JPH049887B2 - - Google Patents

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JPH049887B2
JPH049887B2 JP58099489A JP9948983A JPH049887B2 JP H049887 B2 JPH049887 B2 JP H049887B2 JP 58099489 A JP58099489 A JP 58099489A JP 9948983 A JP9948983 A JP 9948983A JP H049887 B2 JPH049887 B2 JP H049887B2
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    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E02HYDRAULIC ENGINEERING; FOUNDATIONS; SOIL SHIFTING
    • E02DFOUNDATIONS; EXCAVATIONS; EMBANKMENTS; UNDERGROUND OR UNDERWATER STRUCTURES
    • E02D31/00Protective arrangements for foundations or foundation structures; Ground foundation measures for protecting the soil or the subsoil water, e.g. preventing or counteracting oil pollution
    • E02D31/06Protective arrangements for foundations or foundation structures; Ground foundation measures for protecting the soil or the subsoil water, e.g. preventing or counteracting oil pollution against corrosion by soil or water

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、接着剤層と架橋プラスチツクス層
とからなる被覆層が、その接着剤層を介して、鋼
矢板に熱的に接合されている防食被覆鋼矢板に係
る。
従来、土木・建設用の鋼矢板は、多数の鋼矢板
を連続的に地中に打ち込み防護柵を形成すること
によつて、河川、海岸、港湾などを護岸する目
的、あるいは、建設、浚渫現場などで地盤を固定
し作業現場への泥砂の流入、崩れ込みを防止する
目的で使用されて来た。
これらの鋼矢板は、屋外の自然環境の中で、河
川水、廃水、雨水、海水などの水、大気、太陽光
などに曝され、また土砂、泥、瓦礫などに直接強
く接するので、著しく腐食が起こり易く、特に、
流水、波などと、大気と、太陽光とが、交互に作
用する環境場所、例えば、港湾、河口などでは、
上述の腐食が激しく生ずるのであるが、従来、効
果的な腐食防止策が施されていなかつたのであ
る。したがつて、従来の鋼矢板は、例え防食性の
高い鋼材で作られたものであつても、前述の自然
環境のもとでは、その腐食が生じ易く、その耐久
性が比較的短くなり、長期間(例えば、約20年以
上)の使用ができないことが多かつた。
従来、鋼矢板の腐食防止のために、無機ジンク
塗料やタール・エポキシ樹脂塗料に依る塗装、エ
ポキシ樹脂や不飽和ポリエステル樹脂による
FRP被層などが用いられることがあつたが、そ
れらは、機械的強度、長期の耐久性、および経済
性などの点で、効果的な防食法ではなかつた。
この発明者らは、防食効果が高く、耐久性の高
い経済的な防食被覆鋼矢板について、鋭意検討し
た結果、架橋プラスチツクス層が、加熱接着性の
接着剤層を介して、鋼矢板の表面に密着・接合さ
れている防食被覆鋼矢板が、防食性、耐久性など
において優れていることを見い出し、この発明を
完成した。
この発明は、土木・建設などに使われる鋼矢板
の少なくとも片面の一部に、接着温度が約50〜
200℃の範囲内である加熱接着性の接着剤層を介
して、ゲル分率で示される架橋の程度が約20〜
100%である(例えば、少なくとも前記接着温度
までは融解することがない)架橋プラスチツクス
層が、一体に密着して接合されていて、被覆層が
形成されている防食被覆鋼矢板に関する。
なお、前記のゲル分率とは、試料(架橋プラス
チツク)を、キシレン中に入れて、約10時間、
130℃で還流しながら溶解し、そのキシレンに溶
解しなかつた試料の重量(Ag)を、使用した試
料の重量(Bg)で割つて得た値を100倍した値
である。
ゲル分率=(A/B)×100% この発明の防食被覆鋼矢板は、その製造法が比
較的単純な操作の組合せであつて、その生産性が
良く、経済的である。
また、この発明の防食被覆鋼矢板は、接着温度
が約50〜200℃の範囲内である加熱接着性の接着
剤層を介して、ゲル分率で示される架橋の程度が
約20〜100%である架橋プラスチツクス層が、接
合されていて、被覆層が形成されていることによ
つて、優れた防食性、耐久性などを有しているの
である。
以下、この発明について、添付の図面も参考に
して、さらに詳しく説明する。
第1図および第5図は、この発明に係る鋼矢板
が、連続的に順次地中に打ちこまれて、鋼矢板の
連結して並べられている防護柵の施設された状態
の1例を示す斜視図、およびその防護柵の一部横
断面を拡大して示す断面図である。
第2図は、この発明の方法に使用される鋼矢板
の1例を示す斜視図である。
第3図および第4図は、この発明の防食被覆鋼
矢板の1例をそれぞれ示す断面図である。
この発明に使用される鋼矢板は、一般に、土
木・建設用に使用されており、平面ばかりでな
く、凹面、凸面などの曲面を少なくとも有してい
るものであれば、その形状、およびサイズがどの
ような鋼矢板であつてもよい。
その鋼矢板の代表的なものとしては、第2図に
示すように、大略〓型の横断面構造の本体を有
し、その両側の立ち上がり部(フランジと言われ
ることもある)3に小内径の溝状を形成するよう
に外に向かつて曲げ込まれていう継手部4を有し
ている長尺の鋼板構造材である。その鋼矢板2
は、第2図に示すような鋼矢板の両側の立ち上が
り部3の継手部4で連結しながら、個々の鋼矢板
を順次地中に打ち込んで、多数の鋼矢板の連結し
て並べられている防護柵1を第1図に示すように
形成するのである。このような施工では、第5図
に示すように、海水、河川水などに打ち付けられ
る防護柵の片面に防食被覆が施されていればよい
のである。
なお、鋼矢板の断面形状は、必ずしも第2図の
ようである必要がなく、例えば、ほとんど直線的
なもの、Z型のもの、S型のものなどであつても
よい。
その大略〓型の横断面構造の本体を有している
鋼矢板は、約5〜30mmの範囲内の厚さ、特に、
7.5〜28mmの範囲内の厚さの鋼板で形成されてお
り、幅が、約200〜800mm、特に300〜600mmであつ
て、両側の立ち上がり部の高さが、約50〜300mm、
特に70〜250mmであつて、さらに、その長さが、
約2〜30m、特に5〜20mであるようなものであ
ればよい。
この発明の防食被覆鋼矢板の表面に形成されて
いる被覆層5は、接着温度が約50〜200℃、好ま
しくは80〜180℃の範囲内の温度である加熱接着
性の接着剤層7と、少なくとも前記接着剤の接着
温度までは融解することがなく、ゲル分率で示さ
れる架橋の程度が約20〜100%である架橋プラス
チツクス層6とからなる層が好ましい。
前記の接着剤層を形成している接着剤として
は、前述の範囲内の接着温度を有し、架橋プラス
チツクス層および鋼矢板の表面に適当な接着力で
加熱接着しうるものであれば、どのような種類の
接着剤であつてもよく、例えば、加熱融着性の接
着剤(ホツトメルトタイプの接着剤など)、また
は加熱硬化性の接着剤などであつて、接着後に適
当な弾性または柔軟性を保持していて余りに固く
なつたりもろくなつたりしない接着剤を好適に挙
げることができる。
前記の接着剤としては、オレフイン系重合体ま
たは共重合体を主成分とするか、あるいは、前記
の重合体の粘着付与剤とを主成分とする加熱融着
性の接着剤(ホツトメルトタイプの接着剤など)
であつて、鋼板表面に対する接着力(180度剥離、
引張り速度10mm/分、20℃)が約2Kg/cm以上、
特に4〜20Kg/cm程度である接着剤が好適であ
る。
この発明において、好ましい接着剤の例として
は、オレフイ系重合体または共重合体を30〜80重
量%、ビニル基を有する芳香族炭化水素と共役ジ
エン化合物との(ブロツク)共重合体を30〜5重
量%、および粘着付与剤を40〜15重量%用いて、
接着温度が約50〜200℃であるホツトメルトタイ
プの接着剤となるように選択配合した接着剤組成
物を挙げることができる。
そのような接着剤に使用されるオレフイン系重
合体または共重合体の例としては、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、並びにそ
れらの変性ポリマー(例えば、マレイン化ポリエ
チレン、マレイン化ポリプロピレンなど)、エチ
レン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・低級アル
キル(メチル、エチル、プロピル、ブチルなど)
アクリレートまたはメタクリレート共重合体、エ
チレン・アクリル酸またはメタクリル酸共重合体
などを挙げることができ、これらは単独および二
種類以上の混合物として用いることができる。
ビニル基を有する芳香族炭化水素と共役ジエン
化合物との(ブロツク)共重合体の例としては、
スチレン・ブタジエン・スチレン(ブロツク)共
重合体、スチレン・イソプレン・スチレン(ブロ
ツク)共重合体などを挙げることができる。
粘着付与剤としては、公知の接着剤組成物にお
いて一般的に使用される粘着付与剤(タツキフア
イア)から任意に選択することができる。その粘
着付与剤の例としては、ロジンおよびロジン誘導
体、例えば、水添ロジンのグリセリンエステル;
ピネン系樹脂、例えば、β−ピネンのオリゴマ
ー、β−ピネンとフエノール化合物とから得られ
たピネン系樹脂;炭化水素樹脂、例えば、脂肪族
炭化水素樹脂(C5留分、ペンテン、イソプレン、
1,3−ペンタジエンなどの単独または共重合
体)、芳香族炭化水素樹脂(C9留分、スチレン
類、インデン類などの単独または共重合体)、脂
環族炭化水素樹脂、クマロン樹脂、クマロン・イ
ンデン樹脂など;そして、フエノール樹脂、アル
キルフエノール樹脂、ナフテン系油、改質テルペ
ンなどのその他の高分子物質、あるいは油性物質
などを挙げることができる。
この発明において、被膨層の接着剤層は、前述
の成分のほかに、タルク、炭カル、シリカ、アル
ミナ、マイカ、カーボンブラツクなどの無機充填
剤、あるいは、酸化防止剤、腐食防止剤、着色
剤、軟化剤などの添加剤が、さらに、配合されて
いてもよい。
前記腐食防止剤としては、例えば、クロム酸金
属塩、リン酸金属塩、亜リン酸金属塩、ホウ酸金
属塩、モリブデン酸塩、亜硝酸金属塩などで代表
される無機系腐食防止剤、そして、芳香族カルボ
ン酸の金属塩、複数のヒドロキシル基を有する脂
肪族または芳香族化合物、タンニン酸などの有機
酸などで代表される有機系腐食防止剤を挙げるこ
とができる。
この発明における被覆層の架橋プラスチツクス
層は、熱可塑性樹脂から成形されたフイルムまた
はシート、あるいはそれらの積層体が、化学的架
橋剤によつて化学的に一部架橋されているか、ま
たは、X線、γ線、電子線などの放射線によつて
一部架橋されていて、少なくとも前述の接着剤の
接着温度まで融解することのない、耐熱性、耐候
性、機械的物性の改良された架橋プラスチツクシ
ートで形成されているものが好ましい。
前記の熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、
ポリプロピレン、エチレンとプロピレンとの共重
合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体などのオレ
フイン系重合体、ポリ塩化ビニル、ポリエステ
ル、ポリアミドなどを挙げることができ、それら
の混合物、あるいはそれらの重合体とその他の熱
可塑性樹脂との混合物を挙げることができる。
また、熱可塑性樹脂は、公知の可塑剤、酸化防
止剤、難燃化剤、種々の着色剤、充填剤(炭カ
ル、シリカ、カーボンブラツクなど)などが配合
されていてもよい。
前記の架橋プラスチツクス層を形成している架
橋プラスチツクシートは、その架橋の程度が、前
述のゲル分率で示して、約20〜100%、好ましく
ば約30〜80%でのある架橋ポリオレフインシート
であつて、そのシートの耐熱性が、接着剤の接着
温度より約20〜200℃高い温度で示され、また、
そのシートの引張り強度が50〜300Kg/cm2であつ
て、耐衝撃性が10〜150Kg・cmであるシートが好
ましい。
さらに、前記の架橋プラスチツクシートとして
は、特別の延伸のなされていない未延伸架橋ポリ
オレフインであつて、その物性が、MD方向と
TD方向とにおいて特に大きな異方性のないシー
トであることが適当である。
この発明では、防食被覆鋼矢板の被覆層は、例
えば、前述の熱可塑性樹脂、特にポリオレフイン
を主成分とする樹脂組成物を押出成形(例えば、
Tダイ法による押出成形)して未架橋のプラスチ
ツクシートを形成し、そのプラスチツクシートを
強力な電子線で充分に架橋して架橋プラスチツク
シートとなし、さらにその架橋プラスチツクシー
トを連続して供給しながらそのシート上に前述の
接着剤組成物をTダイからシート状に押し出し
て、ラミネートすることによつて、接着剤層と架
橋プラスチツクス層とからなる積層シートを予め
形成しておいて、鋼矢板の表面にその積層シート
の接着剤層でその積層シートを接合して形成され
たものであつてもよい。また、前述の積層シート
は、架橋プラスチツクシートと、シート状に形成
された接着剤とを、加熱して接合して製造された
ものであつてもよい。
この発明では、防食被覆鋼矢板の接着層は、全
体の厚さおよび各層の厚さが、特に限定されるも
のではないが、架橋プラスチツクス層の厚さが、
約0.1〜2.5mm程度、とくに0.2〜2.0mmであつて、
接着剤層の厚さが、約0.1〜2.5mm、特に0.2〜2.0
mmであり、架橋プラスチツクス層と接着剤層との
厚さの比が、1:2〜2:1であることが好まし
く、さらに、被覆層全体の厚さが、約0.5〜3.5mm
程度、特に0.7〜3.0mm程度であることが好まし
い。
この発明の防食被覆鋼矢板の製造法としては、
例えば、まず、鋼矢板を約60〜250℃程度、さら
に80〜200℃の範囲内の温度であつて、その鋼矢
板に被覆しようとする積層シートの接着剤層の接
着温度付近までまたはそれ以上に予め加熱してお
き、 前述の積層シートを、その接着剤層と鋼矢板の
表面と対面させた状態に、配置し、 その積層シートを、加熱された鋼矢板の表面に
沿つて、外部からの押圧力によつて押さえつける
か、および/または、被覆シートに外部から熱を
加えると共に外部からの押圧力によつて押さえつ
けるかして、 その積層シートを鋼矢板の表面に密着させ、接
合させることによつて、防食被覆鋼矢板を製造す
る方法を挙げることができる。
なお、前述の製造法に使用す鋼矢板は、その表
面が、予めなんらかの処理がなされていて、腐食
に対して抵抗する性能の改善されているものであ
つてもよい。また、鋼矢板は、前述の方法に使用
するに先立つて、シヨツトブラスト、サンドブラ
スト、酸洗いなどで、その表面のミルスケール、
赤錆、汚れなどを除去されているものであると、
積層シートが鋼矢板へ接合する力が増すので好ま
しい。また、積層シートを被覆するの先立つて、
鋼矢板の表面にクロム酸処理、リン酸処理、およ
び/またはエポキシ樹脂プライマー塗布などを行
えば、密着性は更に良好になる。
前述の鋼矢板の最初の加熱は、鋼矢板を比較的
短時間で前述の温度まで加熱できればどのような
方式であつてもよいが、例えば、ガスバーナー、
熱風炉、電気炉を使用して直接その表面を順次加
熱することによつて行うことが好ましい。
前記鋼矢板の予熱の次に、積層シートを、加熱
された鋼矢板の表面に対面して、配置するのであ
るが、その場合には、鋼矢板の表面に沿つて積層
シートを大略変形させて配置するのであり、例え
ば、積層シートが、鋼矢板の表面の一部(例えば
鋼矢板の片面の中央部付近)に接触するように配
置されていることが好ましい。なお、加熱された
鋼矢板に積層シートを供給する手段は、公知のど
のような方式であつてもよい。
加熱された鋼矢板の上に積層シートが配置され
た後に、その積層シートを、鋼矢板の表面に沿つ
て、外部から押圧力によつて押さえつけるには、
例えば、適当な耐熱性の押さえつけ装置(例え
ば、金属ロールまたは弾性ゴムロール付きの押さ
えつけ装置、押さえつけ用コテ、押さえつけ用シ
ートなど)によつて順次押さえつけたり、あるい
は、鋼矢板の片面形状に合わせた金型によつて押
圧することによる方法を挙げることができる。
前述の製造法では、鋼矢板の表面に対面して設
置された積層シートは、加熱されている鋼矢板の
熱および/または外部からの熱によつて加熱され
て、積層シートの接着剤層が接着可能な状態まで
軟化または溶融されていると共に、その積層シー
トの架橋プラスチツクス層が、押圧力に対して全
体形状を保持しながら、鋼矢板の表面(平面と曲
面とを有する)に沿つて押圧力で容易に塑性的に
曲げ変形しうるような温度に加熱されて、その状
態の積層シートの上から押圧力によつて鋼矢板の
表面に押しつけられて、積層シートが鋼矢板の表
面形状に沿つて密着されるのである。
前述の製造法において、積層シートの架橋プラ
スチツクス層は、加熱されている鋼矢板の熱だけ
では短時間で押圧力で塑性的に曲げ変形しうる温
度に加熱することが困難であることが多いので、
積層シートに押圧力を加える際に、積層シートの
外表面(架橋プラスチツクス層側)を外部から加
熱することを組合せて、押圧力を加えるようにす
ることが好ましい。
積層シートの外部からの加熱は、例えば、電熱
ヒーターの熱線、ガスバーナーの火炎などによつ
て直接高温に加熱する操作と押さえつけ操作とを
次々に行えばよい。
前述の製造法において、表面形状が完全に平面
ではない鋼矢板に、加熱状態で、積層シートを密
着し、接合することが可能であるのは、積層シー
トが架橋プラスチツクス層(特に架橋ポリオレフ
イン層)と、加熱接着性の接着剤層(特に加熱融
着性の接着剤層)とから形成さているためであ
り、積層シートが鋼矢板に接合するための加熱状
態において、積層シートは、(a)接着剤層が熱接着
可能なように軟化または溶融した状態となり、し
かも、(b)架橋プラスチツクス層が押圧力に対して
その全体形状を保持しながら、押圧力によつて鋼
矢板の表面形状に沿つて塑性的に曲げ変形しうる
状態となることが可能であるという特性を有して
おり、この特性が、この発明の実現に最も重要に
作用しているのである。
前述の製造法において、積層シートが、例え
ば、未架橋プラスチツクス層と接着剤層とで形成
されている場合には、高温に加熱された状態で、
未架橋プラスチツクス層が熱的に過剰に軟化また
は融解して簡単に破れてしまつたり、大きな皺が
できるようになるので、実質的にこの発明の防食
被覆鋼矢板の製造ができないのである。
前述の製造法において、鋼矢板の表面に積層シ
ートを熱的に密着し、接合した結果得られた被覆
層の形成された直後の鋼矢板は、その後、空冷、
水冷、その他の冷却方法で、比較的短時間に室温
付近まで冷却することが好ましい。
なお、前述の製造法において、必ずしも積層シ
ートを使用する必要はなく、例えば、鋼矢板に最
初に適当な接着剤層を塗布または接合しておき、
その上にさらに架橋プラスチツクシート重ね合わ
せて熱的に接合する二段階の方法で行うこともで
きる。
この発明の防食被覆鋼矢板は、第3図および第
4図に示すように、土木・建設用の鋼矢板2の少
なくとも片面が、加熱接着性の接着剤層7を介し
て、架橋プラスチツクス層6で被覆されているの
で、極めて優れた耐久性および防食性を有してい
る。
すなわち、この発明の防食被覆鋼矢板は、その
被覆層の最外層の架橋プラスチツクス層が、耐熱
性、耐衝撃性、また自然環境に対する耐候性、耐
久性を有していて、優れた保護被覆を極めて長期
間維持することができるのであり、また、鋼矢板
が地中に打ち込まれる時に地中の石、砂利、砂礫
などに強く接触する場合の衝撃、あるいは、河川
水または海水、さらに漂流物によつて打ちつけら
れたりする衝撃および浸食力に対して充分に抵抗
することができるのであり、さらに、前記架橋プ
ラスチツクス層と鋼矢板との間に存在する接着剤
層が、鋼矢板の表面に密着していてその保護をし
ており、鋼矢板の表面を水、空気、太陽光に直
接、接触させたり、曝させたりしないので、腐食
に対して長期間(例えば、約20年間以上、特に約
30年間以上)、高い水準で抵抗することができる
のである。
従つて、この発明の防食被覆鋼矢板は、耐久
性、耐食性、および機械的物性において、極めて
優れているのである。
以下、この発明の実施例を示す。
実施例 1〜2 [積層シートの製造] 架橋ポリエチレンシート(ゲル分率;50%、耐
熱性;200℃以上、厚さ;0.8mm)に、厚さ約1.2
mmとなるように接着剤を溶融押出して接着剤層を
ラミネートして、積層シートを製造した。
接着剤の配合組成 エチレン・α−オレフイン共重合体(MI:3.2
g/10分、密度:0.88g/cm3 17部 エチレン・酢酸ビニル共重合体(融点:95℃、軟
化点:78℃) 20部 スチレン・ブタジエン・スチレンブロツク共重合
体(密度:0.94g/cm3) 17部 クマロン樹脂(軟化点:93℃) 17部 テルペン・フエノール共重合体(軟化点異100℃)
20部 水添ロジンエステル(軟化点:68℃) 9部 この接着剤の接着温度は、約130℃である。
[防食被覆鋼矢板の製造] 第2図に示すようなU形鋼矢板(新日本製鐵株
式会社製;FSP−形式)の表面をシヨツトブラ
ストによつて素地調整した後、クロム酸系プライ
マー(実施例1)またはエポキシ樹脂系プライマ
ー(実施例2)の下塗り塗装剤を塗布してから、
それらの鋼矢板を、ガスバーナーの火炎で、直
接、加熱して、130℃にまで加熱しておいた。
次いで、それらの加熱された鋼矢板の表面に対
面するように、ロール巻された積層シートのロー
ルから積層シートを引出しながら供給し、積層シ
ートを配置し、その積層シートの外部からガスバ
ーナーの火炎をあてて加熱し、積層シートをやや
より軟化させながら、その積層シートの外から幅
100mmのクラウン付きの押しつけロールで、鋼矢
板の中央部からその両側に向かつて順次押しつけ
て、積層シートを鋼矢板の表面に密着させて、つ
いで、冷却して接合して、架橋プラスチツクス層
と接着剤層と、さらに下塗り塗装剤層(実施例
1:厚さ約1μのクロム酸系プライマー層、実施
例2:厚さ約30μのエポキシ樹脂系プライマー
層)を有する第3図に示すような防食被覆鋼矢板
をそれぞれ製造した。
[その防食被覆鋼矢板の性能試験] (1) 剥離強度 前述の製造方法で製造されたそれぞれの防食
被覆鋼矢板について、積層シート層が鋼矢板の
表面に接合されている接着面の剥離強度(20
℃)を、ASTM D1000(ピール強度の測定法)
に従つて測定したところ、20.5Kg/inch(実施
例1)および22.0.Kg/inch(実施例2)であつ
た。
(2) 施工時の性能試験 前述の製造方法で製造されたそれぞれの防食
被覆鋼矢板を実際の護岸建設現場(支持地盤N
値:約50を有する)にバイブロハンマーで振動
を与えつつ打設した後にその防食被覆鋼矢板を
引き抜いて、そのような打設施工後の防食被覆
鋼矢板の被覆層の剥離、損傷などが生ずるかど
うかそれぞれ観察したところ、その実工事現場
におけるハンドリングおよび打設時に防食被覆
鋼矢板の被覆層の剥離、損傷(例えば、スクラ
ツチ傷、打ち傷など)などの欠陥がいずれの実
施例の防食被覆鋼矢板についてもまつたく発生
なかつた。
(3) 曲げ試験および捻り試験 前述の製造方法で製造されたそれぞれの防食
被覆鋼矢板について、その鋼矢板の弾性限界内
の限界まで曲げ試験および捻り試験を行い、そ
れらの防食被覆鋼矢板の被覆層にクラツク等が
発生するかどうか、あるいはその被覆層の接着
力に低下をきたすかどうかそれぞれ観察したと
ころ、実使用条件下であるそれらの鋼矢板の弾
性限界内の限界内においては、いずれの実施例
の防食被覆鋼矢板についても曲げ、捻りに対し
てまつたく異常が認められなかつた。
(4) 落重衝撃試験(耐衝撃性試験) 前述の製造方法で製造されたそれぞれの防食
被覆鋼矢板について、その被覆層上に、
ASTM G14に従つて、半径5/16インチの半球
を先端に有する5Kg−Wの撃芯を高さ0.2mか
ら落下させて、その衝撃を受けた被覆層のダメ
ージの状況をそれぞれ観察したところ、それら
の被覆層にまつたく異常が現れず、いずれの実
施例の防食被覆鋼矢板についてもそれらの被覆
層の耐衝撃性としてはそれぞれ100Kg・cm以上
であつた。
(5) 防食耐久性 前述の製造方法で製造されたそれぞれの防食
被覆鋼矢板を室温で濃度3%の食塩水中に長時
間浸漬してそれらの防食被覆鋼矢板の被覆層の
剥離状況および鋼面での錆の発生状況をそれぞ
れ観察したところ、いずれの実施例の防食被覆
鋼矢板についてもその3%食塩水室内促進試験
を8000時間行つても、それらの被覆層の剥離が
生じたり、鋼矢板の表面に錆が発生したりしな
かつた。
比較例 1 実施例1で使用したと同様のU形鋼矢板(新日
本製鐵株式会社製;FSP−形式)の表面をシヨ
ツトブラストによつて素地調整した後、下塗り塗
装剤をまつたく塗布せずに、直接、その鋼矢板の
表面にタールエポキシーポリアミン系塗料を塗布
して、防食被覆層(約800μの厚さ)を有する鋼
矢板を製造した。その鋼矢板について実施例1と
同様の性能試験を行つた。
比較例 2 実施例1で使用したと同様のU形鋼矢板(新日
本製鐵株式会社製;FSP−形式)の表面をシヨ
ツトブラストによつて素地調整した後、エチルシ
リケートタイプ無機ジンクリツチプライマー塗り
塗装剤を約75μの厚さに塗布してから、その鋼矢
板の表面にエポキシ−ポリアミン系塗料を塗布し
て、防食被覆層(約250μの厚さ)を有する鋼矢
板を製造した。その鋼矢板について実施例と同様
の性能試験を行つた。
比較例1および2の防食被覆層を有する鋼矢板
は、実施例1と同様の性能試験の「施工時の性能
試験」において、その実工事現場におけるハンド
リングおよび打設時に防食被覆鋼矢板の被覆層の
剥離、損傷(例えば、スクラツチ傷、打ち傷な
ど)などの欠陥がいずれも発生し、「落重衝撃試
験(耐衝撃性試験)」において、それぞれの鋼材
の表面に達する打ち傷が発生し、「防食耐久性」
において、いずれも2000時間で既に被覆層の一部
剥離が見れそれらの剥離部から鋼材の表面の腐食
が進行し大きな錆が観察された。
以上の実施例および比較例から明らかなよう
に、本発明の防食被覆鋼矢板は、実際の施工での
ハンドリング、打設等において、その被覆層の損
傷、および剥離を生じないと共に、強靭な被覆層
が腐食に対するバリヤーとして作用するため、長
時間の耐蝕性が維持できる。したがつて、そのよ
うな鋼矢板から形成された構造物(防護柵など)
そのものの耐用年数が大幅に延びることにより、
防食補修などのメンテナンスコストが低減し、し
かも工場一貫製作製品として、予め防食被覆が施
されているため、高い水準の品質管理が確保でき
ると共に、腐食環境での建設工事期間を著しく短
縮でき、トータルコストダウンがはかれる。
【図面の簡単な説明】
第1図および第5図は、鋼矢板が地中に打ち込
まれて形成された防護柵の1例を示す斜視図、お
よびそ防護柵の一部横断面を拡大して示す断面図
である。第2図は、この発明に使用する鋼矢板の
1例を示す斜視図である。第3図及び第4図は、
この発明の防食被覆鋼矢板の1例を示す断面図で
ある。 1:防護柵、2:鋼矢板、3:立ち上がり部、
4:継手部、5:被覆層、6:架橋プラスチツク
ス層、7:接着剤層。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 鋼矢板の少なくとも片面の一部に、接着温度
    が約50〜200℃の範囲内である加熱接着性の接着
    剤層を介して、ゲル分率で示される架橋の程度が
    約20〜100%である架橋プラスチツクス層が、接
    合されていて、被覆層が形成されている防食被覆
    鋼矢板。
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