JPH0473466B2 - - Google Patents

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JPH0473466B2
JPH0473466B2 JP59103691A JP10369184A JPH0473466B2 JP H0473466 B2 JPH0473466 B2 JP H0473466B2 JP 59103691 A JP59103691 A JP 59103691A JP 10369184 A JP10369184 A JP 10369184A JP H0473466 B2 JPH0473466 B2 JP H0473466B2
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polyester
film
acid
mol
water
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JP59103691A
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JPS60248232A (ja
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Kenji Suzuki
Sadayoshi Miura
Tamaki Kanai
Masahiro Oshida
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Publication date
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Publication of JPH0473466B2 publication Critical patent/JPH0473466B2/ja
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01FMIXING, e.g. DISSOLVING, EMULSIFYING OR DISPERSING
    • B01F23/00Mixing according to the phases to be mixed, e.g. dispersing or emulsifying
    • B01F23/50Mixing liquids with solids
    • B01F23/51Methods thereof
    • B01F23/511Methods thereof characterised by the composition of the liquids or solids

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Dispersion Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
  • Adhesive Tapes (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Colloid Chemistry (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は易接着性ポリエステルフイルムの製造
方法に関する。 〔従来技術〕 熱可塑性ポリエステル、例えばポリエチレンテ
レフタレートもしくはその共重合体、ポリエチレ
ンナフタレートもしくはその共重合体、あるいは
これらと小割合の他樹脂とのブレンド物等を溶融
押出し、製膜することは公知である。そして得ら
れる二軸延伸熱固定したポリエステルフイルムは
耐熱性、ガス遮断性、電気的特性および耐薬品性
が他の樹脂からなるフイルムにくらべて優れてい
ることも知られている。もつとも、その表面は高
度に結晶配向されているので、表面の凝集性が高
く、塗料、接着剤およびインキの受容性に乏し
い。 そこで、かかるポリエステルフイルムの表面に
例えば合成樹脂層を設ける場合、両者の接着を強
靱にするためにフイルム表面にコロナ放電処理、
紫外線照射処理、プラズマ処理あるいは火焔処理
を施して該表面を活性化したあと合成樹脂塗層膜
を被覆する手段が適用されている。しかしなが
ら、これらフイルム表面への活性化手段において
は被覆物質層に対して濡れによる二次結合力の増
進による接着性向上は期待しうるものの、その活
性は経時的に低下する。従つて、これらフイルム
表面の活性化手段は必ずしも満足すべきものでは
ない。 ポリエステルフイルム表面の受容性を高める他
の方法として、種々の薬剤で表面を膨潤または部
分的溶解するエツチング方法が提案されている。
これはフイルム表面を酸、アルカリ、アミン水溶
液、トリクロル酢酸またはフエノール類らの薬剤
と接触させて該フイルム表面をエツチングし、表
面近傍の結晶配向を分解、溶解、緩和などを施す
と同時に凝集性を低下せしめてバインダー樹脂と
の付着性を高めようとするものであつて、その効
果は最も確実で、フイルムとその上に設けられる
層例えば合成樹脂塗膜層の密着性は強固となる。
しかしながら、この方法に用いられる薬剤には有
害のものもあつて、取扱い上危険を伴つたり、大
気中に薬剤の揮散物が放出される惧れがあり、作
業環境の汚染をもたらさないような万全の注意が
必要となるなど実用面で種々な不利な問題があ
る。 この方法に類似する手段として、予めフイルム
表面上にプライマー層(下塗り層)を設け、ベー
スフイルムとは異質の表面層を薄く形成せしめた
あと所望する層例えば合成樹脂層を被覆形成する
方法がある。下塗り層形成に際しては、概ねポリ
エステルの製膜工程とは別のプロセスにおいて塗
布処理が行われるので、処理工程中でゴミ、挾雑
物などの塵埃をまきこむ危険がある。フイルムの
高度化加工商品、例えばオーデイオ用磁気テー
プ、ビデオ用磁気テープ、コンピユーター用磁気
テープ、X線写真フイルム、印刷用写真フイル
ム、ジアゾマイクロフイルムなどの精密微妙な品
質を維持しなければならない用途においては、た
とえ易接着性の表面がうまく形成されたとしても
得られるフイルムに塵埃による表面欠陥があると
ベースフイルムとしてこれら用途には供し得な
い。加えてベースフイルムを所望する加工品に仕
上げるに際し、その中間で一度加工性に富む表面
に変性すべく、プライマーコート処理の工程を別
に設けることは、合理性を欠き、経済的あるいは
工業技術上も有利とは言えない。 一方プライマー(下塗)を施すプロセスを極力
塵埃の生じにくい雰囲気すなわちポリエステルフ
イルム製造の工程中で実施遂行する場合には前述
高度化フイルム加工商品の用途にも充分対応が可
能となる。 そこで、このようなフイルム製造プロセスでの
インライン下引処理を行うことが望まれる。従来
技術にあつては、ポリエステルフイルム表面のプ
ライマー処理による易接着性表面への変性方法は
多くの場合、有機溶剤に溶解せしめた組成物をフ
イルム表層部に塗設することによつて達成されて
来た。かかる方法をフイルム製造中に行う場合、
逸散有機溶剤による周囲環境の汚染、安全および
衛生上好ましからざる状態を招来し、製膜工程に
悪影響を及ぼすため、有機溶剤の使用は極力最少
限にとどめるべきである。従つて製膜プロセスで
のインライン下引処理を行う場合、水を溶媒とし
た組成物を用いることが工程的、経済的及び安全
上の点からも好ましい。 水を溶媒としたプライマー組成物は、従来より
数多く知られており、特にポリエステル共重合体
の水溶液または水分散体については多くの提案が
なされている。しかしながら、これらは水溶化の
ためにポリマー中に多量の親水性基の導入を要
し、得られるプライマー被膜は耐水性の劣つたも
のとなり、また耐水性向上を目的に親水性基の量
を抑えるとポリマーの分散性が悪く、分散のため
の少量の有機溶剤の添加を必要とし環境汚染等の
観点から好ましくない。例えば 特公昭47−40873号公報には、ポリエステル
を水に消散させるためには全酸成分に対して8
モル%以上のスルホン酸金属塩基含有化合物と
全グリコール成分に対して20モル%以上のポリ
エチレングリコールの使用が必要であると記載
されており、 特公昭56−5476号公報ではポリエステル共重
合成分としてのエステル形成性スルホン酸アル
カリ金属塩3.5〜7.5モル%の使用とグリコール
成分としてのジエチレングリコール30〜100モ
ル%の使用とを組合せることが提案され、また 特開昭56−88454号公報ではポリエステルの
共重合成分としてスルホン酸金属塩基含有芳香
族ジカルボン酸を0.5〜10モル%使用すること
と分散液として沸点が60〜200℃の水溶性有機
化合物を2〜66%含有する水を使用することの
組合せが提案されている。 前記は耐水性の著しく劣つたものとなり更に
前記はエステル形成性スルホン酸アルカリ金属
塩が少いときには多量のジエチレングリコールを
必要とし、やや耐水性は向上するものの十分とは
云えない。また前記では耐水性は可成り向上す
るが有機溶剤が必要であり、インライン処理には
不向きである。 〔発明の目的〕 本発明者は、従来のポリエステル系水分散体の
欠点である耐水性を向上させかつ優れた易接着性
をベースフイルムに付与するプライマー組成、及
びプライマーを塗布した易接着性フイルムについ
て鋭意検討した結果、本発明に到達した。 従つて、本発明の目的は、ポリエステルフイル
ムとの密着性にすぐれ、その上に塗布される種々
の被覆物例えばセロフアンインキ、磁気塗料、ゼ
ラチン組成物、オフセツトインキ、電子写真トナ
ー、ケミカルマツト塗料、ジアゾ塗料、ヒートシ
ール性付与組成物、無機質被膜形成性物質等に対
し優れた密着性を有し、かつ耐湿熱ブロツキング
性の良好な皮膜をインライン下引処理にて形成す
る易接着性ポリエステルフイルムの製造方法を提
供することにある。 〔発明の構成〕 本発明の目的は、本発明によれば 配向結晶化が完了する前のポリエステルフイル
ムの少くとも一つの面に該フイルムに易接着性を
付与するポリエステル水分散体を塗布し、次いで
乾燥、延伸さらに熱処理を施して配向結晶化を完
了せしめる易接着性ポリエステルフイルムの製造
方法において、該ポリエステル水分散体が固有粘
度0.2〜0.8の、実質的に水に不溶なポリエステル
を有機溶剤を含まない水に均一分散させたポリエ
ステル水分散体であつて、該ポリエステルがポリ
マーを構成する酸成分がテレフタル酸及びスルホ
ン酸金属塩基を有する芳香族ジカルボン酸を含有
する芳香族ジカルボン酸より主としてなりかつ該
テレフタル酸が80モル%を超え、該スルホン酸金
属塩基を有する芳香族ジカルボン酸が0.5〜10モ
ル%であり、更にポリマーを構成するグリコール
成分が1,4−ブタンジオールよりとネオペンチ
ルグリコールおよび/またはビスフエノールAの
エチレンオキシサイド付加物とより主としてなり
かつ該1,4−ブタンジオールが少くとも60モル
%である共重合ポリエステルであることを特徴と
する易接着性ポリエステルフイルムの製造方法に
よつて達成される。 本発明において水に分散させる共重合ポリエス
テルは、ポリマーを構成する酸成分がテレフタル
及びスルホン酸金属塩基を有する芳香族ジカルボ
ン酸を含有する芳香族ジカルボン酸より主として
なる。そしてテレフタル酸は全酸成分の80モル%
を超える必要があり、更にスルホン酸金属塩基を
有する芳香族ジカルボン酸は全酸成分当り0.5〜
10モル%である必要がある。テレフタル酸の割合
が80モル%以下になるとまたスルホン酸金属塩基
を有する芳香族ジカルボン酸の割合が10モル%を
越えると、フイルムの耐ブロツキング性が低下す
るので好ましくない。またスルホン酸金属塩基を
有する芳香族ジカルボン酸の割合が0.5モル%未
満になると共重合ポリエステルの水分散化が困難
となるので好ましくない。 前記テレフタル酸の好ましい割合は85モル%以
上である。 また、前記スルホン酸金属塩基を有する芳香族
ジカルボン酸とは芳香族ジカルボン酸の芳香核に
スルホン酸金属塩基(−SO3M:ここでMは一価
の金属である)が結合している化合物である。こ
の一価の金属としてはアルカリ金属、特にナトリ
ウム及びカリウムが好ましい。このスルホン酸金
属塩基を有する芳香族ジカルボン酸としては、例
えば3−スルホフタル酸、4−スルホフタル酸、
4−スルホイソフタル酸、5−スルホイソフタル
酸及びスルホテレフタル酸のアルカリ金属塩(例
えばナトリウム塩、カリウム塩等)があげられ
る。これらの中でもソジウム・スルホテレフタル
酸、カリウム・スルホテレフタル酸、5−ソジウ
ム・スルホイソフタル酸及び5−カリウム・スル
ホイソフタル酸が好ましい。かかる化合物は共重
合ポリエステルの水分散性と皮膜の耐湿ブロツキ
ング性に大きな影響を与えるものであり、この好
ましい使用割合は0.5〜5モル%であり、特に好
ましい使用割合は0.5〜3モル%である。 前記共重合ポリエステルの酸成分は上述した割
合のテレフタル酸及びスルホン酸金属塩基を有す
る芳香族ジカルボン酸を含有するが、これらと一
緒に使用できる他の芳香族ジカルボン酸としては
例えばイソフタル酸、フタル酸、ナフタリンジカ
ルボン酸、ジフエニルジカルボン酸等を挙げるこ
とができる。これらの中イソフタル酸が特に好ま
しい。またこの他の芳香族ジカルボン酸は、全酸
成分の10モル%未満の割合であれば脂肪族ジカル
ボン酸および/または脂環族ジカルボン酸で置換
されていても良い。脂肪族ジカルボン酸としては
アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等が例示
でき、また脂環族ジカルボン酸としては1,3−
シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘ
キサンジカルボン酸等が例示できる。 また前記共重合ポリエステルを構成するグリコ
ール成分は1,4−ブタンジオールとネオペンチ
ルグリコールおよび/またはビスフエノールAの
エチレンオキサイド付加物とより主としてなりか
つ該1,4−ブタンジオールが少くとも60モル%
である必要がある。好ましい1,4−ブタンジオ
ールの割合は80モル%を越える割合である。1,
4−ブタンジオールの割合が60モル%未満では皮
膜の耐水性、耐湿ブロツキング性及び耐熱ブロツ
キング性が劣つたものとなるので好ましくない。
ネオペンチルグリコール及びビスフエノールAの
エチレンオキサイド付加物は全グリコール成分の
10モル%未満の割合であれば他のグリコール例え
ばエチレングリコール、1,2−プロパンジオー
ル、1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタ
ンジオール、1,6−ヘキサンジオール等で置換
されていても良い。 本発明における共重合ポリエステルは、上述の
成分より構成されるが、固有粘度0.2〜0.8である
必要がある。ここで固有粘度とは0−クロロフエ
ノールを用いて25℃で測定した値である。共重合
ポリエステルの固有粘度が0.2未満であると接着
性が低下し、また0.8を越えると水分散性が低下
するので好ましくない。また前記共重合ポリエス
テルは水に対して実質的に不溶でなければならな
いが、ここで云う“水に対して実質的に不溶”と
は共重合ポリエステルを3〜5m/mの角状チツ
プとし、該チツプを90℃の温水中に添加して3時
間加熱したときの溶出減量が1重量%以下、好ま
しくは0.5重量%以下、特に好ましくは0.1重量%
以下であることを意味する。 本発明における共重合ポリエステルは、従来か
ら蓄積されたポリエステルの製造技術によつて製
造することができる。例えばテレフタル酸または
そのエステル形成性誘導体と1,4−ブタンジオ
ールとネオペンチルグリコールおよび/またはビ
スフエノールAのエチレンオキサイド付加物とを
反応せしめてモノマーもしくはオリゴマーを形成
し、該モノマーもしくはオリゴマーはスルホン酸
金属塩基を有する芳香族ジカルボン酸を添加して
から重縮合せしめることによつて所定固有粘度の
ポリマーとする方法で製造することができる。そ
の際反応を促進する触媒、例えばエステル化もし
くはエステル交換触媒、重縮合触媒等を用いるこ
とができ、また種々の添加剤例えば改質剤、安定
剤等を添加することもできる。前記触媒としては
ポリテトラメチレンテレフタレートとの製造に用
いられる触媒が好ましく用いられる。 本発明のポリエステル水分散体は、前記共重合
ポリエステルを水に均一分散させたものである。
この水分散体は以下の方法で製造することができ
る。 共重合ポリエステルは先ず、20℃で1の水に
対する溶解度が20g以上でかつ沸点が100℃以下
または100℃以下で水と共沸する親水性の有機溶
剤に溶解する。この有機溶剤としてはアセトン、
テトラヒドロフラン、酢酸エチル、メチルエチル
ケトン等を例示することができる。 共重合ポリエステルを溶解した有機溶液には次
いで、攪拌下好ましくは加温高速攪拌下で水を添
加し、青白色から乳白色の分散体とする。また攪
拌下の水に前記有機溶液を滴下する方法によつて
も青白色から乳白色の分散体とすることもでき
る。得られた分散体を、更に、常圧好ましくは減
圧下に蒸留し親水性の有機溶剤を留去すると目的
のポリエステル水分散体が得られる。共重合ポリ
エステルを水と共沸する親水性の有機溶剤に溶解
した場合には、該有機溶剤留去時に水が共沸する
ので水の減量分(共沸分)を考慮し、前もつて多
めの水に分散しておくことが望ましい。蒸留後の
固形分濃度は40重量%以下とすることが望まし
く、40重量%を越えると水に分散する共重合ポリ
エステル微粒子の再凝集が起り易く、水分散体の
安定性が低下する。水分散体の固形分濃度は20重
量%以下とするのが好ましい。一方、固形分濃度
の下限は特にないが、0.1重量%以上とするのが
好ましい。 かくして得られるポリエステル水分散体は、後
述するポリエステルフイルムの片面または両面に
塗布し、乾燥することによつて該フイルムに易接
着性を付与することができる。 本発明においてポリエステルフイルムを形成す
るポリエステルとは芳香族二塩基酸またはそのエ
ステル形成性誘導体とジオールまたはそのエステ
ル形成性誘導体とから合成される高融点・高結晶
性の線状飽和ポリエステルである。このようなポ
リエステルとして、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン
−2,6−ナフタレート等が例示でき、これらの
共重合体またはこれらと小割合の他樹脂とのブレ
ンド物なども含まれる。上記の線状飽和ポリエス
テルを溶融押出し、常法でフイルム状となし、配
向結晶化ならびに熱処理結晶化せしめたものが本
発明におけるポリエステルフイルムである。この
ポリエステルフイルムは、結晶融解熱として走査
型熱量計によつて窒素気流中〔10℃/分の昇温速
度において〕で測定した値が通常4cal/g以上を
呈する程度に結晶配向したものである。 本発明においては、配向結晶化が完了する前の
ポリエステルフイルフイルムとは、ポリエステル
を熱溶融してそのままフイルム状となした未延伸
状フイルム;未延伸フイルムをタテ方向またはヨ
コ方向の何れか一方に延伸配向せしめた一軸延伸
フイルム;さらにはタテ方向およびヨコ方向の二
方向に低倍率延伸配向せしめ、最終的にタテ方向
又はヨコ方向に再延伸せしめて配向結晶化を完了
せしめる前の二軸延伸フイルム等を含むものであ
る。 ポリエステル水分散体は、塗布に際してはアニ
オン型界面活性剤、ノニオン型界面活性剤等の界
面活性剤を必要量添加して用いることができる。
有効な界面活性剤としてはポリエステル水分散体
の表面張力を40dyne/cm以下に降下でき、ポリ
エステルフイルムへの濡れを促進するものであ
り、公知の多くの界面活性剤を使用することがで
きる。その一例としてポリオキシエチレンアルキ
ルフエニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸
エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリ
ン脂肪酸エステル、脂肪酸金属石けん、アルキル
硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルスルホ
コハク酸塩、第四級アンモニウムクロライド、ア
ルキルアミン塩酸塩、ドデシルベンゼンスルホン
酸ソーダ塩等を挙げることができる。塗布につい
てはポリエステルフイルムの表層が塗膜によつて
完全に覆われる程度の厚みであればよい。 プライマー層の形成に際してはポリエステルフ
イルムが結晶配向が完了する前に適用することが
必要である。 この際に延伸配向前のポリエステルフイルムの
表面にかかるポリエステル水分散体を塗布する方
法として公知の任意の塗工法が適用できる。例え
ばロールコート法、グラビアコート法、ロールブ
ラツシユ法、スプレーコート、エアーナイフコー
ト、含浸法およびカーテンコート法などを独立ま
たは組み合せて適用するとよい。 塗工を施す工程では、ポリエステルを溶融押出
してキヤステイングした未延伸状態のフイルムの
表層が、またはタテまたはヨコのいずれか一方向
に延伸を施した直後のフイルム表層が好ましく対
象となる。プライマー層を形成せしめ、少くとも
その効能を発現させるためには、熱固定を受ける
直前までに塗膜を乾燥せしめ、そのあと少くとも
120℃以上の温度で2時間以上塗膜を加熱するこ
とが好ましい。またプライマー層の塗設は、予め
未延伸フイルム又は一軸延伸フイルムを採取し、
これに塗布乾燥をフイルム製造ライン外で行い、
続いて二軸延伸又は一軸延伸と熱固定を行うこと
もできるが、プライマー処理効果および経済性の
点から、フイルム製造ラインの中で適用すること
が好ましい。 本発明の被覆処理された易接着性ポリエステル
フイルムはセロフアンインキ、磁気塗料、ゼラチ
ン組成物、アマニ油系オフセツトインキ、電子写
真用トナー組成物、ケミカルマツト塗料、ジアゾ
塗料、ヒートシール性付与組成物、無機質被覆形
成性物質および金属蒸着物質らに対して極めて広
汎な密着付着性能を示す。 〔実施例〕 以下、実施例をあげて詳しく説明する。 なお実施例中の部は重量部を意味する。またフ
イルムの各特性は次の方法で測定した。 1 接着性 プライマー被覆処理上ポリエステルフイルムに
各種上塗り塗布物を所定の条件においてコーテイ
ングし、スコツチテープNo.600(スリーM社製)巾
19.4mm、長さ8cmを気泡のはいらないように粘着
し、この上をJIS.C2701(1975)記載の手動式荷重
ロールでならし貼着積層部5cm間を東洋ボールド
ウイン社製テンシロンUM−を使用してヘツド速
度300cm/分で、この試料をT字剥離し、この際
の剥離強さを求め、これをテープ巾で除してg/
cmとして求める。なおT字剥離において積層体は
テープ側を下にして引取りチヤツク間を5cmとす
る。 2 表面滑り性 プライマー塗布面と非塗布面について温度20
℃、湿度60%RHにおいて静摩擦係数を東洋テス
ター社製のスリバリー測定試験器を用いて測定す
る。 3 耐ブロツキング性 2枚のフイルム(50mm×50mm)を処理面同志重
ね合せて、これに2Kg/cm2の圧力を60℃×80%
RHの雰囲気で24hrかけたのち、剥離しその状況
を5段階で表した。 5:全く音がせず抵抗なく剥離する 4:軽い音がして剥離する 3:音と共に抵抗が少しあつて剥離する 2:ばりばりと音がして抵抗大で剥離する 1:粘着して剥離不能 〔評価用塗料の調製〕 (1) 磁性塗料 塗料用ラツカーシンナーにニトロセルローズ
RS1/2〔イソプロパノール25%含有フレークス
タイセル(株)製〕を溶解し、40wt%溶液を調製し、
該液を43.9部、続いてポリエステル樹脂(デスモ
フエン#1700バイエル社製)32.5部、二酸化クロ
ム磁性粉末2.60部、分散剤・湿潤剤として大豆油
脂肪酸(レシオンP;理研ビタミン(株)製)、カチ
オン系活性剤(カチオンAB日本油脂(株)製)およ
びスクワレン(鮫肝油)を夫々1部、0.5部およ
び0.8部をボールミルに投入する。メチルエチル
ケトン(MEKと以下略記)/シクロヘキサノ
ン/トルエン=3/4/3(重量比)からなる混
合溶液282部をさらに追加混合して、充分微粉化
して母液塗料(45wt%)を調整する。この母液
50部に対し、トリメチロールプロパンとトルレイ
ンジイソシアナートとの付加反応物48部(コロネ
ートL:日本ポリウレタン工業(株)製)と酢酸ブチ
ル6.25部を加え、最終的に42.75wt%の評価用磁
性塗料を得た。 (2) グラビア印刷インキ ニトロセルロースおよびロジン系油脂を主バイ
ンダーとする市販のセロフアン印刷用グラビアイ
ンキ:CTL−709白(大日本インキ(株)製)原液2
部を、トルエン/酢酸エチル/メチルエチルケト
ン=1/1/1の混合溶媒1部の割合で希釈し評
価用塗料とした。 (3) ゼラチン塗料 写真用ゼラチン10部(新田ゼラチン)、サポニ
ン1部、蒸留水539部を加え、固形分濃度2%の
簡易評価用ゼラチン塗料を得た。 比較例 1 a ポリエステル水分散体の調製 テレフタル酸ジメチル95部、イソフタル酸95
部、5−ソジウム・スルホイソフタル酸ジメチル
6部、1,4−ブタンジオール108部およびチタ
ンテトラブトキシド0.2部を反応器に添加し、窒
素気流下で170〜200℃に加熱して生成するメタノ
ールを留去させつつエステル交換反応を行つた。
次いで反応糸の温度を徐々に250℃まで上昇させ、
糸内を20mmHgの減圧にして重縮合反応を行い固
有粘度0.4の共重合ポリエステルを得た。該共重
合ポリエステルの組成を第1表に示す。 この共重合ポリエステル20部をテトラヒドロフ
ラン80部に溶解し、得られた溶液に10000回転/
分の高速攪拌下で水180部を滴下して青みがかつ
た乳白色の分散体を得た。次いでこの分散体を20
mmHgの減圧下で蒸留し、テトラヒドロフランを
留去した。かくして固形分濃度10wt%のポリエ
ステル水分散体を得た。 更に、該ポリエステル水分散体180部にノニオ
ン系界面活性剤:ポリオキシエチレンノニルフエ
ニルエーテル(HLB=12.8)2部を加え、更に
水618部を加えて塗布液を調製した。 b 易接着性ポリエステルフイルムの製造 25℃の0−クロロフエノール中で測定した固有
粘度0.65のポリエチレンテレフタレート(滑剤含
有)を約20℃に維持した回転ドラム上に溶融押出
して158μ(ミクロン)の未延伸フイルムを得、次
にこれを機械軸方向に3.5倍延伸したのち前記a)
で調製した塗布液をキスコート法にて一軸延伸フ
イルムの片面に塗布した。その後、98℃の予熱ゾ
ーンを通過し、105℃で3.9倍に横方向に延伸し
た。続いて200℃で4.2秒間熱処理を施し平均塗布
量15mg/m2で厚さ12.2μの二軸延伸プライマー被
覆ポリエステルフイルムを得た。このフイルムの
処理面の接着性、表面滑性及び耐ブロツキング性
を測定した。その結果を第1表に示す。 実施例1,2及び比較例2〜4 a ポリエステル水分散体の調製 テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル
及び5−ソジウム・スルホイソフタル酸ジメチル
の割合、及び1,4−ブタンジオール、ペオペン
チルグリコール及びビスフエノールAのエチレン
オキサイド付加物の割合を変える以外は比較例
1a)と同様に行つて第1表に示す組成の共重合
ポリエステルを得た。更にこれら共重合ポリエス
テルを用いる以外は比較例1a)と同様に行つて
ポリエステル水分散体、更には塗布液を調製し
た。 b 易接着性ポリエステルフイルムの製造 上記a)で調製した塗布液を用いる以外は比較
例1b)と同様に行つて二軸延伸プライマー被覆
ポリエステルフイルムを得た。このフイルムの処
理面の接着性、表面滑性及び耐ブロツキング性を
測定した。その結果をまとめて第1表に示す。 比較例 5 ポリエステル水分散体を塗布しなかつた、すな
わちプライマー被覆処理をしなかつた以外は比較
例1b)と同様に行つて二軸延伸ポリエステルフ
イルムを得、該フイルムの表面特性を測定した。
その結果を第1表に示す。
〔発明の効果〕
本発明で用いるポリエステル水分散体はポリマ
ー微粒子の分散安定性にすぐれ、さらに二軸延伸
ポリエステルフイルムの製造工程中で該フイルム
表面に接着性にすぐれたプライマー層を塗設する
ことができる。その際、媒体が水であるため作業
環境を汚染することがなく、しかも延伸プロセス
の加熱ゾーンを共用出来るため、他のプライマー
処理方法と比較してコスト的にも非常に有利と云
える。更に本発明のポリエステル水分散体を塗布
した二軸延伸ポリエステルフイルムは種々の被覆
物に対し優れた接着性を示すとともに高温高湿下
において塗面(プライマー層)のはりつき現象が
起らないという優れた耐ブロツキング性を有す
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 配向結晶化が完了する前のポリエステルフイ
    ルムの少くとも一つの面に該フイルムに易接着性
    を付与するポリエステル水分散体を塗布し、次い
    で乾燥、延伸さらに熱処理を施して配向結晶化を
    完了せしめる易接着性ポリエステルフイルムの製
    造方法において、該ポリエステル水分散体が固有
    粘度0.2〜0.8の、実質的に水に不溶なポリエステ
    ルを有機溶剤を含まない水に均一分散させたポリ
    エステル水分散体であつて、該ポリエステルがポ
    リマーを構成する酸成分がテレフタル酸及びスル
    ホン酸金属塩基を有する芳香族ジカルボン酸を含
    有する芳香族ジカルボン酸より主としてなりかつ
    該テレフタル酸が80モル%を越え(全酸成分に対
    し)、該スルホン酸金属塩基を有する芳香族ジカ
    ルボン酸が0.5〜10モル%(全酸成分に対し)で
    あり、更にポリマーを構成するグリコール成分が
    1,4−ブタンジオールとネオペンチルグリコー
    ルおよび/またはビスフエノールAのエチレンオ
    キサイド付加物とより主としてなりかつ該1,4
    −ブタンジオールが少くとも60モル%(全グリコ
    ール成分に対し)である共重合ポリエステルであ
    ることを特徴とする易接着性ポリエステルフイル
    ムの製造方法。
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