JPH04843Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ａ 考案の目的 （産業上の利用分野） 本考案は、病院や研究所に於いて医科用器具、
患者の使用した衣服等の被滅菌物を滅菌処理する
ガス滅菌器の改良に関する。

（従来の技術） 病院や各種研究所に於いて、医科用器具や患者
の使用した衣類等を滅菌処理する為に、ガス滅菌
器が広く使用されている。

第２図は従来使用されているガス滅菌器の概略
を示したもので、この第２図に基づいて従来のガ
ス滅菌器に就いて説明する。

１は滅菌容器で、医科用器具や患者の使用した
衣服等の被滅菌物を収納し、図示しない蓋装置に
より密閉自在としている。

上記滅菌容器１内には、一端を滅菌ガス供給源
２に接続し途中に第一の開閉弁３を設けたガス供
給管４の他端と、排気管５の一端とを連通してい
る。

排気管５は、滅菌容器１内に送り込まれた滅菌
ガスや空気を排気する為のもので、途中に第二の
開閉弁６を設け、上記滅菌容器１に接続したのと
反対端を、水封式真空ポンプ７の吸入口側に接続
している。

この水封式真空ポンプ７の吐出口側に一端を接
続した排水管８の他端は、図示しない排水施設に
通じさせている。９は逆止弁、１０は水封式真空
ポンプ７に給水する為の給水管である。

上述の様に構成される従来のガス滅菌器を用い
て被滅菌物を滅菌処理する際の作用は次の通りで
ある。

先ず第一の開閉弁３を閉じたまま第二の開閉弁
６を開け、真空ポンプ７を運転して滅菌容器１内
の空気を排出し、滅菌容器１内を負圧とする。

滅菌容器１内の圧力が十分に低下したならば第
二の開閉弁６を閉じ、真空ポンプ７の運転を停止
すると共に、ガス供給管４の途中に設けた第一の
開閉弁３を開いて滅菌ガス供給源２から滅菌容器
１内に滅菌ガスを送り込み、そのまま所定時間放
置して滅菌容器１内に収納した被滅菌物に滅菌ガ
スを浸透させ、滅菌を行なう。滅菌容器１内の圧
力上昇後、第一の開閉弁３は閉じておく。

所定時間の滅菌が終つたならば、第一の開閉弁
３を閉じたままの状態で排気管５の途中の第二の
開閉弁６を開き、真空ポンプ７を運転して滅菌容
器１内の滅菌ガスを排出すると共に滅菌容器１内
を真空にし、図示しない管から清浄空気を滅菌容
器１内に送り込み、更にこの清浄空気を排気して
残留ガスを除く。更に必要に応じて、滅菌容器１
内を真空にする作業と滅菌容器１内に清浄空気を
送り込む作業とを交互に繰り返し、完全に滅菌ガ
スを除去する。

（考案が解決しようとする問題点） ところで上述の様な従来のガス滅菌器に於いて
は次に述べる様な不都合を生じる。

即ち、滅菌処理や、滅菌終了後の滅菌ガス除去
（エアレーシヨン）を効率良く行なう為には、滅
菌容器内の湿度を高くする事が効果がある事が知
られているが、従来のガス滅菌器は、滅菌容器内
の加湿を全く行なえないか、行なえたとしても、
構造が複雑で滅菌器全体としての製作費が嵩むも
のであつた。

本考案は、滅菌容器内の気体を排出する為の水
封式真空ポンプへの給水を利用して滅菌容器内を
加湿する様に構成する事で、上述の様な不都合を
解消するものである。

ｂ 考案の構成 （問題を解決するための手段） 本考案のガス滅菌器は、従来のガス滅菌器と同
様滅菌容器内に、一端を滅菌ガス供給源に接続し
途中に第一の開閉弁を設けたガス供給管の他端
と、途中に第二の開閉弁を設け、一端を水封式真
空ポンプの吸入口に接続した排気管の他端とを連
通している。

水封式真空ポンプの吐出口に一端を接続した排
水管の他端は、排水施設に通じさせている。

更に、本考案のガス滅菌器に於いては、上記排
水管の途中から一端を分岐した絞り給水管の他端
を、滅菌容器内に開口させると共に、この開口部
周囲に保水材を設けている。

（作用） 上述の様に構成される本考案のガス滅菌器に於
いては、滅菌容器内の気体を排出する真空行程、
或は排気行程時に、水封式真空ポンプの吐出口か
ら吐出される水の一部が、絞り給水管を通つて滅
菌容器内に送り込まれ、この絞り給水管の、滅菌
容器内開口部の周囲に設けた保水材を濡らす。水
封式真空ポンプの運転時には、滅菌容器内の圧力
は低い為、上記保水材を濡らした水は迅速に蒸発
して、滅菌容器内を多湿の状態とし、滅菌作業や
滅菌ガス除去作業が効率良く行なわれる様にす
る。

（実施例） 次に図示の実施例を説明しつつ本考案を更に詳
しく説明する。

第１図は本考案のガス滅菌器の略回路図であ
る。

従来のガス滅菌器と同様、本考案のガス滅菌器
も被滅菌物を収納し、図示しない蓋装置により密
閉自在な滅菌容器１内に、滅菌ガス供給源２に一
端を連続したガス供給管４の他端と、排気管５の
一端とを連通している。

ガス供給管４の途中には第一の開閉弁３を設け
ており、この第一の開閉弁３を開ける事により滅
菌容器１内に酸化エチレンガス等の滅菌ガスを供
給自在としている。

他方、排気管５の途中には第二の開閉弁６を設
け、又この排気管５の滅菌容器１と反対端は、水
封式真空ポンプ７の吸入口に接続している。

又、水封式真空ポンプ７の吐出口に一端を接続
した排水管８の途中には逆止弁９を設け、この排
水管８の他端は排水施設（図示せず）に通じさせ
ている。

上記水封式真空ポンプ７には、給水管１０を通
じて給水自在としている。

更に本考案のガス滅菌器に於いては、上記排水
管８の途中に設けた分配器１１から絞り給水管１
２を分岐させ、この絞り給水管１２の他端を滅菌
容器１内に開口させている。

絞り給水管１２は、管の途中にニードル弁等の
流量調節弁１４と、第三の開閉弁１３と、逆止弁
１５とを設けて成り、水封式真空ポンプ７の吐出
口から送り出された水の一部を滅菌容器１内に送
り込むものである。

この絞り給水管１２の、滅菌容器１内開口部周
囲には、ガーゼ等の保水材１６を設けている。

上述の様に構成される本考案のガス滅菌器を用
いて被滅菌物を滅菌処理するには次の様に行な
う。

第一の開閉弁３を閉じたまま第二の開閉弁６を
開け、水封式真空ポンプ７を運転して滅菌容器１
内の空気を排出し、滅菌容器１内を負圧にする。

この行程中、水封式真空ポンプ７の吐出口から
は、この真空ポンプ７の運転に供された水が送り
出されるが、この水の一部は排水管８の途中に設
けた分配器１１から絞り給水管１２に進入し、こ
の絞り給水管１２を流れて、滅菌容器１内に送り
出される。

絞り給水管１２の、滅菌容器１内開口部周囲に
は保水材１６を設けている為、絞り給水管１２の
出口から出た水はこの保水材１６を濡らす。この
様にして保水材１６を濡らした水は、直ちに低圧
の滅菌容器１内で蒸発して、この滅菌容器１内に
収納された被滅菌物を湿らせ、後から滅菌容器内
に送り込まれた滅菌ガスと被滅菌物との馴染みを
良くして滅菌効率を向上させたり、或は被滅菌物
に染み込んだ滅菌ガスを溶け込ませて、滅菌容器
内を真空にした場合に、被滅菌物に付着した滅菌
ガスを効率的に除去出来る様にする。

保水材１６に染み込ませる水分量は、絞り給水
管１２の流量調節弁１４を調節したり、或は第三
の開閉弁１３を開いている時間を調節する事で、
自由に調節出来る。

その他の作用に就いては、前述した従来のガス
滅菌器と同様である為、説明を省略する。

尚、本実施例に於いて、絞り給水管１２の滅菌
容器１内開口部周囲に設ける保水材１６としてガ
ーゼを採用したが、保水性のあるものであればガ
ーゼに限らないのは勿論である。

（考案の効果） 本考案のガス滅菌器は上述の様に構成され、作
用するので、簡単な構造によつて、滅菌容器内に
収納した被滅菌物を加湿する事を自動的に行なう
事が出来、滅菌処理を効率良く行なう事が可能と
なり、実用上の効果が大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のガス滅菌器の略回路図、第２
図は従来のガス滅菌器を示す、第１図同様の図で
ある。 １……滅菌容器、２……滅菌ガス供給源、３…
…第一の開閉弁、４……ガス供給管、５……排気
管、６……第二の開閉弁、７……水封式真空ポン
プ、８……排水管、９……逆止弁、１０……給水
管、１１……分配器、１２……絞り給水管、１３
……第三の開閉弁、１４……流量調節弁、１５…
…逆止弁、１６……保水材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 被滅菌物を収納する滅菌容器内に、滅菌ガス供
   給源に一端を接続し途中に第一の開閉弁を設けた
   ガス供給管の他端と、途中に水封式真空ポンプと
   第二の開閉弁とを設けた排気管の一端とを連通し
   て成るガス滅菌器に於いて、上記水封式真空ポン
   プの吐出口側に一端を通じさせ、他端を排水施設
   に通じさせた排水管の途中から一端を分岐した絞
   り給水管の他端を滅菌容器内に開口させ、この絞
   り給水管の滅菌容器内開口部周囲に保水材を設け
   た事を特徴とするガス滅菌器。