JPH048116Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、フアクシミリ装置、複写機或いは光
学的文字読み取り装置等の機器において、情報が
記載された原稿や、記録再生のためのシート等の
多数枚積層された用紙から１枚ずつ分離して円滑
に読み取り部や記録再生部に搬送するのに用いら
れる用紙分離装置に関するものである。

〈従来の技術〉 このような用途に用いられる従来の一般的な用
紙分離装置は、第３図に示すような構成になつて
いる。即ち、下部用紙ガイド板１と上部用紙ガイ
ド板２とにより、原稿等の用紙を案内するための
搬送路３が構成され、この搬送路３に沿つて用紙
の搬送方向の前段側から繰出しローラ４、この繰
出しローラ４に圧接された押圧ローラ５、給紙ロ
ーラ６、搬送ローラ７およびこの搬送ローラ７に
圧接されたピンチローラ８が順に設けられてい
る。前記押圧ローラ５は、支軸９に回転自在に支
持されているとともに、押圧ローラ５と上部用紙
ガイド板２との間に懸架された押圧用スプリング
１０の付勢力により繰出しローラ４に圧接され、
さらに、押圧ローラ５の平坦面が繰出しローラ４
に接する位置でストツパ１１の上部用紙ガイド板
２への当接により回転止めされている。

給紙ローラ６の上部には、用紙を分離して１枚
ずつ送り出すための用紙分離ユニツト１２が設け
られている。この用紙分離ユニツト１２は、支軸
１２ａに回転自在に支持され用紙の給紙方向に向
つて下り勾配に傾斜した分離用部材１２ｂの下面
に、耐摩耗性に優れた分離用のゴム板１２ｃが固
着され、上部用紙ガイド板２に取り付いたアング
ル材１２ｄと分離用部材１２ｂとの間に介在され
た圧縮コイルスプリング１２ｅによつて分離用部
材１２ｂを給紙ローラ６側に回動付勢し、それに
より分離用ゴム板１２ｃが給紙ローラ６に所定圧
で接しており、給送されてきた用紙を１枚ずつに
分離させる作用を行なうようになつている。ま
た、ホツパ１３上に積載された多数枚の用紙を用
紙分離ユニツト１２の分離用ゴム板１２ｃの摩擦
力だけで１枚ずつに分離するのは困難であるた
め、繰出しローラ４と押圧ローラ５との接点近傍
位置に、用紙ストツパ部材１４が、給紙方向に向
つて下り勾配に傾斜し、且つ下部用紙ガイド板１
に対し所定の間隔で設けられており、この用紙ス
トツパ部材１４で所要枚数以上の用紙が用紙分離
ユニツト１２に送られないように用紙の移動を阻
止している。

〈考案が解決しようとする問題点〉 しかしながら、前記の装置では用紙分離ユニツ
ト１２に対し用紙の給紙方向の前段側の位置に用
紙ストツパ部材１４を設けており、このように分
離ユニツト１２と用紙ストツパ部材１４とを異な
る位置に設けていることによつて、部品点数が多
くなつて構成が複雑化し、コストアツプの要因に
なつている。また、用紙ストツパ部材１４を、分
離ユニツト１２とは個別に設けているために、こ
れの取付けに際して可及的に少数枚以上の用紙が
通過しないように調整する必要がある。

〈考案の目的〉 本考案は、このような問題点に鑑みなされたも
ので、用紙のストツパ手段と用紙を１枚ずつに分
離する手段とを同一箇所に設けて構成部材を前記
各手段に兼用するようにし、部品点数を削減して
構成を簡素化した用紙分離装置を提供することを
目的とするものである。

〈問題点を解決するための手段〉 本考案の用紙分離装置は、前記目的を達成する
ために、搬送路を給送される原稿等の用紙を、給
紙ローラとこれに押圧された分離用ゴム板との間
から１枚づつに分離して順次送り出す用紙分離装
置において、前記搬送路を構成する用紙ガイド板
における前記給紙ローラの上方位置に固着された
取付部材に、下面に前記分離用ゴム板の用紙給紙
方向の後方側の一端部分が接合固着されるととも
に用紙給紙方向に向かい所定の下り勾配に傾斜し
て前記給紙ローラの一周面に前記分離用ゴム板の
他端部分を接合させるよう前記搬送路内に上方か
ら挿入された分離板部と、この分離板部から切り
起こしにより形成されて端部に前記用紙ガイド板
への固定片が形成された取付部とが一体形成さ
れ、分離用スプリングを、その下端部を前記分離
用ゴム板の他端上面に圧接した状態で上端部を前
記取付部に取付位置可変状態に取り付けたことを
特徴として構成されている。

〈作用〉 前記構成としたことにより、分離用ゴム板の一
部を接合固定した取付部材の分離板部が、用紙の
給送方向に向つて下り勾配に傾斜して用紙の搬送
路内に挿入されているから、この分離板部は、分
離用ゴム板の固定用としての機能の他に、分離用
ゴム板を介して少数枚以上の用紙が分離用ゴム板
と給紙ローラとの接触部に入り込むのを阻止する
ので、用紙ストツパとしての機能をも備え、さら
には分離用ゴム板が給送されてくる用紙に対し所
定角度に維持するガイドとしての機能も併有して
いる。従つて、分離ゴム板に対し用紙の給送方向
の前段側の別の箇所に用紙ストツパ部材を設ける
必要がない。

〈実施例〉 以下、本考案の一実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。

第１図において、第３図と同一若しくは同等の
ものには同一の符号を付してある。そして、第２
図に示すように、コ字状の切り込みにより切り起
して後述の分離用スプリング１９の取付部１５ａ
を形成した取付板１５が、この取付部１５ａの両
側から下方に屈曲してそれぞ延出した固定片１５
ｂを介してねじ（図示せず）で上部用紙ガイド板
２に給紙ローラ６に対向して固着されている。こ
の取付部材１５の本体である分離板部１５ｃは、
用紙の給紙方向に向つて下り勾配に傾斜した状態
で上部用紙ガイド板２の開口部２ａから用紙搬送
路３内に挿入されており、この分離板部１５ｃの
下面と固定板１６との間に分離用ゴム板１７の給
紙方向に対し前段側部分が挟み込まれるととも
に、ねじ１８により挟持固定され、この分離用ゴ
ム板１７の給紙方向に対し後段側部分が給紙ロー
ラ６に接している。

矩形状板体をほぼ直角に屈曲した形状の板ばね
からなる分離用スプリング１９が、一本のねじ２
０により取付部材１５の取付部１５ａに取付られ
ているとともに、この分離用スプリング１９の下
端が分離用ゴム板１７に直接圧接されている。分
離用スプリング１９の固定用ねじ２０が挿通され
る取付孔１９ａは、分離用ゴム板１７への方向つ
まり給紙方向に平行な長孔状となつており、この
取付孔１９に沿つてねじ２０による固定位置を給
紙方向にずらせることにより、分離用スプリング
１９の分離用ゴム板１７への付勢圧力を調整でき
るようになつている。この圧力の調整手段とし
て、分離用スプリング１９の取付孔１９ａの両側
位置に、取付部材１５の取付部１５ａに屈曲形成
した一対の突片１５ｄがそれぞれ挿通される各４
個の圧力調整孔１９ｂが所定間隔で取付孔１９ａ
と平行に配列して形成されている。また、この実
施例ではフアクシミリ装置に適用した場合を示し
てあり、搬送ローラ７より給紙方向の後段側に、
螢光灯２１を光源とする光学読み取り装置（図示
せず）および一対の排紙ローラ２３，２４が搬送
路３に沿つて設けられている。

次に、前記実施例装置の作用について説明する
と、原稿等の用紙がホツパ部１３に複数枚積層し
てセツトされると、この用紙は繰出しローラ４の
回転駆動と押圧ローラ５の押圧作用とによつて下
部に位置する用紙から順に搬送路方向に搬送され
る。

このようにして給送された各用紙は、給紙方向
に向つて下り勾配となつた分離板部１５ｃに固定
され所定角度に保持されている分離用ゴム板１７
に一定角度方向にガイドされ、分離用ゴム板１７
と給紙ローラ６間に送り込まれる。この時、多数
枚の用紙が同時に送られてきた場合には、分離板
部１５ｃが分離用ゴム板１７を介してこれらの用
紙が分離用ゴム板１７と給紙ローラ６との間に同
時に入り込まないよう阻止する。即ち、分離板部
１５ｃは、分離用ゴム板１７の取付用の構成部材
としての役目の他に、用紙のストツパ部材並び
に、分離用ゴム板１７を給送されてくる用紙に対
し一定角度に保持するガイド部材としての機能を
兼備する。従つて、第３図に示した従来の用紙ス
トツパ部材１４が不要となる。

そして、分離用ゴム板１７は送られてきた用紙
を１枚ずつに確実に分離する作用をし、この分離
用ゴム板１７と給紙ローラ６によつて用紙を分離
して更に後段の搬送路３に１枚ずつ給送させる。
この分離された用紙は搬送ローラ７およびピンチ
ローラ８によつて光学読み取り装置（図示せず）
に送られて用紙に記載された情報が光学的に読み
取られ、然る後に排紙ローラ２３，２４によつて
排出される。

この用紙分離装置は、分離用スプリング１９を
板ばねで構成しているため、これを一本のねじ２
０で取付けることができるとともに、分離用スプ
リング１９を他の部材を介在せずに分離用ゴム板
１７に直接圧接できる。従つて、用紙分離ユニツ
ト部の本体となる取付部材１５を板金加工で作製
することができる。また、４個の圧力調整孔１９
を適宜選択して突片１５ｄを挿通させることによ
り、分離用スプリング１９の分離用ゴム板への付
勢圧力を調整できるようになつている。

〈考案の効果〉 以上詳述したように、本考案の用紙分離装置に
よると、分離用ゴム板とこれを給紙ローラに押圧
付勢する分離用スプリングとを装着するところの
用紙分離ユニツト部の本体である取付部材に、用
紙の給送方向に向つて下り勾配に傾斜して用紙搬
送路内に挿入された分離板部を設け、この分離板
部に、分離用ゴム板の取付用部材、用紙のストツ
パ部材および分離用ゴム板を用紙に対し一定角度
に保持するストツパ部材としての各機能と兼備す
る構成としたので、従来の用紙ストツパ部材が不
要となり、構成の簡素化に伴つて部品点数の削減
と組立工数の低減を達成でき、大幅なコストダウ
ンを計ることができる。

また、分離板部が、分離用ゴム板を介して少数
枚以上の用紙の分離用ゴム板と給紙ローラとの間
への入り込みを阻止するので、分離板部の高さの
ばらつきは、用紙の分離性能に直接的な影響を与
えない。従つて、取付部材の取付け時において分
離板部の高さ調整が一切不要となり、しかも、分
離板部が分離用ゴム板を介して用紙のガイドを行
なうので、分離性能の向上および用紙スキユーの
低減を得ることができ、正確な用紙分離を安定に
行な得る効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の用紙分離装置の一実施例の縦
断面図、第２図は第１図の一部の分解斜視部、第
３図は従来装置の縦断面図である。 １，２……用紙ガイド板、３……搬送路、６…
…給紙ローラ、１５……取付部材、１５ａ……取
付部、１５ｃ……分離板部、１７……分離用ゴム
板、１９……分離用スプリング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 搬送路を給送される原稿等の用紙を、給紙ロー
   ラとこれに押圧された分離用ゴム板との間から１
   枚づつに分離して順次送り出す用紙分離装置にお
   いて、前記搬送路を構成する用紙ガイド板におけ
   る前記給紙ローラの上方位置に固着された取付部
   材に、下面に前記分離用ゴム板の用紙給紙方向の
   後方側の一端部分が接合固着されるとともに用紙
   給紙方向に向かい所定の下り勾配に傾斜して前記
   給紙ローラの一周面に前記分離用ゴム板の他端部
   分を接合させるよう前記搬送路内に上方から挿入
   された分離板部と、この分離板部から切り起こし
   により形成されて端部に前記用紙ガイド板への固
   定片が形成された取付部とが一体形成され、分離
   用スプリングを、その下端部を前記分離用ゴム板
   の他端上面に圧接した状態で上端部を前記取付部
   に取付位置可変状態に取り付けたことを特徴とす
   る用紙分離装置。