JP3676583B2 - 四輪駆動車両の動力伝達装置 - Google Patents

四輪駆動車両の動力伝達装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一対のベーンポンプよりなるハイドロリックカップリング装置を備えた四輪駆動車両の動力伝達装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
かかる四輪駆動車両の動力伝達装置は、特開平7−125555号公報により既に知られている。このものは、ベーンポンプのベーンを半径方向外側に付勢してカムリングの内周面に圧接すべく、吐出ポートの高圧をベーンの基端面に導くようになっている。
【0003】
ところで、かかる動力伝達装置のベーンポンプは正転および逆転が可能であり、正転時における吸入ポートは逆転時における吐出ポートになり、正転時における吐出ポートは逆転時における吸入ポートになる。そこで上記従来のものは、ベーンポンプの回転方向に関わらずベーンの基端面に常に高圧を導くべく、その油圧回路に多数のチェックバルブを配置している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のものは油圧回路に多数のチェックバルブを組み合わせて配置する必要があるため、部品点数の増加と油圧回路の複雑化とを招く問題がある。
【0005】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、簡単な構造でありながら、ベーンポンプの回転方向に関わらずベーンの基端面に常に高圧を作用させることが可能な四輪駆動車両の動力伝達装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明は、エンジンにより左右の主駆動輪と共に駆動される入力軸と、左側の副駆動輪に接続された左駆動軸と、右側の副駆動輪に接続された右駆動軸と、入力軸および左駆動軸の相対回転速度差に応じて作動する左ベーンポンプと、入力軸および右駆動軸の相対回転速度差に応じて作動する右ベーンポンプと、左ベーンポンプの吸入ポートおよび吐出ポート間に設けられた左第1オリフィスと、右ベーンポンプの吸入ポートおよび吐出ポート間に設けられた右第1オリフィスと、左ベーンポンプの吸入ポートおよび右ベーンポンプの吸入ポート間、並びに左ベーンポンプの吐出ポートおよび右ベーンポンプの吐出ポート間にそれぞれ設けられた第2オリフィスとを備えてなり、前記各ベーンポンプは、カムリングおよびサイドプレートにより囲まれた空間にロータを収納し、このロータに半径方向摺動自在に支持した複数のベーンの半径方向外端をカムリングに摺接させてなる四輪駆動車両の動力伝達装置において、サイドプレートに、ベーンの半径方向内端が臨む環状のベーン押上ポートと、前記左右の第1オリフィスを備えて吸入ポートおよび吐出ポートを選択的にベーン押上ポートに連通させる左右の切換バルブとを設けてなり、前記左右の切換バルブは、吸入ポートおよび吐出ポート間を横切って該吸入ポートおよび吐出ポートをベーン押上ポートに連通させるオリフィスプレート支持溝と、オリフィスプレート支持溝内に揺動自在に枢支され、吸入ポートおよび吐出ポートに臨む両側面を相互に連通するように前記第1オリフィスが形成されたオリフィスプレートとから構成されており、前記オリフィスプレートは、吸入ポートおよび吐出ポートの差圧により揺動し、ベーン押上ポートをオリフィスプレート支持溝を介して高圧側のポートに連通させるとともに低圧側のポートから遮断することを特徴とする。
【0007】
上記構成によれば、主駆動輪と副駆動輪との間に相対回転速度差がないときには左右のベーンポンプが作動しないため、入力軸から左右の駆動軸への動力伝達が行われなくなって主駆動輪だけが駆動される2輪駆動状態になる。低摩擦路における発進時や急加速時に主駆動輪がスリップすると、副駆動輪との間に相対回転速度差が発生して左右のベーンポンプが作動し、吐出された作動油が左右の第1オリフィスを通過することにより左右のベーンポンプに負荷が発生する。その結果、入力軸から左右の駆動軸への動力伝達が行われて主駆動輪の駆動力の一部が副駆動輪に配分され、主駆動輪および副駆動輪の両方が駆動される4輪駆動状態になる。
【0008】
車両が低速でタイトな旋回を行うと主駆動輪と副駆動輪との間に回転数差が発生し、かつ左右の副駆動輪間に回転数差が発生するため、左右のベーンポンプは相互に異なる量の作動油を吐出する。この作動油は左右の第1オリフィスおよび第2オリフィスを経て流れるため、両ベーンポンプに大きな負荷が発生することが防止され、その結果、所謂タイトコーナーブレーキング現象を軽減することができる。
【0009】
左右の主駆動輪および左右一方の副駆動輪が泥濘にはまってスリップしても、摩擦係数の高い路面に乗っている左右他方の副駆動輪には、その副駆動輪側のベーンポンプを介して駆動力が伝達されるため、差動制限機構の機能が発揮されて泥濘からの脱出が可能となる。
【0010】
サイドプレートに、ベーンの半径方向内端が臨む環状のベーン押上ポートと、吸入ポートおよび吐出ポートを選択的にベーン押上ポートに連通させる切換バルブとを設け、この切換バルブを、吸入ポートおよび吐出ポートをベーン押上ポートに連通させるオリフィスプレート支持溝と、前記第1オリフィスを有してオリフィスプレート支持溝内に揺動自在に枢支されたオリフィスプレートとから構成したので、吸入ポートおよび吐出ポートの差圧によりオリフィスプレートを揺動させ、ベーン押上ポートをオリフィスプレート支持溝を介して高圧側のポートに連通させるとともに低圧側のポートから遮断することができる。而して、簡単な構造の切換バルブを設けるだけで、ベーンポンプの回転方向に関わらずベーンの基端面に常に高圧を作用させることが可能となる。しかも吸入ポートおよび吐出ポート間に配置された切換バルブのオリフィスプレートを利用して第1オリフィスを形成したので、油路の長さを最小限に短縮することができる。
【0011】
また請求項2に記載された発明は、請求項1の構成に加えて、オリフィスプレートは吸入ポートおよび吐出ポートの一方をベーン押上ポートに連通させる切欠を備えてなり、オリフィスプレートにより前記一方のポートとベーン押上ポートとの連通が遮断されたときに、前記切欠を介して作動油をリークさせることを特徴とする。
【0012】
上記構成によれば、オリフィスプレートに切欠を設けて吸入ポートおよび吐出ポートの一方をベーン押上ポートに連通させたので、オリフィスプレートにより前記一方のポートとベーン押上ポートとの連通を遮断したときでも、前記切欠を介して作動油をリークさせてベーンポンプが発生する負荷を減少させることができる。従って、急制動時に車両挙動を安定させるべく前後の制動力配分を制御して前輪側を先にロックさせる場合、ベーンポンプが発生する負荷が減少するためにロックしていない後輪からロックした前輪に伝達される駆動力が減少し、前輪および後輪の同時ロックが発生するのを未然に回避することができる。
【0013】
また請求項3に記載された発明は、請求項1の構成に加えて、カムリングにオリフィスプレートの一部を当接させることにより、該オリフィスプレートがロータ側に移動するのを規制したことを特徴とする。
【0014】
上記構成によれば、カムリングにオリフィスプレートの一部を当接させたので、オリフィスプレートがロータ側に移動してベーンと干渉するのを確実に回避することができる。
【0015】
また請求項4に記載された発明は、請求項3の構成に加えて、オリフィスプレートは部分円柱状の支点部と、この支点部からロータの半径方向内側に向けて延びる板状の弁部とから構成されており、前記支点部はオリフィスプレート支持溝に設けた部分円筒状の支持部に揺動自在かつ液密に支持されており、かつ前記オリフィスプレートの支点部の半径方向外側の一部がカムリングに当接していることを特徴とする。
【0016】
上記構成によれば、ロータの外周面とカムリングの内周面との間に隙間が存在しても、オリフィスプレートの支点部とオリフィスプレート支持溝の支持部との摺動面が液密にシールされているので、オリフィスプレートの一側の高圧側のポートと他側の低圧側のポートとが前記隙間を介して連通しようとしても、その連通が液密にシールされた前記摺動面により阻止される。これにより、オリフィスプレートの一側の高圧側のポートから他側の低圧側のポートへの作動油のリークを確実に防止することができる。
【0017】
また請求項5に記載された発明は、エンジンにより左右の主駆動輪と共に駆動される入力軸と、左側の副駆動輪に接続された左駆動軸と、右側の副駆動輪に接続された右駆動軸と、入力軸および左駆動軸の相対回転速度差に応じて作動する左ベーンポンプと、入力軸および右駆動軸の相対回転速度差に応じて作動する右ベーンポンプと、左ベーンポンプの吸入ポートおよび吐出ポート間に設けられた左第1オリフィスと、右ベーンポンプの吸入ポートおよび吐出ポート間に設けられた右第1オリフィスと、左ベーンポンプの吸入ポートおよび右ベーンポンプの吸入ポート間、並びに左ベーンポンプの吐出ポートおよび右ベーンポンプの吐出ポート間にそれぞれ設けられた第2オリフィスとを備えてなり、前記各ベーンポンプは、カムリングおよびサイドプレートにより囲まれた空間にロータを収納し、このロータに半径方向摺動自在に支持した複数のベーンの半径方向外端をカムリングに摺接させてなる四輪駆動車両の動力伝達装置において、サイドプレートに、ベーンの半径方向内端が臨む環状のベーン押上ポートと、前記左右の第1オリフィスを備えて吸入ポートおよび吐出ポートを選択的にベーン押上ポートに連通させる左右の切換バルブとを設けてなり、前記左右の切換バルブは、両端部が吸入ポートおよび吐出ポートに連通するとともに中央部が連通路を介してベーン押上ポートに連通する弁孔と、この弁孔に摺動自在に支持され、吸入ポートおよび吐出ポートに臨む両側面を相互に連通するように前記第1オリフィスが形成されたスプールとから構成されており、前記スプールは、吸入ポートおよび吐出ポートの差圧により摺動し、ベーン押上ポートを連通路を介して高圧側のポートに連通させるとともに低圧側のポートから遮断することを特徴とする。
【0018】
上記構成によれば、主駆動輪と副駆動輪との間に相対回転速度差がないときには左右のベーンポンプが作動しないため、入力軸から左右の駆動軸への動力伝達が行われなくなって主駆動輪だけが駆動される2輪駆動状態になる。低摩擦路における発進時や急加速時に主駆動輪がスリップすると、副駆動輪との間に相対回転速度差が発生して左右のベーンポンプが作動し、吐出された作動油が左右の第1オリフィスを通過することにより左右のベーンポンプに負荷が発生する。その結果、入力軸から左右の駆動軸への動力伝達が行われて主駆動輪の駆動力の一部が副駆動輪に配分され、主駆動輪および副駆動輪の両方が駆動される4輪駆動状態になる。
【0019】
車両が低速でタイトな旋回を行うと主駆動輪と副駆動輪との間に回転数差が発生し、かつ左右の副駆動輪間に回転数差が発生するため、左右のベーンポンプは相互に異なる量の作動油を吐出する。この作動油は左右の第1オリフィスおよび第2オリフィスを経て流れるため、両ベーンポンプに大きな負荷が発生することが防止され、その結果、所謂タイトコーナーブレーキング現象を軽減することができる。
【0020】
左右の主駆動輪および左右一方の副駆動輪が泥濘にはまってスリップしても、摩擦係数の高い路面に乗っている左右他方の副駆動輪には、その副駆動輪側のベーンポンプを介して駆動力が伝達されるため、差動制限機構の機能が発揮されて泥濘からの脱出が可能となる。
【0021】
サイドプレートに、ベーンの半径方向内端が臨む環状のベーン押上ポートと、吸入ポートおよび吐出ポートを選択的にベーン押上ポートに連通させる切換バルブとを設け、この切換バルブを、両端部が吸入ポートおよび吐出ポートに連通するとともに中央部が連通路を介してベーン押上ポートに連通する弁孔と、前記第1オリフィスを有して前記弁孔に摺動自在に支持されたスプールとから構成したので、吸入ポートおよび吐出ポートの差圧によりスプールを摺動させ、ベーン押上ポートを連通路を介して高圧側のポートに連通させるとともに低圧側のポートから遮断することができる。而して、簡単な構造の切換バルブを設けるだけで、ベーンポンプの回転方向に関わらずベーンの基端面に常に高圧を作用させることが可能となる。しかも吸入ポートおよび吐出ポート間に配置された切換バルブのスプールを利用して第1オリフィスを形成したので、油路の長さを最小限に短縮することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0023】
図1〜図14は本発明の第1実施例を示すもので、図1は四輪駆動車両の動力伝達装置のスケルトン図、図2はハイドロリックカップリング装置の縦断面図、図3は図2の3−3線断面図、図4は図2の4−4線断面図、図5は図2の5−5線断面図、図6は図2の要部拡大図、図7は図6の7−7線断面図、図8はコイルスプリングの斜視図、図9はオリフィスプレートの斜視図、図10はリザーバの作用説明図、図11はオリフィスプレートの作用説明図、図12はオリフィスプレートの作用を説明するグラフ、図13は図5の13−13線拡大断面図、図14はハイドロリックカップリング装置の油圧回路図である。
【0024】
図1に示すように、四輪駆動車両Vは車体前部に横置きに配置したエンジンEと、このエンジンEの右側面に結合したトランスミッションMとを備える。トランスミッションMの駆動力を主駆動輪としての左右の前輪WFL,WFRに伝達する第1動力伝達系D1 は、トランスミッションMの出力軸1に設けた第1スパーギヤ2と、第1スパーギヤ2に噛合する第2スパーギヤ3と、第2スパーギヤ3により駆動されるベベルギヤ式のフロントディファレンシャル4と、フロントディファレンシャル4から左右に延出して主駆動輪としての前輪WFL,WFRに接続される左右の車軸5L ,5R とから構成される。
【0025】
第1動力伝達系D1 の駆動力を副駆動輪としての後輪WRL,WRRに伝達する第2動力伝達系D2 は、フロントディファレンシャル4のデフボックスに設けた第3スパーギヤ6と、第3スパーギヤ6に噛合する第4スパーギヤ7と、第4スパーギヤ7と一体に回転する第1ベベルギヤ8と、第1ベベルギヤ8に噛合する第2ベベルギヤ9と、前端に第2ベベルギヤ9を備えて車体後方に延びる入力軸としてのプロペラシャフト10と、プロペラシャフト10の後端に設けた第3ベベルギヤ11と、第3ベベルギヤ11に噛合する第4ベベルギヤ12と、第4ベベルギヤ12により駆動されるハイドロリックカップリング装置Hと、ハイドロリックカップリング装置Hから左右に延出して後輪WRL,WRRに接続される駆動軸としての左右の車軸13L ,13R とを備える。
【0026】
次に、図2に基づいてハイドロリックカップリング装置Hの構造を説明する。
【0027】
ハイドロリックカップリング装置Hは、概略円板状の左ケーシング21および概略カップ状の右ケーシング22をボルト23…で結合してなるケーシング24を備えており、このケーシング24は一対のボールベアリング19L ,19R でハウジング20に回転自在に支持される。右ケーシング22には前記第4ベベルギヤ12がボルト23…で共締めされており、従ってプロペラシャフト10の回転は第3ベベルギヤ11および第4ベベルギヤ12を介してケーシング24に伝達される。左後輪WRLの車軸13L に接続されて左ケーシング21の中央部を貫通する左ロータシャフト14L の右端と、右後輪WRRの車軸13R に接続されて右ケーシング22の中央部を貫通する右ロータシャフト14R の左端とが、ケーシング24の内部で同軸に対向する。
【0028】
ニードルベアリング25L を介して左ケーシング21に回転自在に支持された左ロータシャフト14L は、その中間部に形成されたフランジ141 の左側面がスラストワッシャ26L を介して左ケーシング21に対向するとともに、その外周面と左ケーシング21との間にシール部材27L が配置される。ニードルベアリング25R を介して右ケーシング22に回転自在に支持された右ロータシャフト14R は、その中間部に形成されたフランジ141 の右側面がスラストワッシャ26R を介して右ケーシング22に対向するとともに、その外周面と右ケーシング22との間にシール部材27R が配置される。
【0029】
ケーシング24の内部には、左ベーンポンプPL および右ベーンポンプPR が左右対称に配置される。すなわち、ケーシング24の内部には左第1サイドプレート28L 、左カムリング29L 、第2サイドプレート30、右カムリング29R および右第1サイドプレート28R が左右移動不能に積層されており、それらは両端が左ケーシング21および右ケーシング22に嵌合する6本のリニアシャフト31…(図3参照)でケーシング24に対して回り止めされる。左ロータシャフト14L にスプライン結合された左ロータ32L が、左第1サイドプレート28L 、左カムリング29L および第2サイドプレート30に囲まれた空間に回転自在に収納され、また右ロータシャフト14R にスプライン結合された右ロータ32R が、右第1サイドプレート28R 、右カムリング29R および第2サイドプレート30に囲まれた空間に回転自在に収納される。第2サイドプレート30は左ベーンポンプPL および右ベーンポンプPR に共通する構成要素であり、その内周面にブッシュ33を介して左ロータシャフト14L および右ロータシャフト14R の対向部の外周が相対回転自在に支持される
次に、図3〜図5を併せて参照しながら右ベーンポンプPR の構造を詳細に説明する。尚、左ベーンポンプPL の構造は右ベーンポンプPR の構造と左右鏡面対称であるため、その重複する説明は省略する。右ベーンポンプPR および左ベーンポンプPL の相対応する構成要素には、同一の参照符号にそれぞれ添字「R 」および添字「L 」が付してある。
【0030】
右カムリング29R の内周面は概略3角形になっており、その内部に収納された円形の右ロータ32R との間に、円周方向に120°ずつ離間した3個の作動室34R …が形成される。右ロータ32R に放射状に形成された8個のベーン溝321 …にそれぞれ板状のベーン35…が摺動自在に支持されており、それらベーン35…の半径方向外端は右カムリング29R の内周面に摺接する。右第1サイドプレート28R の左側面および第2サイドプレート30の右側面には、各ベーン35の半径方向外端を右カムリング29R の内周面に密着させるべく、それぞれ環状のベーン押上ポート281 ,301 が形成される。これらベーン押上ポート281 ,301 は右ロータ32R の8個のベーン溝321 …の底部にそれぞれ連通する。また各ベーン35の半径方向外端を右カムリング29R の内周面に密着させるべく、ベーン溝321 の底部とベーン35の半径方向内端との間にコイルスプリング36が縮設される。
【0031】
図6〜図8から明らかなように、前記コイルスプリング36の横断面形状は、右ロータ32R の軸方向に長径d1 を有して円周方向に短径d2 を有する楕円形に形成されている。コイルスプリング36の短径d2 はベーン溝321 の溝幅に略等しく設定されており、これによりコイルスプリング36の円周方向への倒れが防止される。しかもコイルスプリング36の軸方向への倒れは、その長径d1 が軸方向に沿っていることにより確実に防止される。またコイルスプリング36の半径方向外端はベーン35の半径方向内端に形成された台形状の切欠351 (図6参照)に嵌合しており、これによりコイルスプリング36を軸方向に位置決めすることができる。
【0032】
以上のようにコイルスプリング36の横断面を楕円形にしたことにより、同じスペースに配置可能な円形の横断面を有するコイルスプリングに比べて、その容量を増加させることができる。その結果、容量を増加させるためにコイルスプリングの本数を増やしたり、線径を太くしたり、巻き数を減少させたり、セット長を長くしたりする必要がなくなり、コイルスプリングの本数を増やしたことに伴う部品点数の増加、線径を太くしたことに伴うコイルスプリングの密着高さの増加や塑性変形の増加、巻き数を減少させたことに伴う塑性変形の増加、セット長を長くしたことに伴うベーンの加工工数の増加やコイルスプリングの倒れを防止することができる。
【0033】
またコイルスプリング36の半径方向外部が嵌合するベーン35の切欠351 が台形状に形成されているので、圧縮されたコイルスプリング36が切欠351 に噛み込むのを防止できるだけでなく、コイルスプリング36を軸方向に自動的にセンタリングすることができる。
【0034】
図2〜図4および図11から明らかなように、第2サイドプレート30の右側面には、右ベーンポンプPR の3個の作動室34R …の円周方向両端にそれぞれ臨む3個の吸入ポート37R …および3個の吐出ポート38R …が凹設される。隣接する2個の作動室34R ,34R の対向部にそれぞれ設けられた吸入ポート37R および吐出ポート38R を横切るように、半径方向に延びるオリフィスプレート支持溝39R が凹設される。オリフィスプレート支持溝39R は、半径方向外側に位置する支持部391 と、この支持部391 から半径方向内側に延びる溝部392 とから構成される。
【0035】
尚、左右のベーンポンプPL ,PR は、その正転時には作動油を吸入ポート37L ,37R から吸入して吐出ポート38L ,38R から吐出するが、その逆転時には作動油を吐出ポート38L ,38R から吸入して吸入ポート37L ,37R から吐出する。
【0036】
図9に示すように、オリフィスプレート支持溝39R に首振り自在に支持されるオリフィスプレート40R は、部分円柱状の支点部401 と、この支点部401 から延びる板状の弁部402 とから構成されており、弁部402 にはその両側面を連通させる第1オリフィス41R が貫通するように形成される。またオリフィスプレート40R の弁部402 の1つのエッジに切欠42が施される。図11に示すように、上記構造を有するオリフィスプレート40R は、支点部401 がオリフィスプレート支持溝39R の支持部391 に嵌合し、弁部402 がオリフィスプレート支持溝39R の溝部392 の内部において揺動する。
【0037】
図3および図6から明らかなように、オリフィスプレート40R の支点部401 の半径方向外側の半部は、第2サイドプレート30の右側面に当接する右カムリング29R により押さえられている。これにより、オリフィスプレート40R が右ロータ32R 側に移動できなくなり、オリフィスプレート40R のエッジがベーン35…のエッジと干渉することが防止される。
【0038】
またロータ32R の外周面とカムリング29R の内周面との間には若干の隙間が存在するため、オリフィスプレート40R の支点部401 とオリフィスプレート支持溝39R の支持部391 との間に隙間が存在すると、吸入ポート37R と吐出ポート38R とが前記支点部401 および支持部391 間の隙間と、前記ロータ32R およびカムリング29R 間の隙間とを介して相互に連通してしまい、望ましくない作動油のリークが発生する可能性がある。しかしながら、実際にはオリフィスプレート40R の支点部401 とオリフィスプレート支持溝39R の支持部391 とは揺動自在かつ液密に嵌合しているため、前記支点部401 および支持部391 間の隙間を介して望ましくない作動油のリークが発生するのを確実に防止することができる。
【0039】
右ベーンポンプPR のオリフィスプレート支持溝39R およびオリフィスプレート40R は本発明の切換バルブVR を構成し、左ベーンポンプPL のオリフィスプレート支持溝39L およびオリフィスプレート40L は本発明の切換バルブVL を構成する。
【0040】
図2および図4から明らかなように、第2サイドプレート30の右側面に凹設された右ベーンポンプPR の3個の吸入ポート37R …と、第2サイドプレート30の左側面に凹設された左ベーンポンプPL の3個の吸入ポート37L …とは相互に対向する位置に配置されており、対応する右ベーンポンプPR の吸入ポート37R …と左ベーンポンプPL の吸入ポート37L …とが、第2サイドプレート30を貫通する3個の第2オリフィス43…を介して接続される。また第2サイドプレート30の右側面に凹設された右ベーンポンプPR の3個の吐出ポート38R …と、第2サイドプレート30の左側面に凹設された左ベーンポンプPL の3個の吐出ポート38L …とは相互に対向する位置に配置されており、対応する右ベーンポンプPR の吐出ポート38R …と左ベーンポンプPL の吸入ポート38L …とが、第2サイドプレート30を貫通する3個の第2オリフィス43…を介して接続される。
【0041】
前記第2オリフィス43…は、第2サイドプレート30の両側面に凹設した吸入ポート37L …,37R …および吐出ポート38L …,38L …の底面間を接続されるように形成されるので、それら第2オリフィス43…がベーン35…の側端面によって塞がれる虞がない。
【0042】
図2および図5から明らかなように、右第1サイドプレート28R の左側面には、第2サイドプレート30の右側面に形成された3個の吸入ポート37R …および3個の吐出ポート38R …に対向する3個の吸入ポート37R …および3個の吐出ポート38R …が凹設されており、これら右第1サイドプレート28R の3個の吸入ポート37R …および3個の吐出ポート38R …は、合計6個のチェックバルブ44R …を介して該右第1サイドプレート28R の右側面に連通する。前記チェックバルブ44R …は右第1サイドプレート28R の右側面から吸入ポート37R …および吐出ポート38R …側へのオイルの流通を許容し、その逆方向へのオイルの流通を規制する。
【0043】
図13を併せて参照すると明らかなように、各チェックバルブ44R は、右第1サイドプレート28R の吸入ポート37R および吐出ポート38R の底面に凹設した弁座282 と、この弁座282 に着座可能なチェックボール48とから構成されており、吸入ポート37R および吐出ポート38R が高圧になるとチェックボール48が弁座282 に着座して閉弁し、吸入ポート37R および吐出ポート38R が低圧になるとチェックボール48が弁座282 から離反して開弁する。
【0044】
このようにチェックバルブ44R を右第1サイドプレート28R の内部に設けたことにより、そのチェックバルブ44R に連なる油路の長さを最小限に抑えるとともに、部品点数の増加を最小限に抑えることができる。また右第1サイドプレート28R の吸入ポート37R および吐出ポート38R に右ロータ32R が対向しているので、その右ロータ32R でチェックボール48の脱落を規制することができる。
【0045】
図6から明らかなように、右第1サイドプレート28R の右側面に対向する右ケーシング22の内面に凹部281 が形成されており、この凹部281 にリザーバ45R が装着される。リザーバ45R は薄肉のラバーで形成された中空のボール状部材であって、その内部には空気が充填されている。リザーバ45R は常温時に図10(B)の状態にあるが、ケーシング24内の作動油が温度上昇により膨張すると図10(C)の状態に体積が減少して前記作動油の膨張分を吸収し、ケーシング24内の作動油が温度低下により収縮すると図10(A)の状態に体積が膨張して前記作動油の収縮分を吸収する。
【0046】
このように、薄肉のラバーで構成したボール状のリザーバ45R を採用することにより、部品点数の少ない簡単な構造で作動油の熱膨張および熱収縮の影響を確実に除去し、作動油への空気の混入を未然に防止することができる。しかも右第1サイドプレート28R に対向する右ケーシング22の内面に形成した凹部281 にリザーバ45R を配置したので、ベーンポンプPR の吐出圧がリザーバ45R に直接作用するのを防止することができるだけでなく、リザーバ45R をコンパクトに配置してベーンポンプPR の大型化を回避することができる。
【0047】
以上、右ベーンポンプPR の構造を中心に説明したが、左ベーンポンプPL の構造は前記右ベーンポンプPR のそれと鏡面対称であって両者の構造は実質的に同じである。
【0048】
図14は上記ハイドロリックカップリング装置Hの油圧回路を示すものである。同図から明らかなように、左ベーンポンプPL の吸入ポート37L および吐出ポート38L は第2サイドプレート30の左側面に設けたオリフィスプレート40L の第1オリフィス41L により相互に連通するとともに、右ベーンポンプPR の吸入ポート37R および吐出ポート38R は第2サイドプレート30の右側面に設けたオリフィスプレート40R の第1オリフィス41R により相互に連通する。また左右のベーンポンプPL ,PR の吸入ポート37L ,37R は第2サイドプレート30を貫通する第2オリフィス43により相互に連通するとともに、左右のベーンポンプPL ,PR の吐出ポート38L ,38R は第2サイドプレート30を貫通する第2オリフィス43により相互に連通する。
【0049】
左ベーンポンプPL の吸入ポート37L および吐出ポート38L の何れか高圧側は切換バルブVL を介してベーン押上溝281 ,301 に連通し、また右ベーンポンプPR の吸入ポート37R および吐出ポート38R の何れか高圧側は切換バルブVR を介してベーン押上溝281 ,301 に連通する。左ベーンポンプPL の吸入ポート37L および吐出ポート38L の何れか低圧側は左第1サイドプレート28L に設けたチェックバルブ44L を介してリザーバ45L に連通し、また右ベーンポンプPR の吸入ポート37R および吐出ポート38R の何れか低圧側は右第1サイドプレート28R に設けたチェックバルブ44R を介してリザーバ45R に連通する。
【0050】
更に、ベーン押上溝281 ,301 と左右のリザーバ45L ,45R との間にリリーフバルブ46L ,46R およびチョーク47L ,47R が設けられる。前記リリーフバルブ46L ,46R は仮想的なもので、左右の第1サイドプレート28L ,28R が油圧で撓むことにより左右のロータ32L ,32R との間に発生する間隙によって構成される。また前記チョーク47L ,47R も仮想的なもので、左右の第1サイドプレート28L ,28R あるいは第2プレート30と左右のロータ32L ,32R との摺動部の間隙によって構成される。
【0051】
次に、前述の構成を備えた本発明の実施例の作用について説明する。
【0052】
車両Vが定速走行する状態では、エンジンEの駆動力は出力軸1から第1スパーギヤ2、第2スパーギヤ3、フロントディファレンシャル4および左右の車軸5L ,5R を介して左右の前輪WFL,WFRに伝達される。このとき、フロントディファレンシャル4の第3スパーギヤ6の回転は、第4スパーギヤ7、第1ベベルギヤ8、第2ベベルギヤ9、プロペラシャフト10、第3ベベルギヤ11および第4ベベルギヤ12を介してハイドロリックカップリング装置Hのケーシング24(即ち、左右のカムリング29L ,29R )を回転させる。一方、車両Vの走行に伴って路面から受ける摩擦力で駆動される後輪WRL,WRRの回転は、左右の車軸13L ,13R からローターシャフト14L ,14R を介して左ベーンポンプPL のロータ32L および右ベーンポンプPR のロータ32R に伝達される。前輪WFL,WFRにスリップが発生しておらず、従って前輪WFL,WFRおよび後輪WRL,WRRの回転数が等しいときには、左右のカムリング29L ,29R の回転数と左右のロータ32L ,32R の回転数とが一致して相対回転が発生しない。その結果、左右のベーンポンプPL ,PR が作動油を吐出しないためにハイドロリックカップリング装置Hは駆動力の伝達を行わず、車両Vは前輪駆動状態になる。
【0053】
また低摩擦路における発進時や急加速時にエンジンEの駆動力が直接作用する前輪WFL,WFRがスリップすると、前輪WFL,WFRの回転に連動する左右の油圧ポンプPL ,PR のカムリング29L ,29R と、後輪WRL,WRRの回転に連動する左右の油圧ポンプPL ,PR のロータ32L ,32R との間に正転方向の相対回転が発生し、左右のベーンポンプPL ,PR は吐出ポート38L ,38R から吐出した作動油を吸入ポート37L ,37R より吸入する。吐出ポート38L ,38R から吐出された作動油は左右の第1オリフィス41L ,41R を通過して吸入ポート37L ,37R に還流するが、その際の流通抵抗により左右のベーンポンプPL ,PR に負荷が発生し、この負荷が駆動力として左右の後輪WRL,WRRに伝達される。而して、前輪WFL,WFRのスリップ時には四輪駆動状態となり、車両Vのトラクションを増加させることができる。このとき、第1オリフィス41L ,41R の径を減少させるほど、左右のベーンポンプPL ,PR の負荷が増加して後輪WRL,WRRに伝達される駆動力が増加する。
【0054】
車両Vが低速でタイトな旋回を行うとき、左右の前輪WFL,WFRの旋回軌跡の平均半径よりも左右の後輪WRL,WRRの旋回軌跡の平均半径が小さくなるため、前輪WFL,WFRに接続された左右のカムリング29L ,29R と、後輪WRL,WRRに接続された左右のロータ32L ,32R との間に相対回転が発生する。しかも左右の後輪WRL,WRRの旋回軌跡の半径は旋回外輪において大きく、旋回内輪において小さいため、前記相対回転の大きさは左右のベーンポンプPL ,PR で異なっている。このとき、左右のベーンポンプPL ,PR の吐出ポート38L ,38R から吐出された作動油は左右の第1オリフィス41L ,41R を経て吸入ポート37L ,37R に還流し、また左右のベーンポンプPL ,PR が吐出した作動油の差分は、第2オリフィス43を経て行き来することにより相殺されるため、両ベーンポンプPL ,PR に大きな負荷が発生することが防止される。その結果、四輪駆動車両Vが低速でタイトな旋回を行う際に各車輪の旋回軌跡の半径差により発生する、所謂タイトコーナーブレーキング現象を軽減することができる。
【0055】
例えば、左後輪WRLを除く左右の前輪WFL,WFRおよび右後輪WRRが泥濘にはまったような場合、スリップする前輪WFL,WFRに連動してカムリング29L ,29R が回転すると、泥濘にはまって摩擦が減少している右後輪WRRも、カムリング29R からベーン35…、ロータ32R およびロータシャフト14R を介して伝達される駆動力によりスリップしてしまう。しかしながら、摩擦係数の高い路面に乗っている左後輪WRLにはカムリング29L からベーン35…、ロータ32L およびロータシャフト14L を介して駆動力が伝達されるため、その駆動力により泥濘からの脱出が可能となる。即ち、本実施例のハイドロリックカップリング装置Hによれば、所謂差動制限機構(LSD)の機能を発揮させることが可能となる。このとき、第2オリフィス43の径を減少させるほど、前記差動制限機能を強めることができる。
【0056】
前述した低摩擦路における発進時や急加速時のように前輪WFL,WFRの回転数が後輪WRL,WRRの回転数を上回る場合には、ロータ32L ,32R が正転方向(図3の矢印A方向)に相対回転し、図11(A)に示すように、吸入ポート37L ,37R から作動油が吸入されて吐出ポート38L ,38R から作動油が吐出される。その結果、高圧側の吐出ポート38L ,38R と低圧側の吸入ポート37L ,37R との差圧によって切換バルブVL ,VR のオリフィスプレート40L ,40R が吸入ポート37L ,37R 側に揺動するため、高圧側の吐出ポート38L ,38R がオリフィスプレート支持溝39L ,39R を介してベーン押上ポート301 に連通するとともに、ベーン押上ポート301 と低圧側の吸入ポート37L ,37R との連通が遮断される。而して、ベーン押上ポート301 に伝達された油圧によってベーン35…を半径方向外側に付勢し、その先端をカムリング29L ,29R の内周面に圧接することができる。
【0057】
一方、車両が急制動を行う場合には、ABS(アンチロックブレーキシステム)等によって車輪のロック状態を制御することにより、前輪WFL,WFRが後輪WRL,WRRよりも先にロックするようにして車両挙動の安定が図られる。このように急制動により後輪WRL,WRRの回転数が前輪WFL,WFRの回転数を上回ると、ロータ32L ,32R が逆転方向(図3の矢印B方向)に相対回転し、図11(B)に示すように、吐出ポート38L ,38R から作動油が吸入されて吸入ポート37L ,37R から作動油が吐出される。その結果、高圧側の吸入ポート37L ,37R と低圧側の吐出ポート38L ,38R との差圧によって切換バルブVL ,VR のオリフィスプレート40L ,40R が吐出ポート38L ,38R 側に揺動するため、高圧側の吸入ポート37L ,37R がオリフィスプレート支持溝39L ,39R を介してベーン押上ポート301 に連通するとともに、ベーン押上ポート301 と低圧側の吐出ポート38L ,38R との連通が遮断される。而して、ベーン押上ポート301 に伝達された油圧によってベーン35…を半径方向外側に付勢し、その先端をカムリング29L ,29R の内周面に圧接することができる。
【0058】
ところで、ハイドロリックカップリング装置Hを備えた四輪駆動車両Vでは、前輪WFL,WFRおよび後輪WRL,WRRの相対回転数差に応じて左右のベーンポンプPL ,PR が負荷を発生し、前輪WFL,WFRおよび後輪WRL,WRRの回転数が大きい側から回転数が小さい側に駆動力が伝達される。従って、急制動時における制動力の制御により前輪WFL,WFRが先にロックしようとすると、後輪WRL,WRRの回転数が前輪WFL,WFRの回転数を上回って後輪WRL,WRR側から前輪WFL,WFR側に駆動力が伝達されてしまい、前輪WFL,WFRのロックが抑制されて後輪WRL,WRRのロックが促進されるため、最悪の場合に前輪WFL,WFRおよび後輪WRL,WRRが同時にロックして車両挙動が不安定になる可能性がある。
【0059】
これを回避すべく、本実施例では前輪WFL,WFRおよび後輪WRL,WRRの相対回転の方向によりベーンポンプPL ,PR が発生する負荷の大きさに差を持たせている。すなわち、前述した低摩擦路における発進時や急加速時のように前輪WFL,WFRの回転数が後輪WRL,WRRの回転数を上回る場合には、ロータ32L ,32R が図3の矢印A方向に相対回転し、図11(A)に示すように、オリフィスプレート40L ,40R によって高圧のベーン押上ポート301 と低圧の吸入ポート37L ,37R との連通が完全に遮断されるため、吸入ポート37L ,37R および吐出ポート38L ,38R は第1オリフィス41L ,41R だけを介して連通し、ベーンポンプPL ,PR は大きな負荷を発生して前輪WFL,WFRから後輪WRL,WRRに伝達される駆動力が増加する(図12の実線参照)。
【0060】
一方、前述した急制動時のように後輪WRL,WRRの回転数が前輪WFL,WFRの回転数を上回る場合には、ロータ32L ,32R が図3の矢印B方向に相対回転し、図11(B)に示すように、オリフィスプレート40L ,40R によって高圧のベーン押上ポート301 と低圧の吐出ポート38L ,38R との連通が一応遮断されるが、オリフィスプレート40L ,40R に形成した切欠42によってベーン押上ポート301 から吐出ポート38L ,38R に作動油がリークするため、ベーンポンプPL ,PR が発生する負荷が減少して前輪WFL,WFRから後輪WRL,WRRに伝達される駆動力が減少する(図12の破線参照)。而して、急制動時に前輪WFL,WFRを後輪WRL,WRRに先立ってロックさせ、車両挙動が不安定になるのを未然に防止することができる。
【0061】
また、ベーンポンプPL ,PR の運転に伴って吸入ポート37L ,37R (あるいは吐出ポート38L ,38R )が負圧になったとき、その負圧でチェックバルブ44L …,44R …が開弁して吸入ポート37L ,37R (あるいは吐出ポート38L ,38R )をリザーバ45L ,45R に連通させるので、過剰な負圧によりキャビテーションが発生するのを確実に防止することができる。
【0062】
以上のように、第2オリフィス43…を第2サイドプレート30に穿設したので、それら第2オリフィス43…の加工精度を高めてハイドロリックカップリングHの作動特性を安定させることができる。また第1オリフィス41L …,41R …および第2オリフィス43…を第2サイドプレート30に集中して配置したので、それらオリフィス41L …,41R …;43…に連なる油路の長さを最小限に抑えてハイドロリックカップリング装置Hを小型化することができるだけでなく、部品点数の増加を最小限に抑えることができる。
【0063】
しかも切換バルブVL ,VR を用いて吸入ポート37L ,37R および吐出ポート38L ,38R を選択的にベーン押上ポート301 に連通させることができるので、その機能を複数のチェックバルブを組み合わせて発揮させるものに比べて部品点数の削減および油路の簡略化が可能となる。特に、吸入ポート37L ,37R および吐出ポート38L ,38R 間に配置された切換バルブVL ,VR のオリフィスプレート40L ,40R を利用して第1オリフィス41L ,41R を形成したので、油路の長さを最小限に短縮することができる。
【0064】
更に、左右のベーンポンプPL ,PR が第2サイドプレート30を共用しているので、部品点数の削減に寄与することができる。
【0065】
次に、図15に基づいて本発明の第2実施例を説明する。
【0066】
第2実施例は切換バルブVR の構造において前記第1実施例と異なっている。すなわち、第2サイドプレート30に形成された吸入ポート37R および吐出ポート38R を接続する弁孔51にスプール52が摺動自在に嵌合しており、このスプール52に吸入ポート37R および吐出ポート38R を連通する前記第1オリフィス41R が穿設される。弁孔51の長手方向中央部は、連通路53を介して第2サイドプレート30のベーン押上ポート301 に連通する。
【0067】
而して、右ベーンポンプPR の正転時には、吐出ポート38R が高圧になり吸入ポート37R が低圧になるため、図15(A)に示すように、スプール52が低圧の吸入ポート37R 側に摺動して高圧の吐出ポート38R が連通路53を介してベーン押上ポート301 に作動油を供給する。一方、右ベーンポンプPR の逆転時には、吸入ポート37R が高圧になり吐出ポート38R が低圧になるため、図15(B)に示すように、スプール52が低圧の吐出ポート38R 側に摺動して高圧の吸入ポート37R が連通路53を介してベーン押上ポート301 に作動油を供給する。これにより、右ベーンポンプPR の回転方向に関わらず、ベーン押上ポート301 に高圧を作用させてベーン35…を半径方向外側に付勢することができる。
【0068】
左ベーンポンプPL の切換バルブVL の構造および機能は、上述した右ベーンポンプPR の切換バルブVR の構造および機能と同一である。
【0069】
この第2実施例によっても、切換バルブVL ,VR を用いて吸入ポート37L ,37R および吐出ポート38L ,38R を選択的にベーン押上ポート301 に連通させることができるので、その機能を複数のチェックバルブを組み合わせて発揮させるものに比べて部品点数の削減および油路の簡略化が可能となる。
【0070】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことができる。
【0071】
例えば、実施例では切換バルブVL ,VR を第2サイドプレート30に設けているが、それを第1サイドプレート28L ,28R に設けることができる。また実施例ではハイドロリックカップリング装置Hのケーシング24側を前輪WFL,WFRに接続し、ロータ32L ,32R 側を後輪WRL,WRRに接続しているが、その接続関係を逆にすることができる。また実施例ではカムリング29L ,29R をケーシング24に組み付けているが、カムリング29L ,29R をケーシング24に一体に形成しても良い。
【0072】
【発明の効果】
以上のように請求項1に記載された発明によれば、サイドプレートに、ベーンの半径方向内端が臨む環状のベーン押上ポートと、吸入ポートおよび吐出ポートを選択的にベーン押上ポートに連通させる切換バルブとを設け、この切換バルブを、吸入ポートおよび吐出ポートをベーン押上ポートに連通させるオリフィスプレート支持溝と、前記第1オリフィスを有してオリフィスプレート支持溝内に揺動自在に枢支されたオリフィスプレートとから構成したので、吸入ポートおよび吐出ポートの差圧によりオリフィスプレートを揺動させ、ベーン押上ポートをオリフィスプレート支持溝を介して高圧側のポートに連通させるとともに低圧側のポートから遮断することができる。而して、簡単な構造の切換バルブを設けるだけで、ベーンポンプの回転方向に関わらずベーンの基端面に常に高圧を作用させることが可能となる。しかも吸入ポートおよび吐出ポート間に配置された切換バルブのオリフィスプレートを利用して第1オリフィスを形成したので、油路の長さを最小限に短縮することができる。
【0073】
また請求項2に記載された発明によれば、オリフィスプレートに切欠を設けて吸入ポートおよび吐出ポートの一方をベーン押上ポートに連通させたので、オリフィスプレートにより前記一方のポートとベーン押上ポートとの連通を遮断したときでも、前記切欠を介して作動油をリークさせてベーンポンプが発生する負荷を減少させることができる。従って、急制動時に車両挙動を安定させるべく前後の制動力配分を制御して前輪側を先にロックさせる場合、ベーンポンプが発生する負荷が減少するためにロックしていない後輪からロックした前輪に伝達される駆動力が減少し、前輪および後輪の同時ロックが発生するのを未然に回避することができる。
【0074】
また請求項3に記載された発明によれば、カムリングにオリフィスプレートの一部を当接させたので、オリフィスプレートがロータ側に移動してベーンと干渉するのを確実に回避することができる。
【0075】
また請求項4に記載された発明によれば、ロータの外周面とカムリングの内周面との間に隙間が存在しても、オリフィスプレートの支点部とオリフィスプレート支持溝の支持部との摺動面が液密にシールされているので、オリフィスプレートの一側の高圧側のポートと他側の低圧側のポートとが前記隙間を介して連通しようとしても、その連通が液密にシールされた前記摺動面により阻止される。これにより、オリフィスプレートの一側の高圧側のポートから他側の低圧側のポートへの作動油のリークを確実に防止することができる。
【0076】
また請求項5に記載された発明によれば、サイドプレートに、ベーンの半径方向内端が臨む環状のベーン押上ポートと、吸入ポートおよび吐出ポートを選択的にベーン押上ポートに連通させる切換バルブとを設け、この切換バルブを、両端部が吸入ポートおよび吐出ポートに連通するとともに中央部が連通路を介してベーン押上ポートに連通する弁孔と、前記第1オリフィスを有して前記弁孔に摺動自在に支持されたスプールとから構成したので、吸入ポートおよび吐出ポートの差圧によりスプールを摺動させ、ベーン押上ポートを連通路を介して高圧側のポートに連通させるとともに低圧側のポートから遮断することができる。而して、簡単な構造の切換バルブを設けるだけで、ベーンポンプの回転方向に関わらずベーンの基端面に常に高圧を作用させることが可能となる。しかも吸入ポートおよび吐出ポート間に配置された切換バルブのスプールを利用して第1オリフィスを形成したので、油路の長さを最小限に短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】四輪駆動車両の動力伝達装置のスケルトン図
【図2】ハイドロリックカップリング装置の縦断面図
【図3】図2の3−3線断面図
【図4】図2の4−4線断面図
【図5】図2の5−5線断面図
【図6】図2の要部拡大図
【図7】図6の7−7線断面図
【図8】コイルスプリングの斜視図
【図9】オリフィスプレートの斜視図
【図10】リザーバの作用説明図
【図11】オリフィスプレートの作用説明図
【図12】オリフィスプレートの作用を説明するグラフ
【図13】図5の13−13線拡大断面図
【図14】ハイドロリックカップリング装置の油圧回路図
【図15】第2実施例に係る切換バルブの説明図
【符号の説明】
E エンジン
L 左ベーンポンプ
R 右ベーンポンプ
L 切換バルブ
R 切換バルブ
FL 左前輪(主駆動輪)
FR 右前輪(主駆動輪)
RL 左後輪(副駆動輪)
RR 右後輪(副駆動輪)
10 プロペラシャフト(入力軸)
13L 車軸(駆動軸)
13R 車軸(駆動軸)
28L 第1サイドプレート(サイドプレート)
28R 第1サイドプレート(サイドプレート)
29L カムリング
29R カムリング
30 第2サイドプレート(サイドプレート)
301 ベーン押上ポート
32L ロータ
32R ロータ
35 ベーン
37L 吸入ポート
37R 吸入ポート
38L 吐出ポート
38R 吐出ポート
39L オリフィスプレート支持溝
39R オリフィスプレート支持溝
391 支持部
40L オリフィスプレート
40R オリフィスプレート
401 支点部
402 弁部
41L 第1オリフィス
41R 第1オリフィス
42 切欠
43 第2オリフィス
51 弁孔
52 スプール
53 連通路

Claims (5)

  1. エンジン(E)により左右の主駆動輪(WFL,WFR)と共に駆動される入力軸(10)と、
    左側の副駆動輪(WRL)に接続された左駆動軸(13L )と、
    右側の副駆動輪(WRR)に接続された右駆動軸(13R )と、
    入力軸(10)および左駆動軸(13L )の相対回転速度差に応じて作動する左ベーンポンプ(PL )と、
    入力軸(10)および右駆動軸(13R )の相対回転速度差に応じて作動する右ベーンポンプ(PR )と、
    左ベーンポンプ(PL )の吸入ポート(37L )および吐出ポート(38L )間に設けられた左第1オリフィス(41L )と、
    右ベーンポンプ(PR )の吸入ポート(37R )および吐出ポート(38R )間に設けられた右第1オリフィス(41R )と、
    左ベーンポンプ(PL )の吸入ポート(37L )および右ベーンポンプ(PR )の吸入ポート(37R )間、並びに左ベーンポンプ(PL )の吐出ポート(38L )および右ベーンポンプ(PR )の吐出ポート(38R )間にそれぞれ設けられた第2オリフィス(43)と、
    を備えてなり、前記各ベーンポンプ(PL ,PR )は、カムリング(29L ,29R )およびサイドプレート(28L ,28R ,30)により囲まれた空間にロータ(32L ,32R )を収納し、このロータ(32L ,32R )に半径方向摺動自在に支持した複数のベーン(35)の半径方向外端をカムリング(29L ,29R )に摺接させてなる四輪駆動車両の動力伝達装置において、
    サイドプレート(30)に、ベーン(35)の半径方向内端が臨む環状のベーン押上ポート(301 )と、前記左右の第1オリフィス(41L ,41R )を備えて吸入ポート(37L ,37R )および吐出ポート(38L ,38R )を選択的にベーン押上ポート(301 )に連通させる左右の切換バルブ(VL ,VR )とを設けてなり、
    前記左右の切換バルブ(VL ,VR )は、吸入ポート(37L ,37R )および吐出ポート(38L ,38R )間を横切って該吸入ポート(37L ,37R )および吐出ポート(38L ,38R )をベーン押上ポート(301 )に連通させるオリフィスプレート支持溝(39L ,39R )と、オリフィスプレート支持溝(39L ,39R )内に揺動自在に枢支され、吸入ポート(37L ,37R )および吐出ポート(38L ,38R )に臨む両側面を相互に連通するように前記第1オリフィス(41L ,41R )が形成されたオリフィスプレート(40L ,40R )とから構成されており、
    前記オリフィスプレート(40L ,40R )は、吸入ポート(37L ,37R )および吐出ポート(38L ,38R )の差圧により揺動し、ベーン押上ポート(301 )をオリフィスプレート支持溝(39L ,39R )を介して高圧側のポートに連通させるとともに低圧側のポートから遮断することを特徴とする四輪駆動車両の動力伝達装置。
  2. オリフィスプレート(40L ,40R )は吸入ポート(37L ,37R )および吐出ポート(38L ,38R )の一方をベーン押上ポート(301 )に連通させる切欠(42)を備えてなり、オリフィスプレート(40L ,40R )により前記一方のポートとベーン押上ポート(301 )との連通が遮断されたときに、前記切欠(42)を介して作動油をリークさせることを特徴とする、請求項1に記載の四輪駆動車両の動力伝達装置。
  3. カムリング(29L ,29R )にオリフィスプレート(40L ,40R )の一部を当接させることにより、該オリフィスプレート(40L ,40R )がロータ(32L ,32R )側に移動するのを規制したことを特徴とする、請求項1に記載の四輪駆動車両の動力伝達装置。
  4. オリフィスプレート(40L ,40R )は部分円柱状の支点部(401 )と、この支点部(401 )からロータ(32L ,32R )の半径方向内側に向けて延びる板状の弁部(402 )とから構成されており、前記支点部(401 )はオリフィスプレート支持溝(39L ,39R )に設けた部分円筒状の支持部(391 )に揺動自在かつ液密に支持されており、かつ前記オリフィスプレート(40L ,40R )の支点部(401 )の半径方向外側の一部がカムリング(29L ,29R )に当接していることを特徴とする、請求項3に記載の四輪駆動車両の動力伝達装置。
  5. エンジン(E)により左右の主駆動輪(WFL,WFR)と共に駆動される入力軸(10)と、
    左側の副駆動輪(WRL)に接続された左駆動軸(13L )と、
    右側の副駆動輪(WRR)に接続された右駆動軸(13R )と、
    入力軸(10)および左駆動軸(13L )の相対回転速度差に応じて作動する左ベーンポンプ(PL )と、
    入力軸(10)および右駆動軸(13R )の相対回転速度差に応じて作動する右ベーンポンプ(PR )と、
    左ベーンポンプ(PL )の吸入ポート(37L )および吐出ポート(38L )間に設けられた左第1オリフィス(41L )と、
    右ベーンポンプ(PR )の吸入ポート(37R )および吐出ポート(38R )間に設けられた右第1オリフィス(41R )と、
    左ベーンポンプ(PL )の吸入ポート(37L )および右ベーンポンプ(PR )の吸入ポート(37R )間、並びに左ベーンポンプ(PL )の吐出ポート(38L )および右ベーンポンプ(PR )の吐出ポート(38R )間にそれぞれ設けられた第2オリフィス(43)と、
    を備えてなり、前記各ベーンポンプ(PL ,PR )は、カムリング(29L ,29R )およびサイドプレート(28L ,28R ,30)により囲まれた空間にロータ(32L ,32R )を収納し、このロータ(32L ,32R )に半径方向摺動自在に支持した複数のベーン(35)の半径方向外端をカムリング(29L ,29R )に摺接させてなる四輪駆動車両の動力伝達装置において、
    サイドプレート(30)に、ベーン(35)の半径方向内端が臨む環状のベーン押上ポート(301 )と、前記左右の第1オリフィス(41L ,41R )を備えて吸入ポート(37L ,37R )および吐出ポート(38L ,38R )を選択的にベーン押上ポート(301 )に連通させる左右の切換バルブ(VL ,VR )とを設けてなり、
    前記左右の切換バルブ(VL ,VR )は、両端部が吸入ポート(37L ,37R )および吐出ポート(38L ,38R )に連通するとともに中央部が連通路(53)を介してベーン押上ポート(301 )に連通する弁孔(51)と、この弁孔(51)に摺動自在に支持され、吸入ポート(37L ,37R )および吐出ポート(38L ,38R )に臨む両側面を相互に連通するように前記第1オリフィス(41L ,41R )が形成されたスプール(52)とから構成されており、
    前記スプール(52)は、吸入ポート(37L ,37R )および吐出ポート(38L ,38R )の差圧により摺動し、ベーン押上ポート(301 )を連通路(53)を介して高圧側のポートに連通させるとともに低圧側のポートから遮断することを特徴とする四輪駆動車両の動力伝達装置。
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