JPH0156218B2 - - Google Patents

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JPH0156218B2
JPH0156218B2 JP59194290A JP19429084A JPH0156218B2 JP H0156218 B2 JPH0156218 B2 JP H0156218B2 JP 59194290 A JP59194290 A JP 59194290A JP 19429084 A JP19429084 A JP 19429084A JP H0156218 B2 JPH0156218 B2 JP H0156218B2
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Japan
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steel sheet
coating layer
corrosion
sheet pile
polyethylene
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JP59194290A
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Mitsuo Tanaka
Fuyuhiko Ootsuki
Motoo Shiraishi
Minoru Nakamura
Toshio Nagasawa
Yoji Harakawa
Iwao Tsuruya
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Nippon Steel Corp
Ube Corp
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Nippon Steel Corp
Ube Industries Ltd
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Publication date
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Publication of JPH0156218B2 publication Critical patent/JPH0156218B2/ja
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    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E02HYDRAULIC ENGINEERING; FOUNDATIONS; SOIL SHIFTING
    • E02DFOUNDATIONS; EXCAVATIONS; EMBANKMENTS; UNDERGROUND OR UNDERWATER STRUCTURES
    • E02D31/00Protective arrangements for foundations or foundation structures; Ground foundation measures for protecting the soil or the subsoil water, e.g. preventing or counteracting oil pollution
    • E02D31/06Protective arrangements for foundations or foundation structures; Ground foundation measures for protecting the soil or the subsoil water, e.g. preventing or counteracting oil pollution against corrosion by soil or water

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  • Mining & Mineral Resources (AREA)
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  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Structural Engineering (AREA)
  • Bulkheads Adapted To Foundation Construction (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [発明の分野] 本発明は、ポリエチレンで被覆された防食被覆
鋼矢板に関するものである。
[発明の背景] 従来、土木・建設用の鋼矢板は、多数の鋼矢板
を連続的に地中に打ち込み防護棚を構成すること
によつて、河川、海岸および港湾などを護岸する
目的で、あるいは建設および浚渫現場などで地盤
を固定して作業現場への泥砂の流入や崩れ込みを
防止する目的で使用されている。
このように使用される鋼矢板は、自然環境の中
で河川水、排水、雨水および海水などとたえず接
触し、さらに大気および太陽光などに曝され、ま
た土砂、泥および瓦礫などに直接強く接触するの
で腐食が起こり易い。特に、港湾、河口などのよ
うに流水、波などと、大気、太陽光とが交互に作
用する環境場所では鋼矢板は激しく腐食する。
このような実情にもかかわらず、鋼矢板には効
果的な腐食防止策が施されずに使用されることが
多い。このように何等の腐食防止策も施されずに
使用された鋼矢板は、仮に鋼矢板自体が防食性の
高い鋼材で作られたものであつたとしても、前述
ような自然環境下で使用されるために腐食が生じ
易く、その耐用年数が比較的短くなり長時間(た
とえば、約20年以上)使用することができないの
が一般的である。
[従来技術およびその問題点] 一方、鋼矢板の腐食防止策として、たとえば無
機ジンク塗料やタール・エポキシ樹脂塗料などの
防食性あるいは耐候性の良好な塗料を用いて塗装
を行なう方法、エポキシ樹脂や不飽和ポリエステ
ル樹脂などの合成樹脂を用いて被覆を行なう方
法、あるいは、合成樹脂に繊維状物質を配合した
ものを使用してFRP被覆層を形成する方法など
が提案されている。しかしながら鋼矢板に利用さ
れる腐食防止策は、鋼矢板が上述したような過酷
な環境下で使用されることから、機械的強度に優
れ長期の耐久性があることおよび防食性に優れて
いることなどが要求されるにもかかわざず、腐食
防止のためにコストは低く押えられる傾向にあ
る。従つて、上記の防食被覆策は、このような条
件を全て満足させることができるとは言い難く、
鋼矢板の被覆方法としては、必ずしも適当な方法
ではない。
[発明の目的] 本発明は、良好な防食性を示し、耐久性が極め
て良好な被覆層により防食被覆された防食被覆鋼
矢板であつて、かつこのような被覆層が経済的に
形成された防食被覆鋼矢板を提供することを目的
とする。
[発明の要旨] 本発明は、鋼矢板の少なくとも片面の一部に接
着剤層を介して被覆層が形成されてなる防食被覆
鋼矢板において、該被覆層が、密度0.920g/cm3
以上のポリエチレンより形成される厚さ0.5mm以
上の被覆層であり、かつ該ポリエチレンの密度と
該被覆層の厚さとが次式で示される関係を有する
ことを特徴とする防食被覆鋼矢板を提供する。
ρ≧0.004t2−0.031t+0.977 [ただし、ρはg/cm3の単位で表示されるポリエ
チレンの密度、そしてtはmmの単位で表示される
被覆層の厚さである] [発明の詳細な記述] 本発明は、基本的には鋼矢板の被覆に使用する
ポリエチレン(ポリエチレン樹脂)の密度と、こ
のポリエチレンを用いてなされる被覆層の厚さと
を特定の範囲の値とし、さらに両者の値を上記の
関係式で示される範囲とすることにより、鋼矢板
の鋼面に形成される被覆層の透湿度(透水度)を
著しく低下せしめ、これにより防食効果を向上さ
せるようとするものである。
以下、図面を参照しながら本発明を説明する。
第1図は、鋼矢板の一例を示す斜視図であり、第
2図は、第1図に示す鋼矢板を連続的に順次地中
に打設して形成された防護棚の一例を示す斜視図
である。
本発明に使用される鋼矢板は、土木用、建設用
などとして通常使用されているものであれば、そ
の形状およびサイズなどに特に制限はなく種々の
ものを使用することができる。
その鋼矢板の形状の例としては、第1図に示す
ような大型型の横断面の本体部1を有し、その
両面立ち上り部(フランジと言われることもあ
る)2は小内径の筒状を形成するように外に向か
つて曲げ込まれている継手部3を有している長尺
の鋼板構造材をはじめ、その横断面形状が直線的
なもの、Z型のもの、S型のものなどを挙げるこ
とができる。
また、大略型の横断面構造の鋼矢板の例とし
ては、厚さが5〜30mm、特に7.5〜28mmの範囲内
の鋼板で形成されており、その幅が約200〜800
mm、特に300〜600mm、両側の立ち上り部の高さが
約50〜300mm、特に70〜250mm、さらにその長さが
約2〜30m、特に5〜20mであるようなものを挙
げることができる。
このような鋼矢板は、通常、第2図に示すよう
に、多数の鋼矢板4の両側の継手部3で連結され
ながら、鋼矢板を順次地中に打ち込まれて防護棚
5を構成する。
本発明の防食被覆鋼矢板は、鋼矢板の少なくと
も片面の一部に被覆層が付設されている。本発明
の防食被覆鋼矢板は、上記のような防護棚に使用
されることから、防護棚を構成した際に海水ある
いは河川水などに打ち付けられる鋼矢板の表面に
被覆層が付設されていることが好ましい。
なお、本発明で使用する鋼矢板は、その表面が
予め防食のための処理がなされていて防食性能が
改善されているものであつてもよい。また、被覆
層処理に先立つて、シヨツトブラスト、サンドブ
ラストあるいは酸洗いなどの前処理によつて、表
面のミルスケール、赤錆および汚れなどが除去す
ることが好ましい。さらに、この鋼矢板の表面を
クロム酸処理またはリン酸処理を施しあるいはさ
らにエポキシ樹脂プライマー塗布などを行なうこ
とにより被覆層の密着性をさらに向上させること
ができる。
本発明の防食被覆鋼矢板の被覆層は接着剤層を
介して鋼矢板に付設されている。接着剤層は単に
鋼矢板と被覆層を接着するだけでなく、鋼矢板の
表面に密着してその鋼板面を保護し、また仮に極
微量の水分が被覆層を通過した場合でも、この水
分が鋼面に到達するのを阻止するとの作用を有す
ることもある。
このような接着剤に特に制限はないが、接着温
度が約50〜250℃、好ましくは80〜220℃の範囲内
の温度である加熱接着性(ホツトメルト型)の接
着剤を使用することが好ましく、さらに、鋼板表
面に対する接着力(90度剥離、引張速度50mm/
分、20℃)が約2Kg/cm以上、好ましくは4〜20
Kg/cm程度の接着剤であつて、接着後においても
適度の柔軟性を有するものであることが好まし
い。
本発明の接着剤の好ましい例としては、マレイ
ン化変性ポリエチレンを主成分とする組成物を挙
げることができ、またオレフイン系単独重合体ま
たは共重合体を30〜80重量%、ビニル基を有する
芳香族炭化水素と共役ジエン化合物との(ブロツ
ク)共重合体を30〜50重量%、そして粘着付与剤
を40〜15重量%配合した接着剤組成物なども挙げ
ることができる。
上記の接着剤に使用されるオレフイン系単独重
合体または共重合体の例としては、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、およびそ
れらの変性ポリマー(例、マレイン化ポリエチレ
ン、マレイン化ポリプロピレンなど)、エチレ
ン・酢酸ビニル共重合体、(メタ)アクリル酸エ
ステル(メチル、エチル、プロピル、ブチルなど
の低級アルキルとのエステル)とエチレンとの共
重合体、および(メタ)アクリル酸エチレンとの
共重合体などを挙げることができ、これらは単独
および二種類以上の混合物として用いることがで
きる。またビニル基を有する芳香族炭化水素と共
役ジエン化合物との(ブロツク)共重合体の例と
しては、スチレン・ブタジエン・スチレン(ブロ
ツク)共重合体、スチレン・イソプレン・スチレ
ン(ブロツク)共重合体などを挙げることができ
る。
上記の接着剤に配合する粘着付与剤としては、
公知の接着剤組成物において、一般的に使用され
る粘着付与剤(タツキフアイヤー)から任意に選
択することができる。粘着付与剤の例としては、
ロジンおよびロジン誘導体(例、水添ロジンのグ
リセリンエステルなど)、ピネン系樹脂(例、β
−ピネンのオリゴマー、β−ピネンとフエノール
化合物から得られたピネン系樹脂など)、炭化水
素樹脂[例、脂肪族炭化水素樹脂(C5留分、ペ
ンテン、イソプレン、1,3−ペンタジエンなど
の単独または共重合体)、芳香族炭化水素樹脂
(C9留分、スチレン類、インデン類などの単独ま
たは共重合体)、脂環族炭化水素樹脂]、クロマン
樹脂、クマロン・インデン樹脂など、その他の高
分子物質(例、フエノール樹脂、アルキルフエノ
ール樹脂、ナフテン系油、改質テンペンなど)お
よび油性物質などを挙げることができる。
接着剤は前述の成分の他に、タルク、炭酸カル
シウム、シリカ(二酸化ケイ素)、アルミナ、マ
イカ、カーボンブラツクなどの無機充填剤、ある
いは酸化防止剤、腐食防止剤、着色剤および軟化
剤などの添加剤がさらに配合されていてもよい。
接着剤に添加剤として配合することができる腐
食防止剤の例としては、無機系腐食防止剤(例、
クロム酸金属塩、リン酸金属塩、亜リン酸金属
塩、ホウ酸金属塩、モリブデン酸塩、亜硝酸金属
塩など)および有機系腐食防止剤(例、芳香族カ
ルボン酸の金属塩、複数のヒドロキシル基を有す
る脂肪族または芳香族化合物、タンニン酸などの
有機酸など)を挙げることができる。
本発明の防食被覆鋼矢板は、鋼矢板の少なくと
も片面の一部に上記のような接着剤層を介して被
覆層が形成されているが、被覆層は実用上は、そ
の片面のほぼ全領域に形成されていることが好ま
しい。ここで「ほぼ全領域」とは、鋼矢板が海水
などの腐食性雰囲気に接触する表面領域を意味す
る。
本発明の防食被覆鋼矢板に形成される被覆層
は、密度が0.920g/cm3以上のポリエチレンより
形成されたポリエチレン被覆層であつて、被覆層
の厚さが0.5mm以上であることが必要である。
ポリエチレンの密度は、0.920g/cm3以上であ
つて、かつ本発明の他の関係を満足すれば密度の
上限などに特に制限はないが、通常その上限は、
0.970g/cm3程度である。
使用するポリエチレンとしては、単にポリエチ
レンの単独重合体に限定するものではなく、たと
えば、エチレンとプロピレンなどの他のオレフイ
ンとの共重合体、エチレンと酢酸ビニルなどの他
のモノマーとの共重合体、あるいはそれらのホモ
ポリマーまたはコポリマーを例えば、ジカルボン
酸あるいはそれらの無水物、特にマレイン酸ある
いは無水マレイン酸などで変性したものなどであ
つてもよい。また、ポリエチレン自体の製造方法
に特に制限はなく公知の方法(例、高圧法、中圧
法、低圧法など)で製造されたいずれのポリエチ
レンであつても使用することができる。
なお、本発明において、特に限定することなく
「ポリエチレン」と記載した場合には上記のもの
を総称するものである。
また、上記のポリエチレンには、通常使用され
ている可塑剤、酸化防止剤、難燃化剤、種々の着
色剤および充填剤(例、炭酸カルシウム、シリ
カ、カーボンブラツクなど)などの添加剤などが
配合されていてもよい。
ただし、本発明において、ポリエチレンの密度
とは、上記の添加剤などを含まないポリエチレン
の密度を言う。
上記のようなポリエチレンを用いて形成される
被覆層の厚さは0.5mm以上であることが必要であ
る。形成される被覆層の厚さは、0.5mm以上であ
り、かつ本発明の他の関係を満足すれば、その上
限に特に制限はなくたとえば10mm程度の厚さであ
つてもよいが、生産性などを考慮すれば一般には
4mm以下であり、通常は3.5mm以下であり、特に
好ましい範囲は2.5mm以下である。
また、被覆層と接着剤層との厚さに特の制限は
ないが、被覆層の厚さと接着剤層の厚さの比が
20:1〜1:1の範囲であることが好ましく、
22:1〜4:1の範囲であることが特に好まし
い。更に、被覆層と接着剤層との合計の厚さは、
一般には約0.6〜5.5mm程度であり、通常は0.7〜
3.5mm程度のものが用いられる。
形成される被覆層は、使用したポリエチレンの
密度と、形成された被覆層の厚さとが次式の関係
を有していることが必要である。
ρ≧0.004t2−0.031t+0.977 [ρおよびtは前記と同一の意味である] 第3図にポリエチレンの密度と被覆層の厚さお
よび上記の式との関係を示す。
すなわち、本発明の被覆層は、使用するポリエ
チレンの密度と形成された被覆層の厚さが第3図
において斜線で示す領域にあることが必要であ
る。また、第3図には上述したポリエチレンの密
度、被覆層の厚さおよび上記の式との関係におい
て好ましい範囲をも示している。すなわち、第3
図において「」で示された領域は、本発明の被
覆層が防食被覆層として特に好ましい特性を示す
範囲を示し、「」で示される領域は特性の好ま
しい範囲を示している。ポリエチレンの密度と被
覆層の厚さが上記のような関係を有することによ
り被覆層の透湿度(透水度)が極めて低く、従つ
て、形成された被覆層を通過して接着剤層あるい
は鋼矢板の鋼面にまで達する水分は殆んどなく極
めて良好な防食性を発揮する。
ポリエチレンの密度が0.92g/cm3よりも低い場
合には、前記の関係を満足するためには、その被
覆層の厚さをかなり厚くする必要があり、製造技
術上あるいは経済的にも不利である。一方、被覆
層の厚さが、0.5mm以下であるような場合には、
前記の関係を満足するためには、理論的には非常
に密度の高いポリエチレンを使用すればよいので
あるが、現在製造されているポリエチレン樹脂の
密度には限界があり、現実には実用性がない。な
お、現在工業的に製造可能なポリエチレンの最高
密度は、0.970g/cm3程度である。
ポリエチレンを用いて鋼矢板を被覆する方法に
特に制限はなく、公知の方法に従つて行なうこと
ができる。
第4図は、第1図に示された鋼矢板の凹部に積
層シート(被覆シートに接着剤層が付設されてい
るもの)を付設する工程を断面図により示す図で
ある。
第5図および第6図には第1図の鋼矢板に防食
被覆を施した本発明の防食被覆鋼矢板の断面図を
示す。
本発明の防食被覆鋼矢板の製造法の例として
は、第4図に示すように予めポリエチレンをシー
ト状に成形し、このシート状の被覆層6の片面に
接着剤層7を付設して積層シート8となし、この
積層シートの接着剤層と鋼矢板との表面が対面す
るように配置し、そして、この積層シート5を加
熱下に鋼矢板の表面に沿つて外部から押圧力を付
与して第5図に示すように、シート状の被覆層6
と接着剤層7からなる積層シート8を鋼矢板の表
面に接着して防食被覆層を形成する方法を挙げる
ことができる。
また別の方法としては、ポリエチレンを押出成
形機から、使用するポリエチレンの融点以上であ
つて、その融点に150℃を加えた温度までの範囲
内の押出温度で、シート状、筒状、またはその他
の形状に連続的に押出して成形体を形成する方法
を挙げることができる。そしてこの成形体を加熱
軟化状態のまま、やはり連続的に供給される接着
剤層の設けられた鋼矢板の表面に沿つて密着させ
て、その鋼矢板の表面上に被覆層を最外層とする
防食被覆層を形成する方法を利用することもでき
る。
また、第6図に示すように、大略型の鋼矢板
の凸状の片面に対しても同様に操作して、シート
状の被覆層6と接着剤層7とからなる積層シート
を鋼面に付設して防食被覆層を形成することがで
きる。
被覆層は鋼矢板の片面の一部に付設されていれ
ばよいが、第5図に示すように鋼矢板の凹部を被
覆する場合には、通常、本体部1から立ち上り部
2、そして継手部3にまで行なわれ、また、鋼矢
板の凸状の片面を被覆する場合には、通常、本体
部1から立ち上り部2まで行なわれる。
鋼矢板の表面に被覆層を加熱下に接着して得ら
れた被覆層の形成された直後の鋼矢板は、その後
空冷、水冷、その他公知の冷却方法で、比較的短
時間に室温付近にまで冷却することが好ましい。
[発明の効果] 本発明の防食被覆鋼矢板は、耐久性が極めて良
好な被覆層により被覆されていることから良好な
防食性を示し、かつ経済的に防食被覆層が形成さ
れる。
すなわち、本発明の防食被覆鋼矢板は、その被
覆層の最外層のポリエチレンの被覆層が、優れた
耐熱性および耐衝撃性を有していることから、鋼
矢板が地中に打ち込まれるときに、地中の石、砂
利および砂礫などに強く接触する場合の衝撃ある
いは、河川水または海水さらに漂流物などによつ
て与えられる衝撃および浸食力から鋼矢板を被覆
保護することができる。
また、上述したように特定の密度のポリエチレ
ンを使用して、特定の厚さの被覆層を形成し、か
つこの密度と厚さとの間に上述した関係を持たせ
ることにより、被覆層の透湿度を非常に低くする
ことができる。従つて、被覆層を通過して、さら
に接着剤層をも通過して鋼矢板の鋼面に到達する
水分量は無視し得る程度の量であるので鋼矢板を
長期間(たとえば、20年以上)防食することが可
能となる。
さらに、本発明の防食被覆鋼矢板は、上記のよ
うに優れた防食性を有するにもかかわらず、比較
的容易に製造することができ、防食に要するコス
トを低く押えることができる。
次に、本発明の実施例および比較例を示す。
以下の実施例および比較例で測定した透湿度の
測定、剥離強度試験、耐衝撃強度試験および耐塩
水耐久性試験は次のようにして行なつた。
透湿度の測定:JIS−Z−0208に従つてポリエチ
レンシートと接着剤層からなる積層シートにつ
いて行なつた。
剥離強度試験:20℃で50mm/分の引張り速度で90
度剥離試験を行なつた。
耐衝撃強度試験:ASTM−G−14に従つて行な
つた。
耐塩水耐久性試験:防食被覆した鋼矢板を60℃の
3.0重量%食塩水中に浸漬して、防食被覆鋼矢
板の表面に錆が発生するまでの時間を測定し
た。
実施例 1 クロメート塗料とエポキシプライマーとで下地
処理された鋼矢板(新日本製鐵(株)製:FSP−)
を約180℃に予熱して、その鋼矢板の本体部から
立ち上り部を介して継手部の中間部に至る部分に
2.5重量%のカーボンブラツクを含有するポリエ
チレンシート(密度:0.943g/cm3)、厚さ:2.0
mm、の片面に厚さ0.5mmのマレイン化変性ポリエ
チレン接着剤(マレイン化当量8.0×10-6モル/
g・PE、マレイン化したポリエチレンの密度:
0.922g/cm3)が付設された積層シートを配置し
て加熱接着して被覆層を形成し防食被覆鋼矢板を
製造した。なお、本発明の実施例よび比較例で使
用した接着剤層は上記のものである。この防食被
覆鋼矢板の平担部の耐衝撃強度は1.2Kg・mであ
つた。
このポリエチレンシートと接着剤層からなる厚
さ2.5mmの積層シートの透湿度は0.07g/m2・24
時間であつた。
上記のようにして得られた防食被覆鋼矢板を用
いて耐塩水耐久性試験を行なつたが、十二箇月間
を経過した後も錆の発生は、まつたく見られなか
つた。
上記の十二箇月を経過した耐塩水耐久試験の試
験片の防食被覆層の剥離試験を行なつた結果、剥
離強度は約15Kg/cmであつた。なお、耐塩水耐久
試験の剥離強度は、約20Kg/cmであつた。
上記の方法と同様の方法で凹部を防食被覆した
鋼矢板とおよび凸部を被覆した鋼矢板を製造し、
被覆層が海水と接触するように打設して、海岸の
護岸を行なつた。打設の方法は通常行なわれてい
る方法に従つた。
六箇月経過後、この鋼矢板を引き抜き観察した
ところ、土壌中に埋設されていた部分の一部に土
砂による深さ1.0mm程度の傷があつたが、鋼矢板
の鋼面にまで到達するような傷は観察されなかつ
た。また、傷の周辺にも錆の発生により「膨れ」
などは観察されなかつた。
海水に浸漬されていた部分およびその上部の大
気と接触していた部分の被覆層には、肉眼で観察
されるような傷はなかつた。
実施例 2 実施例1において、密度0.952g/cm3で厚さ1.0
mmのポリエチレンシートを使用した以外は、実施
例1と同様に操作して防食被覆層鋼矢板を製造し
た。
このポリエチレンシートと接着剤層からなる厚
さ1.5mmの積層シートの透湿度は0.09g/m2・24
時間であつた。
得られた防食被覆鋼矢板を用いて、実施例1同
様に操作して耐塩水耐久性試験および海岸の護岸
における防食性においても実施例1と同様の良好
な結果を示した。
実施例 3 実施例1において、密度0.943g/cm3で厚さ1.5
mmのポリエチレンシートを使用した以外は、実施
例1と同様に操作して防食被覆層鋼矢板を製造し
た。
この接着剤層からなる厚さ2.0mmの積層シート
の透湿度は0.09g/m2・24時間であつた。
得られた防食被覆鋼矢板を用いて実施例1と同
様に操作して行なつた耐塩水耐久性試験および海
岸の護岸における防食性の試験においても実施例
1と同様な結果を示した。
実施例 4 実施例1において、密度0.935g/cm3で厚さ2.0
mmのポリエチレンシートを使用した以外は、実施
例1と同様に操作して防食被覆層鋼矢板を製造し
た。
このポリエチレンシートと接着剤層からなる厚
さ2.5mmの積層シートの透湿度は0.10g/m2・24
時間であつた。
得られた防食被覆鋼矢板を用いて実施例1と同
様に操作して行なつた耐塩水耐久性試験および海
岸の護岸における防食性の試験においても実施例
1と同様の良好な結果を示した。
実施例 5 実施例1において、密度0.952g/cm3で厚さ2.5
mmのポリエチレンシートを使用した以外は、実施
例1と同様に操作して防食被覆層鋼矢板を製造し
た。
このポリエチレンシートと接着剤層からなる厚
さ3.0mmの積層シートの透湿度は0.05g/m2・24
時間であつた。
得られた防食被覆鋼矢板を用いて実施例1と同
様に操作して行なつた耐塩水耐久性試験および海
岸の護岸における防食性の試験においても実施例
1と同様の良好な結果を示した。
実施例 6 実施例1において、密度0.943g/cm3で厚さ:
2.5mmのポリエチレンシートを使用した以外は、
実施例1と同様に操作して防食被覆層鋼矢板を製
造した。
このポリエチレンシートと接着剤層からなる厚
さ3.0mmの積層シートの透湿度は0.06g/m2・24
時間であつた。
得られた防食被覆鋼矢板を用いて実施例1と同
様に操作して行なつた耐塩水耐久性試験および海
岸の護岸における防食性の試験においても実施例
1と同様の良好な結果を示した。
実施例 7 実施例1において、密度0.935g/cm3で厚さ:
2.5mmのポリエチレンシートを使用した以外は、
実施例1と同様に操作して防食被覆層鋼矢板を製
造した。
このポリエチレンシートと接着剤層からなる厚
さ3.0mmの積層シートの透湿度は0.09g/m2・24
時間であつた。
得られた防食被覆鋼矢板を用いて実施例1と同
様に操作して行なつた耐塩水耐久性試験および海
岸の護岸における防食性の試験においても実施例
1と同様の良好な結果を示した。
実施例 8 実施例1において、密度0.926g/cm3で厚さ2.5
mmのポリエチレンシートを使用した以外は、実施
例1と同様に操作して防食被覆層鋼矢板を製造し
た。
このポリエチレンシートと接着剤層からなる厚
さ3.0mmの積層シートの透湿度は0.11g/m2・24
時間であつた。
この防食被覆鋼矢板本体部の被覆層の耐衝撃強
度は1.16Kg・mであつた。
得られた防食被覆鋼矢板を用いて実施例1と同
様に操作して行なつた耐塩水耐久性試験および海
岸の護岸における防食性の試験においても実施例
1と同様の良好な結果を示した。
比較例 1 実施例1において、密度0.926g/cm3で厚さ0.8
mmのポリエチレンシートを使用した以外は、実施
例1と同様に操作して防食被覆層鋼矢板を製造し
た。
このポリエチレンシートと接着剤層からなる厚
さ1.3mmの積層シートの透湿度は0.34g/m2・24
時間であつた。
得られた防食被覆鋼矢板を用いて実施例1と同
様に操作して行なつた耐塩水耐久性試験の結果、
約十二箇月後、錆の発生は観察されなかつたもの
の剥離強度に著しい低下が見られた。さらに、実
施例と同様に操作して実施した海岸の護岸におけ
る防食性の試験においても土砂に埋設された部分
の一部に鋼矢板の鋼面にまで達する傷が観察さ
れ、この傷の周辺の被覆層は、錆により「膨れ」
が発生していた。また、海水に接触していた部分
にも傷が観察された。
比較例 2 実施例1において、密度0.917g/cm3で厚さ:
0.8mmのポリエチレンシートを使用した以外は、
実施例1と同様に操作して防食被覆層鋼矢板を製
造した。
このポリエチレンシートと接着剤層からなる厚
さ1.3mmの積層シートの透湿度は0.47g/m2・24
時間であつた。
この防食被覆鋼矢板本体部の被覆層の耐衝撃強
度は1.2Kg・mであつた。
得られた防食被覆鋼矢板を用いて実施例1と同
様に操作して行なつた耐塩水耐久性試験の結果、
約十二箇月後、錆の発生は観察されなかつたもの
の、防食被覆鋼矢板の本体部の被覆層の剥離強度
は約1.5Kg/cmであり、耐塩水耐久試験を行なう
以前の剥離強度、約14.0Kg/cmと比較して著しく
低下していた。さらに、実施例1と同様に操作し
て実施した海岸の護岸における防食性の試験にお
いても土砂に埋設された部分の一部に鋼矢板の鋼
面にまで達する1mm以上の傷が観察され、この傷
の周辺の被覆層は、錆により「膨れ」が発生して
いた。また、海水に接触していた部分にも0.5mm
程度の傷が観察された。
比較例 3 実施例1において、密度0.917g/cm3で厚さ:
1.2mmのポリエチレンシートを使用した以外は、
実施例1と同様に操作して防食被覆層鋼矢板を製
造した。
このポリエチレンシートと接着剤層からなる厚
さ1.7mmの積層シートの透湿度は0.31g/m2・24
時間であつた。
得られた防食被覆鋼矢板を用いて実施例1と同
様に操作して行なつた耐塩水耐久性試験の結果、
約十二箇月後、錆の発生は観察されなかつたもの
の剥離強度に著しい低下が見られた。さらに、実
施例と同様に操作して実施した海岸の護岸におけ
る防食性の試験においても土砂に埋設された部分
の一部に鋼矢板の鋼面にまで達する傷が観察さ
れ、この傷の周辺の被覆層は、錆により「膨れ」
が発生していた。また、海水に接触していた部分
にも傷が観察された。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明で使用する鋼矢板の一例である
断面が大略型の鋼矢板を示す斜視図である。第
2図は第1図に示す鋼矢板を連続的に地中に打設
して形成された防護策の一例を示す斜視図であ
る。第3図は、ポリエチレンの密度と被覆層の厚
さとの関係を表わし、本発明において規定された
好ましい被覆層の範囲を示すグラフである。第4
図は、第1図に示す鋼矢板の凹部に被覆がなされ
る状態を示す断面図である。第5図は、第1図に
示す鋼矢板の凹部に被覆層が形成された防食被覆
鋼矢板の断面図である。第6図は、第1図に示す
鋼矢板の凸状面に被覆層が形成された防食被覆鋼
矢板の断面図である。 1:本体部、2:立ち上り部、3:継手部、
4:鋼矢板、5:防護柵、6:被覆層、7:接着
剤層、8:積層シート。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 鋼矢板の少なくとも片面の一部に接着剤層を
    介して被覆層が形成されてなる防食被覆鋼矢板に
    おいて、該被覆層が、密度0.920g/cm3以上のポ
    リエチレンより形成された厚さ0.5mm以上の被覆
    層であり、かつ該ポリエチレンの密度と該被覆層
    の厚さとが次式で示される関係を有することを特
    徴とする防食被覆鋼矢板; ρ≧0.004t2−0.031t+0.977 [ただし、ρはg/cm3の単位で表示されるポリエ
    チレンの密度、そしてtはmmの単位で表示される
    被覆層の厚さである]。 2 上記被覆層が、鋼矢板の少なくとも片面のほ
    ぼ全領域に接着温度50〜250℃の範囲の加熱接着
    性の接着剤層を介して形成されていることを特徴
    とする特許請求の範囲第1項記載の防食被覆鋼矢
    板。
JP19429084A 1984-09-17 1984-09-17 防食被覆鋼矢板 Granted JPS6172127A (ja)

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Citations (6)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS52132085A (en) * 1976-04-30 1977-11-05 Mitsui Petrochem Ind Ltd Lamination for giving products with excellent resistance to peeling in saline solutions
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