JPH0510350A - 四輪駆動用駆動連結装置 - Google Patents

四輪駆動用駆動連結装置

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JPH0510350A
JPH0510350A JP16591391A JP16591391A JPH0510350A JP H0510350 A JPH0510350 A JP H0510350A JP 16591391 A JP16591391 A JP 16591391A JP 16591391 A JP16591391 A JP 16591391A JP H0510350 A JPH0510350 A JP H0510350A
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JP
Japan
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electric field
oil
viscosity
drive
rotor
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JP16591391A
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Inventor
Akira Yamamoto
山本  明
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Koyo Seiko Co Ltd
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Koyo Seiko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】ベーンポンプ3の油に、電場の強さに応じて粘
度を増大させる電気粘性流体を含有した。ロータ30と
ケーシング50との間に電圧を印加して、油の粘度増大
のための電場を発生させる電源70を設けた。サーミス
タ60によって検出された油温が所定以上になった場合
に、電源70によって電圧を印加させる電場制御部80
を設けた。 【効果】高温時の油の粘度低下を抑制でき、温度上昇に
起因した伝達トルクの低下を防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、四輪駆動車用の一対
の駆動軸間に介在して、駆動力を伝達する四輪駆動用駆
動連結装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】四輪駆動車は、悪路走破性に優れている
だけでなく、一般道においても加速性や走行安定性に優
れていることから、近年、急速に普及してきている。こ
の四輪駆動車において、従来、前輪の駆動軸と後輪の駆
動軸とをリジッドに結合したものがあった。しかし、こ
れでは、旋回走行時における前輪と後輪との旋回半径の
相違により、前輪の回転数と後輪の回転数に差異を生じ
た場合、推進軸に捩じりを生じると共に、旋回半径の小
さな後輪がすべりを生じた状態で引きずられて車両にが
たつきを生じる、いわゆるタイトコーナブレーキング現
象が発生するという難点があった。そこで、現在の四輪
駆動車においては、上記のタイトコーナブレーキング現
象等を防止するために、両駆動軸間に、両駆動軸間の回
転速度差を許容することのできる駆動連結装置を介在し
ている。
【0003】上記の駆動力伝達装置として、油圧ポン
プ、特に、小型軽量化が容易であるとともに、耐久性に
優れたベーンポンプの発生油圧を利用するものがある。
このベーンポンプは、周方向に等配に配置された平板状
のベーン複数枚を半径方向に進退自在に装着してなる円
筒形のロータと、環状のカムリングの両側にサイドプレ
ートをそれぞれ装着するとともに、これらに囲まれた空
間を内部に形成してなるケーシングとを備え、このケー
シングの内部空間にロータを同軸上に回動自在に収納し
て、ロータの外周面とカムリングの内周面との間に、こ
れらと両サイドプレートの側面とにより囲まれたポンプ
室を形成した公知の構成のものである。このベーンポン
プにおいては、このポンプ室への導入油を、カムリング
の内周面に摺接し互いに相隣接したベーン間に封止し、
ロータとカムリングとの相対回転により昇圧させる。
【0004】そして、このベーンポンプを用いた駆動連
結装置は、例えば前,後輪の一方と連動回転する軸体に
上記ロータを固着するとともに、前,後輪の他方と連動
回転する軸体に上記ケーシングを固着することにより、
前,後輪間の回転速度差に相当する相対回転が生ずるよ
うになし、ポンプ室内部にこの相対回転速度差に応じた
油圧を発生させ、この油圧を介してロータとケーシング
との間に駆動力を伝達する構成としたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のベーンポンプの
作動油としては、シリコーン油等が用いられているが、
ベーンとカムリングとの摺動摩擦や油の内部摩擦等によ
り発生した熱によって、油が高温になると、油の性質
上、その粘度が低下する。このように粘度が低下する
と、ポンプ室の油が、例えばベーンとサイドプレートと
の間の微小な隙間から漏れ出して、ポンプ室の内部の油
圧が低下し、したがって、高温時に伝達トルクが低下す
るという問題があった。
【0006】ところで、上記のタイトコーナブレーキン
グ現象は、特に低速での一般旋回時に顕著となる傾向に
ある。このような低速走行においては、前,後輪間に生
ずる回転速度差の絶対量は小さい。そこで、回転速度差
が小さい状態での伝達トルクを低く押さえるために、上
記ベーンに絞り孔を設け、ベーン間に形成される封止空
間内にて昇圧される油の一部が、該空間の低圧側、すな
わち、ロータの相対回転方向下流側に相隣接する同様の
封止空間内に、上記絞り孔を通して漏れ出すようにした
ベーンポンプもある。このベーンポンプを用いた駆動連
結装置においては、上記のように回転速度差が小さい状
態でのタイトコーナブレーキング現象の発生を防止し得
るが、回転速度差が大きい状態での十分な伝達トルクの
上昇が得られないという問題があった。
【0007】この発明の第1の目的は、高温時の伝達ト
ルクの低下を防止することのできる四輪駆動用駆動連結
装置を提供することである。この発明の第2の目的は、
ベーンに絞り孔を有するものにおいて、回転速度差の大
きい状態でも十分な伝達トルクの上昇が得られる四輪駆
動用駆動連結装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項1に係る四輪駆動用駆動連結装置は、板状の
ベーンを複数枚半径方向に進退自在に備え且つ一対の駆
動輪のうちの一方と連動回転する円筒形のロータを、一
対の駆動輪のうちの他方と連動回転するケーシング内に
収納してベーンポンプを構成し、これらの内部に発生す
る油の圧力により、一対の駆動輪どうしを連結する四輪
駆動用駆動連結装置において、上記の油に含有され、電
場の強さに応じて粘度を増大させる電気粘性流体と、油
の循環経路の途中部に設けられ、油の粘度増大のための
電場を発生させる電場発生手段と、油の温度を検出する
油温検出手段と、この油温検出手段によって検出された
油温の高さに応じて電場発生手段によって電場を発生さ
せる電場制御部とを備えたことを特徴とするものであ
る。
【0009】また、請求項2に係る四輪駆動用駆動連結
装置は、表裏に貫通する絞り孔をそれぞれ有する板状の
ベーンを複数枚半径方向に進退自在に備え且つ一対の駆
動輪のうちの一方と連動回転する円筒形のロータを、一
対の駆動輪のうちの他方と連動回転するケーシング内に
収納してベーンポンプを構成し、これらの内部に発生す
る油の圧力により、一対の駆動輪を連結する四輪駆動用
駆動連結装置において、上記の油に含有され、電場の強
さに応じて粘度を増大させる電気粘性流体と、油の循環
経路の途中部に設けられ、油の粘度増大のための電場を
発生させる電場発生手段と、ロータとケーシングとの回
転速度差を検出する速度差検出手段と、この速度差検出
手段によって検出された回転速度差の大きさに応じて電
場発生手段によって電場を発生させる電場制御部とを備
えたことを特徴とするものである。
【0010】
【作用】上記の請求項1記載の四輪駆動用駆動連結装置
によれば、油温検出手段によって油温を検出し、この油
温検出手段からの検出信号を受けた電場制御手段が、油
温の高さに応じて電場発生手段によって電場を発生させ
ることにより、高温時に生ずる油の粘度の低下を抑制す
ることができる。これにより、漏れ等に起因した発生圧
力の低下を抑制することができる。
【0011】また、請求項2記載の四輪駆動用駆動連結
装置によれば、下記の作用を奏する。すなわち、従来、
回転速度差が小さい状態での伝達トルクを低減するため
の絞り孔をベーンに設けたものにおいては、発生圧力が
絞り孔の通流抵抗に依存しているため、低回転時に伝達
トルクを低くした場合、回転速度差の大きい状態で十分
な発生圧力の上昇が得られなかった。これに対して、速
度差検出手段によってロータとケーシングとの回転速度
差を検出し、この検出信号を受けた電場制御部が、回転
速度差の大きさに応じて電場発生手段によって電場を発
生させ、粘度を増大させる。これにより、回転速度差が
大きい状態での発生圧力を、油の粘度上昇によって補う
ことができる。
【0012】
【実施例】以下実施例を示す添付図面によって詳細に説
明する。図2は、この発明の一実施例としての四輪駆動
用駆動連結装置(以下、単に駆動連結装置という)を示
す縦断面図であり、図1は図2のI−I線に沿う横断面
図である。これらの図を参照して、この駆動連結装置A
は、前,後輪の一方と連動回転する入力軸1と、他方と
連動回転する出力軸2との間に介装されており、両軸の
回転速度差、すなわち前,後輪間に生じる回転速度差に
応じて、入力軸1から出力軸2への駆動力の伝達を行う
ものである。この駆動連結装置Aは、その発生圧力によ
り駆動力を伝達するとともに、作動油として、電場の強
さに応じてその粘度を増加させる電気粘性流体を含有し
た油を用いたベーンポンプ3と、上記作動油の温度を検
出する油温検出手段としてのサーミスタ60と、上記ベ
ーンポンプ3の後述するロータ30とカムリング31と
の間に電圧を印加することにより電場を発生させる電場
発生手段としての電源70と、上記サーミスタ60によ
って検出された油温が所定以上になった場合に、電源7
0によって電場を発生させるようにオンオフ制御する電
場制御部80とを備えている。なお、以下において、図
においての左右を左右という。
【0013】電気粘性流体は、液中に分散媒としての粒
子が分散したものであり、電場内にないときには、普通
の流体のように低い粘性を示すが、電場内に置かれる
と、上記粒子が分極して粒子間に連結力が発生し、その
電場の大きさに比例して可逆的に粘性が増加する特性を
有している。この電気粘性流体としては、例えば特開平
1−172496号公報開示のものや、特開平2−92
295号公報開示のものを使用することができる。
【0014】電源70は、その負極がブラシ等(図示せ
ず)を介して後述するロータ軸36の外周面に摺接され
た状態でロータ30に接続されているとともに、正極が
ブラシ等(図示せず)を介してカムリング31の外周面
に摺接された状態で接続されている。なお、ロータ30
とカムリング31との間は、所要部材(例えば、後述す
る針状ころ軸受32a、玉軸受33a、オイルシール3
4aおよびXリング34b等)の所要部に施されたフッ
素樹脂被覆等により絶縁され、電気的に導通しないよう
にしてある。サーミスタ70は、カムリング31の内周
の近傍に埋設されており、その検出信号を電場制御部8
0へ出力する。
【0015】ベーンポンプ3は、円筒体からなるロータ
30と、偏肉筒状のカムリング31の両側にサイドプレ
ート32,33を後述するように固着してなるケーシン
グ50とにより主構成されている。サイドプレート3
2,33は、中抜き円板状をなす部材である。図2を参
照して、これらのサイドプレート32,33は、軸封部
材34、サイドプレート32、カムリング31の貫通孔
39(図1参照)およびサイドプレート33を順次に貫
通したボルト35によって、一体的に結合されている。
また、図1を参照して、ケーシング50の外方は、薄肉
筒状の囲繞部材38によって囲まれており、この囲繞部
材38の両端部は、サイドプレート33の外周および後
述する軸封部材34の円筒部外周に外嵌されている。そ
して、この囲繞部材38とケーシング50の外周面との
間には、作動油を封入した環状の油タンクTが形成され
ている。
【0016】ロータ30は、その半径方向に所定の深さ
を有する複数の収納溝30bを、周方向の略等配に形成
しており、これら収納溝30bのそれぞれに、矩形平板
状のベーン30aが摺動自在に内挿されている。このベ
ーン30aと収納溝30bの底部との間には、ベーン3
0aを半径方向外向きに付勢する、各一対のコイルばね
30cが介在している。ロータ30は、針状ころ軸受3
2aおよび玉軸受33aによって支承されたロータ軸3
6に、スプライン結合させてある。このロータ軸36の
外周と、軸封部材34の円筒部内周との間は、オイルシ
ール34aおよびXリング34bによって、密封されて
いる。ロータ軸36の左端部には、連結フランジ37が
設けられており、この連結フランジ37は、複数の固定
ボルト11によって、入力軸1の右端部に形成された円
板形フランジ10に固定されている。これにより、ロー
タ30は、ロータ軸36を介して入力軸1に同軸的に連
結され、入力軸1の回転、すなわち後輪の回転に連動し
てその軸心回りに回転する。
【0017】カムリング31の内周面には、複数の凹部
31aが周方向の等配に設けられており、当該凹部31
a、ロータ30の外周面およびサイドプレート32,3
3によって囲まれた空間により、略三日月形の断面形状
をなすポンプ室40が、カムリング31の周方向に沿っ
て複数形成されている。各ポンプ室40の三日月形の両
端部には、サイドプレート32側に開口する一対の吸込
口40aと、サイドプレート33側に開口する一対の吐
出口40bとがそれぞれ形成してある。ポンプ室40の
各吸込口40aは、サイドプレート32に設けられポン
プ室40への油の流入のみを許容する各別の吸込チェッ
ク弁41、軸封部材34に形成された環状油室42およ
び吸込油路43を介して、油タンクTに連通させてあ
る。また、各吐出口40bは、サイドプレート33に形
成された吐出油路44、この吐出油路44の途中部に設
けられポンプ室40からの油の流出のみを許容する各別
の吐出チェック弁45を介して、ロータ30の側面に形
成された環状溝46に連通させてある。この環状溝46
は、上記収納溝30bの底部を相互に連通させている。
また、サイドプレート32の支承孔とロータ軸36との
間の環状空間は、軸封部材34の円筒部を内外に貫通す
る連通孔47によって、また、サイドプレート33の支
承孔とロータ軸36との間の環状空間は、サイドプレー
ト33を半径方向に貫通する連通孔48によって、それ
ぞれ油タンクTに連通されている。これにより、油タン
クT内の封入油が、針状ころ軸受32aおよび玉軸受3
3aの潤滑と、ロータ30より漏れた油の回収のために
導入されている。
【0018】そして、吐出孔40bから送出される圧油
は、各別の吐出油路44および環状溝46を介して、収
納溝30bの底部に導入され、コイルばね30cの付勢
力との協動して、ベーン30aをカムリング31の内周
面に押しつける働きをする。これにより、ベーン30a
とカムリング31の内周面との間の密封性が高められて
いる。したがって、ポンプ室40内においてベーン30
a間に封止された油は、ロータ30の両側面と、サイド
プレート32,33の側面との間の微小な間隙を通し
て、上記支承孔内に漏れ出し、連通孔47,48を経て
油タンクT内に還流する。
【0019】また、各ベーン30aの先端近傍の幅方向
中央部には、絞り孔5が形成されている。この絞り孔5
は、当該絞り孔5が設けられたベーン30aを隔てた隣
接空間どうしの油の流通を、通流抵抗をもって許容す
る。出力軸2の端部にはフランジ部20が形成され、こ
のフランジ部20は、サイドプレート33にボルト21
によって固定されている。これにより、ケーシング50
は、出力軸2の回転、すなわち前輪の回転に応じてその
軸心まわりに回転する。
【0020】次に、ベーンポンプ3の働きについて説明
する。前,後輪間に差回転が生じると、ロータ30とカ
ムリング31との間に相対回転が生じ、ポンプ室40内
に導入されて相隣接する2枚のベーン30a間に形成さ
れる空間内に封止された油は、前記相対回転に伴って昇
圧し、一部は、ベーン30aに形成された絞り孔5を通
して、上記空間に隣接した低圧側の同様の空間内に流出
し、残部は、ロータ30とサイドプレート32,33間
の間隙を通過して低圧部へ漏れ出す。したがって、ポン
プ室40内部の発生油圧の高低は、絞り孔5における通
流抵抗および前記間隙における通流抵抗の和の大小に依
存する。一方、このようにポンプ室40内に発生した油
圧は、ピストン圧として作用し、トルク伝達媒体となっ
てロータ31とカムリング32との間に、すなわち入力
軸1と出力軸2との間にトルクが伝達される。したがっ
て、入力軸1と出力軸2との間に伝達トルクの大小は、
ポンプ室40内の油圧の大小に対応し、絞り孔5および
上記間隙における通流抵抗の和の大小に対応する。
【0021】この実施例によれば、サーミスタ60によ
って油温を検出し、このサーミスタ60からの検出信号
を受けた電場制御部80が、油温が所定以上になった場
合に、電源70による電圧印加をオンして電場を発生さ
せることにより、当該電場内の、電気粘性流体を含有し
た油の粘度を増大させる。これにより、高温時に生ずる
油の粘度の低下を抑制して、上記絞り孔5等の通流抵抗
を所定に維持し、発生圧力の低下を抑制することができ
る。したがって、高温時の粘性低下に起因した伝達トル
クの低下を防止することができる。
【0022】図3は、請求項2に係る発明の実施例の概
略構成図を示している。同図を参照して、この実施例
が、図1の実施例と異なるのは、サーミスタ60に代え
て、ロータ30およびカムリング31の何れか一方に、
両者の相対回転速度差を検出する速度差検出手段として
の速度センサ90を設けたこと、および、電場制御部8
0が、速度センサ90からの検出信号を受け、上記回転
速度差が所定以上になった場合に、電源70によって電
場を発生させるようにしたことである。速度センサ90
としては、機械的、磁気的あるいは電気的に速度を検出
する公知の構成のものが採用され、ロータ30側あるい
はカムリング31側の何れか一方に固定された状態で他
方との相対速度を検出する。他の構成については、図1
の実施例と同様であるので、図に同一符号を付して、そ
の説明を省略した。
【0023】この実施例によれば、下記の作用効果を奏
する。すなわち、従来、タイトコーナブレーキング現象
の防止用として、回転速度差が小さい状態での伝達トル
クを低減するための絞り孔5をベーン30aに設けたも
のにおいては、回転速度差の大きい状態での発生圧力
が、絞り孔5の通流抵抗に依存しており、回転速度差の
小さいときの伝達トルクを低くした場合、回転速度差の
大きい状態で十分な発生圧力の上昇が得られないという
問題があった。これに対して、上記速度センサ90によ
って検出したロータ30とケーシング50との回転速度
差が所定以上になった場合に、電場制御部80が、電源
70によって電場を発生させて油の粘度を増大させ、こ
れにより、回転速度差が大きい状態での発生圧力の低下
傾向を、油の粘度上昇によって補うことができる。この
ように、タイトコーナブレーキング現象を防止できると
ともに、所要時には、高い伝達トルクを伝達でき、良好
な走行安定性を実現できる。
【0024】なお、上記各実施例においては、電場制御
部80にオンオフ制御をさせたが、油温の上昇あるいは
回転速度差の上昇に応じて複数段階にあるいは連続的に
印加電圧を調整するようにしても良い。また、電場制御
部80による制御は、油温および回転速度差の双方に基
づいて行っても良い。
【0025】さらに、速度差検出手段は、ロータ30と
カムリング31との間の速度差を、ロータ30と一体回
転する部材と、カムリング31と一体回転する部材との
間の速度差に基づいて検出するようにしても良い。この
発明の要旨を変更しない範囲で種々の設計変更を施すこ
とができる。
【0026】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の四輪駆動
用駆動連結装置によれば、電場制御部が、油温検出手段
によって検出された油温の高さに応じて電場発生手段に
よって電場を発生させることにより、高温時に生ずる油
の粘度の低下を抑制でき、高温時における伝達トルクの
低下を抑制することができる。
【0027】また、請求項2記載の四輪駆動用駆動連結
装置によれば、電場制御部が、速度差検出手段によって
検出されたロータとケーシングとの回転速度差の大きさ
に応じて、電場発生手段によって電場を発生させ、粘度
を増大させることができ、これにより、絞り孔をベーン
に設けて回転速度差が小さい状態での伝達トルクを低減
したものにおいて、回転速度差が大きい状態での十分な
伝達トルクの上昇を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の四輪駆動用駆動連結装置の
概略構成を示す断面図であり、図2のI−I線に沿う断
面図である。
【図2】四輪駆動用駆動連結装置の縦断面図である。
【図3】他の四輪駆動用駆動連結装置の概略構成図であ
る。
【符号の説明】
3 ベーンポンプ 30 ロータ 30a ベーン 50 ケーシング 60 サーミスタ(油温検出手段) 70 電源(電場発生手段) 80 電場制御部 90 速度センサ(速度差検出手段)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】板状のベーンを複数枚半径方向に進退自在
    に備え且つ一対の駆動輪のうちの一方と連動回転する円
    筒形のロータを、一対の駆動輪のうちの他方と連動回転
    するケーシング内に収納してベーンポンプを構成し、こ
    れらの内部に発生する油の圧力により、一対の駆動輪ど
    うしを連結する四輪駆動用駆動連結装置において、 上記の油に含有され、電場の強さに応じて粘度を増大さ
    せる電気粘性流体と、油の循環経路の途中部に設けら
    れ、油の粘度増大のための電場を発生させる電場発生手
    段と、油の温度を検出する油温検出手段と、この油温検
    出手段によって検出された油温の高さに応じて電場発生
    手段によって電場を発生させる電場制御部とを備えたこ
    とを特徴とする四輪駆動用駆動連結装置。
  2. 【請求項2】表裏に貫通する絞り孔をそれぞれ有する板
    状のベーンを複数枚半径方向に進退自在に備え且つ一対
    の駆動輪のうちの一方と連動回転する円筒形のロータ
    を、一対の駆動輪のうちの他方と連動回転するケーシン
    グ内に収納してベーンポンプを構成し、これらの内部に
    発生する油の圧力により、一対の駆動輪を連結する四輪
    駆動用駆動連結装置において、 上記の油に含有され、電場の強さに応じて粘度を増大さ
    せる電気粘性流体と、油の循環経路の途中部に設けら
    れ、油の粘度増大のための電場を発生させる電場発生手
    段と、ロータとケーシングとの回転速度差を検出する速
    度差検出手段と、この速度差検出手段によって検出され
    た回転速度差の大きさに応じて電場発生手段によって電
    場を発生させる電場制御手段とを備えたことを特徴とす
    る四輪駆動用駆動連結装置。
JP16591391A 1991-07-05 1991-07-05 四輪駆動用駆動連結装置 Pending JPH0510350A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6149391A (en) * 1997-11-10 2000-11-21 Carl Schenk Ag Hydraulic displacement machine

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US6149391A (en) * 1997-11-10 2000-11-21 Carl Schenk Ag Hydraulic displacement machine

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