JP6658236B2 - Lanケーブル - Google Patents

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本発明は、LANケーブルに関する。
高度情報化社会の到来に伴い、コンピュータシステムを中心としたネットワークの果たす役割はますます重要性を帯びてきている。ローカルエリアネットワーク(LAN)構築に用いられるLANケーブルは、パソコンとブロードバンド回線の普及によって、一般家庭や企業のオフィスから、鉄道車両等の交通機関にまで現在、広く使用されている。
LANケーブルのシース材料には、従来からハロゲン含有材料であるポリ塩化ビニルが使用されてきたが、近年の環境保全に対する活動の世界的な高まりから、燃焼時に有毒なガスを発生せず、廃棄処分時の環境汚染が少ないノンハロゲン材料の普及が急速に進んできている(ケーブルに用いられるノンハロゲン材料については、例えば特許文献1、2参照)。
しかし、ノンハロゲン材料は一般的にハロゲン材料と比較して難燃性に劣るため、高い難燃性を有するノンハロゲンLANケーブルの開発は難しく、例えば鉄道車両用LANケーブルにおいては、EN規格等で要求される垂直トレイ燃焼試験(VTFT試験)を満足するノンハロゲンLANケーブルの開発は困難であった。
特開2015−4025号公報 特開2015−168697号公報
ノンハロゲン材料に高い難燃性を付与するためには、水酸化マグネシウムもしくは水酸化アルミニウム等の金属水酸化物を多量に充填する必要がある。またLANケーブルの鉄道車両用途においては、家庭用のLANケーブルと比較し使用温度域が広く、低温時での収縮が大きいシース材料では、シースが収縮し絶縁体の誘電特性に影響を与えるため、無機物の高充填が必要となる。
そのため、ポリマとしては高充填による特性低下が少ない、非晶性のポリマが使用される。非晶性ポリマとしては、EPゴムやEOR等の炭素および水素原子から構成されるポリマ(非極性ポリマ)と、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)やエチレンアクリル酸エチル(EEA)等の炭素、水素および酸素から構成されるポリマ(極性ポリマ)があるが、ポリマ自体の難燃性は後者の方が高いため、高難燃用途においては例えばEVAが使用される。
EVAの非晶性は、酢酸ビニル含量(VA量)が高いほど大きくなるため、高難燃用途においては、例えばVA量20%以上のEVAを使用することが好ましい。しかし、EVAはガラス転移温度がVA量にあまり依存せず−25℃〜−30℃と高いため、低温での伸び、巻付け等の特性が低下する。そのため−40℃もしくはそれ以下での使用が求められる車両用LANケーブルにおいては、難燃性と低温性の両立が困難であった。
本発明の一目的は、難燃性と低温性を両立したLANケーブルを提供することである。
本発明の一観点によれば、
導線、および前記導線の外周に配置された絶縁体を有する絶縁電線と、
前記絶縁電線の外周に配置されたシースと、
を有し、
前記絶縁体は、比誘電率が2.5以下のポリエチレンを含有する樹脂組成物により形成され、
前記シースは、ポリオレフィン系樹脂と難燃剤とを含有する樹脂組成物により形成され、
前記ポリオレフィン系樹脂は、エチレン酢酸ビニル共重合体を前記ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して50質量部以上含有するとともに、ガラス転移温度が−50℃以下である酸変性ポリオレフィン樹脂を前記ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して10質量部以上30質量部以下含有し、
前記難燃剤は、前記ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して220質量部以上250質量部以下含有されており、
前記絶縁体および前記シースの酸素指数の合計が50.0以上である、LANケーブル
が提供される。
難燃性と低温性を両立したLANケーブルが得られる。
図1は、本発明の一実施形態によるLANケーブルの概略断面図である。
図1を参照して、本発明の一実施形態によるローカルエリアネットワーク(LAN)ケーブル100について説明する。図1は、LANケーブル100の概略断面図である。
LANケーブル100は、絶縁電線10と、絶縁電線10の外周に樹脂テープ層20およびシールド層30を介して配置されたシース40とを有する。
絶縁電線10は、導線11と、導線11の外周に配置された絶縁体12とを有する。導線11としては、例えば銅導線を用いることができる。導線11の材料や構造は、必要に応じて適宜選択することができる。
絶縁体12は、ポリエチレンを含有する樹脂組成物により形成されている。絶縁体12に用いるポリエチレンとしては、比誘電率2.5以下であれば特に限定されないが、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、直鎖状超低密度ポリエチレン(VLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)が挙げられ、低密度ポリエチレンが好ましく、密度0.930g/cm以下、MFR0.30g/10min以下の低密度ポリエチレンがより好ましい。これらのポリエチレンは、単独または2種以上をブレンドして用いることができる。
絶縁体12を形成する樹脂組成物には、必要に応じて、酸化防止剤、銅害防止剤、着色剤等の添加剤が添加されていてもよい。添加剤の添加量は、絶縁体12の比誘電率が2.5以下となるように添加されるのであれば特に限定されないが、5質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましい。絶縁体12の比誘電率が2.5より大きいと、静電容量が大きくなり、LANケーブルとしての伝送特性が著しく低下する。
複数本の絶縁電線10が撚り合されてユニット13が形成されている。図1に示す例では、4本の絶縁電線10が撚り合された4芯のユニット13が形成されている。
ユニット13の外周に、樹脂テープ層20が配置されている。樹脂テープ層20は、樹脂テープ、例えばアルミラミネートPETテープを、ユニット13の外周にラップ巻きすることで形成されている。
樹脂テープ層20の外周に、シールド層30が配置されている。つまり、ユニット13の外周に、シールド層30が配置されている。シールド層30は、金属材料により、例えば銅編組により形成されている。
シールド層30の外周に、シース40が配置されている。つまり、絶縁電線10の外周に、シース40が配置されている。シース40は、ポリオレフィン系樹脂と難燃剤とを含有する樹脂組成物により形成されている。
シース40を形成する樹脂組成物に用いるポリオレフィン系樹脂(以下単に、ポリオレフィン系樹脂と呼ぶこともある)は、エチレン酢酸ビニル共重合体をポリオレフィン系樹脂100質量部に対して50質量部以上含有するとともに、ガラス転移温度が−50℃以下である酸変性ポリオレフィン樹脂をポリオレフィン系樹脂100質量部に対して10質量部以上30質量部以下含有する。
エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)は、ポリオレフィン系樹脂の主成分であるベースポリマとして、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して50質量部以上含有されることが好ましく、60質量部以上含有されることがより好ましい。EVAの酢酸ビニル量(VA量)としては、特に限定されないが、例えば、20質量%以上50質量%以下が好ましく、25質量%以上46質量%以下がより好ましい。EVAとしては、単独もしくは2種以上のEVAをブレンドして使用することができる。なお、2種以上のEVAがブレンドされている場合のVA量は、平均のVA量である。VA量は、20質量%以上とすることが好ましく、25質量%以上とすることがより好ましい。VA量が20質量%未満では、高い難燃性を得ることが難しいためである。また、VA量は、50質量%以下とすることが好ましく、46質量%以下とすることがより好ましい。VA量が50質量%より多いと、引張強さが低下する傾向があるためである。
酸変性ポリオレフィンは、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して10質量部以上30質量部以下含有されることが好ましい。酸変性ポリオレフィンの添加量が10質量部未満では、十分な低温性が得られず、30質量部より多いと、ポリマと充項剤の密着が強くなりすぎて伸び特性が低下するためである。
酸変性ポリオレフィンとしては、示差走査熱量分析(DSC)法によるガラス転移点(Tg)が−50℃以下であるものが好ましく、−60℃以下であるものがより好ましい。Tgが−50℃より高い酸変性ポリオレフィンでは、十分な低温性が得られないためである。酸変性ポリオレフィンとしては、例えばマレイン酸変性ポリオレフィンが用いられる。
シース40を形成する樹脂組成物に用いるポリオレフィン系樹脂には、必要に応じて、その他のポリマが添加されていてもよい。その他のポリマとしては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、直鎖状超低密度ポリエチレン(VLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−スチレン共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−ブテン−へキセン三元共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)、エチレン−オクテン共重合体(EOR)、エチレン共重合ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体(EPR)、ポリ−4−メチル−ペンテン−1、マレイン酸グラフト低密度ポリエチレン、水素添加スチレン−ブタジエン共重合体(H−SBR)、マレイン酸グラフト直鎖状低密度ポリエチレン、エチレンと炭素数が4〜20のαオレフィンとの共重合体、エチレン−スチレン共重合体、マレイン酸グラフトエチレン−メチルアクリレート共重合体、マレイン酸グラフトエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸三元共重合体、ブテン−1を主成分とするエチレン−プロピレン−ブテン−1三元共重合体などが挙げられ、これらは単独または2種以上をブレンドして用いることができる。
シース40を形成する樹脂組成物に用いる難燃剤は、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して220質量部以上250質量部以下含有されることが好ましい。難燃剤の添加量が220質量部未満では、難燃性が不十分となり、250質量部より多いと、伸び特性が著しく低下するためである。なお、難燃剤の添加量を200質量部以上とすることで、低温での伝送特性を良好とすることができる。
難燃剤としては、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム等の金属水酸化物、非晶質シリカ、スズ酸亜鉛、ヒドロキシスズ酸亜鉛、ホウ酸亜鉛、酸化亜鉛等の亜鉛化合物等、ホウ酸カルシウム、ホウ酸バリウム、メタホウ酸バリウム等のホウ酸化合物、リン系難燃剤メラミンシアヌレート等の窒素系難燃剤、または、燃焼時に発泡する成分と固化する成分の混合物からなるインテュメッセント系難燃剤が挙げられ、より好適には金属水酸化物が用いられ、さらに好適には水酸化マグネシウムが用いられる。これらの難燃剤を単独または2種以上をブレンドして用いることができる。例えば、水酸化マグネシウムと水酸化アルミニウムとを併用することができる。また、これらの難燃剤としては、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、ステアリン酸やステアリン酸カルシウム等の脂肪酸、または、脂肪酸金属塩等によって表面処理されているものを用いても差し支えない。
シース40を形成する樹脂組成物には、ポリオレフィン系樹脂および難燃剤以外に、必要に応じて、酸化防止剤、金属不活性剤、架橋剤、架橋助剤、滑剤、無機充填剤、相溶化剤、安定剤、カーボンブラック、着色剤等の添加剤が添加されていてもよい。シース40を形成する樹脂組成物は、有機過酸化物により架橋したり、電子線などの放射線により架橋してもよい。
酸化防止剤としては、特に限定されないが、例えばフェノール系、硫黄系、アミン系、リン系酸化防止剤が挙げられる。例えばフェノール系酸化防止剤としては、その種類は特に限定されないが、例えばジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジル)−S−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等が挙げられ、より好適にはペンタエリスリトールテトラキス[3−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]である。また例えば硫黄系酸化防止剤としては、その種類は特に限定されないが、ジドデシル3,3‘−チオジプロピオネート、ジトリデシル3,3‘−チオジプロピオネート、ジオクタデシル3,3‘−チオジプロピオネート、テトラキス[メチレン−3−(ドデシルチオ)プロピオネート]メタン等が挙げられ、より好適には、テトラキス[メチレン−3−(ドデシルチオ)プロピオネート]メタンである。これらの酸化防止剤は単独または2種以上をブレンドして用いることができる。
金属不活性剤は、金属イオンをキレート形成により安定化し酸化劣化を抑制する効果があり、その構造は特に限定されないが、例えば、N−(2H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)サリチルアミド、ドデカン二酸ビス[N2−(2−ヒドロキシベンゾイル)ヒドラジド]、2’,3−ビス[[3−[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオニル]]プロピオノヒドラジド等が挙げられ、より好適には2’,3−ビス[[3−[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオニル]]プロピオノヒドラジドである。
架橋助剤としては、特に限定されないが、例えばトリメテロールプロパントリメタクリレート(TMPT)や、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)の使用が望ましい。
滑剤としては、特に限定されないが、脂肪酸、脂肪酸金属塩、脂肪酸アミド等が挙げられ、具体的にはステアリン酸亜鉛の使用が挙げられ、単独または2種以上をブレンドして用いることができる。
カーボンブラックとしては、特に限定されないが、ゴム用カーボンブラック(N900−N100:ASTM D 1765−01)の使用が一般的である。
着色剤としては、特に限定されないが、ノンハロゲン用のカラーマスターバッチ等が使用できる。
LANケーブル100の十分な難燃性を得るために、絶縁体12およびシース40は、絶縁体12およびシース40の酸素指数の合計が50.0以上となるように構成される。
ここで、酸素指数の測定は、JIS K 6269に準拠する方法で測定され、絶縁体12とシース40の酸素指数の合計値は、以下の式で求められる。
(合計の酸素指数)=(X十X)/(V+V
:絶縁体の酸素指数
:ケーブル断面の絶縁体の面積
:シースの酸素指数
:ケーブル断面のシースの面積
絶縁体材料およびシース材料の配合を変化させて、実施例および比較例のLANケーブルを作製し、シース特性およびケーブル特性を評価した。表1に実施例、表2に比較例について、材料の配合と評価とをまとめて示す。
Figure 0006658236
Figure 0006658236
LANケーブルの作製方法について説明する。絶縁体、シースの材料としては、実施例については表1、比較例については表2に示した配合割合で各種成分を配合して、加圧ニーダによって開始温度40℃、終了温度190℃で混練後、混練物をペレットにしたものを用いた。
外径0.78mmのスズめっき銅導線に絶縁体材料を厚さ0.3mmで被覆し照射量7MRadの電子線照射により架橋して絶縁体を形成することで、絶縁電線を作製した。絶縁電線を4本撚り合わせたものに、アルミラミネートPETテープを1/4ラップで巻いて樹脂テープ層を形成し、樹脂テープ層上に銅編組をかぶせてシールド層を形成した。シールド層上にシース材料を厚さ1.1mmで被覆し照射量13MRadの電子線照射により架橋してシースを形成することで、LANケーブルを作製した。
シースおよびLANケーブルの試験方法について説明する。
<シース試験方法>
作製したLANケーブルからシース材のみを剥ぎ取り、6号ダンベル試験片に打抜き、以下の試験を実施することで、シースの特性を評価した。
(1)引張試験
JIS C 3005に準拠し、引張速度200mm/minの条件で引張試験を実施した。伸びについては、125%未満のものを×(不合格)とし、125%以上のものを○(合格)とした。引張強さについては、10MPa未満のものを×(不合格)とし、10MPa以上のものを○(合格)とした。
(2)低温性試験(シース材)
EN60811−1−4に準拠し、−40℃で引張速度25mm/minの条件で引張試験を実施した。伸び特性が30%以上のものを○(合格)とし、30%未満のものを×(不合格)とした。
<LANケーブル試験方法>
以下の試験により、LANケーブルの特性を評価した。
(3)低温性試験(ケーブル)
EN60811−1−4 8.1に準拠し、−40℃で曲げ試験を実施した。巻付け後に割れが発生しなかったものを○(合格)とし、割れが発生したものを×(不合格)とした。
(4)難燃性試験
IEEE規格1202に準拠し、VTFT試験を実施した。ケーブルの損傷距離が1.5m以下のものを○(合格)とし、1.3m以下のものを◎(裕度を持って合格)とし、1.5mより大きいものを×(不合格)とした。
(5)伝送特性試験
JIS X 5150、およびTIA−568−C,2に準拠し、静電容量試験、および−40℃での近端漏話減衰量試験を実施した。静電容量試験については、5.6nF/100m以下のものを○(合格)とし、それより大きいものを×(不合格)とした。近端漏話減衰量試験については、絶縁体4芯のうちの対間で測定し、周波数1MHzで65.3dB以上、かつ周波数100MHzで35.3dB以上のものを○(合格)とし、それより小さいものを×(不合格)とした。
シース特性およびケーブル特性の試験結果について説明する。
実施例1〜9では、シース特性およびケーブル特性は、すべて良好な結果を示している。
実施例2では、絶縁体材料に酸化防止剤を添加したが、比誘電率が規定の範囲内(2.5以下)となる添加量であれば、特性は良好であった。
実施例1、3および4では、シース材料のベースポリマであるEVAのVA量を変更したが、いずれも特性は良好であった。VA量が25質量%以上のEVAをベースとして使用すると、難燃性試験が裕度をもって合格しており、高い難燃性が要求される製品においては、VA量25質量%以上が好ましい。
実施例5では、シース材料のベースポリマであるEVAに微量のLDPEを添加したが、特性は良好であった。このように、シース材料に微量であれば他のポリオレフィンを添加しても差し支えない。
実施例6〜7では、酸変性ポリオレフィンの添加量を変更したが、規定の範囲内(10質量部以上30質量部以下)であれば特性は良好であった。酸変性ポリオレフィンの添加量が少ないと、シースは伸び特性に優れ、添加量が多いと、シースは引張強さ特性に優れる。
実施例8、9では、シース材料の難燃剤である水酸化マグネシウムの量を増量したが、添加量が規定の範囲内(220質量部以上250質量部以下)であれば、いずれも特性は良好であった。また、難燃性試験における損傷距離は、水酸化マグネシウムを増量するほど短くなる傾向があった。
一方、比較例1では、絶縁体の比誘電率が規定より大きく、静電容量が不合格となった。
比較例2では、シース材料の酸変性ポリオレフィンの添加量が規定より少なく、シース材の低温性試験が不合格となった。
比較例3では、酸変性ポリオレフィンの添加量が規定より多く、伸び特性が不合格となった。
比較例4および5では、シース材料の難燃剤添加量が規定より少なく、比較例4は、難燃性および−40℃での近端漏話減衰量が不合格となり、比較例5は、難燃性が不合格となった。
なお、−40℃での近端漏話減衰量を合格とするためには、難燃剤の添加量は200質量部以上とすることが好ましい。このように、難燃剤は、低温での伝送特性向上成分としても機能しており、難燃剤の添加量を220質量部以上とすることは、低温での伝送特性と、難燃性の両方を良好とするために好ましい。
比較例6では、シース材料の難燃剤添加量が規定より多く、伸び特性が不合格となった。
以上説明したように、難燃性と低温性を両立したノンハロゲンLANケーブルを製造することが可能となる。このようなLANケーブルは、種々の用途に用いることができるが、特に、鉄道車両用のLANケーブルとして好ましく用いることができる。
なお、上述の実施形態では4芯のLANケーブルを例示したが、絶緑体とシースの酸素指数の合計が規定の範囲内(50.0以上)となるように構成されるのであれば、上述のような絶縁体材料やシース材料を、2芯や他の構造のLANケーブルに適用してもよい。
以上、実施形態に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
以下、本発明の好ましい形態について付記する。
(付記1)
導線、および前記導線の外周に配置された絶縁体を有する絶縁電線と、
前記絶縁電線の外周に配置されたシースと、
を有し、
前記絶縁体は、比誘電率が2.5以下のポリエチレンを含有する樹脂組成物により形成され、
前記シースは、ポリオレフィン系樹脂と難燃剤とを含有する樹脂組成物により形成され、
前記ポリオレフィン系樹脂は、エチレン酢酸ビニル共重合体を前記ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して50質量部以上含有するとともに、ガラス転移温度が−50℃以下である酸変性ポリオレフィン樹脂を前記ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して10質量部以上30質量部以下含有し、
前記難燃剤は、前記ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して220質量部以上250質量部以下含有されており、
前記絶縁体および前記シースの酸素指数の合計が50.0以上である、LANケーブル。
(付記2)
前記エチレン酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル量は、好ましくは20質量%以上50質量%以下であり、より好ましくは25質量%以上46質量%以下である付記1に記載のLANケーブル。
(付記3)
前記難燃剤として、水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムの少なくとも一方が用いられている付記1または2に記載のLANケーブル。
(付記4)
他の導線、および前記他の導線の外周に配置された他の絶縁体を有する他の絶縁電線と、
前記絶縁電線と前記他の絶縁電線とが撚り合されたユニットの外周に配置されたシールド層と、をさらに有し、
前記シースは、前記シールド層の外周に配置されている付記1〜3のいずれか1つに記載のLANケーブル。
(付記5)
前記難燃剤が、低温での伝送特性向上成分として、前記ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して220質量部以上添加されていることで、前記絶縁電線と前記他の絶縁電線とが撚り合された対間に対して測定された、TIA−568−C,2に準拠する−40℃での近端漏話減衰量試験において、周波数1MHzで65.3dB以上、かつ周波数100MHzで35.3dB以上となる特性を有する付記4に記載のLANケーブル。
10 絶縁電線
11 導線
12 絶縁体
20 樹脂テープ層
30 シールド層
40 シース
100 LANケーブル

Claims (3)

  1. 導線、および前記導線の外周に配置された絶縁体を有する絶縁電線と、
    前記絶縁電線の外周に配置されたシースと、
    を有し、
    前記絶縁体は、比誘電率が2.5以下のポリエチレンを含有する樹脂組成物により形成され、
    前記シースは、ポリオレフィン系樹脂と難燃剤とを含有する樹脂組成物により形成され、
    前記ポリオレフィン系樹脂は、エチレン酢酸ビニル共重合体を前記ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して50質量部以上含有するとともに、ガラス転移温度が−50℃以下である酸変性ポリオレフィン樹脂を前記ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して10質量部以上30質量部以下含有し、
    前記難燃剤は、前記ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して220質量部以上250質量部以下含有されており、
    前記絶縁体および前記シースの酸素指数の合計が50.0以上である、LANケーブル。
  2. 前記エチレン酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル量は、20質量%以上50質量%以下である請求項1に記載のLANケーブル。
  3. 前記難燃剤として、水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムの少なくとも一方が用いられている請求項1または2に記載のLANケーブル。
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