JP3646903B2 - 膜脱気装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、脱気膜の一方側の液相室に流入される原水から脱気膜の他方側の気相室に酸素等の気体を拡散して水中の溶存酸素等の溶存気体を除去する脱気膜モジュールを備えた膜脱気装置、特に真空ポンプの運転停止時における真空ポンプへのエアーの供給に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置の製造ラインでは、半導体の洗浄工程などにおいて、純度の高い水(純水、超純水)を使用することが必須である。そして、このような純水、超純水の製造においては、塩類、微粒子などを除去すると共に、溶存酸素等の所定の溶存ガスも除去する必要がある。
【0003】
そこで、従来より、水中の溶存酸素等の除去に各種の脱気装置が使用されている。脱気装置は、真空状態において、液相中の溶存ガス(特に溶存酸素)を気相側に移行させて除去することを基本としている。そして、脱気装置の中には、液体を透過させないがガスを透過させるガス透過膜(脱気膜)を利用して、液相室と気相室とを仕切り、気相室を排気減圧することによって脱気を行う脱気膜モジュールを備えた膜脱気装置が知られている。この膜脱気装置によれば、液相の表面積を増大することが容易であり、小さな装置で効果的な脱気処理が行える。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、このような膜脱気装置に使用する真空ポンプとしては、ドライ型ダイヤフラム式のものが通常採用される。このタイプの真空ポンプは、ダイヤフラムに水が付着するとその寿命が著しく劣化する。一方、脱気膜モジュールの気相室には、膜を介し水蒸気が拡散してくるため、真空ポンプの吸排気は水蒸気が飽和したものとなっている。このため、真空ポンプの運転停止時に何等処置をせずにそのまま運転を停止すると、ダイヤフラムに水が付着する可能性が大きい。そこで、真空ポンプの運転を停止する際には、真空ポンプにエアーを流す等の処置をとり、ダイヤフラムを乾燥することが好適である。
【0005】
しかし、本発明者の研究によると、エアーは多数の微粒子などを含んでおり、エアーが膜脱気装置側に拡散すると、脱気膜モジュールが汚染されてしまい、その結果、エアー中に含まれる微粒子が気相室および膜を介し液相室に拡散し、膜脱気装置の処理水中の微粒子が増加するという問題があることが判明した。そして、このような事態が生じると、真空ポンプの運転再開後かなりの期間処理水中の微粒子濃度が高くなり、処理水が使用できないという問題点があった。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決することを課題としてなされたものであり、処理水中への微粒子の拡散を防止しつつ真空ポンへのエアー供給を行うことができる膜脱気装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、脱気膜の一方側の液相室に流通される原水から脱気膜の他方側の気相室に気体を拡散し排除する脱気膜モジュールと、この脱気膜モジュールの気相室に排気管を介し接続され、気相室から気体を排出する真空ポンプと、脱気膜モジュールの気相室と真空ポンプの間の排気管に接続され、ここにエアーを供給するエアー供給源と、このエアー供給源からのエアーが気相室側に逆流するのを防止する逆流防止手段と、脱気膜モジュールの気相室と真空ポンプの間の排気管にバルブを介して接続され、排気管内に生じた凝縮水を貯留するドレインポットと、脱気膜モジュールの気相室にパージ用ガス供給バルブを介して接続され、脱気膜モジュールの気相室にパージ用ガスを供給するパージ用ガス供給源と、を有することを特徴とする。
【0008】
膜脱気装置の運転を停止する際など何らかの理由により、真空ポンプの運転を停止する際には、エアー供給源からのエアーを真空ポンプに供給する。そして、所定時間真空ポンプにエアーを流通する。これによって、真空ポンプの内部がエアーに晒され、乾燥される。
【0009】
脱気膜モジュールからの排気は、通常、膜を介し原水から拡散されてくる水蒸気で飽和している。従って、エアーを流通しない場合には、運転停止後その内部に凝結水を生じる。膜脱気装置に利用する真空ポンプとしては、通常ドライ型ダイヤフラム式のものが利用され、ダイヤフラムに水が付着するとその寿命が著しく劣化する。そこで、上述のごとく運転停止時にエアーをその内部に流通することで、ダイヤフラムを乾燥させ、ここに水が付着することを防止するようにしている。
【0010】
そして、本発明では、逆流防止手段を有している。従って、真空ポンプにエアーを流通する際に、エアーが脱気膜モジュールの気相室に拡散することを防止できる。そこで、気相室に拡散したエアー中に含まれる微粒子が膜を介し液相室側に拡散することを効果的に防止することができる。
【0011】
また、本発明は、前記逆流防止手段は、前記エアー供給源から前記排気管への経路に設けられた第1の制御バルブと、前記経路と前記排気管とを接続する接続点よりも脱気膜モジュール側の前記排気管に設けられた第2の制御バルブと、第2の制御バルブを閉じた後、第1の制御バルブを開くように制御する制御手段と、を含むことを特徴とする。このように、制御手段により第1および第2の制御バルブの開く順番を制御することによって、エアー供給源からのエアーの膜モジュール側への拡散を確実に防止することができる。また、本発明は、前記逆流防止手段は、前記エアー供給源から前記排気管への経路と前記排気管とを接続する接続点よりも脱気膜モジュール側の前記排気管に設けられた逆止バルブであることを特徴とする。このように、逆止バルブを設けることで、エアー供給源から供給されたエアーが脱気膜モジュールに向けて拡散することを防止することができる。特に、逆止バルブは、何等制御をすることなく逆流を防止できる。このため、確実かつ効率的に脱気膜モジュールに向けてのエアーの拡散を防止することができる。
【0012】
また、前記ドレインポットは、脱気膜モジュールの気相室と逆流防止手段の間の排気管にバルブを介して接続されること、前記ドレインポットは、逆流防止手段と真空ポンプの間の排気管にバルブを介して接続されること、前記ドレインポットには、貯留した凝縮水を外部に排出するためのガス供給管が接続されていること、前記ドレインポットに接続されたガス供給管は、前記パージ用ガス供給源に接続され、ドレインポットには前記パージ用ガス供給源からガスが供給されること、前記パージ用ガスは、窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス、水素ガス、炭酸ガスの中から選ばれたガスで構成されること、等が好適である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に好適な実施の形態(以下、実施形態という)について、図面に基づいて説明する。
【0014】
「第1実施形態」
図1は本発明装置の第1実施形態の構成を示す図である。
【0015】
原水は、脱気膜モジュール10に流入される。この脱気膜モジュール10は、2つの脱気膜モジュール10a、10bの直列接続からなっている。各脱気膜モジュール10は、密閉容器からなり、内部に多数の中空糸(脱気膜)を束ねた形状のものを有している。また、各脱気膜モジュール10a、10bの両端側には図示はされていないが中空糸の内側空間と連通する一対の排気室が形成され、中間部には中空糸の外側と連通する外部空間が分離形成されて液相室を構成している。なお、上記一対の排気室と中空糸内側空間とが気相室を構成する。
【0016】
そして、原水は、1段目の脱気膜モジュール10aの液相室に導入され、ここから排出される1段目処理水が2段目の脱気膜モジュール10bの液相室に導入され、ここから最終処理水として排出される。すなわち、脱気膜モジュール10a、10bの液相室は直列接続されており、原水は2段処理される。
【0017】
脱気膜モジュール10の排気室の一方には、排気管12の一端が接続されており、この排気管12の他端は、第2の制御バルブ14を介し、ドライ型ダイヤフラム式の真空ポンプ16に接続されている。また、第2の制御バルブ14と真空ポンプ16を接続する排気管12には、他端が大気に開放する第1の制御バルブ18が接続されている。そこで、第2の制御バルブ14を閉じた状態で、第1の制御バルブ18を開くことにより、真空ポンプ16の吸い込み側に空気を供給可能になっている。そして、真空ポンプ16の運転停止時には、真空ポンプ16にエアーを供給し、真空ポンプ16のダイヤフラムを乾燥させる。なお、原水流量2m3/時間程度の処理を行う際には、真空ポンプとして、80L/min程度のものが採用され、脱気膜モジュール10の排気室および中空糸内側空間は、真空度50Torr程度に維持される。
【0018】
脱気膜モジュール10の排気室に接続された上記排気管12には、バルブ20を介しドレインポット22が分岐接続されている。このドレインポット22は、排気管12内に発生する凝縮水を収集貯留する密閉容器である。ドレインポット22の底部には、大気に開放されたバルブ24が接続され、またドレインポット22の上部空間には、バルブ26、28、30を介し、窒素ガス供給源(例えば窒素ガスボンベ)32が接続されている。バルブ30は、窒素ガス供給源32を系から切り離すためのオンオフ弁、バルブ28はその下流側を一定の圧力に維持するレギュレート弁、バルブ26は、ドレインポット22に対する窒素ガスの供給を制御するオンオフ弁である。なお、ドレインポット22は、原水流量2m3/時間に対し、2L程度の容量とされ、この場合の凝縮水排出の頻度は2〜3回/日程度である。したがって、凝縮水排出に必要な窒素ガスの量もごく少量で足りる。
【0019】
さらに、脱気膜モジュール10の排気室の他方(真空ポンプ16が接続されている排気室と反対側)には、窒素ガス供給源32が接続されている。すなわち、窒素ガス供給源32に接続されたバルブ30の他端には、バルブ28と並列にレギュレート弁として機能するバルブ34が接続され、このバルブ34の他端に、質量流量計36、流量調整用ニードルバルブ38、オンオフ用のバルブ40を介し、脱気膜モジュール10の排気室が接続されている。
【0020】
従って、ニードルバルブ38にて調整された量だけ、脱気膜モジュール10の気相室へ窒素ガスが供給される。なお、質量流量計36の計測結果に基づいて、ニードルバルブ38を制御することによって、脱気膜モジュール10への窒素ガスの供給量が正確に制御される。
【0021】
また、本実施形態では、1つの窒素ガス供給源32をドレインポット22のパージ用ガスの供給源と、脱気膜モジュール10への供給源の両方に用いる。従って、窒素ガス供給源32の有効利用が図られる。
【0022】
さらに、ドレインポット22には、上限及び下限水位を検出するレベルセンサ42が設けられ、このレベルセンサ42の出力は、制御装置44に供給される。そして、この制御装置44は、レベルセンサ42の出力等に応じて、バルブ20、24、26の開閉等を制御し、ドレインポット22からの凝縮水の排出を制御する。
【0023】
「通常運転時の処理」
通常の運転時には、バルブ24、26を閉じ、バルブ20を開き、密閉状態のドレインポット22を排気管12に連通させる。また、第1の制御バルブ18を閉じ、第2の制御バルブ14を開き、真空ポンプ16を駆動して、脱気膜モジュール10の気相室から排気を行い、中空糸内側空間を真空状態とする。この状態で、脱気膜モジュール10内の中空糸外側空間、すなわち液相室に原水を流通すると、脱気膜モジュール10の中空糸外側空間を流れる水中から溶存ガスが膜を介し内側空間に拡散する。そして、中空糸内側空間に移行したガスは、真空ポンプ16を介し、系外に排出される。従って、溶存ガスが除去された処理水が脱気膜モジュール10から排出される。
【0024】
ここで、本実施形態では、バルブ40を開き、所定の少量の窒素ガスを脱気膜モジュール10の気相室に供給する。これによって、脱気膜モジュール10の中空糸内側空間における酸素の分圧をより減少して、効果的な溶存酸素除去が行われる。なお、場合によってはバルブ40を閉じ、窒素ガスの脱気膜モジュール10の中空糸内側空間への供給は停止してもよい。
【0025】
また、この処理水は、半導体製造ラインの洗浄装置等のユースポイントに供給される。通常の場合、膜脱気装置は、半導体装置を製造するクリーンルーム内に設けられ、処理水は脱気された状態で直接ユースポイントに供給される。
【0026】
「凝縮水の排出」
上述のような処理において、脱気膜モジュール10の中空糸内側空間を真空状態とすると、中空糸外側空間にある水からの水蒸気が中空糸内側空間に拡散してくる。そして、中空糸内側空間における水蒸気は、ほぼその時の温度、圧力における飽和水蒸気圧になる。そこで、排気管12における温度変化などに起因して、排気管12内に凝縮水が生じる。排気管12は、ドレインポット22が接続されている位置が最も低くなるように、設定されており、排気管12内で生じた凝縮水は、重力によりドレインポット22内に収集される。
【0027】
そして、運転の継続によって、ドレインポット22内に収集されている凝縮水の量が増加してきて、上限水位に達すると、制御装置44は、バルブ20を閉じ、排気管12をドレインポット22から切り離す。次に、バルブ26を開き、窒素ガス供給源32からの窒素ガスをパージ用ガスとしてドレインポット22内に供給する。窒素ガス供給源32の窒素ガス排出側は、バルブ28によって、1.1気圧程度に圧力が制御されており、これによってドレインポット22内の圧力は、1.1気圧程度になる。この状態で、バルブ24を開くことで、ドレインポット22内の凝縮水は、外部に排出される。
【0028】
そして、凝縮水の排出によりドレインポット22内の水位が下限水位に至ったときには、制御装置44は、バルブ24を閉じ、次にバルブ26を閉じるように制御する。これによって、ドレインポット22は気密状態となるため、バルブ20を開け、凝縮水の収集を再開する。この時、バルブ20を徐々に開放し、排気管12内の圧力(真空度)が余り変動しないようにすることも好ましい。
【0029】
このようにして、ドレインポット22からの凝縮水の除去が行われるが、この時ドレインポット22に充満されるガスは、窒素ガスである。従って、バルブ20を開放したときに、ドレインポット22内から排気管12側に流れるガスは、窒素ガスである。従って、酸素ガスが脱気膜モジュール10の排気側に供給されることがなく、処理水の溶存酸素濃度が高くなることを防止することができる。また、窒素ガス供給源32から供給される窒素ガスは、通常、純度の高いものであり、微粒子などの不純物の混入も有効に防止できる。
【0030】
なお、ドレインポット22からの凝縮水の除去中においても、脱気膜モジュール10による脱気処理はそのまま継続されており、溶存酸素その他の溶存ガスが除去された処理水が脱気膜モジュール10から排出される。
【0031】
「真空ポンプ運転停止時の処理」
次に、真空ポンプ16の運転を停止する場合には、原水の供給を停止し、あるいは原水の供給を継続したまま、まず、第2の制御バルブ14を閉じ、脱気膜モジュール10の気相室から切り離す。この状態で真空ポンプ16の運転を停止するが、運転を直ちに停止すると真空ポンプ16に悪影響がでる。特に、本実施形態の真空ポンプ16は、ドライ型ダイヤフラム式の真空ポンプであり、たとえドレインポット22で凝縮水を収集するようにしても真空ポンプ16のダイヤフラム等に水分が付着するのは避けられない。そこで、ある程度の期間空気を流通し内部を乾燥した後、運転を停止しないとダイヤフラムの寿命が著しく短くなる。
【0032】
そこで、第2の制御バルブ14を完全に閉じ、次いで第1の制御バルブ18を徐々に開ける。これにより、真空ポンプ16の吸い込み側に空気を供給し、真空ポンプ16に十分な空気を流通させた後、真空ポンプ16の運転を停止する。ここで、本実施形態では、第2の制御バルブ14にモータバルブを使用しているため、この第2の制御バルブ14が完全に閉じるまでに7〜8秒程度かかる。そこで、第2の制御バルブ14の閉制御後、10秒程度経過してこの第2の制御バルブ14が完全に閉じた後、第1の制御バルブ18を開放する。また、真空ポンプ16への空気の流通は1分間以上行い、内部を十分に乾燥することが好適である。
【0033】
このように、第2の制御バルブ14を閉じた後、第1の制御バルブ18を開くことにより、空気中に含まれる微粒子が、脱気膜モジュール10の気相室に拡散することを効果的に防止することができる。
【0034】
なお、第2の制御バルブ14が完全に閉じる前に第1の制御バルブ18を開けたり、あるいはこれらの制御バルブ14、18を一体化して三方弁で構成すると、切換の際に微粒子を多量に含むエアーが脱気膜モジュール10の気相室に拡散してしまう。そして、微粒子が脱気膜モジュール10の気相室に拡散すると、その後真空ポンプ16の運転を再開して脱気膜モジュール10の運転を再開したときに、比較的長期間に渡って処理水中の微粒子濃度が上昇してしまうという不具合が生じる。本実施形態のように、制御バルブ14、18を別々に設け、第2の制御バルブ14を完全に閉じた後に第1の制御バルブ18を開くことで、気相室への微粒子拡散による悪影響を効果的に排除できる。なお、このような制御バルブ14、18の制御は、制御装置44が行う。
【0035】
「第2実施形態」
図2に、第2実施形態の構成を示す。この第2実施形態では、上記第1実施形態の第2の制御バルブ14に代えて、逆止バルブ46を採用している。すなわち、この逆止バルブ46は、排気管12において、脱気膜モジュール10から真空ポンプ16に向けての気体の流れを許容するが、逆向きの流れを阻止するものである。従って、この構成にあっては、真空ポンプ16の運転を停止する際には、単に第1の制御バルブ18を開くだけでよい。これによって、エアーは第1の制御バルブ18を介し排気管12に供給され、真空ポンプ16に流通される。そして、このとき排気管12に供給されるエアーは、逆止バルブ46によって、脱気膜モジュール側に拡散することが防止される。従って、非常に簡単な構成で、エアーが脱気膜モジュール10に拡散することを防止することができる。なお、真空ポンプ16は、所定量の空気の流通が行われた後、運転を停止する。また、本実施形態では、排気管12におけるドレインポット22の接続点より脱気膜モジュール10に近い位置に逆止バルブ46を設けている。従って、万一、ドレインポット22側から、エアーが排気管12に逆流した場合においてもこれが脱気膜モジュール10側に拡散することを防止することができる。
【0036】
「第3実施形態」
図3に第3実施形態の構成を示す。この構成では、第2実施形態の第1の制御バルブ18に代えて、三方バルブ48を採用している。図においては、この三方バルブ48が真空ポンプ16と脱気膜モジュール10を連通している状態を示している。この状態で、通常の運転を行い、真空ポンプ16の運転を停止する場合には、三方バルブ48を駆動して、真空ポンプ16を大気と連通する。これによって、真空ポンプ16にエアーが供給され、内部が乾燥される。
【0037】
そして、三方バルブ48の駆動時において、脱気膜モジュール10に連通する排気管12が一時的に大気側と連通するが、逆止バルブ46があるため、エアーの脱気膜モジュール10側への逆流を確実に防止することができる。
【0038】
「その他の構成」
また、膜脱気装置の運転を開始(再開)するときには、脱気膜モジュール10の気相室内に酸素や微粒子が残留していない方がよい。そこで、膜脱気装置の運転開始に際し、窒素ガス供給源32からの窒素ガスを脱気膜モジュール10の気相室に供給し、所定時間ここに窒素ガスを流通することが好適である。すなわち、バルブ40、20、24を開き、窒素ガスを脱気膜モジュール10の気相室を通過させてバルブ24から排出させることによって、窒素ガスのパージによる酸素や微粒子等の排出が行え、これにより、処理水中の酸素濃度や微粒子数の低下も早くなる。
【0039】
また、パージ用ガスとしては、実質的に酸素を含まないものであればいかなるものでもよく、窒素ガスの他、ヘリウムガス、アルゴンガス、水素ガス、炭酸ガスなど半導体の洗浄工程などで問題とならないものが利用可能である。
【0040】
更に、上述の実施形態では中空系の内側空間を気相室とし、外側空間を液相室とした脱気膜モジュールの例について説明したが、本発明で使用される脱気膜モジュールはこれに限定されるものではなく、上記とは逆に中空系の内側空間を液相室とし、外側空間を気相室としたものでもよい。また、膜の形状も中空系状のものに限らず、管状(チューブ状)、平膜状等の種々の形状のものを用いることができる。
【0041】
本発明で使用する脱気膜としては、液体を透過させないが気体を透過させるものであればいかなるものでもよい。このような膜としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン製の膜や、ポリ四フッ化エチレン等のフッ素樹脂製の膜、さらにはポリスルホン製、シリコンゴム製等の膜がある。
【0042】
【実施例】
上記第1〜3実施形態の装置において、原水の流通を継続しながら、真空ポンプ16にエアーを供給する実験を行った。原水は、3〜5個/mLの微粒子を含む超純水であったが、いずれの実施形態の装置においても処理水中の微粒子数に有意の変化はなかった。表1に第1実施形態の装置を用いて、真空ポンプ16へのエアー供給、運転停止操作を行った場合の結果を一例として示す。
【0043】
また、比較例として、第1実施形態の装置における第2の制御バルブ14と第1の制御バルブ18を同時に操作し、真空ポンプ16にエアーを供給してみた。この例を表1に比較例として示す。このように、逆流防止手段がないと、停止操作の3分後には、微粒子数が286個まで上昇した。そして、20分間の原水の流通において、微粒子数が原水とほぼ同じ7個/mLにまで減少した。これより、制御バルブ14、18の切換時の一瞬のエアーの逆流により、かなりの微粒子が脱気膜モジュール10へ逆流し、これを排除するには処理水を20分間以上に渡って捨てなければならないことが分かる。なお、微粒子数は、粒径0.1μm以上のものの数である。
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、脱気膜モジュールから真空ポンプに至る排気管に逆流防止手段を有している。従って、真空ポンプを停止するにあたって真空ポンプにエアーを供給する際にそのエアーが脱気膜モジュールに逆流し、脱気膜モジュールが微粒子によって汚染されることを効果的に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態の膜脱気装置の構成を示す図である。
【図2】 第2実施形態の膜脱気装置の構成を示す図である。
【図3】 第3実施形態の膜脱気装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
10 脱気膜モジュール、12 排気管、14 第2の制御バルブ、16 真空ポンプ、18 第1の制御バルブ、20,24,26,28,30,34,38,40 バルブ、22 ドレインポット、32 窒素ガス供給源、36 質量流量計、44 制御装置、46 逆止バルブ、48 三方バルブ。
Claims (8)
- 脱気膜の一方側の液相室に流通される原水から脱気膜の他方側の気相室に気体を拡散し排除する脱気膜モジュールと、
この脱気膜モジュールの気相室に排気管を介し接続され、気相室から気体を排出する真空ポンプと、
脱気膜モジュールの気相室と真空ポンプの間の排気管に接続され、ここにエアーを供給するエアー供給源と、
このエアー供給源からのエアーが気相室側に逆流するのを防止する逆流防止手段と、
脱気膜モジュールの気相室と真空ポンプの間の排気管にバルブを介して接続され、排気管内に生じた凝縮水を貯留するドレインポットと、
脱気膜モジュールの気相室にパージ用ガス供給バルブを介して接続され、脱気膜モジュールの気相室にパージ用ガスを供給するパージ用ガス供給源と、
を有することを特徴とする膜脱気装置。 - 請求項1に記載の装置において、
前記逆流防止手段は、前記エアー供給源から前記排気管への経路に設けられた第1の制御バルブと、前記経路と前記排気管とを接続する接続点よりも脱気膜モジュール側の前記排気管に設けられた第2の制御バルブと、第2の制御バルブを閉じた後、第1の制御バルブを開くように制御する制御手段と、を含むことを特徴とする膜脱気装置。 - 請求項1に記載の装置において、
前記逆流防止手段は、前記エアー供給源から前記排気管への経路と前記排気管とを接続する接続点よりも脱気膜モジュール側の前記排気管に設けられた逆止バルブであることを特徴とする膜脱気装置。 - 請求項1〜3のいずれか1つに記載の装置において、
前記ドレインポットは、脱気膜モジュールの気相室と逆流防止手段の間の排気管にバルブを介して接続されることを特徴とする膜脱気装置。 - 請求項1〜3のいずれか1つに記載の装置において、
前記ドレインポットは、逆流防止手段と真空ポンプの間の排気管にバルブを介して接続されることを特徴とする膜脱気装置。 - 請求項1から5のいずれか1つに記載の装置において、
前記ドレインポットには、貯留した凝縮水を外部に排出するためのガス供給管が接続されていることを特徴とする膜脱気装置。 - 請求項6に記載の装置において、
前記ドレインポットに接続されたガス供給管は、前記パージ用ガス供給源に接続され、ドレインポットには前記パージ用ガス供給源からガスが供給されることを特徴とする膜脱気装置。 - 請求項1〜7のいずれか1つに記載の装置において、
前記パージ用ガスは、窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス、水素ガス、炭酸ガスの中から選ばれたガスで構成されることを特徴とする膜脱気装置。
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