JPH0473516B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は店舗や車庫等建物開口部に備えられる
横引きの折畳扉に関し、特に正背面一対の扉体を
左右に複数対連結してなる折畳扉の連結装置に関
する。

［従来の技術］ 従来、折畳扉の連結装置は、例えば特公昭50−
34342号に見られるように、左右単体扉体間に単
体の連結用関節片を配置するとともに、その一体
成形摺動棒に扉体の側縁凹型係合部を被嵌滑合せ
しめて各隣接扉体が相互に反対方向に90度回動し
得るよう吊支するものとされていた。

［発明が解決しようとする課題］ しかし、かかる従来連結装置によれば、その左
右扉体は案内軌条の正面又は背面一方側に回動し
て連結扉体を折畳み自在とするのみで、たとえ通
常の単体扉体を連結した場合でも、Ｓ字状等の折
返しを有する任意の各種曲線軌条を形成すること
が全く不可能であつた。

また更に、これを本発明者が先に特願昭62−
77315号（上吊式横引シヤツター）で提案したよ
うな正背面一対の扉体を左右に複数対連結せしめ
た二重状扉に用いた場合には、正背面扉体は互い
に正背面一方側にしか回動範囲をもたないので互
いに規制し合い、適用軌条は直線のみに限られ、
折返し部をもたない単純な円弧状軌条に沿うこと
も困難であつた。

本発明は、かかる従来折畳扉の連結装置の問題
点に鑑みてなされたもので、特に正背面一対の扉
体を左右に連結せしめた二重状の折畳扉を建物の
各種曲面開口部にも任意に対応して設置すること
ができ、且つその構造も比較的単純なものに止め
得る折畳み扉の連結装置を提供することを目的と
する。

［課題を解決するための手段］ 本発明は上記目的に添い完成したもので、即ち
本発明は、左右連結枠間に中間連結枠を配置し、
左右連結枠には各々正面又は背面片側90度の回動
範囲を有する関節片を軌条案内方向を挟み正背面
一対に形成してなるとともに、該左右連結枠と中
間連結枠を、軌条案内方向を挟み正背面両側に及
び回動範囲を有する左右一対の中間関節片により
連結せしめてなることを特徴とする折畳扉の連結
装置を要旨とするものである。

［作用］ 以上の結果、本発明の折畳扉の連結装置は、左
右連結枠に形成した各々正背面一対の関節片によ
り、正背面各扉体を軌条案内方向より直角突出状
に折畳み開成自在とするとともに、中間関節片に
より、連結した扉体は軌条案内方向を挟み正背面
両側に回動可能で任意の曲線軌条に沿い横引き開
閉自在となる。

［実施例］ 以下、実施例を図面を参照して説明すれば、図
中１は本発明連結装置２を備えた折畳扉であり
（第４図及び第５図参照）、該折畳扉１は、正背面
一対の扉体３ａ，３ｂ，……を左右に多数連結し
てなる二重状の扉本体４を、四周枠５内に有して
横引きして折畳み開閉自在としている。

本例四周枠５のうち、上下枠部材５ａ，５ｂは
溝形断面を有して扉本体の案内軌条６を形成して
おり、その平面形状は（勿論直線軌条ともできる
が）、本例では第５図に示すように正面側に膨出
した略半円状の第１曲線部６ａとこれに連結して
逆に背面側にカーブを有する第２曲線部６ｂを有
するとともに、更にこれらを直線部６ｃを挟み左
右ほぼ対称に配置して全体略Ｍ字状としている。
この結果、本例において扉本体４は、軌条案内方
向（曲線部においては当該位置における接線方
向）を挟んで正背面両側に折曲げつつ走行開閉さ
れる。

なお、扉本体４は、その扉体連結部一つおきに
上吊り戸車７及び下端ガイドローラー８を有して
上枠軌条に上吊りされまた上下軌条６に案内され
て、上記曲面開口部を蛇腹状に折畳み開閉自在と
されている。また、背面側の各扉体３ｂ……は
各々四周框組９内にガラスパネル１０を保持し、
一方正面側扉体３ａ……は縦パイプ格子１１を保
持している。

本例連結装置２は、かかる折畳扉１にあつて、
扉体４，４間に左右連結枠１２，１３を介装する
とともに、該左右連結枠１２，１３間に中間連結
枠１４を配置している（第１図及び第２図参照）。
そして、左右連結枠１２，１３には各々関節片１
５，１５を正背面一対に形成して隣接する正背面
扉体３ａ，３ｂを連結するとともに、該左右連結
枠１２，１３と中間連結枠１４を左右一対の中間
関節片１６，１６により連結せしめている。

本例関節片１５及び中間関節片１６は、各々断
面Ｃ字状の嵌挿係合部１７を対接する凹陥係合部
１８に回動自在に嵌挿せしめてなる。

なおこれら係合部１７，１８は、扉体３ａ，３
ｂの側縁縦框９ａ及び左右並びに中間連結枠１２
乃至１４の各対接部に上下方向一連一体に形成さ
れており、勿論これらの嵌挿・凹陥形状は対接部
間で左右を問わず転換自在である。

そして、正背面一対の関節片１５，１５は更に
軌条案内方向に沿う正背面各側の受止め辺１９，
１９を有している。この結果、正背面扉体３ａ，
３ｂは、各々の関節片において軌条案内方向を超
える背正面逆側への回動はできない。一方、該扉
体は、夫々正面又は背面一側方には軌条案内方向
から少なくとも90度の範囲で回動自在であり、第
２図及び第５図左端に示すように扉本体４は各扉
体３ａ，３ｂを正背面各側に直角に突出せしめて
蛇腹状に折畳み開成される。

一方、中間関節片１６は、左右連結枠１２，１
３と中間連結枠１４間に左右一対に形成されこれ
らを回動自在に連結せしめており、本例では軌条
案内方向を挟み正背面両側に各45度の回動範囲を
有している。この結果、本例においては該中間関
節片１６，１６のみで隣接扉体間角度を180度
（直列状態、第１図Ｂ参照）から正背面両側に90
度（第１図Ａ，Ｃ参照）まで回動することが可能
である。

なお、第２図中２０は、扉体間一つおきに配置
した突出側連結装置で、該突出側連結装置２０
は、左右及び中間の３関節片２１ａ，２１ｂ，２
２を有し、左右関節片２１ａ，２１ｂは軌条案内
方向から正面又は背面側一側方の少なくとも90度
回動範囲を有してなる一方、中間関節片２２は軌
条案内方向を挟み正背面両側に各45度の回動範囲
を有している。

また、第３図は本連結装置の他の実施例を示
し、特に中間連結枠１４′を比較的薄形に形成す
るとともに、その中間関節片１６′を、正背面一
対の関節片１５′，１５′間に一線上に配置してい
る。なお、前記実施例と共通する点については図
中同番号を付している。

その他図示しないが、関節片は上下方向に２乃
至数個所部分的に設けられてもよいし、その嵌挿
係合部は上記断面Ｃ字状の他円形等に形成するこ
とができる。

また、左右一対の中間関節片は、上記実施例の
ように各々軌条案内方向を挟み正背面両側への回
動範囲を有する他、例えば左中間関節片に正面側
回動、また右中間関節片に背面側回動というよう
に回動範囲を分担せしめた上、全体として正背面
両側に回動範囲を有するように構成することも可
能である。

更に、中間連結枠は左右連結枠間に複数配置
し、該中間連結枠相互を第３中間関節片により連
結せしめてもよく、前記左右一対の中間関節片と
その間の第３中間関節片に回動範囲を分担せしめ
て全体として所要の角度を得るようにすれば関節
片の強度確保等に有利とすることができる。

実施例は以上のとおりに構成したが、本発明は
前記要旨に反しない限り、左右連結枠、中間連結
枠、関節片、中間関節片等の具体的形状、構造、
材質、寸法、員数、配置及びこれらの関係、そし
て該連結装置を備える折畳扉の種類並びに配置形
状等は様々に変更し得て上記実施例に限られない
ことはいうまでもない。

［発明の効果］ 本発明の折畳扉の連結装置は、左右連結枠間に
中間連結枠を配置し、左右連結枠には各々正面又
は背面片側90度の回動範囲を有する関節片を軌条
案内方向を挟み正背面一対に形成してなるととも
に、該左右連結枠と中間連結枠を、軌条案内方向
を挟み正背面両側に及ぶ回動範囲を有する左右一
対の中間関節片により連結せしめてなるので、正
背面一対の関節片により正背面両側の扉体を蛇腹
状に開閉自在とするだけでなく、中間関節片は軌
条案内方向を挟み正背面両側に回動範囲を有し
て、直進に障害がないことはもとより、上記正背
面両側に扉体を有する二重状の折畳扉において
も、Ｓ字状等折返し状変曲部を有する建物の曲面
開口部にも沿い正背面両側に自在に曲進してこれ
を開閉せしめることが可能となる。

また、本連結装置は、左右連結枠及び中間連結
枠よりなり、且つその関節片及び中間関節片は正
背面一対又は左右一対に形成しているので、上記
のように正背面両側の扉体を連結することができ
且つ正背面両側に回動範囲を有するにも拘らず、
構造が比較的単純で、コスト上も有利であるとと
もに外観も簡潔なものとすることがでる。

【図面の簡単な説明】

図面は実施例を示すもので、第１図Ａ，Ｂ，Ｃ
は本発明に係る折畳扉の連結装置の横断面図でＡ
は正面側回動状態、Ｂは直列状態、Ｃは背面側回
動状態を示す。また、第２図は該連結装置の扉体
折畳み状態を示す横断面図、第３図は該連結装置
の他の実施例を示す横断面図、第４図は該連結装
置を備えた折畳扉の全体正面図、第５図は同折畳
扉の横断面図。 １……折畳扉、２……折畳扉の連結装置、１
２，１２′……左連結枠、１３，１３′……右連結
枠、１４，１４′……中間連結枠、１５，１５′…
…関節片、１６，１６′……中間関節片。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 左右連結枠間に中間連結枠を配置し、左右連
   結枠には各々正面又は背面片側90度の回動範囲を
   有する関節片を軌条案内方向を挟み正背面一対に
   形成してなるとともに、該左右連結枠と中間連結
   枠を、軌条案内方向を挟み正背面両側に及ぶ回動
   範囲を有する左右一対の中間関節片により連結せ
   しめてなることを特徴とする折畳扉の連結装置。