JPH049994Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、少なくとも１側において縫い合わせ
用縫い目が平行でない２本の縫い目によつてブル
ージーンズ又は他の同様な衣服に設けられる小型
ポケツトを自動的に縫い付ける縫製機に設けられ
る布用小型バイスに関するものである。

（従来の技術およびその問題点） ブルージーンズ又はシヤツの胸に小型ポケツト
を自動的に縫い付ける装置では、小型ポケツトを
自動的に折り重ねた後に、小型の布用バイスにて
その小型ポケツトを衣服上に保持し、小型ポケツ
トの輪郭に合わせた板を布用小型バイスに接近さ
せて衣服に押圧して、その布用小型バイスと共に
縫い付けるべき所定の軌道に沿つて自動的に移動
させていた。

縫い目は、ポケツトを衣服上に保持する布用小
型バイスの板の輪郭の近くに形成される。

単一の縫い目の場合は、縫い目を布用小型バイ
スの板の外側端縁に極めて接近させて形成するこ
とができるので、縫い付けるべき材料を保持する
ことに問題はなかつた。

２本の平行な縫い目を形成する時には、小型バ
イスの板を、ポケツトの輪郭に応じて、バイスの
端縁に沿つて平行に延在しバイスの内側および外
側方向に偏移することができる所定数のブレード
に分け、縫い目をそれらブレードの近傍に形成し
ていた。

バイスの板を複数のブレードに分ける際には、
偶部近傍での輪郭が乱れないようにする必要があ
り、それはそのような点で被加工物の送り方向が
変化するので、それら偶部で生地が変形すること
があり、完全な縫い目とすることが難しかつた。

ところで、フアツシヨンは絶えず展開するの
で、衣料産業はそれに適合していかなければなら
ず、フアツシヨンとして、少なくとも一側で縫い
合わせ用縫い目が平行でない２本の縫い目により
ポケツトを縫い付けなければならない問題が生ず
ることがある。２本の縫い目を設けたそのような
形態では、上述した問題が顕著となり、それゆえ
２本の平行な縫い目で縫い付ける方法が用いられ
てきたが、ブレードを単に並進させることではそ
のような問題を解決することはできなかつた。

本考案の目的は上述した欠点を解決することに
あり、それゆえ解決すべき技術的課題は、平行で
ない縫い目をも得ることができるよう輪郭を変化
させることができる小型バイスを実現化すること
である。

この技術的課題を解決するため、本考案装置で
は、進退可能な出力軸を有する流体圧シリンダが
固着される中央要素と、流体圧シリンダの出力軸
に連結された小板と、中央要素を介して小板に対
向して配置された複数のブレードと、中央要素に
形成した相互に離間する複数の溝孔と、一端が小
板に連結され他端がそれらブレードの一つに連結
された複数のレバーとを具え、少なくとも二つの
レバーのそれぞれの一端をポケツトの平行でない
縫い目に関連するブレードに、中央要素に形成し
た長さの異なるそれぞれの溝孔を介して連結した
ので、小板は、その作動時に、縫い目が平行でな
い側に対応するブレードに連結された第１および
第２のレバーを偏移させ、第１のレバーが第２の
レバーより大きく偏移してブレードを回転させ次
いで並進運動させる。

以下図面を参照して本考案について詳述する。

第１図および第２図に示したように、符号１０
で示すバイスは、図示しないがバイスの上下運動
および並進運動を制御する手段の腕１２の１１に
枢支されている。

このバイス１０は中央要素１３を具え、その要
素には空気圧シリンダ１４が固着される。このシ
リンダのステム１５の端部には、小板１６が固着
されており、要素１３上を移動することができ
る。小板１６に第１のレバー１７がピン１８によ
り固着されている。第２のレバー１９は小板１６
にピン２０により協働し、一方このピンは小板１
６に設けた溝孔２１に掛合する。

図面に線図的に示したレバー１７および１９
は、他端がピン２２および２３に枢着されてお
り、それらピンはバイス１０の中央要素１３に形
成した対応する溝孔２４および２５内を運動する
ことができる。なお、溝孔２４は後述する理由の
ため、溝孔２５より長いものとする。ピン２２お
よび２３の下端にはブレード２６が固着されてお
り、ブレードは側壁２７に沿つて中央要素１３の
下方に位置する。中央要素１３の下方に位置する
第２のブレード２８は、レバー２９により小板１
６に連結されており、レバー２９はブレード２８
のピン３０にその一端が枢支されている。レバー
２９の他端は、ピン３１に固着されており、ピン
３１は小板１６に形成した溝孔３２と連結する。
バイス１０の下方部分で中央要素１３の下方に配
設された第３のブレード３３は、それに固着され
小板１６に形成した長手方向の溝孔３５に結合さ
れるピン３４により小板１６に連結されて適宜に
案内される。

縁の折り返し作業が済んだ後の衣服に縫い合わ
せるポケツトをその衣服に当接させ、衣服を押付
ける板３６に密接する第１図に図示した位置にあ
るバイス１０のブレード２６，２８そして３３に
より、ポケツトを縫い合わせるべき位置に保持す
る。ブレード２６，２８そして３３のこの位置
で、第３図に示すように、外側の縫い目３７を形
成する。

ブレード２６の偶部４０は、ブレード２８の偶
部４１と接触し、生地の送り方向が変化する角の
近傍における輪郭が連続するようにする。

縫い目３７の端部で、シリンダ１４を自動的に
操作させ、ステム１５を第１図に示した位置から
第２図に示した位置まで所定量だけ変位させる。
ステム１５のこの動きは、ステムに固着された小
板１６に伝達され、小板が一連のレバー１７，１
９および２９を変位させるので、その結果ピン２
２，２３，３０は対応する溝孔に沿つて中央要素
１３の内側部分に向けて変位する。

ピン１８は、小板１６に固着されるとともに第
１のレバー１７により、溝孔２４内を移動するこ
とができるピン２２に連結されており、またその
溝孔の長さは、小板１６の溝孔２１に掛合するピ
ン２０に第２のレバー１９を介して連結されたピ
ン２３が移動する符号２５で示した溝孔より長い
ので、空気圧シリンダ１４により小板１６を移動
させると、第１のレバー１７が第２のレバー１９
より大きく変位し、この変位によりブレード２６
の回転および並進運動がもたらされる。ブレード
２６が回転および並進運動する際に、ブレード２
６の偶部４０はブレード２８の偶部と依然接触状
態にある。

バイス１０の輪郭は小さくなるので、外側の縫
い目３７を形成した同じ縫製条件下でポケツトに
縫い目３８を形成することができる。縫製機の針
により、布を保持する要素の近傍で生地を縫い付
け２つの縫い目を形成する。

上述した実施例は、対称な２辺で縫い目が平行
でない２個の縫い付け用縫い目を有するポケツト
について述べたが、しかしながら本考案装置によ
れば、平行でない縫い目を片側だけに形成するこ
ともできる。このためには、片側のブレードを回
転させ、次いで並進運動を与えれば良い。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は、異なつた作動位置にあ
る本考案バイスの２個の対称半部をそれぞれ示す
図、第３図は、衣服に縫い合わせたポケツトの２
個の平行な縫い目の列を示す図である。 １０……バイス、１２……腕、１３……中央要
素、１４……空気圧シリンダ、１５……ステム、
１６……小板、１７，１９，２９……レバー、１
８，２０，２２，２３，３０，３１，３４……ピ
ン、２１，２４，２５，３２，３５……溝孔、２
６，２８，３３……ブレード、２７……側壁、３
６……板、３７，３８……縫い目、４０，４１…
…偶部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ ブルージーンズ又は他の同様な衣服に縫い付
   けられる小型ポケツトの２本の縫い目が少なく
   とも一側において平行でない小型ポケツトを自
   動的に縫い付ける縫製機に設けられる布用小型
   バイスであつて、進退可能な出力軸を有する流
   体圧シリンダ１４が固着される中央要素１３
   と、流体圧シリンダの出力軸に連結された小板
   １６と、中央要素を介して小板に対向して配置
   された複数のブレード２６，２８，３３と、中
   央要素に形成した相互に離間する複数の溝孔２
   ４，２５と、一端が小板に連結され他端がそれ
   らブレードの一つに連結された複数のレバー１
   ７，１９，２９とを具え、少なくとも二つのレ
   バー１７，１９のそれぞれの一端を平行でない
   縫い目に関連するブレード２６に、中央要素に
   形成した長さの異なるそれぞれの溝孔２４，２
   ５を介して連結したことを特徴とする布用小型
   バイス。 ２ 実用新案登録請求の範囲第１項記載の小型バ
   イスにおいて、平行でない縫い目に関連するブ
   レードに連結される各レバー１７，１９の一端
   を小板に固着したピン１８，２０に取付け、そ
   の他端を平行でない縫い目に関連するブレード
   に固着されたピン２２，２３にそれぞれ枢支す
   る一方、平行でない縫い目に関連するブレード
   に固着されたピンを、中央要素１３に形成した
   長さの異なる溝孔２４，２５にそれぞれ係合さ
   せた布用小型バイス。