JP6829819B2 - Lanケーブル - Google Patents
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Description
[1]導体の外周に絶縁層を備えた絶縁電線と、前記絶縁電線の外周を被覆するシースとを備えたLANケーブルにおいて、前記シースと前記絶縁電線との間に、800℃での質量減少率が80質量%以下である中間層を有し、前記シースは、800℃での質量減少率が60質量%以下であるノンハロゲン難燃性樹脂組成物である架橋物からなることを特徴とするLANケーブル。
[2]前記シースは、ポリオレフィン系ポリマー100質量部に対して、難燃剤を150質量部以上含有することを特徴とする[1]に記載のLANケーブル。
[3]前記中間層は、ポリイミドフィルムからなることを特徴とする[1]又は[2]に記載のLANケーブル。
[4]前記難燃剤は、水酸化マグネシウム又は水酸化アルミニウムからなることを特徴とする[2]に記載のLANケーブル。
以下、本発明の一実施形態について説明する。
本発明の実施形態に係るLANケーブルは、導体の外周に絶縁層を備えた絶縁電線と、前記絶縁電線の外周を被覆するシースとを備えたLANケーブルにおいて、前記シースと前記絶縁電線との間に、800℃での質量減少率が80質量%以下である中間層を有し、前記シースは、800℃での質量減少率が60質量%以下であるノンハロゲン難燃性樹脂組成物である架橋物からなる。
中間層は、シースと絶縁電線との間に設けられている。中間層は800℃での質量減少率が80質量%以下であり、より好ましくは、60質量%以下である。中間層の質量減少率は熱重量測定機(TGA)を用い、チッソ雰囲気中において昇温速度10℃/分の条件で測定し、加熱前後での質量の変化率を測定した値である。上記の特性を有する中間層を備えることにより、燃焼時における形状を保持することができ、絶縁層から発生する可燃性ガスの燃焼場への流出を抑制することができ、高い難燃性を満足することができる。
シースは800℃での質量減少率が60質量%以下であるノンハロゲン難燃性樹脂組成物からなる架橋物であり、より好ましくは、52質量%以上58質量%以下、52質量%以上56質量%以下、52質量%以上54質量%以下である。シースの質量減少率は熱重量測定機(TGA)を用い、窒素雰囲気中において昇温速度10℃/分の条件で測定し、加熱前後での質量変化率を測定した値である。上記の特性を有するシースを備えることにより、燃焼時にシースがドリップせず、中間層を酸素が欠乏した状態にすることで、難燃性を満足することができる。
絶縁電線は導体の外周に絶縁層を備える。導体としては、特にその材質を限定するものではないが、銅又は銅合金、アルミ又はアルミ合金を使用することができる。導体の構成についても特にこれを限定するものではないが、単線の他、ケーブルの屈曲性を考慮すると、複数の素線を撚り合わせた撚り線構造を採用するのが好適である。また、適宜これにメッキを施すことも可能であり、例えばスズめっきなどを被覆することもできる。
図1は、本発明の一実施形態に係るLANケーブルの断面図である。LANケーブル1は、シース3と、絶縁電線5と、中間層7と、樹脂テープ9と、編組層11と、を備える。絶縁電線5は、導体13と、導体13の外周に位置する絶縁層15と、を備える。すなわち、導体13の外周に絶縁層15を被覆する。中間層7は、シース3と絶縁電線5との間に位置する。樹脂テープ9及び編組層11は、絶縁電線5と中間層7との間に位置する。樹脂テープ9としては、その材質を限定するものではないが、アルミラミネートPETテープを用いることができる。また、ここに、絶縁電線としては、上述した絶縁電線と同様のものを使用することができる。編組層11としては、その材質を特に限定するものではないが、銅又は銅合金を使用することができる。
(1)LANケーブル1の製造
LANケーブル1の製造方法は、以下のとおりである。まず、表1に示す配合の通り、絶縁層、及びシースの材料をそれぞれ調製した。
実施例2では、絶縁体の発泡度が15質量%である点と絶縁体の誘電率が2.1である点以外は実施例1と同様に、LANケーブルを作製した。
実施例3では、絶縁体の発泡度が15質量%である点と絶縁体の誘電率が1.9である点、シースの照射量が10Mradである点以外は実施例1と同様に、LANケーブルを作製した。
実施例4では、ポリイミドフィルムを2枚使用した点以外は実施例1と同様に、LANケーブルを作製した。
実施例5では、絶縁体の発泡度が15質量%である点と絶縁体の誘電率が2.1である点、水酸化マグネシウム(その1)及び水酸化マグネシウム(その2)の配合が、夫々60質量部、90質量部である点、シースの質量減少率が58質量%である点以外は実施例1と同様に、LANケーブルを作製した。
実施例6では、絶縁体の発泡度が15質量%である点と絶縁体の誘電率が2.1である点、水酸化マグネシウム(その1)及び水酸化マグネシウム(その2)の配合が、夫々80質量部、120質量部である点、シースの質量減少率が54質量%である点以外は実施例1と同様に、LANケーブルを作製した。
実施例7では、絶縁体の発泡度が15質量%である点と絶縁体の誘電率が2.1である点、水酸化マグネシウム(その1)及び水酸化マグネシウム(その2)の配合が、夫々90質量部、130質量部である点、シースの質量減少率が52質量%である点以外は実施例1と同様に、LANケーブルを作製した。
実施例8では、VA量が28質量%、MFRが6.0のEVAの代わりに、VA量が17質量%、MFRが0.8のEVAを60質量部使用すること以外は、実施例1と同様に、LANケーブルを作製した。
実施例9では、VA量が28質量%、MFRが6.0のEVAを10質量部、VA量が33質量%、MFRが1.0のEVAを60質量部使用すること以外は、実施例1と同様に、LANケーブルを作製した。
実施例10では、VA量が33質量%、MFRが1.0のEVAの代わりに、LDPEを10質量部使用すること以外は、実施例1と同様に、LANケーブルを作製した。
比較例1では、ポリイミドフィルムを使用しないこと以外は、実施例1と同様に、LANケーブルを作製した。
比較例2では、ポリイミドフィルムの代わりにPETフィルムを使用すること以外は、実施例1と同様に、LANケーブルを作製した。
比較例3では、シースを架橋しない点以外は、実施例1と同様に、LANケーブルを作製した。
比較例4では、水酸化マグネシウム(その1)及び水酸化マグネシウム(その2)の配合が、夫々40質量部、80質量部である点、シースの質量減少率が62質量%である点以外は、実施例1と同様に、LANケーブルを作製した。
実施例及び比較例について以下の試験を行った。試験結果を表1〜表3に示す。
(1−1)シースの引張試験
LANケーブルからシースのみを剥ぎ取り、6号ダンベル試験片に打抜いた。次に、その試験片を用いて、JIS C 3005に準拠し、引張速度が200mm/minの条件で引張試験を行なった。伸びについては、伸びが125%未満の場合は×(不合格)とし、伸びが125%以上の場合は○(合格)とした。
試験片は引張試験の場合と同様とした。その試験片を用いて、EN60811-1-4に準拠し、−55℃において、引張速度25mm/minの条件で引張試験を実施した。伸び特性が30%以上の場合は○(合格)とし、30%未満の場合は×(不合格)とした。
実施例及び比較例について以下の試験を行った。試験結果を表1〜表3に示す。
(2−1)LANケーブルの低温性試験
EN60811-1-4 8.1に準拠し、LANケーブルについて−55℃で曲げ試験を行った。巻付け後に割れが発生しない場合は○(合格)とし、割れが発生した場合は×(不合格)とした。
IEEE規格1202に準拠してVTFT試験を実施した。LANケーブルの損傷距離が1.5m以下であり、1.0mより大きい場合は○(合格)とし、1.0m以下の場合は◎(裕度を持って合格)とし、1.5mより大きい場合は×(不合格)とした。
JIS X 5150、及びTIA-568-C,2に準拠し、静電容量を測定した。静電容量が5.6nF/100m以下の場合は○(合格)とし、5.6nF/100mより大きい場合は×(不合格)とした。
実施例1から実施例10の評価結果は、表1及び表2に示すように、いずれの試験項目でも良好であった。特に実施例4では、ポリイミドフィルムの枚数が2枚であることにより、難燃性が一層高かった。
(2)上記各実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素に分担させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に発揮させたりしてもよい。また、上記各実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記各実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
3 シース
5 絶縁電線
7 中間層
9 樹脂テープ
11 編組層
13 導体
15 絶縁層
Claims (4)
- 導体の外周に絶縁層を備えた絶縁電線と、
前記絶縁電線の外周を被覆するシースとを備えたLANケーブルにおいて、
前記シースと前記絶縁電線との間に、800℃での質量減少率が80質量%以下である中間層を有し、
前記シースは、800℃での質量減少率が60質量%以下であるノンハロゲン難燃性樹脂組成物である架橋物からなり、
前記絶縁電線の外周が、アルミニウムラミネートPETテープ、銅編組、ポリイミドからなる中間層、シース層の順に被覆されていることを特徴とするLANケーブル。 - 前記シースは、ポリオレフィン系ポリマー100質量部に対して、難燃剤を150質量部以上含有することを特徴とする請求項1に記載のLANケーブル。
- 前記中間層は、ポリイミドフィルムからなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のLANケーブル。
- 前記難燃剤は、水酸化マグネシウム又は水酸化アルミニウムからなることを特徴とする請求項2に記載のLANケーブル。
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