JPH0549717B2 - - Google Patents

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JPH0549717B2
JPH0549717B2 JP3182884A JP3182884A JPH0549717B2 JP H0549717 B2 JPH0549717 B2 JP H0549717B2 JP 3182884 A JP3182884 A JP 3182884A JP 3182884 A JP3182884 A JP 3182884A JP H0549717 B2 JPH0549717 B2 JP H0549717B2
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hydrogen
photochromic
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Hirofumi Kondo
Seiichi Arakawa
Nobuyoshi Seto
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Sony Corp
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  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Oxygen Or Sulfur (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、新規なフオトクロミツク化合物に関
するもので、さらに詳細には700nm以上の長波長
部分、特に780nm付近に高い吸収特性を有し、か
つその発色保存性が良いスピロピラン系フオトク
ロミツク化合物に関するものである。 スピロピラン系フオトクロミツク感光材料は、
(1)、粒子性がなく解像度が高いこと、(2)、特別な
現像、定着処理を必要としないこと、(3)、発色濃
度が高いので薄膜化が可能であること、及び(4)、
消去・書き換えが可能であることを特徴とし、各
種記録、記憶材料、複写材料などへの応用が試み
られてきた。特に最近では前記の特徴を生かし
て、スピロピラン系フオトクロミツク感光材料は
光学式ビデオデイスク等のレーザ記録媒体として
の応用が期待されている。 しかし、従来のスピロピラン系フオトクロミツ
ク感光材料ではその発色状態における吸収波長域
がせいぜい400nmから700nmの範囲であるため
に、レーザにより記録再生を行なう場合、Ar+
ーザやHe−Neレーザのような気体レーザを使用
する必要があり、装置を大型化せざるを得ない
し、また発色も不安定であつた。 最近、小型、軽量の半導体レーザの進展が著し
く、このために、記録再生用レーザとして半導体
レーザが気体レーザに取つて代わろうとしてい
る。 しかし、実用に供されるレーザ記録又は再生用
の半導体レーザは、780〜850nmの発振波長を有
するものが特に使用されている。更に、現在はこ
れより短波長で発振する半導体レーザの開発が盛
んに行なわれていて、特に近い将来、700nm付近
で発振する半導体レーザが実用化される可能性が
高いと考えられる(例えば、斉藤富士郎「半導体
レーザ記録の現状と将来」、日本写真学会誌、44
(2)128(1981)、山本三郎ら「可視光半導体レーザ
の開発と現状」、オプトロニクス(No.9)41
(1982)参照)。 従つて、700nm以上の長波長域、特に780nm付
近に高い吸収特性を持つフオトクロミツク材料で
あれば、記録再生用として小型、軽量の半導体レ
ーザを用いることができるため、長波長域に高い
吸収を持ち、かつ発色状態が長期間安定であるフ
オトクロミツク材料が求められていた。 このような波長域の光に対して発色状態で高い
吸収特性を有する物質として次のようなスピロチ
オピラン化合物が知られている(H.S.Becker
and J.Kolc,J.Phys.Chem,72 997(1968)を参
照)。 (無色状態) (無色状態) しかし、3−メチルペンタン溶液中、77〓でこ
の化合物は波長域600〜850nmの光に対して発色
状態で高い吸収特性をもつているが、溶液中又は
高分子フイルム中でも常温では発色せず、0℃以
下の低温でのみ発色し、常温に戻すと直ちに消色
するので実用的ではない。 本発明者らは、前記の諸問題を解決するため各
種化合物を合成し、それらの化合物の発色状態で
の光吸収特性、発色及び消色特性を調査した結
果、その発色状態において700nm以上の長波長部
分、特に780nm付近に高い吸収特性を有し、か
つ、発色状態の安定性がよく、さらに発色−消色
の繰返しが可能なフオトクロミツク化合物の発明
を完成するに至つた。 即ち、本発明の新規なフオトクロミツク化合物
は下記の一般式 (式中、R1は炭素数1〜20のアルキル基を表
わし、R2及びR3は水素、炭素数1〜5のアルキ
ル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数2〜
10のアルコキシアルキル基、ハロゲン、ニトロ基
又はシアノ基を表わす) 又は (式中、R1及びR2は前記と同じ意味を有する)
で示される。 本発明の新規なフオトクロミツク化合物の例は
後述の各実施例及び第1表と第2表に示されてい
る。 本発明のフオトクロミツク化合物は次の各反応
により合成される。なお、以下の各反応式中の各
化合物において、R1〜R3は前記と同じ意味を有
する。 (1) 前記一般式()の合成(反応式(A)): (式()中、× はp−トルエンスルホン酸
イオン、R1SO4イオン又はハロゲンイオンを表わ
す)。以後の式における× も前記と同じ意味を
有する。 1−アルキル−2,3,3−トリメチルベンズ
〔g〕インドレニウム化合物()と5−ニトロ
チオサリチルアルデヒド又はその誘導体()と
を有機塩基触媒の存在下、エタノール中還流する
ことにより容易に合成することができる。 前記ベンズ〔g〕インドレニウム化合物()
は次の反応式(B)に示すように、フイツシヤーのイ
ンドール合成法により1−ナフチルヒドラジンと
3−メチル−2−ブタノンとを酸性下、加熱還流
することにより容易に得られるインドレニン化合
物のN位を、R1Xなどのアルキル化剤でアルキル
化することによつて合成することができる。 また、前記5−ニトロチオサリチルアルデヒド
又はその誘導体()の合成は以下の2通りの方
法で行なうことができる。 (i) オルト位にハロゲンを有するアルデヒド化合
物のハロゲンをSHに変える方法:(後記の実施
例1参照) (ii) サリチルアルデヒドのジメチルチオカルバメ
ートを合成し、このO→S転移反応を利用する
方法:(後記の実施例2参照) 置換基をもつた5−ニトロチオサリチルアルデ
ヒドの合成には、方法(ii)の方が容易であり、かつ
中間生成物の収率もよく、便利な合成手段であ
る。 (2) 前記一般式()の合成(反応式(C)): 前記化合物()の代わりに1−アルキル−
2,3,3−トリメチルベンズ〔f〕インドレニ
ウム化合物()を用いる外は前記反応式(A)と同
様にして、次の反応式(C)に従つて合成することが
できる。 前記ベンズ〔f〕インドレニウム化合物()
は、1−ナフチルヒドラジンの代わりに2−ナフ
チルヒドラジンを用いる外は前記反応式(B)と同様
にして、次の反応式(D)に従つて合成することがで
きる。 本発明のフオトクロミツク化合物を用いたフオ
トクロミツク感光材料は半導体レーザ記録再生用
媒体として使用できる利点を有するほか、各種の
記録、記憶材料、複写材料、印刷用感光体、陰極
線管用記録材料、ホログラフイー用感光材料、写
真植字用感光材料などの種々の記録材料として利
用できる。また、光学フイルター、デイスプレー
材料、マスキング用材料、光量計、装飾などの材
料としても利用でき、幅広い用途をもつている。 本発明のフオトクロミツク化合物は、メタノー
ル、エタノール、イソプロピルアルコールなどの
アルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、
シクロヘキサンなどのケトン類、エチルエーテ
ル、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエー
テル類、酢酸エチル、酢酸n−ブチルなどのエス
テル類、更にベンゼン、トルエン、キシレン、n
−ヘキサン、シクロヘキサン、アセトニトリル、
ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、
クロロホルムなどの各種溶媒及びこれらの混合溶
媒に溶解する。この化合物をフオトクロミツク感
光材料として用いるには、前記溶媒に高分子物質
と共に前記化合物を溶解し、製膜或いは支持体に
塗布乾燥するか、溶媒を用いずに高分子物質に前
記化合物を混練溶解し、製膜して用いることがで
きる。 前記高分子物質としては、前記一般式()及
び()の化合物との相溶性がよくかつフイルム
形成能の優れたものであればよく、その例を挙げ
れば、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、
ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、酢酸セ
ルロース、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリプロ
ピレン、ポリエチレン、ポリアクリロニトリル、
ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル、フ
エノール樹脂、フエノキシ樹脂などである。この
うち、塩素系の高分子物質の方が、発色後の安定
性が良好となるために望ましい。 また、前記支持体用物質としては、ポリエチレ
ンテレフタレート、セルロースアセテート、ポリ
カーボネート、通常の紙、バライタ紙、ガラス、
金属等がある。 次に、本発明を実施例について更に詳述する。 実施例 1 1′,3′,3′−トリメチル−6−ニトロスピロ
〔2H−1−ベンゾチオピラン−2,2′−ベンズ
〔g)インドリン〕 の合成: まず原料のインドレニウム化合物及び5−ニト
ロチオサリチルアルデヒドをそれぞれ次のように
して合成した。 (1) 1,2,3,3−テトラメチルベンズ〔g〕
インドレニウムヨーダイドの合成: 1−ナフチルヒドラジン塩酸塩18gをエタノー
ルに溶解させ、3−メチル−2−ブタノン9.6g
と濃硫酸10c.c.とを加えた後、30分間加熱還流し
た。溶媒除去後、水酸化ナトリウム水溶液でアル
カリ性にした後、エーテル抽出を行つた。次いで
減圧蒸留により精製(沸点116℃/0.1mmHg)し
た後、n−ヘキサンで再結晶させた(融点76〜
77.5℃、収率71%)。こうして得た2,3,3−
トリメチルベンズ〔g〕インドレニン1.5g、ヨ
ウ化メチル1.5g及びメタノール1c.c.を封管して
110℃で2時間反応させた後、生成物をアセト
ン/エーテル混合溶媒で十分洗浄後、エタノール
で再結晶させて1,2,3,3−テトラメチルベ
ンズ〔g〕インドレニウムヨーダイド(融点260
〜262℃、収率95%)を得た。 (2) 5−ニトロチオサリチルアルデヒドの合成: 2−クロロ−5−ニトロベンズアルデヒド5g
を10c.c.のエタノール中に加え、加熱還流した。次
に、Na2S・9H2O4.66gとS0.62gとの混合物を
加熱してNa2S2を合成した。この合成したNa2S2
を、煮沸した2−クロロ−5−ニトロベンズアル
デヒドエタノール溶液に15分間かけて加えた。加
え終わつてから、NaOH1.08gを含む95%エタノ
ール溶液10c.c.を30分間かけて添加した。添加を終
えたら冷却し、氷水(氷30g、水400c.c.)中に入
れ、ついで不溶物をろ過した。ろ液をHClで中和
すると黄色の沈殿が析出した。この沈殿をろ過し
て集めた。この黄色沈殿は不純物を含むので、ま
ずエタノール20c.c.に加熱しながら溶解させ、
NaOH1.08gを含む95%エタノール溶液を加え、
不溶物をろ過によつて除いた。ろ液を再びHClで
中和し、冷却して5−ニトロチオサリチルアルデ
ヒドの黄色結晶を得た。収量は3.15g(64%)
で、融点は85〜88℃であつた。 こうして得た1,2,3,3−テトラメチルベ
ンズ〔g〕インドレニウムヨーダイド1.5g、5
−ニトロチオサリチルアルデヒド1.1g及び塩基
としてのピペリジン0.44gをエタノール中に加
え、30分間加熱還流し、溶媒除去後、カラムクロ
マトで精製し、クロロホルム/n−ヘキサン混合
溶媒で再結晶させて、1′,3′,3′−トリメチル−
6−ニトロスピロ〔2H−1−ベンゾチオピラン
−2,2′−ベンズ〔g〕インドリン〕を得た。収
率は30%、融点は222〜225℃であつた。 実施例 2 5′−クロロ−8−メトキシ−1′,3′,3′−トリ
メチル−6−ニトロスピロ〔2H−1−ベンゾ
チオピラン−2,2′−ベンズ〔g〕インドリ
ン〕 の合成: まず原料の5−クロロ−2,3,3−トリメチ
ルベンズ〔g〕インドレニウムヨーダイド及び3
−メトキシ−5−ニトロチオサリチルアルデヒド
はそれぞれ次のようにして合成した。 (1) 5−クロロ−2,3,3−トリメチルベンズ
〔g〕インドレニウムヨーダイドの合成: 4−クロロ−1−ナフチルアミン4.84gをエタ
ノールに溶解させ、濃塩酸2.56c.c.を加え、氷冷下
で撹拌しながら、亜硝酸ナトリウム(NaNO2
1.88gを水10c.c.に溶解させた溶液を反応温度が5
℃を越えない程度の速度で加えた。その後、第一
塩化スズ(SnCl2)を濃塩酸に溶解させた溶液を
一挙に加え、常温で30分間、次いで80℃で1時間
反応させた後、冷却し、沈殿をろ過した。沈殿を
熱水に溶解させた後、水酸化ナトリウム水溶液で
アルカリ性とし、生じた4−クロロ−1−ナフチ
ルヒドラジンの無色結晶をろ過した。このヒドラ
ジンを実施例1と同様に3−メチル−2−ブタノ
ンと反応させ、エーテル抽出後、未反応のナフチ
ルアミンを抽出し、5−クロロ−2,3,3−ト
リメチルベンズ〔g〕インドレニンを得た(ナフ
チルアミンからの収率55%)。このインドレニン
をヨウ化メチルでメチル化して5−クロロ−2,
3,3−トリメチルベンズ〔g〕インドレニウム
ヨーダイドを得た(収率78%)。 (2) 3−メトキシ−5−ニトロチオサリチルアル
デヒド の合成: 3−メトキシ−5−ニトロサリチルアルデヒド
10gと1,4−ジアザビシクロ〔2,2,2〕オ
クタン11.4gとをDMF(ジメチルホルムアミド)
に溶解させた溶液に、ジメチルチオカルバモイル
クロリド9.4gをDMFに溶解させた溶液を加え、
50〜60℃で1.5時間反応させた後、水300c.c.を加
え、生じた沈殿をろ過し、メタノールで再結晶さ
せてジメチルチオカルバメート を11.1g得た(収率77%)。このジメチルチオカ
ルバメートを160℃の油浴で加熱し、溶解したら
冷却し、メタノールを加え、析出した結晶をろ過
して、次の化合物 を10.3g得た(収率93%)。この化合物をメタノ
ール300c.c.に溶解させ、常温で4N−NaOH水溶液
30c.c.を加え、N2ガスを吹き込みながら1時間反
応させ、濃塩酸を加えて酸性にした後、40分間還
流させ、冷却後、水100c.c.を加え、析出した結晶
をろ過して3−メトキシ−5−ニトロチオサリチ
ルアルデヒド7.65g(収率99%、融点169〜170
℃)を得た。 こうして得た5−クロロ−2,3,3−トリメ
チルベンズ〔g〕インドレニウムヨーダイドと3
−メトキシ−5−ニトロチオサリチルアルデヒド
とをピペリジンの存在下で実施例1と同様に反応
させて、5′−クロロ−8−メトキシ−1′,3′,
3′−トリメチル−6−ニトロスピロ〔2H−1−
ベンゾチオピラン−2,2′−ベンズ〔g〕インド
リン〕を得た(融点209〜211℃、収率29%)。 実施例 3 1′−n−ヘキシル−3′,3′−ジメチル−8−メ
トキシ−6−ニトロスピロ〔2H−1−ベンゾ
チオピラン−2,2′−ベンズ〔f〕インドリ
ン〕 の合成: 2−ナフチルヒドラジン塩酸塩を実施例1と同
様に3−メチル−2−ブタノンと反応させること
により、2,3,3−トリメチルベンズ〔f〕イ
ンドレニンを得た(収率84%、融点112〜114℃
(文献値114〜115℃))。このインドレニンとヨウ
化n−ヘキシルとを封管中で90℃で14時間反応さ
せて、2,3,3−トリメチル−1−n−ヘキシ
ルベンズ〔f〕インドレニウムヨウ素塩を得た
(収率91%)。このインドレニウム塩と、実施例2
で用いた3−メトキシ−5−ニトロチオサリチル
アルデヒドとをエタノール中、ピペリジンの存在
下で30分間加熱還流させ、カラムクロマト精製
後、エタノール/クロロホルム混合溶媒で再結晶
させて、目的の1′−n−ヘキシル−3′,3′−ジメ
チル−8−メトキシ−6−ニトロスピロ〔2H−
1−ベンゾチオピラン−2,2′−ベンズ〔f〕イ
ンドリン〕を得た(収率40%、融点102〜103℃)。 実施例 4 8−エトキシメチル−1′,3′,3′−トリメチル
−6−ニトロスピロ〔2H1−ベンゾチオピラン
−2,2′−ベンズ〔f〕インドリン〕 の合成: 原料の一つである3−エトキシメチル−5−ニ
トロチオサリチルアルデヒドは新規な物質であ
り、次に示す反応経路に従つて合成した。 まず、3−クロロメチル−5−ニトロサリチル
アルデヒド(a)3.0gとナトリウムエチラート0.99
gとを無水エタノール中で室温で1夜反応させ、
エタノール/n−ヘキサン混合溶媒により再結晶
させて、3−エトキシメチル−5−ニトロサリチ
ルアルデヒド(b)2.04gを得た(融点66〜69℃、収
率65%)。 次いで、このアルデヒド(b)2.0gと1,4−ジ
アザビシクロ〔2,2,2〕オクタン(Air
Products and Chemicals,Inc.製DABCO(商標
名)を使用)2.0gとをDMF(ジメチルホルムア
ミド)10c.c.に溶解させた溶液に、チオカルバモイ
ルクロライド1.1gをDMF3c.c.に溶解させた溶液
を加え、60℃で2時間反応させた後、水を加え、
生じた沈殿物をろ過した。この沈殿物をエタノー
ル水溶液で再結晶させてカルバメート(c)を得た
(収率72%)。このカルバメート(c)を140℃で30分
間加熱して転移反応を起こさせて化合物(d)を得
(収率100%)、さらに水酸化ナトリウム水溶液中
で窒素ガスをバブルさせながら常温で1時間反応
させた後、塩酸で酸性にし、生じた沈殿をろ過し
て3−エトキシメチル−5−ニトロチオサリチル
アルデヒド(e)を得た(収率82%)。このアルデヒ
ド(e)と、実施例3で合成した2,3,3−トリメ
チルベンズ〔f〕インドレニンにヨウ化メチルを
作用させて合成したベンズインドレニウム化合物
とを、塩基としてピペリジンの存在下、実施例1
と同様に反応させて、目的の8−エトキシメチル
−1′,3′,3′−トリメチル−6−ニトロスピロ
〔2H−1−ベンゾチオピラン−2,2′−ベンズ
〔f〕インドリン〕を得た(収率32%、融点156〜
158℃)。 こうして得られたベンゾチオピラン系スピロピ
ラン化合物3重量部と、塩化ビニル−塩化ビニリ
デン共重合体(電気化学工業社製デンカビニル
#1000w)10重量部と、テトラヒドロフランとシ
クロヘキサノンが1:1(体積比)の混合物100重
量部とからなる溶液を石英ガラス板上にスピンナ
塗布し、80℃で2時間真空乾燥後、感光層の厚さ
が1μmの試料を作製した。この試料に500w超高
圧水銀灯(ウシオ電気社製)を用い、東芝製フイ
ルター(UV−36C、IRA−25S)を用いて360nm
付近の紫外光を選択的に照射すると、飽和発色状
態で濃緑色に変化する。この濃緑色の試料は、80
℃に加熱されるか、可視光を照射されると消色
し、再び紫外光を照射されると濃緑色に発色し、
これを何度も繰り返すことができる。 実施例1〜4と同様の合成法を用い、種々の置
換基をもつ本発明のベンゾチオピラン系スピロピ
ラン化合物を合成し、前記と同様に、紫外光を飽
和発色状態になるまで照射して発色させ、吸収ス
ペクトルを測定した。次の第1表と第2表には、
実施例1〜4の化合物を含めて合計13種類の本発
明のベンゾチオピラン系スピロピラン化合物につ
いて測定した融点、吸収極大波長(λnax)、吸収
極大波長における吸光度及び波長780nmにおける
吸光度の結果が示されている。 なお、第1表の化合物No.1とNo.5がそれぞれ前
記実施例1と実施例2に相当し、第2表の化合物
No.9とNo.10がそれぞれ前記実施例4と実施例3に
相当する。
【表】
【表】 第1表および第2表に例示した本発明の化合物
のHNMRスペクトルとその帰属を化合物No.2お
よびNo.8について以下に示す。測定には、日本電
子社製JNM−FX60QNMR装置を使用し、内部
基準としてTMS(テトラメチルシラン)を、溶媒
としてCDCl3(重水素化クロロホルム)を用いた。 (a) 化合物No.2: δ(ppm) 1.25 3H 一重線 1.48 3H 一重線3′位のジメチル基 3.41 3H 一重線 N−CH3 3.94 3H 一重線 O−CH3 6.02 1H 二重線,結合定数=10.8Hz3位
の水素 6.90 1H 二重線,結合定数=10.8Hz4位
の水素 7.04−7.50 4H 多重線,4′,5′,7′,8′位の水素 7.54 1H 二重線,結合定数=2.5Hz7位
の水素 7.79 1H 二重線,結合定数=2.5Hz5位
の水素 7.60−7.90 1H 多重線,6′位の水素 8.10−8.20 1H 多重線,9′位の水素 (b) 化合物No.8 δ(ppm) 1.46 3H 一重線 1.82 3H 一重線3′位のジメチル基 2.86 3H 一重線 N−CH3 3.98 3H 一重線 O−CH3 6.08 1H 二重線,結合定数=10.8Hz,3
位の水素 6.96 1H 二重線,結合定数=10.8Hz,4
位の水素 6.94 1H 二重線,結合定数=8.4Hz,
9′位の水素 7.16−8.06 5H 多重線,4′,5′,6′,7′,8′位

水素 7.56 1H 二重線,結合定数=2.4Hz,7
位の水素 7.82 1H 二重線,結合定数=2.4Hz,5
位の水素 以上の通り、スピロピラン化合物のベンゾチオ
ピラン部に6位のNO2基をもち、さらにインド
リン骨格部をベンズインドリン骨格に変えた本発
明のベンゾチオピラン系スピロピラン化合物を合
成することにより、従来のスピロピラン化合物よ
り、λnaxにおいて約100nm長波長化し、780nm付
近に大きい吸収をもつ半導体レーザ対応のフオト
クロミツク材料が得られる。また、インドリン骨
格部をベンズインドリン骨格部にすることによ
り、λnaxが同等か10nm程度長波長化しかつその
発色安定性が極めて良好となる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 下記の一般式で示されるフオトクロミツク化
    合物。 又は (式中、R1は炭素数1〜20のアルキル基を表
    わし、R2及びR3は水素、炭素数1〜5のアルキ
    ル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数2〜
    10のアルコキシアルキル基、ハロゲン、ニトロ基
    又はシアノ基を表わす)。
JP3182884A 1984-02-22 1984-02-22 フオトクロミツク化合物 Granted JPS60177089A (ja)

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