JPH047260Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【技術分野】

本考案は、床パンの上に載置した浴槽から排水
するための技術に関する。

【背景技術】

従来、床パンの上に浴槽を載置したものが知ら
れている。この床パンの上に浴槽を載置したもの
において浴槽の排水をするに当たつては、通常浴
槽の排水口から床パンの上に浴槽の排水を垂れ流
しにし、床パンの上に流れた排水を床パンの勾配
により床パンに設けた排水孔部から外部に排水し
ていた。ところが、この従来例にあつては、いつ
たん浴槽の下にある床パンの上に浴槽から垢や石
鹸かすやヘヤー等が流れて床パンの上に拡散さ
れ、垢や石鹸かすやヘヤーの一部がそのまま浴槽
の下の床パン上に堆積され、悪臭の原因となつて
いた。

【考案の目的】

本考案は上記の従来の問題点に鑑みて考案した
ものであつて、その目的とするところは浴槽の排
水口から床パンの排水孔部まで排水を導いて、床
パンの上に垢や石鹸かすやヘヤーが流れて堆積す
ることがなく、しかも排水管の中に水が溜まるの
を防止して排水管を清潔にしておくことができる
浴槽の排水構造を提供するにある。

【考案の開示】

本考案の浴槽の排水構造は、床パン１の上に浴
槽２を載置し、浴槽２と床パン１との間に排水管
３を配置し排水管３の一端部に上向き開口の流入
部４を設け、流入部４と浴槽２下面の排水口５と
を連通させると共に排水管３の流入部４を設けた
方の端部の下面を支持部６により床パン１の上面
より上方に持ち上げ、床パン１に設けた排水孔部
７に排水管３の他端部を連通させ、浴槽２の上記
排水口５に取り付けた排水金具１０の下部外周に
ゴム系材料のガイドパツキン１２を装着すると共
にガイドパツキン１２の外周に全周に亘るひだ部
１８を上下に複数個設け、上記流入部４の上面に
凹設した嵌合凹所２２をひだ部１８を介してガイ
ドパツキン１２に嵌合して排水口５と流入部４と
を連通させて成るものであつて、このような構成
を採用することで、上記した本考案の目的を達成
したものである。すなわち本考案にあつては、浴
槽２の排水を排水管３により床パン１の排水孔部
７に排水するので排水とともに垢や石鹸かすやヘ
ヤー等が床パン１の上に流れて堆積することがな
くなつたものであり、しかも排水管３の流入部４
を設けた方の端部の下面を支持部６により床パン
１の上面より上方に持ち上げているので、排水管
３の浴槽２の下面の排水口５と連通する流入部４
からの排水が溜まらないのでスムーズに排水する
ことができるものであり、さらに排水口５の排水
金具１０と流入部４の嵌合凹所２２との間にひだ
部１８を有するガイドパツキン１２を介して接続
したことにより外れないように確実に接続できる
と共に水が漏れないように確実にシールできたも
のである。 以下本考案を実施例により詳述する。床パン１
は浴槽載置部８と洗い場９とで構成されている。
浴槽載置部８には浴槽２が載置してある。浴槽２
の下面には排水口５が設けてある。この排水口５
は、浴槽２の孔部の周縁を構成する下方に段状と
なつた段状縁部１１に排水金具１０を上方より挿
入し、座１４を介してナツト１３を螺合してあつ
て、このように浴槽２の下面に取付けた排水金具
１０の上下に貫通する孔が排水口５となつている
ものである。排水口５を構成する上記排水金具１
０には浴槽２の下面側においてガイドパツキン１
２を介して浴槽２と床パン１との間に配置する排
水管３の一端部の上向き開口の流入部４が連通さ
せてある。ガイドパツキン１２はゴム系材料で形
成してあり、排水口５と流入部４とを接続して連
通する役目をしている。ガイドパツキン１２は排
水金具１０に取付けたナツト１３、座１４に弾性
的に嵌合することができる形状をしていて中央に
中央孔１５を有する嵌合凹部１６が設けてあり、
この嵌合凹部１６のうちナツト嵌合凹部１６ａは
六角形状をしている。またガイドパツキン１２の
下向き筒部１７の外周には上下方向に複数個のひ
だ部１８が設けてある。そして上記ガイドパツキ
ン１２は嵌合凹部１６を排水金具１０の浴槽２の
下面より下方に突出した部分に嵌め込んで、排水
金具１０に取付けたナツト１３、座１４に弾性的
に被嵌して取付けるようになつている。この場合
ガイドパツキン１２には位置合わせ用マーク３０
が設けてあり、位置合わせ用マーク３０をナツト
１３の角部に位置合わせして嵌合することによ
り、簡単に嵌合できるようにしてある。排水管３
は水上側接続部１９と水下側管２１と水上側接続
部１９と水下側管２１とを接続する湾曲管２０と
で構成してある。水上側接続部１９は内部が中空
となつた容器状をしていて上面部に下方に向けて
凹んだ嵌合凹所２２が設けてあり、この場合嵌合
凹所２２の底部に上方開口の流入部４が設けてあ
り、また水上側接続部１９の一側面に接続用筒部
２３突設してあつて、この接続用筒部２３に湾曲
管２０の一端部が回転自在に接続される。水上側
接続部１９の下面部には下方に向けて支持部６が
突設してある。そして水上側接続部１９の嵌合凹
所２２をガイドパツキン１２の下向き筒部１７に
被嵌してあり、この場合下向き筒部１７の外周に
上下方向に設けたひだ部１８が嵌合凹所２２の内
周壁面に圧接して水密を保つと共に第７図ａ，ｂ
のように嵌合凹所２２の嵌合深さが変わる場合で
も嵌合状態を保つことができるようにしてある。
なお第７図ａは後述する浴槽２の脚２４の高さが
最大時を示し、第７図ｂは脚２４の高さが最小時
を示している。浴槽２の下面に突設した脚１０は
床パン１の浴槽載置部８の上面に突設した載置台
２５に載置するようになつており、排水管３によ
り排水口５から床パン１に設けた排水孔部７に排
水するに当たり、脚１０を回避するために排水管
３の中間部分を構成する湾曲管２０を湾曲した形
状にしたものである。そして水上側接続部１９に
対して湾曲管２０を回転自在に取付けてあるの
で、湾曲管２０を回転することで、バスユニツト
の右勝手、左勝手に対応できるものである。（つ
まり添付図面のように浴槽２が左にあつて排水孔
部７が右にある場合や、これとは逆に浴槽２が右
にあつて排水孔部７が左にある場合のいずれかに
おいても湾曲管２０により脚２４を回避して配管
できて、左右勝手に対応できる）。湾曲管２０の
他端部には水下側管２１が着脱自在に接続され
る。この場合第１０図ａに示すようにワイヤーバ
ンド２６を湾曲管２０に通した状態で水下側管２
１の一端部を湾曲管２０に回転自在に差し込み、
この状態でワイヤーバンド２６のつまみ２７を水
下側管２０の端部の側面にくるようにして第１０
図ｂのように締め付けるものである。このワイヤ
ーバンド２６の着脱自在に締め付けるものであれ
ば他の手段のものであつてもよい。水下側管２１
の他端部は下方に向けて開口した排水口２８とな
つており、排水口２８が床パン１に設けた排水孔
部７に挿入または対向させることで連通させてあ
る。排水孔部７にはトラツプ部（図示せず）が設
けてある。この排水孔部７の掃除をする場合には
ワイヤーバンド２６による締め付けを解除して水
下側管２１を湾曲管２０から取り外すことで排水
孔部７を開放して掃除をするものである。ところ
で湾曲管２０により脚２４を回避する際、湾曲管
２０が床パン１の浴槽載置部８の上面に突設した
載置台２５に載置されてこの部分が浴槽載置部８
の他の部分よりも高くなつていても、水上側接続
部１９の下面を支持部６により床パン１の上面よ
り上方に持ち上げているので、水上側接続部１９
のレベルを湾曲管２０や水下側管２１のレベルよ
り高くできて、浴槽２の排水口５からの排水を床
パン１の排水孔部７にスムーズに排水できて、水
上側接続部１９部分に排水が溜まつて悪臭の原因
とならないようにしてある。なお第２図中２９は
床パン１に設けた堰であつて浴槽載置部８と洗い
場部９とを仕切つており、この上にエプロンが載
せられる。

【考案の効果】

本考案にあつては、叙述のように床パンの上に
浴槽を載設し、浴槽と床パンとの間に排水管を配
置し、配置管の一端の流入部と浴槽下面の排水口
とを連通させ、床パンに設けた排水孔部に排水管
の他端部を連通させてあるので、浴槽の排水を排
水管により床パンの排水孔部に排水でき、排水と
ともに垢や石鹸かすやヘヤー等が床パンの上に流
れて堆積して悪臭を発生したりすることがなくな
つたものであり、しかも排水管の流入部を設けた
方の端部の下面を支持部により床パンの上面より
上方に持ち上げてあるので、排水管からの排水が
流入部側に溜まらないものであつて、排水管によ
る排水がスムーズにできると共に排水管内に排水
が溜まらないので、排水管から悪臭が発生したり
するおそれがないものであり、さらに排水管の流
入部側を支持部で支持して持ち上げているため流
入部を排水口に接続する部分の接続が外れること
がないものであり、さらにまた浴槽の排水口に取
り付けた排水金具の下部外周にゴム系材料のガイ
ドパツキンを装着すると共にガイドパツキンの外
周に全周に亘るひだ部を上下に複数個設け、上記
流入部の上面に凹設した嵌合凹所をひだ部を介し
てガイドパツキンに嵌合して排水口と流入部とを
連通させたので、排水口の排水金具と流入部の嵌
合凹所との間に弾性のあるガイドパツキンを介装
して接続することになり接続部が外れないように
確実に接続でき、しかもガイドパツキンの弾性に
よる密着と複数個のひだ部による密着にて確実に
シールできて水が漏れないように確実に接続でき
るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の断面図、第２図は
同上の排水管の配管状態を示す平面図、第３図は
同上の床パンの一例を示す平面図、第４図は同上
のガイドパツキンの取付けを示す分解斜視図、第
５図ａ，ｂ，ｃは同上の平面図、下面図及び断面
図、第６図ａ，ｂ，ｃ，ｄは同上の水上側接続部
の平面図、下面図、断面図及び側面図、第７図
ａ，ｂは同上の水上側接続部を浴槽の排水口に接
続した場合における浴槽の脚の最大高さ時の断面
図及び浴槽の脚の最小高さ時の断面図、第８図は
同上の湾曲管の一部破断せる平面図、第９図は同
上の水上側接続部に湾曲管を回転自在に接続した
状態の平面図、第１０図ａ，ｂは同上の湾曲管に
水下側管を接続する前の分解斜視図及び湾曲管に
水下側管を接続した状態の斜視図、第１１図は同
上の水下側管と排水孔部との関係を示す断面図で
あつて、１は床パン、２は浴槽、３は排水管、４
は流入部、５は排水口、６は支持部、７は排水孔
部、１０は排水金具、１２はガイドパツキン、１
８はひだ部、２２は嵌合凹所である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 床パンの上に浴槽を載置し、浴槽と床パンとの
   間に排水管を配置し、排水管の一端部に上向き開
   口の流入部を設け、流入部と浴槽の下面の排水口
   とを連通させると共に排水管の流入部を設けた方
   の端部の下面を支持部により床パンの上面より上
   方に持ち上げ、床パンに設けた排水孔部に排水管
   の他端部を連通させ、浴槽の上記排水口に取り付
   けた排水金具の下部外周にゴム系材料のガイドパ
   ツキンを装着すると共にガイドパツキンの外周に
   全周に亘るひだ部を上下に複数個設け、上記流入
   部の上面に凹設した嵌合凹所をひだ部を介してガ
   イドパツキンに嵌合して排水口と流入部とを連通
   させて成る浴槽の排水構造。