JPH05146270A - 乳化油脂組成物 - Google Patents

乳化油脂組成物

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JPH05146270A
JPH05146270A JP3337704A JP33770491A JPH05146270A JP H05146270 A JPH05146270 A JP H05146270A JP 3337704 A JP3337704 A JP 3337704A JP 33770491 A JP33770491 A JP 33770491A JP H05146270 A JPH05146270 A JP H05146270A
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fat
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 滑らかな食感を有し、特に卵黄およびキサン
タンガムを使用した場合においても、保存後のゲル化が
生じにくく、しかも油っぽくなく、低カロリーで食する
ことができる、ドレッシング用として好適な乳化油脂組
成物を提供する。 【構成】 食用油脂と水性成分とを含む乳化油脂組成物
において、カルシウム含量が0.055重量%以下のキ
サンタンガム、及び窒素原子を含有しないリン脂質の重
量が窒素原子を含有するリン脂質の重量に対して重量比
1.0以上であるリン脂質混合物もしくはジグリセリド
が配合されてなることを特徴とする乳化油脂組成物。こ
の油脂組成物は、さらに卵黄を含むことが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、乳化油脂組成物に関す
る。特に本発明は乳化液状型ドレッシングに好適に利用
できる乳化油脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ドレッシングなどの、食用油
脂と水性成分とを基剤とする乳化油脂組成物には、主に
粘度の調整や乳化の安定を図るためにガム質材料が添加
されている。このようなガム質材料としては、キサンタ
ンガム、グアーガム、トラガントガム、カラギーナンガ
ム、ローカストビーンガムおよびタマリンド種子ガム等
が使用されている(特開昭61−78258号公報)。
【0003】上記のガム質のうちキサンタンガムは、他
のガム質と比較して、耐酸性、乳化性等に優れている。
このために、キサンタンガムを使用して調製されたドレ
ッシング等の乳化油脂組成物にはなめらかな食感が付与
されることが知られている。例えば、特開平3−914
60号公報には、食用油脂と特定のリン脂質混合物およ
び/またはグリセリド混合物とからなる乳化油脂組成物
にキサンタンガムを使用することが開示されている。
【0004】
【発明が解決しょうとする課題】ドレッシング等の乳化
油脂組成物はさらに卵黄を加えて調製する場合がある。
例えば、特開昭54−154800号公報には、食用油
脂、卵黄、低カルシウムのキサンタンガム、水および酢
などからなるサラダ用ドレッシングが開示されている。
卵黄を使用することによってきめの細かいさらに食感の
良好な乳化油脂組成物が作成できるとされている。しか
し、卵黄を加えた場合には製造後、保存中においてガム
質材料と卵黄の蛋白質との作用により製品のゲル化が生
じやすく、その結果、上記のような成分からなる乳化油
脂組成物が容器から流出しにくくなったり、また食感と
しての滑らかさが低下するとの問題があった。
【0005】上記のようなゲル化の発生を抑えるため
に、特開昭59−154960号公報には卵黄の全部乃
至一部を変性したものを使用する方法が提案されてい
る。しかしながら、変性卵黄を使用すると、乳化力の低
下がもたらされ、食感にボソつきが感じられるなどの問
題が生じる。
【0006】ところで、近年、低カロリー食品を好む傾
向にあり、ドレッシングにおいても比較的油脂分が少な
く、さっぱりとしたものが望まれる。しかし、油脂分を
減少させると乳化物の粘度が低下し、従って、保存時に
は油相と水相の分離が起こる場合がある。
【0007】本発明の目的は、食感が改良され、かつ安
定した乳化状態を保持できる乳化油脂組成物を提供する
ことである。
【0008】また本発明の目的は、卵黄と特定のキサン
タンガムを併用して調製された乳化油脂組成物が、保存
後においてもゲル化が生じにくく、しかも非常に滑らか
な食感を有し、また比較的油っぽくなく、低カロリーの
ドレッシングとして利用できる乳化油脂組成物を提供す
ることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上述のよう
にさらに滑らかな食感を有し、卵黄を加えた場合におい
てもゲル化が生じにくく、しかも低カロリーの乳化物を
得る目的で鋭意検討を重ねた結果、特定のリン脂質混合
物あるいはジグリセリドを含む乳化油脂組成物におい
て、カルシウム含量が一定値以下のキサンタンガムを使
用することにより上記目的が達成されることを見い出
し、本発明を完成した。
【0010】すなわち本発明は、食用油脂と水性成分と
を含む乳化油脂組成物において、カルシウム含量が0.
055重量%以下のキサンタンガム、及び窒素原子を含
有しないリン脂質の重量が窒素原子を含有するリン脂質
の重量に対して重量比1.0以上であるリン脂質混合物
もしくはジグリセリドが配合されてなることを特徴とす
る乳化油脂組成物にある。
【0011】以下、本発明の乳化油脂組成物について詳
細に説明する。本発明の乳化油脂組成物は、カルシウム
含量が一定値以下に低減されたキサンタンガム、および
リン脂質混合物またはジグリセリドが食用油脂と水性成
分と共に乳化分散されてなるものである。
【0012】キサンタンガムは、微生物のキサントモナ
スキャンペストリスが生産するヘテロ多糖類である。本
発明において使用されるキサンタンガムは、カルシウム
含量が0.055重量%以下、更に好ましくは0.03
0重量%以下のものである。このようなキサンタンガム
は、前述の特開昭54−154800号公報に記載され
ている方法により得ることができる。カルシウム含量は
カルシウム測定キット「カルシウムC−テストワコー」
(和光純薬工業(株)製)を用いて求めることができ
る。
【0013】なお、一般に用いられているキサンタンガ
ムのカルシウム含量は、通常0.060〜0.2重量%
の範囲である。このような通常のキサンタンガムから本
発明に使用する低カルシウム含量のキサンタンガムを得
るには、キレート樹脂を用いる方法、イオン交換樹脂を
用いる方法、透析による方法等を利用できる。代表的な
方法として、キレート樹脂を用いる方法について以下簡
単に説明する。
【0014】まず、市販のキサンタンガムをイオン交換
水に溶解する。これをキレート樹脂(例えば、商品名:
スミキレートMC−30、住友化学工業(株)製など)
を充填したカラムに通し、カルシウムを除去する。この
場合バッチ式で行なってもよい。このようにして得られ
たキサンタンガムのカルシウム含量は、キレート処理前
に比べて低く、従って、本発明に好適に利用できるカル
シウム含量の低減したキサンタンガムを得ることができ
る。
【0015】本発明で用いるキサンタンガムの使用量
は、乳化油脂組成物の全量に対して、0.05〜2重量
%の範囲にあることが好ましい。0.05重量%より少
ない場合は、増粘効果、乳化安定性等に乏しく、2重量
%を越える場合は、食感が糊っぽくなり、流動性が低下
しやすくなる。
【0016】本発明の乳化油脂組成物には卵黄が含まれ
ていることが好ましい。使用できる卵黄の原料は、割卵
分離して得た卵黄液、卵黄粉、凍結卵黄、これらの加
糖、加塩などの他、全卵液、全卵粉あるいは凍結全卵な
どのように他の卵成分が混合された形態のものであって
もよい。
【0017】卵黄の使用量は、卵黄液(水分約50重量
%)基準で、乳化油脂組成物調製に用いる全原料の0.
5〜30重量%の範囲にあることが好ましい。卵黄の使
用量が0.5重量%以上になると製品にこくが出て、味
がまろやかになり乳化が安定する。しかし、30重量%
を超えると、製品に卵黄の風味が強くなり過ぎる傾向が
生じてくる。さらに好ましい範囲は1〜20重量%であ
る。
【0018】主成分である食用油脂としては、食用に供
される油脂であれば特に制限されない。具体的には、大
豆油、菜種油、綿実油、サフラワー油、オリーブ油、コ
ーン油、パーム油、米油、ひまわり油、胡麻油等の植物
油、あるいは乳脂、ラード、牛脂、魚油、鯨油等の動物
油、さらにはこれらの水添硬化油を挙げることができ
る。本発明においては、植物油が好ましい。
【0019】食用油脂の使用量は、乳化油脂組成物調製
に用いる全原料の1〜75重量%であることが好まし
い。更に好ましくは、5〜50重量%である。
【0020】リン脂質混合物は、窒素原子を含有しない
リン脂質の重量が窒素原子を含有するリン脂質の重量に
対して重量比1.0以上のものである。上記重量比は
3.0以上であることが好ましい。
【0021】リン脂質混合物を得るには、原料レシチン
として植物種子、特に大豆、菜種、ひまわり等の種子に
由来するレシチンを用いることが好ましい。なお、リン
脂質混合物の配合量の決定に際しては、アセトン不溶分
として取扱うのが適当である。アセトン不溶分とは総リ
ン脂質分の目安となるもので、食品添加物公定書に記載
されたレシチン分の規定に準ずる。
【0022】通常のリン脂質は、ホスファチジルコリン
(PC)、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、ホス
ファチジルイノシトール(PI)、ホスファチジルグリセロ
ール(PG)、ホスファチジン酸(PA)、ホスファチジル
セリン(PS)などのリン酸化合物からなる混合物であ
る。窒素原子を含有するリン脂質としては、ホスファチ
ジルコリン、ホスファチジルエタノールアミンおよびホ
スファチジルセリンが主な成分として含まれる。
【0023】本発明で用いるリン脂質混合物は、特開平
2−27943号公報に記載されているように公知で有
り、種々の方法を利用して得ることができる。例えば大
豆レシチンに代表される天然レシチンを原料として、ホ
スフォリパーゼD、ホスフォリパーゼA2 を触媒として
ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミ
ン(窒素原子を含有するリン脂質)を選択的に分解し
て、これらの含有量を減少させると同時に、ホスファチ
ジン酸およびリゾホスファチジン酸(窒素原子を含有し
ないリン脂質)の含有量を増加させる方法により得たも
の、あるいはホスフォリパーゼD、ホスフォリパーゼC
を触媒として、同様に天然レシチンを分解し、ホスファ
チジン酸の含有量を増大させる方法により得たもの等が
好ましく用いられる。またホスフォリパーゼを触媒とし
たトランスホスファチジレーションにより、天然レシチ
ン中のPC、PE、PS(窒素原子を含有するリン脂
質)の含有量を減少させ、PI、PG(窒素原子を含有
しないリン脂質)の含有量を増大させる方法を利用して
得たものも有利に使用することができる。さらに天然レ
シチンを加水分解、水素添加、エステル交換、溶剤分
画、あるいは精製処理したレシチンも使用できる。
【0024】窒素を含まないリン脂質としてのホスファ
チジン酸、リゾホスファチジン酸は遊離の酸でも、また
塩の形でも使用できる。塩を構成するものとしては、ナ
トリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウ
ム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アルミ
ニウム塩等の三価の金属塩、およびアンモニウム塩等が
挙げられる。特に、ナトリウム、カリウムの一価のアル
カリ金属の塩が好ましい。
【0025】本発明において使用するリン脂質混合物と
しては、ホスファチジン酸が、他のリン脂質を構成する
成分に比べて特に増粘性等において優れた性質を示すこ
とから、精製、酵素処理によりホスファチジン酸含量を
高めたリン脂質混合物あるいは実質的に他の成分を含ま
ないホスファチジン酸あるいはその塩が好ましい。しか
し、風味が良好になるなどの観点から、ホスファチジル
コリン、ホスファチジルエタノールアミン等が全て分解
されないで残存し、ホスファチジルコリンとホスファチ
ジルエタノールアミンの合計量がリン脂質中に0.01
〜20重量%の割合で残存しているリン脂質混合物か、
あるいは実質的に他の成分を含まないホスファチジン酸
とホスファチジルコリンとを併用することが好ましい。
【0026】ホスファチジン酸を構成する脂肪酸として
は炭素数8〜20の飽和または不飽和脂肪酸が好まし
く、中でも炭素数16〜18の飽和または不飽和脂肪酸
が最適である。
【0027】なお、モノグリセリドまたは/およびジグ
リセリドの化学的なリン酸化によって得られる物質(例
えば、特公昭51−47692号公報参照)もリン脂質
として使用できる。
【0028】本発明において、上記リン脂質混合物は乳
化油脂組成物中に、乳化油脂組成物の油相を基準にして
0.1〜30重量%の範囲で含まれていることが好まし
い。さらに好ましくは0.3〜20重量%の範囲であ
る。なお、後述するように、更にこの乳化油脂組成物に
はジグリセリドを5重量%以上、好ましくは10重量%
以上含有させることが望ましい。この場合、上記の特定
のリン脂質混合物を含むことなく、乳化油脂組成物の油
相を基準にしてリン脂質混合物とジグリセリドは同時
に、あるいは各々独立に配合しても差し支えない。
【0029】本発明において使用されるジグリセリドは
通常、モノグリセリド、ジグリセリド、およびトリグリ
セリドのグリセリド混合物として供給されるが、ジグリ
セリドが5〜99.9重量%(好ましくは、10〜80
重量%)含有されてなるものである。また、グリセリド
組成は、ジグリセリド対モノグリセリドの重量比が5:
1〜990:1の範囲にあることが好ましい。グリセリ
ド混合物中のモノグリセリド含量は、風味の点から10
重量%以下が好ましく、さらに好ましくは2重量%以下
である。
【0030】また、モノ、ジおよびトリグリセリドを構
成する脂肪酸残基の炭素数は8〜24であることが好ま
しく、更に低温下でも均一、良好な液状性を得る為に、
炭素数16の飽和脂肪酸含量が15重量%以下であるこ
とがさらに好ましい。またモノ、ジおよびトリグリセリ
ドを構成する全構成脂肪酸中の不飽和脂肪酸残基の含量
は70重量%以上が好ましく、さらに好ましくは82〜
100重量%である。
【0031】さらに低温下での均一な液体油脂組成物を
得るには、ジグリセリドが、飽和/不飽和脂肪酸の組合
せからなるジグリセリド含量40重量%以下(より好ま
しくは0.1〜40重量%)、残余が不飽和/不飽和脂
肪酸の組み合せからなるジグリセリドであることが好ま
しい。またこのジグリセリドには、飽和/飽和脂肪酸の
組合せからなるジグリセリドが5重量%以下(より好ま
しくは1重量%以下)含まれていてもよい。
【0032】本発明に使用されるジグリセリドは、不飽
和脂肪酸残基のレベルの高い油脂、例えば、サフラワー
油、オリーブ油、綿実油、コーン油、菜種油、大豆油、
パーム油、ひまわり油、ごま油、更にラード、牛脂、魚
油、乳脂、あるいはそれらの分別油、ランダム化油、硬
化油、エステル交換油から選ばれた一種または二種以上
の油脂と、グリセリンの混合物をエステル交換反応する
か、またはこれらの油脂由来の不飽和脂肪酸レベルの高
い脂肪酸とグリセリンをエステル化反応して得られるジ
グリセリド含量の高い油脂を単独もしくは上述した原料
油脂とを混合することにより得ることができる。反応で
生成した過剰のモノグリセリドは分子蒸留法またはクロ
マトグラフィー法により除去することができる。これら
の反応はアルカリ触媒等を用いた化学反応でも行なうこ
とが可能であるが、1,3位選択的リパーゼ等を用いて
酵素的に温和な条件で反応を行なうのが風味等の点で優
れており好ましい。
【0033】グリセリド混合物中のジグリセリド含量を
高くする別の方法として、例えば、天然食用油脂の分別
油の利用が挙げられる。この方法は前述の天然油脂のう
ち、飽和脂肪酸含有量が比較的高い油脂に好適で、分別
により低融点画分を分取することにより、冷却耐性が向
上すると同時に該油脂中のジグリセリド含量を増大させ
る。
【0034】なお、上記天然油脂中には非グリセリド系
脂質としてワックス類が共存する。ワックス類は、融点
が高く、グリセリド混合物との相溶性が低い等の性状を
有する。このため低温下で固化を伴わないグリセリド混
合物を得るには、ワックス類の油脂中の含量が2重量%
以下(特に、0.5重量%以下)であることが好まし
い。
【0035】本発明において、ジグリセリドは上記の特
定のリン脂質混合物を含むことなく、乳化油脂組成物の
油相を基準にして、5〜99.9重量%(更に好ましく
は10〜80重量%)含まれていることが好ましい。
【0036】本発明の乳化油脂組成物には、上述した成
分以外の任意成分(原料)が含まれていてもよい。この
ような成分としては従来からドレッシング用として用い
られているもので、具体的には、食酢、調味料、香辛
料、果汁、抗酸化剤、乳化剤などが挙げられる。
【0037】本発明の乳化油脂組成物は、従来の乳化物
を調製する方法と同様に製造することができる。例え
ば、キサンタンガムと任意の成分(卵黄、食酢、調味
料、香料等)をあらかじめ分散あるいは溶解した水性原
料に、前述した、食用油脂および特定の油脂成分を含む
油性原料を添加混合し、粗乳化した後、さらにホモミキ
サー、ホモジナイザー等で微細に乳化し、製品化するこ
とができる。
【0038】上記のようにして調製される本発明の乳化
油脂組成物の粘度は、20000〜300,000(c
ps)の範囲にあることが好ましい。さらに好ましいの
は、25000〜200,000(cps)の範囲の粘
度である。
【0039】
【実施例】以下の実施例および比較例により本発明を詳
細に説明する。ただし、本発明はこれらの例に限定され
ない。
【0040】(試料の調製) (1)リン脂質混合物の調製 高純度大豆レシチン(アセトン不溶分95%以上)を原
料として、このものをホスフォリパーゼD処理すること
により、下記組成のグリセリド混合物を得た。 ──────────────────────────────────── リン脂質混合物(組成%)1) ────────────────────────────── アセトン 2) ホスファチジン 不溶分 ホスファチ ホスファチジル ホスファチジル 酸 3) (及びそ (重量%) ジルコリン エタノールアミン イノシトール のCa塩) ──────────────────────────────────── 95.7 0.7 2.4 10.8 53.6 ──────────────────────────────────── (注) 1)日本油化学協会編、基準油脂分析試験法(2.2.
8.4.a.86 リン脂質組成)に準じたTLCによ
る分析値。 2)アセトン不溶分;食品添加物公定書に記載されたレ
シチン分を意味する。 3)リゾホスファチジン酸(及びそのCa塩)を含む。
【0041】(2)グリセリド混合物の調製 固定化1,3位選択性リパーゼである市販リパーゼ製剤
(リパーゼ商品名:「Lipozyme 3A」 、ノボインダストリ
ーA.S.社製)を触媒として、コーン油由来脂肪酸8
60gとグリセリン140gとを40〜60℃で反応さ
せた。反応終了後、リパーゼ製剤を濾別した後、反応生
成物を分子蒸留にかけ、常法により精製を行なって、下
記組成のグリセリド混合物を得た。 ────────────────────────────── グリセリド混合物(組成%) ───────────────────────── 油脂起源 トリグリセリド ジグリセリド モノグリセリド ────────────────────────────── コーン油 35.4 63.1 1.5 ──────────────────────────────
【0042】[実施例1]下記配合割合の原料を混合、
乳化させて本発明に従う乳化液状ドレッシングを調製し
た。 (配合割合) 配合量(重量%) 米白絞油 28.9 グリセリド混合物 5.6 リン脂質混合物 0.5 食酢 15.5 卵黄 6.5 上白糖 4.5 食塩 2.5 調味料 0.2 キサンタンガム 0.2 (カルシウム含量:0.052重量%) 香辛料 0.1 浄水 35.5
【0043】[実施例2]上記実施例1において、カル
シウム含量が0.052重量%のキサンタンガムの代わ
りにカルシウム含量が0.030重量%のキサンタンガ
ムを使用した以外は、実施例1と同様にして本発明に従
う乳化液状ドレッシングを調製した。
【0044】[実施例3]上記実施例1において、カル
シウム含量が0.052重量%のキサンタンガムの代わ
りにカルシウム含量が0.018重量%のキサンタンガ
ムを使用した以外は、実施例1と同様にして本発明に従
う乳化液状ドレッシングを調製した。
【0045】[比較例1]下記配合割合の原料を混合、
乳化させて、本発明に係る特定の油脂成分(リン脂質混
合物またはグリセリド混合物)を含有しない比較用の乳
化液状ドレッシングを調製した。 (配合割合) 配合量(重量%) 大豆サラダ油 35.0 食酢 15.5 卵黄 6.5 上白糖 4.5 食塩 2.5 調味料 0.2 キサンタンガム 0.2 (カルシウム含量:0.067重量%) 香辛料 0.1 浄水 36.0
【0046】[比較例2]上記比較例1において、大豆
サラダ油および浄水の配合量をそれぞれ50重量%、2
1重量%に変えた以外は、比較例1と同様にして比較用
の乳化液状ドレッシングを調製した。
【0047】[乳化液状ドレッシングの評価]上記のよ
うにして得られた各乳化液状ドレッシングを100ml
のガラス瓶に詰めて室温(25℃)で1週間保存した
後、食感について官能評価した。また該ドレッシングの
ゲル化状態を観察し、B型粘度計(No.3ローター、
1.5rpm)で粘度を測定し、評価した。
【0048】評価は以下の基準に従った。 (1)保存後の風味の評価 A:非常に滑らかである。 B:滑らかである。 C:多少ボソつきを感じた。 D:ひどいボソつきを
感じた。
【0049】 (2)ゲル化状態の評価 A:ゲル化が全く認められない。 B:ゲル化がほとんど認められない。 C:ゲル化が認められ、ガラス瓶からの乳化物の流出に
時間を要した。 D:ゲル化が強く認められ、ガラス瓶を逆にしても乳化
物は流出しない。 結果を下記の表1に示す。
【0050】
【表1】 表1 ──────────────────────────────────── キサンタンガム ジグリセリド 評 価 結 果 中のCa含量 /リン脂質混合 ───────────── (重量%) 物含有の有無 ゲル化状態 食感 粘度(cps) ──────────────────────────────────── 実施例1 0.052 有 B A 30000 実施例2 0.030 有 A A 27200 実施例3 0.018 有 A A 25000 ──────────────────────────────────── 比較例1 0.067 無 C C 10800 比較例2 0.067 無 C C 30000 ──────────────────────────────────── なお、実施例1と比較例2とは、同じ数値の粘度となっ
ているが、実施例1ではチキソトロピー効果が発現して
流動性が保持されているが、比較例2では、この効果が
発現せず、ゲル状態を示した。
【0051】第1表に示された結果から明らかなよう
に、本発明に従う乳化液状ドレッシング(実施例1〜
3)は、食感も非常に滑らかで、ゲル化状態も良好であ
った。一方、本発明に係る特定の油脂成分(リン脂質混
合物、ジグリセリド)を使用しないで調製された乳化液
状ドレッシング(比較例1および2)は、ゲル化状態、
食感共に満足できるものではなかった。また、比較例1
の乳化液状ドレッシングは粘度が著しく低く、保存中に
油相と水相の分離が生じる場合があり、製品として成り
立たなかった。さらに比較例2の乳化液状ドレッシング
は粘度が実施例1と同じであったが、油分が増加したた
め、油っぽく、また高カロリーになった。
【0052】
【発明の効果】前述のように特定のキサンタンガムを使
用したことによって滑らかな食感を有する乳化油脂組成
物が安定して調製できる。またこのキサンタンガムと卵
黄を使用し、さらにリン脂質混合物やジグリセリドなど
の成分を使用して調製した場合でも、従来のような保存
後のゲル化も生じにくく、従って、容器から流出しにく
いといった問題も生じない。しかもその品質は、こくが
あり、味がまろやかであり、非常になめらかな食感を有
している。さらにこのようにして調製された乳化型ドレ
ッシングは非常に低カロリーである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 食用油脂と水性成分とを含む乳化油脂組
    成物において、カルシウム含量が0.055重量%以下
    のキサンタンガム、及び窒素原子を含有しないリン脂質
    の重量が窒素原子を含有するリン脂質の重量に対して重
    量比1.0以上であるリン脂質混合物もしくはジグリセ
    リドが配合されてなることを特徴とする乳化油脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 さらに卵黄を含む請求項1に記載の乳化
    油脂組成物。
  3. 【請求項3】 窒素原子を含有しないリン脂質の重量が
    窒素原子を含有するリン脂質の重量に対して重量比1.
    0以上であるリン脂質混合物およびジグリセリドの双方
    が配合されてなる請求項1に記載の乳化油脂組成物。
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