JPH0477753B2 - - Google Patents

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JPH0477753B2
JPH0477753B2 JP58161702A JP16170283A JPH0477753B2 JP H0477753 B2 JPH0477753 B2 JP H0477753B2 JP 58161702 A JP58161702 A JP 58161702A JP 16170283 A JP16170283 A JP 16170283A JP H0477753 B2 JPH0477753 B2 JP H0477753B2
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Japan
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compound
synthesized
trimethyl
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indoline
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Seiichi Arakawa
Hirofumi Kondo
Nobuyoshi Seto
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Sony Corp
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  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Oxygen Or Sulfur (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、新規なフオトクロミツク化合物に関
するもので、さらに詳細には特に700nm以上の長
波長に対して高い吸収特性を有するスピロピラン
系(チオピラン骨格を有する)フオトクロミツク
化合物に関するものである。 スピロピラン系フオトクロミツク感光材料は、
(1)粒子性がなく解像度が高いこと、(2)特別な現
像、定着処理を必要としないこと、(3)発色濃度が
高いので薄膜化が可能であること、及び(4)、消
去・書き換えが可能であることを特徴とし、各種
記録、記憶材料、複写材料などへの応用が試みら
れてきた。特に最近では前記(1)及び(4)の特徴を生
かして、スピロピラン系フオトクロミツク感光材
料は光学式ビデオデイスク等のレーザ記録媒体と
しての応用が期待されている。 しかし、従来のスピロピラン系フオトクロミツ
ク感光材料はその発色状態における吸収波長域が
せいぜい400nmから700nmの範囲であるために、
レーザにより記録再生を行なう場合、Ar+レーザ
やHe−Neレーザのような気体レーザを使用する
必要があつた。最近、小型、軽量の半導体レーザ
の進展が著しく、このために、記録再生用レーザ
として半導体レーザが気体レーザに取つて代わろ
うとしている。 しかし、実用に供されるレーザ記録又は再生用
の半導体レーザは、780〜850nmの発振波長を有
するものが特に使用されている。更に、現在はこ
れより短波長で発振する半導体レーザの開発が盛
んに行なわれていて、特に近い将来、700nm付近
で発振する半導体レーザが実用化される可能性が
高いと考えられる(例えば、斉藤富士郎「半導体
レーザ記録の現状と将来」、日本写真学会誌、44
(2)128(1981)、山本三郎ら「可視光半導体レーザ
の開発と現状」、オプトロニクス(No.9)41
(1982)参照)。 従つて、このスピロピラン系フオトクロミツク
感光材料を半導体レーザ記録再生用記録媒体とし
て使用するためには、この材料がその発色状態に
おいて、従来の場合より長波長、特に700nm以上
の長波長の光に対して高い吸収特性を有する必要
がある。 このような波長域の光に対して発色状態で高い
吸収特性を有する物質として次のようなスピロピ
ラン化合物が知られている(H.S.Becker and J.
Kolc,J.Phys.Chem.,72 997(1968)を参照)。 しかし、3−メチルペンタン溶液中、77〓でこ
の化合物は波長域600〜850nmの光に対して発色
状態で高い吸収特性を有しているが、溶液中又は
高分子フイルム中でも常温では発色せず、0℃以
下の低温でのみ発色し、常温に戻すと直ちに消色
するので実用的ではない。 前記の諸問題を解決するため各種化合物を合成
し、それらの化合物の発色状態での光吸収特性、
発色及び消色特性を調査した結果、次式で示され
る新規なフオトクロミツク化合物が、その発色状
態において特に700nm以上の長波長に高い吸収特
性を有し、かつ、発色状態の安定性がよく、さら
に発色−消色の繰返しが可能なことを見出し、本
発明を完成するに至つた。 本発明の新規なフオトクロミツク化合物は一般
式(): (式中、R1は炭素数1〜20個のアルキル基、
R2,R3,R4及びR5は水素原子、炭素数1〜5個
のアルキル基、炭素数1〜5個のアルコキシ基、
ハロゲン原子、ニトロ基又はジメチルアミノ基を
表し、R6,R7及びR8は水素原子、炭素数1〜5
個のアルキル基、炭素数1〜5個のアルコキシ基
又はハロゲン原子を表わす。ただし、R2,R3
R4,R5,R6,R7,R8のうちの少なくとも1つは
水素原子以外のものを表わしている。) で示される。 本発明の新規なフオトクロミツク化合物の例は
後述の各実施例及び表1に示されている。 本発明のフオトクロミツク化合物は次の反応(A)
により合成される。なお、以下の各反応式中の各
化合物において、R1〜R8は前記と同じ意味を有
する。 即ち、1−アルキル−3,3−ジメチル−2−
メチレンインドリン()と5−ニトロチオサリ
チルアルデヒド()とをエタノール中で還流さ
せることによつて本発明の新規な化合物()を
容易にかつ高収率で合成することができる。 前記原料化合物()は、次の反応式(B)で示す
通り、2,3,3−トリメチルインドレニン
()のN−位をハロゲン化アルキルR1X(Xはハ
ロゲン原子を表わす)でアルキル化して塩()
を生成させ、これをアルカリ処理することによつ
て得ることができる。 また、前記N−位のアルキル化にはジアルキル
硫酸、トルエンスルホン酸アルキルエステルなど
を用いても行なうことができる。 なお、化合物()において、R3が(CH32N
−である、例えば5−ジメチルアミノ−1,3,
3−トリメチル−2−メチレンインドリンの場合
は、その合成には特殊な方法を用いる必要があ
り、この合成方法は発明者らが今回初めて見出し
たものである。この化合物は次の反応式(C)に従つ
て、5−アミノ−2,3,3−トリメチルインド
レニンをヒンダードアミン、例えば1,2,2,
6,6−ペンタメチルピペリジンの存在下、ヨウ
化メチルを作用させて四級アミンを得、これをナ
トリウムn−プロピルアルコラートと共に加熱し
て脱メチル化することにより合成することができ
る。(後記の実施例4も参照) このような、R3がジメチルアミノ基をもつた
化合物()を用いて前記反応式(A)に従つて合成
される本発明の化合物()は紫外光照射による
着色状態の安定性が極めて優れているという特徴
を有する。 前記の2,3,3−トリメチルインドレニン
()は一般にはFischerのインドール合成に基づ
いて、置換フエニルヒドラジン又はその塩酸塩と
3−メチル−2−ブタノンとを酸性下で加熱する
ことによつて得ることができる。又は、置換アニ
リンと3−メチル−3−ブロモ−2−ブタノンと
を加熱することによつても得ることができ、この
方法の一部は今回新たに開発されたもので、後述
の実施例2にその方法が示されている。 前記(A)の反応で用いられる5−ニトロチオサリ
チルアルデヒド()の合成は殆んど知られてお
らず、次の(D)又は(E)の反応式に従つて合成するこ
とができる。 即ち、オルト位にハロゲン原子をもつたアルデ
ヒド化合物のハロゲン原子をSH基に変える方法。
(後記の参考例参照) ただし、この方法はR6,R7及びR8が水素原子
である場合(化合物の入手が容易)は容易に行な
うことができるが、置換基をもつた5−ニトロチ
オサリチルアルデヒドの合成は非常に困難であり
その場合には次の反応式(E)による方法が用いられ
る。 即ち、サリチルアルデヒドのOH基をSH基に
変える方法: サリチルアルデヒド()のジメチルチオカル
バメート()を合成し、加熱によりO→S転位
反応を行なわせ()、引き続きアルカリ加水分
解によりチオサリチルアルデヒド()を合成す
る。この反応自体は既知であるが、この化合物
()の骨格構造を得るためにこの反応を適用し
た例は知られていない。この(E)の反応は、原料で
あるサリチルアルデヒドの合成が容易であり、ま
た各合成段階での収率が高く有利な合成法であ
る。従つて、置換基をもつた5−ニトロチオサリ
チルアルデヒドの合成には(E)の方法を用いた。な
お、この方法において、化合物()から一挙に
化合物()まで反応を進めることができる。
(後記の実施例3参照) 本発明のフオトクロミツク化合物を用いたフオ
トクロミツク感光材料は半導体レーザ記録再生用
媒体として使用できる利点を有するほか、各種の
記録、記憶材料、複写材料、印刷用感光体、陰極
線管用記録材料、ホログラフイー用感光材料、写
真植字用感光材料などの種々の記録材料として利
用できる。また、光学フイルター、デイスプレー
材料、マスキング用材料、光量計、装飾などの材
料としても利用でき、幅広い用途をもつている。 本発明のフオトクロミツク化合物は、メタノー
ル、エタノール、イソプロピルアルコールなどの
アルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、
シクロヘキサノンなどのケトン類、エチルエーテ
ル、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエー
テル類、酢酸エチル、酢酸n−ブチルなどのエス
テル類、更にベンゼン、トルエン、キシレン、n
−ヘキサン、シクロヘキサン、アセトニトリル、
ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、
クロロホルムなどの各種溶媒及びこれらの混合溶
媒に溶解する。この化合物をフオトクロミツク感
光材料として用いるには、上記溶媒に高分子物質
と共に上記化合物を溶解し、製膜或いは支持体に
塗布乾燥するか、溶媒を用いずに高分子物質に上
記化合物を混練溶解し、製膜して用いることがで
きる。 前記高分子物質としては、前記一般式()の
化合物との相溶性がよくかつフイルム形成能の優
れたものであればよく、その例を挙げれば、ポリ
メタクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリ酢酸ビ
ニル、ポリビニルブチラール、酢酸セルロース、
ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体、ポリプ)の化合物と
の相溶性がよくかつフイルム形成能の優れたもの
であればよく、その例を挙げれば、ポリメタクリ
ル酸メチル、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポ
リビニルブチラール、酢酸セルロース、ポリ塩化
ビニル、ポリ塩化ビニリデ牢、塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体、ポリプレフタレート、セルロー
スアセテート、ポリカーボネート、通常の紙、バ
ライタ紙、ガラス、金属等がある。 次に、本発明を実施例について更に詳述する。 参考例 1′,3′,3′−トリメチル−6−ニトロスピロ
〔2H−1−ベンゾチオピラン−2,2′−インドリ
ン〕 の製造: 原料の一つである5−ニトロチオサリチルアル
デヒド は次のように合成した。 2−クロロ−5−ニトロベンズアルデヒド5g
を10c.c.のエタノール中に加え、加熱還流した。次
に、Na2S・9H2O4.66gとS0.62gとの混合物を
加熱してNa2S2を合成した。この合成したNa2S2
を、煮沸した2−クロロ−5−ニトロベンズアル
デヒドエタノール溶液に15分間かけて加えた。加
え終わつてから、NaOH1.08gを含む95%エタノ
ール溶液10c.c.を30分間かけて添加した。添加を終
えたら冷却し、氷水(氷30g、水400c.c.)中に入
れ、ついで不溶物をろ過した。ろ液をHClで中和
すると黄色の沈殿が析出した。この沈殿をろ過し
て集めた。この黄色沈殿は不純物を含むので、ま
ずエタノール20c.c.に加熱しながら溶解させ、
NaOH1.08gを含む95%エタノール溶液を加え、
不溶物をろ過によつて除いた。ろ液を再びHClで
中和し、冷却して目的の5−ニトロチオサリチル
アルデヒドの黄色結晶を得た。これをろ別し、乾
燥して次の反応に使用した。収量は3.15g(64
%)で、融点は85〜88℃であつた。 次に、市販の1,3,3−トリメチル−2−メ
チレンインドリン1.6gと、前記の通り合成した
5−ニトロチオサリチルアルデヒド2gとを100
c.c.のエタノール中に入れて2時間加熱還流した。
この溶液を濃縮し、メタノールを加えると黄色結
晶が析出した。これをベンゼン−メタノールから
再結晶して、目的の1′,3′,3′−トリメチル−6
−ニトロスピロ〔2H−1−ベンゾチオピラン−
2,2′−インドリン〕を得た。収量は1.1g(収
率35%)で、融点は178〜179℃であつた。 原料として合成した5−ニトロチオサリチルア
ルデヒドを1H−NMRスペクトル法で解析した。
内部基準としてTMS(テトラメチルシラン)を、
溶剤としてCDCl3(クロロホルム−d1)を用いて
日本電子社製JNM−FX60QNMR装置で測定し
て得られた結果は次の通りで、この化合物は確認
された。 ケミカルシフト(δ,ppm) 6.16(一重線、SH,1H) 7.48(二重線、3−位のH,1H) 8.22(二重−二重線、4−位のH,1H) 8.61(二重線、6−位のH,1H) 10.10(一重線、CHO,1H) また、目的の1′,3′,3′−トリメチル−6−ニ
トロスピロ〔2H−1−ベンゾチオピラン−2,
2′−インドリン〕を、前記と同様に測定して得た
次の1H−NMRスペクトルデータで確認した。 δ(ppm) 1.24(一重線、C−CH3,3H) 1.40(一重線、C−CH3,3H) 2.64(一重線、N−CH3,3H) 5.96(二重線、3−位のH,1H) 6.44(二重線、7′−位のH,1H) 6.6−7.4(多重線、芳香族−H,4−位の
H,5H) 7.7−8.1(多重線、5,7−位のH,2H) こうして得られた1′,3′,3′−トリメチル−6
−ニトロスペロ〔2H−1−ベンゾチオピラン−
2,2′−インドリン〕3重量部と、高分子物質と
しての塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体(電
気化学工業社製デンカビニール#1000W)10重量
部と溶剤(テトラヒドロフラン:シクロヘキサノ
ン=1:1(体積比))100重量部とから溶液を調
製し、石英ガラス基板上にスピンナー塗布し、80
℃で2時間乾燥させて感光量の厚さ1.5μmの試料
を作製した。 このようにして作製した試料に、500W超高圧
水銀灯(ウシオ電機社製)を用い、ガラスフイル
ター(東芝社製UV−D36C)を通して360nm付
近の紫外光を20秒間照射した。淡黄色であつた試
料は濃緑色に変化した。その吸収スペクトルを日
立社製の自記分光光度計320型で測定した。紫外
光照射後の試料は680nmに吸光度の極大値をも
ち、吸収は900nm付近まで拡がつていることがわ
かつた。なお、前記極大値、即ち吸収極大波長
(680nm)での吸光度は約0.6であつた。又、波長
780nmにもかなりの吸収性を有しており、その吸
光度は吸収極大波長(λnax)での吸光度に対して
47%の割合であつた。 比較例として、通常のスピロピラン化合物であ
る1′,3′,3′−トリメチル−6−ニトロスピロ
〔2H−1−ベンゾピラン−2,2′−インドリン〕
を用いて参考例と同様の組成、方法で感光膜を作
製し、発色特性を調べたところ、λnaxは580nm
で、長波長側の吸収端は700nmであつた。 実施例 1 5′−メトキシ−1′−n−ヘキシル−3′,3′−ジ
メチル−6−ニトロ−8−メトキシスピロ〔2H
−1−ベンゾチオピラン−2,2′−インドリン〕 の製造: 原料の一つである3−メトキシ−5−ニトロチ
オサリチルアルデヒド は次のように合成した。まず、3−メトキシ−5
−ニトロサリチルアルデヒド10gと1,4−ジア
ザビシクロ〔2,2,2〕オクタン11.4gとを
DMF(ジメチルホルムアミド)に溶解させた溶液
に、ジメチルチオカルバモイルクロリド9.4gを
DMFに溶解させた溶液を加え、50〜60℃で1.5時
間反応させた後、水300c.c.を加え、生じた沈殿を
ろ過し、メタノールで再結晶してジメチルチオカ
ルバメート を11.1g得た(収率77%)。このジメチルチオカ
ルバメートを160℃の油浴で加熱し、溶解したら
冷却し、メタノールを加え、析出した結晶をろ過
して、次の化合物 を10.3g得た(収率93%)。この化合物をメタノ
ール300c.c.に溶解させ、常温で4N−NaOH水溶液
30c.c.を加え、N2ガスを吹き込みながら1時間反
応させ、濃塩酸を加えて酸性にした後、40分間還
流させ、冷却後、水100c.c.を加え、析出した結晶
をろ過して3−メトキシ−5−ニトロチオサリチ
ルアルデヒド7.65gを得た(収率99%)。融点169
〜170℃。この化合物について、参考例の場合と
同様にして1H−NMRスペクトル法によつて次の
結果を得、この化合物を確認した。 δ(ppm) 4.09(一重線、OCH3,3H) 6.10(一重線、SH,1H) 7.85(二重線、4−位のH,1H) 8.31(二重線、6−位のH,1H) 10.14(一重線、CHO,1H) 次に、このチオサリチルアルデヒド4.6gと次
式の−n−ヘキシル−3,3−ジメチル−5−メ
トキシ−2−メチレンインドリン5.9g (5−メトキシ−2,3,3−トリメチルインド
レニンとヨウ化ヘキシルとをクロロホルム中で反
応させた後、NaOHで処理して合成した)とを
エタノール100c.c.中で2時間加熱還流後、この溶
液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフイ
ーで分離し、ベンゼン−メタノールで再結晶し
て、目的の5′−メトキシ−1′−n−ヘキシル−3′,
3′−ジメチル−6−ニトロ−8−メトキシスピロ
〔2H−1−ベンゾチオピラン−2,2′−インドリ
ン〕4.6gが得られた(収率45%、融点97〜98
℃)。 1H−NMRスペクトルデータ δ(ppm) 0.88(三重線、n−ヘキシル基、CH3,3H) 1.23(一重線、C−CH3,3H) 1.36(一重線、C−CH3,3H) 1.0−2.0(多重線、n−ヘキシル基、CH2
8H) 3.04(三重線、N−CH2,2H) 3.77(一重線、OCH3,3H) 3.90(一重線、OCH3,3H) 5.94(二重線、3−位のH,1H) 6.40(二重線、7′−位のH,1H) 6.5−6.8(多重線、4′,6′−位のH,2H) 6.84(二重線、4−位のH,1H) 7.52(二重線、7−位のH,1H) 7.74(二重線、5−位のH,1H) 本実施例の化合物をDMF中に溶解し、脱気し
た溶液に360nm付近の紫外光を照射したところ、
緑色に着色し、次にこの着色溶液を加熱したとこ
ろ消色した。この着色・消色の現象は何回でも繰
返すことができた。 実施例 2 5′,7′−ジメトキシ−1′,3′,3′−トリメチル

6−ニトロ−8−メトキシスピロ〔2H−1−ベ
ンゾチオピラン−2,2′−インドリン〕 の製造: 原料の一つである5,7−ジメトキシ−1,
3,3−トリメチル−2−メチレンインドリン は次のように合成した。まず、3−ブロム−3−
メチル−2−ブタノン20gと2,4−ジメトキシ
アニリン55.5gとを140℃で1時間加熱させた後、
クロロホルムで抽出し、クロロホルム層を、濃塩
酸18c.c.を水200c.c.に希釈した希塩酸溶液で処理し、
過剰のジメトキシアニリンを取り除いた後、減圧
蒸留して5,7−ジメトキシ−2,3,3−トリ
メチルインドレニン16.4gを得た(収率62%、沸
点107℃/0.2mmHg)。 このインドレニン5gとヨウ化メチル4gとを
メタノール5c.c.に溶解させ、封管して110℃で2
時間反応させ、得られた生成物の粉末をエーテル
で洗浄し、乾燥後NaOHで処理して、5,7−
ジメトキシ−1,3,3−トリメチル−2−メチ
レンインドリン3.7g(収率70%)を得た。 このインドリン3.4gと、実施例1で合成した
3−メトキシ−5−ニトロチオサリチルアルデヒ
ド3.2gとを実施例1の場合と同様の方法で反応
させ、分離して、目的の5′,7′−ジメトキシ−1′,
3′,3′−トリメチル−6−ニトロ−8−メトキシ
スピロ〔2H−1−ベンゾチオピラン−2,2′−
インドリン〕4.3gを得た(収率69%、融点131
℃)。 この化合物についても1H−NMRスペクトル法
で構造を確認した。また、この化合物のDMF溶
液は実施例1の化合物と同様の着色・消色現象を
示した。 実施例 3 5′−メトキシ−1′,3′,3′−トリメチル−6−
ニトロ−8−クロロスピロ〔2H−1−ベンゾチ
オピラン−2,2′−インドリン〕 の製造: 原料の一つである3−クロロ−5−ニトロチオ
サリチルアルデヒド は次のように合成した。まず、3−クロロ−5−
ニトロサリチルアルデヒド10gをDMF300c.c.に溶
解させ、氷冷下でNaH1.2gを加え、水素の発生
が止んだら、ジメチルチオカルバモイルクロリド
8gをDMF10c.c.に溶解させた溶液を1度に加え、
40℃で15分間、引続き80℃で1時間反応させた。
反応混合物を冷却後、氷水を加え、析出した結晶
をろ過し、ベンゼン−エタノールから再結晶し
た。こうして次の化合物を7.3g(収率51%)得
た。 この化合物5gをエタノール25c.c.に溶解させ、
4N−NaOH水溶液23.5c.c.を加え、N2ガスを吹き
込みながら常温で2時間反応させた。反応混合物
を希塩酸で酸性にし、析出した黄色結晶をろ過
し、乾燥して、3−クロロ−5−ニトロチオサリ
チルアルデヒド3.72g(収率99%、融点84〜89
℃)を得た。 このチオサリチルアルデヒド2.5gと5−メト
キシ−1,3,3−トリメチル−2−メチレンイ
ンドリン2.5gとを実施例1の場合と同様の方法
で反応させ、分離して、目的の5′−メトキシ−
1′,3′,3′−トリメチル−6−ニトロ−8−クロ
ロスピロ〔2H−1−ベンゾチオピラン−2,
2′−インドリン〕3.3g(収率67%)を得た。融
点168〜169℃。1H−NMRスペクトル法によつて
この化合物を確認した。 本実施例で得たチオピラン系スピロピラン化合
物4重量部と、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重
合体(電気化学工業社製の商品名デンカビニール
#1000Wを使用)10重量部と、テトラヒドロフラ
ン:シクロヘキサノン=1:1(体積比)の混合
物100重量部とから成る溶液を石英ガラス板上に
スピンナ塗布し、80℃で2時間真空乾燥させて、
厚さ1μmの感光膜試料を作製した。この試料に
500W超高圧水銀灯(ウシオ電気社製)を用いて、
360nm付近の紫外光(東芝製UV−36Cフイルタ
ー通過光)を照射したところ、濃緑色に発色し
た。この発色状態の試料の吸収極大波長は
650nm、その波長での飽和吸光度は0.6、720nm
での吸光度は0.43,780nmでの吸光度は0.14であ
つた。また、この発色試料は80℃に加熱すると消
色し、再び紫外光を照射すると発色し、この現象
は繰返し何度も行なうことができた。 実施例 4 5′−ジメチルアミノ−1′,3′,3′−トリメチル
−6−ニトロスピロ〔2H−1−ベンゾチオピラ
ン−2,2′−インドリン〕 の製造: 原料の5−ジメチルアミノ−1,3,3−トリ
メチル−2−メチレンインドリン は次のように合成した。即ち、5−アミノ−2,
3,3−トリメチルインドレニン3.74gを、1,
2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン6.61
g、ヨウ化メチル18.27gとと共にDMF40c.c.に溶
解させ、室温で15時間放置した後、生じた結晶を
6%DMFを含むアセトン溶液、アセトンで順次
洗浄を行なつた後、乾燥させ、ナトリウム2.35g
を含むn−プロピルアルコール150c.c.中に加え、
17時間還流して脱メチル化し、次いでn−プロピ
ルアルコールを減圧で除去した後、水を加え、エ
ーテル抽出によつて5−ジメチルアミノ−1,
3,3−トリメチル−2−メチレンインドリン
4.21gを得た(収率91%)。 こうして得られたインドリン3gと参考例で合
成した5−ニトロチオサリチルアルデヒド3gと
をエタノール40c.c.中で1時間加熱し、実施例2で
示したような処理を行ない、目的の5′−ジメチル
アミノ−1′,3′,3′−トリメチル−6−ニトロス
ピロ〔2H−1−ベンゾチオピラン−2,2′−イ
ンドリン〕2.4gを得た(収率45%、融点166.5〜
167℃)。確認には1H−NMRスペクトル法を用い
た。 本実施例の化合物を用いて、実施例3と同様の
方法で高分子膜を作製し、紫外光を照射したとこ
ろ、黒紫色に発色し、その吸収スペクトルは吸収
極大波長が620nm、その波長での飽和吸光度(紫
外光を照射し、発色の吸光度が飽和に達した時点
での)が0.62,720nmでの吸光度は0.42,780nm
での吸光度は0.13であつた。この発色感光膜試料
は、80℃に加熱すると、700nm以上の吸収が消失
し、再び紫外光を照射すると700nm以上に吸収が
現われた。また、この試料の発色(着色)状態は
極めて安定であつた。 参考例及び実施例1〜4と同様の合成法を用
い、表1に示されるような種々の置換基をもつチ
オピラン系スピロピラン化合物を合成した。これ
らの化合物はすべて1H−NMRスペクトル法によ
つて確認された。また、これらの化合物を用いて
実施例3と同様の手順で感光膜を作製し、紫外光
を照射して飽和に達するまで発色させ、吸収スペ
クトルを測定した。この結果も表1に示した。な
お、各波長での吸光度は、感光膜の厚さ1μmのと
きの値である。これらの結果から、本発明の化合
物はいずれも700nm以上に高い吸収をもつことが
わかる。 以上の通り、従来のスピロピラン化合物のベン
ゾピラン骨格のO原子をS原子に置き換え、6−
位にNO2基をもつた本発明のチオピラン系スピ
ロピランフオトクロミツク化合物は、従来のスピ
ロピラン化合物の場合より約100nm長波長化し、
700nm以上の波長に対して高い吸収特性をもつて
いる。
【表】
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 下記一般式で示されるフオトクロミツク化合
    物。 (式中、R1は炭素数1〜20個のアルキル基、
    R2,R3,R4及びR5は水素原子、炭素数1〜5個
    のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、ハ
    ロゲン原子、ニトロ基又はジメチルアミノ基を表
    し、R6,R7及びR8は水素原子、炭素数1〜5個
    のアルキル基、炭素数1〜5個のアルコキシ基又
    はハロゲン原子を表わす。ただし、R2,R3,R4
    R5,R6,R7,R8のうちの少なくとも1つは水素
    原子以外のものを表わしている。)
JP16170283A 1982-12-28 1983-09-02 フオトクロミツク化合物 Granted JPS6054388A (ja)

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