JPH05100302A - レンズ付きフイルムユニツト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 レンズ付きフイルムユニットの外壁に設けら
れた操作部が不用意に押圧されることを防ぐ。 【構成】 ユニット本体２の前面壁１５にはスロット１
６が形成され、スロット１６の内側がストロボ用の電源
ボタン９となる。スロット１６の外側には電源ボタン９
を取り囲むように、突条１０が前面壁１５と一体に形成
されている。突条１０は電源ボタン９の表面よりも突出
し、電源ボタン９の周囲に物が当たっても突条１０がそ
の押圧を受け止め、電源ボタン９が押し込まれることを
防ぐ。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、予めフイルムを内蔵す
るとともに撮影レンズやシャッタ機構を組み込んだレン
ズ付きフイルムユニットに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】「写ルンですハイ」，「写ルンですフラ
ッシュ」，「写ルンですパノラミック」（いずれも商品
名）等のレンズ付きフイルムユニットは、購入したその
場ですぐに写真撮影ができ、撮影後にはそのまま現像取
り扱い店に出せばよいという手軽さから一般に広く利用
されている。現像所ではレンズ付きフイルムユニットか
ら撮影済みのフイルムを取り出してフイルム現像，プリ
ント処理を行い、ユーザーにはプリント写真とネガフイ
ルムとが戻される。このような利用形態からレンズ付き
フイルムユニットにはローコスト化が要求され、現在で
は、フイルムを内蔵し撮影レンズやシャッタ機構を組み
込んだユニット本体のほとんどを樹脂成形品で作り、ま
たユニット本体の表面を外装用の紙箱でカバーしてい
る。そしてこの紙箱の所要部には開口が形成され、撮影
レンズやファインダー対物窓の他、撮影操作に必要なシ
ャッタボタン，フイルム巻上げ用のダイヤル等を外部に
露出させており、そのままの状態で撮影操作を行うこと
ができるようになっている。

【０００３】上記のように、レンズ付きフイルムユニッ
トで撮影を行う際には、紙箱に形成した開口を通してス
トロボスイッチ操作部やシャッタボタンを押圧操作する
ことになるが、これらの押圧操作部はユニット本体の一
部を構成している前カバーと一体に樹脂成形されてい
る。例えばストロボ用の電源スイッチ操作部の場合、前
カバーの前面に「コ」字状のスリットが形成され、この
スリットで囲まれた舌片部がそのまま押圧片として用い
られている。これによれば、ストロボスイッチ操作部と
して別の部品を組み込む必要がなく、また樹脂自体の弾
性を利用して押圧片を初期位置に戻すことができるか
ら、復帰バネの組み込みも不要になるという利点があ
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら前カバー
の前面は平面になっているため、上記のように単にスリ
ットを形成して舌片状の押圧片を設けるようにすると、
押圧片の初期位置は前カバーと同じ平面内となる。した
がって、レンズ付きフイルムユニットをバッグに入れて
携帯するとき等には、バッグ内の他のものとぶつかり合
って押圧片が容易に押し込まれてしまう欠点がある。特
に、押圧片がストロボ用の電源スイッチ操作部である場
合には、携帯している間に充電が行われて電池が消耗
し、撮影時にストロボが適正に作動しないおそれがあ
る。また、シャッタボタンを同様の押圧片で構成した場
合には、シャッタチャージ状態で携帯しているときに回
りのものとぶつかって偶然にシャッタレリーズされるこ
とがあった。

【０００５】本発明はこのような問題点を解決するため
になされたもので、ストロボ電源スイッチ操作部やシャ
ッタボタン等のように、レンズ付きフイルムユニットの
ユニット本体平面部に一体に成形された押圧片が不用意
に押圧されることがないようにしたレンズ付きフイルム
ユニットを提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、撮影操作時に押圧される操作片を外壁とと
もに樹脂で一体成形し、さらに前記外壁の表面には前記
操作片の回りを少なくとも部分的に取り囲み、かつ操作
片の表面よりも突出した突起を形成したものである。ま
た、この突起の内周側の表面を緩やかな傾斜面にし、押
圧の操作性を向上させることも可能である。

【０００７】

【実施例】図１はユニット本体２を紙箱３で覆ったレン
ズ付きフイルムユニットの外観を示し、紙箱３の一部を
破断した状態で図示してある。紙箱３には、ユニット本
体２の前面に形成された隆起部４及びその内部に設けら
れた撮影レンズ５を露出させるための開口６、ストロボ
発光部７を露出させるための開口８、ストロボ用の電源
ボタン９及びその周囲を取り囲むように設けられた突条
１０を露出させるための開口１１の他、シャッタボタン
１２，フイルム巻上げ用のダイヤル１３，ファインダ対
物窓，カウンタ窓を外部に露出させるための開口が所要
部に設けられている。したがって、このレンズ付きフイ
ルムユニットは紙箱３を被せたまま撮影操作を行うこと
ができ、紙箱３はそのままレンズ付きフイルムユニット
の外装となる。このため、紙箱３の表面には化粧用のイ
ラストやマーク等がプリントされている。

【０００８】Ａ−Ａ断面を表す図２にも示したように、
ストロボ用の電源ボタン９はユニット本体２の前面壁１
５とともに樹脂により一体に成形されている。電源ボタ
ン９は鍵穴状のスロット１６によって前面壁１５から分
離され、またスロット１６の両端部には半円弧状にした
薄肉の屈曲部１７が形成されている。電源ボタン９の内
壁には導通片１８が熱カシメによって固着され、導通片
１８はその背後のストロボ基板１９にプリントされた電
極片２０，２０に対向している。

【０００９】突条１０は、スロット１６の外側で電源ボ
タン９を取り囲むように前面壁１５と一体に形成されて
おり、電源ボタン９よりも前方に突出している。また、
突条１０のその内周側には斜面２１が形成されている。
この斜面２１は、電源ボタン９を押圧するときに指先を
突条１０の中にうまくおさめるようにして、押圧操作し
やすいようにする。

【００１０】上記構成によれば、不使用状態では電源ボ
タン９は図２の実線位置にあり、電源ボタン９の前面は
突条１０よりも奥まっている。したがって、レンズ付き
フイルムユニットをバッグ内に入れて携帯する際や、あ
るいは販売店においてレンズ付きフイルムユニットをワ
ゴン等に雑然と積んでおくような場合に、周囲のものが
電源ボタン９に強く押しつけられたとしても、突条１０
がこれを受け止めてしまうから、電源ボタン１０が押圧
されることはない。

【００１１】なお、電源ボタン９の回りに突条１０を設
ける代わりに、前面壁１５の表面から電源ボタン１０が
沈み込むように成形することも可能である。しかし、電
源ボタン９の沈み込み量を大きくするには、この部分を
成形するための金型の構造が複雑になり、金型の個数も
増えるのに対し、前面壁１５の表面に上記のような突条
１０を一体形成する場合には複雑な金型を要しない。

【００１２】ストロボ撮影時には、電源ボタン９を押圧
操作するが、このとき突条１０の内周側には斜面２１が
形成されているので、指先のおさまりがよく、安定した
操作ができるようになる。電源ボタン９を樹脂の弾性に
抗して押圧すると、図２に２点鎖線で示したように、電
源ボタン９は屈曲部１７の部分から内側に屈曲し、その
裏面に固着された導通片１８が電極片２０，２０に接触
し、ストロボのメインコンデンサに充電が行われる。以
後は、充電完了をまってシャッタボタン１２を押すとス
トロボ撮影が行われる。

【００１３】図３は本発明をシャッタボタン１２の部分
に適用した例を示す。シャッタボタン１２はユニット本
体２の上面壁３０と一体に成形され、前記電源ボタン９
と同様に、「コ」字状のスロット３１によって上面壁３
０から分離されている。スロット３１の外側には、シャ
ッタボタン１２を取り囲むように、複数の突起３２ａ，
３２ｂ，３２ｃを配列してある。シャッタボタン１２
は、上から押し込まれたときに屈曲部３３から曲がり、
その下面に一体に形成されたレバー３４の先端によって
レリーズレバー３５を回動させてシャッタレリーズを行
う。

【００１４】この実施例では、突起３２ａ，３２ｂ，３
２ｃが各々隙間によって分離されているが、各隙間を極
端に広くしない限り、前述した実施例の突条１０と同様
の作用を果たす。したがって、シャッタボタン１２の付
近に周囲の物がぶつかったとしても、シャッタボタン１
２が不用意に押されてしまうことはない。

【００１５】以上、図示した実施例にしたがって本発明
について説明してきたが、紙箱３の所要部分に切込みを
入れておき、電源ボタン９やシャッタボタン１２を紙箱
３の上から押圧操作する場合にも本発明は適用可能で、
この場合には突条１０や突起３２ａ〜３２ｃを紙箱３に
別途形成した開口から突出させたり、あるいは突条１０
や突起３２ａ〜３２ｃも紙箱３で覆うようにしてもよ
い。また、ユニット本体２を紙箱等の外装体で覆わない
ようにしたレンズ付きフイルムユニットにも本発明を用
いることもできる。

【００１６】

【発明の効果】上述したように、本発明のレンズ付きフ
イルムユニットによれば、撮影操作のために押圧操作さ
れる操作片をその周囲の外壁と樹脂により一体成形する
にあたり、押圧片を取り囲み、操作片よりも突出した突
起を外壁表面に一体に形成したから、周囲の物が操作片
の回りにぶつかるようなことがあっても突起がその押圧
を受け止めて操作片が押し込まれることを防止する。し
たがって、意図しないときに不用意にレンズ付きフイル
ムユニットのシャッタレリーズが行われたり、あるいは
ストロボが作動したりする等の不都合が一掃されるよう
になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を用いたレンズ付きフイルムユニットの
外観図である。

【図２】図１におけるＡ−Ａ断面図である。

【図３】本発明の他の実施例を示す要部断面図である。

【符号の説明】

２ ユニット本体 ９ 電源ボタン １０ 突条 １２ シャッタボタン １５ 前面壁 １６ スロット １８ 導通片 １９ ストロボ基板 ３０ 上面壁 ３２ａ，３２ｂ，３２ｃ 突起

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高城 純一 埼玉県大宮市植竹町１丁目324番地 富士 写真光機株式会社内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 予めフイルムを内蔵するとともに撮影レ
   ンズ及びシャッタ機構等の撮影機構が組み込まれたレン
   ズ付きフイルムユニットにおいて、撮影操作時に押圧さ
   れる操作片を外壁とともに樹脂で一体成形し、さらに前
   記外壁の表面には前記操作片の回りを少なくとも部分的
   に取り囲むとともに、操作片の表面よりも突出した突起
   を形成したことを特徴とするレンズ付きフイルムユニッ
   ト。
2. 【請求項２】 前記突起の内周側の表面を緩やかな傾斜
   面としたことを特徴とする請求項１記載のレンズ付きフ
   イルムユニット。