JPH05101715A - ケーブル絶縁被覆用樹脂組成物 - Google Patents
ケーブル絶縁被覆用樹脂組成物Info
- Publication number
- JPH05101715A JPH05101715A JP25786991A JP25786991A JPH05101715A JP H05101715 A JPH05101715 A JP H05101715A JP 25786991 A JP25786991 A JP 25786991A JP 25786991 A JP25786991 A JP 25786991A JP H05101715 A JPH05101715 A JP H05101715A
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- Japan
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- conductor
- chlorine gas
- chlorinated polyethylene
- discoloration
- magnesium hydroxide
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 塩素化ポリエチレンを主成分とする電線・ケ
ーブル絶縁被覆用樹脂組成物において、その塩素ガスの
分散をなくして導体の変色を防止する。 【構成】 塩素化ポリエチレンとエチレン酢酸ビニル
（ＥＶＡ）又はエチレンエチルアクリレート（ＥＥＡ）
の混和物からなり、その混和物に水酸化マグネシウム
（Ｍｇ（ＯＨ）2 ）を１０〜１５０ＰＨＲ添加する。水
酸化マグネシウムは分解塩素ガスを吸着する。このた
め、塩素ガスによる導体（メッキ）の腐食がなくなり、
変色は生じない。また、ＥＶＡ又はＥＥＡの配合により
可撓性も向上する。
ーブル絶縁被覆用樹脂組成物において、その塩素ガスの
分散をなくして導体の変色を防止する。 【構成】 塩素化ポリエチレンとエチレン酢酸ビニル
（ＥＶＡ）又はエチレンエチルアクリレート（ＥＥＡ）
の混和物からなり、その混和物に水酸化マグネシウム
（Ｍｇ（ＯＨ）2 ）を１０〜１５０ＰＨＲ添加する。水
酸化マグネシウムは分解塩素ガスを吸着する。このた
め、塩素ガスによる導体（メッキ）の腐食がなくなり、
変色は生じない。また、ＥＶＡ又はＥＥＡの配合により
可撓性も向上する。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、導体の錫メッキなど
を変色させないケーブル絶縁被覆用樹脂組成物に関す
る。
を変色させないケーブル絶縁被覆用樹脂組成物に関す
る。
【０００２】
【従来の技術及びその課題】ケーブル絶縁被覆用耐油性
樹脂として塩素化ポリエチレンがよく知られているが、
このものは引張り強度などの機械的強度及び可撓性の面
で若干の問題がある。また、塩素化ポリエチレンは、絶
縁被覆の押出成型時の熱あるいは使用時の熱負荷により
分解して塩素ガス（塩酸ガス）が発生する。この塩素ガ
スは導体の表面、例えば錫メッキを腐食して変色させ
る。
樹脂として塩素化ポリエチレンがよく知られているが、
このものは引張り強度などの機械的強度及び可撓性の面
で若干の問題がある。また、塩素化ポリエチレンは、絶
縁被覆の押出成型時の熱あるいは使用時の熱負荷により
分解して塩素ガス（塩酸ガス）が発生する。この塩素ガ
スは導体の表面、例えば錫メッキを腐食して変色させ
る。
【０００３】ケーブル導体の表面が変色することは、端
末接続の際の接続不良の原因になるうえに、電線・ケー
ブルの商品価値を著しく低下させる。
末接続の際の接続不良の原因になるうえに、電線・ケー
ブルの商品価値を著しく低下させる。
【０００４】この発明は、以上の点に留意し、上記塩素
ガスによる導体腐食を防止するとともに可撓性を良くす
ることを課題とする。
ガスによる導体腐食を防止するとともに可撓性を良くす
ることを課題とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この発明にあっては、塩素化ポリエチレンを主成分
とするベースポリマーに、水酸化マグネシウムを１０〜
１５０ＰＨＲ、架橋剤を必要量添加した構成としたので
ある。
に、この発明にあっては、塩素化ポリエチレンを主成分
とするベースポリマーに、水酸化マグネシウムを１０〜
１５０ＰＨＲ、架橋剤を必要量添加した構成としたので
ある。
【０００６】上記ベースポリマーは、塩素化ポリエチレ
ン：８０〜３０重量部、エチレン酢酸ビニル（ＥＶＡ）
又はエチレンエチルアクリレート（ＥＥＡ）：２０〜７
０重量部の混和物とすることができる。
ン：８０〜３０重量部、エチレン酢酸ビニル（ＥＶＡ）
又はエチレンエチルアクリレート（ＥＥＡ）：２０〜７
０重量部の混和物とすることができる。
【０００７】水酸化マグネシウムの添加量が１５０ＰＨ
Ｒ以上であると、引張り強さに問題が生じ、一方１０Ｐ
ＨＲ以下であると、可撓性が不十分となり、かつ、後記
の導体表面の変色防止が望めない。
Ｒ以上であると、引張り強さに問題が生じ、一方１０Ｐ
ＨＲ以下であると、可撓性が不十分となり、かつ、後記
の導体表面の変色防止が望めない。
【０００８】
【作用】このように構成するこの発明に係る樹脂組成物
は、水酸化マグネシウムによって分解塩素ガスが吸着さ
れる。このため、導体及びメッキ表面を腐食して変色さ
せることはない。
は、水酸化マグネシウムによって分解塩素ガスが吸着さ
れる。このため、導体及びメッキ表面を腐食して変色さ
せることはない。
【０００９】また、ベースポリマーをＥＶＡまたはＥＥ
Ａの混和物とすれば、機械的強度及び可撓性が増す。
Ａの混和物とすれば、機械的強度及び可撓性が増す。
【００１０】
【実施例】まず、従来の標準例、実施例１〜８及び比較
例１〜５を、表１に示す配合で１５０mmφの試験用混練
りロールにより混練した。その混練りにおいて、１次混
練りは、架橋剤を添加しないで１００℃、２０ｍｉｎ、
２次混練りは、架橋剤を添加して６０℃、５ｍｉｎとし
た。
例１〜５を、表１に示す配合で１５０mmφの試験用混練
りロールにより混練した。その混練りにおいて、１次混
練りは、架橋剤を添加しないで１００℃、２０ｍｉｎ、
２次混練りは、架橋剤を添加して６０℃、５ｍｉｎとし
た。
【００１１】
【表１】
【００１２】このように調整した各樹脂組成物を、縦×
横：１００×１００mmの金枠を用いて、１７０℃、１５
kgｆ／cm2 、１５ｍｉｎで加熱架橋して、１mm厚のシー
ト状サンプルを作成し、各サンプルについて、表１に示
す各種試験をＪＩＳ Ｋ６７２３等に基づき行い、その
結果を同表下欄に示す。
横：１００×１００mmの金枠を用いて、１７０℃、１５
kgｆ／cm2 、１５ｍｉｎで加熱架橋して、１mm厚のシー
ト状サンプルを作成し、各サンプルについて、表１に示
す各種試験をＪＩＳ Ｋ６７２３等に基づき行い、その
結果を同表下欄に示す。
【００１３】なお、表中、ＥＬは伸び、ＴＳは引張強さ
であり、１００％（kgｆ／mm2 ）・モジュラスは可撓性
を示し、伸び率１００％における引張り強さで表わす。
また、許容値はつぎの規準で定めた。すなわち、車輌用
絶縁電線の規格値から、ＴＳ：１．０kgｆ／mm2 以上、
ＥＬ：３５０％以上、１００％（kgｆ／mm2 ）は車輌用
のリード線やモータの振動を考慮して０．５kg／mm2 以
下が好ましい。耐油性は、モーター周辺では油の飛散し
たものの付着によって材料が膨潤劣化するが、必要上、
ＴＳ、ＥＬは７０％以上が望ましい。その膨潤度として
重量増加と長さの増加率を測定しているが、それぞれの
値が５０％及び２０％を越えると、リード線がふくら
み、使用中に波状の凸凹が生じてくる。酸素指数は難燃
性の点から２５以下である必要がある。ムーニー粘度に
ついては、押出における発熱を抑える意味から最低粘
度：２５以下が望ましい。導体変色は、各配合の組成物
を錫メッキ導体に押出し被覆し、それらを１５０℃の加
熱下、７日又は１４日で変色のないものを○とした。
であり、１００％（kgｆ／mm2 ）・モジュラスは可撓性
を示し、伸び率１００％における引張り強さで表わす。
また、許容値はつぎの規準で定めた。すなわち、車輌用
絶縁電線の規格値から、ＴＳ：１．０kgｆ／mm2 以上、
ＥＬ：３５０％以上、１００％（kgｆ／mm2 ）は車輌用
のリード線やモータの振動を考慮して０．５kg／mm2 以
下が好ましい。耐油性は、モーター周辺では油の飛散し
たものの付着によって材料が膨潤劣化するが、必要上、
ＴＳ、ＥＬは７０％以上が望ましい。その膨潤度として
重量増加と長さの増加率を測定しているが、それぞれの
値が５０％及び２０％を越えると、リード線がふくら
み、使用中に波状の凸凹が生じてくる。酸素指数は難燃
性の点から２５以下である必要がある。ムーニー粘度に
ついては、押出における発熱を抑える意味から最低粘
度：２５以下が望ましい。導体変色は、各配合の組成物
を錫メッキ導体に押出し被覆し、それらを１５０℃の加
熱下、７日又は１４日で変色のないものを○とした。
【００１４】この結果から、この発明に係る実施例が耐
変色性（導体変色）、引張強さ等において満足いけるも
のであることが理解できる。すなわち、水酸化マグネシ
ウム・Ｍｇ（ＯＨ）2 が８ＰＨＲ（比較例２）では耐変
色性（導体変色）及び酸素指数に問題があり、１５０Ｐ
ＨＲ（比較例３）を越えると、引張強さ（ＴＳ）に問題
が生じる。また、エチレン酢酸ビニール（ＥＶＡ）８０
重量部（比較例１）であると耐油性（ＴＳ残率、ＥＬ残
率）に問題が生じ、水酸化物でもＡｌ（ＯＨ）3 （比較
例４）では変色防止効果が薄く、Ｍｇ酸化物（比較例
５）では組成物が硬くなり、押出が困難であるうえにモ
ジュラスも高くなり、可撓性に問題が生じる。
変色性（導体変色）、引張強さ等において満足いけるも
のであることが理解できる。すなわち、水酸化マグネシ
ウム・Ｍｇ（ＯＨ）2 が８ＰＨＲ（比較例２）では耐変
色性（導体変色）及び酸素指数に問題があり、１５０Ｐ
ＨＲ（比較例３）を越えると、引張強さ（ＴＳ）に問題
が生じる。また、エチレン酢酸ビニール（ＥＶＡ）８０
重量部（比較例１）であると耐油性（ＴＳ残率、ＥＬ残
率）に問題が生じ、水酸化物でもＡｌ（ＯＨ）3 （比較
例４）では変色防止効果が薄く、Ｍｇ酸化物（比較例
５）では組成物が硬くなり、押出が困難であるうえにモ
ジュラスも高くなり、可撓性に問題が生じる。
【００１５】なお、ＥＶＡ（エバフレックス３６０）を
配合しているため、機械的強度（引張強度）及び可撓性
（実施例全てモジュラス４０以下）において向上がみら
れる。ＥＶＡに代えてエチレンエチルアクリレート（Ｅ
ＥＡ）を配合することができる。これらの配合量は、全
体の０〜７０重量部で所要の特性値を得ることができる
が、体積抵抗率において、許容値以上を余裕をもって得
るためには２０〜７０重量部とするとよい。
配合しているため、機械的強度（引張強度）及び可撓性
（実施例全てモジュラス４０以下）において向上がみら
れる。ＥＶＡに代えてエチレンエチルアクリレート（Ｅ
ＥＡ）を配合することができる。これらの配合量は、全
体の０〜７０重量部で所要の特性値を得ることができる
が、体積抵抗率において、許容値以上を余裕をもって得
るためには２０〜７０重量部とするとよい。
【００１６】
【発明の効果】この発明は、以上のように構成したの
で、塩素ガスの分散を防止し得て、電線・ケーブルの絶
縁被覆用樹脂組成物として、可撓性及び機械的強度を損
うことなく、導体及びメッキ表面の変色が生じないもの
となる。
で、塩素ガスの分散を防止し得て、電線・ケーブルの絶
縁被覆用樹脂組成物として、可撓性及び機械的強度を損
うことなく、導体及びメッキ表面の変色が生じないもの
となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｃ０８Ｌ 23/08 ＬＤＧ 7107−4Ｊ 23/28 ＬＤＡ 7107−4Ｊ ＬＤＤ 7107−4Ｊ
Claims (2)
- 【請求項１】 塩素化ポリエチレンを主成分とするベー
スポリマーに、水酸化マグネシウムを１０〜１５０ＰＨ
Ｒ、架橋剤を必要量添加してなることを特徴とするケー
ブル絶縁被覆用樹脂組成物。 - 【請求項２】 上記ベースポリマーを、塩素化ポリエチ
レン：８０〜３０重量部、エチレン酢酸ビニル又はエチ
レンエチルアクリレート：２０〜７０重量部の混和物と
したことを特徴とする請求項１記載のケーブル絶縁被覆
用樹脂組成物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP25786991A JPH05101715A (ja) | 1991-10-04 | 1991-10-04 | ケーブル絶縁被覆用樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP25786991A JPH05101715A (ja) | 1991-10-04 | 1991-10-04 | ケーブル絶縁被覆用樹脂組成物 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05101715A true JPH05101715A (ja) | 1993-04-23 |
Family
ID=17312307
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP25786991A Pending JPH05101715A (ja) | 1991-10-04 | 1991-10-04 | ケーブル絶縁被覆用樹脂組成物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH05101715A (ja) |
Cited By (12)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100474960B1 (ko) * | 2000-12-13 | 2005-03-08 | 삼성토탈 주식회사 | 아세트산 냄새가 제거된 에틸렌비닐아세테이트 수지 조성물 |
| JP2015117318A (ja) * | 2013-12-18 | 2015-06-25 | 日立金属株式会社 | 難燃性樹脂組成物及びこれを用いた電線・ケーブル |
| JP2016095992A (ja) * | 2014-11-13 | 2016-05-26 | 日立金属株式会社 | 電線およびケーブル |
| JP2016095994A (ja) * | 2014-11-13 | 2016-05-26 | 日立金属株式会社 | 電線およびケーブル |
| JP2016095993A (ja) * | 2014-11-13 | 2016-05-26 | 日立金属株式会社 | 電線およびケーブル |
| JP2016095995A (ja) * | 2014-11-13 | 2016-05-26 | 日立金属株式会社 | 電線およびケーブル |
| JP2016222875A (ja) * | 2015-06-03 | 2016-12-28 | 日立金属株式会社 | エラストマー組成物及びケーブル |
| JP2018200904A (ja) * | 2018-09-28 | 2018-12-20 | 日立金属株式会社 | 電線およびケーブル |
| JP2018200902A (ja) * | 2018-09-28 | 2018-12-20 | 日立金属株式会社 | 電線およびケーブル |
| JP2018200901A (ja) * | 2018-09-28 | 2018-12-20 | 日立金属株式会社 | 電線およびケーブル |
| JP2018200903A (ja) * | 2018-09-28 | 2018-12-20 | 日立金属株式会社 | 電線およびケーブル |
| JP2020140966A (ja) * | 2020-05-26 | 2020-09-03 | 日立金属株式会社 | 電線およびケーブル |
Citations (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5550501A (en) * | 1978-10-11 | 1980-04-12 | Hitachi Shomei Kk | Producing shade for lighting |
| JPS5968346A (ja) * | 1982-10-13 | 1984-04-18 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 熱回復性成型品 |
| JPH02191644A (ja) * | 1988-12-13 | 1990-07-27 | Showa Denko Kk | ゴム芯材 |
-
1991
- 1991-10-04 JP JP25786991A patent/JPH05101715A/ja active Pending
Patent Citations (3)
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| JP2015117318A (ja) * | 2013-12-18 | 2015-06-25 | 日立金属株式会社 | 難燃性樹脂組成物及びこれを用いた電線・ケーブル |
| US9991027B2 (en) | 2014-11-13 | 2018-06-05 | Hitachi Metals, Ltd. | Electric wire and cable |
| JP2016095992A (ja) * | 2014-11-13 | 2016-05-26 | 日立金属株式会社 | 電線およびケーブル |
| JP2016095994A (ja) * | 2014-11-13 | 2016-05-26 | 日立金属株式会社 | 電線およびケーブル |
| JP2016095993A (ja) * | 2014-11-13 | 2016-05-26 | 日立金属株式会社 | 電線およびケーブル |
| JP2016095995A (ja) * | 2014-11-13 | 2016-05-26 | 日立金属株式会社 | 電線およびケーブル |
| US9984792B2 (en) | 2014-11-13 | 2018-05-29 | Hitachi Metals, Ltd. | Electric wire and cable |
| JP2016222875A (ja) * | 2015-06-03 | 2016-12-28 | 日立金属株式会社 | エラストマー組成物及びケーブル |
| JP2018200904A (ja) * | 2018-09-28 | 2018-12-20 | 日立金属株式会社 | 電線およびケーブル |
| JP2018200902A (ja) * | 2018-09-28 | 2018-12-20 | 日立金属株式会社 | 電線およびケーブル |
| JP2018200901A (ja) * | 2018-09-28 | 2018-12-20 | 日立金属株式会社 | 電線およびケーブル |
| JP2018200903A (ja) * | 2018-09-28 | 2018-12-20 | 日立金属株式会社 | 電線およびケーブル |
| JP2020140966A (ja) * | 2020-05-26 | 2020-09-03 | 日立金属株式会社 | 電線およびケーブル |
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