JPH0482010B2 - - Google Patents

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JPH0482010B2
JPH0482010B2 JP60290458A JP29045885A JPH0482010B2 JP H0482010 B2 JPH0482010 B2 JP H0482010B2 JP 60290458 A JP60290458 A JP 60290458A JP 29045885 A JP29045885 A JP 29045885A JP H0482010 B2 JPH0482010 B2 JP H0482010B2
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JP
Japan
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film
stretching
weight
compounds
titanium
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JP60290458A
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Motomi Nogiwa
Shuichi Yoshida
Shigeki Komori
Toshitsune Yoshikawa
Toshio Kotsuka
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Nippon Petrochemicals Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は多孔質フイルムまたはシート(以下両
者をまとめてフイルムを総称する)の製法に関す
るものである。更に詳しくは、柔軟性に富み、引
裂強度が強く、かつ通気性、透湿性に富み、衣料
用品、衛生用品、医療用品、過材等の分野に利
用できる多孔質フイルムの製法に関するものであ
る。 〔従来技術〕 ポリエチレン等のポリオレフイン樹脂に充填剤
を配合し溶融成形して得たフイルムを延伸処理し
多孔質フイルムを製造することは従来より行われ
ている。しかし単にポリオレフイン樹脂に充填剤
を配合したものを使用すると延伸性が悪いため低
倍率の延伸が出来ず、他方高倍率延伸すると引裂
強度が低下し、また柔軟性に劣る等の問題点を有
していた。そこで、これ等問題点を克服すべく
種々の試みがなされている。それ等の多くはポリ
オレフイン樹脂と充填剤の他に液状の化合物を添
加する方法である。例えば、特開昭57−47334で
は液状ポリブタジエンや液状ポリブテンを、特開
昭57−203520では液状のポリヒドロキシ飽和炭化
水素を、特開昭58−149925では液状ポリイソプレ
ンゴムを、特開昭59−140235ではエポキシ化植物
油を夫々添加している。しかし、これ等の方法で
得られた多孔質フイルムは溶剤や薬品に接した時
に液状の添加剤が溶出して問題となる。またこれ
等ではポリオレフインとして一番柔軟性のあるポ
リオレフインでも密度が0.910〜0.940g/cm3の直
鎖低密度ポリエチレンを使用しているため、未だ
柔軟性において充分でなく更に柔軟性のあるフイ
ルムが求められている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 ポリオレフイン樹脂をベースとした多孔質フイ
ルムの製造法の以上のような現状に鑑み、引裂強
度およびその他物性の縦横バランスが優れたフイ
ルムを得るための低倍率延伸が可能な多孔質フイ
ルムの製法及び柔軟性、通気性、透湿性、耐溶剤
性、耐薬品性の優れたフイルムを得る方法につき
鋭意研究した結果本発明を完成したものである。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明は密度が0.860g/cm3以上、0.910g/cm3
未満で、沸騰n−ヘキサン不溶分(以下「C6
溶分」という)が10重量%以上であり、示差走査
熱量測定(DSC)で示す最大ピーク温度(以下
「Tm」という)が100℃以上に存在するエチレン
−αオレフイン共重合体(以下「ULDPE」とい
う)10〜80重量%および、充填剤20〜90重量%よ
りなる組成物を溶融成形して得たフイルムを、該
エチレン共重合体のTmより10℃以上低い温度で
延伸することを特徴とするフイルムの製法であ
る。 本発明で用いるULDPEは、エチレンと炭素数
3〜12のα−オレフインとの共重合体である。 具体的なα−オレフインとしては、プロピレ
ン、ブテン−1,4−メチルペンテン−1、ヘキ
セン−1、オクテン−1、デセン−1、ドデセン
−1などの例を挙げることができる。エチレン−
α−オレフイン共重合体中のα−オレフインの含
有量は2〜40モル%、好ましくは5〜20モル%で
ある。 以下に、本発明において用いるULDPEの製造
方法について説明する。 まず、使用する触媒系は、マグネシウムおよび
チタンを含有する固体触媒成分に有機アルミニウ
ム化合物を組合わせたものである。固体触媒成分
としては、例えば、金属マグネシウム、水酸化マ
グネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウ
ム、塩化マグネシウムなど、またはケイ素、アル
ミニウム、カルシウムから選ばれる金属とマグネ
シウム原子とを含有する複塩、複塩化物、炭酸
塩、塩化物あるいは水酸化物など、さらにこれら
の無機質固体化合物を含酸素化合物、含硫黄化合
物、芳香族炭化水素、ハロゲン含有物質などで処
理し、または反応させたものなどのマグネシウム
を含む無機質固体化合物にチタン化合物を公知の
方法によつて担持させたものなどがある。 上記の含酸素化合物としては、例えば、水、ア
ルコール、フエノール、ケトン、アルデヒド、カ
ルボン酸、エステル、ポリシロキサン、酸アミド
などの有機含酸素化合物、および金属アルコキシ
ド、金属のオキシ塩化物などの無機含酸素化合物
などがある。含硫黄化合物としては、チオール、
チオエーテルなどの有機含硫黄化合物、および二
酸化硫黄、三酸化硫黄、硫酸などの無機硫黄化合
物などがある。芳香族炭化水素としては、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、アントラセン、フエナ
ンスレンなどの各種の単環および多環の芳香族炭
化水素化合物がある。ハロゲン含有物質として
は、塩素、塩化水素、金属塩化物、有機ハロゲン
化物などの化合物を例示することができる。 チタン化合物としては、チタンのハロゲン化
物、アルコキシハロゲン化物、アルコキシド、ハ
ロゲン化酸化物などがある。チタン化合物として
は、4価のチタン化合物と3価のチタン化合物が
好適であり、4価のチタン化合物としては、具体
的には一般式Ti(CR)oX4-oで示されるものが好
ましい。ここでRは炭素数1〜20のアルキル基、
アリール基またはアラルキル基を示し、Xはハロ
ゲン原子を示し、nは0≦n≦4である。例え
ば、四塩化チタン、四臭化チタン、四ヨウ化チタ
ン、モノメトキシトリクロロチタン、ジメトキシ
ジクロロチタン、トリメトキシモノクロロチタ
ン、テトラメトキシチタン、モノエトキシトリク
ロロチタン、ジエトキシジクロロチタン、トリエ
トキシモノクロロチタン、テトラエトキシチタ
ン、モノイソプロポキシトリクロロチタン、ジイ
ソプロポキシジクロロチタン、トリイソプロポキ
シモノクロロチタン、テトライソプロポキシチタ
ン、モノブトキシトリクロロチタン、ジブトキシ
ジクロロチタン、モノペントキシトリクロロチタ
ン、モノフエノキシトリクロロチタン、ジフエノ
キシジクロロチタン、トリフエノキシモノクロロ
チタン、テトラフエノキシチタンなどの例を挙げ
ることができる。 3価のチタン化合物としては、四塩化チタン、
四臭化チタンなどの四ハロゲン化チタンを水素、
アルミニウム、チタンあるいは周期率表第族か
ら第族の金属の有機金属化合物により還元して
得られる三ハロゲン化チタンなどがある。また、
一般式Ti(OR)nX4-n(Rは炭素数1〜20のアルキ
ル基、アリール基またはアラルキル基、Xはハロ
ゲン原子、およびmは0<m<4)で示される4
価のハロゲン化アルコキシチタンを、周期率表第
族から第族の金属の有機金属化合物により還
元して得られる3価のチタン化合物が挙げられ
る。 これらのチタン化合物のうち、4価のチタン化
合物が特に好ましい。 他の触媒系の例としては、固体触媒成分とし
て、いわゆるグリニヤール試薬などの有機マグネ
シウム化合物とチタン化合物との反応生成物を用
い、これに有機アルミニウム化合物を組合わせた
触媒系を例示することができる。有機マグネシウ
ム化合物としては、たとえば、一般式RMgX、
R2Mg、RMg(OR)などの有機マグネシウム化
合物(Rは炭素数1〜20の有機残基、Xはハロゲ
ン原子)およびこれらのエーテル錯合体、またこ
れらの有機マグネシウム化合物をさらに他の有機
金属化合物、例えば、有機ナトリウム、有機リチ
ウム、有機カリウム、有機ホウ素、有機カルシウ
ム、有機亜鉛などの各種の化合物を加えて変性し
たものを用いることができる。 また他の触媒系の例としては、固体触媒成分と
して、SiO2、Al2O3などの無機酸化物と前記の少
なくともマグネシウムおよびチタンを含有する固
体触媒成分を接触させて得られる固体物質を用
い、これに有機アルミニウム化合物を組合わせた
ものを例示することがでできる。無機酸化物とし
ては、SiO2、Al2O3の他にCaO、B2O3、SnO2
どを挙げることができ、またこれらの酸化物の複
酸化物もなんら支障なく使用できる。 上記の固体触媒成分と組合わせるべき有機アル
ミニウム化合物の具体的な例としては、一般式
R3Al、R2AlX、RAlX2、R2AlOR、RAl(OR)
XおよびR3Al2X3の有機アルミニウム化合物(R
は炭素数1〜20のアルキル基、アリール基または
アラルキル基、Xはハロゲン原子を示し、Rは同
一でもまた異なつたものでもよい)で示される化
合物が好ましく、トリエチルアルミニウム、トリ
イソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニ
ウム、トリオクチルアルミニウム、ジエチルアル
ミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムエトキ
シド、エチルアルミニウムセスキクロリド、およ
びこれらの混合物などが挙げられる。 有機アルミニウム化合物の使用量は特に制限さ
れないが、通常、チタン化合物に対して0.1から
100モル倍使用することができる。 共重合反応は通常のチーグラー型触媒によるオ
レフインの重合反応と同様にして行なわれる。す
なわち反応はすべて実質的に酸素、水などを絶つ
た状態で、気相または不活性溶媒の存在下、また
はモノマー自体を溶媒として行なう。エチレンと
α−オレフインとの共重合の条件は、温度は20〜
300℃、好ましくは40〜200℃であり、圧力は常圧
ないし70Kg/cm3・G、好ましくは2Kg/cm3・Gな
いし60Kg/cm3・Gである。分子量は共重合温度、
触媒のモル比などの条件を変えることによつても
ある程度調節できるが、重合系中に水素を添加す
ることにより効果的に行なうことができる。もち
ろん、水素濃度や重合温度などの重合条件が異な
つた2段階ないしそれ以上の多段階の重合反応も
支障なく実施できる。 本発明において用いるULDPEは密度が0.860
g/cm3以上、0.910g/cm3未満、C6不溶分が10重
量%以上、かつTmが100℃以上に存在するもの
である。密度が0.860g/cm3未満のものを使用す
るとフイルムの耐熱性や強度が不充分なものとな
り、0.910g/cm3以上のものを使用するとフイル
ムの柔軟性が低いばかりでなく延伸性が劣り、2
〜4倍という低延伸倍率では延伸むら(延伸され
る部分と未延伸部分が混存する状態)を生ずる。 C6不溶分が10重量%未満でかつTmが100℃未
満に存在すると、フイルムの耐熱性や強度が不充
分なものとなる。 なお、本発明におけるC6不溶分およびTmの測
定方法はつぎの通りである。 〔C6不溶分の測定法〕 熱プレスを用いて、厚さ200μmのシートを成
形し、20mm×30mmのシートを3枚切取り、そのシ
ートについて、2重管式ソツクスレー抽出器を用
いて、沸騰n−ヘキサンで5時間抽出を行なう。
C6不溶物を取り出し、真空乾燥(7時間、真空
下、50℃)の後、次式によりC6不溶分を算出す
る。 C6不溶分(wt%) =抽出済シート重量/未抽出シート重量×100(重量
%) 〔DSCによるTmの測定法〕 熱プレス成形した厚さ100μmのフイルムから
約5mgの試料を秤量し、それを示差走査熱量測定
装置にセツトし、170℃に昇温して、その温度で
15分間保持した後、降温速度25℃/分で0℃まで
冷却する。次に、この状態から昇温速度10℃/分
で170℃まで昇温して測定を行なう。0℃から170
℃に昇温する間に現われたピークの内、最大ピー
クの頂点位置の温度をもつてTmとする。 ULDPEのメルトフローレート(MFR)につ
いては特に限定されないが、好ましくは0.05〜50
g/10分のもの、更に好ましくは0.3〜10g/10
分のものを用いる。これが0.05g/10分以下の
ULDPEを用いると充填剤の混練が困難に、50
g/10分以上のものを使用するとフイルム成形が
困難になる場合がある。 本発明で用いる充填剤は無機系のものと有機系
のものがある。無機系の充填剤としては、炭酸カ
ルシウム(以下「炭カル」という)、タルク、シ
リカ、クレー、カオリン、アルミナ、水酸化アル
ミニウム、マグネシア、水酸化マグネシウム、硫
酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸ナ
トリウム、珪酸カリウム、炭酸マグネシウム、酸
化カルシウム、酸化チタン、マイカ、ガラスフレ
ーク、ゼオライト、珪藻土、パーライト、バーミ
キユライト、シラスバルーン、ガラスマイクロス
フエアー、フライアツシユ、ガラスビーズ等が挙
げられる。 有機充填剤としては木粉、パルプ粉やフエノー
ル樹脂その他の合成樹脂の粉末等が挙げられる。 これ等充填剤のうち好ましいものは炭カル、タ
ルク、シリカ、硫酸バリウム、水酸化アルミニウ
ム、水酸化マグネシウム等である。またこれ等充
填剤は、2種以上組合せて用いても良い。 充填剤の平均粒径としては20μ以下、好ましく
は10μ以下、更に好ましくは5μ以下である。粒径
が大きいと延伸切れを起こしやすくまた得られた
フイルムの孔径が大きくなり多孔質膜としての機
能が劣つたものとなる。 合成樹脂へ充填剤を配合する時は分散性を良く
するために充填剤の表面を処理する事がしばしば
行われるが、これらは発明方法にも好ましい結果
を与える場合がある。表面処理剤としては、脂肪
酸、およびその金属塩あるいは酸アミド、樹脂
酸、チタネートカツプリング剤、シラン系カツプ
リング剤、アルミネートカツプリング剤、ワツク
ス、オイル等があげられる。 本発明において、ULDPEと充填剤の配合比
は、前者が10〜80重量%、後者が20〜90重量%で
あり、好ましくは、前者が15〜60重量%、後者が
40〜90重量%、更に好ましくは、前者が20〜50重
量%、後者が50〜80重量%である。ULDPEが10
重量%では、フイルム成形不良となり、90重量%
以上すなわち充填剤が10重量%以下では通気性、
透湿性が不充分なフイルムとなる。通気性、透湿
性の点では一般に充填剤量の多い方が好ましい。
しかし充填剤量を増大させるにつれ一般的にはフ
イルムの強度が低下する傾向にある。従つて用い
るポリマーとしては高充填が可能でフイルム強度
の低下が少いものが好ましいが、この点、
ULDPEは他のポリマーに比べその特性のすぐれ
たポリマーであり、本発明の方法に好適に使用さ
れる所以である。 本発明ではこの2成分に加えて本発明の目的を
損わない限り、他の熱可塑性樹脂(ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ナイロン
等)、酸化防止剤あるいは熱安定剤(ヒンダード
フエノール系、ホスフアイト系、ヒドロキノン
系、チオエーテル系等)、耐候剤(ベンゾフエノ
ン系、トリアゾール系、サリシレート系、ヒンダ
ードアミン系、Ni錯体系等)、染料あるいは顔
料、難燃剤、帯電防止剤、滑剤、離型剤、可塑剤
あるいは脱臭剤等を添加することが出来る。以上
の添加物は数種組合せて用いても良い。 本発明においてフイルムを溶融成形する際、組
成物を予め溶融混練しておくことが好ましい。そ
の方法は種々あるが、一つの例はオーブンロー
ル、バンバリーミキサー、或は加圧ニーダーで溶
融混練するものである。しかしこれらは一般にバ
ツチ操作であり、生産性に劣るので押出機を用い
る方法が好ましい。押出機としてはフルフライト
スクリユーの押出機を用いてもよいが、混練が不
充分となる場合があるので、ニーデイング機構を
有する押出機や多軸押出機を用いることが好まし
い。 本発明では、このように溶融混練したペレツト
を用い次に溶融成形してフイルムを製造する。こ
れは熱可塑性樹脂のフイルム成形に通常用いられ
ている方法で行う。すなわち円形ダイを使用した
インフレーシヨン成形法あるいはTダイを使用し
たTダイ成形法等より適宜選択する。 次にこのようにして得たフイルム(シート)を
延伸処理して目的の多孔質フイルムを製造する。
延伸方法は一般的に大きく分けて一軸延伸法と二
軸延伸法があるが、本発明ではいずれの方法も可
能である。一軸延伸法は通常ロール延伸法等が用
いられる。このような延伸法を用いる時はフイル
ムのネツキング現象を出来るだけ抑える事が好ま
しく、そのためにロール間隔を可及的に近接させ
たり、ピンチロールや静電気によりフイルムの巾
方向の収縮を抑える等の対策をとる場合がある。 二軸延伸法には大別して一段式と二段式がある
がいずれの方式も用いることができる。延伸の方
式もテンター式やチユーブラー式等種々あるが、
本発明においては特に限定されず用いることが出
来る。 延伸はULDPEはTmより少くとも10℃、好ま
しくは20℃、更に好ましくは30℃以上低い温度で
行う。Tmと延伸温度との差が10℃以内でも延伸
は良好に出来るが得られたフイルムの多孔性が劣
つたものになる。すなわち通気性、透湿性の点で
は延伸温度は出来るだけ低い方が好ましい。一般
にポリエチレン等の合成樹脂の延伸温度はその
Tmの近辺で行われあまり低温で延伸すると延伸
むらが生ずる。このために前記のように液状の化
合物を添加して延伸性を向上させているのが現状
であるが、本発明の方法では液状の化合物の添加
なしに上記のように低温でも延伸が可能であり好
ましい多孔質フイルムが得られる点に大きな特徴
がある。 延伸倍率についてはフイルムに対して要求され
る機械的物性値と通気性、透湿性のバランスによ
り適宜決定される。高い通気性を要求される用途
に対して5〜6倍程度の高延伸倍率で行うことが
好ましい。しかしこの場合フイルムの引裂強度が
そこなわれる場合があり、特に一軸延伸で行うと
縦裂しやすいフイルムが得られる場合がある。従
つて一般的には2〜3倍程度の低倍率で行うこと
が好ましいが、通常の方法では延伸むらを生ずる
のに対し本発明では2〜3倍程度の低倍率でも延
伸出来るので特性の非常に優れたフイルムを得る
ことができる。 得られたフイルムはそのまま使用することが出
来るが、アニーリングして後収縮を抑えることも
おこなわれる。アニーリングの温度は、延伸温度
とULDPEの融点の間が好ましい。 〔作用および効果〕 本発明は充填剤配合組成物を成膜、延伸処理し
て多孔質フイルムを得るものであるが、この際前
記のような特殊なエチレン共重合体(ULDPE)
を用いるところに最大の特徴を有する。これによ
り得られる効果は以下のように要約できる。 ULDPEはそれ自身柔軟性が優れた合成樹脂
であるが、充填剤を配合してもあまり剛くなら
ず、感触の良好なフイルムとなる。 ULDPEはエラストマーのような柔軟性を有
しているがある程度の結晶性を保持しているの
で強度耐熱性等に優れたフイルムが得られる。 ULDPEは充填剤の受容能力が高く充填剤を
70〜80重量%という高充填しても柔軟性、伸び
が保持される。従つてこれを延伸したフイルム
は孔の数が多く通気性、透湿性にすぐれたもの
になる。 ULDPEと充填剤よりなるフイルムは延伸性
に優れている。特に低温度でかつ低倍率で延伸
することが可能であり多孔質フイルムとして優
れた特性を有するフイルムが得られる。 本発明の方法を実施するには安価な原料を用
いかつ既存の装置をそのまま使用することがで
き、生産性も高いので経済的に有利な多孔質フ
イルムを得ることができる。 以上のように種々の特徴を有する本法で得られ
たフイルムは衣料用品(ゴルフウエアー、スキー
ウエアー、レインコート、帽子等)、衛生用品
(紙おむつ、生理用品等)、医療用品(過器、ば
んそうこう等)、工業用過材(水処理用、空気
清浄用、各種セパレーター等)等広い用途を有し
ている。 (実施例) 以下、本発明を実施例により更に詳しく説明す
る。なお、この実施例に使用したポリマーおよび
充填剤ならびにフイルム物性の測定方法を以下に
示す。 フイルム物性測定法 破断点強度:ASTM D882 破断点伸び:ASTM D882 引張弾性率:ASTM D882 引裂強度:JIS P 8116 透湿度:直径85mmのガラス製カツプに純水50cm2
入れ試験用フイルムをのせて周りを完全にシール
し温度23℃、相対湿度50%に調整した部屋に10日
間静置し重量減を測定し透湿度とする。なお、結
果は1日当り、1m2当りの透過度で示す。
【表】
【表】 ウム 業
イ 水酸化マグ 協和化学工 キスマ〓5 1.0
ネシウム 業 B
実施例 1〜9 表1に示す組成で2軸押出機を用いて混練押出
しペレツトを得た。このペレツトを用いインフレ
ーシヨン成形機で下記の条件で厚み60〜85μmの
フイルムを成形した。 ダイス径 :100mm 成形温度 :190℃ ブローアツプ比 :1.7 フロストライン高さ :250mm 次にこのフイルムをピンチ機構を有する近接ロ
ール延伸機を用い一軸延伸して多孔質フイルムを
得た。この時の延伸温度、延伸倍率、延伸後のフ
イルム厚みを表−1に示す。ここで得られたフイ
ルムを延伸方向に平行に前記の方法で物性測定し
た。その結果を表−1に示す。なお、フイルム外
観は延伸むらの発生の有無で評価した。 比較例 1〜3 表2に示す組成で実施例と同じ方法で混練ペレ
ダイス、フイルム成形、および延伸処理を施し
た。ここで得られたフイルムの物性値を表−2に
示す。なお比較例1では延伸むらが激しく物性測
定は出来なかつた。
【表】 *1 ◎ 非常に良好 ○ 良好 × 延伸むら有
【表】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 密度が0.860g/cm3以上、0.910g/cm3未満
    で、沸騰n−ヘキサン不溶分が10重量%以上であ
    り、示差走査熱量測定(DSC)で示す最大ピー
    ク温度が100℃以上に存在するエチレン−α−オ
    レフイン共重合体10〜80重量%および充填剤20〜
    90重量%よりなる組成物を溶融成形して得たフイ
    ルムまたはシートを、該エチレン−αオレフイン
    共重合体のDSCで示す最大ピーク温度より10℃
    以上低い温度で延伸処理することを特徴とする多
    孔質フイルムまたはシートの製法。
JP29045885A 1985-12-25 1985-12-25 多孔質フイルムまたはシ−トの製法 Granted JPS62149736A (ja)

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