JPH0477244A - 成形用紙 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、加熱成形に用いられる成形用紙に関し、特に
、乾性油タイプのインクセット性に優れ、且つ容易に透
明化でき、玩具２文具２日用品２食品、薬品等の各種包
装材として有用される成形用紙に関するものである。

〔従来の技術〕

一般に、プラスチックフィルムを成形する場合、予め印
刷又は彩色したシートを用いると、そのまま美しい彩色
仕上げを行うことが出来るとされている。

従来、透明フィルムに印刷した後、成形する場合、フィ
ルムにグラビア印刷を施してから成形するか、フィルム
にオフセット印刷を施してから成形し、その上に透明な
フィルムを重ねて印刷表面を保護することが行われてい
た。

〔発明が解決しようとする課題〕

然し乍ら、グラビア印刷は製版化が高い上に、作業性が
悪く、しかも印刷画が階調性に乏しかったり、画像が不
鮮明になりやすい等の問題点がある。

また、紙用の印刷機は、枚葉オフセット印刷機が主流を
占めており、透明プラスチックフィルムの場合もこの枚
葉オフセット印刷機で印刷できれば、極めて便利で有用
されると考えられるが、透明プラスチックは、その構造
上、表面、内部共に非多孔性であり、インクのセット性
に関して重要な因子であるインクの浸透性が殆ど無く、
インクの乾燥、硬化が著しく遅いため、通常のインクは
勿論、合成紙用インクを用いても、インクの乾燥が遅く
、作業性が悪いという問題点がある。

従って、本発明が解決しようとする課題は、インクのセ
ット性が極めて良好で、枚葉オフセット印刷機で印刷が
可能であり、しかも加熱成形機で成形加工を行なった後
、表面に印刷の施された極めて良好な透明性を有する成
形品となり得る成形用紙を提供することである。

〔課題を解決するための手段〕

本発明の発明者は、上記の課題を解決することを目的と
して鋭意研究の結果、成形可能な透明プラスチックフィ
ルムから成る基材の表面に、加熱処理により透明化する
失透状態の多孔性インク定着層を形成すれば、インクの
浸透性が増してインクセットは良好となり、加熱成形機
で成形すれば、表面は印刷が施された状態で透明化する
ことを知得し、本発明を完成したのであって、本発明の
構成は、成形可能な透明プラスチックフィルムから成る
基材上に、加熱処理により透明化する失透状態の多孔性
インク定着層を設けて成り、前記インク定着層の表面に
オフセット印刷又は活版印刷等による印刷を施した後、
加熱成形機で成形加工することにより適宜形状に成形さ
れ、かつ透明化されるようにしたことを特徴とするもの
である。

以下に、本発明について詳述する。

本発明の成形用紙は以下のようにして得られる。

基材として用いられるプラスチックフィルムは、熱可塑
性で透明であれば良く、例えば、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメ
タクリレート、ポリエチレン。

ポリカーボネート等のフィルムがあるが、中でもポリエ
チレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル
が良い。

また、これらのフィルムとインク定着層との接着力を良
好にするため、フィルムに下引き層を施したり、コロナ
放電等の表面処理を施しても良い。

次に、前記基材上に多孔性インク定着層を設けるのであ
るが、そのための方法として、樹脂を溶媒に溶解して上
記基材上に塗工した後、前記溶媒は溶解するが樹脂は溶
解しない液中に通して凝固させ乾燥する方法と、上記基
材上に結着剤と熱可塑性樹脂粉末を塗工し乾燥する方法
とがある。

前者の方法では、飽和共重合ポリエステル樹脂。

ポリ塩化ビニル樹脂、−ポリ酢酸ビニル樹脂、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合樹脂、アクリロニトリル−スチレ
ン共重合樹脂等の樹脂を５ジメチルホルムアミド（ＤＭ
Ｆ）　、ジメチルアセトアミド（ＤＭＡＣ）　。

ジメチルスルホキシド（ＤＭＳＯ）　、　Ｎ−メチルピ
ロリドン（ＮＭＰ）等の溶媒に溶解して基材上に塗布し
、水等の前記溶媒は溶解するが樹脂は溶解しない常温の
液中に浸漬し、凝固させ乾燥させる。尚、多孔性を増す
ために、必要に応じ、上記液中に浸漬後、６０℃以上好
ましくは７５℃以上の熱水中に浸漬させても良い。また
、塗布厚みは２〜２０μｍ、好ましくは３〜１５μｍが
良く、それ以下では、インクの浸透性が悪くなってイン
クセット性が不良となるし、それ以上では、加熱処理に
よる完全な透明化が困難になる。

一方、後者の方法としては、水溶性飽和共重合ポリエス
テル樹脂、水溶性アクリル樹脂、アクリルエマルジョン
、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合エマルジョン、ポリビ
ニルアルコール等の結着剤中に、プラスチックピグメン
ト、アクリル樹脂。

ポリビニルエーテル、ポリエステル等の熱可塑性樹脂粉
末を分散させて基材上に塗布し乾燥させ、多孔性インク
定着層を形成させる方法がある。この方法においては、
樹脂粉末の粒径が多孔性構造を決定するため、その粒径
が０．１〜３０μｍ、好ましくは０．３〜１５μｍであ
ることが望ましい。

このようにして得られた成形用紙は、その表面が多孔性
構造を有しており、インクの浸透性に優れ、インクセッ
ト性、インク乾燥性、インク固着性が良好なものである
。

尚、必要に応じ、帯電防止剤を塗布しても良い。

また、多孔性インク定着層は、その表面温度が１００〜
１８０℃になるように加熱することにより、３〜４０秒
間で定着層を構成する樹脂が溶融し、多孔性構造が解消
されて透明化する。

〔発明の効果〕

上述したように、本発明による成形用紙は、特にインク
定着層が多孔性構造を形成しているため、インクのセッ
ト性、乾燥性、固着性に優れ、その多孔性構造が加熱処
理により短時間で解消されて透明化するので、印刷後、
成形することによって、鮮明に印刷された透明成形品を
容易に得られる。

〔実施例〕

次に、本発明の実施例について説明する。

実施例　１ 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂（積水化学製エスレ
ックＣ）　１００重量部（以下、部と記す）をジメチル
ホルムアミド（ＤＭＦ）４００部に溶解したものを、厚
さ２００μｍの透明ポリ塩化ビニルフィルムの表面に３
ｍ１ｌのアプリケータを用いて塗布した。

次いで、このものを２０℃の水中に６０秒間浸漬した後
、７５℃の熱水中に５秒間浸漬して取り出し、風乾した
。このものの表層は白色不透明で表層厚みは１６μｍで
あった。

次に、このものの裏面に帯電防止剤（メンスツトＮＡ花
王社製）を塗布し、成形用紙を得た。このものの表層を
電子顕微鏡でａＳしたところ、多数の細孔が確認された
。

この成形用紙に、ＲＩテスターを用いて印刷を施した。

インクは一般インクを用い、盛量は０．２５ｃｃとした
。

このもののインクセット時間を測定したところ、１５分
であった。次に、この印刷したフィルムを表面温度が１
５０℃の真空成形機を用いて成形したところ、白色不透
明なインク定着層は７秒間で透明化し、鮮明な画像が描
かれた優れた透明成形品が得られた。

実施例　２ 飽和共重合ポリエステル樹脂（バイロン２００東洋紡績
製）１００部をＮ−メチルピロリドン（ＮＭＰ）４５０
部に溶解したものを厚さ２５０μ閣の透明な無延伸ポリ
エステルフィルムの表面に３　ｆｆ１ｉｌのアプリケー
ターを用いて塗布した。

次いで、このものを２５℃の水中に６０秒間浸漬した後
、８０℃の熱水中に５秒間浸漬して取り出し、風乾した
。このものの表層は白色不透明で表層厚みは８μｍであ
った。

次に、このものの裏面に実施例１と同様に帯電防止剤を
塗布し、成形用紙を得た。このものの表層を電子顕微鏡
で観察したところ、多数の細孔が確認された。

この成形用紙に、実施例１と同条件でＲＩテスターを用
いて印刷を施した。

このもののインクセット時間を測定したところ。

２５分であった。次に、この印刷したフィルムを表面温
度が１５０℃の真空成形機を用いて成形したところ、表
層は６秒間で透明化し、実施例１と同様の優れた透明成
形品が得られた。

実施例　３ 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体水性エマルジョン（ビ
ニプラン２４０日信化学製固形分４５％）１００部に外
径０．５５μｍのアクリル−スチレン共重合体ピグメン
ト（ローペイク８４Ｊロームアンドハース社製固形分４
２．５％）２５０部を分散したものを、厚さ２５０μｍ
の透明ポリ塩化ビニルシートの表面に１　ａｉｌのアプ
リケータを用いて塗布し、１００℃の定温度乾燥機中で
３分間乾燥し、成形用紙を得た。

このものの表層厚みは４μｍであり１表層は白色不透明
で、電子顕微鏡で観察したところ、無数の球形のプラス
チックピグメントによる多孔構造が観察された。

この成形用紙に、実施例１，２と同条件でＲＩテスター
を用いて印刷を施した。インクセット時間は１５分であ
った。このものを表面温度が１５０℃の真空成形機で成
形を行なったところ、２３秒間で透明化し、実施例１，
２と同様に優れた透明成形品が得られた。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １　成形可能な透明プラスチックフィルムから成る基材
   上に、加熱処理により透明化する失透状態の多孔性イン
   ク定着層を設けて成り、前記インク定着層の表面にオフ
   セット印刷又は活版印刷等による印刷を施した後、加熱
   成形機で成形加工することにより適宜形状に成形され、
   且つ透明化されるようにしたことを特徴とする成形用紙
   。