JP2015117318A - 難燃性樹脂組成物及びこれを用いた電線・ケーブル - Google Patents

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Abstract

【課題】三酸化アンチモンの使用を不要化し、かつ難燃性、可撓性、耐熱性に優れた樹脂組成物及びこれを用いた電線・ケーブルを提供する。
【解決手段】塩素量30%以上の塩素化ポリエチレン及び他のポリオレフィン系樹脂を含むベースポリマーと、ハイドロタルサイトと、任意成分としての三酸化アンチモン以外の難燃剤とを含有し、前記塩素化ポリエチレンを20〜60質量部含む前記ベースポリマー100質量部に対して、前記ハイドロタルサイトを10〜50質量部、及び前記難燃剤を0〜40質量部含有する難燃性樹脂組成物、並びに当該樹脂組成物を絶縁体に使用した電線及びシースに使用したケーブル。
【選択図】図1

Description

本発明は、難燃性樹脂組成物及びこれを用いた電線・ケーブルに関するものである。
ポリ塩化ビニル(PVC)樹脂は安価で優れた難燃性を有するため、車両等の外装材、各種成形品、及び電線・ケーブルの絶縁体又はシースなどの用途に広く用いられている。ただし、PVC樹脂は、分子間の相互作用が強いため、樹脂自体は非常に硬い。
そこで、可撓性が必要とされる電線・ケーブル等の用途においては、可塑剤と呼ばれる油状物を添加した、軟質PVC樹脂組成物が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、軟質PVC樹脂組成物は、使用条件、環境によって可塑剤がブリードしやすく、またPVC樹脂自体の耐熱性が低いことが問題であった。
一方、ハロゲンを含まないノンハロゲン樹脂組成物は、PVC樹脂と比較して高い耐熱性を有し、非晶性ポリマーを使用することで可撓性に優れた樹脂組成物を提供することが可能である。
しかし、ノンハロゲン樹脂は、難燃性が極端に低いため、難燃性が必要な用途においては、金属水酸化物等の難燃剤を高充填することが必須である。難燃剤の高充填により可撓性が失われるため、難燃性が必要な用途に関しては、ノンハロゲン樹脂組成物でPVC樹脂と同等の可撓性を付与することは困難であった。
また、従来の手法として、ベースポリマーに塩素化ポリエチレンを使用し、難燃剤に三酸化アンチモンを用いた難燃性樹脂組成物が知られている(例えば、特許文献2参照)。塩素化ポリエチレンは、難燃性、耐熱性、可撓性に優れているという特徴を有する。
しかし、難燃剤に使用する三酸化アンチモンは、環境や人体に対する悪影響への懸念から、近年、使用が控えられる傾向にある。アンチモン化合物の毒性については、国際がん研究会(IARC)において、グループ2B(人に対して発がん性があるかもしれない)に分類されている。また、三酸化アンチモンの原料となるアンチモン地金の産地は偏在しており、需給が逼迫する傾向があり、供給不安や価格上昇のリスクがある。
そこで、アンチモンを含有しない樹脂組成物の開発が行われており、三酸化アンチモン代替の難燃剤として、例えばヒドロキシ錫酸亜鉛及びホウ酸亜鉛を用いた樹脂組成物が提案されている(特許文献3参照)。
特開2002−352629号公報 特開昭60−219260号公報 特開平6−41391号公報
しかし、特許文献3に記載された難燃剤は、電線用途で使用する場合、成形加工温度領域において触媒作用により塩素系ポリマーの劣化を起こすため、電線・ケーブル分野へ適用するには、特殊表面処理を施す必要があるなど、使用困難性を伴う。
従って、本発明の目的は、三酸化アンチモンの使用を不要化し、かつ難燃性、可撓性、耐熱性に優れた樹脂組成物及びこれを用いた電線・ケーブルを提供することである。
上記目的を達成するため、本発明によれば、以下の難燃性樹脂組成物及びこれを用いた電線・ケーブルが提供される。
[1]塩素量30%以上の塩素化ポリエチレン及び他のポリオレフィン系樹脂を含むベースポリマーと、ハイドロタルサイトと、任意成分としての三酸化アンチモン以外の難燃剤とを含有し、前記塩素化ポリエチレンを20〜60質量部含む前記ベースポリマー100質量部に対して、前記ハイドロタルサイトを10〜50質量部、及び前記難燃剤を0〜40質量部含有することを特徴とする難燃性樹脂組成物。
[2]前記他のポリオレフィン系樹脂は、エチレン−酢酸ビニル共重合体であることを特徴とする前記[1]に記載の難燃性樹脂組成物。
[3]前記ベースポリマー100質量部に対して、更に脂肪酸アマイドを0.05〜5質量部含有することを特徴とする前記[1]又は前記[2]に記載の難燃性樹脂組成物。
[4]前記[1]〜[3]のいずれか1つに記載の難燃性樹脂組成物を絶縁体として使用したことを特徴とする電線。
[5]前記[1]〜[3]のいずれか1つに記載の難燃性樹脂組成物をシースとして使用したことを特徴とするケーブル。
本発明によれば、三酸化アンチモンの使用を不要化し、かつ難燃性、可撓性、耐熱性に優れた樹脂組成物及びこれを用いた電線・ケーブルが提供される。
本発明の実施形態に係る電線の横断面図である。 本発明の実施形態に係るケーブルの横断面図である。
〔難燃性樹脂組成物〕
本発明の実施形態に係る難燃性樹脂組成物は、塩素量30%以上の塩素化ポリエチレン及び他のポリオレフィン系樹脂を含むベースポリマーと、ハイドロタルサイトと、任意成分としての三酸化アンチモン以外の難燃剤とを含有し、前記塩素化ポリエチレンを20〜60質量部含む前記ベースポリマー100質量部に対して、前記ハイドロタルサイトを10〜50質量部、及び前記難燃剤を0〜40質量部含有することを特徴とする難燃性樹脂組成物である。
(塩素化ポリエチレン)
本発明の実施形態に用いる塩素化ポリエチレンとしては、塩素量30%以上の範囲であれば特に限定はしないが、好ましくは塩素量30〜45%であり、より好ましくは塩素量32〜43%であり、さらに好ましくは塩素量35〜40%の塩素化ポリエチレンである。これらは単独又は2種以上をブレンドして用いることができ、塩素量30%以上の範囲であれば非晶、半結晶、結晶のいずれの塩素化ポリエチレンを組み合せて用いてもよい。ベースポリマーとして塩素量30%以上の塩素化ポリエチレンを使用することで、難燃性、可撓性、耐熱性に優れた樹脂組成物を得ることが可能となった。
塩素化ポリエチレンの添加量は、20〜60質量部であり、好ましくは25〜50質量部であり、より好ましくは30〜40質量部である。20質量部未満では十分な難燃性、可撓性が得られず、60質量部より多いと耐熱性が低下する。塩素量30%以上の塩素化ポリエチレンは非晶性であるため可撓性、難燃性に優れ、充填剤の適用も可能となる。塩素化ポリエチレンの添加量を20〜60質量部とし他のポリマーとブレンドすることで、優れた耐熱性を付与することが出来る。
塩素化ポリエチレンの製法は、一般的には、ポリエチレン粉末に塩素ガス、もしくは塩化水素ガスを吹き込むことで得られ、PVC樹脂に近い難燃性樹脂である。この反応はポリエチレン分子中の水素と、塩素の置換反応であり、導入する塩素量によって元のポリエチレンの結晶性を低下させ、硬さを変えることが可能である。塩素含有量が30%未満の塩素化ポリエチレンでは元のポリエチレンの結晶性が残るため硬くなってしまう。塩素量30%以上の塩素化ポリエチレンを使用することで難燃性と可撓性を両立することが可能となる。
なお、塩素化ポリエチレン以外にも塩素を有するポリマーとしては、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンや塩素グラフトしたPVC等が挙げられるが、クロロプレンゴムは塩素化ポリエチレンと比較して不飽和結合を有するため耐熱性が劣り、クロロスルホン化ポリエチレンは引裂強さ、耐熱性が劣り、塩素グラフトしたPVCは極端に耐熱性が劣るため、難燃性、可撓性、耐熱性を満足するには塩素化ポリエチレンが必須となる。
また、塩素化ポリエチレンは、塩素を含まないポリマーと比較して、耐熱性に劣る傾向にあるが、安定剤にハイドロタルサイトを使用すること、及び塩素化ポリエチレン添加量の上限を60質量部とすることで塩素化ポリエチレンの熱分解を抑制することが可能となり、耐熱性はノンハロゲン樹脂組成物と同等となることが分かった。
(他のポリオレフィン系樹脂)
本発明の実施形態に用いる他のポリオレフィン系樹脂としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、直鎖状超低密度ポリエチレン(VLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン-アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−スチレン共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−ブテン−ヘキセン三元共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)、エチレン−オクテン共重合体(EOR)、エチレン共重合ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体(EPR)、ポリ−4−メチル−ペンテン−1、マレイン酸グラフト低密度ポリエチレン、水素添加スチレン−ブタジエン共重合体(H−SBR)、マレイン酸グラフト直鎖状低密度ポリエチレン、エチレンと炭素数が4〜20のαオレフィンとの共重合体、エチレン−スチレン共重合体、マレイン酸グラフトエチレン−メチルアクリレート共重合体、マレイン酸グラフトエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸三元共重合体、ブテン−1を主成分とするエチレン−プロピレン−ブテン−1三元共重合体などが挙げられる。より好適にはEVAであり、さらに好適にはVA量25〜35%のEVAである。これらは単独又は2種以上をブレンドして用いることができる。
他のポリオレフィン系樹脂の添加量は、40〜80質量部であることが好ましく、より好ましくは50〜75質量部であり、さらに好ましくは60〜70質量部である。
(ハイドロタルサイト)
本発明の実施形態に用いるハイドロタルサイトは、特に限定はしないが、一般的にはMgAl(CO)(OH)16・4(HO)の組成を有するものである。好ましくは合成品でレーザー回折法により測定した平均粒子径が1〜5μmのハイドロタルサイトである。
ハイドロタルサイトの添加量は、ベースポリマー100質量部に対して、10〜50質量部含有する。好ましくは15〜50質量部であり、より好ましくは20〜50質量部である。10質量部未満では十分な難燃性を発現せず、50質量部より多いと伸び特性を低下させる。
本発明の実施形態では、三酸化アンチモンの代替難燃剤として、通常、安定剤として使用されるハイドロタルサイトに難燃効果を見出し、従来の添加量より増量することで、従来同様の難燃性を維持したままで非アンチモン化を可能とした。更なる難燃性(例えばUL規格のVW−1試験合格レベル)を必要とする場合には、上記ハイドロタルサイトと他の難燃剤を組み合わせることで、三酸化アンチモンを添加することなくハイレベルな難燃性の規格を満たすことを可能とした。
(三酸化アンチモン以外の難燃剤)
本発明の実施形態に係る難燃性樹脂組成物は、更に三酸化アンチモン以外の難燃剤を含有することが好ましい。
三酸化アンチモン以外の難燃剤としては、特に限定はしないが、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、リン系難燃剤、又は、燃焼時に発泡する成分と固化する成分の混合物からなるインテュメッセント系難燃剤、臭素系難燃剤、塩素系難燃剤、非晶質シリカ、ナノシリカ等が挙げられる。これらの難燃剤は、単独又は2種以上をブレンドして用いることができる。より好適には臭素系難燃剤であり、さらに好適にはデカブロモジフェニルエタンである。
三酸化アンチモン以外の難燃剤の添加量は、ベースポリマー100質量部に対して、40質量部以下含有することが好ましい。より好ましくは10〜40質量部であり、さらに好ましくは20〜30質量部である。40質量部より多いと伸び特性を低下させる。
本発明の実施形態に係る難燃性樹脂組成物においては、三酸化アンチモンを含有することなく、優れた難燃性を発揮できるため、三酸化アンチモンは含有していないことが好ましい。含有するとしても、ベースポリマー100質量部に対して、1質量部未満であることが好ましく、より好ましくは0.5質量部以下であり、さらに好ましくは0.3質量部以下である。
(脂肪酸アマイド)
本発明の実施形態に係る難燃性樹脂組成物は、更に滑剤として脂肪酸アマイドを含有することが好ましい。
本発明の実施形態に用いる脂肪酸アマイドとしては、特に限定はしないが、ラウリン酸アマイド、パルチミン酸アマイド、ステアリン酸アマイド、ヒドロキシステアリン酸アマイド、オレイン酸アマイド、エルカ酸アマイド、エチレンビスオレイン酸アマイド、エチレンビスエルカ酸アマイド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アマイド、N,N'−ジオレイルアジピン酸アマイド、N,N'−ジオレイルセバシン酸アマイド等が挙げられ、より好適にはエチレンビスオレイン酸アマイドである。
脂肪酸アマイドの添加量は、ベースポリマー100質量部に対して、0.05〜5質量部含有することが好ましい。より好ましくは0.1〜3質量部であり、さらに好ましくは0.5〜2質量部である。0.05質量部未満では過酸化物の分解残渣のブルーム抑制において十分な効果が得られず、5質量部より多いと難燃性が低下する。
過酸化物等の化学架橋剤を用いてポリマーを架橋する際には、過酸化物の分解残渣が残り表面にブルームする不具合が発生することがあったが、滑剤に脂肪酸アマイドを0.05〜5質量部を使用することでブルームを抑制可能であることが見出された。
(有機過酸化物)
本発明の実施形態に係る難燃性樹脂組成物は、更に架橋剤として有機過酸化物を含有することが好ましい。
本発明の実施形態に用いる有機過酸化物としては、特に限定はしないが、パーオキシケタール、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル等が挙げられ、より好適にはジアルキルパーオキサイドであり、さらに好適にはジクミルパーオキサイド(DCP)である。
有機過酸化物の添加量は、特に限定しないが、好適には0.1〜3質量部であり、より好適には0.3〜2質量部であり、さらに好適には0.5〜1質量部である。
(その他の添加剤)
本発明の実施形態に係る難燃性樹脂組成物には、上記の配合剤以外にも必要に応じて、酸化防止剤、金属不活性剤、架橋助剤、その他の滑剤、無機充填剤、相溶化剤、安定剤、カーボンブラック、着色剤等の添加剤を加えることが可能である。更に、電子線などの放射線により架橋してもよい。
酸化防止剤としては、特に限定はしないが、例えばフェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、アミン系、リン系酸化防止剤等が挙げられる。これらの酸化防止剤は、単独又は2種以上をブレンドして用いることができる。
フェノール系酸化防止剤としては、その種類は特に限定はしないが、例えばジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ-ベンジル)-S-トリアジン-2,4,6-(1H,3H,5H)トリオン、チオジエチレンビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等が挙げられ、より好適にはペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]である。
硫黄系酸化防止剤としては、その種類は特に限定はしないが、ジドデシル3,3‘-チオジプロピオネート、ジトリデシル3,3‘-チオジプロピオネート、ジオクタデシル3,3’-チオジプロピオネート、テトラキス[メチレン-3-(ドデシルチオ)プロピオネート]メタン等が挙げられ、より好適には、テトラキス[メチレン-3-(ドデシルチオ)プロピオネート]メタンである。
アミン系酸化防止剤としては、6-エトキシ-1,2-ジヒドロ-2,2,4-トリメチルキノリン、フェニル-1-ナフチレン、アルキル化ジフェニルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、4,4’-ビス(α、α-ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン重合体、p-(p-トルエンスルホニルアミド)ジフェニルアミン、N,N’-ジ-2-ナフチル-p-フェニルジアミン、N,N’-ジフェニル-p-フェニレンジアミン、N-フェニル-N’-イソプロピル-p-フェニレンジアミン、N-フェニル-N’-(1,3-ジメチルブチル)-p-フェニレンジアミン、N-フェニル-N’-(3-メタクリロイルオキシ-2-ヒドロキシプロピル)-p-フェニレンジアミン、1,3-ベンゼンジカルボン酸ビス[2-(1-オキソ-2-フェノキシプロピル)ヒドラジド、2',3-ビス[[3-[3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル]プロピオニル]]プロピオノヒドラジド、3-(N-サリチロイルアミノ)-1H-1,2,4-トリアゾール、ドデカン二酸ビス[N2-(2-ヒドロキシベンゾイル)ヒドラジド]等が挙げられる。
金属不活性剤は、金属イオンをキレート形成により安定化し酸化劣化を抑制する効果がある。金属不活性剤としては、その構造は特に限定しないが、N-(2H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)サリチルアミド、ドデカン二酸ビス[N2-(2-ヒドロキシベンゾイル)ヒドラジド]、2’,3-ビス[[3-[3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル]プロピオニル]]プロピオノヒドラジド等が挙げられ、より好適には2’,3-ビス[[3-[3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル]プロピオニル]]プロピオノヒドラジド等が挙げられる。
架橋助剤としては、特に限定しないが、例えばトリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPT)や、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)の使用が望ましい。
滑剤としては、特に限定しないが、脂肪酸、脂肪酸金属塩等が挙げられ、具体的には、ステアリン酸亜鉛の使用が挙げられる。これらは、単独又は2種以上をブレンドして用いることができる。
無機充填剤としては、特に限定しないが、クレー、タルク、シリカ、炭酸カルシウム等が挙げられる。これらは、脂肪酸、シラン等の表面処理剤で表面処理をすることも可能である。上記無機充填剤は、単独又は2種以上をブレンドして用いることができる。
カーボンブラックとしては、特に限定はしないが、ゴム用カーボンブラック(N900-N100:ASTM D 1765-01)の使用が一般的である。
着色剤としては、特に限定はしないが、ノンハロゲン用のカラーマスターバッチ等が使用できる。
〔電線〕
本発明の実施形態に係る電線は、本発明の実施形態に係る上記難燃性樹脂組成物を絶縁体として使用したことを特徴とする。
図1は、本発明の実施形態に係る電線の横断面図である。
図1に示すように、本実施の形態に係る電線10は、汎用の材料、例えば、純銅や錫めっき銅等からなる導体1と、導体1の外周に被覆された絶縁体2とを備える。
絶縁体2は、本発明の実施の形態に係る上記の難燃性樹脂組成物から構成されている。
本実施の形態においては、絶縁体を、単層で構成してもよく、また、多層構造とすることもできる。さらに、必要に応じて、セパレータ、編組等を施してもよい。
〔ケーブル〕
本発明の実施形態に係るケーブルは、本発明の実施形態に係る上記難燃性樹脂組成物をシースとして使用したことを特徴とする。
図2は、本発明の実施形態に係るケーブルの横断面図である。
図2に示すように、本実施の形態に係るケーブル20は、本実施の形態に係る絶縁電線10を3本と紙等の介在4とを共に撚り合わせた三芯撚り線と、三芯撚り線の外周に施された押え巻きテープ5と、その外周に押出被覆されたシース3とを備える。電線10は単芯でもよく、三芯以外の多芯撚り線であってもよい。
シース3は、本発明の実施の形態に係る上記の難燃性樹脂組成物から構成されている。
本実施の形態においては、シースを、単層で構成してもよく、また、多層構造とすることもできる。さらに、必要に応じて、セパレータ、編組等を施してもよい。
なお、本実施の形態においては、本実施の形態に係る電線10を使用した例を示したが、汎用の材料を用いた電線を使用することもできる。
〔本発明の実施の形態の効果〕
以上の通り、本発明の実施の形態によれば、三酸化アンチモンの使用を不要化し、かつ優れた難燃性、可撓性、耐熱性を有する樹脂組成物を得ることが出来る。また、その樹脂組成物を絶縁体・シースに使用することにより、三酸化アンチモンの使用を不要化し、かつ優れた難燃性、可撓性、耐熱性を有する電線・ケーブルを得ることができる。
以下に、本発明を実施例に基づいて更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
図1の構造の電線10を下記の通りの方法で作製した。
表1及び表2に示した配合割合で架橋剤を除く各種成分を配合し、加圧ニーダによって開始温度40℃、終了温度120℃で混練後、架橋剤を添加した。さらに、100℃で5分間、混練後、混練物をペレット形状にすることで、絶縁体として使用する樹脂組成物を作製した。
上記樹脂組成物を、115mm押出機(長径比L/D=2.0)を用い、断面積0.75SQの銅導体1(芯線)に押出被覆し、厚さ0.8mmの絶縁体2を形成した。絶縁体2を被覆後、蒸気管(蒸気圧15kg/cm)に通し、架橋させ、電線10を作製した。
シートの作成は、上記加圧ニーダでの混練物を6インチオープンロールを用いてシート状にし、プレス成形機を用いて、180℃で1分間、規定の厚さでプレス成型した。
作製した電線及びシートの評価は、以下に示す方法により判定した。評価結果を表1及び表2に示す。
(1)引張試験
作製した電線について、JIS C 3005に準拠して引張試験を行なった。引張強さは、10MPa未満のものを×(不合格)、10〜13MPaのものを○(合格)、13MPaを超えるものを◎(裕度を持って合格)とした。伸びは、350%未満のものを×(不合格)、350〜400%のものを○(合格)、400%を超えるものを◎(裕度を持って合格)とした。
(2)難燃性試験
作製したシートを用いて、酸素指数(OI)測定、及び参考試験として垂直燃焼試験(VW−1試験)を行った。OI測定はJIS K6269に準拠して測定し、26以上のものを○(合格)、26未満のものを×(不合格)とした。26未満を不合格としたのは、例えばケーブルの60°傾斜難燃試験を達成しないためである。VW−1試験は、作製した電線をUL subject 758に準拠して試験し、燃焼時間が1分未満のものを○(合格)、1分以上のものを×(不合格)とした。
(3)硬さ試験
作製したシートを用いて、JIS K 6253に準拠し、硬さ試験を行なった。硬さ82以下のものを○(合格)、82より大きいものを×(不合格)とした。
(4)耐熱性試験
作製したシートを1mm厚のシート形状にしたサンプルについて、JIS K 6257に準拠したギヤー式老化試験機を用いて、165℃、30日間老化させ、耐熱性試験を行なった。伸び特性が50%以上のものを○(合格)、50%より小さいものを×(不合格)とした。
(5)判定
上記(1)〜(4)のすべての試験で◎又は○のものを○(合格)、1つでも×があったものを×(不合格)とした。
Figure 2015117318
Figure 2015117318
表1に示すように、実施例1〜13では、引張試験、難燃性試験、硬さ、耐熱性のいずれの特性も良好な結果となっている。
実施例1〜4では、塩素化ポリエチレンの添加量、及び塩素量の異なる塩素化ポリエチレンを使用したが、規定の範囲内であれば良好な特性となった。
実施例5では、他のポリマーとして、EVAとEEAをブレンドしたが、特性は良好であり、複数のポリマーをブレンドしても良い。
実施例6〜7では、ハイドロタルサイトの添加量を変更したが、規定の範囲内であれば特性は良好であった。
実施例8〜13では、ハイドロタルサイトと他の難燃剤を併用したが、さらに難燃性が向上し、VW−1試験で合格レベルとなった。
実施例12では、滑剤として脂肪酸アマイドを未添加とした。特性に大きな差異は見られなかったが、架橋剤の分解残渣が絶縁体表面にブルームしており、架橋剤を使用する配合では、脂肪酸アマイドの添加が好ましい。
実施例13では、脂肪酸アマイドの添加量を6質量部としたが、0.5質量部添加の実施例9と比較して難燃性が低下しており、他の特性に差異が見られないことより6質量部より少ないことが好ましい。
これに対し、表2に示すように、塩素化ポリエチレンの添加量の少ない比較例1、2及びハイドロタルサイトの添加量の少ない比較例5は、難燃性(OI試験)が不合格となった。また、比較例1、2は、硬さも不合格となった。
塩素化ポリエチレンの添加量が規定の範囲より多い比較例3は、耐熱性が不合格となった。
塩素化ポリエチレンの塩素量が規定より少ない比較例4は、硬さが不合格となった。
ハイドロタルサイトの添加量が規定より多い比較例6、及び三酸化アンチモン以外の難燃剤の添加量が規定より多い比較例7は、伸び特性が不合格となった。
1:導体、2:絶縁体、3:シース、4:介在、5:押え巻きテープ
10:電線、20:ケーブル

Claims (5)

  1. 塩素量30%以上の塩素化ポリエチレン及び他のポリオレフィン系樹脂を含むベースポリマーと、ハイドロタルサイトと、任意成分としての三酸化アンチモン以外の難燃剤とを含有し、
    前記塩素化ポリエチレンを20〜60質量部含む前記ベースポリマー100質量部に対して、前記ハイドロタルサイトを10〜50質量部、及び前記難燃剤を0〜40質量部含有することを特徴とする難燃性樹脂組成物。
  2. 前記他のポリオレフィン系樹脂は、エチレン−酢酸ビニル共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の難燃性樹脂組成物。
  3. 前記ベースポリマー100質量部に対して、更に脂肪酸アマイドを0.05〜5質量部含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の難燃性樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物を絶縁体として使用したことを特徴とする電線。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物をシースとして使用したことを特徴とするケーブル。
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