JPH04795Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動車用シートの表皮吊り込み構造の
改良に関する。

（従来技術とその問題点） 従来、自動車用シートの前表皮に吊り込み部
（表皮の一部を内方に引張り込んだくぼみ）を形
成する場合には、表皮の裏面に引張り部材を縫着
して、該引張り部材にオームクリツプを取付け、
該オームクリツプを引張り部材を引張りながらパ
イプフレーム間に取付られたＳ字状バネに係止す
るようにしている。

ところが、オームクリツプをＳ字状バネに係止
する作業は、シートの前側から行なう必要がある
ので、作業性がきわめて悪いという問題があつ
た。

（考案の目的） 本考案は上記従来の問題を解消するためになさ
れたもので、シートの前表皮に、簡単かつ迅速に
吊り込み部を形成できるようにすることを目的と
するものである。

（考案の構成） このため本考案は、パイプフレームの外周に設
けられたクツシヨンパツドを覆う表皮の吊り込み
構造であつて、前表皮の裏面に一端部が縫着され
た引張り部材の他端部に引掛け用孔が明けられ、
背表皮の端部に表皮孔が明けられていて、上記パ
イプフレームに、上記引張り部材の引掛け用孔と
背表皮の表皮孔とを係止可能な突片が固定されて
いることを特徴とするものである。

（考案の作用・効果） 本考案によれば、前表皮の裏面に縫着された引
張り部材の引掛け用孔を、パイプフレームに固定
された突片に、背側から係止させ、背表皮の表皮
孔を同突片に係止させるようにしたものである。

したがつて、引張り部材の引掛け用孔及び背表
皮の表皮孔の係止作業がシートの背側から行なえ
るので、係止作業が簡単かつ迅速に行なえ、作業
性が向上するようになる。

また、従来のようなオームクリツプが不要であ
り、コストダウンに寄与できるようになる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を添付図面について詳細
に説明する。

第２図及び第３図に示すように、自動車用シー
ト１は、四角枠状のパイプフレーム２が設けら
れ、該パイプフレーム２の外周にクツシヨンパツ
ド３（第１図参照）が設けられ、該クツシヨンパ
ツド３を表皮４で覆つて構成されている。

なお、５はシート１の上部に取付けられるヘツ
ドレストである。

上記パイプフレーム２の両側部２ａ，２ａに
は、第１図に示すように、Ｓ字状バネ６の両端部
を取付けるブラケツト７がそれぞれ固定されてい
る。また、該両側部２ａ，２ａには、シート１の
背面と略平行に内方に伸長し、内縁部に複数の突
片８ａが所定のピツチで上下方向に形成されたブ
ラケツト８がそれぞれ固定されている。

一方、表皮４は、前表皮４ａ，４ｂと背表皮４
ｃ，４ｄとで構成され、前表皮４ａ，４ｂは端部
どうしがとじ糸９で縫着されている。

上記シート１の上側の背表皮４ｃは具体的に図
示しないが、前表皮４ａ，４ｂの端部どうしがと
じ糸で袋状に縫着され、シート１の下側の背表皮
４ｄは前表皮４ｂと端部どうしがとじ糸１０で縫
着されている。該背表皮４ｄの自由端部には、上
記ブラケツト８の突片８ａに係止可能な表皮孔４
ｅが明けられている。該背表皮４ｄの自由端部に
第３図に示すような細棒１１を固定しておくと、
背表皮１４ｄの引張り係止作業が楽に行なえる。

上記前表皮４ａ，４ｂの端部どうしのとじ糸９
部分には、前表皮４ａの裏面に貼着されたクツシ
ヨンパツド１２を介して、第４図に示すようなシ
ート状の引張り部材１３の一端部１３ａがともに
縫着され、該引張り部材１３の他端部１３ｂに
は、上記ブラケツト８の突片８ａに係止可能な引
掛け用孔１３ｃが明けられている。

なお、具体的に図示しないが、上側の背表皮４
ｃの下端部４ｆに沿つて、パイプフレーム２の両
側部２ａ，２ａに、上記ブラケツト８と同様に、
突片が形成されたブラケツト１４が固定され、該
背表皮４ｃの下端部４ｆには、上記引張り部材１
３と同様の引掛け用孔が明けられた引張り部材が
縫着されている。また、上記ブラケツト８，１４
には、第７図に示すように、シート１の背面開口
をカバーするバツクボード１５のフツク金具１６
を係止する係止段部８ｂが形成されている。

上記のような構成であれば、シート１の前表皮
４ａ，４ｂの間に吊り込み部を形成するに際して
は、第５図に示すように、シート１の背側開口か
ら引張り部材１３を手で引張つて、第６図に示す
ように、その引掛け用孔１３ｃをブラケツト８の
突片８ａに係止させる。ついで、背表皮４ｄの表
皮孔４ｅを同じ突片８ａに係止させる。なお、上
側の背表皮４ｃの引張り部材もブラケツト１４に
係止する。

その後、第７図に示すように、シート１の背面
開口にバツクボード１５を当てがつて前方へ押し
込むと、バツクボード１５のフツク金具１６がブ
ラケツト８，１４の係止段部８ｂに係止されて、
シート１の背面開口がカバーされる。

このように、引張り部材１３の係止作業がシー
ト１の背側から行なえることで、吊り込み部の形
成作業が簡単かつ迅速に行なえるようになつた。

【図面の簡単な説明】

第１図はシートの表皮吊り込み構造の突片部分
の要部断面図、第２図はシートの前面側斜視図、
第３図はバツクボードを外したシートの背面側斜
視図、第４図は引張り部材の正面図、第５図は吊
り込み作業前のシートの要部断面図、第６図は吊
り込み作業後のシートの要部断面図、第７図はシ
ートの表皮吊り込み構造のフツク部分の要部断面
図である。 １……自動車用シート、２……パイプフレー
ム、３……クツシヨンパツド、４……表皮、４
ａ，４ｂ……前表皮、４ｃ，４ｄ……背表皮、４
ｅ……表皮孔、８……ブラケツト、８ａ……突
片、１３……引張り部材、１３ｃ……引掛け用
孔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 パイプフレームの外周に設けられたクツシヨン
   パツドを覆う表皮の吊り込み構造であつて、 前表皮の裏面に一端部が縫着された引張り部材
   の他端部に引掛け用孔が明けられ、背表皮の端部
   に表皮孔が明けられていて、上記パイプフレーム
   に、上記引張り部材の引掛け用孔と背表皮の表皮
   孔とを係止可能な突片が固定されていることを特
   徴とする自動車用シートの表皮吊り込み構造。