JPS6019635Y2 - 座席カバ− - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は、例えば、自動車のフロント側シートの席部に
装着される座席カバーの改良に関する。

〔考案の背景〕 従来の座席カバーは、通常、シート座面を覆う上面布の
周縁にシート襠部を覆う前面および両側面襠布を縫着し
、上面布の後辺を延長してシートの背凭れ部と座席部と
の接合小間隙に挿通する挟入布を突設し、この挟入布の
両端部にループ状係合紐を設け、一方、両側面襠布の後
端部下縁には、止め紐の基端を縫着して、この止め紐を
座席部後方に引張り係合縁に結び着けるものである。

ところで、この止め紐の引張り力は、止め紐の縫着点で
ある側面襠布の後端部下縁に作用して、側面襠布を座席
後方に引張ることはできる。

ところが、この引張り力は、その縫着点で分散されるた
め、側面襠布の上部および上面布への作用力は弱く、側
面襠布を下方へ、上面布を座席外方向へ引張る力が弱い
。

そのため、座乗者の体重荷重が上面布に加わるとき、上
面布および側面襠布は座面中央方向へ強力に引張られ、
殊に側面襠布がシート側面から浮き上がり、カバー位置
ずれの原因となる等の不利がある。

〔考案の目的〕

本考案は、両側面襠布の後端部に簡単な構成を施すこと
により、前後方向は勿論、左右方向にも位置ずれせず皺
寄りの生じない新規な座席カバーを提供することを目的
とする。

〔実施例〕

図面は、本考案に係る座席カバーを自動車のフロント側
シートの座席部に装着した状態を現し、座席カバーの具
体的な一実施例を示している。

座席カバーは、公知のごとく、座席部座面に略適合する
大きさの上面布１１に座席襠部を覆う前面襠布１２およ
び両側面襠布１３，１３を一体に縫着し、上面布１１に
は、その後辺を延長してシート育児れ部４と座席部５と
の接合間隙に挿通する挟入布１４を連設し、挟入布の後
辺両端部に紐等をループ状となした係合縁１５．１５を
突設している。

また、前記左右側面布１３，１３および前面襠布１２の
下周縁にゴム紐１６を縫着して襠布下周長さを縮小させ
、装着時、シート下周縁に係止すべくなしている。

本考案の特徴は、前記両側面襠布１３，１３の後端辺に
（後端辺の下縁から上縁に亘る範囲に）、後端辺を内向
きに折り曲げ縫着して１．ここに筒部２を形威し、この
筒部２に止め紐３の基端側を挿入し、止め紐基端を筒部
の上周縁に縫着固定し、止め紐３先端の引張り力が基端
縫着点に直接、作用するようにしたものである。

第４図は、本考案の第２実施例を示すもので、筒部２を
挟入布１４の後辺まで延長し、この筒部に挿入する止め
紐３両端を筒部の両開口から突出させ、止め紐は挟入右
側の筒部に縫着固定し、且つその紐端をループ状止め部
３１となしたもので、この場合、挟入布１４に別途突設
するループ状係合紐１５．１５を省略できる。

このようなカバーをシート座席部に装着するには、まず
、座席部５に対し上方からカバーを被せ、襠布１２，１
３下周縁のゴム紐１６を座席部下周縁に位置させ、挟入
布１４を座席部と背凭れ部との接合間隙から座席部の背
面側に挿通位置させた後、止め紐３を後方へ引張るとき
、ゴム紐１６が展張して襠布下周縁が、座席部下周縁に
強く係止する。

この状態で、更に、止め紐３を後方へ引張り挟入布１４
のループ状係合紐１５．１５に結び固定するとき、この
引張り力は、直接、紐１５基端すなわち側面襠布１３の
後部上端（筒部２上周縁の縫着点）に作用して、上面布
１１を両側から外方向に引張り且つ筒部２内の紐が筒後
壁を後方に押圧して、側面襠布（襠布の後端辺）を後方
および下方に引張り、シート側面に強く接面させる。

ここにおいて、座乗者の体重荷重が上面布１１にかかる
場合においても、上面布および側面布は、座面中央への
引張り力に抗し、浮き上がることがないのである。

〔考案の構成および効果〕

本考案は以上のように、両側面襠布１３，１３の後端辺
に筒部２を形成し、この筒部に止め紐３の基端側を挿入
し、紐基端を筒部の上周縁に縫着固定して、この紐先端
を挟入布１４のループ状係合紐１５．１５と結び着ける
ことにより、止め紐の引張り力を直接、紐３基端の縫着
部に作用させることにした。

本考案によれば、止め紐先端の引張り力が両側面布の後
部上端に作用し、上面布を両側から座面外方向に引張り
、座乗者の体重荷重の引張り力に抗し、位置ずれが解消
される。

しかも、筒部内の紐は、この引張り力で筒後壁を後方に
押圧し、側面襠布の後端部を下方および後方に引張り、
シート側面に強く接合させ、襠布の浮き上がりを防止し
、カバーの適正な装着状態を保持する等、考案目的を遠
戚した効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は使用状態を示す斜視図、第２図は本案カバーの
斜視図、第３図はＡ−Ａ線断面図、第４図は第２実施例
を示す斜視図である。 １１・・・・・・上面布、１２．１３・・曲側面襠布、
２・・・・・・筒部、３・・・・・・止め紐。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上面布１１周縁に前面襠布１２および両側面襠布１３，
   １３を周設し、上面布後辺には座席部と背凭れ部との接
   合間隙に挟入される挟入布１４を突設し、この挟入布の
   両端部に係合縁１５を備え、この係合縁に結び付ける止
   め紐３を前記両側面襠布１３，１３の後端部に具えたも
   の於いて、両側面襠布の後端辺に筒部２を設け、この筒
   部に前記止め紐３の基端側を挿入して止め紐基端を筒部
   上縁部に縫着し、止め紐３先端の引張力をその基端縫着
   部に作用するようにしたことを特徴とする座席カバー。