JPH0496992A

JPH0496992A - 酸化防止剤組成物

Info

Publication number: JPH0496992A
Application number: JP2215307A
Authority: JP
Inventors: Takuji Yasukawa; 安川　拓次
Original assignee: Kao Corp
Current assignee: Kao Corp
Priority date: 1990-08-15
Filing date: 1990-08-15
Publication date: 1992-03-30
Anticipated expiration: 2014-06-14
Also published as: JP2905275B2

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本発明は、酸化防止剤組成物に関し、更に詳しくはリン
脂質及び／又はジグリセリド混合物中に抗酸化剤を含有
して成る酸化防止剤組成物並びに該酸化防止剤組成物を
含有する食用油脂組成物に関する。

〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕現在、
食品分野を中心に種々の品質保持剤である添加物が上布
され、とりわけ、酸化に伴って生じる品質の劣化を防止
する為の酸化防止剤については種々の物質が開発されて
きている。

一方、食品は人体内に摂取されるものである故に、安全
性の面から対象となる酸化防止剤が限定される。例えば
、トコフェロールの他、茶、スパイス、甘草等の天然物
抽出物等が好適な酸化防止剤として広範に利用されてい
る。

しかしながら、現在入手が可能である前記した天然物起
源である酸化防止剤の特に高温条件下での効果は、未だ
十分なものではなく、さらに効果の高い酸化防止剤が望
まれている。

本発明者らは、かかる現状に鑑み、鋭意研究した結果、
リン脂質及び／又はジグリセリド混合物に抗酸化剤を含
有してなる組成物が、さらに好ましくは、特定のリン脂
質及び／又は特定の脂肪酸残基を有するジグリセリド混
合物に抗酸化剤を含有してなる組成物が酸化防止効果に
優れていることを見い出し本発明を完成するに到った。

即ち、本発明は、リン脂質及び／又はジグリセリド混合
物に抗酸化剤を含有して成る酸化防止剤組成物を提供す
るものである。

さらに、本発明は、上記酸化防止剤組成物を含有する耐
酸化性及び耐高温性に優れている食用油脂組成物を提供
するものである。

以下、本発明について詳述する。

まず、本発明に係るリン脂質とは、ホスファチジルコリ
ン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジル
イノシトール、ホスファチジン酸等又はこれらの混合物
であるが、好ましくは、下記の式ＣＩ”ｌで示されるリ
ン脂質化合物である。

ＣＨ２０Ｒ。

ｘ１（式中、Ａは水素又はＲ３、Ｒ３及びＲ２は炭素数８〜
２４の飽和又は不飽和の脂肪族アシル基であり、×１は
水素又はコリン、エタノールアミン、セリン、イノシト
ール及びグリセロールのリン脂質塩基残基、アルカリ金
属、アルカリ土類金属、３価の金属及びアンモニウムの
群から選ばれる１であり、×２は水素、アルカリ金属、
アルカリ土類金属、３価の金属及びアンモニウムの群か
ら選ばれる１であり、Ｘ、及び×２に窒素を含有しない
リン脂質の重量がｘＩ及びｘ２に窒素を含有するリン脂
質の重量に対して重量比１．０以上である。）これらのリン脂質化合物は、大豆或いは卵黄等から得ら
れるレシチン及び／又はそれらを加水分解、水素添加、
エステル交換、溶剤分画、精製処理、酵素処理したレシ
チン等の中から任意に選択できる。とりわけ、式〔Ｉ〕
で表わされるリン脂質化合物は、大豆レシチン、卵黄レ
シチン等の天然レシチンを原料として酵素処理（ホスフ
ォリパーゼＤ１ホスフォリバー　セＡ　２　）、分画処
理等によりリン脂質中のＰＣ，ＰＥ含有量を低減し、ホ
スファデシン酸（ＰＡ）、リゾホスファチジン酸（ＬＰ
Ａ）、ホスファチジルグリセロール（ＰＧ）、ホスファ
チジルイノシトール（ＰＩ）含有量を特定量以上に増加
させることにより得ることができる。

更には、合成系のリン脂質として、モノグリセリドやジ
グリセリドのリン酸化によって得られるリン酸エステル
も利用することが可能である。

つぎに、本発明に用いるジグリセリド混合物は次の通り
である。即ち、構成脂肪酸残基の炭素数が８〜２４であ
り、不飽和脂肪酸残基の含量が該脂肪酸残基の７０重量
％以上であるジグリセリド混合物が好適である。

本発明による不飽和度が高いジグリセリド混合物は、不
飽和脂肪酸残基のレベルが高い油脂、例えば、サフラワ
ー油、オリーブ油、綿実油、菜種油、コーン油、大豆油
、パーム油、ひまわり油、ごま油、更にラード、牛脂、
魚油、乳脂、あるいはそれらの分別油、ランダム化油、
硬化油、エステル交換油から選ばれた１種または２種以
上の油脂と、グリセリンの混合物をエステル交換反応す
るか、又はこれら油脂本来の不飽和脂肪酸レベルの高い
脂肪酸とグリセリンをエステル化反応して得られる。

グリセリド混合物中のジグリセリド含量を高くする別の
方法として、例えば天然食用油脂の分別油の利用があげ
られる。この方法は前述の天然油脂の内、比較的飽和脂
肪酸含有量の高い油脂に好適で、分別により低融点画分
を分取することにより、該油脂中のジグリセリド含量を
増大させ、本発明に用いるジグリセリド混合物を好適に
得ることが可能になる。

本発明で用いるリン脂質の添加量は、０．０１〜３０重
量％（好ましくは０．１〜５重景重量であり、また、ジ
グリセリド混合物の添加量は０．１〜５０重量％（好ま
しくは５〜５０重量％）である。

ジグリセリド混合物を、本発明の酸化防止剤組成物を含
有する食用油脂組成物に添加する場合、その添加量は５
〜５０重量％（好ましくは１０〜５０重量％）である。

さらに、本発明で使用でき、また工業的に入手できる抗
酸化剤としては、従来食品の酸化防止剤として提案され
ているＢＨＴ　（ブチルヒドロキシトルエン）　、ＢＨ
Ａ　（ブチルヒドロキシアニソール）、アスコルビン酸
、トコフェロール、Ｌ−７’ロリン、Ｌ−アスコルビン
酸エステルの他、スパイス、茶、甘草等の天然物からの
抽出物、或いはこれらの１種又は２種以上を含有する酸
化防止剤組成物等の公知の酸化防止剤を使用し得るが、
特に茶、スパイス、甘草等の天然物から抽出された抗酸
化剤、或いはこれらとトコフェロール等とを併用したも
のが好ましい。

これら抗酸化剤の添加量は１〜１０．０００ｐｐｍが好
ましい。本発明による酸化防止剤組成物を構成するリン
脂質及び／又はジグリセリド混合物並びに抗酸化剤の添
加量とは、該酸化防止剤組成物を配合すべき対象となる
工業製品に対する重量％である。

本発明に用いる油脂は、天然由来の油脂、例えばサフラ
ワー油、オリーブ油、綿実油、ナタネ油、コーン油、大
豆油、パーム油等の植物油脂、或いはラード、牛脂、魚
油、バター脂等の動物油脂あるいはそれらの硬化油、分
別油、ランダムエステル交換油から選ばれた１種又は２
種以上の油脂である。

本発明による酸化防止剤組成物は、工業分野に広く用い
ることができるが、とりわけ、食品工業分野での利用が
好ましい。食品工業分野の中でも、特に油脂製品に利用
することにより、その長期保存、及び高温加熱時の酸化
に伴って生じる劣化を極度に抑制でき、さらにかかる耐
酸化性に優れた油脂製品を用いて食品素材又は食品を処
理することにより、食品の酸化防止を一層効果的に達成
できる。

〔実施例〕

以下に実施例、比較例及び参考例をもって本発明の効果
をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例及び
比較例に限定されるものではない。

尚、上記三個中の％は特記しない限り重量基準である。

実施例く抗酸化剤の評価実験方法〉（１）試料の調製各種抗酸化剤を、所定の濃度になるように油脂、リン脂
質及び／又はジグリセリドから成る混合物に添加し、室
温にて攪拌し溶解させ実験に用いた。

（２）酸化安定性の評価方法上記でサンプリングされた試料は、基準油脂試験法（日
本油化学協会編）の自動酸化に対する安定性試験（ＡＯ
Ｍ試験）に基づき１２０℃にて測定した。

参考例１〜３固定化１，３位選択的リパーゼである市販リパーゼ製剤
（リパーゼ商品名：　ｒＬｉｐｏｚｙｍｅ　３Ａ　Ｊ、
ノボインダストリーＡ、Ｓ８社製）を触媒として、下記
の第１表に記載の植物油由来脂肪酸８６０ｇ及びグリセ
リン１４０ｇを４０℃で反応させた。リパーゼ製剤を濾
別した後、反終品を分子蒸留にかけ、常法により精製を
行って第１表に示すようなジグリセリド混合物１〜３を
得た。

第　１　表　ジグリセリド混合物第　２　表　リン脂質混合物の組成ＴＧ：）ジグリセリドＤＧニジグリセリドＭＧ：モノグリセリド数値（％）は、ガスクロマトグラフィーによる分析値注）１）アセトン不溶分：食品添加物公定書に記載されたレシチン分に準する。

２）　ＰＣ含量ニリン脂質混合物中のホスファチジルコリン（ＰＣ）含量
（重量％）。

油化学、　３５（１２）、　Ｐ１０１８〜１０２４．　
’　８６の方法に準じ、１０分子量を７７３として求め
た。

３）　ＰＥ含量ニリン脂質混合物中のホスファチジルエタノールアミン（
ＰＥ）含量（重量％）。

油化学、　３５（１２＞、　Ｐ１０１８〜１０２４．　
’　８６の方法に準じ、ＰＥ分子量を７２８として求め
た。

４）　ＰＡ＋ＬＰＡ含量ニリン脂質混合物中のホスファチジン酸（ＰＡ）とりゾホ
スファチジン酸（ＬＰＡ）の含有量の和。

油化学、　３５（１２）、　Ｐ１０１８〜１０２４．　
’　８６の方法に準じ、ＰＡ、　ＬＰＡ分子量を各々７
０４．４４４として求めた。

５）　ＰＡ　５５．６％とＰＬＡｌ、０％との混合物。

６）　ＰＡ　４８．６％とＰＬＡｏ、１％との混合物。

実施例１〜４参考例１〜３で得た第１表のジグリセリド混合物に、植
物油並びにリン脂質を混合して、第３表に示す組成の食
用油を調製した。得られた食用油に第３表に示す抗酸化
剤を５００ｐｐＩＴＩ配合した。尚、実施例３．４にお
いてトコフェロールと茶抽出物は各々２５０ｐｐｍずつ
配合した。得られた食用油につき、前記した抗酸化剤の
評価実験方法に従って、基準油脂試験法（日本油化学協
会編）に基いてＡＯＭ試験による抗酸化性を評価した。

その評価結果を第３表に示す。

比較例１〜７抗酸化剤を配合しない以外は、実施例１〜４に従って、
第３表に記載の油脂、ジグリセリド及びリン脂質を配合
して食用油を調製した。実施例１〜４に従って抗酸化性
を評価し、その評価結果を第３表に示す。

〔発明の効果〕

本発明のリン脂質及び／又はジグリセリド混合物に抗酸
化剤を含有してなる酸化防止剤組成物を食用油脂に添加
した場合、高温加熱時における抗酸化性が顕著に認めら
れ、高温加熱時の酸化による食用油脂の劣化を防止でき
、さらに長期安定性にも優れているので、食用油脂の長
期保存が可能となる。

出願人代理人　古　　谷　　　　馨（外３名）

Claims

【特許請求の範囲】１　リン脂質及び／又はジグリセリドに抗酸化剤を含有
して成ることを特徴とする酸化防止剤組成物。２　リン脂質が下記の式〔 I 〕で表わされるリン脂質
である請求項１記載の組成物。 ▲数式、化学式、表等があります▼〔 I 〕（式中、Ａは水素又はＲ＿２、Ｒ＿１及びＲ＿２は炭素
数８〜２４の飽和又は不飽和の脂肪族アシル基であり、
Ｘ＿１は水素又はコリン、エタノールアミン、セリン、
イノシトール及びグリセロールのリン脂質塩基残基、ア
ルカリ金属、アルカリ土類金属、３価の金属及びアンモ
ニウムの群から選ばれる１であり、Ｘ＿２は水素、アル
カリ金属、アルカリ土類金属、３価の金属及びアンモニ
ウムの群から選ばれる１であり、Ｘ＿１及びＸ＿２に窒
素を含有しないリン脂質の重量がＸ＿１及びＸ＿２に窒
素を含有するリン脂質の重量に対して重量比１．０以上
である。）３　ジグリセリドが、構成脂肪酸残基の炭素数が８〜２
４であり、不飽和脂肪酸残基の含量が該脂肪酸残基の７
０重量％以上である請求項１記載の酸化防止剤組成物。４　請求項１記載の酸化防止剤組成物を含有することを
特徴とする食用油脂組成物。