JP2018190585A - Lanケーブル - Google Patents

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Landscapes

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Abstract

【課題】高い難燃性を有するLANケーブルを提供する。【解決手段】導体の外周に絶縁層を備えた絶縁電線と、前記絶縁電線の外周を被覆するシースとを備えたLANケーブルにおいて、前記シースと前記絶縁電線との間に、800℃での質量減少率が80質量%以下である中間層を有し、前記シースは、800℃での質量減少率が60質量%以下である架橋物からなることを特徴とするLANケーブル。【選択図】図1

Description

本発明は、LANケーブルに関する。
LANケーブルは、LAN(Local Area Network)構築に用いられる。LANケーブルは、導体の外周に絶縁層を形成した絶縁電線の外周を被覆するシースを備えた構成からなり、そのシースには、ノンハロゲン難燃樹脂組成物を用いるものがある(例えば、特許文献1を参照)。
LANケーブルは、伝送特性を維持するために、絶縁層への難燃剤の添加は避けるべきであるため、シースに難燃剤を高充填したノンハロゲン難燃樹脂組成物を使用する難燃手法が採られていた。
特開2015−4025号公報
しかしながら、かかる従来の難燃手法では、海外規格に代表される難燃性試験に求められる高い難燃性を実現することができず、更なる改良の余地があった。
そこで、本発明の目的は、高い難燃性を有するLANケーブルを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明によれば、以下のLANケーブルが提供される。
[1]導体の外周に絶縁層を備えた絶縁電線と、前記絶縁電線の外周を被覆するシースとを備えたLANケーブルにおいて、前記シースと前記絶縁電線との間に、800℃での質量減少率が80質量%以下である中間層を有し、前記シースは、800℃での質量減少率が60質量%以下であるノンハロゲン難燃性樹脂組成物である架橋物からなることを特徴とするLANケーブル。
[2]前記シースは、ポリオレフィン系ポリマー100質量部に対して、難燃剤を150質量部以上含有することを特徴とする[1]に記載のLANケーブル。
[3]前記中間層は、ポリイミドフィルムからなることを特徴とする[1]又は[2]に記載のLANケーブル。
[4]前記難燃剤は、水酸化マグネシウム又は水酸化アルミニウムからなることを特徴とする[2]に記載のLANケーブル。
本発明によれば、高い難燃性を有するLANケーブルを提供することができる。
本発明の一実施形態に係るLANケーブルの断面図である。
<本発明の一実施形態>
以下、本発明の一実施形態について説明する。
〔LANケーブル〕
本発明の実施形態に係るLANケーブルは、導体の外周に絶縁層を備えた絶縁電線と、前記絶縁電線の外周を被覆するシースとを備えたLANケーブルにおいて、前記シースと前記絶縁電線との間に、800℃での質量減少率が80質量%以下である中間層を有し、前記シースは、800℃での質量減少率が60質量%以下であるノンハロゲン難燃性樹脂組成物である架橋物からなる。
シースに難燃剤を高充填する従来の難燃手法では、例えば、EN45545、NFPA130等の海外規格に代表される難燃性試験に求められる高難燃性を実現することができなかった。
そこで、本発明者らは、かかる従来の難燃手法では、絶縁層の燃焼を抑制することができないことを実証した上で、燃焼時に絶縁層から発生する可燃性ガスの燃焼場への流出を抑制する必要がある点に着目した。
そして、本発明者らは、絶縁層から発生する可燃性ガスの燃焼場への流出を抑制するには、中間層が燃焼時に形状を保持する必要があり、また、燃焼時にシースがドリップしてしまうと中間層が酸素存在下で燃焼してしまうため、シースが燃焼時にドリップすることなく炭化層を形成する必要があると考えた。
そこで、本発明は、シースと絶縁電線との間に800℃での質量減少率が80質量%以下である中間層と、800℃での質量減少率が60質量%以下であるノンハロゲン難燃性樹脂組成物である架橋物からなるシースとを採用した。
(中間層)
中間層は、シースと絶縁電線との間に設けられている。中間層は800℃での質量減少率が80質量%以下であり、より好ましくは、60質量%以下である。中間層の質量減少率は熱重量測定機(TGA)を用い、チッソ雰囲気中において昇温速度10℃/分の条件で測定し、加熱前後での質量の変化率を測定した値である。上記の特性を有する中間層を備えることにより、燃焼時における形状を保持することができ、絶縁層から発生する可燃性ガスの燃焼場への流出を抑制することができ、高い難燃性を満足することができる。
中間層の材質としては、例えば、金属及び有機物等が挙げられる。金属としては、銅等が挙げられる。また、中間層の材質として有機物を用いれば、LANケーブルの可撓性を一層向上させることができる。有機物としては、ポリイミド、マイカ等が挙げられるが、ポリイミドが好ましい。
LANケーブルにおける中間層の位置は適宜選択することができるが、シース直下の位置が好ましい。シース直下である場合、シースと中間層とを密着させることでシースと中間層との間に空気が介在しない分、シースが燃焼時に炭化し、中間層が酸素雰囲気下で燃焼することを抑制する効果が更に高まると考えられる。
中間層の形態としては、例えば、フィルムを巻いて構成された形態が挙げられる。複数枚のフィルムを複数場所に巻いて中間層を構成してもよい。フィルムの巻き方としては、特に限定されないが、例えば、横巻き、縦添え等が挙げられる。フィルムの巻き方を横巻きとすることにより、LANケーブルの可撓性を一層向上させることができる。横巻きの場合、例えば、フィルムのうち、規定の幅の部分をラップさせながら巻くことができる。ラップの量は、1/4ラップ以上であることが好ましい。
(シース)
シースは800℃での質量減少率が60質量%以下であるノンハロゲン難燃性樹脂組成物からなる架橋物であり、より好ましくは、52質量%以上58質量%以下、52質量%以上56質量%以下、52質量%以上54質量%以下である。シースの質量減少率は熱重量測定機(TGA)を用い、窒素雰囲気中において昇温速度10℃/分の条件で測定し、加熱前後での質量変化率を測定した値である。上記の特性を有するシースを備えることにより、燃焼時にシースがドリップせず、中間層を酸素が欠乏した状態にすることで、難燃性を満足することができる。
シースは架橋されていれば特に架橋度は限定しないが、好適にはゲル分率80質量%以上のものを用いることができる。ゲル分率の測定は、JIS C 3005の4.25項の架橋度測定方法に準拠し、110℃キシレン中にシースを24時間浸漬し、浸漬前後の重量比から算出した値である。
シースには、ポリオレフィン系ポリマーを用いることができる。ポリオレフィン系ポリマーは、シースのベースポリマーとして用いることが好ましい。ポリオレフィン系ポリマーとして、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、直鎖状超低密度ポリエチレン(VLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−スチレン共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−ブテン−ヘキセン三元共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)、エチレン−オクテン共重合体(EOR)、エチレン共重合ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体(EPR)、ポリ−4−メチル−ペンテン−1、マレイン酸グラフト低密度ポリエチレン、水素添加スチレン−ブタジエン共重合体(H-SBR)、マレイン酸グラフト直鎖状低密度ポリエチレン、エチレンと炭素数が4から20までのαオレフィンとの共重合体、エチレン-スチレン共重合体、マレイン酸グラフトエチレン−メチルアクリレート共重合体、マレイン酸グラフトエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸三元共重合体、ブテン−1を主成分とするエチレン−プロピレン−ブテン−1三元共重合体等が挙げられる。ポリオレフィン系ポリマーとして、EVAが好ましく、VA量20質量%以上50質量%以下のEVAが特に好ましい。ポリオレフィン系ポリマーとして、いずれか1種のEVAを単独で用いてもよいし、2種以上のEVAをブレンドして用いてもよい。
シースは、ポリオレフィン系ポリマーに対して難燃剤を含有するものを用いることができる。難燃剤として、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム等の金属水酸化物、非晶質シリカ、スズ酸亜鉛、ヒドロキシスズ酸亜鉛、ホウ酸亜鉛、酸化亜鉛等の亜鉛化合物等、ホウ酸カルシウム、ホウ酸バリウム、メタホウ酸バリウム等のホウ酸化合物、リン系難燃剤、メラミンシアヌレート等の窒素系難燃剤、燃焼時に発泡する成分と固化する成分との混合物からなるインテュメッセント系難燃剤等が挙げられる。難燃剤として、好ましくは、金属水酸化物であり、特に好ましくは、水酸化マグネシウムである。難燃剤として、水酸化マグネシウム、及び/又は、水酸化アルミニウムを含む場合、LANケーブルの難燃性が一層向上する。
上記の難燃剤のうち、いずれか1種を単独で用いてもよいし、2種以上をブレンドして用いてもよい。例えば、水酸化マグネシウムと水酸化アルミニウムとをブレンドして用いてもよい。また、上記の難燃剤は、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、ステアリン酸やステアリン酸カルシウム等の脂肪酸、脂肪酸金属塩等によって表面処理されたものであってもよい。
難燃剤の添加量は、100質量部のポリオレフィン系ポリマーに対し、150質量部以上である。150質量部以上であることにより、LANケーブルの難燃性が向上する。難燃剤の添加量における上限値は特に限定されないが、250質量部以下が好ましい。難燃剤の添加量を抑えることにより、低温下におけるシースの伸びを一層大きくすることができる。より好ましくは、難燃剤の添加量は、100質量部のポリオレフィン系ポリマーに対し、150質量部以上220質量部以下、180質量部以上200質量部以下である。
シースは、必要に応じて、酸化防止剤、金属不活性剤、架橋剤、架橋助剤、滑剤、無機充填剤、相溶化剤、安定剤、カーボンブラック、着色剤等の添加剤等をさらに含んでいてもよい。また、シースを、有機過酸化物により架橋したり、電子線等の放射線により架橋したりしてもよい。
酸化防止剤としては、特に限定されないが、例えば、フェノール系、硫黄系、アミン系、リン系酸化防止剤等が挙げられる。フェノール系酸化防止剤としては、特に限定されないが、例えばジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート] 、1,3,5-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ-ベンジル)-S-トリアジン-2,4,6-(1H,3H,5H)トリオン、チオジエチレンビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等が挙げられ、より好適には、ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]である。
硫黄系酸化防止剤としては、特に限定されないが、例えば、ジドデシル3,3’-チオジプロピオネート、ジトリデシル3,3’-チオジプロピオネート、ジオクタデシル3,3’-チオジプロピオネート、テトラキス[メチレン-3-(ドデシルチオ)プロピオネート]メタン等が挙げられ、より好適には、テトラキス[メチレン-3-(ドデシルチオ)プロピオネート]メタンである。これらの酸化防止剤は、いずれか1種を単独で用いてもよいし、2種以上をブレンドして用いてもよい。
金属不活性剤は、金属イオンをキレート形成により安定化し、酸化劣化を抑制する効果がある。金属不活性剤の構造は特に限定されないが、例えば、N-(2H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)サリチルアミド、ドデカン二酸ビス[N2-(2-ヒドロキシベンゾイル)ヒドラジド]、2’,3-ビス[[3-[3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル]プロピオニル]]プロピオノヒドラジド等が挙げられ、より好適には、2’,3-ビス[[3-[3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル]プロピオニル]]プロピオノヒドラジドである。
架橋助剤としては、特に限定されないが、例えば、トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPT)、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)等が挙げられる。滑剤としては、特に限定されないが、例えば、脂肪酸、脂肪酸金属塩、脂肪酸アミド等が挙げられ、具体的には、ステアリン酸亜鉛が挙げられる。これらの滑剤は、いずれか1種を単独で用いてもよいし、2種以上をブレンドして用いてもよい。
カーボンブラックとしては、特に限定されないが、例えば、ゴム用カーボンブラック(N900-N100:ASTM D 1765-01)等が挙げられる。着色剤としては、特に限定されないが、例えば、ノンハロゲン用のカラーマスターバッチ等が挙げられる。
(絶縁電線)
絶縁電線は導体の外周に絶縁層を備える。導体としては、特にその材質を限定するものではないが、銅又は銅合金、アルミ又はアルミ合金を使用することができる。導体の構成についても特にこれを限定するものではないが、単線の他、ケーブルの屈曲性を考慮すると、複数の素線を撚り合わせた撚り線構造を採用するのが好適である。また、適宜これにメッキを施すことも可能であり、例えばスズめっきなどを被覆することもできる。
絶縁層の材質は特に限定しないが好適にはポリエチレンであり、より好適には誘電率が2.5以下であるポリエチレンである。ポリエチレンの誘電率が2.5以下であることにより、絶縁層の静電容量が小さくなる。そのことにより、LANケーブルの伝送特性が一層向上する。絶縁層全体の誘電率は、2.5以下であることが好ましい。この場合、LANケーブルの伝送特性が一層向上する。より好ましくは、絶縁層全体の誘電率は、1.9以上2.3以下、1.9以上2.1以下である。
ポリエチレンとしては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、直鎖状超低密度ポリエチレン(VLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)等が挙げられ、より好適には、低密度ポリエチレンであり、特に好適には、密度0.930以下、MFR0.30以下の低密度ポリエチレンである。上記のポリエチレンのいずれか1種を単独で用いてもよいし、2種以上をブレンドして用いてもよい。
絶縁層は、酸化防止剤、銅害防止剤、着色剤等をさらに含んでいてもよい。酸化防止剤、銅害防止剤、着色剤等の添加量は、特に限定されないが、絶縁層全体の誘電率が2.5以下となる添加量が好ましい。着色剤等の添加量は、好ましくは5質量%以下であり、より好ましくは2質量%以下である。また、絶縁層は難燃剤を含まなくてもよい。上記特性を備える中間層及び上記特性を備えるシースを用いることにより、絶縁層が難燃剤を含まない樹脂組成物であったとしても、高い難燃性を満足するLANケーブルを実現することができる。
ポリエチレンは、公知の手法を用いて発泡させても良い。例えば、窒素等の不活性ガスを用いたり、ADCA等の化学発泡剤を用いたりする方法で、ポリエチレンを発泡させることができる。ポリエチレンの発泡度は、15質量%以上であることが好ましい。
(LANケーブル)
図1は、本発明の一実施形態に係るLANケーブルの断面図である。LANケーブル1は、シース3と、絶縁電線5と、中間層7と、樹脂テープ9と、編組層11と、を備える。絶縁電線5は、導体13と、導体13の外周に位置する絶縁層15と、を備える。すなわち、導体13の外周に絶縁層15を被覆する。中間層7は、シース3と絶縁電線5との間に位置する。樹脂テープ9及び編組層11は、絶縁電線5と中間層7との間に位置する。樹脂テープ9としては、その材質を限定するものではないが、アルミラミネートPETテープを用いることができる。また、ここに、絶縁電線としては、上述した絶縁電線と同様のものを使用することができる。編組層11としては、その材質を特に限定するものではないが、銅又は銅合金を使用することができる。
次に、本発明について実施例に基づき、さらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
(実施例1)
(1)LANケーブル1の製造
LANケーブル1の製造方法は、以下のとおりである。まず、表1に示す配合の通り、絶縁層、及びシースの材料をそれぞれ調製した。
これらの配合において、加圧ニーダによって開始温度40℃、終了温度190℃で混練して成るペレットを、絶縁層、及びシースの材料とした。次に、外径0.78mmの導体に、上記の絶縁層の材料を厚さ0.4mmで被覆し、照射量7MRadにより架橋して、絶縁電線を製造した。
次に、その絶縁電線を4対撚り合わせたものに、アルミラミネートPETテープを1/4ラップで巻いた。次に、銅編組をかぶせた。次に、ポリイミドテープを1/4ラップで横巻きして、中間層を形成した。次に、上記のシースの材料を厚さ1.1mmで被覆し、照射量13MRadで照射架橋させてLANケーブルを製造した。
(実施例2)
実施例2では、絶縁体の発泡度が15質量%である点と絶縁体の誘電率が2.1である点以外は実施例1と同様に、LANケーブルを作製した。
(実施例3)
実施例3では、絶縁体の発泡度が15質量%である点と絶縁体の誘電率が1.9である点、シースの照射量が10Mradである点以外は実施例1と同様に、LANケーブルを作製した。
(実施例4)
実施例4では、ポリイミドフィルムを2枚使用した点以外は実施例1と同様に、LANケーブルを作製した。
(実施例5)
実施例5では、絶縁体の発泡度が15質量%である点と絶縁体の誘電率が2.1である点、水酸化マグネシウム(その1)及び水酸化マグネシウム(その2)の配合が、夫々60質量部、90質量部である点、シースの質量減少率が58質量%である点以外は実施例1と同様に、LANケーブルを作製した。
(実施例6)
実施例6では、絶縁体の発泡度が15質量%である点と絶縁体の誘電率が2.1である点、水酸化マグネシウム(その1)及び水酸化マグネシウム(その2)の配合が、夫々80質量部、120質量部である点、シースの質量減少率が54質量%である点以外は実施例1と同様に、LANケーブルを作製した。
(実施例7)
実施例7では、絶縁体の発泡度が15質量%である点と絶縁体の誘電率が2.1である点、水酸化マグネシウム(その1)及び水酸化マグネシウム(その2)の配合が、夫々90質量部、130質量部である点、シースの質量減少率が52質量%である点以外は実施例1と同様に、LANケーブルを作製した。
(実施例8)
実施例8では、VA量が28質量%、MFRが6.0のEVAの代わりに、VA量が17質量%、MFRが0.8のEVAを60質量部使用すること以外は、実施例1と同様に、LANケーブルを作製した。
(実施例9)
実施例9では、VA量が28質量%、MFRが6.0のEVAを10質量部、VA量が33質量%、MFRが1.0のEVAを60質量部使用すること以外は、実施例1と同様に、LANケーブルを作製した。
(実施例10)
実施例10では、VA量が33質量%、MFRが1.0のEVAの代わりに、LDPEを10質量部使用すること以外は、実施例1と同様に、LANケーブルを作製した。
(比較例1)
比較例1では、ポリイミドフィルムを使用しないこと以外は、実施例1と同様に、LANケーブルを作製した。
(比較例2)
比較例2では、ポリイミドフィルムの代わりにPETフィルムを使用すること以外は、実施例1と同様に、LANケーブルを作製した。
(比較例3)
比較例3では、シースを架橋しない点以外は、実施例1と同様に、LANケーブルを作製した。
(比較例4)
比較例4では、水酸化マグネシウム(その1)及び水酸化マグネシウム(その2)の配合が、夫々40質量部、80質量部である点、シースの質量減少率が62質量%である点以外は、実施例1と同様に、LANケーブルを作製した。
Figure 2018190585
Figure 2018190585
Figure 2018190585
表1〜表3におけるポリイミドフィルムは、カプトン200H(東レ・デュポン製)である。表1〜表3におけるマレイン酸変性ポリオレフィンAは、タフマMH7020(三井化学製)である。表1〜表3における水酸化マグネシウム(その1)は、マグニフィンH10A(アルベマール製)である。表1〜表3における水酸化マグネシウム(その2)は、マグニフィンH10C(アルベマール製)である。表1〜表3に示すポリイミドフィルムの600℃での質量減少率は24質量%であり、800℃での質量減少率は65質量%である。また、表3に示すPETフィルムの600℃での質量減少率は100質量%であり、800℃での質量減少率は100質量%である。
(1)シース特性の試験
実施例及び比較例について以下の試験を行った。試験結果を表1〜表3に示す。
(1−1)シースの引張試験
LANケーブルからシースのみを剥ぎ取り、6号ダンベル試験片に打抜いた。次に、その試験片を用いて、JIS C 3005に準拠し、引張速度が200mm/minの条件で引張試験を行なった。伸びについては、伸びが125%未満の場合は×(不合格)とし、伸びが125%以上の場合は○(合格)とした。
また、引張り強さについては、引張強さが10MPa未満の場合は×(不合格)とし、10MPa以上の場合は○(裕度を持って合格)とした。
(1−2)シースの低温性試験
試験片は引張試験の場合と同様とした。その試験片を用いて、EN60811-1-4に準拠し、−55℃において、引張速度25mm/minの条件で引張試験を実施した。伸び特性が30%以上の場合は○(合格)とし、30%未満の場合は×(不合格)とした。
(2)LANケーブル特性の試験
実施例及び比較例について以下の試験を行った。試験結果を表1〜表3に示す。
(2−1)LANケーブルの低温性試験
EN60811-1-4 8.1に準拠し、LANケーブルについて−55℃で曲げ試験を行った。巻付け後に割れが発生しない場合は○(合格)とし、割れが発生した場合は×(不合格)とした。
(2−2)LANケーブルの難燃性試験
IEEE規格1202に準拠してVTFT試験を実施した。LANケーブルの損傷距離が1.5m以下であり、1.0mより大きい場合は○(合格)とし、1.0m以下の場合は◎(裕度を持って合格)とし、1.5mより大きい場合は×(不合格)とした。
(2−3)LANケーブルの伝送特性試験
JIS X 5150、及びTIA-568-C,2に準拠し、静電容量を測定した。静電容量が5.6nF/100m以下の場合は○(合格)とし、5.6nF/100mより大きい場合は×(不合格)とした。
(評価結果)
実施例1から実施例10の評価結果は、表1及び表2に示すように、いずれの試験項目でも良好であった。特に実施例4では、ポリイミドフィルムの枚数が2枚であることにより、難燃性が一層高かった。
比較例1では、難燃性の試験結果が×であった。この理由は中間層7を備えていないためであると考えられる。
比較例2では、難燃性の試験結果が×であった。この理由は中間層7の形成に用いたPETフィルムの質量減少率が本発明の規定範囲よりも大きいためであると考えられる。
比較例3では、難燃性の試験結果が×であった。この理由はシースが架橋されていないためであると考えられる。
比較例4では、難燃性の試験結果が×であった。この理由はシースの質量減少率が62質量%であり、本発明の規定範囲よりも大きいためであると考えられる。
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
(1)LANケーブルの形態は、例えば、2芯の絶縁体構造や、その他の構造であってもよい。
(2)上記各実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素に分担させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に発揮させたりしてもよい。また、上記各実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記各実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
(3)上述したLANケーブルの他、当該LANケーブルの製造方法等、種々の形態で本開示を実現することもできる。
1 LANケーブル
3 シース
5 絶縁電線
7 中間層
9 樹脂テープ
11 編組層
13 導体
15 絶縁層

Claims (4)

  1. 導体の外周に絶縁層を備えた絶縁電線と、
    前記絶縁電線の外周を被覆するシースとを備えたLANケーブルにおいて、
    前記シースと前記絶縁電線との間に、800℃での質量減少率が80質量%以下である中間層を有し、
    前記シースは、800℃での質量減少率が60質量%以下であるノンハロゲン難燃性樹脂組成物である架橋物からなることを特徴とするLANケーブル。
  2. 前記シースは、ポリオレフィン系ポリマー100質量部に対して、難燃剤を150質量部以上含有することを特徴とする請求項1に記載のLANケーブル。
  3. 前記中間層は、ポリイミドフィルムからなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のLANケーブル。
  4. 前記難燃剤は、水酸化マグネシウム又は水酸化アルミニウムからなることを特徴とする請求項2に記載のLANケーブル。
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