JPH049420Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は引違いサツシもしくは片引きサツシに
おける障子のはずれ止め構造に関する。

（従来の技術） 従来、この種のはずれ止め構造としては、窓上
枠の垂直壁の係止部にはずれ止め部材が遊嵌状態
で装着され、障子を取外す場合、はずれ止め部材
を横方向の適当な位置にずらし、障子を吊込んだ
後に元の位置に戻していた。この場合、はずれ止
め部材の下端は窓上枠の垂直壁の下端と同一レベ
ルに保たれ、障子が上つてもはずれ止め部材の下
端に当接することによつて、障子の脱落が防止さ
れた。さらに他の従来例として実開昭58−79670
号公報に示すものが知られており、その構造は上
下可動のストツパのフランジ部を下枠側の突片に
当接することによつてはずれ止めを行なうもので
あつたが、以下に記載する問題点があつた。

（考案が解決しようとする問題点） このような従来のはずれ止め構造では、窓上枠
が上向きに反り且つ下枠が下向きに反ると、また
はいずれか一方の枠が極度に反つた場合に、障子
が脱落する欠点があつた。即ち、第７図および第
８図は従来のはずれ止め構造を示すものである
が、図示のように下枠１と上枠２が反ると、障子
３の上端と上枠２の垂直壁２ａの下端との〓間５
が、障子の戸車６と下枠１のレール１ａとの間の
掛り代７より大きくなり、前述の欠点があつた。
図中、４ははずれ止め部材である。また、ストツ
パのフランジ部を下枠の突片に当接するもので
は、該フランジ部と該突片との間〓が一定に保た
れることはなく、且つ該フランジ部と該突片の衝
突によつて生じる衝撃を該ストツパの調整ねじで
受けるため破損しやすく、さらに障子の取外しは
該フランジ部を該突片の下方に移動することによ
つてなされたため障子の取外しが容易でない、等
の問題点があつた。

本考案の目的は窓の上枠および下枠、もしくは
いずれか一方の枠が反つても障子の脱落を適切に
防止することができる障子のはずれ止め構造を提
供することである。

本考案のよる障子のはずれ止め構造は障子が浮
き上ろうとする際、下枠のベース上の垂直壁に設
けられた突片に対し障子の下框にガイドにより見
込方向に調整可能に取付けられたストツパのフラ
ンジ部を当接させて、障子の外れを防止するよう
に構成されている。

（実施例） 次に図面を参照のもとに本考案の実施例に関し
説明する。本考案による障子のはずれ止め構造で
は第１図および第２図に示すように、下枠１のベ
ース１ｂ上の垂直壁１ｃに見込方向に突出する突
片１０が一体に設けられ、且つそれに対し障子の
下框８にストツパ１１が可調整に設置される。ス
トツパ１１は下框８の横壁８ａを貫通し、その横
壁８ａにはストツパ１１を受け入れ且つ見込方向
に或る程度延びる切欠きが形成されている。この
ストツパ１１の下端には枠側の突片１０に向つて
その下に突出するフランジ部１２が備えられ、突
片１０の下端とフランジ部１２の上端との間〓１
３は障子が適切に走行できる空間になつている。

この突片１０は図示の実施例では先端に垂直部
を備えて断面がＴ字形になつているが、他の形状
であつてもよく、以下に延べるようにフランジ部
１２との当接によつて障子の外れを防止できるも
のであればよい。

さらに、このはずれ止め構造は下框８に設けら
れた調整ねじ１４と、ストツパ１１の見込方向の
移動を案内するガイドを含み、そのガイドはスト
ツパ１１に固定されたピン１５とそのピンが貫通
する孔を有する案内板１６から構成される。図
中、８ｂは下框８の見付面であり、調整ねじ１４
はこの見付面に設置され、その軸線は見込方向に
延びている。１７は案内板１６を固定する止ねじ
である。ストツパ１１は見付面８ｂと案内板１６
の間に配置される。

調整ねじ１４は第３図に示すように段付ねじで
あるのが好ましく、その段部１４ａで案内板１６
に当接し且つリング１８およびピン１９で回動自
在に設置される。ピン１５は第４図に示すように
一端に小径部１５ａを有し、その位置でかしめ等
によりストツパ１１に取付けられる。ストツパ１
１は第５図に示すように概してＬ形の形状を有
し、調整ねじ１４が係合するめねじ１１ａとピン
１５の取付孔１１ｂを有する。また、案内板１６
は第６図に示すように、下端に止ねじ１７を受入
れるめねじ１６ａと、調整ねじ１４の小径部を受
ける取付孔１６ｂおよびピン１５が貫通する孔１
６ｃを有する。従つて、調整ねじ１４はストツパ
１１のめねじ１１ａに係合し、調整ねじ１４を回
すことによつてストツパ１１は見込方向８ｃに移
動される。

（作用） 通常の状態では第１図に示すように、ストツパ
１１は下框の見付面８ｂに接触しており、従つて
フランジ部１２は突片１０の真下に在る。そのた
め、たとえ上枠および下枠が反つて障子の下框が
浮き上ろうとしても、ストツパのフランジ部１２
が下枠１の突片１０に当るので戸車６がレール１
ａより外れることがなく、障子の脱落が防止され
る。障子３を取外す際は調整ねじ１４を回動し、
ストツパ１１を見込方向に、突片１０から離れる
ように移動すればよく、ストツパ１１は案内板の
孔１６ｃとピン１５の係合により案内されて適切
に移動し、案内板１６に当つて第２図に示す状態
となる。この状態ではフランジ１２の先端と突片
１０の先端の間には間〓２０が生じるので、障子
３を垂直に持上げることによつて外すことができ
る。

なお、ストツパ１１のガイドとしては上記のよ
うに案内板１６の孔１６ｃとピン１５から構成す
れば機構が単純になる点で好ましいが、このよう
なガイドは他の機構であつてもよいことは言うま
でもない。

（考案の効果） 上記のように、本考案によれば、上枠および／
または下枠が反つて障子上端の〓間が障子下端の
〓間より大きくなつても障子の脱落を適切に防止
することができる。さらに、障子の取外しも容易
に行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のはずれ止め構造を備えたサツ
シの下枠と下框の部分の縦断面図、第２図は障子
を取外し得る状態にした第１図に類似の断面図、
第３図イ，ロは本考案で用いられる調整ねじの一
例の側面図と端面図、第４図イ，ロは同じくガイ
ド用のピンの側面図と端面図、第５図イ，ロは同
じくストツパの正面図と側面図、第６図イ，ロお
よびハは同じく案内板の正面図、平面図および側
面図、第７図は従来のはずれ止め構造を有するサ
ツシの縦断面図、そして第８図は従来のサツシの
上枠と下枠が反つた状態を図式的に示す正面図で
ある。 図中、１……下枠、８……下框、１０……突
片、１１……ストツパ、１１ａ……ストツパのめ
ねじ、１２……フランジ部、１４……調整ねじ、
１５……ピン、１６……案内板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下枠のベース上の垂直壁から見込方向に突出す
   る突片と、見込方向に摺動可能に設けられ且つ前
   記突片の下に突出するフランジ部を備えたストツ
   パと、軸線が見込方向に延びるように下框の見付
   面に設けられて前記ストツパのめねじに係合する
   調整ねじと、前記ストツパの見込方向の移動を案
   内するため下框底部の横壁に固定されたガイドを
   含み、前記ガイドは前記ストツパに固定されたピ
   ンと、前記ピンが貫通する孔を有する案内板から
   なり、前記調整ねじの先端は前記ガイドの孔に嵌
   挿されるようになつている障子のはずれ止め。