接触抵抗が増加したため、演算された実効電流
値INが溶接トランス回路26の最大供給電流値IMAX
以上となったと判定し、電極チップ42、43の研削
(ドレス)を行う指示をCRT38に表示して(ステッ
プS9)、この溶接作業を終了する。この後、ステップ
S1から溶接作業を繰り返す。
【0041】前記ステップS4における判定の結果、散
りの連続発生数が設定値N1 に達していない場合、若し
くは、ステップS6における判定の結果、散りが連続し
て発生しない数値が設定値N2 に達していない場合に、
散り発生限界電流値演算回路70は実効電流値IN にお
ける溶接電流の散り発生限界電流値IS1を演算によって
求める(ステップS10)。
【0042】この演算結果は実効電流値IN を一定とし
た方形状波形の溶接電流で溶接を行った場合の散り発生
限界電流値IS1となる。
【0043】次いで、CPU58は通電パターン記憶回
路68から2段階の階段状波形の通電パターンを読み出
す(ステップS11)。この読み出された通電パターン
の低電流値IL1は、ステップS10で演算によって求め
られた散り発生限界電流値I S1より予め設定された値W
1 、例えば、200(A)乃至400(A)だけ低く、
また、読み出された通電パターンの実効値IA1は前記散
り発生限界電流値IS1より予め設定された値W2 、例え
ば、300(A)乃至500(A)だけ高い値に設定さ
れている(図8参照)。
【0044】前記通電パターン記憶回路68に記憶され
る複数の通電パターンの一実施例を図9に示す。
【0045】前記読み出された通電パターンによって、
実効値IA1の溶接電流がワークWに通電され(ステップ
S12)、CPU58は2次側電流検出器34等を介し
て2次側電流値I2 を読み取り、散りが発生したか否か
を判定する(ステップS13)。散りが発生した場合
は、散りの連続発生数が予め設定された設定値N3 に達
したか否かを判定して(ステップS14)、散りの連続
発生数が設定値N3 に達しない場合は、電極チップ4
2、43とワークWとの間に塵等が混入することにより
発生した一過性の散りと判定して、ステップS12に戻
り、同一の通電パターンによる溶接電流を通電する。
【0046】前記ステップS14において、散りの連続
発生数が設定値N3 に達した場合は、溶接電流が過剰で
あると判定して、前記通電パターンより低い実効値IA2
の通電パターンが記憶されているか否かを判定し(ステ
ップS15)、記憶されていれば、これを選択して(ス
テップS16)、ステップS10に戻り、前記選択され
た新たな通電パターンによって通電する。
【0047】また、前記ステップS15において、全て
の通電パターンが既に選択されて、実行されていた場合
は、ステップS2に戻り、方形状波形による通電を再び
実行し、新たな散り発生限界電流値IS1を求める。
【0048】一方、前記ステップS13において、散り
が発生しないと判定された場合は、連続して発生しなか
った数値が設定値N4 に達したか否かを判定し(ステッ
プS17)、連続して散りが発生しなかった数値が設定
値N4 に達するまで、同一の通電パターンによる通電を
実行する。また、連続して発生しなかった数値が設定値
4 に達した場合はステップS2に戻り、方形状波形に
よる通電を再び実行し、新たな散り発生限界電流値IS1
を求める。
【0049】以上説明したように、複数のポイントを連
続して溶接する場合に、方形状波形の通電によって散り
発生限界電流値IS1を求め、この散り発生限界電流値I
S1に基づいて予め通電パターン記憶回路68に設定され
た複数の通電パターンから所定の通電パターンを選択す
る。次いで、選択された通電パターンによって溶接電流
を通電し、この通電によって発生する散りの状態によっ
て、通電パターン記憶回路68から新たな通電パターン
を選択する。
【0050】このとき、選択される通電パターンの実効
値IA1〜IAnは方形状波形の通電によって得られた散り
発生限界電流値IS1、すなわち、方形状波形の実効値I
A より高く設定されたものであるが、階段状波形である
ため散りを発生することがない。
【0051】さらに、方形状波形の溶接電流の実効値I
A より高い実効値の溶接電流によって溶接が行われるた
め、溶接強度を向上することができる。
【0052】また、本実施例はインバータ式抵抗溶接装
置について説明したが、他の溶接装置、例えば、シーム
スポットウエルダ、およびプロジェクション溶接装置等
においても同様に実施することができる。
【0053】
【発明の効果】本発明に係る抵抗溶接機の溶接電流制御
方法および装置では、散り発生の有無データに基づいて
選択された最適な通電パターンの溶接電流が電極チップ
間に通電されるため、最適なナゲットを形成することが
可能となり、高い溶接強度を得ることができる。
【0054】さらに、複数のポイントを連続して溶接を
するとき、散りが発生する直前の実効値となるように、
常時、通電パターンを選択するため、複数のポイントを
連続的に溶接して、散り発生限界溶接電流値が変動した
場合であっても、常に安定した形状のナゲットを形成す
ることが可能となり、安定し、且つ高い溶接強度を得る
ことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するインバータ式直流抵抗溶接装
置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す実施例の制御回路の構成を示すブロ
ック図である。
【図3】図2に示す制御回路のPWM回路の構成を示す
ブロック図である。
【図4】図3に示すPWM回路の動作を説明するタイミ
ングチャートである。
【図5】図1に示す実施例の動作を示すフローチャトで
ある。
【図6】図1に示す実施例の動作を示すフローチャトで
ある。
【図7】図1に示す実施例において、ワークに通電され
る方形状の溶接電流波形を説明する図である。
【図8】図1に示す実施例において、ワークに通電され
る階段状の溶接電流波形を説明する図である。
【図9】図1に示す実施例において、通電パターン記憶
回路に記憶される通電パターンの種類を説明する図であ
る。
【符号の説明】
20…インバータ式直流抵抗溶接装置 24…インバータ回路 26…溶接トランス回路 28…溶接ガン部 30…制御回路 32、34…電流検出器 36…キーボード 40、41…可動ガンアーム 42、43…電極チップ 50、52…A/D変換回路 54…検出電流選択回路 56…初期値記憶回路 58…CPU 60…D/A変換回路 62…PWM回路 64…ROM 66…RAM 68…通電パターン記憶回路 70…散り発生限界電流値演算回路

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定の溶接電流を電極チップ間に供給して
    複数のポイントを連続的に溶接し、前記電極チップ間の
    電流を検出して散り発生限界溶接電流値を求める第1の
    ステップと、 少なくとも前記散り発生限界溶接電流値より大なる第1
    の溶接電流値と、前記散り発生限界溶接電流値より小な
    る第2の溶接電流値とからなる複数種類の通電パターン
    を設定する第2のステップと、 前記散り発生限界溶接電流値に基づいて前記第2のステ
    ップで設定された溶接電流の通電パターンを選択する第
    3のステップと、 前記選択された通電パターンの溶接電流を電極チップ間
    に供給して、溶接時における前記電極チップ間の電流を
    検出し、散り発生の有無を検出する第4のステップと、 前記第4のステップで検出された散り発生の有無に基づ
    き、前記設定された第1または第2の溶接電流値からな
    る新たな通電パターンを選択する第5のステップと、 からなることを特徴とする抵抗溶接機の溶接電流制御方
    法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の方法において、前記第3の
    ステップで選択される通電パターンの実効値は、第1の
    ステップで検出される散り発生限界溶接電流値よりも大
    きい値であることを特徴とする抵抗溶接機の溶接電流制
    御方法。
  3. 【請求項3】請求項1記載の方法において、前記第5の
    ステップで選択される通電パターンは、散り発生ありと
    判定された場合に、第1の溶接電流値が減少された通電
    パターンであり、散り発生なしと判定された場合に、第
    1の溶接電流値が増加された通電パターンであることを
    特徴とする抵抗溶接機の溶接電流制御方法。
  4. 【請求項4】所定の溶接電流を電極チップ間に供給する
    ための初期データを記憶する初期データ記憶手段と、 電極チップ間に通電される溶接電流を検出する溶接電流
    検出手段と、 前記検出された溶接電流から散り発生限界溶接電流値を
    求める散り発生限界溶接電流値演算手段と、 少なくとも前記散り発生限界溶接電流値より大なる第1
    の溶接電流値と前記散り発生限界溶接電流値より小なる
    第2の溶接電流値とからなる複数種類の通電パターンを
    記憶する通電パターン記憶手段と、 初期データに基づいて通電された電極チップ間の溶接電
    流を前記溶接電流検出手段から読み取り前記散り発生限
    界溶接電流値演算手段に散り発生限界溶接電流値を演算
    させ、当該散り発生限界溶接電流値に基づいて前記通電
    パターンを選択し、該通電パターンにより通電される溶
    接電流を前記溶接電流検出手段から読み取り散り発生の
    有無を検出し、前記検出された散り発生の有無データに
    基づいて前記通電パターン記憶回路に記憶される新たな
    通電パターンを選択する制御回路と、 を備えることを特徴とする抵抗溶接機の溶接電流制御装
    置。
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