JP2015067819A - ノンハロゲン樹脂組成物、絶縁電線及びケーブル - Google Patents
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Abstract
【課題】難燃性と伸び等の機械特性の両立を可能とするノンハロゲン樹脂組成物、並びに当該樹脂組成物からなる被覆層を備えた絶縁電線及びケーブルを提供する。
【解決手段】ポリオレフィン系樹脂からなるポリマー100質量部に対して、難燃剤としての非晶質微粒子シリカを10〜250質量部、難燃剤としての金属水酸化物を0〜200質量部含有し、かつ前記非晶質微粒子シリカ及び前記金属水酸化物の合計含有量が150〜250質量部であるノンハロゲン樹脂組成物が絶縁層として被覆されている電線・ケーブル。
【選択図】図1
【解決手段】ポリオレフィン系樹脂からなるポリマー100質量部に対して、難燃剤としての非晶質微粒子シリカを10〜250質量部、難燃剤としての金属水酸化物を0〜200質量部含有し、かつ前記非晶質微粒子シリカ及び前記金属水酸化物の合計含有量が150〜250質量部であるノンハロゲン樹脂組成物が絶縁層として被覆されている電線・ケーブル。
【選択図】図1
Description
本発明は、難燃性のノンハロゲン樹脂組成物、絶縁電線及びケーブルに関するものである。
従来、電線やケーブル等に使用される難燃性のノンハロゲン樹脂組成物として、ポリオレフィン系樹脂に、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物を添加した樹脂組成物が用いられている。
これらのノンハロゲン樹脂組成物は、ハロゲン化合物を含まないため、燃焼時に塩化水素等の有毒ガスやダイオキシン等の有毒物質が発生しないので、火災時においても有毒ガス等が発生せず、二次災害を防止することができ、かつ、廃棄時に焼却処分を行っても問題とならない。
しかし、金属水酸化物の添加による難燃効果は小さく、目的の難燃性を得られない場合が多いため、金属水酸化物の添加量を増量することが行われている。
一方、燃焼後の殻強度を高めるためにシリカ(コロイダルシリカ)が添加された難燃性樹脂組成物が知られている(特許文献1参照)。また、ダイオキシン及び発煙量を抑えるために非常に微細な粒子からなるフュームドシリカを含む樹脂配合物が知られている(特許文献2参照)。これらのシリカは表面に活性なOH基(水酸基)を有しており、また粒子の形状も球状ではないため、凝集しやすい。例えば、特許文献1では10重量%より多く添加すると材料の溶融粘度が上がり成形性が非常に悪くなると記載されている。
また、難燃性添加剤としてのマイクロシリカ(粒状非晶質SiO2)を含有するエンジニアリングプラスチックが知られている(特許文献3参照)。
従来の技術である、金属水酸化物の多量添加は、伸び等の機械特性の低下につながることが多く、難燃性と伸び等の機械特性の両立が困難であることが最大の課題であった。
そこで、本発明は、難燃性と伸び等の機械特性の両立を可能とするノンハロゲン樹脂組成物、並びに当該樹脂組成物からなる被覆層を備えた絶縁電線及びケーブルを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明によれば、以下のノンハロゲン樹脂組成物、絶縁電線及びケーブルが提供される。
[1]ポリオレフィン系樹脂からなるポリマー100質量部に対して、難燃剤としての非晶質微粒子シリカを10〜250質量部、難燃剤としての金属水酸化物を0〜200質量部含有し、かつ前記非晶質微粒子シリカ及び前記金属水酸化物の合計含有量が150〜250質量部であるノンハロゲン樹脂組成物。
[2]前記金属水酸化物は、水酸化アルミニウム以外の金属水酸化物であることを特徴とする前記[1]に記載のノンハロゲン樹脂組成物。
[3]前記非晶質微粒子シリカは、比重2.0±0.3g/cm3、比表面積15〜50m2/gであることを特徴とする前記[1]又は前記[2]に記載のノンハロゲン樹脂組成物。
[4]前記ポリオレフィン系樹脂としてエチレン−酢酸ビニル共重合体が使用され、前記ポリマー中の酢酸ビニル含有量(VA量)が20〜45質量%であることを特徴とする前記[1]〜[3]のいずれか1つに記載のノンハロゲン樹脂組成物。
[5]前記エチレン−酢酸ビニル共重合体は、メルトマスフローレイト(MFR)が1.0(g/10min)以下であることを特徴とする前記[4]に記載のノンハロゲン樹脂組成物。
[6]前記ポリマー100質量部に対して、トリアジン誘導体を5〜40質量部含有することを特徴とする前記[1]〜[5]のいずれか1つに記載のノンハロゲン樹脂組成物。
[7]前記[1]〜[6]のいずれか1つに記載のノンハロゲン樹脂組成物が絶縁層として被覆されていることを特徴とする絶縁電線。
[8]前記[7]に記載の絶縁電線を有することを特徴とするケーブル。
[9]前記[1]〜[6]のいずれか1つに記載のノンハロゲン樹脂組成物がシースとして被覆されていることを特徴とするケーブル。
[2]前記金属水酸化物は、水酸化アルミニウム以外の金属水酸化物であることを特徴とする前記[1]に記載のノンハロゲン樹脂組成物。
[3]前記非晶質微粒子シリカは、比重2.0±0.3g/cm3、比表面積15〜50m2/gであることを特徴とする前記[1]又は前記[2]に記載のノンハロゲン樹脂組成物。
[4]前記ポリオレフィン系樹脂としてエチレン−酢酸ビニル共重合体が使用され、前記ポリマー中の酢酸ビニル含有量(VA量)が20〜45質量%であることを特徴とする前記[1]〜[3]のいずれか1つに記載のノンハロゲン樹脂組成物。
[5]前記エチレン−酢酸ビニル共重合体は、メルトマスフローレイト(MFR)が1.0(g/10min)以下であることを特徴とする前記[4]に記載のノンハロゲン樹脂組成物。
[6]前記ポリマー100質量部に対して、トリアジン誘導体を5〜40質量部含有することを特徴とする前記[1]〜[5]のいずれか1つに記載のノンハロゲン樹脂組成物。
[7]前記[1]〜[6]のいずれか1つに記載のノンハロゲン樹脂組成物が絶縁層として被覆されていることを特徴とする絶縁電線。
[8]前記[7]に記載の絶縁電線を有することを特徴とするケーブル。
[9]前記[1]〜[6]のいずれか1つに記載のノンハロゲン樹脂組成物がシースとして被覆されていることを特徴とするケーブル。
本発明によれば、難燃性と伸び等の機械特性の両立を可能とするノンハロゲン樹脂組成物、並びに当該樹脂組成物からなる被覆層を備えた絶縁電線及びケーブルが提供される。
以下、本発明のノンハロゲン樹脂組成物、絶縁電線及びケーブルの一実施形態について具体的に説明する。
〔ノンハロゲン樹脂組成物〕
本発明の実施形態に係るノンハロゲン樹脂組成物は、ポリオレフィン系樹脂からなるポリマー100質量部に対して、難燃剤としての非晶質微粒子シリカを10〜250質量部、難燃剤としての金属水酸化物を0〜200質量部含有し、かつ前記非晶質微粒子シリカ及び前記金属水酸化物の合計含有量が150〜250質量部である。
本発明の実施形態に係るノンハロゲン樹脂組成物は、ポリオレフィン系樹脂からなるポリマー100質量部に対して、難燃剤としての非晶質微粒子シリカを10〜250質量部、難燃剤としての金属水酸化物を0〜200質量部含有し、かつ前記非晶質微粒子シリカ及び前記金属水酸化物の合計含有量が150〜250質量部である。
(ポリオレフィン系樹脂からなるポリマー)
本実施の形態に係るノンハロゲン樹脂組成物は、ポリオレフィン系樹脂からなるポリマーを含有する。ポリオレフィン系樹脂としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、直鎖状超低密度ポリエチレン(VLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−スチレン共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−ブテン−ヘキセン三元共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)、エチレン−オクテン共重合体(EOR)、エチレン共重合ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体(EPR)、ポリ−4−メチル−ペンテン−1、マレイン酸グラフト低密度ポリエチレン、水素添加スチレン−ブタジエン共重合体(H−SBR)、マレイン酸グラフト直鎖状低密度ポリエチレン、エチレンと炭素数が4〜20のαオレフィンとの共重合体、エチレン−スチレン共重合体、マレイン酸グラフトエチレン−メチルアクリレート共重合体、マレイン酸グラフトエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸三元共重合体、ブテン−1を主成分とするエチレン−プロピレン−ブテン−1三元共重合体などが挙げられる。好ましくはポリプロピレン(PP)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−ブテン−1共重合体であり、より好ましくはエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)である。これらは単独又は2種以上をブレンドして用いることができる。ブレンドする際には、ポリオレフィン系樹脂中の70質量%以上がEVAであることが好ましく、90質量%以上がEVAであることがより好ましく、95質量%がEVAであることがさらに好ましい。また、2種以上の各ポリオレフィン系樹脂、例えば2種以上のEVAをブレンドして用いることもできる。
本実施の形態に係るノンハロゲン樹脂組成物は、ポリオレフィン系樹脂からなるポリマーを含有する。ポリオレフィン系樹脂としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、直鎖状超低密度ポリエチレン(VLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−スチレン共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−ブテン−ヘキセン三元共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)、エチレン−オクテン共重合体(EOR)、エチレン共重合ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体(EPR)、ポリ−4−メチル−ペンテン−1、マレイン酸グラフト低密度ポリエチレン、水素添加スチレン−ブタジエン共重合体(H−SBR)、マレイン酸グラフト直鎖状低密度ポリエチレン、エチレンと炭素数が4〜20のαオレフィンとの共重合体、エチレン−スチレン共重合体、マレイン酸グラフトエチレン−メチルアクリレート共重合体、マレイン酸グラフトエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸三元共重合体、ブテン−1を主成分とするエチレン−プロピレン−ブテン−1三元共重合体などが挙げられる。好ましくはポリプロピレン(PP)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−ブテン−1共重合体であり、より好ましくはエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)である。これらは単独又は2種以上をブレンドして用いることができる。ブレンドする際には、ポリオレフィン系樹脂中の70質量%以上がEVAであることが好ましく、90質量%以上がEVAであることがより好ましく、95質量%がEVAであることがさらに好ましい。また、2種以上の各ポリオレフィン系樹脂、例えば2種以上のEVAをブレンドして用いることもできる。
ポリオレフィン系樹脂としてエチレン−酢酸ビニル共重合体を使用した場合、ポリマー中の酢酸ビニル含有量(VA量)が20〜45質量%であることが好ましく、23〜41質量%であることがより好ましく、28〜33質量%であることがさらに好ましい。
ポリマー中のVA量は、ポリマーに用いるポリマーの種類が、1,2,3・・・k・・・n個あったとき、下記式(1)によって導かれる。
上記式(1)中、XはポリマーkのVA量(質量%)、Yはポリマーkのポリマー全体を占める割合、及びkは自然数をそれぞれ示す。
また、本実施の形態において、EVAは、メルトマスフローレイト(MFR)が1.0(g/10min)以下であるものを用いることが好ましい。
(非晶質微粒子シリカ)
本実施の形態に係るノンハロゲン樹脂組成物は、難燃剤として、非晶質微粒子シリカを含有する。非晶質微粒子シリカとしては、比重2.0±0.3g/cm3、比表面積15〜50m2/gを有するものを使用することが好ましい。当該非晶質微粒子シリカを使用することにより、本発明の効果を奏することが可能となる。非晶質微粒子シリカの比重は、2.15〜2.25g/cm3であることがより好ましく、比表面積は、30〜50m2/gであることがより好ましい。
本実施の形態に係るノンハロゲン樹脂組成物は、難燃剤として、非晶質微粒子シリカを含有する。非晶質微粒子シリカとしては、比重2.0±0.3g/cm3、比表面積15〜50m2/gを有するものを使用することが好ましい。当該非晶質微粒子シリカを使用することにより、本発明の効果を奏することが可能となる。非晶質微粒子シリカの比重は、2.15〜2.25g/cm3であることがより好ましく、比表面積は、30〜50m2/gであることがより好ましい。
なお、本実施の形態で使用する非晶質微粒子シリカは、非晶質シリカを形成させる方法から得られる。非晶質シリカの精製方法は、例えば、シリカをガスに還元し、蒸気相中で酸化する方法等が挙げられる。非晶質微粒子シリカのSiO2成分は、90%以上が好ましく、95%以上がより好ましい。非晶質微粒子シリカの一次粒子形状は球形に近く、平均粒径は100〜200nm(0.1〜0.2μm)程度である。形状が球状であり、活性な水酸基が少ないことにより背景技術で述べた従来の微粒子シリカと比較し、凝集しにくい。これにより樹脂中に高充填しても、凝集による成形性の悪化、伸び等の特性の低下を起こすことがなく、ナノシリカと同等以上の難燃性を付与することが可能となる。一方、従来使用されてきたナノシリカは、一次粒子径が数〜数十nmであり、形状は不定形で多孔質であった。また表面に活性な水酸基があるため、水素結合によって強力に凝集しており、樹脂中に一次粒子として分散させることは困難であった。
非晶質微粒子シリカは、ポリオレフィン系樹脂からなるポリマー100質量部に対して、10〜250質量部、添加される。10質量部未満では十分な難燃効果が得られず、250質量部より多く添加すると伸び特性が著しく低下する。非晶質微粒子シリカの添加量は、50〜230質量部であることが好ましく、80〜210質量部であることがより好ましく、100〜200質量部であることがさらに好ましい。
(金属水酸化物)
本発明の実施形態に係るノンハロゲン樹脂組成物は、難燃剤として、金属水酸化物を含有することが好ましい。金属水酸化物としては、水酸化アルミニウム以外の金属水酸化物であることが好ましい。具体的には、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等が挙げられるが、水酸化マグネシウムを用いることが好ましい。これらは、単独で使用しても2種以上を併用しても良い。また、これらの難燃剤は、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、ステアリン酸等の脂肪酸、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩等によって表面処理されているものを用いても差し支えない。
本発明の実施形態に係るノンハロゲン樹脂組成物は、難燃剤として、金属水酸化物を含有することが好ましい。金属水酸化物としては、水酸化アルミニウム以外の金属水酸化物であることが好ましい。具体的には、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等が挙げられるが、水酸化マグネシウムを用いることが好ましい。これらは、単独で使用しても2種以上を併用しても良い。また、これらの難燃剤は、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、ステアリン酸等の脂肪酸、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩等によって表面処理されているものを用いても差し支えない。
金属水酸化物は、添加されなくても本願発明の効果を奏するが、ポリオレフィン系樹脂からなるポリマー100質量部に対して、200質量部以下、添加されることが好ましい。金属水酸化物の添加量は、30〜180質量部であることよりが好ましく、50〜150質量部であることがさらに好ましい。
また、上記非晶質微粒子シリカ及び上記金属水酸化物の合計含有量がポリオレフィン系樹脂からなるポリマー100質量部に対して150〜250質量部である必要がある。150質量部未満では十分な難燃効果が得られず、250質量部より多く添加すると伸び特性が低下する。好ましくは、180〜200質量部である。
(トリアジン誘導体)
本発明の実施形態に係るノンハロゲン樹脂組成物は、トリアジン誘導体を含有することが好ましい。トリアジン誘導体としては、メラミン、シアヌル酸、イソシアヌル酸、メラミンシアヌレート、硫酸メラミン等が挙げられる。これらは、単独で使用しても2種以上を併用しても良い。また、これらのトリアジン誘導体は、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、ステアリン酸等の脂肪酸、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩等によって表面処理されているものを用いても差し支えない。
本発明の実施形態に係るノンハロゲン樹脂組成物は、トリアジン誘導体を含有することが好ましい。トリアジン誘導体としては、メラミン、シアヌル酸、イソシアヌル酸、メラミンシアヌレート、硫酸メラミン等が挙げられる。これらは、単独で使用しても2種以上を併用しても良い。また、これらのトリアジン誘導体は、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、ステアリン酸等の脂肪酸、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩等によって表面処理されているものを用いても差し支えない。
トリアジン誘導体は、ポリオレフィン系樹脂からなるポリマー100質量部に対して、5〜40質量部、添加されることが好ましい。トリアジン誘導体を5〜40質量部添加することにより、さらなる難燃性が発現可能である。
(その他の添加剤)
本発明の実施形態に係るノンハロゲン樹脂組成物には、上記の難燃剤以外にも、必要に応じて、その他の難燃剤、酸化防止剤、金属不活性剤、架橋剤、架橋助剤、滑剤、無機充填剤、相溶化剤、安定剤、カーボンブラック、着色剤等の添加剤を加えることが可能である。更に、有機過酸化物により架橋したり、電子線などの放射線により架橋してもよい。
本発明の実施形態に係るノンハロゲン樹脂組成物には、上記の難燃剤以外にも、必要に応じて、その他の難燃剤、酸化防止剤、金属不活性剤、架橋剤、架橋助剤、滑剤、無機充填剤、相溶化剤、安定剤、カーボンブラック、着色剤等の添加剤を加えることが可能である。更に、有機過酸化物により架橋したり、電子線などの放射線により架橋してもよい。
その他の難燃剤としては、スズ酸亜鉛、ヒドロキシスズ酸亜鉛、ホウ酸亜鉛、酸化亜鉛等の亜鉛化合物、ホウ酸カルシウム、ホウ酸バリウム、メタホウ酸バリウム等のホウ酸化合物、リン系難燃剤、燃焼時に発泡する成分と固化する成分の混合物からなるインテュメッセント系難燃剤等が挙げられる。これらの難燃剤は、単独で又は2種以上をブレンドして用いることができる。
酸化防止剤としては、例えばフェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤等が挙げられる。
フェノール系酸化防止剤としては、例えばジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ-ベンジル)-S-トリアジン-2,4,6-(1H,3H,5H)トリオン、チオジエチレンビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等が挙げられ、より好適にはペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]である。
硫黄系酸化防止剤としては、例えばジドデシル3,3‘-チオジプロピオネート、ジトリデシル3,3‘-チオジプロピオネート、ジオクタデシル3,3’-チオジプロピオネート、2,2-ビス{[3-(ドデシルチオ)-1-オキソプロポキシ]メチル}プロパン-1,3-ジイルビス[3-(ドデシルチオ)プロピオネート](別名:テトラキス[メチレン-3-(ドデシルチオ)プロピオネート]メタン)等が挙げられ、より好適には、2,2-ビス{[3-(ドデシルチオ)-1-オキソプロポキシ]メチル}プロパン-1,3-ジイルビス[3-(ドデシルチオ)プロピオネート]である。
アミン系酸化防止剤としては、例えば6-エトキシ-1,2-ジヒドロ-2,2,4-トリメチルキノリン、フェニル-1-ナフチレン、アルキル化ジフェニルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、4,4’-ビス(α、α-ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン重合体、p-(p-トルエンスルホニルアミド)ジフェニルアミン、N,N’-ジ-2-ナフチル-p-フェニルジアミン、N,N’-ジフェニル-p-フェニレンジアミン、N-フェニル-N’-イソプロピル-p-フェニレンジアミン、N-フェニル-N’-(1,3-ジメチルブチル)-p-フェニレンジアミン、N-フェニル-N’-(3-メタクリロイルオキシ-2-ヒドロキシプロピル)-p-フェニレンジアミン、1,3-ベンゼンジカルボン酸ビス[2-(1-オキソ-2-フェノキシプロピル)ヒドラジド、2',3-ビス[[3-[3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル]プロピオニル]]プロピオノヒドラジド、3-(N-サリチロイルアミノ)-1H-1,2,4-トリアゾール、ドデカン二酸ビス[N2-(2-ヒドロキシベンゾイル)ヒドラジド]等が挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、例えばペンタエリスリトール系亜リン酸エステル、トリフェニルフォスファイト、トリオクタデシル−フォスファイト、トリラウリルトリチオフォスファイト等が挙げられる。
これらの酸化防止剤は、単独で又は2種以上をブレンドして用いることができる。
フェノール系酸化防止剤としては、例えばジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ-ベンジル)-S-トリアジン-2,4,6-(1H,3H,5H)トリオン、チオジエチレンビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等が挙げられ、より好適にはペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]である。
硫黄系酸化防止剤としては、例えばジドデシル3,3‘-チオジプロピオネート、ジトリデシル3,3‘-チオジプロピオネート、ジオクタデシル3,3’-チオジプロピオネート、2,2-ビス{[3-(ドデシルチオ)-1-オキソプロポキシ]メチル}プロパン-1,3-ジイルビス[3-(ドデシルチオ)プロピオネート](別名:テトラキス[メチレン-3-(ドデシルチオ)プロピオネート]メタン)等が挙げられ、より好適には、2,2-ビス{[3-(ドデシルチオ)-1-オキソプロポキシ]メチル}プロパン-1,3-ジイルビス[3-(ドデシルチオ)プロピオネート]である。
アミン系酸化防止剤としては、例えば6-エトキシ-1,2-ジヒドロ-2,2,4-トリメチルキノリン、フェニル-1-ナフチレン、アルキル化ジフェニルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、4,4’-ビス(α、α-ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン重合体、p-(p-トルエンスルホニルアミド)ジフェニルアミン、N,N’-ジ-2-ナフチル-p-フェニルジアミン、N,N’-ジフェニル-p-フェニレンジアミン、N-フェニル-N’-イソプロピル-p-フェニレンジアミン、N-フェニル-N’-(1,3-ジメチルブチル)-p-フェニレンジアミン、N-フェニル-N’-(3-メタクリロイルオキシ-2-ヒドロキシプロピル)-p-フェニレンジアミン、1,3-ベンゼンジカルボン酸ビス[2-(1-オキソ-2-フェノキシプロピル)ヒドラジド、2',3-ビス[[3-[3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル]プロピオニル]]プロピオノヒドラジド、3-(N-サリチロイルアミノ)-1H-1,2,4-トリアゾール、ドデカン二酸ビス[N2-(2-ヒドロキシベンゾイル)ヒドラジド]等が挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、例えばペンタエリスリトール系亜リン酸エステル、トリフェニルフォスファイト、トリオクタデシル−フォスファイト、トリラウリルトリチオフォスファイト等が挙げられる。
これらの酸化防止剤は、単独で又は2種以上をブレンドして用いることができる。
金属不活性剤は、金属イオンをキレート形成により安定化し、酸化劣化を抑制する効果がある。金属不活性剤としては、例えばN-(2H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)サリチルアミド、ドデカン二酸ビス[N2-(2-ヒドロキシベンゾイル)ヒドラジド]、2’,3-ビス[[3-[3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル]プロピオニル]]プロピオノヒドラジド等が挙げられ、より好適には2’,3-ビス[[3-[3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル]プロピオニル]]プロピオノヒドラジドである。
架橋剤としては、例えばジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、α,α'−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、ブチルクミルパーオキサイド、イソプロピルクミル−t−ブチルパーオキサイド等が挙げられる。
架橋助剤としては、例えばトリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPT)や、トリアリルイソシアヌレート(TAIC(登録商標))の使用が望ましい。
滑剤としては、例えば脂肪酸、脂肪酸金属塩、脂肪酸アミド等が挙げられ、具体的にはステアリン酸亜鉛等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上をブレンドして用いることができる。
無機充填剤としては、例えばクレー、タルク、シリカ等が挙げられる。これらは、脂肪酸、シラン等の表面処理剤で表面処理をすることも可能である。これらの無機充填剤は、単独で又は2種以上をブレンドして用いることができる。
カーボンブラックとしては、例えばゴム用カーボンブラック(N900-N100:ASTM D 1765-01)の使用が一般的である。
着色剤としては、例えばノンハロゲン用のカラーマスターバッチ等が使用できる。
〔絶縁電線〕
図1は、本発明の絶縁電線の一実施形態を示す断面図である。
図1は、本発明の絶縁電線の一実施形態を示す断面図である。
図1に示すように、本実施の形態に係る絶縁電線10は、汎用の材料、例えば、錫めっき銅等からなる導体1と、導体1の外周に被覆された絶縁体2とを備える。
絶縁体2は、本発明の実施の形態に係る上記のノンハロゲン樹脂組成物から構成されている。
本実施の形態においては、絶縁層を、単層で構成してもよく、また、多層構造とすることもできる。多層構造とした場合の具体例としては、最外層に上記ノンハロゲン樹脂組成物を、また、最外層以外にポリオレフィン樹脂を押出被覆することで得られる構造を挙げることができる。ポリオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン、EVA、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン‐メチルアクリレート共重合体、エチレン‐グリシジルメタクリレート共重合体、無水マレイン酸ポリオレフィン等を挙げることができ、これらを単独で又は2種以上を混合して用いることができる。さらに、必要に応じて、セパレータ、編組等を施してもよい。
最外層以外の絶縁層に用いる材料としてはゴム材料も適用可能であり、エチレン−プロピレン共重合体ゴム(EPR)、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体ゴム(EPDM)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、水素添加NBR(HNBR)、アクリルゴム、エチレン−アクリル酸エステル共重合体ゴム、エチレンオクテン共重合体ゴム(EOR)、エチレン−酢酸ビニル共重合体ゴム、エチレン−ブテン−1共重合体ゴム(EBR)、ブタジエン−スチレン共重合体ゴム(SBR)、イソブチレン−イソプレン共重合体ゴム(IIR)、ポリスチレンブロックを有するブロック共重合体ゴム、ウレタンゴム、ホスファゼンゴム等を挙げることができ、これらを単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
また、上記ポリオレフィン樹脂やゴム材料に限定されず、絶縁性を有するものであれば、特に制限はない。
〔ケーブル〕
図2は、本発明のケーブルの一実施形態を示す断面図である。
図2は、本発明のケーブルの一実施形態を示す断面図である。
図2に示すように、本実施の形態に係るケーブル20は、本実施の形態に係る絶縁電線10を3本撚り合わせた三芯撚り線と、三芯撚り線の外周に介在4及び押え巻きテープ5を介して被覆されたシース3とを備える。三芯撚り線は、紙介在4と共に撚り合わせられ、その外周に押え巻きテープ5が施されている。絶縁電線は単芯でもよく、三芯以外の多芯撚り線であってもよい。
シース3は、本発明の実施の形態に係る上記のノンハロゲン樹脂組成物から構成されている。
本実施の形態においては、シースを、単層で構成してもよく、また、多層構造とすることもできる。多層構造とした場合の具体例としては、最外層に上記ノンハロゲン樹脂組成物を、また、最外層以外にポリオレフィン樹脂を押出被覆することで得られる構造を挙げることができる。ポリオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン、EVA、エチレン‐エチルアクリレート共重合体、エチレン‐メチルアクリレート共重合体、エチレン‐グリシジルメタクリレート共重合体、無水マレイン酸ポリオレフィン等を挙げることができ、これらを単独で又は2種以上を混合して用いることができる。さらに、必要に応じて、セパレータ、編組等を施してもよい。
なお、本実施の形態においては、本実施の形態に係る絶縁電線10を使用した例を示したが、汎用の材料を用いた絶縁電線を使用することもできる。
〔実施例及び比較例の絶縁電線の作製〕
図1に示す絶縁電線を以下のようにして製造した。
(1)表1及び表2に示した配合割合にしたがって各種成分を配合し、加圧ニーダによって開始温度40℃、終了温度190℃で混練後、混練物をペレットにした。
(2)65mm押出機を用いて、設定温度200℃で、外径1.1mmの銅導体上に、(1)で作製したペレットを外径0.98mm、絶縁体厚さ0.2mmになるように押出被覆した。押出被覆した後、10Mradの電子線を照射し、架橋させ、絶縁電線を作製した。
図1に示す絶縁電線を以下のようにして製造した。
(1)表1及び表2に示した配合割合にしたがって各種成分を配合し、加圧ニーダによって開始温度40℃、終了温度190℃で混練後、混練物をペレットにした。
(2)65mm押出機を用いて、設定温度200℃で、外径1.1mmの銅導体上に、(1)で作製したペレットを外径0.98mm、絶縁体厚さ0.2mmになるように押出被覆した。押出被覆した後、10Mradの電子線を照射し、架橋させ、絶縁電線を作製した。
電線の評価は、以下に示す方法により行なった。評価結果を表1及び表2に示す。
(1)引張試験
作製した電線について、JIS C 3005に準拠して引張試験を行なった。引張強さは、10MPa未満のものを×(不合格)、10〜13MPaのものを○(合格)、それ以上のものを◎(裕度を持って合格)とした。また、伸びは、150%未満のものを×(不合格)、150〜300%のものを○(合格)、それ以上のものを◎(裕度を持って合格)とした。
作製した電線について、JIS C 3005に準拠して引張試験を行なった。引張強さは、10MPa未満のものを×(不合格)、10〜13MPaのものを○(合格)、それ以上のものを◎(裕度を持って合格)とした。また、伸びは、150%未満のものを×(不合格)、150〜300%のものを○(合格)、それ以上のものを◎(裕度を持って合格)とした。
(2)難燃性試験
作製した電線について、EN60332-1-2に準拠して電線形状での垂直燃焼試験(VW-1)を行った。判定は燃焼時間30秒未満のものを◎(裕度を持って合格)、1分未満のものを○(合格)、1分以上のものを×(不合格)とした。
作製した電線について、EN60332-1-2に準拠して電線形状での垂直燃焼試験(VW-1)を行った。判定は燃焼時間30秒未満のものを◎(裕度を持って合格)、1分未満のものを○(合格)、1分以上のものを×(不合格)とした。
(3)絶縁性試験(体積抵抗率試験)
表1及び表2に示す配合割合にしたがって各材料を配合し、設定温度150℃のオープンロールで混練後、プレス成形機を用いて1mm厚の金型に混練物を入れ、180℃で1分間、プレスし、1mmシートを作製した。作製した1mmシートについて、JIS K 6271に準拠し体積抵抗率を測定した。1×1013Ω・cm以上のものを◎(裕度を持って合格)、1×1012Ω・cm以上のものを○(合格)、1×1012Ω・cm未満のものを×(不合格)とした。
表1及び表2に示す配合割合にしたがって各材料を配合し、設定温度150℃のオープンロールで混練後、プレス成形機を用いて1mm厚の金型に混練物を入れ、180℃で1分間、プレスし、1mmシートを作製した。作製した1mmシートについて、JIS K 6271に準拠し体積抵抗率を測定した。1×1013Ω・cm以上のものを◎(裕度を持って合格)、1×1012Ω・cm以上のものを○(合格)、1×1012Ω・cm未満のものを×(不合格)とした。
〔実施例及び比較例における使用材料〕
(ポリマー)
・PP:(商品名)BC8A、日本ポリエチレン社製
・EVA※1:(商品名)V-9000、三井・デュポン・ポリケミカル社製
・EVA※2:(商品名)EV170、三井・デュポン・ポリケミカル社製
・EVA※3:(商品名)V-5274、三井・デュポン・ポリケミカル社製
・EEA:(商品名)ボンダインLX4110、アルケマ社製
・エチレン-ブテン共重合体:(商品名)タフマーDF-810、三井化学社製
(難燃剤)
・非晶質微粒子シリカ:(商品名)SIDISTAR T120U、エルケム・ジャパン製、比重2.2g/cm3、比表面積40m2/g
・水酸化マグネシウム:(商品名)マグシーズS4、神島化学社製
・メラミンシアヌレート:(商品名)MC-5S、堺化学工業社製
・ナノシリカ:(商品名)アエロジルR972、日本アエロジル社製、一次粒径16nm、比表面積110m2/gのフュームドシリカ
(酸化防止剤)
・フェノール系酸化防止剤:(商品名)イルガノックス1010、BASFジャパン社製
・硫黄系酸化防止剤:(商品名)AO-412S、ADEKA社製
(ポリマー)
・PP:(商品名)BC8A、日本ポリエチレン社製
・EVA※1:(商品名)V-9000、三井・デュポン・ポリケミカル社製
・EVA※2:(商品名)EV170、三井・デュポン・ポリケミカル社製
・EVA※3:(商品名)V-5274、三井・デュポン・ポリケミカル社製
・EEA:(商品名)ボンダインLX4110、アルケマ社製
・エチレン-ブテン共重合体:(商品名)タフマーDF-810、三井化学社製
(難燃剤)
・非晶質微粒子シリカ:(商品名)SIDISTAR T120U、エルケム・ジャパン製、比重2.2g/cm3、比表面積40m2/g
・水酸化マグネシウム:(商品名)マグシーズS4、神島化学社製
・メラミンシアヌレート:(商品名)MC-5S、堺化学工業社製
・ナノシリカ:(商品名)アエロジルR972、日本アエロジル社製、一次粒径16nm、比表面積110m2/gのフュームドシリカ
(酸化防止剤)
・フェノール系酸化防止剤:(商品名)イルガノックス1010、BASFジャパン社製
・硫黄系酸化防止剤:(商品名)AO-412S、ADEKA社製
表1に示すように、実施例1〜11では引張試験、難燃性試験、絶縁性試験のいずれの特性も良好な結果であった。
実施例1〜4で非晶質微粒子シリカの添加量を変更したが、規定量の10〜250質量部では良好な特性となった。非晶質微粒子シリカの添加量を増量するにつれて、難燃性が向上することが難燃性試験(VW−1試験)結果から裏付けられた。また、金属水酸化物である水酸化マグネシウムと併用した実施例1〜2でも特性は良好であった。
実施例3、5、6でVA量の異なるEVAを使用したが、特性はすべて良好であった。また、ポリマー中のVA量が20〜45質量%である、実施例3及び5は難燃性が向上しており、より好ましい。
実施例7ではベースポリマーとしてEEAを使用し、実施例8〜9では2種のポリマーをブレンドしたが特性はすべて良好であった。
実施例10〜11ではトリアジン誘導体であるメラミンシアヌレートを規定量添加したが、実施例2と比較して難燃性が向上しており、添加することが好ましい。
これに対し、表2に示すように、非晶質微粒子シリカ未添加の比較例1、規定量より少ない比較例2では難燃性が不合格となった。
注記すべきは、実施例2と比較例1の難燃性試験結果である。比較例1は水酸化マグネシウム量220質量部で難燃性試験不合格であるのに対し、実施例2は難燃剤添加量が合計200質量部で合格している。非晶質微粒子シリカを添加することで、難燃剤の総添加量が低減可能であることが確認できた。
非晶質微粒子シリカの添加量が規定より多い比較例3、及び難燃剤の総添加量が規定より多い比較例4は伸び特性が不合格となった。
難燃剤として従来技術であるナノシリカを添加した比較例5〜7は、伸び特性及び難燃性が不合格であった。これはナノシリカ凝集により均一に分散していなかったことが要因と考えられる。また、比較例6及び7は電線試作時の装置負荷が高く、成形性にも問題があった。
本発明の難燃性発現のメカニズムは、燃焼初期に非晶質微粒子シリカが均一に配列することで硬い固化層(チャー)形成することと、凝集せずに分散しているためシリカを起点とするガス化発泡径が細かいことが燃焼物の拡散を抑制しているものと推察する。
1:導体、2:絶縁体、3:シース、4:介在、5:押え巻きテープ
10:絶縁電線、20:ケーブル
10:絶縁電線、20:ケーブル
Claims (9)
- ポリオレフィン系樹脂からなるポリマー100質量部に対して、難燃剤としての非晶質微粒子シリカを10〜250質量部、難燃剤としての金属水酸化物を0〜200質量部含有し、かつ前記非晶質微粒子シリカ及び前記金属水酸化物の合計含有量が150〜250質量部であるノンハロゲン樹脂組成物。
- 前記金属水酸化物は、水酸化アルミニウム以外の金属水酸化物であることを特徴とする請求項1に記載のノンハロゲン樹脂組成物。
- 前記非晶質微粒子シリカは、比重2.0±0.3g/cm3、比表面積15〜50m2/gであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のノンハロゲン樹脂組成物。
- 前記ポリオレフィン系樹脂としてエチレン−酢酸ビニル共重合体が使用され、前記ポリマー中の酢酸ビニル含有量(VA量)が20〜45質量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のノンハロゲン樹脂組成物。
- 前記エチレン−酢酸ビニル共重合体は、メルトマスフローレイト(MFR)が1.0(g/10min)以下であることを特徴とする請求項4に記載のノンハロゲン樹脂組成物。
- 前記ポリマー100質量部に対して、トリアジン誘導体を5〜40質量部含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のノンハロゲン樹脂組成物。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載のノンハロゲン樹脂組成物が絶縁層として被覆されていることを特徴とする絶縁電線。
- 請求項7に記載の絶縁電線を有することを特徴とするケーブル。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載のノンハロゲン樹脂組成物がシースとして被覆されていることを特徴とするケーブル。
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