JPH0480030A - 積層フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

積層フィルムおよびその製造方法

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JPH0480030A
JPH0480030A JP2195782A JP19578290A JPH0480030A JP H0480030 A JPH0480030 A JP H0480030A JP 2195782 A JP2195782 A JP 2195782A JP 19578290 A JP19578290 A JP 19578290A JP H0480030 A JPH0480030 A JP H0480030A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、優れたガスバリアー性、耐熱性、および電気
絶縁性を有る、積層フィルムに関る、。
(従来の技術) 熱可塑性樹脂フィルム、特にポリエステル系フィルムは
、機械的強度、耐薬品性および透明性に優れ、さらに、
価格が安価なことなどから工く用いられている。例えば
、写真用ベースフィルム、磁気テーフ用ベースフィルム
、製図用フィルム、コンデンサーなどの電気機器用フィ
ルム、メンブレンスイッチ、タッチパネル、キーボード
、ラベルなどの工業用材料に用いられている。さらに、
食品包装用包装材としても用いられている。
しかし、ポリエステル系フィルムを食品包装などの包装
材料に用いる場合には、一般にガスバリアー性が不十分
である。例えば、表1に、ポリエステル系フィルムとし
て最も汎用されているポリエチレンテレフタレート(P
ETン フィルムと、ガスバリアー性に優れたフィルム
であるポリ塩化ビニリデン(PVDC)フィルムとの酸
素および水蒸気の透過性を示した。
表】 表1から明らかなように、PETフィルムは酸素ガスお
よび水蒸気をよく透過し、ガスバリアー性が低い。
一般に極性基を有る、樹脂は、酸素ガスバリアー性が良
好である。しかし、水酸基やアミド基などの極性基は水
分子と結合しやすく、その酸素ガスバリアー性は湿度が
高くなるにつれて低下る、。
したがって、このような極性基を有る、樹脂でなるフィ
ルムは、ガスバリアー性か湿度に影響されないP’/C
Dフィルムと積層されて、湿度に依存しない優れたガス
バリアー性を有る、積層体フィルムとして使用されてい
る。この他のタイプとしては、ビニルアルコールとエチ
レンとの共重合体(商品名工バール)、PVDCとアク
リロニトリルとの共重合体などがあり、これらは、湿度
に影響されない優れた酸素ガスバリアー性を有る、ため
、食品包装用フィルムとして幅広く用いられている。
しかし、これらのガスバリアー性フィルムのほとんどは
塩素系高分子を用いているため、その製造工程や廃棄経
路で生じる有機性塩素による発ガン性、塩素ガスによる
オゾン層の破壊などの種々の問題がある。
一般に、ポリエステル系フィルムを、回路基板などの電
子部品に使用した場合には、耐熱性が低く、実用温度あ
るいは評価温度において熱による伸びや収縮、熱変形、
着色、強度の劣化など種々の問題が生じる。例えば、P
ETは、ガラス転移温度(Tg)が69℃であり、低温
で分子運動性に変化が生じ、伸びや収縮を生じやすい。
さらに、主鎖を構成る、結合(エステル結合)の解離エ
ネルギーが比較的低いため、高温で長時間使用る、と解
離などの不可逆的な化学変化が生じ、フィルムか劣化る
、。
耐熱性に優れた樹脂として、分子構造に芳香環や複素環
を有る、、エンジニアソングプラスチ、。
りと呼ばれる高分子が種々開発されている。このような
耐熱性樹脂としては、ボリアリレート、ポリスルホン、
ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリアミ
ドイミド、ポリイミド、ポリアラミド、ポリフェニレン
スルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテ
ルケトンケトン、ポリオ牛ジベンゾイル共重合体、ポリ
ベンズイミダゾールなどがある。これらの樹脂は、従来
の脂肪族を中心とした汎用プラスチックに比較して充分
に高い耐熱性を有る、。しかし、高温で、形状および物
性を保持る、性質(耐熱性)と、加熱成形時に容易に溶
融可塑化し得る性質(加工性)とは、本質的に相反る、
ものである。したがって、これらの耐熱性樹脂は、いず
れも加工性が低いという問題点を有し、特にフィルムに
成形る、ことが困難である。溶融成形を行うためには、
非常に高い温度を付与る、必要がある。そのため、コス
トが非常に高くなり、工業的に実用化る、ことが難しい
ポリエステル系フィルムを各種の絶縁材料として使用る
、場合には、その絶縁性が温度に依存し、Tgより高い
温度で絶縁破壊電圧が急激に低下る、傾向にある。さら
に、長時間使用る、と絶縁破壊電圧よりも低い電圧で絶
縁破壊を起こすことがある。このような問題点を解決る
、手段として、ポリエステル系フィルムの表面にフェノ
ール系樹脂などの熱硬化型耐熱性ポリマーあるいはポリ
イミド系ポリマーを被覆る、方法が提案されているか、
未た実用には至っていない。
(発明が解決しようとる、課題) 本発明は、上記従来の欠点を解決る、ものであり、その
目的とる、ところは、ガスバ1J7−性、耐熱性、およ
び電気絶縁性に優れた積層フィルム、を提供る、ことに
ある。さらに、本発明の目的は、そのような優れた特性
を有る、積層フィルムの製造方法を提供る、ことにある
(課題を解決る、ための手段) 本発明の積層フィルムは、熱可塑性樹脂でなる基材フィ
ルムと;アルフキン7ラン、ンランカ。
ブl)ング剤およびホウ酸を含有る、組成物を、ブルー
ゲル法によって重縮合して得られる、生成分が直鎖状ポ
リマーよりなる複合ポリマーでなり、該基材フィルムの
少なくとも片面に積層された、少なくとも1層の複合ポ
リマー層と:を含有し、そのことにより上記目的か達成
される。
好ましい実施態様によれば、本発明の積層フィルムでは
、前記組成物は、さらに、1種以上の金属アルコキ/ド
を含有る、。
本発明の積層フィルムの製造方法は、アルコキンンラン
、7ランカノブリング剤、および才つ酸を含有る、組成
物を、ゾル−ゲル法触媒、水、および有機溶剤の存在下
に重縮合し、主成分か直鎖状ポリマーよりなる該組成物
の複合ポリマーを含有る、塗工液を調製る、工程;熱可
塑性樹脂でなる基材フィルムの少なくとも片面に、該塗
工液を塗布る、工程;および、該基材フィルムを、13
0℃以上で、かつ、該熱可塑性樹脂の融点以下の温度で
熱処理して、該基材フィルム表面に複合ポリマー層を形
成る、工程;を包含し、そのことにより上記目的が達成
される。
好ましい実施態様によれば、本発明の方法は、さらに、
前記熱処理工程の後に、前記積層体を、170〜300
℃の温度で再度熱処理る、工程を包含る、。
本発明の基材フィルムとしては、透明な熱可塑性樹脂フ
ィルムが用いられる。熱可塑性樹脂としては、ポリエチ
レン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂;ポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレー
ト、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリブチレ
ンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂;ポリオキ
シメチレンなどのポリエーテル系樹脂:ナイロン−6、
ナイロン−6,6、ポリメタキシレンアジパミドなどの
ポリアミド系樹脂;ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリ
ル酸エステル、ポリアクリロニトリル、ポリ酢酸ビニル
などのビニル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;セロフ
ァン、アセテートなどのセルロース系樹脂;ポリイミド
;ポリエーテルイミド;ポリフェニレンスルフィド;ボ
リエーテルスルフォン:ボリスルフォン;ポリエーテル
エーテルケトン;ポリエーテルケトンケトンなどがある
。これらの樹脂は単独重合体であっても共重合体であっ
てもよい。特に、機械的強度、成形性および経済性を考
慮る、と、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレン
テレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリ
エステル系樹脂が好適である。さらに、好ましくは、ジ
カルボン酸成分トしてテレフタル酸を80モル%以上、
グリコール成分としてエチレングリコールを80モル%
以上含有る、共重合ポリエステル、あるいは、ポリエチ
レンテレフタレートを80重量%以上の割合で含有る、
ポリエステルの混合物が用いられる。
この共重合ポリエステルおよびポリエチレンテレフタレ
ート以外のポリエステルに用いられる、他のジカルボン
酸成分としては、芳香族、脂肪族および脂環族ジカルボ
ン酸のいずれもが使用され得る。芳香族7カルボン酸と
しては、イソフタル酸、オルトフタル酸、2,6−ナフ
タレンジカルボン酸などが用いられる。脂肪族ジカルボ
ン酸としては、コハク酸、アジピン酸、セパ7ン酸、シ
ュウ酸などが用いられる。脂環族ジカルボン酸としては
、13−シクロベンクンジカルボン酸、1.4−シクロ
へ牛サンジカルボン酸などが用いられる。グリコール成
分としては、炭素数が2〜8の脂肪族グリフール、ある
いは、炭素数が6〜12の脂環族グリフールか好適であ
る。このようなグリフールとしては、12−プロパンジ
オール、1.3−プロパンジオール、14−ブタンジオ
ール、ネオペンチルグリコール、16−ヘキサンジオー
ル、1.2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シ
クロヘキサンジメタノール、l、4−7クロヘキサンジ
メタクリレート、p−キ7レングリコール、ジエチレン
グリコール、トリエチレングリコールなどがある。ポリ
エーテルグリコールもグリコール成分として用いられ得
、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレング
リコール、ポリテトラメチレングリコールなどが用いら
れ得る。共重合成分の1部として、p−ヒドロキン安息
香酸などのオキソ酸も用いられ得、る。
これらのジカルボン酸成分とグリコール成分とは通常の
方法により重合(あるいは共重合)されて所望のポリエ
ステルが調製される。
基材フィルムは、このような熱可塑性樹脂を単体で、あ
るいは、1種以上の樹脂を溶融混合してフィルム状に成
形した物が用いられる。このような基材フィルムは未延
伸フィルムであっても、l軸または2軸配向フイルムで
あってもよい。さらに、このようなフィルムを2枚以上
積層した積層体も用いられ得る。
本発明に用いられるアルコキシシランは、51(OR1
)4で表され、R1は、低級アルキル基である。具体的
には、5i(0−CTo)4、S i (0−C2Hs
)4などが用いられる。これらのアルコキン7ランを混
合して使用してもよい。
本発明には、必要に応じて、上記アルコキシシランとと
もに、ジルコニウムアルコキシド、チタニウムアルコキ
ッドなどの金属アルコキシドが用いられ得る。ジルコニ
ウムアルコキシドは、Zr(OR2)4で示され、R2
は低級アルキル基である。具体的には、Zr (0−C
H3)4、Zr(OC21(s)a、zr(0−iso
−C3ト)4、Zr(0−C4H9)4などが用いられ
得る。2種以上のこれらのアルコキシドを混合して用い
てもよい。
ジルコニウムアルコキシドを用いることによって、得ら
れる積層フィルムの耐熱性が向上る、。その使用量は、
上記アルコキシシラン100重量部に対して10重量部
以下の範囲であり、好ましくは約5重量部である。10
重量部を上回ると、形成される複合ポリマーがゲル化し
やすくなり、複合ポリマーの脆性が大きくなり、基材フ
ィルムを被覆した際に複合ポリマー層が剥離しやすくな
る。チタニウムアルコキッドは、Ti(OR3)4で示
され、R3は低級アルキル基である。具体的には、T 
i (0−CH3)A、Ti(0−C2H5)4、Ti
 (0−C3H7)4、Ti (0−C4H*)4など
が用いられ得る。2種以上のこれらのアルコキシドを!
aして用いてもよい。チタニウムアルコキッドを用いる
ことによって、得られる被膜の熱伝導率が低くなり、基
材の耐熱性が著しく向上る、。その使用1は、上記アル
コキシンラン100重量部に対して5重量部以下の範囲
であり、好ましくは約3重量部である。5重量部を上回
ると、形成される複合ポリマーの脆性−が大きくなり、
基材フィルムを被覆した際に複合ポリマーが剥離しやす
くなる。
上記アルコキシドとともに用いられるンランカ、ブリン
グ剤としては、既知の有機反応性基含有オルガノアルコ
キンシランが用いられ得る。特に、エポキシ基を有る、
オルガノアルコキン7ランが好適である。それには、例
えばγ−グリシドキシプロピルトリメトキンンラン、γ
−グリンドキシブロビルメチルジエトキシンラン、およ
びβ−(3,4−エポキシシクロヘキ/ル)エチルトリ
メトキシンランがある。このような/ランカッブリング
剤は2種以上を混合して用いてもよい。このようなシラ
ンカップリング剤の使用量は、上記アルフ半22521
00重量部に対して、1〜20重量部の範囲内である。
20重量部以上を使用る、と形成される複合ポリマーの
剛性と脆性とが大きくなり、複合ポリマー層の絶縁性お
よび加工性が低下る、。
本発明では、複合ポリマーを構成る、組成物にホウ酸が
含有される。ホウ酸を添加る、ことによって、得られる
複合ポリマーのガスバリアー性、および耐熱性が著しく
向上る、。ホウ酸の含有量は、上記アルフキジシランお
よび金属アルコキシドの合計量100重量部に対して1
〜lO重量部の範囲であり、好ましくは、4重量部であ
る。10重量部を上回ると複合ポリマーの剛性と脆性と
か大きくなり、得られる積層フィルムの柔軟性が低下る
、。
1重量%を下回ると、ガスバリアー性および耐熱性が得
られない。
本発明の方法に用いられるゾル−ゲル法触媒としては、
水に実質的に不溶であり、かつ有機溶媒に可溶な第三ア
ミンが用いられる。それには例えば、N、N−ジメチル
ベンジルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミ
ン、トリペンチルアミンなどかあり、特にN、N−ジメ
チルヘンシルアミンか好適である。その使用量は、アル
コキシシラン、金属アルコ千ンド、およびシラツカ、ブ
リノブ剤の合計量の100重1部当り、 0.01〜1
0重量部、好ましくは約003重量部である。
本発明の方法には、上記アルコキシンランおよび金属ア
ルコキシドの合計モル411モルに対して、08〜2モ
ルの水が用いられる。好ましくは、1.5モルの水か用
いられる。水の量が2モルを上回ると、上記アルコキシ
ンランと金属アルコキシドとから得られるポリマーが球
状粒子となり、さらに、この球状粒子同士が3次元的に
架橋腰密度の低い、多孔性のポリマーとなる。多孔性の
ポリマは、基材フィルムのガスバリアー性および耐熱性
を改善る、ことができない。水の量が、08モルを下回
ると、加水分解反応が進行しにくくなる。
本発明の方法に用いられる有機溶媒としては、エチルア
ルコール、イソプロピルアルコール、フチルアルコール
などか用いられる。溶媒の使用量は、通常上記アルコキ
ン/う7、金属アルコキシド、シランカップリング剤、
ホウ酸およびゾルゲル法触媒の合計1t100重量部当
り、30〜100重1部である。
本発明の方法によれば、本発明の積層フィルムは、例え
ば以下のようにして形成される。まず、上記アルコキシ
シラン、シランカップリング剤、ホウ酸、ゾル−ゲル法
触媒、水、有機溶媒、および必要に応じて金属アルコキ
シドを混合して塗工液を調製る、。この塗工液は次第に
重縮合反応が進行して粘度が増加る、。次いで、上記基
材フィルムに、常法により、この塗工液を塗布し、乾燥
る、。乾燥により、上記、アルコキシシラン、金属アル
コキシドおよびシランカップリング剤の重縮合がさらに
進行し、複合ポリマーの層が形成される。好ましくは上
記の操作を繰り返して、複数の複合ポリマー層を積層る
、。最後に、上記塗工液を塗布したフィルムを130℃
以上で、がっ基材フィルムの融点以下の温度、好ましく
は、150 ℃〜200℃の範囲の温度で、30秒〜i
o分間加熱る、と、本発明の積層フィルムが得られる。
このようにして得られた本発明の積層フィルムは、ガス
バリアー性、耐熱性および電気絶縁性に憂れる。さらに
、この積層フィルムを、いったん、常温以下の温度に冷
却した後、再度170〜300 ℃の温度で熱処理る、
ことによって、フィルムのカスバリアー性が向上る、。
(作用) 本発明の方法において、アルコキシシランおよび金属ア
ルコキシドは、添加された水によって、加水分解される
。次いでゾルーケル法触媒の働きによって、生じた水酸
基からプロトンが奪取され、加水分解生成物同士が脱水
重縮合る、。このとき、同時に7ランカノブリング剤も
加水分解されて、アルコキン基が水酸基となる。触媒の
働きによりエポキシ基の開環も起こり、水酸基が生じる
。加水分解されたシランカップリング剤と加水分解され
たアルコキシドとの重縮合反応も進行fる。このように
して生成る、重縮合物は、5i−0−Si、5i−0−
Zr、 5i−0−Tiなどの結合からなる無機質部分
と、シランカップリング剤に起因る、有機部分とを含有
る、複合ポリマーである。
上記の反応は、常温で進行し、塗工液は調製りに粘度が
増加る、。この塗工液を基材フィルムIS塗布し、加熱
して溶媒および重縮合反応により構成したアルコールを
除去る、と、縮重合反応が究結し、基材フィルム上に透
明な複合ポリマへの層か形成される。複合ポリマー層を
複数層積層した場合には、層間の複合ポリマー同士も縮
合し、眉と層との開が強固に結合る、。さらに、ンラン
ヵノブリング剤の有機反応性基や加水分解によって生じ
た水酸基が、基材フィルム表面の水酸基と結合る、ため
、基材フィルム表面と複合ポリマー層との接着性も良好
である。
本発明の方法においては、添加される水の量がアルコ牛
ンド類1モルに対して08モル〜2モル、好ましくは、
1.5モルに調節されているため、直嘗状の複合ポリマ
ーか形成される。このような直鎖状ポリマーは結晶性を
有し、非晶質部分の中に多数の微小の結晶が埋包された
構造をとる。このような結晶構造は、結晶性有機ポリマ
ー(例えば、塩化ビニリデン)と同様であり、良好なガ
スバリアー性を示す。そして、このガスバリアー性は、
極性基に起因る、ものでないので、湿度なトニ影響され
ず、長時間持続る、。
さらに、本発明では、複合ポリマーを形成る、組成物中
にホウ酸が含有される。ホウ酸の83°イオンは、複合
ポリマーの結晶部分の表面に存在る、架橋していない酸
素原子を引き付けて、[BO4]の四面体状の構造単位
を構成し、5i−0−Hの結合を形成る、。その結果、
非晶質部分のガラス構造の切れ目を四面体状の[BO4
]で封止る、ことになるため、非晶質部分が緻密な構造
となり、得られる複合ポリマーのガスバリアー′性がさ
らに改善される。Si−〇−Bの結合は、空気中の水分
などによって加水分解されやすいので、乾燥工程で2段
階の加熱処理を実施る、ことが好ましい。すなわち、最
初の加熱で複合ポリマーを安定な構造に固定し、複合ボ
1)マーの構造の中に$1−〇−B結合を形成させる。
その後積層フィルムを冷却した際に上記の結合は空気中
の水分によって加水分解され、かつ、高温再加熱によっ
て再結合る、。このようにして高温下で再結合されたS
 1−0−B結合は、非常に安定であり、容易に加水分
解されない。
このようにして得られた積層フィルムは、SiO2を主
成分とる、複合ポリマーの層が積層されているため、電
気絶縁性が良好である。さらに、上記のように、複合ポ
リマーが緻密な構造を存る、ため、ガスバリアー性、耐
湿性、耐溶剤性および耐薬品性に優れる。そして、複合
ポリマーが、基材フィルムを酸素や化学物質から効果的
に隔離る、ため、高温下でも、酸化や他の化学反応によ
る不可逆的な熱劣化が生じることがなく、耐熱性にも優
れている。さらに、ジルコニウムアルコキンドやチタニ
ウムアルコ牛ンドなどの金属アルコ牛/ドを用いて形成
された複合ポリマーは、熱伝導率が低く、高温にさらさ
れた際に基材フィルムに熱が伝わるのを防ぎ、熱による
基材フィルムの伸びや収縮を防ぎ、耐熱性に優れる。そ
して、複合ポリマーがホウ酸を用いて調製されているた
め、ホウケイ酸ガラスと類似した特性を示し、熱膨張率
が小さく、寸法安定性に優れた積層フィルムが得られる
本発明の積層フィルムは、上記のような優れた特性を有
る、ので、電子機器などに用いる工業用材料として好適
に使用される。さらに、本発明の積層フィルムは、無機
質部分とともに有機部分を有る、複合ポリ7−で被覆さ
れているため、基材フィルムの柔軟性か保持されている
。したがって、包装材料としても使用可能である。特に
、ガスバリアー性に優れるため、食品包装用フィルムと
して好適に使用され得る。
(実施例) 以下に本発明を実施例につき説明る、。
爽丘五土 5i(OC2Hs) 25g、 C2H5OH25g、
  2 N HCI 1.86g1および水1.51g
を混合し、80℃で1〜2時間攪拌した。このとき、S
i (OC2Hs)と水とのモル比は、■=1.51で
ある。次いで、エポキ/Vラン5H6040(東しンリ
コーン社製)2.5g、 無水ポウ酸82(13L、Q
gを加えて、さらに、1〜2時間攪拌る、。次いで、N
N−ンメチルベンジルアミンの32重1%エタノール溶
液0.5gを加えて攪拌る、と、粘性のある塗工液が得
られる。上記塗工液を、厚さ12μmのポリエチレンテ
レフタレートに塗布し、170℃で5分間乾燥し、いっ
たん25℃以下に冷却した後、さらに、170〜300
℃で5分間再加熱る、。このようにして厚さ20μmの
積層フィルムを得た。
得られた積層フィルムのガスバリアー性を評価した結果
を表2に示す。
表2 表2の結果を表1と比較る、と明らかなように、本発明
の積層フィルムは、酸素および水蒸気の透過性が非常に
低く、ポリ塩化ビニリデンフィルムよりもさらに良好な
カスz+リアー性を有る、。
夫亘巳至 実施例1と同様にして調製した塗工液を、75μmのポ
リエチレンテレフタレートフィルムの両面に塗工し、実
施例1と同様の方法で乾燥して、本発明の積層フィルム
を得た。
得られた積層フィルムを260℃のンリコンオイルバス
に20秒間浸漬したが、フィルムに伸びや収縮などの変
形は見られなかった。230〜250℃の/リコンオイ
ルバスに5分間浸漬したところフィルムの収縮率は0.
5%であり、260℃では、07%であった。さらに、
150℃30分間での収縮率は0.05%以下と考えら
れる。
尖上l引1 複合ポリマーに靭性を加えるために、実施例1の塗工液
にZr(0−iso−C,+H7)41 gを添加して
、実施例2と同様にして本発明の積層フィルムを得た。
得られたフィルムは、実施例2のフィルムに比較して柔
軟性が向上し、90″および1806の角度に折り曲げ
を行っても、亀裂や複合ポリマー層の剥離などは起こら
なかった。
さらに、実施例2および3で得られた積層フィルムの電
気絶縁性を評価したところ、両方のフィルムで同様の結
果が得られた。結果を表3(こ示す。
表3 (発明の効果) このように本発明の積層フィルムは、ガスバリアー性、
耐熱性、および電気絶縁性に優れる。従って、本発明の
積層フィルムは、一般工業用のフィルム材料として幅広
く用いられ得る。さらに、ガスバリアー性が著しく良好
であり、透明性および柔軟性かあることから、包装用材
料としても好適である。特に、塩素を含有しないことか
ら環境汚染の問題がないので、食品包装用のフィルムと
しての用途が期待される。地球環境の汚染問題か国際的
に取り上げられている今日、フィルム製造メーカーは塩
化ビニリデンフィルムなどの塩素を含有る、フィルムの
製造を中止る、方針を決定している。したがって、本発
明の積層フィルムは、次世代の食品包装用フィルムとし
ての用途がおおいに期待される。
以上

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、熱可塑性樹脂でなる基材フィルムと; アルコキシシラン、シランカップリング剤およびホウ酸
    を含有する組成物を、ゾル−ゲル法によって重縮合して
    得られる、主成分が直鎖状ポリマーよりなる複合ポリマ
    ーでなり、該基材フィルムの少なくとも片面に積層され
    た、少なくとも1層の複合ポリマー層と;を含有する、 積層フィルム。 2、前記組成物が、さらに1種以上の金属アルコキシド
    を含有する、請求項1に記載の積層フィルム。 3、アルコキシシラン、シランカップリング剤、および
    ホウ酸を含有する組成物を、ゾル−ゲル法触媒、水、お
    よび有機溶剤の存在下に重縮合し、主成分が直鎖状ポリ
    マーよりなる該組成物の複合ポリマーを含有する塗工液
    を調製する工程;熱可塑性樹脂でなる基材フィルムの少
    なくとも片面に、該塗工液を塗布する工程;および 該積層体を、130℃以上で、かつ、該熱可塑性樹脂の
    融点以下の温度で熱処理して、該基材フィルム表面に複
    合ポリマー層を形成する工程;を包含する、 積層フィルムの製造方法。 4、さらに、前記熱処理工程の後に、前記積層体を、1
    70〜300℃の温度で再度熱処理する工程を包含する
    、請求項3に記載の方法。 5、前記組成物が、さらに1種以上の金属アルコキシド
    を含有する、請求項3に記載の方法。 6、前記ゾル−ゲル法触媒が、水に実質的に不溶であり
    、かつ、有機溶媒に可溶な第3アミンである、請求項3
    に記載の方法。 7、前記水が、前記アルコキシシラン1モルに対して0
    .8〜2モルの割合で用いられる、請求項3に記載の方
    法。
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